JP4163009B2 - 走行車両の区間タイム算出方法、走行車両の評価方法及びタイヤの評価方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コース距離が既知、例えば公称周回コース距離が既知のコースを走行車両が走行した際のサンプリングデータを用いて、所望の区間タイムを算出する走行車両の区間タイム算出方法、走行車両の評価方法及びタイヤの評価方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
所定の周回コースを車両が複数回周回して走行タイムを競うモータスポーツの世界において、車両間の周回毎のラップタイム差を常に把握することは極めて重要である。また、周回コース上、予め設定された区間の通過時間、すなわち区間タイムを計測し、ラップタイム差に大きな影響を与えた区間タイムを分析することも、車両および装着タイヤの性能を評価する上でも重要である。
このような区間タイムは、設定された区間に人員を配置して、車両の通過時間を人手によりストップウォッチ等を用いて計測したり、複数のビーコンを所定の位置に設置して、区間タイムの計測を行なってきた。また、周回コース上の1地点にビーコンを設置してラップタイムの計測を行なってきた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、人手による区間タイムの計測は誤差が含まれ易く、また、ビーコンによる区間タイムの計測では、複数のビーコンを揃える必要がありコストがかかり、また、複数のビーコンを所定の位置にセットする等の煩雑な作業が必要となっていた。
そのため、区間タイムを計測をすることは困難な作業となっていた。特に、区間を所望の位置に切り換えて区間タイムを求め直すことは不可能であった。
【0004】
今日、車両の旋回特性、制動特性、WET性能の要求されるレース用タイヤの開発においては、区間タイムを求め、特定の区間に注目してその区間において発生している現象が区間タイムにどのように影響するのか、分析することが不可欠となっている。
しかし、上述したように、レース用タイヤの開発にとって重要な区間タイムを正確に求めることは困難である。
このような問題は、レース用タイヤ開発のみならず、車両やエンジンの開発においても同様に発生する。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題点を解決すべく、周回コースを走行する走行車両の区間タイムを得る際、人手による計測や、複数のビーコンを配置して計測を行なうことなく、所望の区間を設定して区間タイムを算出することのできる走行車両の区間タイム算出方法、この算出方法を用いて算出された区間タイムを用いた走行車両の評価方法及びタイヤの評価方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明は、コース距離が既知のコース上を走行する走行車両の所定時間間隔毎の時系列の車速データから、コース上の所望の区間における前記走行車両の区間タイムをコンピュータを用いて算出する走行車両の区間タイム算出方法であって、前記既知のコース距離を走行車両が走行したときの前記車速データと前記時間間隔とを乗算して累積した積算値が前記既知のコース距離に等しくなるように補正係数を用いて前記車速データを補正するステップと、前記補正係数を用いて補正された車速データと前記時間間隔とを乗算し、 逐次累積することによって、コース上の基準位置からの、前記時間間隔毎の走行距離データを算出するステップと、前記コース上の所望の異なる2点に対応する、コース上の前記基準位置からの距離をそれぞれ求め、この求められた距離に対応する走行距離データから前記2点間の区間に対応する範囲に含まれる前記補正された車速データのデータ数を求め、このデータ数と前記時間間隔とを乗算することによって前記2点間の区間における前記走行車両の区間タイムを算出するステップと、を有し、前記走行車両は、複数の遊動輪および複数の駆動輪を車輪として有し、各車輪の単位時間の回転数をサンプリング計測することによって各車輪の回転速度を得た後、複数の遊動輪の回転速度のうち最大の回転速度と複数の駆動輪のうち最小の回転速度との平均値を、前記車速データとすることを特徴とする走行車両の区間タイム算出方法を提供する。
【0007】
前記コースは、例えば、周回コースであり、前記コース距離は、前記コースの1周分の距離である。
【0008】
また、本発明は、前記走行車両の区間タイム算出方法を用いて算出された所定の複数の区間における区間タイムのデータに基づいて走行車両の評価を行う走行車両の評価方法であって、異なる走行車両を用いて走行した際の、コース走行タイムおよび複数の区間における区間タイムを得、走行車両間のコース走行タイム差、 および、複数区間における走行車両の区間タイム差を算出し、この区間タイム差が前記コース走行タイム差に占める割合を表す寄与率を算出することによって、走行車両の評価を行うことを特徴とする走行車両の評価方法を提供する。
【0009】
また、本発明は、前記走行車両の区間タイム算出方法を用いて算出された所定の複数の区間における区間タイムのデータに基づいて走行車両の装着タイヤの評価を行うタイヤの評価方法であって、走行車両の装着タイヤを変えて走行した際の、コース走行タイムおよび複数の区間における区間タイムを得、装着タイヤ間のコース走行タイム差、 および、複数区間における装着タイヤ間の区間タイム差を算出し、この区間タイム差が前記コース走行タイム差に占める割合を表す寄与率を算出することによって、 装着タイヤの評価を行うことを特徴とするタイヤの評価方法を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面に示される好適実施例をもとに、本発明の区間タイム算出方法、走行車両の評価方法及びタイヤの評価方法について詳細に説明する。
なお本実施例では、コース上を走行する車両は複数の遊動輪および複数の駆動輪を有するが、本発明はこれに限定されず、例えば2輪の車両であってもよい。
なお、 車両は図1に示される周回コース上を走行する場合を例として説明する。
なお、図1において、区間Aはコース上の地点O、Pに挟まれる区間であり、区間Bはコース上の地点P、Qに挟まれる区間であり、区間Cはコース上の地点Q、Rに挟まれる区間であり、区間Dはコース上の地点R、Sに挟まれる区間であり、区間Eはコース上の地点S、Tに挟まれる区間であり、区間Fはコース上の地点T、Uに挟まれる区間であり、区間Gはコース上の地点U、Vに挟まれる区間であり区間Hはコース上の地点V、Oに挟まれる区間を示している。
【0011】
図2は本発明の走行車両の区間タイム算出方法および走行車両の評価方法を実施する区間タイム算出システム(以下本システムという)の一例を示すブロック図である。
本システムは計測装置10、演算処理装置20を有して構成され、 演算処理装置20は入力部30、車速データ算出部40、区間タイム算出部50、記憶部60、表示部70を有して構成される。
計測装置10はコース上を走行する車両の各車輪の回転速度および車両が周回コース上を周回するコース走行タイム(以下ラップタイムという)を計測するために用いられる部分であり、図1に示される周回コース上の基準位置(地点O)に設置した発光手段からの光を受光する受光部12を有し、車両に設置される。
演算処理装置20は例えば演算処理室に設置され、計測装置10で計測されたデータや入力部30より入力したデータを演算処理装置40で演算処理することにより所望の区間タイム等を算出する部分である。
ここで車速データ算出部40、区間タイム算出部50はコンピュータによってそれぞれ車速データ、区間タイム等を算出するためのプログラムを起動することによって機能する部分である。
【0012】
計測装置10は各車輪の回転数を例えば20〜50Hzのサンプリング周波数により所定時間間隔(サンプリング時間間隔)Δt毎に時系列にサンプリング計測する。
また、計測装置10および周回コース上に発光手段は実開平6−81056号公報に開示される装置(以下ラップタイム算出装置という)と同様の構成を有する。すなわち車両が発光手段の発する赤外線等の光路を横切る時に、受光部12で受光し、次に車両が周回コースを一周し、 再び発光手段の光路を横切る時に、同様に赤外線等の光路を受光し、パルス信号を計測装置10のデータとして記録する装置である。記録したパルス信号の時間間隔を求めることにより、 ラップタイムとして計測することができる。
ここで、各車輪のサンプリング計測された回転数とラップタイムのパルス信号は計測データとして同時に記録することができる。このため周回ごとにサンプリング計測された各車輪の回転数のデータは周回ごとのラップタイムと関連づけられるようになっている。
なお、本実施例では、各車輪の回転数に基づいて車速データを算出するが、本発明はこれに限定されず、例えば、光学式計測器を用いて計測した車速データであってもよい。
また、本実施例ではラップタイムを実開平6−81056号公報に開示されるラップタイム算出装置と同様の装置を用いて算出するが、本発明はこれに限定されず例えば人手によりストップウォッチを用いて計測してもよい。
計測装置10で取得された各車輪の回転速度のデータは車速データ算出部40に送られ、パルス信号は区間タイム算出部50に送られる。
【0013】
入力部30は、速度データの算出に必要なタイヤの転がり半径、補正係数の算出に必要な周回コース距離、区間を特定するコース上の異なる2点を入力する部分であり、図示はしないが、キーボードやマウスを有して構成される。 入力されたタイヤの転がり半径は車速データ算出部40で車速データの算出のために用いられ、周回コース距離および異なる2点は区間タイム算出部50で用いられる。
【0014】
車速データ算出部40は測定部10によりサンプリング計測された回転数と入力部30から入力される各車輪の転がり半径を用いて、車両のサンプリング時間間隔Δt毎の時系列速度である車速データを算出する部分である。
ここで、車速データ算出部40は各車輪の回転数から各車輪の転がり半径を用いて各車輪の回転速度を算出した後、複数の遊動輪の回転速度のうち最大の回転速度と、複数の駆動輪のうち最小の回転速度との平均値をサンプリング計測毎ごとに算出し、この平均値を車速データとする。
【0015】
このように遊動輪の回転速度の最大値を用いるのは、遊動輪はタイヤが水膜の上に乗って制御が効かなくなるハイドロプレーニング現象がおきた場合に回転数が低下し、あたかも回転速度が低下して走行速度が低下したと判断しないようにするためである。また駆動輪の回転数の最小値を用いるのは駆動輪はホイールスピンを起こし回転数が上昇し、 走行速度が上昇したと判断しないようにするためである。
また、各駆動輪の内最小の回転速度と各遊動輪の内最大の回転速度の平均値を算出するのは車輪の回転数に起因する区間タイム等の誤差を少なくするためである。
ここで、各車輪の転がり半径は走行中の各車輪にかかる荷重に対応して変化するため、車両のサスペンション等に取り付けた荷重センサを用いて各車輪にかかる荷重も同時にサンプリングし、サンプリングされるたびに計測された各車輪の回転数と、各車輪にかかる荷重から求まる転がり半径とを用いて各車輪の回転速度を算出すれば、更に誤差のない区間タイム等を算出できる。
また、転がり半径は荷重のほかタイヤのたわみ量にも対応して定めることができるので、各車輪のタイヤのたわみ量から求まる転がり半径を用いてもよい。タイヤのたわみ量は、例えば、車高センサとダンパーのストロークセンサにより求めた車高とダンパーストロークの変位から求めることができる。
また、転がり半径は、タイヤ回転軸と路面間の距離を転がり半径としてもよいし、タイヤ1回転分の移動距離として定義される有効転がり半径を用いてもよい。
いずれにしても、転がり半径と荷重またはタイヤのたわみ量との関係を予め測定等により求めておき、荷重またはたわみ量から転がり半径を自動的に算出するように構成するとよい。
【0016】
区間タイム算出部50は、区間タイム等をコンピュータの演算処理ユニットを用いて算出する。
記憶部60は計測装置10、入力部30、車速データ算出部40より入力されたデータおよび区間タイム算出部50で算出された各種データを記憶する部分である。 表示部70は区間タイム算出部50により算出された区間タイム等を表示する部分である。
【0017】
次に、区間タイム算出部50で実施される本発明の走行車両の区間タイム算出方法により区間タイムが算出されるまでの手順を詳細に説明する。
【0018】
区間タイム算出部50はまず補正係数を算出し、車速データ算出部40で算出された車速データにこの補正係数を乗算した補正データを算出する。
まず下記式(1)で表すように、車速データVn に所定時間間隔Δtを乗算し、車速データVn のサンプリング時の走行距離ΔLn を算出する。
ΔLn =Vn ×Δt、(n=1〜N) (1)
ここでNはコース上を周回する1周分の車速データVn のデータ数である。
なお、1周分の車速データVn とは車両がコースを1周する間に計測された所定時間間隔Δtごとの時系列速度データである。
次に下記式(2)で表すように各サンプリング時の走行距離ΔLn を逐次累積して基準位置(地点O)から車両の走行距離データLn を算出する。
Ln =ΔLn +Ln-1 、(n=1〜N) (2)
さらに周回コース距離Lを走行距離LN で除算して上記補正係数を算出する。
そして下記式(3)で表すように車速データVn に補正係数を乗算して補正データvn を算出する。
補正データvn =Vn ×補正係数=Vn ×L/LN (3)
【0019】
区間タイム算出部50は次に補正データvn を用いて基準位置からの所定時間間隔Δt毎の走行距離データを算出する。基準位置はコース上の所望の位置を基準位置からの距離により表すために用いられるものであり、本実施例では図1に示すように発光手段が設置される位置(地点O)、一般的にはラップタイムを計測する位置を、基準位置とするのが好ましい。
まず下記式(4)で表すように、補正データvn に所定時間間隔Δtを乗算し、補正データvn の各所定時間間隔Δt毎の走行距離Δln を算出する。
Δln =vn ×Δt、(n=1〜N) (4)
次に下記式(5)で表すように各所定時間間隔Δt毎の走行距離Δln を逐次累積して車両の走行距離データln を算出し、この走行距離データln を記憶部60に記憶させる。
ln =Δln +ln-1 、(n=1〜N) (5)
【0020】
区間タイム算出部50はその次に区間タイムを算出する。
まず入力部30により入力された周回上の異なる2点(X点、Y点)を基準位置からの距離によって定める。ここで基準位置とX点の距離をLA とし、基準位置とY点の距離をLB とする。ただしLB >LA とする。
次に、ln ≒LA となるn(n=a)、ln ≒LB となるn(n=b)を算出する。ここではa,bは基準位置においてn=0とした時の車速データのデータの番号である。すなわち、X点は基準位置から数えてa番目のデータに対応する。
a、bの算出は、例えばln ≧LA 、ln ≧LB となる最小のnの値として、a、bを算出してもよいし、ln ≦LA 、ln ≦LB となる最大のnの値としてa、bを算出してもよい。
最後に、下記式(6)で表すようにX点におけるデータ数a、Y点におけるデータ数bの差(b−a)に所定時間間隔Δtを乗算することによって、車両がX点からY点までの走行に要した区間タイムtabを算出する。
tab=(b−a)×Δt (6)
なお、所定時間間隔Δtごとに累積される車両の走行距離データln は式(5)から明らかなように不連続となるが、車両の走行速度を最高300km/時としても、所定時間間隔Δtが1/50秒の場合、 所定時間隔毎の車両の移動はせいぜい1.67mである。すなわち、Δln はせいぜい1〜2mである。
【0021】
このような区間タイム算出方法より算出され区間タイムは従来の人手による計測に比べ誤差が少なく、また複数のビーコンを設置する必要が無い。 さらに、記憶部60は区間タイムの算出に必要なデータを記憶しているため、入力部30より所望の異なる2点を入力するごとに異なる区間の区間タイムを求めなおすことが可能となる。
【0022】
なお、本実施例では車速データ算出部40で算出された車速データVn を補正係数を用いて補正し、補正した補正データvn を用いて演算することにより区間タイムを算出したが、本発明はこれに限定されず車速データ算出部40で算出された車速データVn の補正が不要の場合は、補正することなく直接車速データVn から区間タイムを算出してもよい。
【0023】
以上、本発明の区間タイム算出方法を詳細に説明したが、次に本発明の区間タイム算出方法を用いたタイヤの評価方法について詳細に説明する。
なおタイヤ仕様X1 のタイヤを装着した車両W1 と、タイヤ仕様X2 のタイヤを装着した車両W2 を比較して、車両W1 と車両W2 の相対評価を行う例に基づいて、本発明のタイヤの評価方法を説明する。ここで、車両W1 と車両W2 とは装着されるタイヤを除き同一のものである。
【0024】
区間タイム算出部50は区間タイム算出方法により算出した区間タイムから区間タイム差、ラップタイム差、寄与率を算出する。
ここで、区間タイム差とは同一区間におけるタイヤごとの区間タイムのタイム差のことであり、ラップタイム差とはタイヤごとのラップタイムのタイム差のことであり、寄与率とは各区間の区間タイム差がラップタイム差に占める割合のことをいう。
【0025】
区間タイム算出部50は下記式(7)で表すようにまず車両W2 のラップタイムT2 から車両W1 のラップタイムT1 を減算して、ラップタイム差ΔTを算出する。
ΔT=T2 −T1 (7)
次に下記式(8)で表すように車両W2 の各区間区間A、区間B、・・・における区間タイムtab2 、tbc2 、・・・から車両W1 の各区間タイムtab1 、tbc1 、・・・を減算して各区間区間A、区間B、・・・ごとの区間タイム差Δtab、Δtbc、・・・を算出する。
Δtab=tab2 −tab1 、Δtbc=tbc2 −tbc1 、・・・ (8)
さらに下記式(9)で表すように各区間区間A、区間B、・・・ごとの区間タイム差Δtab、Δtbc、・・・をラップタイム差ΔTで除算して各区間の寄与率を算出する。
寄与率=Δtab/ΔT、Δtbc/ΔT、・・・ (9)
【0026】
図3、図4は図1に示される周回コースを車両W1 、車両W2 、タイヤ仕様X3 のタイヤを装着した車両W3 、タイヤ仕様X4 のタイヤを装着した車両W4 の各々が走行した場合に算出された区間タイム、ラップタイム、区間タイム差、寄与率を表示部70に表示した一例である。 ここで、車両W1 、車両W2 、車両W3 、車両W4 は装着されるタイヤを除き同一のものである。
【0027】
図3の例では車両W1 と車両W2 の区間タイム差は区間Aで顕著であることがわかる。区間Aは高速から低速への制動区間であることより、 車両W2 は車両W1 に対し制動性能が大幅に向上していることがわかる。 図4の例では車両W3 と車両W4 の区間タイム差は区間Cで顕著であることが分かる。区間Cは中高速域の旋回区間であることより、 車両W4 は車両W3 に対し旋回性能が大幅に向上していることがわかる。 このようにして走行車両に装着されたタイヤの性能の評価を行うことができる。
【0028】
このように、比較するタイヤ間で、どの区間にタイム差が生じているかが容易に把握できるようになる。また、このような区間タイム差および寄与率から、制動性能、 旋回制動に特徴のあることを認識でき、 例えば制動性能を大幅に向上するタイヤ仕様X2 について、室内試験により制動時のμ−s特性を計測しタイヤの設計要素に反映させたり、 タイヤ仕様X2 の制動時の挙動をカメラで撮像し、観察することもできる。
【0029】
また、本実施例では、同一車両に異なるタイヤ仕様X1 とタイヤ仕様X2 を装着させた場合のタイヤの評価方法であるが、本発明はこれに限定されず、異なる車両を用いて走行した際の、コース走行タイムおよび複数の区間における区間タイムを上述した方法で得、車両間のコース走行タイム差、 および、複数区間における車両の区間タイム差を算出し、 この区間タイム差のコース走行タイム差に対する寄与率を算出することによって、 車両の評価を行なうこともできる。
【0030】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明は、車速データをコンピュータを用いて所定の計算を行なうことにより、人手による計測や複数のビーコンを配置して計測を行なうことなく所望の区間の区間タイムを効率よく算出することができる。さらに、区間タイム差の走行タイムに対する寄与率を算出することにより、走行車両またタイヤの性能を比較評価することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の区間タイム算出方法で用いるサーキットの一例を示すコース図である。
【図2】 本発明の区間タイム算出方法を実施するシステムの一例の概略の構成を示すブロック図である。
【図3】 本発明のタイヤの評価方法により得られた区間タイム差、寄与率の一例を示す図である。
【図4】 本発明のタイヤの評価方法により得られた区間タイム差、寄与率の他の例を示す図である。
【符号の説明】
10 計測装置
20 演算処装置
30 入力部
40 車速データ算出部
50 区間タイム算出部
60 記憶部
70 表示部
Claims (4)
- コース距離が既知のコース上を走行する走行車両の所定時間間隔毎の時系列の車速データから、コース上の所望の区間における前記走行車両の区間タイムをコンピュータを用いて算出する走行車両の区間タイム算出方法であって、
前記既知のコース距離を走行車両が走行したときの前記車速データと前記時間間隔とを乗算して累積した積算値が前記既知のコース距離に等しくなるように補正係数を用いて前記車速データを補正するステップと、
前記補正係数を用いて補正された車速データと前記時間間隔とを乗算し、逐次累積することによって、コース上の基準位置からの、前記時間間隔毎の走行距離データを算出するステップと、
前記コース上の所望の異なる2点に対応する、コース上の前記基準位置からの距離をそれぞれ求め、この求められた距離に対応する走行距離データから前記2点間の区間に対応する範囲に含まれる前記補正された車速データのデータ数を求め、このデータ数と前記時間間隔とを乗算することによって前記2点間の区間における前記走行車両の区間タイムを算出するステップと、を有し、
前記走行車両は、複数の遊動輪および複数の駆動輪を車輪として有し、各車輪の単位時間の回転数をサンプリング計測することによって各車輪の回転速度を得た後、複数の遊動輪の回転速度のうち最大の回転速度と複数の駆動輪のうち最小の回転速度との平均値を、前記車速データとすることを特徴とする走行車両の区間タイム算出方法。 - 前記コースは周回コースであり、前記コース距離は、前記コースの1周分の距離である
請求項1に記載の走行車両の区間タイム算出方法。 - 請求項1または2に記載の走行車両の区間タイム算出方法を用いて算出された所定の複数の区間における区間タイムのデータに基づいて走行車両の評価を行う走行車両の評価方法であって、
異なる走行車両を用いて走行した際の、コース走行タイムおよび複数の区間における区間タイムを得、
走行車両間のコース走行タイム差、 および、複数区間における走行車両の区間タイム差を算出し、この区間タイム差が前記コース走行タイム差に占める割合を表す寄与率を算出することによって、 走行車両の評価を行うことを特徴とする走行車両の評価方法。 - 請求項1または2に記載の走行車両の区間タイム算出方法を用いて算出された所定の複数の区間における区間タイムのデータに基づいて走行車両の装着タイヤの評価を行うタイヤの評価方法であって、
走行車両の装着タイヤを変えて走行した際の、コース走行タイムおよび複数の区間における区間タイムを得、
装着タイヤ間のコース走行タイム差、および、複数区間における装着タイヤ間の区間タイム差を算出し、この区間タイム差が前記コース走行タイム差に占める割合を表す寄与率を算出することによって、装着タイヤの評価を行うことを特徴とするタイヤの評価方法。
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