JP3549271B2 - 空隙部充填用繊維構造体 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は高強度と軽量性が要求されるビーム材、例えば航空機の主翼や胴体部分の構成部材として使用されるL型、I型、あるいは、T型の横断面形状を有する繊維強化樹脂製ビーム材のジョイント部に補強材として挿入する空隙部充填用繊維構造体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
例えば航空機の主翼等に荷重担持部材として繊維強化樹脂製のビーム材が使用されている。このビーム材は高強度と軽量性を両立させるため、荷重の負荷状態や使用部位に応じてL型、I型、あるいは、T型等の横断面形状に成形されている。これらのビーム材の内部構造を図8に示すT型ビーム(5)の例示に基いて説明すると、製造技術上の理由から水平部材(1)と垂直部材(2)とが直交する位置、即ち、ジョイント部(3)で、垂直部材(2)を構成している繊維積層部材の上部(2’)を前記水平部材(1)の繊維積層部材と同方向に弯曲させて水平部材(1)の一部を構成させている。このため、前記ジョイント部(3)には楔型空間(4)が形成される。
【0003】
この楔型空間(4)を持ったT型ビーム(5)を荷重担持部材として使用した航空機の主翼等に大きな引張り荷重が作用したとき、楔型空間(4)の介在部位には接合強度や剛性の不足に起因して剥離や裂断等の事故が発生する危険性がある。
【0004】
このような事故の発生を回避するため、楔型空間(4)の形成部位にはT型ビーム(5)の製造段階で前以って補強対策を施す必要がある。
【0005】
補強対策として、図8に示すようにジョイント部(3)内に生じた楔型空間(4)に、図6に示すような繊維構造体又は繊維強化樹脂複合体からなるインサートピース(6)を挿入・充填し、このインサートピース(6)を楔型空間(4)内に接着又は縫着する方法が知られている。
【0006】
インサートピース(6)としては、
▲1▼図6及び「次世代複合材技術ハンドブック」にコンベンショナルジョイントとして記載されているような補強用の繊維を一方向にのみ配列した一方向プリプレグ(7)をインサートピースの長手方向と繊維方向を一致させて整列させたUDタイプ(unidirection type)の繊維構造体からなるインサートピース、
【0007】
▲2▼US・P4,331,723号明細書に記載されているような長手方向に伸びる断面略三角形の炭素繊維性芯材の周りを、同じ炭素繊維の織物を3方向から積層して囲繞縫着した繊維構造体からなるインサートピース、
【0008】
▲3▼特開昭64−75226号公報に記載されているような楔型空間(4)に適合する形状に織成された三次元織物からなる繊維構造体のインサートピース、
【0009】
▲4▼US・P5,026,595号明細書に記載されているような織り組織の調節によって楔状に成形した繊維構造体からなるインサートピース、
【0010】
▲5▼図7(A)に示すように、UDタイプの芯部材(6A)と筒状補強部材(6B)とを別々に製作した後、芯部材(6A)を筒状補強部材(6B)内に挿入し両部材を接合一体化した後、又はUDタイプの芯部材(6A)と筒状補強部材(6B)を同時に織り込むか編み込んだ後、図7(B)に示すように、ジョイント部の楔型空間(4)の最終形状に適合した横断面形状が与えられるように賦型加工を施こしてなる所望の繊維構造体からなるインサートピース。しかし、この方法による繊維構造体は、鋭角になりにくく、頂点部が円弧状となり、図7(C)に示すように、楔型空間内への挿入時、頂点に空隙(9)ができる。また、頂点部を鋭角にするためには、賦形工程が必要であったり、製造過程で傷がつく。なお、この方法は、公知文献では確認できないが、当業者であれば容易に到達できる技術である。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
前記▲1▼乃至▲5▼に示すインサートピース(6)を水平部材(1)と垂直部材(2)とのジョイント部(3)の楔型空間(4)に充填固着することによって荷重の負荷に起因するビーム材(5)のジョイント部の剥離や裂断が抑制される。しかしながら、前記▲1▼乃至▲5▼の補強手段には何れも製造技術上、下記のような問題点が付随している。
【0012】
まず▲1▼に示すインサートピース(6)では、楔形空間(4)内への挿入充填に先立ってマトリックス樹脂(8)を予備含浸したシート(7)を楔型空間(4)の形状に適合するように賦型加工するため作業性が悪く、寸法精度や形態保持性の維持も困難になる。即ち、楔形空間(4)の補強部材として予め賦型加工を施こされたUDタイプのインサートピース(6)を使用すると、形態保持性の不足に起因してビーム材(5)の成形中に圧力が作用して形状が崩れ、インサートピース(6)の挿入部位に繊維の曲がりやボイド侵入等の品質不良が発生する。また、UDタイプのインサートピース(6)のみが実質上補強成分として機能するだけであるため、面外強度Fの向上に対してはマトリックス樹脂(8)のみが関与し、強度低下等の問題が発生する。
【0013】
一方、▲2▼に示すビーム材(5)においては、形態保持性は実用上満足すべき水準に維持されるものの、インサートピース(6)の作成やそれを囲繞する炭素繊維織物の織成や縫着、それに続く賦型加工等が多くの工程を必要とするため製造ラインが複雑となり製造コストの低減が阻害される。
【0014】
また、▲3▼または▲4▼に示すインサートピース(6)を使用した場合、インサートピース(6)本体の形態保持性は実用上満足すべき水準に維持される反面、三次元構造の織り組織を持ったインサートピース(6)を使用しているため、織り組織の複雑化による生産性の低下、伸縮性と曲線部へのフィット性の不足に起因するインサートピース(6)の形状とビーム材の最終形状との不適合、テンション管理の困難性等の問題が発生し易くなる。
【0015】
最後に、▲5▼に示すインサートビーム(6)の製造方法は当業者が容易に思いつく技術であり、形態保持性と可撓性を両立させ得るビーム材(5)の製造手段の一つである。しかし、インサートピース(6)を筒状補強部材(6B)内に挿入する第1の方式は、筒状補強部材(6B)の内部に挿入された芯部材(6A)の頂部に図7の(C)に参照番号(9)で示すように空隙が残り、強度低下や剥離等の問題が発生し易くなる。更に、インサートピース(6)の挿入方式では、構成成分として使用するガラス繊維や炭素繊維に擦れ合いに起因する毛羽が発生し易くなり、挿入の円滑性が阻害されるだけでなく、芯部材(6A)及び筒状補強部材(6B)の損傷や芯部材(6A)の繊維含有密度の低下等の問題が発生し易くなる。
【0016】
また、芯部材(6A)と筒状補強部材(6B)の同時織成または同時編成方式では、両部材の製造時の形状と使用時の形状が異なるため、同時織成または同時編成工程の後に賦形加工工程を付加することが必要となり、工程が複雑化するだけでなく、樹脂含浸後予備硬化させることによってプリプレグにスプリングバック現象が発生し易くなる。この結果、最終製品たるビーム材の形態安定性が損われる。
【0017】
本発明の主要な目的は、前記従来技術に認められた問題点を解決すると共に、寸法精度と形態安定性並びに強度的な特性を両立させ得る空隙部へ挿入する充填用繊維構造体を提供することにある。
【0018】
本発明の第2の目的は、樹脂の均一な含浸が可能で、かつ、コストパーフォーマンスの良好な、可撓性に富んだ空隙部へ挿入する充填用繊維構造体を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段】
前記課題の解決手段として本発明はL型、I型、もしくは、T型等の横断面形状を有し、繊維強化樹脂複合材料からなるビーム材のジョイント部に補強材として充填する楔型の繊維構造体であって、前記ジョイント部の楔型空間の横断面形状に適合した状態で集束された2本以上の連続した糸条の集束体からなる芯材と、前記横断面楔型形状の芯材の外周面に密着するように外周面側から覆い、かつ、当該芯材の長手方向に沿い、当該芯材の周りに筒状をなして織成された連続した糸条からなる外被部材とからなり、この外被部材と前記芯材が一体化されたジョイント部の空隙部内に充填するための充填用繊維構造体、ならびに
【0020】
L型、I型、もしくは、T型等の横断面形状を有し、繊維強化樹脂複合材料からなるビーム材のジョイント部に補強材として充填する楔型の繊維構造体であって、前記ジョイント部の楔型空間の横断面形状に適合した状態で、連続する糸条を撚合せた構成糸、太さを異にする2本の連続する糸条を巻付けた構成糸、連続する糸条を組み合わせた組みひも状の構成糸、太さを異にする連続する糸条を撚合せた構成糸のいずれかからなる糸状体を2本以上集束させた集束体からなる芯材と、前記横断面楔型形状の芯材の外周面に密着するように外周面側から覆い、かつ、当該芯材の長手方向に沿い、当該芯材の周りに筒状をなして織成された連続した糸条からなる外被部材とからなり、この外被部材と前記芯材が一体化されてなる空隙部充填用繊維構造体を提供するものである。
【0021】
さらに、前記空隙部へ挿入するための充填用繊維構造体の製作に際して、外被部材を構成する連続した糸条の一部を前記芯材の断面に貫通させて形態の保持をはかると共に、この貫通部を含浸樹脂の流入路として機能させた繊維構造体を提供するものである。
【0022】
【作用】
繊維強化樹脂複合材料製ビーム材のジョイント部に形成される楔型空間に補強材として挿入する充填用繊維構造体を芯材と外被部材から製織し、この後樹脂を含浸させて予備硬化させた状態の補強材を製作する。この際、製織される繊維構造体の横断面形状を前記ジョイント部の最終的な横断面形状と一致させ、かつ、芯材と外被部材を一体運動させながら製織することによって、補強材の織り組織を簡易化すると共に、面外強度と形態保持性の向上を可能にする。
【0023】
【実施例】
以下、図1乃至図5を参照して本発明の具体例を説明する。尚、以下の記述において従来技術を示す図6乃至図8と同一の構成部材は同一の参照番号で表示し、重複する事項に関しては説明を省略する。
【0024】
図1は、本発明に係る空隙部充填用繊維構造体の基本構造の説明図で、芯材(40)は、図1(A)に示すように、例えば8本の炭素繊維の連続した糸条の集束体(41)(42)(43)(44)(45)(46)(47)(48)から形成されており、ジョイント部(3)の楔型空間(4)の最終形状に適合させるため、三角形状の積層形態に形成されている。これに対して外被部材(50)は、図1(B)に示すように、例えば炭素繊維の連続した糸条の織成布から形成されており、前記芯材(40)の外周面を囲繞し、かつ、芯材(40)の長手方向全域に沿って延びるように3個の鋭角状頂点(51)(52)(53)を持つ三角形状の中空筒体として製織されている。
【0025】
前記芯材(40)は、積層されたときの横断面形状がジョイント部(3)の楔型空間(4)の最終形状と一致するように積層形態が予め調整されている。この条件を満足する限り芯材(40)の構成成分として使用する連続する糸条の種類は自由に選択することが可能である。例えば、未加工の連続する糸条の外、図2の(A)に示す連続する糸条を撚合せた構成糸(40A)、(B)に示す太さを異にする2本の連続する糸条を巻付けた構成糸(40B)、(C)に示す連続する糸条を組み合わせた組みひも状の構成糸(40C)、(D)に示す太さを異にする連続する糸条を撚合せた構成糸(40D)等の加工した糸状体の集束体を使用することも可能である。
【0026】
図3に図1の空隙部充填用繊維構造体の第1の具体的実施例を示す。この実施例において参照番号(55)は筒状部である外被部材(50)を構成する長さ方向に伸びる連続する糸条からなる構成糸、(56)は周囲方向に連続する連続する糸条からなる構成糸を示す。また、参照番号(57)は芯材(40)を構成する連続する糸条からなる集束体を示し、この実施例では、それぞれの群を複数本の集束体から形成してなる9群1組の芯材が使用されている。
【0027】
尚、参照番号(58)(59)(60)は、外被部材(50)の鋭角状頂点(51)(52)(53)に配置された長さ方向に伸びる連続する糸条からなる構成糸を示す。
【0028】
外被部材(50)の一方の構成部材である周囲方向に伸びる構成糸(56)は、当該外被部材の他方の構成部材として配設された長さ方向に伸びる構成糸(55)及び前記芯材(40)の構成部材として配設された集束体(57)の群の送り出し動作と時間的に同調しながら図3の(B)乃至(G)に示す順序で織成動作を繰返す。図示しない綜絖から長さ方向の構成糸(55)および芯材(40)に伝達される開口動作のタイミングを、図示しない給糸装置から周方向の構成糸(56)に伝達される送り出し動作のタイミングと時間的に同調させることによって、芯材(40)と長さ方向の構成糸(55)との間での擦れ合いが防止される。この結果、芯材(40)の表面に毛羽が発生しなくなり、構成糸の損粍に起因する織成効率の低下や最終製品たるビーム材(5)の強度低下等が効果的に回避される。
【0029】
図4は第2の具体的実施例を示す。この実施例において外被部材(50)は炭素繊維の連続する糸条(55)を長手方向成分の構成糸として配設し、また、同様の炭素繊維の連続する糸条(56)を周囲方向成分の構成糸として配設することによって3個の頂点(51)(52)(53)を配設した袋織り状の中空筒体に織成されている。製織組織としては平織りが選択されているが、これに限定されるものではなく、例えば、外被部材(50)の表面特性を改良するためロングクリンプ組織に製織することも可能である。
【0030】
一方、芯材(40)は、炭素繊維の連続する糸条(41)(42)(43)(44)(45)(46)(47)(48)(49)の集束体を断面が三角形状になるように配設することによって形成されている。これらの連続する糸条の集束体はそれぞれの表面に保形性向上用の凹凸を形成するため、図2(A)(B)(C)(D)に示すような撚合せた構成糸(40A)(40D)、巻付けた構成糸(40B)、組ひも状の構成糸(40C)を所定本数三角形状に積層配設することによって芯材(40)に形成してもよい。芯材(40)を構成する構成糸(41)(42)(43)(44)(45)(46)(47)(48)(49)の整列方向は、外被部材(50)で長手方向に整列している連続する糸条(55)の整列方向と平行になっている。
【0031】
芯材(40)の構成成分として使用されている連続した糸条及び加工した糸状体の集束体(41)乃至(49)に、空隙部挿入用繊維構造体、即ちインサートピース(6)の製織時に、外被部材(50)の長さ方向の構成糸(55)の開口運動と同調した送り出し運動を与えるため、この連続する糸条あるいは加工した糸状体(41)乃至(49)からなる芯材(40)は図示しない案内手段、例えばヘルドに挿通されて上下動可能に支持されている。製織時に連続する糸条(41)乃至(49)の長手方向に沿う送り出し動作を外被部材(50)の構成成分として使用されている長手方向の横成糸[図3に参照番号(55)として表示]の開口動作並びに周方向の構成糸(56)の送り出し動作とタイミング的に同調させることにより外被部材(50)と芯材(40)との同時織成が可能になり、前記連続する糸条あるいは加工した糸状体(41)乃至(49)からなる芯材(40)と外被部材(50)の構成糸(55)との擦れ合いがなくなり、毛羽の発生が抑制される。
【0032】
ジョイント部(3)の楔型空間(4)の形状に適合した横断面形状を持つ芯材(40)と外被部材(50)は、開口動作と送り出し動作を同調させた状態で織成することによって繊維構造体からなる中間構体に成形される。
【0033】
この中間構体に熱硬化性樹脂、例えば、エポキシ樹脂を含浸させ、予備硬化させることによってインサートピース(6)のプリプレグが得られる。含浸樹脂の種類は自由に選択することができるが、樹脂の種類によっては粘度が高かったり塊状になり易かったりして前記中間構体への均一な含浸が困難になる場合がある。このような場合に樹脂を均一に含浸させるため、本発明においては芯材(40)の構成成分として図2に示すように、撚合せた構成糸(40A)(40D)、巻付けた構成糸(40B)または組ひも状の構成糸(40C)の集束体で芯材(40)を形成すると、これらの加工糸からなる構成糸(40A)(40B)(40C)(40D)は、表面に凹凸があるため糸状体間に樹脂の流路が形成されるとともに、形態安定性が向上するだけでなく、樹脂含浸時に、樹脂流路の確保が容易化され層間気泡や樹脂溜まりの発生が抑制される。
【0034】
図5に示す第3の具体的実施例では、三角形状をなす芯材(40)の底辺部分と斜辺部分との間に樹脂流路の形成部材として複数本、例えば3本の連続する糸条からなるZ方向糸(70)が配置されており、これらのZ方向糸(70)を芯材(40)の長手方向に沿ってジグザグに蛇行させることによって形態の保持をはかるとともに、繊維構造体の内部に樹脂流路が形成される。なお、Z方向糸(70)は、加工した糸状体の集束体を芯材にしたものにおいても適用可能であり、形態保持機能を発揮する。
【0035】
繊維構造体に樹脂を含浸させるとき、層間気泡や樹脂溜まりの発生を抑制するためには、芯材(40)に加工した糸状体(40A)(40B)(40C)(40D)を使用して樹脂流路を形成することが好ましいが、含浸樹脂の種類や粘度によっては、芯材(40)の構成材料として未加工の連続する糸条を使用することも可能である。この場合には、糸状体の加工工程が省略される分だけ繊維構造体の製造コストが低減する。
【0036】
【発明の効果】
本発明に係る空隙部充填用繊維構造体は、外被部材並びに芯材が連続する糸条から形成されているため、最終製品たるビーム材に種々の方向から荷重が付加されたとき含浸固化したマトリックス樹脂と繊維構造体の外被部材とが一体となって荷重を担持する。この結果、マトリックス樹脂のみならず外被部材が面外強度の向上部材として機能し、強度と軽量性を両立させたビーム材を提供する。
【0037】
前記空隙部充填用繊維構造体は、同時織成方式で外被部材と芯材を一体化させているため、単に引張り強度が大きいだけでなく適度の柔軟性を有し、曲げ強度の向上に対しても特筆すべき効果を発揮する。
【0038】
また、芯材の構成成分として撚合せ状の構成糸、巻付け状の構成糸あるいは組ひも状の構成糸等の硬く、かつ、表面摩擦力の高い連続する加工した糸状体を使用することによって、芯材の内部に含浸樹脂の流路を形成し、樹脂の含浸を容易化すると共に繊維構造体の形態保持性を向上させる。この結果、本発明に係る繊維構造体は、ビーム材のジョイント部に空隙部充填材として実用上満足し得る寸法精度を維持した状態で挿入固着される。更に、芯材と外被部材の構成糸を繊維構造体の織成時に織機に同時に仕掛け、開口動作と送り出し動作のタイミングを同調させた状態で製織しているため、製織パターンとしては外被部材のみのパターンを設定するだけで済む。この結果、3次元織物を利用した繊維構造体に比較して製織パターンの数が大幅に減少し、製織効率の向上と製織コストの節減に対しても顕著な効果が発揮される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の空隙部充填用繊維構造体の基本構造を示す斜視図。
【図2】加工した糸状体。
【図3】本発明の第1の具体的実施例を示す芯材と外被部材の縦断面図ならびに製造要領の説明図。
【図4】本発明の第2の具体的実施例を示す芯材と外被部材の斜視図。
【図5】(A)は本発明の第3の具体的実施例を示す芯材と外被部材の縦断面図、
(B)はその斜視図。
【図6】ユニ・ディレクション・タイプの繊維構造体の従来例を示す説明図。
【図7】UDタイプの芯材とその周囲に嵌挿する筒状補強部材の斜視図と部分横断面図。
【図8】ジョイント部に補強対象空隙部を有するT型ビーム材の横断面図。
【符号の説明】
1 水平部材
2 垂直部材
3 ジョイント部
4 楔型空間
5 ビーム材
6 インサートピース
40 芯材
41〜49 連続フィラメント糸の集束体
40A、40D 撚合せフィラメント糸
40B 巻付けフィラメント糸
40C 組ひも状のフィラメント糸
50 外被部材
51〜60 連続フィラメント糸
70 Z方向糸
Claims (3)
- L型、I型、もしくは、T型等の横断面形状を有し、繊維強化樹脂複合材料からなるビーム材のジョイント部に補強材として充填する楔型の繊維構造体であって、前記ジョイント部の楔型空間の横断面形状に適合した状態で集束された2本以上の連続した糸条の集束体からなる芯材と、前記横断面楔型形状の芯材の外周面に密着するように外周面側から覆い、かつ、当該芯材の長手方向に沿い、当該芯材の周りに筒状をなして織成された連続した糸条からなる外被部材とからなり、この外被部材と前記芯材が一体化されてなる空隙部充填用繊維構造体。
- L型、I型、もしくは、T型等の横断面形状を有し、繊維強化樹脂複合材料からなるビーム材のジョイント部に補強材として充填する楔型の繊維構造体であって、前記ジョイント部の楔型空間の横断面形状に適合した状態で、連続する糸条を撚合せた構成糸、太さを異にする2本の連続する糸条を巻付けた構成糸、連続する糸条を組み合わせた組みひも状の構成糸、太さを異にする連続する糸条を撚合せた構成糸のいずれかからなる糸状体を2本以上集束させた集束体からなる芯材と、前記横断面楔型形状の芯材の外周面に密着するように外周面側から覆い、かつ、当該芯材の長手方向に沿い、当該芯材の周りに筒状をなして織成された連続した糸条からなる外被部材とからなり、この外被部材と前記芯材が一体化されてなる空隙部充填用繊維構造体。
- 前記外被部材を構成する連続した糸条の一部を前記芯材の断面に貫通させたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空隙部挿入用繊維構造体。
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