JP4162916B2 - X線撮影機用天板及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はX線撮影機用天板及びその製造方法に関し、さらに詳しくは、強度等を低下させることなく炭素繊維使用量を低減可能にするX線撮影機用天板及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
X線撮影機で人体を透視撮影する場合、被写体の人体を天板の上に載せて撮影する。このように人体を載せる天板は、体重を支え得る十分な強度を有すると共に、撮影画像を鮮明にするためX線透過性に優れた材料から製作されることが必要である。このような観点から、X線撮影機用の天板には、一般材料に比べて引張り強度や弾性率が格段に優れ、かつX線透過性にも優れている炭素繊維で強化した繊維強化樹脂が広く使用されている。
【0003】
従来、炭素繊維強化樹脂製天板の製造方法としては、発泡材を天板の形状に機械加工してコアとし、そのコアの表面に、未硬化樹脂を含浸させた炭素繊維織物を貼り付け、次いで炭素繊維織物に含浸させた未硬化樹脂を加熱硬化させる方法が一般的である。しかし、手貼り操作を基本として成形されているため、天板中の炭素繊維には曲がりやうねりが不可避的に存在しているため、炭素繊維が本来有する強度が十分に活かされていない。すなわち、その炭素繊維の強力利用率は高々75%程度までであるため、その25%以上の不足分を炭素繊維の使用量を増やすことによって補うようにしているのが実状であった。
【0004】
しかし、炭素繊維の使用量を増やすと天板の厚みが増加するため、それによってX線の透過損失が増加し、映像の鮮明度を低下させる原因になっていた。また、炭素繊維の使用量が多いことによりコスト高になるという問題もあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上述した従来の問題を解消し、従来の天板と炭素繊維使用量が同じ場合には、従来の天板以上の高い強度を有すると共に、曲がりやそりを少なくすることができ、また従来の天板と同等の強度を有する天板を得る場合には、従来の天板よりも少ない炭素繊維使用量にすると共に、曲がりやそりを少なくすることができるX線撮影機用天板及びその製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成する本発明のX線撮影機用天板は、長尺形状の表板と裏板を間隔を介して対面配置し、その幅方向の両端部を互いに連結した偏平筒状の成形体からなり、前記表板及び裏板が少なくとも経糸が炭素繊維である炭素繊維織物を主補強材とする繊維強化樹脂から形成され、かつ前記経糸が前記表板及び裏板の長手方向にそれぞれ平行に直線状に配列し、前記成形体からなる天板の幅方向中心を通る中心線を基準に規定した前記経糸の真直度Rが90%以上であることを特徴とするものである。
【0007】
従来の天板は、手貼りで炭素繊維強化樹脂を製作していたため、補強用の炭素繊維が表板や裏板に対して多かれ少なかれ曲がりやうねりを内在していた。そのため天板に体重が加わることで長手方向に引張り荷重が発生した場合、炭素繊維は分力相当の応力でしか支えないため、負荷よりも大きな応力を有することが必要になる。そのため理論上必要とされる炭素繊維使用量よりも多い炭素繊維を使用するようにしていた。
【0008】
しかし、本発明の天板では、炭素繊維織物における経糸の炭素繊維を、表板及び裏板に対して真直度Rが90%になるように直線状に配列しているため、炭素繊維の強力利用率を高めることができる。したがって、炭素繊維使用量が従来の手貼り天板と同一である場合には、強度を従来の天板以上にすることができ、また従来の天板と同等の強度の天板にする場合には、従来よりも炭素繊維の使用量を少なくすることができる。その結果、天板を可及的に薄くすることが可能になってX線透過損失を低減するため、一層鮮明な撮像を得ることができる。
【0009】
また、経糸の真直度が高いことにより、繊維強化樹脂の繊維含有率を60体積%以上にすることも可能になり、その結果、従来の手貼り天板に比べて強度を20〜30%、剛性を5〜10%も向上することができる。また、補強材が炭素繊維織物であるため、その緯糸の作用によって長手方向に配列する炭素繊維のクラックを防止し、さらにそのクラックの伝播を防止するため強度低下を防止することができる。
【0010】
本発明のX線撮影機用天板の製造方法は、外型を直線状に貫通する空間に中子が挿入し、該中子の外周に偏平環状の成形隙間を形成した成形金型を使用し、少なくとも経糸が炭素繊維である炭素繊維織物に未硬化樹脂を含浸させて前記成形隙間に挿通すると共に、張力を与えながら引き抜くことにより偏平筒状の成形体に加熱成形し、該成形体を所定長さに裁断して、この成形体からなる天板の幅方向中心を通る中心線を基準に規定した前記経糸の真直度Rを90%以上にすることを特徴とするものである。
【0011】
このように環状の成形隙間を利用して、未硬化樹脂を含浸した炭素繊維織物に張力をかけながら引抜成形をするため、成形体の長手方向に対して炭素繊維織物の経糸を高い真直度になるように真っ直ぐに配列させることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明のX線撮影機用天板は、長尺形状の表板と裏板とが間隔を介して対面配置され、その幅方向の両端部を互いに連結して偏平状の筒状成形体として構成されている。表板及び裏板は、少なくとも経糸を炭素繊維とする炭素繊維織物を主補強材にした繊維強化樹脂から構成され、その経糸を長尺形状の表板及び裏板の長手方向に沿って配列するようにしたものである。
【0013】
天板は平面視が矩形状に形成されるが、長手方向に直交する横断面形状は人体を安定状態に載せるため弧状に湾曲させた偏平な筒形の成形体であることが好ましい。平面視での大きさとしては、長手方向が190〜250cm、幅方向が35〜50cmの範囲にするのが一般的である。
【0014】
本発明において、主補強材に使用する炭素繊維織物の経糸は、それぞれ表板及び裏板の長手方向に直線状に配列し、その真直度Rが90%以上、好ましくは95%以上であるように配列させなければならない。このように90%以上の真直度Rにする配列は、本発明者らが行った多数の試験結果によれば、従来の手貼り成形によっては達成は難しく、後述する引抜き成形法を利用することによって達成することができる。
【0015】
ここで真直度Rとは、下記の測定方法で天板の片面当たり10か所について測定計算した値の総和平均値をいう。
【0016】
すなわち、天板の表板及び裏板のそれぞれについて幅方向に10等分した各帯域において、それぞれ幅方向の中心であると共に長手方向の中心位置において、図5に示すように、天板の幅方向中心を通る中心線を基準線CLとしたとき(図1参照)、この基準線CLと平行な長さ1mの2本の直線S,S’を40mmの間隔に引くと共に、この直線S,S’の両端部同士を短線T,T’で結んだ細長い矩形Aを切り出す。
【0017】
次いで、このようにして切り出した大きさ1m×40mmの各帯域の矩形Aの切片(合計10個)について、それぞれ燃焼して樹脂分を除去した後、両端の短線T,T’のうちいずれか一方(例えばT)をクランプし、非クランプ部分で非拘束状態になっている炭素繊維束を振り落とす。次いで、クランプ部分に拘束された炭素繊維束(経糸)の本数Nと、反対側の短線(T’)の部分に残存している炭素繊維束(経糸)の本数N’とを数え、このNとN’から次式で定義される真直度を算出する。
【0018】
(N’/N)×100(%)
この測定と計算を上記10個の切片について行い、その10個の真直度の総和平均値を本発明における真直度Rとする。
【0019】
本発明の天板は、上記のようにして得られる真直度Rが90%以上、好ましくは95%以上であることにより、主補強材として使用される炭素繊維織物における経糸の強力利用率を向上することができ、その結果、炭素繊維の使用量を少なくしながら天板の強度や剛性(特に曲げ剛性)を向上することができる。また、ソリやねじれが低減し、寸法精度に優れた天板を得ることができる。さらに、繊維強化樹脂中の炭素繊維の繊維含有率を、従来の手貼り天板では達成不可能であった60容量%以上にすることが可能になり、天板の強度や剛性の一層の向上のみならず、天板のX線透過率を向上させるため撮影映像を一層鮮明にすることがきる。
【0020】
本発明に使用される炭素繊維織物には、少なくとも経糸が炭素繊維からなる織物が使用されるが、その経糸の炭素繊維束は実質的無撚りであることが好ましい。ここで実質的無撚りとは、撚数が5T/m以下であるものを意味する。
【0021】
本発明に使用される炭素繊維織物の構造は、すだれ織であることが好ましい。すだれ織物は、経糸密度に比較して緯糸密度を著しく粗にしてあることが特徴であり、経糸密度を5本/cm以上にするのに対して、緯糸密度が1本/cm以下、さらに好ましくは0.2〜0.5本/cmの範囲のものを使用するのがよい。緯糸密度が1本/cmよりも多いと、緯糸との交差によって経糸に形成される単位長さ当たりのクリンプ数(波形の屈曲数)が増大し、経糸の強力利用率が低下する。また、0.2本/cmよりも少ないと、経糸相互間に生ずるクラックの防止作用が低減したり、経糸に対する均一配列効果(均一分散効果)が低減したりする。
【0022】
すだれ織物に用いられる緯糸には、必ずしも経糸と同じ炭素繊維を使用してもよく、好ましくは有機繊維を使うのがよい。すなわち、本発明で使用するすだれ織物における緯糸は、互いに隣接する経糸相互間にクラックを生じないように抑制し、かつそのクラックが伝播成長しないように抑制することにより、炭素繊維織物の補強機能を維持させるためのものであるので、必ずしも高強度、高弾性率でなくてもよいからである。緯糸に用いる有機繊維としては、特に限定されないが、例えばポリアミド繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維等を使用することができる。
【0023】
すだれ織物の緯糸に有機繊維を使用する場合は、その繊度は50〜350dtexの範囲であることが好ましい。繊度が350dtexよりも大きいと、経糸の炭素繊維に大きなクリンプを形成させるため、強力利用率を低下させる。また、50dtexよりも小さいと、経糸に対するクラックの抑制作用や経糸の均一分散性付与効果が低減する。
【0024】
炭素繊維織物としてすだれ織物を使用する場合、複数枚を積層して使用することが好ましい。また、複数枚のすだれ織物を積層する場合、任意の2枚のすだれ織物の間に、経糸と緯糸の両方が炭素繊維からなる少なくとも1枚の完全炭素繊維織物を挿入するとよい。この完全炭素繊維織物を挿入することにより、天板の形状安定性が向上し、ねじれやソリの発生を抑制することができる。
【0025】
また、上記のようにすだれ織物の間に挿入配置する完全炭素繊維織物は、表板と裏板の幅方向両端部を跨いで両板間に連続するように配置することが好ましい。このように両板に跨がるように連続配置することにより、天板全体の剛性が増大し、一層形状安定性を向上することができる。また、このように完全炭素繊維織物を挿入する場合、特に好ましくは、裏板の幅よりも広幅の完全炭素繊維織物を裏板側に挿入し、この裏板の両側に延長する両端部を表板側へ折り返して重ね合わせた構造にするとよい。
【0026】
すだれ織物に併用して使用する完全炭素繊維織物は、経糸と緯糸の両方が炭素繊維束からなるものであれば、特に構造は限定されない。また、その経糸密度及び緯糸密度は、共に5本/cm以上であればよい。
【0027】
炭素繊維織物を複数層積層する場合、特にすだれ織物を複数層積層するようにした場合には、その最外層の表面に一方向性炭素繊維シートを積層するようにするとよい。一方向性炭素繊維シートは経糸だけで緯糸を有しないので、天板の表面外観を良好にするからである。また、この最外層に積層するシートは、主として外観向上を目的とするので、ポリエステル繊維、ナイロン繊維等の有機繊維からなる不織布や紙であってもよい。
【0028】
炭素繊維織物、一方向性炭素繊維シート、有機繊維の不織布や紙には、樹脂を含浸させることにより繊維強化樹脂にする。その樹脂には、熱硬化性樹脂が好ましく使用される。従来の天板では、天板の必要強度を確保するために専らエポキシ樹脂が使用されることが多かったが、本発明の場合には、上述したように炭素繊維織物における経糸の強力利用率が向上しているため、エポキシ樹脂に限定されることなく、不飽和ポリエステル樹脂やビニルエステル樹脂なども使用することができる。
【0029】
不飽和ポリエステル樹脂やビニルエステル樹脂は、エポキシ樹脂に比べて難燃性の付与を容易に行うことができる。また、不飽和ポリエステル樹脂やビニルエステル樹脂は、エポキシ樹脂に比べて低収縮性にすることが容易であるため、一層寸法安定性に優れた天板を得ることができる。
【0030】
本発明の天板は、炭素繊維織物の経糸の強力利用率が向上しているため、長尺形状の表板と裏板とから形成された偏平筒状の成形体は、その空洞のままの状態で製品にしてもよいし、また従来の天板のように、空洞内部に発泡材をコアとして挿入してもよい。このような発泡材は、筒状成形体を成形後に発泡樹脂を注入して後加工により成形することができる。
【0031】
図1(A),(B)は、本発明のX線撮影機用天板を例示したものである。
【0032】
天板1は、平面視が長尺矩形の表板2と裏板3とを上下に間隔をおいて対面配置し、かつ幅方向の両端部を互いに連結した構成になっている。また、長手方向に直交する横断面は、表板2及び裏板3とも上方側が凹状の弧状に湾曲し、かつ両端部を互いに連結した三日月形になっている。また、断面三日月形の筒状成形体の内部には発泡材4が充填されており、かつ長手方向の両端部に封止蓋5,5が装着されている。また、天板1の長手方向の一方の端部には、X線撮影機に取り付けるための装着孔6,6が左右一対設けられている。
【0033】
表板2と裏板3とは、図2に示すように、それぞれ経糸が実質的無撚り(撚数が5T/m以下)の炭素繊維束からなる2枚のすだれ織物11,11と、この2枚のすだれ織物11,11の間に、経糸と緯糸が共に炭素繊維束からなる完全炭素繊維織物12を挿入し、かつこれら織物に熱硬化性樹脂が含浸した状態で加熱硬化された繊維強化樹脂から構成されている。すだれ織物11の経糸と完全炭素繊維織物12の経糸とは、それぞれ表板2及び裏板3の長手方向に平行に配列しており、その真直度Rが90%以上になっている。
【0034】
表板2及び裏板3を構成する繊維強化樹脂は、図2の積層構造に限定されるものではなく、図3のような形態であってもよい。図3の実施形態では、図2の炭素繊維織物の積層構造の最外層の表面に、一方向性炭素繊維シート13を積層したものである。一方向性炭素繊維シート13は緯糸を持たないため、平面性や平滑性に優れており、最外側に配置されることにより天板の外観を良好にすることができる。
【0035】
本発明の天板は、完全炭素繊維織物12を、図4に示すような配置にしたものであってもよい。図4の実施形態では、裏板3を2枚のすだれ織物11,11の間に1枚の完全炭素繊維織物12を挿入するように構成し、かつその完全炭素繊維織物12は幅が裏板3の幅よりも広幅にしてあり、その広幅の両端部12e,12eを、それぞれ表板2側へ折り返すようにしている。その表板2では、完全炭素繊維織物12の両端部12e,12eは、2枚のすだれ織物11,11の間に挟まれた状態で互いにオーバラップしている。また、表板2及び裏板3とも、最外層に一方向性炭素繊維シート13を積層している。
【0036】
図4の天板1では、完全炭素繊維織物12が挿入されていることによって形状安定性が向上し、ソリや曲がりを発生しにくくしている。さらに、この完全炭素繊維織物12の両端部12e,12eが裏板3と表板2との間に跨がるように折り返されているため、天板全体の剛性が向上している。また、最外層に一方向性炭素繊維シート13を配置されていることで、外観性が向上している。
【0037】
上述した優れた性能を有する本発明のX線撮影機用天板は、以下に説明する引抜き成形法により効率よく、かつ連続的に製造することができる。
【0038】
引抜き成形法に使用する成形金型は、外型の内側に直線状に貫通する空間を設け、その空間に中子を挿入してその中子の外周に偏平環状の成形隙間を形成するように構成されている。この成形金型を使用し、少なくとも経糸が炭素繊維からなる炭素繊維織物を供給ロールから引き出し、この炭素繊維織物に未硬化樹脂を含浸させて、上記成形金型の成形隙間に挿通して引き抜き成形する。この引き抜き成形は、成形金型の上流側では炭素繊維織物にブレーキを掛け、下流側を連続的に牽引することにより実施する。炭素繊維織物は、成形金型の成形隙間で引き抜き成形されながら未硬化樹脂が加熱硬化していき、偏平な筒状成形体に成形される。次いで、連続的に成形されて出てくる偏平筒状の成形体を、切断機を同期させて所要の長さに順次裁断し、天板の原形体にする。
【0039】
上記のように未硬化樹脂が含浸した炭素繊維織物を成形金型で引き抜き成形するとき、その成形金型の直前における炭素繊維織物の張力を5N/mm2 以上、好ましくは10N/mm2 以上にする。このような張力の付与により、炭素繊維織物の経糸(炭素繊維束)は含浸樹脂が硬化する前に幅方向や長手方向に相対移動しながら、長手方向に平行な状態に引き揃えられ、次いで成形金型を通過する間に加熱硬化される。このように炭素繊維織物に張力を付与するため、炭素繊維織物の供給源、すなわち炭素繊維織物を巻回したロールの支持軸にはブレーキを設け、適度の制動を掛けながら炭素繊維織物の引き出しを行うようにすることが好ましい。
【0040】
炭素繊維織物に与える張力の上限は、特に限定されないが、あまり大きすぎると、複数枚の炭素繊維織物を積層して牽引するとき層間に張力むらが発生し、成形後の天板に歪みを内包することになるので、980N/mm2 までを上限にすることが好ましい。さらに好ましくは490N/mm2 以下、最も好ましくは300N/mm2 以下にするとよい。
【0041】
また、成形金型の上流側には環状の絞り隙間を有する含浸処理部を配置し、この絞り隙間を通過させることにより、炭素繊維織物の表面に付与した未硬化樹脂を織物内部に含浸させると共に、偏平状の筒状成形体にプリフォームすることが好ましい。この含浸処理部としては、下流側の成形金型とほぼ同じ構成にしたものを使用するとよい。具体的には、環状の絞り隙間の大きさを成形金型の成形隙間よりも若干大きめに構成したものがよい。
【0042】
含浸処理部では、炭素繊維織物に対して未硬化樹脂を織物内部に含浸させる作用のほか、経糸を幅方向に均等に分散させて偏平筒状成形体をプリフォームする作用を行う。このように経糸を均等分散させた偏平筒状成形体のプリフォームのため、補強材として炭素繊維織物を使用することは有効であり、その炭素繊維織物の緯糸が経糸の幅方向の移動を抑制し、経糸を幅方向に斑のないように均等分散させる作用を行う。
【0043】
また、成形金型の下流側には加熱炉を配置し、その成形金型で加熱硬化した成形体を更に仕上げ処理を行うようにするとよい。すなわち、成形金型で引き抜き成形された直後の成形体は、まだ熱硬化樹脂の硬化が約60%程度であるため、さらに加熱炉で加熱処理することにより80〜90%まで硬化を進行させ、歪みの少ない形態安定性に優れた天板成形体にすることができる。
【0044】
図6は、本発明のX線撮影機用天板の製造方法を実施する装置を例示したものである。
【0045】
図6において、31及び32はそれぞれクリールスタンド(図示せず)に支持された補強シートロール群である。クリールスタンドの支持軸(図示せず)にはブレーキが取りつけられ、各ロールから引き出される補強シートに制動力が付与されるようになっている。
【0046】
一方の補強シートロール群31は表板2を形成するための補強シート群を配置したもので、炭素繊維のすだれ織物11を巻いたロール21が2個と、一方向性炭素繊維シート13を巻いたロール23が1個それぞれ配置されている。すだれ織物11及び一方向性炭素繊維シート13は、共に表板2と略同一幅に形成されている。また、すだれ織物11は経糸が実質的無撚りの炭素繊維束であり、緯糸にポリアミド繊維等の有機繊維が使用され、その緯糸密度は1本/cm以下になっている。
【0047】
他方、補強シートロール群32は、裏板3を形成するための補強シート群を配置したもので、炭素繊維のすだれ織物11を巻いたロール21が2個と、完全炭素繊維織物12を巻いたロール22が1個と、一方向性炭素繊維シート13を巻いたロール23が1個それぞれ配置されている。すだれ織物11は、上記補強シートロール群31にセットされているものと同じ構成からなる。また、すだれ織物11と一方向性炭素繊維シート13とは裏板3と同一幅に形成されているが、完全炭素繊維織物12は裏板3よりも幅が2倍以上の広幅に形成されている。
【0048】
33及び34は未硬化の熱硬化性樹脂液を満たした樹脂液槽である。これら樹脂液槽33,34に、上記補強シートロール群31及び32からブレーキを与えながら引き出した補強シートを浸漬し、未硬化の熱硬化性樹脂液を付与する。これら樹脂液槽33,34に続く下流側に、それぞれ含浸処理部35、成形金型36、牽引手段37、加熱炉38、切断機39、搬送コンベア40が順に設置されている。
【0049】
含浸処理部35の上流では、牽引手段37の牽引作用により補強シートロール群31から引き出されたすだれ織物11と一方向性炭素繊維シート13の補強シート群が樹脂液槽33で樹脂液を付与され、また補強シートロール群32から引き出されたすだれ織物11、完全炭素繊維織物12、一方向性炭素繊維シート13の補強シート群が樹脂液槽34で樹脂液を付与される。
【0050】
まず、補強シートロール群31側のすだれ織物11が、ガイド61を介して中子41の表面(図6では下側面)に沿わされる。次いで、補強シートロール群32側から引き出された幅広の完全炭素繊維織物12の両端部が、折り返しガイド62によって下側に折り返されながら、ガイド63を介して、上記の最初に中子41の表面(図6の下側面)に沿わされたすだれ織物11の表面に折り重ねられる。
【0051】
次に、含浸処理部35の入口において、補強シートロール群31側のすだれ織物11と一方向性炭素繊維シート13とが、すだれ織物11側を内側にして上記完全炭素繊維織物12の折り返し部の上に積層される。また、補強シートロール群32側のすだれ織物11、完全炭素繊維織物12、一方向性炭素繊維シート13の補強シート群が、中子41の反対側(図6では上面側)に沿わされる。
【0052】
含浸処理部35は、図7に示すように、外型42と中子41から構成されている。外型42は上型42aと下型42bから構成され、その内側に断面三日月状の空間43が前後に直線状に貫通し、その空間43の内側に断面三日月状の中子41が貫通することにより、その中子41の周囲に環状の絞り隙間43aを形成している。この絞り隙間43aの隙間幅は、下流側の成形金型36の成形隙間45a(図8参照)の隙間幅よりもやや広幅に形成されている。
【0053】
この含浸処理部35は、上記樹脂液槽33,34で樹脂液を付着したすだれ織物11,完全炭素繊維織物12,一方向性炭素繊維シート13を中子41の表面に沿わせて絞り隙間43aを通過させる際に、その絞り作用により樹脂液をそれぞれすだれ織物11,完全炭素繊維織物12,一方向性炭素繊維シート13の内部に含浸させる。そして、含浸処理部35の出口側において、すだれ織物11,完全炭素繊維織物12,一方向性炭素繊維シート13を、図4の横断面図に示すような断面三日月状の積層状態にプリフォームにする。このプリフォームでは、すだれ織物11及び完全炭素繊維織物12がそれぞれ緯糸を有するため、これら緯糸が経糸群に対して横ずれ抵抗を与え幅方向に均一分布させがら、牽引手段37の牽引作用により長手方向に平行に引き揃えた状態にする。
【0054】
また、成形金型36は、図8に示すように、含浸処理部35と同様に上型44aと下型44bから外型44が構成され、その内側に断面三日月状の空間45が前後に直線状に貫通すると共に、ヒータ46を内蔵している。この空間45の内側に断面三日月状の中子41が貫通することにより、その中子41の周囲に環状の成形隙間45aを形成している。
【0055】
成形金型36では、含浸処理部35で断面三日月状にプリフォームされたすだれ織物11,完全炭素繊維織物12,一方向性炭素繊維シート13の積層体を、中子41に沿わせるように成形隙間45aに通し、かつ牽引手段37で引っ張りながら引き抜くと共に、ヒータ46で加熱硬化することにより、図4に示すような三日月状の横断面をもつ偏平筒状の成形体100にする。
【0056】
このような成形操作をするとき、成形金型36の入口側におけるすだれ織物11,完全炭素繊維織物12,一方向性炭素繊維シート13の張力を5N/mm2 以上、好ましくは5〜980N/mm2 、さらに好ましくは10〜490N/mm2 以下、最も好ましくは10〜300N/mm2 以下にするとよい。このような張力の付与により、含浸処理部35と成形金型36との間で、含浸処理部35で断面三日月状にプリフォームされたすだれ織物11,完全炭素繊維織物12,一方向性炭素繊維シート13内の炭素繊維束を真っ直ぐに引き揃え、天板にしたときの真直度を90%以上にすることができる。
【0057】
上記中子41はシリンダー47に片持支持され、前後に水平移動可能になっている。この中子41は含浸処理部35を貫通するだけでなく、下流側の成形金型36まで延長し、その成形金型36にも貫通している。すだれ織物11,完全炭素繊維織物12,一方向性炭素繊維シート13を含浸処理部35や成形金型36に最初にセットするとき、中子41を挿入した状態のままで行うことは難しい。しかし、シリンダー47により中子41を空間43,45から抜いた状態にし、それらの空間43,45にすだれ織物11,完全炭素繊維織物12,一方向性炭素繊維シート13を通した後に中子41を挿入すれば、簡単にセットすることができる。
【0058】
牽引手段37は、加熱硬化後の偏平筒状の成形体100を連続的に引っ張るためのものであり、その牽引作用により成形金型36の上流側ですだれ織物11,完全炭素繊維織物12,一方向性炭素繊維シート13に高い張力を発生させ、長手方向に延長する経糸などを真っ直ぐに引き揃えるようにする。
【0059】
図9(A)〜(D)は、牽引手段37が連続的な牽引作用を行う行程を説明する。
【0060】
牽引手段37は、ベース52の上に前後一対のプラー50,51を設けるように構成されている。前後のプラー50,51は、それぞれ上部グリップ50a,51aと下部グリップ50b,51bから構成され、かつ互いの対向面を成形体100の表面に合わせて前者が弧状の凹面、後者が弧状の凸面になっている。さらに対向面には、それぞれゴム等の摩擦係数の大きなパッドが貼り付けられている。また、上部グリップ50a,51aはそれぞれシリンダー50c,51cに連結され、その作動により上下に昇降可能にしてあり、下降したとき下部グリップ50b,51bとの間に成形体100を把持するようになっている。
【0061】
ベース52の上において、プラー50は前後方向の中間点Pを境に前側半分の行程を往復移動し、またプラー51は後側半分の行程を往復移動するようになっている。しかも、プラー50と51は互いに反対方向に移動し、それぞれ図の右方向に移動するときは、上部グリップ50a,51aと下部グリップ50b,51bが成形体100を挟んで搬送し、また左方向に移動するときは成形体100を離して相対移動するようになっている。
【0062】
上記構成の牽引手段37は、図9(A)〜(D)の行程を繰り返すことにより成形体100を連続的に牽引しながら図の右方向に搬送する。
【0063】
まず図9(A)では、プラー50と51はベース52上の両端部に位置し、プラー50が成形体100を把持するのに対して、プラー51は離し、それぞれ図9(B)になるまで中間点Pに向けて移動する。図9(B)の中間点Pで、プラー50は成形体100を離し、プラー51が把持するように切り替わる。そして、図9(C)に示すように、今度はプラー51が成形体100を搬送しながら、プラー50と51は互いに反対方向へ移動し、図9(D)の状態になる。再び図9(A)に戻り、以後これを繰り返すことにより成形体100を加熱炉38へ向けて連続搬送する。
【0064】
加熱炉38は特に限定されるものではなく、公知のものをいずれも使用することができる。この加熱炉38は、成形金型36で加熱硬化した成形体100を再加熱して仕上処理を行い、成形体100の硬化をほぼ完結させると共に、内部の歪みを除去して形態を安定化させる。仕上処理された成形体100は切断機39により所定長さにカットされ、搬送コンベア40により搬出される。切断機39は剪断型であっても、回転型であってもよい。いずれの場合も、成形体100の移動に同期しながら切断を行うようになっている。
【0065】
所定長さに切断された成形体は、そのまま両端部に封止蓋を装着して天板にしてもよいが、必要により発泡材などのコアを充填してから封止蓋を装着するようにしてもよい。コアについては、従来の天板では、コアの表面に炭素繊維織物と樹脂とを貼り付けたり、加熱したりするため、コア自体が加工に耐える強度と耐熱性を有することが必要であり、そのため発泡材の発泡倍率を20倍以下にする必要があった。しかし、本発明の天板は、上述したように引抜成形によって製造されるため、表板と裏板からなる外殻を成形した後に発泡材を注入して発泡させることができる。したがって、強度や耐熱性は特に考慮する必要がなく、発泡倍率も20倍を超える大きさであってもよく、数百倍であってもよい。したがって、天板のX線吸収量を低減することができ、一層鮮明度の高い撮影を可能にすることができる。
【0066】
【実施例】
実施例1
主補強材の炭素繊維織物として、下記仕様のすだれ織物Aと完全炭素繊維織物Bを使用し、表面の被覆材として下記仕様の一方向性炭素繊維シートCを使用し、かつ含浸樹脂としてエポキシ樹脂を使用して、図6の成形装置により成形金型直前の引張り張力を10N/mm2 に維持しながら連続引き抜き成形して、図4の構成からなる断面三日月形空洞の成形体を得ると共に、その空洞部にポリウレタン発泡材を充填した天板(長さ200cm×幅50cm)を製作した。
【0067】
すだれ織物A
経糸;炭素繊維(繊度160dtex,引張り強度4900N/mm2 ,弾性率230000N/mm2
緯糸;ポリエステル繊維(繊度80dtex,引張り強度1000N/mm2
経糸密度; 5本/cm、 緯糸密度; 1本/cm
完全炭素繊維織物B
経糸;炭素繊維(繊度 20dtex,引張り強度4200N/mm2 ,弾性率230000N/mm2
緯糸;炭素繊維(繊度 20dtex,引張り強度4200N/mm2 ,弾性率230000N/mm2
経糸密度; 4本/cm、 緯糸密度;12本/cm
一方向性炭素繊維シートC炭素繊維(繊度160dtex,引張り強度4900N/mm2 ,弾性率230
000N/mm2
配列密度; 2本/cm
上記のようにして得られた天板の表板及び裏板の真直度は、それぞれ表板、裏板共に90%であり、また繊維充填率は表板、裏板共に61容量%であった。
【0068】
この天板の引張り強度と曲げ強度を測定したところ、引張り強度は690N/mm2 、曲げ剛性は82000N/mm2 であった。また,目視によりソリ、捩れの有無を検査した結果、殆ど存在しなかった。
【0069】
比較例1
主補強材の炭素繊維織物A,B、一方向性炭素繊維シートCおよび含浸樹脂をそれぞれ実施例1と同じ材料を使用し、これら材料を予め切削加工したポリウレタン発泡材のコア材に手貼りして、天板を製作した。この手貼り作業において、完全炭素繊維織物Bはすだれ織物Aと同一幅に裁断し、両端部を裏側から表側へ折り返す構成にはせず、それぞれ独立に分離した完全炭素繊維織物Bとして貼りつけるようにした以外は、実施例1と全く同じ構成にした。
【0070】
このようにして得られた天板の表板及び裏板の真直度は、表板が60%であり、裏板が50%であった。また、繊維充填率は表板が50容量%、裏板が50容量%であった。また、天板の強度と曲げ剛性を測定したところ、強度が570N/mm2 、曲げ剛性が77000N/mm2 であり、実施例1の天板に比べて劣っていた。また、目視によりソリや捩れを検査したところ、僅かなソリと捩れが存在していた。
【0071】
【発明の効果】
上述したように本発明のX線撮影機用天板によれば、炭素繊維織物における経糸の炭素繊維を、表板及び裏板に対して真直度Rが90%になるように配列しているため、炭素繊維の強力利用率を高めることができる。したがって、炭素繊維使用量が従来の手貼り天板と同一である場合には、強度を従来の天板以上にすることができ、また従来の天板と同等の強度の天板にする場合には、従来よりも炭素繊維の使用量を少なくすることができる。その結果、天板を可及的に薄くすることが可能になってX線透過損失を低減するため、一層鮮明な撮像を得ることができる。
【0072】
また、経糸の真直度が高いことにより、繊維強化樹脂の繊維含有率を60体積%以上にすることも可能になり、その結果、従来の手貼り天板に比べて強度を20〜30%、剛性を5〜10%も向上することができる。また、補強材が炭素繊維織物であるため、その緯糸の作用によって長手方向に配列する炭素繊維のクラックを防止し、さらにそのクラックの伝播を防止するため強度低下を防止することができる。
【0073】
本発明による天板の製造方法は、少なくとも経糸が炭素繊維で且つ未硬化樹脂を含浸した炭素繊維織物を成形金型に対し引き抜きにより成形するため、炭素繊維織物の経糸を高い真直度に真っ直ぐに配列させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のX線撮影機用天板を例示し、(A)は一部を切り欠いて示す平面図、(B)は(A)におけるX−X矢視断面図である。
【図2】本発明の天板を構成する表板(又は裏板)の断面図である。
【図3】本発明の天板を構成する表板(又は裏板)の他の例を示す断面図である。
【図4】本発明の天板の他の例を示す横断面図である。
【図5】本発明で規定する真直度の測定法について説明する説明図である。
【図6】本発明のX線撮影機用天板を製造する装置を示す概略工程図である。
【図7】図6におけるY−Y矢視断面図である。
【図8】図6におけるZ−Z矢視断面図である。
【図9】(A)〜(D)は、図6の工程図に示す牽引手段の作動を行程順に示す説明図である。
【符号の説明】
1 天板
2 表板
3 裏板
4 コア(発泡材)
11 すだれ織物
12 完全炭素繊維織物
13 一方向性炭素繊維シート
21〜23 (補強シートの)ロール
33,34 樹脂液槽
35 含浸処理部
36 成形金型
37 牽引手段
38 加熱炉
39 切断機
100 成形体

Claims (16)

  1. 長尺形状の表板と裏板を間隔を介して対面配置し、その幅方向の両端部を互いに連結した偏平筒状の成形体からなり、前記表板及び裏板が少なくとも経糸が炭素繊維である炭素繊維織物を主補強材とする繊維強化樹脂から形成され、かつ前記経糸が前記表板及び裏板の長手方向にそれぞれ平行に直線状に配列し、前記成形体からなる天板の幅方向中心を通る中心線を基準に規定した前記経糸の真直度Rが90%以上であるX線撮影機用天板。
  2. 前記炭素繊維織物が緯糸密度1本/cm以下のすだれ織物である請求項1に記載のX線撮影機用天板。
  3. 前記すだれ織物の緯糸が50〜350dtexの有機繊維からなる請求項2に記載のX線撮影機用天板。
  4. 前記すだれ織物を複数枚積層し、かつ任意の2枚のすだれ織物の間に経糸及び緯糸が共に炭素繊維である完全炭素繊維織物を挿入した請求項2又は3に記載のX線撮影機用天板。
  5. 前記完全炭素繊維織物を前記表板と裏板との両側に跨がるように連続配置した請求項4に記載のX線撮影機用天板。
  6. 前記裏板に該裏板よりも広幅の完全炭素繊維織物を挿入し、該完全炭素繊維織物の両端部を前記表板側に折り返すようにした請求項5に記載のX線撮影機用天板。
  7. 前記複数枚積層したすだれ織物の最外層の表面に一方向性炭素繊維シートを積層した請求項4〜6のいずれかに記載のX線撮影機用天板。
  8. 前記複数枚積層したすだれ織物の最外層の表面に有機繊維からなる不織布または紙を積層した請求項4〜6のいずれかに記載のX線撮影機用天板。
  9. 前記繊維強化樹脂の繊維含有率が60容量%以上である請求項1〜8のいずれかに記載のX線撮影機用天板。
  10. 外型を直線状に貫通する空間に中子が挿入し、該中子の外周に偏平環状の成形隙間を形成した成形金型を使用し、少なくとも経糸が炭素繊維である炭素繊維織物に未硬化樹脂を含浸させて前記成形隙間に挿通すると共に、張力を与えながら引き抜くことにより偏平筒状の成形体に加熱成形し、該成形体を所定長さに裁断して、この成形体からなる天板の幅方向中心を通る中心線を基準に規定した前記経糸の真直度Rを90%以上にするX線撮影機用天板の製造方法。
  11. 前記炭素繊維織物をブレーキをかけながら引き出すと共に、前記成形隙間に挿通する直前の張力を5N/mm2 以上にする請求項10に記載のX線撮影機用天板の製造方法。
  12. 横断面が環状の絞り隙間をもつ含浸処理部を前記成形金型の上流側に配置し、前記絞り隙間に前記炭素繊維織物を通過させて該炭素繊維織物表面に付与した未硬化樹脂を織物内部に含浸させる請求項10又は11に記載のX線撮影機用天板の製造方法。
  13. 加熱炉を前記成形金型の下流側に配置し、該加熱部で加熱硬化後の成形体を仕上げ処理する請求項10,11又は12に記載のX線撮影機用天板の製造方法。
  14. 前記炭素繊維織物が緯糸密度1本/cm以下のすだれ織物からなる請求項10,11又は12に記載のX線撮影機用天板の製造方法。
  15. 前記すだれ織物の緯糸が50〜350dtexの有機繊維からなる請求項14に記載のX線撮影機用天板の製造方法。
  16. 前記すだれ織物を複数枚積層し、かつ任意のすだれ織物間に経緯両糸が炭素繊維からなる完全炭素繊維織物を挿入した請求項14又は15に記載のX線撮影機用天板の製造方法。
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