JP7117993B2 - Frp引抜成形体、及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、FRP引抜成形体の改良、詳しくは、建築用の構造材料として使用することができ、また経年劣化や自然災害による材料内部の歪みやひび割れをセンサで検知することもでき、更に製造コストも低減できるFRP引抜成形体、及びその効率的な製造方法に関するものである。
近年、強化繊維材料にマトリックス樹脂を含浸させた繊維強化プラスチック(以下、「FRP」と記載)の利用が進んでおり、特にその優れた機能性(曲げ強度や引張り強度、軽量性等)から工業分野や建築分野などで多く利用されている。また建築分野の構造材料としては、内部の歪みを検知するために光ファイバを挿入したものも公知となっている。
また、上記光ファイバが内部に挿入された構造材料に関しては、成形後の材料中に挿通孔を設けて光ファイバを挿入する方法を採用すると、挿通孔を設けた部分の強度低下を招き易いだけでなく歪みやひび割れに繋がる危険性もあるため、従来においてはFRPの成形時に光ファイバを挿入する技術も提案されている(特許文献1・2参照)。
しかしながら、上記特許文献1に係る技術に関しては、積層されたプリプレグ間に光ファイバを挿入し、これらを加熱・加圧してFRPの成形する技術であったため、プリプレグの使用により製造コストが高く付くだけでなく、強化繊維材料の繊維方向が光ファイバの長さ方向にしか向いていなかったため、剛性の面にも課題があった。
また上記特許文献2に係る技術に関しては、繊維方向が異なる層を積層して剛性を高めてはいるものの、光ファイバを挿入した強化繊維材料中に熱硬化性樹脂を含浸させて密閉型の金型やオートクレーブで樹脂を硬化させる成形方法を採用していたため、柱や梁等に使用される長尺なFRP成形体を製造することが難しかった。
特許第6157186号公報 特表平9-510293号公報
本発明は、上記問題に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、建築用の構造材料として問題なく使用することができ、また経年劣化や自然災害による材料内部の歪みやひび割れをセンサで検知することもでき、また長尺物の製造および製造コストの面でも有利なFRP引抜成形体、及びその効率的な製造方法を提供することにある。
本発明者が上記課題を解決するために採用した手段を添付図面を参照して説明すれば次のとおりである。
即ち、本発明は、連続繊維状の強化繊維材料の繊維間にマトリックス樹脂である熱硬化性樹脂を含浸・熱硬化させて成るFRP引抜成形体において、前記強化繊維材料である連続繊維を直交する2方向、及びそれらの中間の2方向に配列した4軸強化繊維層1を複数備えると共に、積層された異なる4軸強化繊維層1・1の間に光ファイバ2を挟み込んで構成した点に特徴がある。
また本発明では、上記4軸強化繊維層1の一方向の連続繊維を光ファイバ2の長さ方向と同じ方向に配列し、かつ、この連続繊維の材料に炭素繊維を使用することにより、光ファイバ2の長さ方向を軸方向としたときのFRP引抜成形体の曲げ剛性を高めることができる。
また本発明では、上記4軸強化繊維層1における光ファイバ2の長さ方向と異なる向きに配列された連続繊維にガラス繊維を使用することにより、FRP引抜成形体の曲げ剛性の低下を抑えつつコスト低減を図ることができる。
また本発明では、上記4軸強化繊維層1における光ファイバ2の長さ方向と同じ方向に配列された連続繊維の割合を、それ以外の連続繊維との体積比で35%~85%(好ましくは45%~85%)とすることにより、FRP引抜成形体の圧縮弾性率を高めることができる。
また本発明では、上記4軸強化繊維層1の光ファイバ2の長さ方向と同じ方向に配列された連続繊維を成形体の表面側に配置することにより、成形時における金型内での擦れによる強化繊維材料の毛羽立ちを最小限に抑えられる。
また上記強化繊維材料の毛羽立ちに関しては、従来、成形体の金型通過時における強化繊維材料の毛羽立ちを抑えるために成形体の表裏面を保護用のマット材で被覆する方法も知られていたが、上記手段を採用することにより成形時にマット材を挿入する手間を省くことができ、しかも、金型のダイ孔のサイズを変えずにマット材を省略して成形体自体の厚みを大きくすることもできる。また従来のマット材を用いる方法は、金型内に固まりかけた樹脂が付着する現象を防止する効果もあったが、上記手段を採用すれば金型内に樹脂を付着させずに成形を行うことができるため、金型内に付着した樹脂によって成形体表面が傷付くこともない。
また本発明では、上記FRP引抜成形体の曲げ剛性を高めるために強化繊維材料の繊維体積含有率を45%~70%(好ましくは50%~70%)とするのが好ましい。
また本発明においては、上記FRP引抜成形体の曲げ剛性を高めるためにFRP引抜成形体における光ファイバ2の長さ方向の圧縮弾性率を35GPa~600GPa(好ましくは100GPa~600GPa)とするのが好ましい。
また本発明では、上記FRP引抜成形体の製造方法として、強化繊維材料である連続繊維を直交する2方向、及びそれらの中間の2方向に配列したシート群を少なくとも複数セット使用し、光ファイバの長さ方向と同じ方向に配列された連続繊維の割合が、それ以外の連続繊維との体積比で45%~85%となるようにすると共に、これらのシート群を引取り機で引き取りながら液状の熱硬化性樹脂中に浸漬し、更に浸漬後は異なるシート群の間に光ファイバを挿入しつつ、これらシート群と光ファイバを成形装置の加熱された金型内に導入して、光ファイバを挟み込んだ状態で複数セットのシート群を加熱圧縮して熱硬化性樹脂を硬化させることで、強化繊維材料の繊維体積含有率が45%~70%のFRP引抜成形体とする方法を採用できる。
本発明では、強化繊維材料である連続繊維を直交する2方向、及びそれらの中間の2方向に配列した4軸強化繊維層を複数積層して、それらの間に光ファイバを挟み込んでFRP引抜成形体を構成しているため、連続繊維が光ファイバの長さ方向のみに向いたものよりも剛性を高めることが可能となる。そのため、座屈や撓みが生じ難い建築用の構造材料として好適に使用できる。
また本発明では、上記のように成形体内部に光ファイバを埋め込んでいるため、経年劣化や自然災害によって材料内部に歪みやひび割れが生じたとしてもセンサで検知することができる。また本発明では、FRP成形体を引抜き成形によって製造する方法を採用しているため、長尺物の製造も容易で製造コストの低減も図ることができる。
したがって、本発明により、従来よりも剛性や製造コストの面に優れるだけでなく、長尺の構造材料にも使用できる光ファイバ内蔵のFRP引抜成形体を提供できることから、本発明の実用的利用価値は頗る高い。
本発明の第一実施形態のFRP引抜成形体を表す概略図である。 本発明の第一実施形態の4軸強化繊維層を表す概略図である。 本発明の第一実施形態のFRP引抜成形体の製造方法を表す工程説明図である。
『第一実施形態』
本発明の第一実施形態について図1~図3に基づいて説明する。なお図中、符号1で指示するのものは、4軸強化繊維層であり、符号2で指示するものは、光ファイバである。また符号Eで指示するものは、FRP引抜成形体である。
「FRP引抜成形体の構成」
[1]FRP引抜成形体の基本構成について
まずFRP引抜成形体Eの基本構成について説明する。本実施形態では、連続繊維状の強化繊維材料の繊維間にマトリックス樹脂である熱硬化性樹脂を含浸・熱硬化させてFRPを構成すると共に、図1及び図2に示すように、連続繊維を直交する2方向、及びそれらの中間の2方向に配列した4軸強化繊維層1を複数層形成して、これら積層された異なる4軸強化繊維層1・1の間に光ファイバ2を挟み込んでFRP引抜成形体Eを構成している。
[2]強化繊維材料について
[2-1]強化繊維材料の種類
次に上記FRP引抜成形体Eの各構成要素について説明する。まず上記強化繊維材料に関しては、本実施形態では炭素繊維とガラス繊維を併用しており、具体的には4軸強化繊維層1の光ファイバ2の長さ方向と同じ方向に配列した連続繊維に炭素繊維を使用し、光ファイバ2の長さ方向と異なる向きに配列された連続繊維にガラス繊維を使用している。これにより光ファイバ2の長さ方向を軸方向としたときのFRP引抜成形体Eの曲げ剛性を確保しつつコスト低減が図れる。
また本実施形態では、上記のように強化繊維材料として剛直な炭素繊維と樹脂含浸性に優れたガラス繊維を併用しているが、連続繊維状のものであれば、炭素繊維やガラス繊維以外の材料、例えばアラミド繊維などの他の強化繊維材料を使用することもできる。また強化繊維材料として炭素繊維のみまたはガラス繊維のみを単独で使用することもできる。
[2-2]炭素繊維
また上記強化繊維材料に用いる炭素繊維としては、本実施形態では、フィラメント径が3~12μm(好ましくは5~7μm)の炭素繊維を5000~50000本(好ましくは12000~15000本)束ねて糸状(トウ)にした炭素繊維束11を使用しているが、炭素繊維の本数は炭素繊維束11の太さに応じて適宜変更することができる。また本実施形態では、PAN系の炭素繊維を使用しているが、ピッチ系の炭素繊維を使用することもできる。
また上記炭素繊維としては、引張弾性率が200~1000GPaのものを好適に使用でき、好ましくは引張弾性率が280~1000GPaの中弾性率から超高弾性率タイプのもの、更に好ましくは引張弾性率が350~1000GPaの高弾性率から超高弾性率タイプのものを使用することができる。また異なる引張弾性率の炭素繊維を組み合わせて使用することもできる。
[2-3]強化繊維材料の繊維体積含有率
また上記強化繊維材料の繊維体積含有率(Vf)については、45%~70%(好ましくは50%~70%)となるようにするのが好ましい。なお繊維体積含有率が45%よりも小さいと連続繊維が均一に分散せず、FRP引抜成形体Eの強度にバラツキが生じ易く、また金型に硬化したマトリックス樹脂が付着する等の成形不良も起こり易くなる。また繊維体積含有率が70%よりも大きいと、マトリックス樹脂の割合が少なくなって樹脂が繊維間に充分に含浸しないため成形体自体を製造することが難しくなる。
[3]4軸強化繊維層について
[3-1]連続繊維の配向・配置
また上記4軸強化繊維層1の連続繊維の配向に関しては、本実施形態では、図2に示すように一方向の連続繊維を光ファイバ2の長さ方向と同じ方向(0°方向)に配列して0°繊維層11を形成すると共に、この0°繊維層11と直交する方向(90°方向)、及びそれらの中間の二方向(45°方向、-45°方向)にそれぞれ連続繊維を配列して、90°繊維層12、45°繊維層13および-45°繊維層14を形成している。
また上記各方向の繊維層の配置については、本実施形態では、外側(光ファイバ2から遠い側)に0°繊維層11、その内側(光ファイバ2から近い側)に45°繊維層13、その内側に90°繊維層12、その内側に-45°繊維層14を配置している。これにより0°方向の連続繊維を成形体の表面側に配置することができるため、成形時における金型内での擦れによる強化繊維材料の毛羽立ちを最小限に抑えられる。なお繊維層の配置については、本実施形態の配置に限定されず適宜変更できる。
[3-2]4軸繊維強化層の繊維割合
また上記4軸強化繊維層1においては、光ファイバ2の長さ方向と同じ方向(0°方向)に配列した連続繊維の割合を、それ以外の連続繊維との体積比で35%~85%(好ましくは45%~85%)とするのが好ましい。これは0°方向の連続繊維の割合が35%よりも小さいと光ファイバ2の長さ方向(軸方向)の圧縮弾性率が低下するためである。一方、85%よりも大きいと異方向の連続繊維の量が過小となって圧縮弾性率が低下するだけでなく、穴開け等を行ったときに裂け易くなるなど、加工性も悪化し易くなる。
[3-3]4軸繊維強化層の一体化
また本実施形態では、上記4軸強化繊維層1の材料として、図2に示すように0°繊維層11、45°繊維層13、90°繊維層12および-45°繊維層14から成る4層の積層シートをステッチ糸Sで縫着して一体化したものを使用しているが、連続繊維の繊維束を4方向に織って製織した4軸織物を使用することもできる。なおステッチ糸Sの素材に関しては、本実施形態ではポリエステル素材の糸を使用しているが、ポリアミド樹脂を被覆したガラス繊維等、他の素材から成る糸を使用することもできる。
[3-4]4軸繊維強化層の数について
また上記4軸繊維強化層1の数については、本実施形態では光ファイバ2の両側に8層ずつ(全16層)形成しているが、FRP引抜成形体Eの寸法・形状に合わせて適宜変更できる。また4軸繊維強化層1・1の外側または内側に補強層としてUDシート(炭素繊維束の向きを同じ方向に揃えてシート化したもの)やストランドを挿入して0°方向の繊維量を増やすこともできる。
[4]マトリックス樹脂について
また本実施形態では、上記FRP引抜成形体Eのマトリックス樹脂に、ビニルエステル樹脂を使用しているが、その他の熱硬化性樹脂を採用することもでき、例えばエポキシ樹脂や不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、シアネートエステル樹脂、ポリイミド樹脂などを採用することもできる。
[5]FRP引抜成形体の物性値について
また上記FRP引抜成形体Eの物性値については、充分な曲げ剛性を得るために光ファイバ2の長さ方向(軸方向)の圧縮弾性率を35GPa~600GPa(好ましくは100GPa~600GPa)となるようにするのが好ましい。特にFRP引抜成形体Eを建築材料(構造材料)に使用する場合には、軸方向の圧縮・引張強度だけでなく高い座屈強度や曲げ強度の条件を満たすため、圧縮弾性率を大きくする必要がある。
[6]光ファイバについて
また上記光ファイバ2に関しては、コアとクラッドから成る石英ファイバを使用しているが、導光性および耐熱性を有するものであれば、プラスチックファイバを使用することもできる。また光ファイバ2の本数については、FRP引抜成形体Eの大きさや形状、用途に応じて複数本挿入することもできる。
「FRP引抜成形体の製造方法」
[1]熱硬化性樹脂の含浸工程
次に上記FRP引抜成形体Eの製造方法について図3に基いて簡単に説明する。まず第一のステップとして、強化繊維材料である連続繊維を直交する2方向、及びそれらの中間の2方向に配列したシート群F・Fを複数セット用意し、これらのシート群F・Fを引取り機Hで引き取りながら液状の熱硬化性樹脂R中に浸漬する。なお図3においては、連続繊維シート群F・Fの数を2セットに省略して説明する。
[2]熱硬化性樹脂の硬化工程
その後、上記熱硬化性樹脂を含浸させたシート群F・Fを引き取りつつ、異なるシート群F・Fの間に光ファイバ2を挿入して、これらシート群F・Fと光ファイバ2を成形装置Mの加熱された金型内に導入し、引抜成形により光ファイバ2を挟み込んだ状態で複数セットのシート群F・Fを加熱圧縮して熱硬化性樹脂を硬化させる。これによりFRP引抜成形体Eを連続的に製造することが可能となる。
[効果の実証試験]
次に本発明の効果の実証試験について説明する。本試験では、強化繊維材料の繊維体積含有率(Vf)及び0°繊維層の体積比(全繊維層に対する0°繊維層の割合)が異なるFRP引抜成形体のサンプルを複数作製し、これら各サンプル(下記の実施例1~3及び比較例1~6)の成形性(成形が可能であったか)を評価すると共に、成形が可能であったサンプルについて、光ファイバの長さ方向の圧縮弾性率を測定(ASTM D6641)することにより剛性の評価を行った。
「実施例1」
本実施例では、第一実施形態の構成から成るFRP引抜成形体において、4軸強化繊維層の繊維体積含有率(Vf)を70%とし、0°繊維層の体積比を85%としてのサンプルの作製を行った。その結果、サンプルの成形性は良好で、圧縮弾性率は595GPaであった。
「参考例1」
本参考例では、第一実施形態の構成から成るFRP引抜成形体において、4軸強化繊維層の繊維体積含有率(Vf)を45%とし、0°繊維層の体積比を30%としてのサンプルの作製を行った。その結果、サンプルの成形性は良好で、圧縮弾性率は37GPaであった。
「実施例3」
本実施例では、第一実施形態の構成から成るFRP引抜成形体において、4軸強化繊維層の繊維体積含有率(Vf)を55%とし、0°繊維層の体積比を70%としてのサンプルの作製を行った。その結果、サンプルの成形性は良好で、圧縮弾性率は143GPaであった。
「比較例1」
本実施例では、第一実施形態の構成から成るFRP引抜成形体において、4軸強化繊維層の繊維体積含有率(Vf)を35%とし、0°繊維層の体積比を25%としてのサンプルの作製を行った。その結果、サンプルは成形できたが圧縮弾性率は18GPaに留まった。
「比較例2」
本実施例では、第一実施形態の構成から成るFRP引抜成形体において、4軸強化繊維層の繊維体積含有率(Vf)を35%とし、0°繊維層の体積比を90%としてのサンプルの作製を行った。その結果、サンプルは成形できたが圧縮弾性率は102GPaに留まった。
「比較例3」
本実施例では、第一実施形態の構成から成るFRP引抜成形体において、4軸強化繊維層の繊維体積含有率(Vf)を75%とし、0°繊維層の体積比を25%としてのサンプルの作製を行った。その結果、サンプルの成形を良好に行うことができなかった。
「比較例4」
本実施例では、第一実施形態の構成から成るFRP引抜成形体において、4軸強化繊維層の繊維体積含有率(Vf)を75%とし、0°繊維層の体積比を90%としてのサンプルの作製を行った。その結果、サンプルの成形を良好に行うことができなかった。
「比較例5」
本実施例では、第一実施形態の構成から成るFRP引抜成形体において、4軸強化繊維層の繊維体積含有率(Vf)を70%とし、0°繊維層の体積比を90%としてのサンプルの作製を行った。その結果、サンプルは成形できたが圧縮弾性率は540GPaに留まった。
「参考例2」
本参考例では、第一実施形態の構成から成るFRP引抜成形体において、4軸強化繊維層の繊維体積含有率(Vf)を70%とし、0°繊維層の体積比を25%としてのサンプルの作製を行った。その結果、サンプルは成形できたが圧縮弾性率は35GPaに留まった。
<試験結果>
上記実施例1~3及び比較例1~6についての試験結果をまとめると、実施例1~3が成形性および剛性が良好であったのに対し、比較例1~6は成形性または剛性において充分な結果を得られなかった。各サンプルの条件と試験結果をまとめた表を以下に示す。
Figure 0007117993000001
1 4軸強化繊維層
11 0°繊維層
12 90°繊維層
13 45°繊維層
14 -45°繊維層
2 光ファイバ
E FRP引抜成形体
S ステッチ糸
R 液状の熱硬化性樹脂
F 連続繊維のシート群
M 成形装置
H 引取り機

Claims (6)

  1. 連続繊維状の強化繊維材料の繊維間にマトリックス樹脂である熱硬化性樹脂を含浸・熱硬化させて成るFRP引抜成形体であって、
    前記強化繊維材料である連続繊維を直交する2方向、及びそれらの中間の2方向に配列した4軸強化繊維層(1)を複数備えると共に、積層された異なる4軸強化繊維層(1)(1)の間に光ファイバ(2)を挟み込んで構成され
    前記4軸強化繊維層(1)における光ファイバ(2)の長さ方向と同じ方向に配列された連続繊維の割合が、それ以外の連続繊維との体積比で45%~85%であり、
    強化繊維材料の繊維体積含有率が45%~70%であることを特徴とするFRP引抜成形体。
  2. 4軸強化繊維層(1)の一方向の連続繊維が、光ファイバ(2)の長さ方向と同じ方向に配列されており、かつ、この連続繊維の材料に炭素繊維が使用されていることを特徴とする請求項1記載のFRP引抜成形体。
  3. 4軸強化繊維層(1)における光ファイバ(2)の長さ方向と異なる向きに配列された連続繊維にガラス繊維が使用されていることを特徴とする請求項2記載のFRP引抜成形体。
  4. 4軸強化繊維層(1)の光ファイバ(2)の長さ方向と同じ方向に配列された連続繊維が成形体の表面側に配置されていることを特徴とする請求項1~3の何れか一つに記載のFRP引抜成形体。
  5. 成形体本体の光ファイバ(2)の長さ方向の圧縮弾性率が35GPa~600GPaであることを特徴とする請求項1~4の何れか一つに記載のFRP引抜成形体。
  6. 強化繊維材料である連続繊維を直交する2方向、及びそれらの中間の2方向に配列したシート群を少なくとも複数セット使用し、光ファイバの長さ方向と同じ方向に配列された連続繊維の割合が、それ以外の連続繊維との体積比で45%~85%となるようにすると共に、これらのシート群を引取り機で引き取りながら液状の熱硬化性樹脂中に浸漬し、更に浸漬後は異なるシート群の間に光ファイバを挿入しつつ、これらシート群と光ファイバを成形装置の加熱された金型内に導入して、光ファイバを挟み込んだ状態で複数セットのシート群を加熱圧縮して熱硬化性樹脂を硬化させることで、強化繊維材料の繊維体積含有率が45%~70%のFRP引抜成形体とすることを特徴とするFRP引抜成形体の製造方法。
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