JP4166290B2 - サイバースペースシステム、情報処理方法、仮想空間提供装置および仮想空間提供方法 - Google Patents

サイバースペースシステム、情報処理方法、仮想空間提供装置および仮想空間提供方法 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、バーチャルリアリティ(仮想現実空間)を生成し、ユーザに提供するサイバースペースシステム、情報処理方法、仮想空間提供装置および仮想空間提供方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
図19は、従来のサイバースペースシステムの構成例を示している。サーバ1は記憶装置2を備え、記憶装置2に記憶されている画像データを公衆電話回線4を介して、各ユーザ端末3−1乃至3−3に供給するようになされている。
【0003】
各ユーザ端末3−1乃至3−3は、記憶装置2に予め用意されている100種類のキャラクタの中から所定のものを自分のキャラクタとして指定する。そして、そのキャラクタを、サーバ1が提供する仮想現実空間内において移動させ、仮想現実空間での生活を楽しむことができるようになされている。
【0004】
例えばユーザ端末3−1が、通常の公衆電話回線4を介してサーバ1にアクセスし、仮想現実空間の画像の提供を受ける。ユーザ端末3−1において、所定の操作を行い、自分のキャラクタ(例えば、キャラクタA)を所定の方向に移動させるように指示すると、その移動方向に対応する画像がサーバ1より提供されてくる。これにより、ユーザ端末3−1は、自分のキャラクタAを、あたかも仮想現実空間が提供する町を移動させるようにして楽しむことができる。
【0005】
ユーザ端末3−2においても、同様に、自分のキャラクタ(例えば、キャラクタB)を指定し、このキャラクタBを、仮想現実空間内において移動させることができる。
【0006】
ユーザ端末3−1のキャラクタAと、ユーザ端末3−2のキャラクタBが、仮想現実空間の近傍の位置に移動した場合、サーバ1からユーザ端末3−1に提供される仮想現実空間の画像には、背景としての町の画像の他に、その町を移動するキャラクタBの画像も提供される。これにより、ユーザ端末3−1には、例えば図20に示すような画像が表示される。即ち、自分のキャラクタAが中央に配置され、その近傍には、ユーザ端末3−2のキャラクタBが位置している。
【0007】
同様に、ユーザ端末3−2には、図21に示すように画像が提供される。この図21においても、自分のキャラクタBが画面の中央に配置され、その近傍には、ユーザ端末3−1のキャラクタAが配置されている。
【0008】
このように、画面内に自分のキャラクタ以外のキャラクタが表示された状態になったとき、キャラクタAはキャラクタBに対して(あるいはキャラクタBはキャラクタAに対して)、キャラクタ(会話の相手)を指定することで、そのキャラクタと、文字による会話を行うことができるようになる。
【0009】
即ち、ユーザ端末3−1から、そのキーボードを操作して所定の文字を入力すると、その文字データが公衆電話回線4を介してサーバ1に供給され、サーバ1は、この文字データを、公衆電話回線4を介してユーザ端末3−2に供給する。同様にして、ユーザ端末3−2のキーボードを操作して、所定の文字を入力すると、その文字データが公衆電話回線4を介してサーバ1に供給され、サーバ1から、公衆電話回線4を介してユーザ端末3−1に供給される。このようにして、ユーザ端末3−1とユーザ端末3−2は、相互に、文字による会話を行うことができる。
【0010】
キャラクタを特に指定しない場合においては、近傍に他にもキャラクタが存在するとき、入力した文字は、そのキャラクタにも出力される。
【0011】
また、この仮想現実空間においては、この仮想現実空間内において使われる仮想現実の通貨が用意されており、各キャラクタは、この通貨を使って、仮想現実の商品を購入することができる。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
従来のシステムは、このように、仮想現実空間をキャラクタに生活させることを、一種のゲームとして楽しむことができるようになされている。しかしながら、それは、あくまでゲームに過ぎず、現実の生活とのつながりが殆どなく、従って、すぐに飽きてしまう課題があった。
【0013】
また、会話は、音声ではなく、文字を介して行われるため、入力に時間がかかるばかりでなく、相互の微妙な意志を伝達することが困難であり、その結果、現実空間とのつながりを持たせることも困難となる課題があった。
【0014】
さらに、各ユーザがいずれの場所においても、自由に会話を行うことができるようになされているため、仮想現実空間の一部の所定の空間を、現実空間との関連において、所定のユーザの専用の空間とするようなことができず、従って、仮想現実空間に、現実空間における付加価値を付与することができない課題があった。
【0015】
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、現実の空間と密接に結合し、殆ど現実の生活と変わらない変化に富んだ生活を楽しむことができるようにするとともに、仮想現実空間に現実空間の付加価値を与えることができるようにするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明のサイバースペースシステムは、サーバが、通信網を介してユーザ端末と通信する第1の通信部によって受信されたユーザ端末に対応するキャラクタの仮想空間における位置に対応する仮想空間のデータを、第1の通信部からユーザ端末に送信させる送信制御手段と、第1の通信部によって受信された、3次元仮想空間のうちの一部の空間の一時的な割り当てを要求する要求信号に対応し、ユーザ端末に3次元仮想空間のうちの一部の空間を一時的に割り当てて、割り当てたことを示す許可信号を第1の通信部からユーザ端末に送信させる割当手段と、第1の通信部を制御して、許可信号を受信したユーザ端末から送信される音声信号を、ユーザ端末に一時的に割り当てられた一部の空間に新たに進入してきたキャラクタに対応する他のユーザ端末に転送させる転送手段とを含み、ユーザ端末が、要求信号を、通信網を介してサーバと通信する第2の通信部からサーバに送信させる要求手段と、第2の通信部によって許可信号が受信された後、音声入力部から入力されたユーザの音声信号を第2の通信部からサーバに送信させる音声信号送信手段と、第2の通信部によって受信された、他のユーザ端末から送信されサーバによって転送された音声信号を再生し音声出力部から出力させる再生手段とを含むことを特徴とする。
【0017】
本発明の情報処理方法は、サーバによる、通信網を介してユーザ端末と通信する第1の通信部によって受信されたユーザ端末に対応するキャラクタの仮想空間における位置に対応する仮想空間のデータを、第1の通信部からユーザ端末に送信させる送信制御ステップと、ユーザ端末による、3次元仮想空間のうちの一部の空間の一時的な割り当てを要求する要求信号を、通信網を介してサーバと通信する第2の通信部からサーバに送信させる要求ステップと、サーバによる、第1の通信部によって受信された、要求信号に対応し、ユーザ端末に3次元仮想空間のうちの一部の空間を一時的に割り当てて、割り当てたことを示す許可信号を第1の通信部からユーザ端末に送信させる割当ステップと、ユーザ端末による、第2の通信部によって許可信号が受信された後、音声入力部から入力されたユーザの音声信号を第2の通信部からサーバに送信させる音声信号送信ステップと、サーバによる、第1の通信部を制御して、許可信号を受信したユーザ端末から送信された音声信号を、ユーザ端末に一時的に割り当てられた一部の空間に新たに進入してきたキャラクタに対応する他のユーザ端末に転送させる転送ステップと、ユーザ端末による、第2の通信部によって受信された、他のユーザ端末から送信されサーバによって転送された音声信号を再生し音声出力部から出力させる再生ステップとを含むことを特徴とする。
【0018】
本発明の仮想空間提供装置は、通信網を介してユーザ端末と通信する通信部によって受信されたユーザ端末に対応するキャラクタの仮想空間における位置に対応する仮想空間のデータを、通信部からユーザ端末に送信させる送信制御手段と、通信部によって受信された、3次元仮想空間のうちの一部の空間の一時的な割り当てを要求する要求信号に対応し、ユーザ端末に3次元仮想空間のうちの一部の空間を一時的に割り当てて、割り当てたことを示す許可信号を通信部からユーザ端末に送信させる割当手段と、通信部を制御して、許可信号を受信したユーザ端末から送信される音声信号を、ユーザ端末に一時的に割り当てられた一部の空間に新たに進入してきたキャラクタに対応する他のユーザ端末に転送させる転送手段とを含むことを特徴とする。
【0019】
本発明の仮想空間提供方法は、通信網を介してユーザ端末と通信する通信部によって受信されたユーザ端末に対応するキャラクタの仮想空間における位置に対応する仮想空間のデータを、通信部からユーザ端末に送信させる送信制御ステップと、通信部によって受信された、3次元仮想空間のうちの一部の空間の一時的な割り当てを要求する要求信号に対応し、ユーザ端末に3次元仮想空間のうちの一部の空間を一時的に割り当てて、割り当てたことを示す許可信号を通信部からユーザ端末に送信させる割当ステップと、通信部を制御して、許可信号を受信したユーザ端末から送信される音声信号を、ユーザ端末に一時的に割り当てられた一部の空間に新たに進入してきたキャラクタに対応する他のユーザ端末に転送させる転送ステップとを含むことを特徴とする。
【0020】
【作用】
本発明においては、ユーザ端末から送信された、3次元仮想空間のうちの一部の空間の一時的な割り当てを要求する要求信号に対応し、ユーザ端末に3次元仮想空間のうちの一部の空間を一時的に割り当てる。そして、ユーザ端末から送信される音声信号が、ユーザ端末に一時的に割り当てられた一部の空間に新たに進入してきたキャラクタに対応する他のユーザ端末に転送される。
【0021】
【実施例】
図1は、本発明のサイバースペースシステムの構成例を表している。同図に示すように、この実施例においては、任意の数(この実施例においては、2台)のサーバ11−1,11−2が、それぞれ対応する記憶装置12−1,12−2を有し、例えば光ファイバを利用した広帯域通信網15を介して、仮想現実空間を提供することができるようになされている。また、任意の数(この実施例においては、3台)のユーザ端末13−1乃至13−3が設けられ、広帯域通信網15を介してサーバ11−1,11−2から、仮想現実空間と、それを利用した所定のサービス(情報)の提供を受けることができるようになされている。
【0022】
さらに、この実施例においては、任意の数(この実施例においては、2台)のサービス提供者端末14−1,14−2が設けられており、このサービス提供者端末14−1,14−2は、広帯域通信網15を利用して、サーバ11−1,11−2を介して仮想現実空間の提供を受けるとともに、ユーザ端末13−1乃至13−3に対して、所定のサービスを提供することができるようになされている。
【0023】
図2は、サーバ11(11−1,11−2)の構成例を示している。同図に示すように、サーバ11はCPU21を備え、このCPU21は、ROM22に記憶されているプログラムに従って各種の処理を実行するようになされている。RAM23には、CPU21が各種の処理を実行する上において必要なデータ、プログラム等が適宜記憶されるようになされている。通信装置24は、広帯域通信網15に対して所定のデータを授受するようになされている。
【0024】
表示装置25は、CRT、LCDなどを備え、サーバ11が提供する仮想現実空間の画像をモニタすることができるように、インタフェース28に接続されている。このインタフェース28にはまた、マイク26とスピーカ27が接続されており、所定の音声信号をユーザ端末13やサービス提供者端末14に供給したり、ユーザ端末13やサービス提供者端末14からの音声信号をモニタすることができるようになされている。
【0025】
また、サーバ11は入力装置29を備え、インタフェース28を介して、各種の入力を行うことができるようになされている。この入力装置29は、少なくともキーボード29aとマウス29bを有している。
【0026】
図3は、ユーザ端末13(13−1乃至13−3)の構成例を示している。ユーザ端末13はCPU41を備え、このCPU41は、ROM42に記憶されているプログラムに従って各種の処理を実行するようになされている。RAM43には、CPU41が各種の処理を実行する上において必要なデータやプログラム等が適宜記憶されるようになされている。通信装置44は、広帯域通信網15を介して、サーバ11に対してデータを授受するようになされている。
【0027】
表示装置45は、CRT、LCDなどを備え、CG(コンピュータグラフィック)の3次元画像や、通常のビデオカメラなどにより撮影された3次元の画像を表示することができるようになされている。マイク46は、音声信号をサーバ11に出力するとき利用される。また、スピーカ47は、サーバ11より音声信号が伝送されてきたとき、これを出力する。入力装置49は、各種の入力を行うとき操作されるようになされている。
【0028】
この入力装置49のキーボード49aは、所定の文字や記号などを入力するとき操作されるようになされている。マウス49bは、所定の位置を指定するとき操作されるようになされている。視点入力装置49cは、ユーザ端末13の対応するキャラクタの視点を入力するとき操作される。これにより、キャラクタの視点を上下左右の方向に移動させたり、所定の画像をズームすることができるようになされている。また、移動入力装置49dは、キャラクタを、前後左右の方向に、所定の速度で移動させるための入力を行うことができるようになされている。
【0029】
インタフェース48は、表示装置45、マイク46、スピーカ47、および入力装置49に対するデータのインタフェースを構成している。
【0030】
図4は、サービス提供者端末14(14−1,14−2)の構成例を示している。そのCPU51乃至入力装置59は、図3のユーザ端末13のCPU41乃至入力装置49と基本的に同様の構成であるので、その説明は省略する。
【0031】
図5は、図1に示したサーバ11により提供される仮想現実空間を模式的に表している。同図に示すように、この仮想現実空間は、町を構成しており、キャラクタC(例えばユーザ端末13−1のキャラクタ)や、キャラクタD(例えばユーザ端末13−2のキャラクタ)が、この町(仮想現実空間)を移動することができるようになされている。
【0032】
キャラクタCは、仮想現実空間における位置と視点から、例えば図6に示すような画像を見ることになる。即ち、ユーザ端末13−1の表示装置25には、図6に示すような画像がサーバ11から提供され、表示される。そして、そのキャラクタCの視点と位置を、視点入力装置49cと移動入力装置49dを操作することで変更すると、それに対応して、サーバ11から供給される仮想現実空間を形成する3次元画像が変化される。
【0033】
同様に、キャラクタDが対応するユーザ端末13−2の表示装置には、図7に示すような画像がサーバ11から提供され、表示される。そして、その表示画像も、キャラクタDの視点と位置を移動させることで変化される。
【0034】
図5に示す状態において、キャラクタCはキャラクタDの方向を見ている。従って、図6に示すように、ユーザ端末13−1の表示装置25に表示される画像(仮想現実空間)には、キャラクタDが表示されている。
【0035】
同様に、図5において、キャラクタDはキャラクタCの方向を見ている。このため、ユーザ端末13−2の表示装置25に表示される画像(仮想現実空間)には、キャラクタCが表示される。
【0036】
サービス提供者端末14は、サーバ11−1または11−2が提供する仮想現実空間の一部の空間を支配する。換言すれば、サービス提供者は、サーバ11の管理者から、その提供する仮想現実空間の一部を購入する。この購入は、現実空間において行われる。即ち、サーバ11の管理者は、所定のサービス提供者より仮想現実空間の購入の申込を受けたとき、仮想現実空間の一部を、そのサービス提供者に割り当てる。
【0037】
例えば、サービス提供者端末14−1の所有者(サービス提供者)が、仮想現実空間内の所定のビルの1室を借り受け、そこに電器店を設けるものとする。サービス提供者は、その電器店に展示する商品、例えばテレビの資料をサーバ管理者に提供する。サーバ管理者は、この資料を基に、コンピュータグラフィックスにより、そのテレビの立体画像を生成する。そして、その立体画像を、その電器店の所定の位置に配置する。これにより、仮想現実空間内におけるその空間の画像が完成することになる。
【0038】
同様のことが多くのサービス提供者により行われ、仮想現実空間が1つの大きな町として形成される。
【0039】
図8は、サービス提供者端末14−1を有するサービス提供者が占有する仮想現実空間(ビルの1室)を平面的に表している。この実施例においては、ビルの1室が、このサービス提供者のために割り当てられており、その空間(ビル内)には、2台のテレビ72,73が配置されているとともに、テレビ73の右斜め前方には、カウンタ71が配置されている。そしてサービス提供者端末14−1のサービス提供者は、自分のキャラクタFをカウンタ71の後方に配置するようにする。勿論、キャラクタFは、サービス提供者端末14−1の移動入力装置59dを操作することで、所定の位置に移動させることが可能である。
【0040】
いま、この電器店に、ユーザ端末13−1のキャラクタCが、図8に示すように入ってきたものとする。このとき、ユーザ端末13−1の表示装置45には、キャラクタCの位置と視点に対応して、例えば図9に示すような画像が表示される。これに対して、キャラクタFがカウンタ71の後方に位置している場合においては、サービス提供者端末14−1の表示装置55には、図10に示すような画像が表示される。図9と図10に示すように、キャラクタCから見た画像にはキャラクタFが、また、キャラクタFから見た画像にはキャラクタCが、それぞれ表示される。
【0041】
また、図9に示すように、キャラクタCから見た画像には、ユーザ端末13−1から所定の画像を指定するとき使用されるカーソル74が表示される。同様に、図10に示すように、サービス提供者端末14−1から所定の画像を指定するとき利用するために、カーソル75が表示される。
【0042】
ユーザ端末13−1の移動入力装置49dを操作して、キャラクタCをテレビ72あるいはテレビ73の回りに移動させることで、その位置と視点に対応する画像が表示装置45に表示される。これにより、ユーザは、テレビ72や73を、実際のテレビを観察する場合と同様に観察することができる。
【0043】
また、ユーザが、マウス49bを操作して、カーソル74を移動させ、キャラクタF上でクリックすると、キャラクタFに対応するサービス提供者端末14−1には、会話申込信号が伝送される。サービス提供者端末14−1は、このとき、マイク56を介して、キャラクタCに対応するユーザ端末13−1のスピーカ47に対して音声信号を出力することができる。同様に、ユーザ端末13−1のマイク46から所定の音声信号を入力することで、サービス提供者端末14のスピーカ57にユーザの音声信号を伝達することができる。このようにして、両者は音声による通常の会話を行うことができる。
【0044】
尚、この会話は、キャラクタF(サービス提供者端末14−1)からキャラクタC(ユーザ端末13−1)に対して、申し込むようにすることもできる。
【0045】
また、ユーザ端末13−1において、カーソル74を移動させ、例えばテレビ72の画像上においてクリックすると、サーバ11から、テレビ72のより詳細な説明情報(提供情報)の提供を受けることができる。このときの画像は、3次元画像であってもよいし、平面的な2次元画像とすることもできる。
【0046】
この所定の画像を指定する操作は、サービス提供者端末14−1側からも行うことができる。これにより、サービス提供者側からユーザに対して、所定のテレビの説明情報を積極的に提供することができる。
【0047】
また、サービス提供者がマウス59bを操作して、カーソル75でキャラクタCを指定すると、このキャラクタCの位置と視点に対応する画像、即ち、ユーザ端末13−1の表示装置45に表示されている画像と同一の画像を、サービス提供者端末14−1の表示装置55に表示させることができる。これにより、サービス提供者は、ユーザ(キャラクタC)が、いまどこを見ているのかを知ることができ、ユーザの知りたいポイントに関する情報を、的確にユーザに対して提供することが可能となる。
【0048】
ユーザは、説明を受け、あるいは提供情報(説明情報)の提供を受け、気に入った場合においては、例えばテレビ72を実際に購入することができる。この場合、ユーザは、キャラクタFを介して、サービス提供者端末14−1に対して購入の申込をする。また、ユーザは、例えばクレジットカードの番号等を、キャラクタCを介してサービス提供者端末14−1(キャラクタF)に伝達する。そして、商品の金額に対応する額を引き落とすように依頼する。サービス提供者端末14−1のサービス提供者は、そのクレジットカードの番号から、所定の金額を引き落とすための処理を行うとともに、購入の申込を受けた商品の発送の手配を行う。
【0049】
この仮想現実空間において提供される画像は、基本的に、コンピュータグラフィックスにより生成された精度の高い画像である。従って、これをあらゆる角度から見ることで、殆ど実際の商品を希望する角度から観察した場合と同様の観察を行うことが可能となり、より確実に商品を確認することができる。
【0050】
この仮想現実空間には、このようにして、多数の店や映画館、劇場などが存在する。そして、各店において、実際に商品を販売することが可能であるため、立地条件の良い空間(多くのユーザのキャラクタが入ってくる空間)は、実際に経済的価値が発生する。そこで、この仮想現実空間を実際に(現実に)売買したり、賃貸することができる。従って、このシステムは、所謂テレビショッピングなどとは全く異なるものとなる。
【0051】
次に、図11乃至図16のフローチャートを参照して、上記したサービス提供者端末14、ユーザ端末13、サーバ11のより具体的な処理動作について説明する。
【0052】
図11と図12は、サービス提供者端末14の音声により会話を行う場合の処理例を表している。最初にステップS1において、サービス提供者端末14に割り当てられた空間内にユーザキャラクタが存在するか否かが判定され、存在しなければ、所定のキャラクタがその空間内に入ってくるまで待機する。尚、ここにおける割り当て空間とは、例えば図8の実施例においては、電器店として、キャラクタFを有するサービス提供者端末14−1に割り当てられているビルの一室が該当する。
【0053】
この空間内にユーザキャラクタが存在する場合、ステップS2に進み、そのキャラクタが、その空間内に新たに進入してきたキャラクタであるか否かが判定され、新たなキャラクタである場合においては、ステップS3に進み、音声メッセージ自動送信モードであるか否かが判定される。即ち、サービス提供者端末14は、キーボード59aの所定のキーを操作するなどして、音声メッセージ自動送信モードを設定しておくことができる。このモードが設定されている場合、例えばRAM53に自動送信する音声信号を予め記憶させておく。この音声信号は、例えば「いらっしゃいませ」の音声信号(メッセージ)とすることができる。
【0054】
自動送信モードが設定されている場合においては、ステップS4に進み、新たに、この空間内に進入してきたキャラクタに対して、音声通信強制信号が出力される。
【0055】
後述するように、この音声通信強制信号が出力されると、ユーザ端末13は、図13のステップS44において、音声通信確認信号を出力する。サービス提供者端末14は、ステップS5において、この音声通信確認信号が受信されるまで待機し、受信されたとき、ステップS6に進み、RAM53に記憶した音声メッセージを、新たなキャラクタが対応するユーザ端末13に出力する。これにより、サービス提供者端末14が割り当てを受けている空間に、新たなユーザのキャラクタが進入してくる度に、そのユーザ端末13に対して「いらっしゃいませ」の音声メッセージが出力される。この音声メッセージは、通信装置54を介して広帯域通信網15に出力され、広帯域通信網15からユーザ端末13に供給される。
【0056】
ステップS6の次にステップS1に戻り、それ以降の処理が繰り返し実行される。
【0057】
ステップS2において、割り当て空間内に位置するキャラクタが新たなキャラクタではないと判定された場合、並びにステップS3において、音声メッセージ自動送信モードが設定されていないと判定された場合、ステップS7に進む。
【0058】
ステップS7においては、音声メッセージを出力するか否かが判定され、音声メッセージを出力する必要がない場合においては、ステップS8に進み、音声通信要求信号が受信されたか否かが判定される。即ち、後述するように、例えばユーザ端末13がサービス提供者端末14のキャラクタFを指定すると、図13のステップS36において、ユーザ端末13から音声通信要求信号が出力される。この音声通信要求信号が受信されていないと判定された場合においては、ステップS9に進み、音声通信強制信号が受信されているか否かが判定される。この音声通信強制信号は、例えば後述する図14のステップS48,S49において、ユーザ端末13より出力される。音声通信強制信号が受信されていない場合、ステップS9からステップS1に戻る。
【0059】
ステップS8において、音声通信要求信号が受信されたと判定された場合においては、ステップS10に進み、この音声通信要求信号に対して応答するか否か、即ち、この音声通信要求信号を出力したユーザ端末と音声による会話を行うか否かを判定する。
【0060】
例えば、他のユーザに対して応答しているなどの理由で、そのユーザ端末に対して応答することができない場合においては、サービス提供者端末14は、例えばキーボード59aの所定のキーを操作するなどして、応答不可の指令を入力する。CPU51は、この指令の入力を受けたとき、ステップS11に進み、応答不可音声メッセージを、音声通信要求信号を出力したユーザ端末に対して出力する。この応答不可音声メッセージも、例えばRAM53に予め記憶されているものであり、このメッセージは、例えば「しばらくお待ちください」のような音声メッセージとすることができる。この音声メッセージを出力した後、ステップS1に戻る。
【0061】
ステップS10において、音声通信要求信号を出力したユーザ端末13に対して応答することができると判定した場合においては、キーボード59aの所定のキーを操作するなどして、CPU51に対して応答を指令する。このとき、ステップS12に進み、CPU51は、音声通信確認信号をユーザ端末13に対して出力する。
【0062】
図15と図16のフローチャートを参照して後述するように、サーバ11は、この音声通信確認信号を受信したとき、ステップS67,S68において、サービス提供者端末14から出力された音声信号をユーザ端末13に出力し、また、ユーザ端末13より出力された音声信号をサービス提供者端末14に出力する。即ち、双方向の音声信号による会話が可能となる。
【0063】
そこで、サービス提供者端末14においては、ステップS13において、ユーザ端末13との間で音声メッセージを授受する処理を実行する。この処理は、ステップS14において、キーボード59aを操作して、会話の終了が指令されるまで繰り返し実行される。会話の終了が指令されたとき、ステップS15に進み、終了処理が実行された後、ステップS1に戻り、それ以降の処理が繰り返し実行される。
【0064】
ステップS9において、音声通信強制信号が受信されたと判定された場合においては、ステップS12に進み、応答するか否かを判定することなく、直ちに音声通信確認信号出力処理が実行される。そして、ステップS13,S14に進み、音声通信強制信号を出力したユーザ端末13より出力された音声メッセージが受信され、必要に応じて、サービス提供者端末14からの音声信号が、音声通信強制信号を出力したユーザ端末13に対して出力される。
【0065】
図13と図14を参照して後述するように、例えばサービス提供者端末14が割り当てを受けている空間内に、ユーザ端末13のキャラクタが進入した場合において、例えば、その空間が広く、サービス提供者端末14のキャラクタを見い出すことができないようなとき、ユーザ端末13のキーボード49aを操作するなどして、サービス提供者端末14のキャラクタの読み出しが指令されると、その指令に対応して、ステップS49において、音声通信強制信号が出力され、さらにステップS38において、ユーザ端末13から音声メッセージが出力される。
【0066】
この音声メッセージが、ステップS13で、サービス提供者端末14において通信装置54を介して受信され、スピーカ57より出力される。サービス提供者端末14においては、これにより、ユーザ端末13の所定のキャラクタから呼出を受けたことを知ることができる。手の空いているキャラクタが存在する場合においては、そのキャラクタが、そのユーザ端末13のキャラクタに応対することになる。
【0067】
一方、図12のステップS7において、音声メッセージを出力すると判定された場合においては、ステップS16に進み、その音声メッセージは、特定のキャラクタに対して出力するのであるか否かが判定される。特定のキャラクタに対して出力する場合においては、ステップS17に進み、そのキャラクタを指定する処理が実行される。例えば、サービス提供者端末14のマウス59bを操作することで、図10に示すキャラクタCをカーソル75で指定する。次にステップS18に進み、指定したユーザキャラクタに対して音声通信要求信号が出力される。即ち、CPU51は、通信装置54を介して、ステップS17で指定したキャラクタに対応するユーザオブジェクトにアクセスし、その通信先のデータを得る。そして、その通信先(ユーザ端末13)に対して音声通信要求信号を出力する。
【0068】
図13と図14に示すフローチャートを参照して後述するように、ユーザ端末13は、この音声通信要求信号を受信した場合、応答するときは、ステップS44において、音声通信確認信号を出力する。応答しない場合においては、この音声通信確認信号は出力されない。
【0069】
そこで、サービス提供者端末14においては、ステップS19において、音声通信確認信号が受信されたか否かを判定する。音声通信確認信号が受信された場合においては、ステップS13,S14に進み、ユーザ端末13との間において、相互に音声メッセージの授受が行われる。サービス提供者端末14からの音声メッセージは、マイク56から入力され、通信装置54、広帯域通信網15を介してユーザ端末13に出力される。ユーザ端末13は、この音声メッセージを通信装置44で受信し、スピーカ47に出力する。
【0070】
同様に、ユーザ端末13の出力する音声メッセージは、マイク46から入力され、通信装置44、広帯域通信網15を介してサービス提供者端末14に出力される。サービス提供者端末14は、通信装置54を介してこの音声メッセージを受信し、スピーカ57から出力させる。
【0071】
ステップS14で、サービス提供者端末14またはユーザ端末13において会話の終了が指令されたと判定された場合においては、ステップS15に進み、会話終了処理を実行した後、ステップS1に戻り、それ以降の処理を繰り返し実行する。
【0072】
このようにして、サービス提供者端末14は、割り当て空間内に存在するキャラクタを指定することで、そのキャラクタが対応するユーザ端末13と個別に音声信号による会話を行うことができる。
【0073】
一方、ステップS16において、音声メッセージを出力する先が、特定のキャラクタではないと判定された場合においては、ステップS20に進む。ステップS20においては、割り当て空間内に存在するユーザキャラクタに対して、音声通信強制信号が出力される。即ち、特定のキャラクタに対してではなく、不特定のキャラクタに対して音声メッセージを出力する場合であるため、キーボード59aの所定のキーを操作してその旨が指令されると、CPU51は、割り当て空間内に位置するユーザのキャラクタに対して音声通信強制信号を出力する。
【0074】
図13のフローチャートに示すように、ユーザ端末13においては、音声通信強制信号を受信したとき、ステップS44において、音声通信確認信号が強制的に出力される。そこで、サービス提供者端末14においては、図12のステップS21において、この音声通信確認信号が受信されるまで待機し、受信されたとき、ステップS22に進み、割り当て空間内に存在する全てのユーザキャラクタのユーザ端末13に対して音声メッセージを出力する。
【0075】
この音声メッセージは、マイク56から入力したり、あるいはRAM53に予め記憶しておいたものを読み出し、出力することができる。この音声メッセージ出力の処理は、ステップS23において、音声メッセージの出力処理の終了が指令されたと判定されるまで繰り返し実行される。音声メッセージの終了が指令されたと、ステップS23において判定されたとき、ステップS15に戻り、終了処理を行った後、ステップS1に戻り、それ以降の処理を繰り返し実行する。
【0076】
このようにして、サービス提供者端末14から、その割り当て空間内に位置する全てのキャラクタ(対応するユーザ端末13)に対して音声メッセージを出力することができる。この音声メッセージとしては、例えば、タイムセールの情報、各種商品の情報など、サービス提供者側からユーザに対して積極的にアピールしたい情報とすることができる。
【0077】
このように、サービス提供者端末14から各ユーザ端末に対して、一方的に、音声信号を伝送することができる空間は、割り当て空間内に限られている。従って、各ユーザが、サービス提供者から執拗に音声信号の伝送を受けるようなことが防止される。即ち、各ユーザは、この伝送を受けたくない場合は、自分のキャラクタを、その割り当て空間の外に出せばよい。
【0078】
サービス提供者端末14は、このように、割り当てられた空間内においては、ユーザに対して積極的に商品をアピールする行為をすることが可能であるから、自らそのアピールする内容を工夫することで、商品の売上を伸ばすことができる。上述したように、この割り当て空間において紹介された商品は、現実の空間において取引することができるものであるため、その売上実績を上げることで、この割り当て空間における現実空間の付加価値を上げることができる。
【0079】
付加価値を上げれば、その割り当て空間あるいは仮想現実空間における販売店を、他のサービス提供者に対して現実空間において有償で譲渡するなどすることが可能となる。
【0080】
図13と図14は、音声信号による会話を行う場合のユーザ端末13の処理例を表している。最初にステップS31において、音声通信要求信号が、他のユーザ端末あるいはサービス提供者端末から受信されたか否かが判定され、受信されていない場合においては、ステップS32に進み、音声通信強制信号が受信されているか否かが判定される。音声通信強制信号も受信されていない場合においては、ステップS33に進み、音声メッセージを出力するか否かが判定され、音声メッセージを出力する必要がない場合においては、ステップS31に戻り、それ以降の処理が繰り返し実行される。
【0081】
ステップS31において、音声通信要求信号が受信されたと判定された場合、ステップS43に進み、この音声通信要求信号に対して応答するか否かが判定される。例えば図12のステップS18において、サービス提供者端末14がユーザのキャラクタを指定すると、その指定に対応して、音声通信要求信号が出力される。このサービス提供者端末14からの要求に応答する場合においては、ステップS44に進み、キーボード49aの所定のキーを操作するなどして、CPU41にこの応答を指令する。このときCPU41は、音声通信確認信号を出力する。後述するように、この音声通信確認信号を出力すると、サーバ11は、図15に示すステップS67において、サービス提供者端末14とユーザ端末13との間で、音声信号による会話が可能となるように、音声通信回線を接続する。
【0082】
その結果、ユーザ端末13においては、ステップS38において、音声メッセージを、サービス提供者端末14との間で授受することができる。この処理は、ステップS39において、音声メッセージ授受の処理の終了が指令されるまで繰り返し実行される。
【0083】
これにより、例えばサービス提供者端末14よりユーザのキャラクタを指定することで、会話の申込を受けたとき、ユーザ端末13は、必要に応じて、サービス提供者端末14と音声信号による会話を行うことができる。
【0084】
ステップS39において、音声メッセージ授受の処理の終了が指令されたと判定された場合、ステップS40に進み、終了処理が実行された後、ステップS31に戻り、それ以降の処理が繰り返し実行される。
【0085】
ステップS43において、音声通信要求信号に応答しないと判定した場合においては、ステップS44の処理は実行されず、ステップS31に戻る。即ち、この場合において、音声通信確認信号が出力されない。このため、サーバ11は、サービス提供者端末14とユーザ端末13の音声通信回線を接続しないことになる。その結果、音声による会話が行われないことになる。
【0086】
一方、ステップS32において、音声通信強制信号が受信されたと判定された場合、ステップS44に進み、音声通信確認信号出力処理が実行される。その後、ステップS38,S39に進み、音声通信強制信号を出力したサービス提供者端末14またはユーザ端末13からの音声信号を受信することができる。また、この場合、必要に応じて、音声通信強制信号を受信したユーザ端末13側からの音声信号を、他のユーザ端末13あるいはサービス提供者端末14に出力することができる。
【0087】
このようにして、例えばサービス提供者端末14が図12のステップS20において、割り当て空間内のユーザキャラクタに対して音声通信強制信号を出力した場合においては、サービス提供者端末14が出力した音声信号が、自動的(強制的)にユーザ端末13に出力されることになる。そして、各ユーザ端末は、必要に応じて、サービス提供者端末と音声信号による双方向の会話を行うことができる。
【0088】
一方、ステップS33において、音声メッセージを出力する必要があると判定された場合においては、ステップS34に進み、特定のキャラクタ(それに対応するサービス提供者端末またはユーザ端末)にその音声メッセージを出力するのであるか否かが判定される。特定のキャラクタに音声メッセージを出力する場合においては、ステップS35に進み、そのキャラクタを指定する処理が実行される。この指定は、例えばユーザ端末13のマウス49bを操作することで、図9に示すカーソル74をキャラクタF上に移動し、クリックすることで行われる。
【0089】
次にステップS36に進み、ステップS35で指定したキャラクタ(それに対応するサービス提供者端末またはユーザ端末)に対して、音声通信要求信号を出力する処理が実行される。そしてステップS37において、ステップS36で出力した音声通信要求信号に対応して、音声通信確認信号が受信されたか否かが判定される。
【0090】
即ち、例えば、サービス提供者端末14に音声通信要求信号を出力した場合においては、サービス提供者端末14は、これに応答する場合、図12のステップS12で音声通信確認信号を出力する。また、他のユーザ端末13に対して音声通信要求信号を出力した場合においては、そのユーザ端末13は、これに応答する場合、ステップS44で音声通信確認信号を出力する処理を実行する。そして、サーバ11は、この音声通信確認信号が受信されたとき、図15のステップS67,S68の処理を実行し、相互の通信回線を接続する。
【0091】
そこで、ユーザ端末13においては、ステップS38において、音声通信確認信号を出力したサービス提供者端末14またはユーザ端末13との間で音声メッセージが授受される。この処理は、ステップS39において、終了が指令されたと判定されるまで繰り返し実行される。そして、終了が指令されたと判定された場合、ステップS40に進み、終了処理が実行された後、ステップS31に戻る。
【0092】
ステップS37において、音声通信確認信号が受信されなかったと判定された場合においては、ステップS41に進み、応答不可メッセージが受信されたか否かが判定される。
【0093】
即ち、サービス提供者端末14は、音声通信要求信号を受信した場合、これに応答しないとき、図12のステップS11において、応答不可音声メッセージを出力する。ユーザ端末13は、この応答不可音声メッセージを受信した場合においては、ステップS42に進み、これをスピーカ47に出力させる。これにより、ユーザは、いまサービス提供者端末14が忙しいなどの理由で音声による会話の申込に応答できないことを知ることができる。
【0094】
これに対して、ユーザ端末13のキャラクタは、他のユーザに対して必ずしもサービスを提供する立場にはないので、音声通信要求信号に応答しないとき、応答不可音声メッセージは特に出力せず、単に音声通信要求信号を無視する。従って、この場合においては、ステップS41からステップS31に戻る。
【0095】
ステップS33において、音声メッセージを出力すると判定されたが、ステップS34において、特定のキャラクタに出力するのではないと判定された場合、さらにステップS45に進み、ユーザが使用許可を受けている割り当て空間に対して音声メッセージを出力するのであるか否かが判定される。
【0096】
即ち、ユーザは、サーバ11が提供する仮想現実空間のうちの一部の所定の空間を一時的に割り当てを受け、しばらくの間、占有することが可能となされている。例えば、仮想現実空間の道路を歩いている他のユーザのキャラクタに対して、何らかのメッセージを伝えたいと思うユーザは、キーボード49aの所定のキーを操作するなどして、その旨を入力する。このとき、CPU41は、ステップS46に進み、空間使用信号をサーバ11に出力する。
【0097】
サーバ11は、この空間使用信号を受信したとき、図16のステップS72において、使用を許可するか否かを判定し、他に利用者もいないので、そのユーザに対して使用を許可することが可能であると判定した場合においては、ステップS74において、使用可能信号を出力する。これに対して、その近傍において他のユーザが所定の空間を使用しているなどの理由により、そのユーザに対してその空間を使用させることができないと判定した場合においては、ステップS73において、使用不可信号を出力する。
【0098】
ユーザ端末13においては、図14のステップS47において、サーバ11から使用不可信号を受信したか否かを判定し、使用不可信号を受信したと判定した場合においては、一時的な空間の割り当てを受けることができないため、特別な処理をすることなく、ステップS31に戻る。
【0099】
これに対して、使用不可信号を受信しなかったと判定された場合(使用可能信号を受信したと判定された場合)、ステップS48に進み、割り当てを受けた空間内に位置するキャラクタに対して、音声通信強制信号を出力する処理を実行する。
【0100】
他のユーザ端末13は、この音声通信強制信号の供給を受けたとき、上述したように、ステップS44において、音声通信確認信号を強制的に出力させられる。この音声通信確認信号の供給を受けて、サーバ11は、図15のステップS67,S68において、一時的な割り当てを受けた空間内に位置するキャラクタのユーザ端末13と、この一時的な割り当てを受けたキャラクタのユーザ端末13との間で音声メッセージが授受できるように、通信回線の接続処理を実行する。
【0101】
そこで、このユーザ端末13においては、ステップS37に進み、音声通信確認信号の受信を確認した後、ステップS38に進み、音声メッセージ授受の処理を実行する。この処理は、ステップS39において、終了が指令されたと判定されるまで継続され、終了が指令されたと判定された場合、ステップS40において、終了処理が実行され、ステップS31に戻る。
【0102】
以上のようにして、ユーザ端末13は、必要に応じて、他のユーザに対して自分の意見をアピールするための演説を行うことが可能となる。他のユーザは、そのユーザ端末が一時的に割り当てを受けた空間内に入ることにより、その演説を聞くことができ、その空間の外に出ることにより、その演説を聞かないようにすることができる。
【0103】
一方、ステップS45において、音声メッセージを出力する先が、ユーザが一時的に割り当てを受けた空間ではないと判定された場合、ステップS49に進む。この場合は、例えばユーザ端末13のキャラクタがサービス提供者端末14の占有する空間において、サービス提供者端末14のキャラクタを見い出すことができないが、サービス提供者端末14のキャラクタから所定の商品の案内などの音声メッセージを受信したいと希望する場合に相当する。
【0104】
このため、ステップS49においては、このユーザ端末13のキーボード49aの所定のキーを操作するなどして、そのキャラクタが位置する空間が割り当てられているサービス提供者端末14に対して音声通信強制信号を出力する。サービス提供者端末14は、音声通信強制信号を受信した場合、図12のステップS12において、音声通信確認信号を出力する。そして、図16のステップS67,S68において、サーバ11が通信網の接続を行うため、相互の音声メッセージの授受が可能となる。
【0105】
そこで、ユーザ端末13においては、ステップS37に進み、音声通信確認信号の受信を確認して、ステップS38,S39に進み、音声メッセージ授受の処理を実行する。このようにして、ユーザ端末13は、そのキャラクタをサービス提供者端末14の占有する空間に位置させた場合において、サービス提供者端末14に対して音声メッセージの受信の希望を伝達し、音声メッセージを受信することができる。
【0106】
図15と図16は、サーバ11の音声による会話の処理例を表している。最初にステップS61において、音声通信要求信号が受信されたか否かが判定され、受信されていないと判定された場合においては、ステップS62に進み、音声通信強制信号が受信されたか否かが判定される。音声通信強制信号が受信されていないと判定された場合においては、ステップS61に戻る。
【0107】
ステップS61において、音声通信要求信号が受信されたと判定された場合、ステップS63に進み、指定されたキャラクタが確認される。即ち、音声通信要求信号は、サービス提供者端末14において、図12のステップS18において発生されるか、あるいは、ユーザ端末13において、図13のステップS36において発生される。いずれの場合も、キャラクタを指定することにより、発生される。ステップS63においては、この指定されたキャラクタが確認される。
【0108】
次にステップS64に進み、キャラクタを指定した端末から受信された音声通信要求信号を、指定されたキャラクタの端末に対して出力する。そしてステップS65において、指定された端末から音声通信確認信号を受信したか否かが判定され、受信した場合においては、ステップS66に進み、音声通信要求信号を出力したユーザ端末13またはサービス提供者端末14に対して、音声通信確認信号を出力する。
【0109】
そしてステップS67に進み、音声通信要求信号を出力した端末と、音声通信確認信号を出力した端末とを、相互に音声信号が授受できるように、その通信網を接続し、一方の端末から出力された音声信号を、他方の端末に出力し、他方の端末から出力された音声信号を、一方の端末に出力する。この処理は、ステップS68において、会話の終了が指令されたと判定されるまで繰り返し実行される。そして、会話の終了が指令されたと判定された場合、ステップS68からステップS61に戻り、それ以降の処理が繰り返し実行される。
【0110】
ステップS65において、音声通信確認信号が受信されなかったと判定された場合、即ち、音声通信要求信号の供給を受けたサービス提供者端末14が、忙しいなどの理由により、これに対して応答することができないとき、図12のステップS11において、応答不可音声メッセージを出力する。そこで、サーバ11においては、ステップS69において、応答不可メッセージを受信したか否かを判定し、受信した場合においては、ステップS70に進み、受信した応答不可メッセージを、音声通信要求信号を出力したユーザ端末13に出力する。
【0111】
音声通信要求信号を出力したのがユーザ端末13である場合においては、応答不可メッセージは出力されない。従って、この場合においては、ステップS70の処理はスキップされる。
【0112】
一方、ステップS62において、音声通信強制信号が受信されたと判定された場合においては、ステップS71に進み、空間使用信号が受信されたか否かが判定される。即ち、上述したように、ユーザ端末13は、一時的に空間の割り当てを受ける場合、図14のステップS46において、空間使用信号を出力する。
【0113】
サーバ11は、この空間使用信号を受信したとき、ステップS72に進み、空間使用信号を出力したユーザ端末13に対して、そのキャラクタが位置する位置に、一時的に、そのユーザ端末13に対して空間を割り当てることができるか否かを判定する。空間を割り当てることに対して、何らかの支障が存在する場合においては、ステップS73に進み、使用不可信号を、空間使用信号を出力したユーザ端末13に出力する。そしてステップS61に戻る。
【0114】
ステップS72において、空間を割り当てることに支障がないと判定された場合においては、ステップS74に進み、使用可能信号をユーザ端末13に出力する。
【0115】
ステップS71において、空間使用信号が受信されていないと判定された場合、並びに、ステップS74の処理が終了した場合、次にステップS75に進む。ステップS75においては、音声通信強制信号を出力したサービス提供者端末14またはユーザ端末13に割り当てられている空間内のキャラクタが確認される。そしてステップS76に進み、ステップS75で確認されたキャラクタに対応する端末に対して、音声通信強制信号が出力される。上述したように、音声通信強制信号を受信したサービス提供者端末14は、図12のステップS12において音声通信確認信号を出力し、ユーザ端末13は、図13のステップS44において、やはり音声通信確認信号を出力する。
【0116】
サーバ11は、この音声通信確認信号を、ステップS77において受信する。音声通信確認信号を受信したとき、ステップS66に進む。
【0117】
ステップS66においては、音声通信強制信号を出力したサービス提供者端末14またはユーザ端末13に対して、音声通信確認信号を出力する。そしてステップS67に進み、音声通信強制信号を出力した端末と、音声通信確認信号を出力した端末とを、音声信号が授受できるように通信網を接続する。
【0118】
図17は、ユーザ端末13が所定のサービス提供者端末14に割り当てられた空間に進入した場合において得られる表示画像の他の例を表している。この実施例においては、画像が2次元の画像とされ、商品の説明がスクリーンに表示され、その隣に、店員としてのキャラクタが配置されている。この場合においても、上述した場合と同様に、音声信号による会話を行うことができる。
【0119】
また、以上の実施例においては、ユーザのキャラクタが、サービス提供者の割り当て空間内に位置するキャラクタと音声により会話を行うようにしたが、例えば図18に示すように、仮想現実空間内を移動している他のユーザのキャラクタG乃至Iの所定のものを指定し、それらとの間で、音声による会話を行うようにすることも可能である。
【0120】
上記実施例においては、商品を販売する場合を例としたが、各種のサービスを提供する場合に本発明は適用が可能である。
【0121】
【発明の効果】
以上の如く本発明によれば、サービス提供者端末がサービスを提供するために割り当てを受けた空間に配置したキャラクタを指定したとき、音声信号による双方向の会話ができるようにしたので、その空間を利用して、活発に、現実空間と結合した経済活動を行うことが可能となり、その空間の現実空間における経済的価値を向上させることができる。
【0122】
その結果、サービス提供者は、各種の商品を販売したり、情報を提供するなどのサービス提供活動を介して、商行為を行うことができ、また、サーバ管理者は、仮想現実空間を作成し、これをユーザあるいはサービス提供者に対して販売したり、賃貸させたりすることで、経済活動を行うことができる。また、ユーザは、いながらにして各種のサービスの提供を受けることができ、より高度な生活を楽しむことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のサイバースペースシステムの構成例を示すブロック図である。
【図2】図1のサーバ11の構成例を示すブロック図である。
【図3】図1のユーザ端末13の構成例を示すブロック図である。
【図4】図1のサービス提供者端末14の構成例を示すブロック図である。
【図5】図1のサイバースペースシステムにより形成される仮想現実空間を説明する図である。
【図6】図5のキャラクタCからの視野を説明する図である。
【図7】図5のキャラクタDからの視野を説明する図である。
【図8】図1の実施例におけるサイバースペースシステムの一部の割り当て空間を説明する図である。
【図9】図8のキャラクタCからの視野を説明する図である。
【図10】図8のキャラクタFからの視野を説明する図である。
【図11】図1のサービス提供者端末14の音声による会話の処理を説明するフローチャートである。
【図12】図11に続くフローチャートである。
【図13】図1のユーザ端末13の音声による会話の処理を説明するフローチャートである。
【図14】図13に続くフローチャートである。
【図15】図1のサーバ11の音声による会話の処理を説明するフローチャートである。
【図16】図15に続くフローチャートである。
【図17】図1のユーザ端末13の画面の表示例を示す図である。
【図18】図1のユーザ端末13の他の画面の表示例を示す図である。
【図19】従来のサイバースペースシステムの構成例を示すブロック図である。
【図20】図19のユーザ端末3−1の表示例を示す図である。
【図21】図19のユーザ端末3−2の表示例を示す図である。
【符号の説明】
1 サーバ
2 記憶装置
3,3−1,3−2,3−3 ユーザ端末
4 公衆電話回線
11,11−1,11−2 サーバ
12,12−1,12−2 記憶装置
13,13−1,13−2,13−3 ユーザ端末
14,14−1,14−2 サービス提供者端末
15 広帯域通信網

Claims (4)

  1. 3次元仮想空間を通信網を介して提供するサーバと、
    対応するキャラクタの前記3次元仮想空間における位置を前記サーバに送信し、前記サーバより、前記キャラクタの位置に対応する前記3次元仮想空間の提供を受けるユーザ端末とから構成されるサイバースペースシステムにおいて、
    前記サーバは、
    前記通信網を介して前記ユーザ端末と通信する第1の通信部によって受信された前記ユーザ端末に対応するキャラクタの前記仮想空間における位置に対応する前記仮想空間のデータを、前記第1の通信部から前記ユーザ端末に送信させる送信制御手段と、
    前記第1の通信部によって受信された、前記3次元仮想空間のうちの一部の空間の一時的な割り当てを要求する要求信号に対応し、前記ユーザ端末に前記3次元仮想空間のうちの一部の空間を一時的に割り当てて、割り当てたことを示す許可信号を前記第1の通信部から前記ユーザ端末に送信させる割当手段と、
    前記第1の通信部を制御して、前記許可信号を受信した前記ユーザ端末から送信される音声信号を、前記ユーザ端末に一時的に割り当てられた前記一部の空間に新たに進入してきたキャラクタに対応する他のユーザ端末に転送させる転送手段とを含み、
    前記ユーザ端末は、
    前記要求信号を、前記通信網を介して前記サーバと通信する第2の通信部から前記サーバに送信させる要求手段と、
    前記第2の通信部によって前記許可信号が受信された後、音声入力部から入力されたユーザの音声信号を前記第2の通信部から前記サーバに送信させる音声信号送信手段と、
    前記第2の通信部によって受信された、前記他のユーザ端末から送信され前記サーバによって転送された音声信号を再生し音声出力部から出力させる再生手段とを含む
    ことを特徴とするサイバースペースシステム。
  2. 3次元仮想空間を通信網を介して提供するサーバと、
    対応するキャラクタの前記3次元仮想空間における位置を前記サーバに送信し、前記サーバより、前記キャラクタの位置に対応する前記3次元仮想空間の提供を受けるユーザ端末とから構成されるサイバースペースシステムの情報処理方法において、
    前記サーバによる、前記通信網を介して前記ユーザ端末と通信する第1の通信部によって受信された前記ユーザ端末に対応するキャラクタの前記仮想空間における位置に対応する前記仮想空間のデータを、前記第1の通信部から前記ユーザ端末に送信させる送信制御ステップと、
    前記ユーザ端末による、前記3次元仮想空間のうちの一部の空間の一時的な割り当てを要求する要求信号を、前記通信網を介して前記サーバと通信する第2の通信部から前記サーバに送信させる要求ステップと、
    前記サーバによる、前記第1の通信部によって受信された、前記要求信号に対応し、前記ユーザ端末に前記3次元仮想空間のうちの一部の空間を一時的に割り当てて、割り当てたことを示す許可信号を前記第1の通信部から前記ユーザ端末に送信させる割当ステップと、
    前記ユーザ端末による、前記第2の通信部によって前記許可信号が受信された後、音声入力部から入力されたユーザの音声信号を前記第2の通信部から前記サーバに送信させる音声信号送信ステップと、
    前記サーバによる、前記第1の通信部を制御して、前記許可信号を受信した前記ユーザ端末から送信された音声信号を、前記ユーザ端末に一時的に割り当てられた前記一部の空間に新たに進入してきたキャラクタに対応する他のユーザ端末に転送させる転送ステップと
    前記ユーザ端末による、前記第2の通信部によって受信された、前記他のユーザ端末から送信され前記サーバによって転送された音声信号を再生し音声出力部から出力させる再生ステップと
    を含むことを特徴とする情報処理方法。
  3. 3次元仮想空間を通信網を介してユーザ端末に提供する仮想空間提供装置において、
    前記通信網を介して前記ユーザ端末と通信する通信部によって受信された前記ユーザ端末に対応するキャラクタの前記仮想空間における位置に対応する前記仮想空間のデータを、前記通信部から前記ユーザ端末に送信させる送信制御手段と、
    前記通信部によって受信された、前記3次元仮想空間のうちの一部の空間の一時的な割り当てを要求する要求信号に対応し、前記ユーザ端末に前記3次元仮想空間のうちの一部の空間を一時的に割り当てて、割り当てたことを示す許可信号を前記通信部から前記ユーザ端末に送信させる割当手段と、
    前記通信部を制御して、前記許可信号を受信した前記ユーザ端末から送信される音声信号を、前記ユーザ端末に一時的に割り当てられた前記一部の空間に新たに進入してきたキャラクタに対応する他のユーザ端末に転送させる転送手段と
    を含むことを特徴とする仮想空間提供装置。
  4. 3次元仮想空間を通信網を介してユーザ端末に提供する仮想空間提供装置の仮想空間提供方法において、
    前記通信網を介して前記ユーザ端末と通信する通信部によって受信された前記ユーザ端末に対応するキャラクタの前記仮想空間における位置に対応する前記仮想空間のデータを、前記通信部から前記ユーザ端末に送信させる送信制御ステップと、
    前記通信部によって受信された、前記3次元仮想空間のうちの一部の空間の一時的な割り当てを要求する要求信号に対応し、前記ユーザ端末に前記3次元仮想空間のうちの一部の空間を一時的に割り当てて、割り当てたことを示す許可信号を前記通信部から前記ユーザ端末に送信させる割当ステップと、
    前記通信部を制御して、前記許可信号を受信した前記ユーザ端末から送信される音声信号を、前記ユーザ端末に一時的に割り当てられた前記一部の空間に新たに進入してきたキャラクタに対応する他のユーザ端末に転送させる転送ステップと
    を含むことを特徴とする仮想空間提供方法。
JP22451894A 1994-09-20 1994-09-20 サイバースペースシステム、情報処理方法、仮想空間提供装置および仮想空間提供方法 Expired - Fee Related JP4166290B2 (ja)

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