JP4165979B2 - 流体圧調整設備 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一次側配管と二次側配管とをL字状に屈曲させて、流体圧を調整しながら流体を通流させる流体圧調整弁を介して接続し、前記二次側配管内の二次側圧力を導入して前記流体圧調整弁を調整作動させる調整機構を設けるとともに、前記二次側配管に屈曲部を設けて、その屈曲部の上流側に前記流体圧調整弁を設け、前記二次側圧力を前記調整機構に導入する調整管を、前記二次側配管における前記屈曲部の下流側に接続してある流体圧調整設備に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記流体圧調整設備は、例えば図9に示すように、地中に埋設してある一次側配管9と二次側配管10とを、地上側に設けてある流体圧調整弁8を介して接続できるように、L字状に屈曲させて地上側に立ち上げてあり、従来、二次側配管10にエルボで形成した屈曲部14を設け、ダイヤフラム12で弁体11を移動させて流体圧を調整作動する調整機構13を備えた流体圧調整弁としてのガバナ8をそのエルボ14の上流側に接続して、二次側圧力を調整機構13に導入する調整管15をエルボ14の下流側に接続している。
そして、調整管15を通して調整機構13に導入する二次側圧力が不安定な場合は、調整機構13によるガバナ8の調圧性能が低下する問題があるので、管径方向に沿っての流速分布が不均一で、流体の流れが乱れ易く、管壁近くの静圧が変動し易いエルボ14近くや二次側配管10の立ち上がり部のエルボ25を避けて、それらのエルボ14,25から下流側に充分離れた箇所の二次側配管10に調整管15を接続している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術によれば、調整管をエルボ14,25から充分離れた箇所の二次側配管10に接続しなければならない為に、流体圧調整設備が大型化する欠点がある。
また、上記従来技術で示したように、地中に埋設してある一次側配管9と二次側配管10とを地上側に立ち上げて、流体圧調整弁8を介して接続してある場合に、流体圧調整設備の据え付けに必要な敷地を確保できなくて、調整管を道路下の二次側配管に接続する必要があるような場合は、調整管の配管工事が大がかりになる欠点がある。
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであって、流体圧調整設備の小型化を図れるようにすることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明の特徴構成は、一次側配管と二次側配管とをL字状に屈曲させて、流体圧を調整しながら流体を通流させる流体圧調整弁を介して接続し、
前記二次側配管内の二次側圧力を導入して前記流体圧調整弁を調整作動させる調整機構を設けるとともに、前記二次側配管に屈曲部を設けて、その屈曲部の上流側に前記流体圧調整弁を設け、前記二次側圧力を前記調整機構に導入する調整管を、前記二次側配管における前記屈曲部の下流側に接続してある流体圧調整設備であって、前記屈曲部の下流側で二次側配管の一部を構成する下流側配管部分を、前記屈曲部の上流側で二次側配管の一部を構成する上流側配管部分との接続箇所を越えて延設して、前記屈曲部をT字状に形成するとともに、その下流側配管部分の延設端部を塞いであり、前記下流側配管部分における前記上流側配管部分との接続箇所よりも下流側に、整流器を内装して、前記調整管を二次側配管における前記整流器よりも下流側に接続してある点にある。
〔作用〕
図4に示すように、一次側配管9と二次側配管10とをL字状に屈曲させて、二次側配管10にエルボで形成した屈曲部14を設け、ダイヤフラム12で弁体11を移動させて流体圧を調整作動する調整機構13を備えた流体圧調整弁としてのガバナ8を一次側配管9に接続するとともに、エルボ14の上流側にガバナ8を接続し、二次側圧力を調整機構13に導入する調整管15をエルボ14の下流側に接続してある従来の流体圧調整設備B1と、図5に示すように、従来の流体圧調整設備Bの屈曲部を形成しているエルボ14に代えて、屈曲部14の下流側で二次側配管10の一部を構成する下流側配管部分16を、屈曲部14の上流側で二次側配管10の一部を構成する上流側配管部分17との接続箇所を越えて延設して、その屈曲部14をT字状に形成し、下流側配管部分16の延設端部を塞いである本願発明の一例としての流体圧調整設備B2との各々について、調整管15を同じ位置において二次側配管10に接続して、一次側圧力が1.5kgf/cm2(約0.15MPa)の空気を500m3/hと1000m3/hとの各流量で流し、二次側圧力が210mmH2O(約2.1kPa)になるようにガバナ8を調整作動させた場合のC1〜C7の各点における二次側圧力を測定して、各流体圧調整設備B1,B2の調整機構13によるガバナ8の調圧性能を比較する試験を行った。
尚、調整管15はC3点近くに接続してあり、下流側配管部分16は、上流側配管部分17を接続する小径部19とそれよりも下流側の大径部20とを接続用フランジ21で接続して構成してある。
図6は、図4に示した従来の流体圧調整設備B1のC1〜C7の各点における
二次側圧力を示すグラフで、流量が500m3/hの場合は各点における二次側圧力が210mmH2O(約2.1kPa)近くで略安定しているが、流量が1000m3/hの場合は各点における二次圧力が大きく異なり、C点よりも下流側の各点における二次側圧力が210mmH2O(約2.1kPa)を大きく越えている。
これは、エルボ14を通過した空気の流れが乱れて、そのエルボ14に近い調整管15の接続箇所近くの動圧が大きくなり、それに伴って、調整管15にて導入する二次側圧力(静圧)が小さくなってガバナ8が開いてしまったため(ブースト現象)と推定できる。
図7は、図5に示した流体圧調整設備B2のC1〜C7の各点における二次側圧力を示すグラフで、流量が500m3/hの場合は各点における二次側圧力が210mmH2O(約2.1kPa)近くで略安定しており、流量が1000m3/hの場合はC3点から下流側の各点における二次側圧力が210mmH2O(約2.1kPa)近くで略安定している。
これは、上流側配管部分17を通過した空気が下流側配管部分16の管壁に衝突することによって流速の不均一がキャンセルされ、乱流の発生が抑制されて、調整管15にて導入する二次側圧力( 静圧) が安定したためと推定できる。
【0005】
また、前記下流側配管部分における前記上流側配管部分との接続箇所よりも下流側に、整流器を内装して、前記調整管を二次側配管における前記整流器よりも下流側に接続してある点にあるので、整流器を通過することで流速が均一化して静圧が安定した流体の二次側圧力を調整管で調整機構に導入することができる。
つまり、本願発明の一例として図5に示した流体圧調整設備において、下流側配管部分16を構成している小径部19と大径部20とを接続する接続用フラン
ジ21間に、図2に示すような、直径3mmの整流用の孔26を5mmピッチで形成した厚さが約1mmの多孔板22を挟み込んで整流器23を内装し、一次側圧力が1.5kgf/cm2(約0.15MPa)の空気を500m3/hと1000m3/hとの各流量で流して、二次側圧力が210mmH2O(約2.1kPa)になるようにガバナ8を調整作動させた場合のC1〜C7の各点における二次側圧力を測定した。
図8は、C1〜C7の各点における二次側圧力を示すグラフで、流量が500m3/hの場合も1000m3/hの場合も、各点における二次側圧力が210mmH2O(約2.1kPa)近くで略安定している。
〔効果〕
従って、本発明の流体圧調整設備によれば、調整管を屈曲部近くの下流側に接続しても安定した二次側圧力を調整機構に導入することができ、流体圧調整設備の小型化を図ることができる。
更に、調整管を屈曲部側に一層近接させて接続しても安定した二次側圧力を調整機構に導入することができ、流体圧調整設備の一層の小型化を図ることができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。尚、図面において従来例と同一の符号で表示した部分は、同一又は相当の部分を示している。
〔第1実施形態〕
図1は、流体の一例としての都市ガスを供給するガス供給管Aの途中に設けてあるガス圧調整設備Bを示し、このガス圧調整設備Bは、地中に埋設してある上流側配管A1と下流側配管A2とをL字状に屈曲させて地上側に立ち上げた各配管A1,A2の立ち上がり端部に設けた接続用フランジ1,2に接続できるようにユニット化してある。
【0007】
前記ガス圧調整設備Bは、上流側配管A1に接続する本管接続用フランジ3と遮断弁5とを設けてある上流側接続管6と、下流側配管A2に接続する本管接続用フランジ4を設けてある下流側接続管7とを、ガス圧を調整しながらガスを通流させる流体圧調整弁としてのガバナ8を介して接続して、上流側配管A1とその上流側配管A1に接続した上流側接続管6とで一次側配管9を構成し、下流側配管A2とその下流側配管A2に接続した下流側接続管7とで二次側配管10を構成するようにしてある。
【0008】
前記ガバナ8には、弁体11をダイヤフラム12で移動させてガス圧を調整作動させる調整機構13を設けてあり、下流側接続管7に屈曲部14を設けて、その屈曲部14の上流側にガバナ8を設け、調整機構13に二次側圧力を導入する調整管15を、屈曲部14の下流側で下流側接続管7に接続してある。
前記屈曲部14は、屈曲部14の下流側で下流側接続管7の一部を構成する下流側配管部分16を、屈曲部14の上流側で下流側接続管7の一部を構成する上流側配管部分17との接続箇所を越えて延設して、T字状に形成してあり、下流側配管部分16の延設端部を塞ぎ板18で塞いである。
【0009】
前記下流側配管部分16は、上流側配管部分17を接続する小径部19とそれよりも下流側の大径部20とを接続用フランジ21で接続して構成してあり、小径部19と大径部20との間に、図2に示すように、多孔板22で構成した整流器23を内装して、その整流器23の周部を接続用フランジ21間に挟込みんで固定し、調整管15を二次側配管10における整流器23よりも下流側の本管接続用フランジ4近くに接続してある。
【0010】
〔第2実施形態〕
図3は、下流側接続管7の屈曲部14をエルボで構成し、下流側配管A2の地上側への立ち上がり部を構成している屈曲部24を、屈曲部24の下流側で二次側配管10の一部を構成する下流側配管部分16を、屈曲部24の上流側で二次側配管10の一部を構成する上流側配管部分17との接続箇所を越えて延設して、T字状に形成し、下流側配管部分16の延設端部を塞ぎ板18で塞いで、調整管15を屈曲部24近くの下流側配管部分16に接続してある実施形態を示す。
その他の構成は第1実施形態と同様である。
【0011】
〔その他の実施形態〕
1.本発明による流体圧調整設備は、都市ガス以外の工業用ガス等の各種ガスや水等の液体の流体圧を調整するものであっても良い。
2.本発明による流体圧調整設備は、横側方や斜め上方に向けてL字状に屈曲させた一次側配管と二次側配管と流体圧調整弁を介して接続するものであっても良い。
3.本発明による流体圧調整設備は、地上に配管してある一次側配管と二次側配管とをL字状に屈曲させて流体圧調整弁を介して接続するものであっても良い。4.本発明による流体圧調整設備は、一次側配管と二次側配管とのうちの一方が地上に配管してあり、他方が地中に埋設してある場合に、それらの一次側配管と二次側配管とをL字状に屈曲させて流体圧調整弁を介して接続するものであっても良い。
5.本発明による流体圧調整設備に設ける調整機構は、調整管で導入した二次側圧力を間接的に使用して流体圧調整弁を調整作動させるように構成してあっても良い。
6.本発明による流体圧調整設備に設ける整流器は、整流板や整流網を備えたものであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】流体圧調整設備の概略図
【図2】整流器の平面図
【図3】第2実施形態を示す流体圧調整設備の概略図
【図4】流体圧調整設備の試験方法を示す概略図
【図5】流体圧調整設備の試験方法を示す概略図
【図6】試験結果を示すグラフ
【図7】試験結果を示すグラフ
【図8】試験結果を示すグラフ
【図9】従来の流体圧調整設備の概略図
【符号の説明】
8 流体圧調整弁
9 一次側配管
10 二次側配管
13 調整機構
14 屈曲部
15 調整管
16 下流側配管部分
17 上流側配管部分
23 整流器
24 屈曲部
Claims (1)
- 一次側配管と二次側配管とをL字状に屈曲させて、流体圧を調整しながら流体を通流させる流体圧調整弁を介して接続し、前記二次側配管内の二次側圧力を導入して前記流体圧調整弁を調整作動させる調整機構を設けるとともに、
前記二次側配管に屈曲部を設けて、その屈曲部の上流側に前記流体圧調整弁を設け、
前記二次側圧力を前記調整機構に導入する調整管を、前記二次側配管における前記屈曲部の下流側に接続してある流体圧調整設備であって、
前記屈曲部の下流側で二次側配管の一部を構成する下流側配管部分を、前記屈曲部の上流側で二次側配管の一部を構成する上流側配管部分との接続箇所を越えて延設して、前記屈曲部をT字状に形成するとともに、その下流側配管部分の延設端部を塞いであり、
前記下流側配管部分における前記上流側配管部分との接続箇所よりも下流側に、整流器を内装して、前記調整管を二次側配管における前記整流器よりも下流側に接続してある流体圧調整設備。
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