JP4165189B2 - 車両のサイドドア構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、前部に設けられたドアヒンジを介して開閉自在に支持されたフロントドアと、後部に設けられたドアヒンジを介して開閉自在に支持されたリヤドアとにより車体の側面開口部を覆うように構成された車両のサイドドア構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、前部に設けられたドアヒンジを介してフロントドアが開閉自在に支持されるともに、後部に設けられたドアヒンジを介してリヤドアが開閉自在に支持されることにより、いわゆる観音開き式に開閉操作されるフロントドア及びリヤドアにより車体の側面開口部が覆われるように構成された車両のサイドドア構造が知られている(例えば特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開平13−1388864号公報(図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように観音開き式に開閉操作されるフロントドア及びリヤドアを備えた車両は、上記リヤドアを開放操作する場合に、まずドアロックによるフロントドアのロックを解放して、図18の仮想線で示すように、フロントドア2aを所定開度に開放してフロントドア2aとリヤドア4aとの連結状態を解除した後に、リヤドア4aを閉止状態から開放状態に移行させるように構成されている。
【0005】
上記フロントドア2a及びリヤドア4aは、一般的にデザイン上の理由により車両の正面から見て上端部が車体の内方側に位置するように傾斜した状態で設置されている。このように傾斜状態で設置されたフロントドア2a及びリヤドア4aを、図19に示すように、鉛直方向に設置されたヒンジ軸17a,12aによって開閉自在に支持した場合には、フロントドア2a及びリヤドア4aの上端部が上記ヒンジ軸17a,12aの軸心よりも車体の内方側に位置しているために、両ドア2a,4aを開放操作する際の初期段階で、フロントドア4aの後部上端が車体の後方側に揺動変位するとともに、リヤドア4aの前部上端が車体の前方側に揺動変位することになる。また、上記フロントドア2aの後端部とリヤドア4aの前端部とは、所定距離OLだけオーバラップした状態で設置されているため、フロントドア2aの後部上端の揺動軌跡とリヤドア4aの前部上端の揺動軌跡との重合範囲Aが大きくなることが避けられない。したがって、上記リヤドア4aの開放操作時に、その前端部がフロントドア2aの後端部に干渉し易く、この干渉を防止するためには、フロントドア2aを大きく開放した状態で、リヤドア4aの開放操作を行わなければならず、操作性が悪いという問題があった。
【0006】
上記両ドア2a,4aの揺動軌跡の重合範囲Aが大きいことに起因した両ドア2a,4aの干渉を防止するために、フロントドア2a及びリヤドア4aの傾斜状態に対応させて両ドア2a,4aのヒンジ軸17a,12aを傾斜させることが考えられるが、このように構成した場合には、閉止状態にある各ドア2a,4aを開放操作する際に大きな操作力が必要になるという問題がある。すなわち、図19は、上端部が内方に位置するように傾斜したヒンジ軸17a,12aの軸方向からフロントドア2a及びリヤドア4aを見た状態を示している。
【0007】
図18と図19とを比較すると、両ドア2a,4aの傾斜状態に対応させて上記ヒンジ軸17a,12aを傾斜させることにより、このヒンジ軸17a,12aを支点として開放操作される両ドア2a,4aの揺動軌跡の重合範囲Aを小さくできることが解る。この反面、上記のように上端部を内方に位置させるようにヒンジ軸1a,12aを傾斜させた場合には、フロントドア2a及びリヤドア4aの重心Oを通って鉛直方向に作用する各ドア2a,4aの自重Mと、上記重心Oからヒンジ軸17a,12aまで距離L1,L2との積により表される大きなモーメントが各ドア2a,4aの閉止方向にそれぞれ作用し、このモーメントに抗して各ドア2a,4aを開放操作しなければならないので、各ドア2a,4aを開放操作する際の初期段階で大きな操作力が必要になるという問題がある。また、上記両ドア2a,4aの開放角度θが約90度になるまで、両ドア2a,4aの閉止方向に上記モーメントが作用するため、両ドア2a,4aを開放操作する場合に、その終期段階まで所定の操作力が必要であるとともに、両ドア2a,4aを全開状態に保持することが困難であるという問題があった。
【0008】
また、上記リヤドア用のヒンジ軸12aを、その上端部が車体の後方側に位置するように傾斜させる等により、上記リヤドア4aを開放操作する際の操作力を低減するとともに、リヤドア4aを全開状態に安定して維持し得るように構成することも考えられるが、このように構成した場合には、後部席の乗員が開放状態にあるリヤドア4aを閉止状態に移行させる際に、その操作が困難になるという問題がある。
【0009】
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、観音開き式に設置されたドアの開閉操作を容易かつ適正に行うことができる車両のサイドドア構造を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、フロントドアと、リヤドアとにより車両の側面開口部を覆うように構成された車両のサイドドア構造において、上記フロントドアは、その前部に設けられたドアヒンジを介して開閉自在に車体に支持され、上記リヤドアは、その後部に設けられたドアヒンジを介して開閉自在に車体に支持されるとともに、上記開口部の後部とリヤドアの後部との間に配設されてリヤドアを開放状態に保持するドアチェッカーを備え、リ ヤドア用のヒンジ軸を車両の正面から見た場合にその上端部が車室の内方側に位置するように上記ヒンジ軸を傾斜させるとともに、このヒンジ軸を車両の側面から見た場合にその上端部が車体の後方側に位置するように上記ヒンジ軸を傾斜させ、上記ドアチェッカーは、乗員によるリヤドアの閉止操作をアシストするアシスト手段を有し、このアシスト手段により最大角度の開放状態にあるリヤドアを閉止状態に移行させる際にこのリヤドアを閉止方向に付勢するように構成されたものである。
【0011】
上記構成によれば、前開きの開放状態にあるリヤドアを閉止状態に移行させる際に、この閉止操作がアシスト手段によってアシストされることにより、軽い力で上記閉止操作を行うことが可能となる。また、上端部が車体の内方側に位置するように傾斜したヒンジ軸を支点にしてリヤドアを開放操作する際に、その前端部の前方側への移動量が小さく抑えられてフロントドアとの干渉が防止されるとともに、上端部が車体の後方側に位置するように傾斜した上記ヒンジ軸を支点にして上記リヤドアを開放操作する際の操作力が低減されることになる。さらに、ドアチェッカーにより前開きの全開状態に保持されたリヤドアを閉止状態に移行させる際に、この閉止操作がドアチェッカーに設けられたアシスト手段によってアシストされることにより、軽い力で上記リアドアの閉止操作を行うことが可能となる。
【0012】
請求項に係る発明は、上記請求項に記載の車両のサイドドア構造において、リヤドアの後端部に揺動自在に支持されたチェッカープレートと、このチェッカープレートに圧接されて拘束力を付与する挟持体とを備えたリヤドア用のドアチェッカーを有し、上記チェッカープレートの先端部には先広がりの凸部が形成され、リヤドアの開放角度が最大角度となった場合に、上記凸部の先端部側に設けられた大径部上に上記挟持体が位置するように構成されたものである。
【0013】
上記構成によれば、ドアチェッカーにより前開きの全開状態に保持されたリヤドアを閉止状態に移行させる際に、上記挟持体がチェッカープレートの凸部に沿って摺動することにより、リヤドアの閉止操作がアシストされるため、軽い力で上記閉止操作を行うことが可能となる。
【0014】
請求項に係る発明は、上記請求項1または2に記載の車両のサイドドア構造において、リヤドアの車室内側壁面にドア開閉用の操作ノブを設置するとともに、リヤドアの前端部から所定距離だけ車体の後方側に離間した位置に上記操作ノブを配設したものである。
【0015】
上記構成によれば、後部席の乗員がリヤドアの車室内側壁面に設置された操作ノブを持って開放状態にあるリヤドアを閉止状態に移行させる操作を容易に行うことが可能となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1及び図2は、本発明に係る車両のサイドドア構造の実施形態を示している。このサイドドア構造は、前部に設けられた上下一対のドアヒンジ1を介して開閉自在に支持されたフロントドア2と、後部に設けられた上下一対のドアヒンジ3を介して開閉自在に支持されたリヤドア4とを有し、車両の側面に形成された開口部が上記フロントドア2及びリヤドア4により覆われるとともに、これらのフロントドア2及びリヤドア4が、いわゆる観音開き式に開閉操作されるように構成されている。
【0017】
上記フロントドア2は、その後部に設けられたドアラッチ51と、リヤドア4の前端部に設けられたストライカ52とからなるドアロック5を介してリヤドア4と連結されることにより、閉止状態に保持されるようになっている。一方、上記リヤドア4は、車体とリヤドア4との間に設けられた上下一対のドアロック6,7により閉止状態に保持されるように構成されている。また、上記フロントドア2の前部及びリヤドア4の後部には、各ドア2,4の開度が所定角度となった場合にその開度を保持するドアチェッカー8,9が上記ドアヒンジ1,3の下方にそれぞれ配設されている。
【0018】
上記リヤドア4用のドアヒンジ3は、リヤドア4の後部壁面に固着されたヒンジ金具10と、車体に形成された上記開口部の後部周壁面に固着されたヒンジ金具11と、両金具10,11を連結するヒンジ軸12とにより構成されている。そして、リヤドア4の前端部から所定距離だけ後方側に離間した位置においてドア内壁面に取り付けられた開閉操作用の操作ノブ14をもってリヤドア4を開閉操作することにより、上記ヒンジ軸12を支点にしてリヤドア4が閉止位置と開放位置との間で揺動変位するようになっている。上記ドアヒンジ3のヒンジ軸12は、図3に示すように車両の正面から見て、その上端部が車体の内方側に位置するように軸心120が傾斜した状態で設置されるとともに、車両の側面から見て、その上端部が車体の後方側に位置するように軸心120が傾斜した状態で設置されている(図1参照)。
【0019】
また、上記フロントドア2用のドアヒンジ1は、フロントドア2の前部壁面に固着されたヒンジ金具15と、車体に形成された上記開口部の前部周壁面に固着されたヒンジ金具16と、両金具15,16を連結するヒンジ軸17とにより構成され、このヒンジ軸17を支点にしてフロントドア2が閉止位置と開放位置との間で揺動変位するようになっている。フロントドア2用のヒンジ軸17は、上記リヤドア4用のヒンジ軸12と同様に車両の正面から見て、その上端部が車体の内方側に位置するように軸心170が傾斜した状態で設置されている。また、上記フロントドア2用のヒンジ軸17は、その軸心170が車両の側面から見て略鉛直方向に設置されている。
【0020】
上記フロントドア2用のドアチェッカー8は、図4に示すように、フロントドア2の前部壁面に対向する位置において車体に取り付けられたブラケット18と、このブラケット18に設けられた支持軸19を支点にして揺動可能に支持されたチェッカープレート20と、フロントドア2の前部内方に固定された保持ケース21とを有し、この保持ケース21には、図5に示すように、上下一対の挟持体22と、両挟持体22を互いに接近させる方向に付勢する弾性体23とが保持されている。
【0021】
上記チェッカープレート20は、鋼板材等からなる芯材24と、この芯材24を被覆する合成樹脂材等からなる被覆材25と、先端部に設けられたストッパー部材26とを有している。そして、上記保持ケース21に形成された挿通孔を貫通した状態でチェッカープレート20が設置されることにより、上記両挟持体22が弾性体23の付勢力に応じてチェッカープレート20に表裏両面に圧接されるようになっている。また、チェッカープレート20の表裏両面には、上記被覆材25の厚みをチェッカープレート20の長手方向に変化させることにより、複数の凸部27a〜27cが設けられるとともに、それらの間に複数の凹部28a〜28cが配設されている。
【0022】
そして、フロントドア2の開閉操作時に、上記保持ケース21がチェッカープレート20の長手方向に摺動変位するとともに、上記弾性体23の付勢力に応じて両挟持体22がチェッカープレート20の表裏両面に圧接されることにより付与される摺動抵抗の大きさが、上記フロントドア2の開放角度に応じて変化するように構成されている。
【0023】
すなわち、図4に示す平面視において、ドアチェッカー9の支持軸19が上記ヒンジ軸12の設置位置から所定距離だけ車体の内方側にオフセットした位置に配設されているため、上記ヒンジ軸12を支点にして図4の実線で示す閉止位置と、仮想線で示す開放位置との間で、フロントドア2を開閉操作するのに応じ、このフロンドア2とともに保持ケース21が揺動変位するとともに、上記支持軸19を支点にしてチェッカープレート20が揺動変位する。また、両揺動支点が上記のようにオフセットしていることにより、フロントドア2の揺動変位時に、上記保持ケース21がチェッカープレート20の長手方向に沿って摺動変位するようになっている。
【0024】
そして、上記保持ケース21の摺動変位に応じ、その内部に保持された両挟持体22が、上記チェッカープレート20の表裏両面に設けられた上記凸部27a〜28cを乗り越えて凹部28a〜28cの設置部に向けて移動し、この際に、上記凸部27a〜27cを構成する傾斜面によって上記両挟持体22が互いに離間する方向に押圧されるとともに、上記弾性体23が圧縮されることにより、この弾性体23の付勢力に対応した摺動抵抗が付与される。この弾性体23の付勢力が、両挟持体22を凹部28a〜28cの設置位置に移動させる方向に作用し、これによってフロントドア2の開放操作時に、上記凹部28a〜28cの設置部に挟持体22が位置した時点で所定の拘束力が付与され、この位置に対応した開度に上記フロントドア2が保持されることになる。
【0025】
また、リヤドア用のドアチェッカー9は、図6及び図7に示すように、リヤドア4の後部壁面に対向する位置において車体に取り付けられたブラケット18と、このブラケット18に設けられた支持軸19を支点にして揺動可能に支持されたチェッカープレート20と、リヤドア4の後部内方に固定された保持ケース21とを有し、この保持ケース21に上下一対の挟持体22と、両挟持体22を互いに接近させる方向に付勢する弾性体23とが保持されている。上記チェッカープレート20は、その先端側に位置する凸部27cが先拡がり形状に形成されるとともに、その先端部側に大径部29が形成され、この先端部に凹部28cが設けられていない点が、上記フロントドア2用のドアチェッカー8と相違し、その他の点はフロントドア用のチェッカープレート20と略同様に構成されている。また、上記リヤドア用のドアチェッカー9の機能も、フロントドア用のドアチェッカー8と略同様に構成されている。
【0026】
上記構成において、後部席の乗員が閉止状態にあるリヤドア4を開放状態に移行させる場合には、上記ドアロック5によるフロントドア2のロックを解除した状態で、このフロントドア2を所定角度に開放した後、上記ドアロック6,7によるリヤドア4のロックを解除した状態で、上記操作ノブ14をもってリヤドア4の前端部を車体の外方側に揺動変位させることにより開放操作する。そして、上記フロントドア2及びリヤドア4の開放操作時に、その開度が所定角度となった場合に、上記ドアチェッカー8,9からフロントドア2及びリヤドア4に付与される拘束力に応じ、各ドア2,4がそれぞれ所定開度の開放状態に保持される。
【0027】
具体的には、図8に示すように、フロントドア2の開放角度が、リヤドア4の開閉軌跡αよりもやや外方側位置する最小開度θ1となった場合に、上記ドアチェッカー8のチェッカープレート20に設けられた複数の凹部28a〜28cのうち、基端部側に配設された第1凹部28aの設置位置に上記挟持体22が到達してフロントドア2が上記最小開度θ1に保持されるように構成されている。また、上記チェッカープレート20の中間部に設けられた第2凹部28bの設置位置に上記挟持体22が到達することにより保持されるフロントドア2の開放角度が、前部席に対して乗員が昇降する際に適した中間開度θ2に設定されるとともに、上記チェッカープレート20の先端部に設けられた第3凹部28cの設置位置に上記挟持体22が到達することにより保持されるフロントドア2の開放角度が、フロントドア2の最大開度θ3に対応した値に設定されている。
【0028】
一方、上記リヤドア用のドアチェッカー9は、リヤドア4の開放角度が、フロントドア2の開閉軌跡βよりもやや外方側に位置する角度となった場合に、リヤドア用のドアチェッカー9のチェッカープレート20に基端部側に設けられた第1凹部28aの設置位置に上記挟持体22が到達してリヤドア4が最小開度に保持されるようになっている。また、上記チェッカープレート20の中間部に設けられた第2凹部28bの設置位置に上記挟持体22が到達することにより保持されるリヤドア4の開放角度は、後部席に対して乗員が昇降する際に適した中間開度に設定されるとともに、上記チェッカープレート20の先端部に設けられた大径部29の設置位置に上記挟持体22が到達することにより保持されるリヤドア4の開放角度は、リヤドア4の最大開度に対応した値に設定されている。
【0029】
図9は、上記車両のサイドドア構造を設計する場合に使用される設計装置30の構成を示す概念図である。この設計装置30は、予備設計段階で求められたドア2,4の機械的特性データ及び一般的な乗員がドア2,4を開閉する際に発揮し得る操作等を入力する入力手段31と、上記ドア2,4の機械的特性データに基づいてドア2,4を開閉操作する際に必要とされる操作力特性を求める必要操作力演算手段32と、上記乗員によるドア2,4の開閉操作時に発揮し得る操作力特性を求める可操作力特性演算手段33と、上記必要操作力演算手段32及び可操作力演算手段33により求められた操作力等を表示するモニターからなる表示手段34とを有している。
【0030】
上記設計装置30を用いた車両のサイドドア構造の設計方法を、リヤドア4を例にとって以下に説明する。まず、一般的な材料を用いて所定形状に初期設計されたリヤドア4の重量、上記ヒンジ3の設置位置・角度及び開閉操作用の操作ノブ14の設置位置等からなるリヤドア4の機械的特性データと、後部席に着座した乗員の一般的な身体機能特性、つまり関節の可動特性及び筋力の動作特性等を入力し、この入力データに基づいて上記操作ノブ14の設置位置が適正か否かを解析する。
【0031】
すなわち、図10に示すように、操作ノブ14からリヤドア4に大きな開閉操作モーメントKMが入力されるようにリヤドア4の前端部近傍に操作ノブ14を設置した初期設計段階における必要操作力特性を求めるとともに、この必要操作力を発揮させる際における乗員の姿勢及び可操作力特性を求め、これらのデータを表示手段34に表示させることにより、この表示データを解析してその適否を判別する。
【0032】
上記表示データを解析することにより、図10に示すリヤドア4では後部席の乗員が全開状態から閉止状態に移行させる際に、車体の外方側に身を乗り出すようにして無理な姿勢でリヤドア4の閉止操作を行わなければならないことが確認されるため、上記操作ノブ14の設置位置を、図11に示すように、リヤドア4の前端部から所定距離だけ後方側に離間した位置に設定するように設計変更した場合の乗員の姿勢及び可操作力特性データを求め、これらのデータを表示手段34に表示させる。このように操作ノブ14の設置位置をリヤドア4の前端部から所定距離だけ後方側に離間した位置に設定することにより、自然な姿勢でリヤドア4の閉止操作を行うことができるという解析結果が得られることになる。
【0033】
上記のようにして操作ノブ14の適正設置位置を求めた後、初期設計段階で求めたヒンジ位置及びリヤドア4の重量等に基づき、開放状態にあるリヤドア4を閉止操作する場合に必要な操作力を求め、これを表示手段34に表示させる。例えば図3に示すように、リヤドア用のヒンジ軸12を車両の正面から見た場合に、その上端部が車体の内方側に位置するとともに、図1に示すように、上記ヒンジ軸12を車両の側面から見た場合にその上端部が車体の内方側に位置するように、上記ヒンジ軸12を傾斜させた場合における必要操作力を図示すると、図12の仮想線B1で示すようになる。これに対して後部席の乗員が上記操作ノブ14を持って全開位置から全閉位置に閉止操作する場合における可操作力を図示すると、図13に示すようになる。
【0034】
上記図12の仮想線B1と図13とを比較すると、リヤドア4の機械的特性に対応した必要操作力に比べて、リヤドア4を閉止する際の前半段階における可操作力が著しく不足していることが解る。次いで、リヤドア4を軽量化する設計変更を行った場合における必要操作力特性を求め、これを図示すると、図12の破線B2で示すようになり、リヤドア4を閉止する際の前半段階における必要操作力が、ある程度改善されるが、リヤドア4を閉止する際の初期段階における操作力が未だ不足していることが解る。したがって、上記のようにリヤドア4を軽量化するとともに、リヤドア4を全開状態から閉止状態に移行させる初期段階で、乗員によるリヤドア4の閉止操作をアシストするアシスト手段を設け、図12の実線B3に示すように、上記閉止操作の初期段階における必要操作力を低減するように設計変更することにより、この必要操作力を図13に示す可操作力とを略一致させてリヤドア4の閉止操作を適正に行うことができる。
【0035】
なお、図12において、リヤドア4の開度が小さくなるのに応じ、必要操作力が0以下となって開方向に必要操作力が作用しているのは、リヤドア4の開度が所定値以下となった時点でその自重がリヤドア4の閉止方向に作用することにより、乗員がリヤドア4を開方向に付勢しつつ閉止操作を行う必要があることを示すものである。
【0036】
上記実施形態に示すように、リヤドア用のドアチェッカー9を構成するチェッカープレート20の最先端部に大径部29を形成し、リヤドア4の開放角度が図11に示す最大開度となった時点で、図14に示すように、保持ケース21内に保持された挟持体22が上記大径部29上に乗り上げた状態で、リヤドア4が最大角度に保持されるように構成し、この最大開度に保持されたリヤドア4の閉止操作を行う際に所定のアシスト力が得られるようにすること、つまり全開状態にあるリヤドア4を閉止方向に付勢する付勢手段を上記ドアチェッカー9に設けることにより、上記リヤドア4の閉止操作を容易に行うことが可能となる。
【0037】
上記リヤドア4の開閉操作時に、図3に示すように構成されたリヤドア用のドアチェッカー9により上記リヤドア4の開閉方向に付与されるモーメントを図示すると、図15に示すようになり、リヤドア4の閉止操作する際の初期段階で所定のアシスト力が得られる。その理由は、図14に示すように、上記大径部29上に挟持体22が乗り上げた状態では、弾性体23が大きく圧縮されることにより大きなエネルギーが蓄えられているため、リヤドア4を上記最大開度から閉止方向に少しでも移動させると、先拡がり形状の第3凸部27cを構成する傾斜面に沿って挟持体22が摺動することにより、リヤドア4が閉止方向に付勢されるからである。
【0038】
上記のように前部に設けられたドアヒンジ1を介して開閉自在に支持されたフロントドア2と、後部に設けられたドアヒンジ3を介して開閉自在に支持されたリヤドア4とにより車両の側面開口部を覆うように構成された車両のサイドドア構造において、乗員によるリヤドア4の閉止操作をアシストするアシスト手段をドアチェッカー9に設けたため、前開きの開放状態にあるリヤドア4を閉止状態に移行させる際に、この閉止操作を上記アシスト手段によってアシストさせることにより、軽い力で上記リヤドア4の閉止操作を行うことができる。
【0039】
すなわち、上記最大角度の開放状態にあるリヤドア4を閉止方向に付勢する付勢手段からなるアシスト手段を上記ドアチェッカー9に設けたため、前開きの全開状態にあるリヤドア4を閉止状態に移行させる際に、人体の構造上の理由から、リヤドア4の閉止方向に大きな力を付与することが困難であるにも拘わらず、上記付勢手段の付勢力に応じて比較的容易に上記リヤドア4の閉止操作を行うことができるという利点がある。
【0040】
なお、リヤドア4を開放状態に保持するリヤドア用のドアチェッカー9にリヤドア4を閉止方向に付勢する付勢手段を設けてなる上記実施形態に代え、全開状態にあるリヤドア4を閉止状態に移行させる際に、所定のアシスト力を付与するダンパー等の付勢手段を設けた構造とすることもできるが、上記実施形態に示すようにリヤドア用のドアチェッカー9に設けられた付勢手段により、全開状態にあるリヤドア4を閉止状態に移行させる際に、所定のアシスト力を付与するように構成した場合には、別体の付勢手段を設けることなく、簡単な構成で上記閉止操作を容易化することができるという利点がある。
【0041】
すなわち、上記実施形態に示すように、リヤドア4の後端部に揺動自在に支持されたチェッカープレート20と、このチェッカープレート20に圧接されて拘束力を付与する挟持体22とを備えたリヤドア用のドアチェッカー9を設け、上記チェッカープレート20の先端部に先広がりの凸部27cを形成し、リヤドア4の開放角度が最大角度となった場合に、上記凸部27cの先端部側に設けられた大径部29上に上記挟持体22を位置させるように構成した場合には、ドアチェッカー9により前開きの全開状態に保持されたリヤドア4を閉止状態に移行させる際に、上記挟持体22をチェッカープレート20の凸部27cに沿って摺動させることにより、リヤドア4の閉止操作をアシストすることできるため、上記閉止操作を容易化することができる。
【0042】
また、上記実施形態では、図3に示すように、リヤドア用のヒンジ軸12を車両の正面から見た場合にその上端部が車体の内方側に位置するように上記ヒンジ軸12を傾斜させるとともに、図1に示すように、ヒンジ軸12を車両の側面から見た場合にその上端部が車体の後方側に位置するように上記ヒンジ軸12を傾斜させたため、リヤドア4の開閉操作時に、その先端部がフロントドア2と干渉するのを回避しつつ、上記リヤドア4を軽い力で開放操作することができるとともに、このリヤドア4を拘束力の小さいドアチェッカー9により所定開度の開放状態に保持することができる。
【0043】
すなわち、リヤドア4用のヒンジ軸12を、その上端部が車体の内方側に位置するように傾斜させたため、リヤドア4の上端部が上記ヒンジ軸12の内方側に位置した状態となることが防止され、上記ヒンジ軸12を支点にしてリヤドア4を閉止位置から開放位置に揺動変位させる場合に、その前端部が前方側に大きく移動するのを抑制することができる。したがって、車両の側面から見てヒンジ軸が鉛直方向に設置された図18に示す従来例に比べ、図16に示すように、上記のように傾斜したヒンジ軸12の軸方向から見た状態において、フロントドア2の後端部と、リヤドア4の前端部との揺動軌跡の重合範囲Aを、著しく小さくして両ドア2,4の干渉を効果的に防止することができる。
【0044】
また、上記のようにリヤドア4用のヒンジ軸12を、その上端部が車体の後方側に位置するように傾斜させたため、リヤドア4の重心Gを通って鉛直方向に作用するリヤドア4の自重Mに応じ、ヒンジ軸12を支点としてリヤドア4の閉止方向に作用するモーメントの距離Lを、図19に示す従来例に比べて小さくすることができ、これによってリヤドア4を開放操作する場合の初期段階における操作力を効果的に低減することができる。しかも、図16に示すように、上記リヤドア4を90度未満の所定角度θに開放操作して上記自重Mの作用方向とヒンジ軸12の傾斜方向とが重なった状態となった時点で、リヤドア4の閉止方向に作用するモーメントが0になるため、リヤドア4を開放操作する場合の終期段階における操作力をも効果的に低減することができるという利点がある。なお、リヤドア4の重心を通る自重Mは鉛直方向に作用しており、この自重Mが図16において傾斜した状態で表示されているのは、図16が上記のようにヒンジ軸12の軸方向から見た状態を示すものであって、このヒンジ軸12の軸心と直交する面が図16により表示されているからである。
【0045】
そして、図3に示すように、上端部が車体の内方側に位置するように傾斜した状態で設置された上記ヒンジ軸12よりも車体の内方側に上記ドアチェッカー9を配設した場合には、このドアチェッカー9の設置位置から大きく離れた位置を上記ヒンジ軸12の軸心120が通り、この軸心方向から見たヒンジ軸12の設置位置とドアチェッカー9の設置位置との離間距離Sが充分に確保されることになる。このため、リヤドア4の開閉操作時に、上記ドアチェッカー9により付与される拘束力と、上記離間距離との積からなる抵抗モーメントを大きな値に設定することができる。したがって、上記拘束力が小さいドアチェッカー9を用いた場合においても、このドアチェッカー9によりリヤドア4を所定の開度に安定して保持することができる。
【0046】
リヤドア4を開放操作する場合の初期段階における操作力を効果的に低減するために、上記構成を採用した場合には、全開状態にあるリヤドア4を閉止させる方向にリヤドア4の自重に対応した所定のモーメントが作用し、このモーメントがリヤドア4を閉止する際の妨げとなるが、全開状態にあるリヤドア4を閉止方向に付勢する付勢手段(アシスト手段)を上記ドアチェッカー9に設けることにより、上記リヤドア4の閉止操作を容易に行うことができる。
【0047】
なお、図17に示すように、後輪用のホイールアーチ(タイヤハウスの曲線部分)30の前方に上記リヤドア4が配設された車両において、リヤドア用のドアチェッカー9を上記ヒンジ軸12の設置位置よりも車体の前方側に所定距離だけオフセットした位置に配設した構造としてもよい。このように構成した場合には、上記ホイールアーチ30とドアチェッカー9とが干渉するのを防止しつつ、このドアチェッカー9を適正位置に設置してリヤドア4の開放操作時に所定の抵抗モーメントを効果的に付与できるという利点がある。
【0048】
また、上記実施形態では、リヤドア4を開閉操作するための操作ノブ14を、リヤドア4の前端部から所定距離Wだけ車体の後方側に配設したため、図11に示すように最大開放位置にあるリヤドア4を閉止する場合に、後部席の乗員が上記操作ノブ14を把持するために大きく手を伸ばすことなく、自然な姿勢で上記操作ノブ14を把持して容易に上記閉止操作を行うことができる。
【0049】
さらに、上記のようにドア2,4の予備設計段階で求められたドア2,4の機械的特性データに基づいてドア2,4を開閉操作する際に必要とされる操作力特性を求める必要操作力特性演算工程と、乗員がドア2,4の開閉操作時に発揮し得る操作力特性を求める可操作力特性演算工程と、上記必要操作力特性と可操作力特性との間に差がある場合に、この差を減少させるために必要な上記ドア2,4の機械的特性を解析する解析工程と、この解析結果に基づいてドア2,4を設計変更する設計変形工程とを有する設計方法により、前部に設けられたドアヒンジ1を介して開閉自在に支持されたフロントドア2と、後部に設けられたドアヒンジ3を介して開閉自在に支持されたリヤドア4とにより車両の側面開口部を覆うように構成された車両のサイドドア構造を設計方法するように構成した場合には、ドア2,4の重量やヒンジ位置等に対応した機械的特性から求められる必要操作力特性と、乗員の身体機能に応じて発揮し得る操作力特性との差を解析することにより、適正に開閉操作することが可能なドア2,4の構造を容易かつ正確に設計することができる。
【0050】
また、上記ドア2,4の可操作力特性と必要操作力特性との差を減少させるために必要な機械的特性として、乗員によるドア2,4の閉止操作をアシストするアシスト手段のアシスト力を使用した場合には、開放状態にあるドア2,4を閉止状態に移行させる際に、上記アシスト手段のアシスト力に応じてドア2,4の閉止操作を適正に行うことが可能なドア2,4の構造を容易かつ正確に設計できるという利点がある。
【0051】
特に、リヤドア4の可操作力特性と必要操作力特性との差を減少させるために必要な機械的特性として、全開状態にあるリヤドア4を閉止方向に付勢する付勢手段からなるアシスト手段を使用することにより、後部席に着座した乗員が全開状態にあるリヤドア4を閉止状態に移行させる際に、上記付勢手段の付勢力に応じてリヤドア4の閉止操作を適正に行うことができるリヤドアの構造を容易かつ正確に設計することができる。
【0052】
さらに、リヤドア4の可操作力特性と必要操作力特性との差を減少させるために必要な機械的特性として、リヤドア4の開度が所定角度となった場合にその開度を保持するドアチェッカー9に設けられた付勢手段を使用することにより、全開状態に保持されたリヤドア4を閉止状態に移行させる際に、上記ドアチェッカー9に設けられた付勢手段の付勢力に応じてリヤドア4の閉止操作を簡単かつ適正に行うことが可能なリヤドア4の構造を正確に設計することができる。
【0053】
また、上記実施形態では、前部に設けられたドアヒンジ1を介して開閉自在に支持されたフロントドア2と、後部に設けられたドアヒンジ3を介して開閉自在に支持されたリヤドア4とにより車両の側面開口部を覆うように構成された車両のサイドドア構造において、図8に示すように、フロントドア用のドアチェッカー8により開放状態に保持されるフロントドア2の最小開度θ1、つまり上記ドアチェッカー8のチェッカープレート20に基端部側に設けられた第1凹部28aの設置位置に上記挟持体22が到達した時点で保持されるフロントドア2の開放角度を、リヤドア4の開閉軌跡αの外方側近傍位置に設定したため、フロントドア2を開放した状態でリヤドア4を開放操作する際に、その前端部がフロントドア2の後端部に干渉するのを効果的に防止することができる。
【0054】
さらに、上記実施形態に示されるように、ドアチェッカー8のチェッカープレート20の中間部に設けられた第2凹部28bの設置位置に上記挟持体22が到達した時点で保持されるフロントドア2の中間角度θ2を、乗員の乗降に適した角度に設定し、かつ上記ドアチェッカー8チェッカープレート20の先端部に設けられた第3凹部28cの設置位置に上記挟持体22が到達した時点で保持されるフロントドアの最大開度θ3を、フロントドア2の限界開度に対応した値に設定することにより、フロントドア2を上記中間開度θ2に保持させた状態で、前部席に対する乗員の昇降を容易に行うことができるとともに、フロントドア2を上記最大開度θ3に保持させた状態で、車室内に対する荷物の出し入れ等を容易に行うことができるという利点がある。
【0055】
また、上記実施形態に示すように、リヤドア用のドアチェッカー9により保持されるリヤドア4の最小角度、つまり上記ドアチェッカー9のチェッカープレート20に基端部側に設けられた第1凹部28aの設置位置に上記挟持体22が到達した時点で保持されるリヤドア4の開放角度を、フロントドア2の開閉軌跡βよりもやや外方側に位置する角度に設定することにより、上記最小角度にリヤドア4を保持した状態で、フロントドア2を開閉操作する際に、このフロントドア2がリヤドア4に干渉するのを効果的に防止することができる。
【0056】
また、上記ドアチェッカー9のチェッカープレート20の中間部に設けられた第2凹部28bの設置位置に上記挟持体22が到達した時点で保持されるリヤドア4の開放角度を、乗員の昇降に適した中間開度に設定することにより、この中間角度にリヤドア4を保持させた状態で、後部席に対する乗員の昇降を容易に行うことができる。さらに、上記ドアチェッカー9のチェッカープレート20の先端部に設けられた大径部29の設置位置に上記挟持体22が到達した時点で保持されるリヤドア4の開放角度を、リヤドア4の限界開度である最大開度に対応した角度に設定することにより、リヤドア4を限界まで開放した状態で、車室内に対する荷物の出し入れ等を容易に行うことができるという利点がある。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明は、フロントドアと、リヤドアとにより車両の側面開口部を覆うように構成された車両のサイドドア構造において、上記フロントドアは、その前部に設けられたドアヒンジを介して開閉自在に車体に支持され、上記リヤドアは、その後部に設けられたドアヒンジを介して開閉自在に車体に支持されるとともに、上 記開口部の後部とリヤドアの後部との間に配設されてリヤドアを開放状態に保持するドアチェッカーを備え、リヤドア用のヒンジ軸を車両の正面から見た場合にその上端部が車室の内方側に位置するように上記ヒンジ軸を傾斜させるとともに、このヒンジ軸を車両の側面から見た場合にその上端部が車体の後方側に位置するように上記ヒンジ軸を傾斜させ、上記ドアチェッカーに、乗員によるリヤドアの閉止操作をアシストするアシスト手段を設け、このアシスト手段により最大角度の開放状態にあるリヤドアを閉止状態に移行させる際にこのリヤドアを閉止方向に付勢するように構成したため、前開きの開放状態にあるリヤドアを閉止状態に移行させる際に、この閉止操作をアシスト手段によってアシストすることにより、軽い力で上記閉止操作を行うことができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るフロントドア構造の実施形態を示す側面図である。
【図2】 上記フロンドア構造の実施形態を示す平面図である。
【図3】 リヤドアを車両の正面から見た状態を示す説明図である。
【図4】 フロントドア用のドアチェッカーの具体的構成を示す平面断面図である。
【図5】 フロントドア用のドアチェッカーの具体的構成を示す側面断面図である。
【図6】 リヤドア用のドアチェッカーの具体的構成を示す平面断面図である。
【図7】 リヤドア用のドアチェッカーの具体的構成を示す側面断面図である。
【図8】フロントドアの開閉操作状態を示す説明図である。
【図9】 本発明に係る車両のサイドドア構造の設計方法を実施する際に用いる設計装置の具体的構成を示すブロック図である。
【図10】 操作ノブが前部近傍に設けられたリヤドアの全開状態を示す説明図である。
【図11】 操作ノブが前部から所定距離だけ後方側に設けられたリヤドアの全開状態を示す説明図である。
【図12】 リヤドアの必要操作力特性を示すグラフである。
【図13】 リヤドアの可操作力特性を示すグラフである。
【図14】 リヤドアの全開時におけるドアチェッカーの状態を示す側面断面図である。
【図15】 リヤドア用のドアチェッカーによりリヤドアに付与されるアシスト力を示すグラフである。
【図16】 フロントドア及びリヤドアをヒンジ軸の軸方向から見た状態を示す説明図である。
【図17】 本発明に係るサイドドア構造の別の実施形態を示す側面図である。
【図18】 車両のサイドドア構造の従来例を示す説明図である。
【図19】 車両のサイドドア構造の別の従来例を示す説明図ある。
【符号の説明】
1 フロントドア用のヒンジ
2 フロントドア
3 リヤドア用のヒンジ
4 リヤドア
8,9 ドアチェッカー
12 リヤドアのヒンジ軸
14 操作ノブ
20 チェッカープレート
22 挟持体
27c 凸部
29 大径部

Claims (3)

  1. フロントドアと、リヤドアとにより車両の側面開口部を覆うように構成された車両のサイドドア構造において、上記フロントドアは、その前部に設けられたドアヒンジを介して開閉自在に車体に支持され、上記リヤドアは、その後部に設けられたドアヒンジを介して開閉自在に車体に支持されるとともに、上記開口部の後部とリヤドアの後部との間に配設されてリヤドアを開放状態に保持するドアチェッカーを備え、リヤドア用のヒンジ軸を車両の正面から見た場合にその上端部が車室の内方側に位置するように上記ヒンジ軸を傾斜させるとともに、このヒンジ軸を車両の側面から見た場合にその上端部が車体の後方側に位置するように上記ヒンジ軸を傾斜させ、上記ドアチェッカーは、乗員によるリヤドアの閉止操作をアシストするアシスト手段を有し、このアシスト手段により最大角度の開放状態にあるリヤドアを閉止状態に移行させる際にこのリヤドアを閉止方向に付勢するように構成されたことを特徴とする車両のサイドドア構造。
  2. リヤドアの後端部に揺動自在に支持されたチェッカープレートと、このチェッカープレートに圧接されて拘束力を付与する挟持体とを備えたリヤドア用のドアチェッカーを有し、上記チェッカープレートの先端部には先広がりの凸部が形成され、リヤドアの開放角度が最大角度となった場合に、上記凸部の先端部側に設けられた大径部上に上記挟持体が位置するように構成されたことを特徴とする請求項1に記載の車両のサイドドア構造。
  3. リヤドアの車室内側壁面にドア開閉用の操作ノブを設置するとともに、リヤドアの前端部から所定距離だけ車体の後方側に離間した位置に上記操作ノブを配設したことを特徴とする請求項1または2に記載の車両のサイドドア構造。
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