JP4162563B2 - ドラム式洗濯機 - Google Patents

ドラム式洗濯機

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Description

本発明は、水平軸又は傾斜軸を中心に回転するドラムを有するドラム式洗濯機に関する。なお、一般にドラム式洗濯機は洗濯から乾燥までを連続的に行うことができるものであることが多いが、ここで言うドラム式洗濯機は乾燥が行えないものであってもよい。
ドラム式洗濯機は、水平軸又は傾斜軸を中心に円筒籠状のドラムを外槽内部に回転自在に配置した構成を備えており、このドラム内に洗濯物を収容して水を貯留した外槽内で回転させることによって洗濯物の叩き洗いを行う。こうした一般的なドラム式洗濯機では、略直方体形状の外箱の前面に衣類を投入するための扉体が横開きに設けられており、その扉体を開くと外槽に設けた開口を通して、ドラムの一端面に設けられた洗濯物投入口が覗くように構成されている。
こうしたドラム式洗濯機に対する一般消費者の大きな不満の一つは、衣類の出し入れがしにくいことである。すなわち、上記構成を有するドラム式洗濯機では、洗濯物投入口が低い位置にあり、洗濯機を専用の置台上に載置した場合であっても、洗濯物投入のしにくさは完全には解消されない。このような不満に対応するため、従来、市販されているドラム式洗濯機では、傾斜軸を用いてドラムの洗濯物投入口をやや斜め上向きにしたものがある。また、洗濯物投入口をできるだけ大きくすることも試みられている。しかしながら、このような構成によっても、渦巻き式洗濯機の操作性に慣れた者にとってみれば、その使い勝手は必ずしも充分に良好であるとは言えない。
特開平11−342287号公報
ドラム式洗濯機における上記のような使い勝手の悪さを解消する一つの方法として考えられるのは、従来の一般の渦巻き式洗濯機と同じように、洗濯物投入口を外箱の前面ではなく上面に設けることである。しかしながら、このような構成とするには、内部の各種部材の配置や内部構造を従来のドラム式洗濯機から大きく変える必要があり、具現化には多くの課題が生じる。
すなわち、外箱の上面に洗濯物投入口を設けると、その投入口と一致した位置にドラムの開口も設ける必要があるから、ドラムの端面ではなく周面に開口を設けることになる。しかしながら、例えばドラムが高速で回転する際にはドラム周面に大きな遠心力が作用する一方、開口を設けた部分では十分な強度が得られにくくなるため、ドラムが撓んだり歪んだりし易い。したがって、こうした変形を防止するためにドラムの強度を上げる必要がある。
また、ドラム開口を開閉するために扉体を設けると、その扉体は他の周面よりも重量が大きいため、扉体自体が偏心荷重となって振動の要因となる。
また、洗濯物を出し入れする際に使用者はドラム開口に手を入れたり、或いはドラム扉を開閉するために該扉体に手を触れたりすることになるが、一般にドラムはステンレスなどの金属板の成形加工品であるため、その加工の状態によっては縁部に鋭利なばりなどができる場合があり、使用者が手を傷付けることのないような十分な安全上の配慮が必要となる。
本発明は上記課題を初めとする、ドラム式洗濯機に特有な様々な課題を解決するために成されたものである。
上記課題を解決するために成された請求項1に係る発明は、外箱内に配設した外槽の内部に、周面が略円筒形状のドラムを水平軸又は傾斜軸を中心に回転自在に配設したドラム式洗濯機において、
内部に液体が封入された環状中空体であって、その内部の外周側に放射状に設けられた隔壁によって内周側が連通した複数の区画室に画成されたバランス室を、前記ドラムの一方の端面又は両端面に装着し、ドラムの回転制御によって前記バランス室の各区画室に保持される液体を移動させることにより、遠心脱水時に回転軸周りのドラムのバランスを調整するドラム式洗濯機であって、
前記バランス室は回転軸に略直交する面で2つに分割された第1、第2なる2つの部材を接合して形成され、該第1及び第2部材は、接合面を中心に対称形状であって、ドラムへのネジによる取り付けのためにいずれも区画室を狭めるように設けたボスをそれぞれ所定回転角度毎に有し、前記第1及び第2部材を接合する際に、該第1及び第2部材にそれぞれ形成されている前記ボスが異なる区画室に等間隔で交互に配置されるべく前記第1及び第2部材を回転方向にずらした状態で接合されて成り、前記バランス室は、前記第1及び第2部材のいずれ側がドラム端面に対向しても取付可能であることを特徴としている。
請求項1に係るドラム式洗濯機では、区画室を狭めるように設けたボスを利用してバランス室をドラムの端面に取り付けるが、第1及び第2部材のそれぞれのボスの形成箇所が同一区画室に存在するように第1及び第2部材が接合されると、その区画室の容積が他の区画室に比べて極端に小さくなり、適切なバランス調整が行いにくくなる。上記構成によれば、第1、第2部材にそれぞれ形成されたボスの位置は複数の区画室に分散されるので、一部の区画室の容積が極端に小さくなることがなく、バランス室を用いたバランス調整を良好に行うことができる。また、第1及び第2部材は上記ボスをそれぞれ所定回転角度毎に有し、第1及び第2部材を接合する際に、ボスの形成箇所が全周でほぼ均等の角度毎に配置されるように両部材が回転方向にずらした状態で接合された構成とすると一層好ましい。これにより、ボスの形成箇所が周上で片寄らず、全周に満遍なく分散するため、バランス調整を一層良好に行うことができる。
以下、本発明の一実施例であるドラム式洗濯機について、図面を参照して説明する。
図1は本実施例のドラム式洗濯機の外観斜視図、図2は上部の側面縦断面図である。このドラム式洗濯機において、外箱は、上面部1aと前面部1bとの間の角部がやや丸みをもちつつ前下がりになった傾斜状(以下「傾斜部1c」という)である。この傾斜部1cからその後方の上面部1aにかけて大きな洗濯物投入口3が開口し、この洗濯物投入口3を開閉するための上蓋2は、図2に示すように、横方向に水平に延伸する軸2a,2bにより、洗濯物投入口3の後方に二つ折り状態で起立可能である。
上蓋2の左側には前方に引き出し自在の洗剤容器4が、右側には前後方向に延伸して操作パネル5が設けられている。操作パネル5には、運転コースや予約時間等を設定するためなどの各種の操作キーと、これら設定に応じて点灯したり、洗濯行程の進捗状況を報知したり、或いは予約や運転の残り時間などを表示するための各種の表示器が適宜に分散して配置されている。操作パネル5はそのほぼ全体が斜め上方を指向しているため、使用者が本洗濯乾燥機の前方に立った姿勢で斜め下方を見下ろしたとき、操作パネル5面はその視線に対して垂直に近い状態となり、表示が見易く且つ操作キーも押し易いという配慮がなされている。
次に、図3〜図5に基づき、本ドラム式洗濯機の内部構成について概略的に説明する。図3は本洗濯機内部の要部の正面縦断面図、図4は同じく内部の左側面図、図5は内部の右側面縦断面図である。
外箱1の内部にあっては、周面が略円筒形状で両端面がほぼ閉塞された外槽10が、外箱1の左右側面にそれぞれ端面が対向する状態で、左右両側上方から吊下げ支持する二本のばね11と、前後方向に外槽10の下部を支持するダンパ12とにより適度に揺動自在に保持されている。この外槽10の内部には、洗濯物を内部に収容するための内槽として、多数の通水穴が穿孔された略円筒形状の周面の両端面がほぼ閉塞されている横型のドラム13が、左右方向に延伸する水平軸線Cを中心に回転自在に設けられている。
ドラム13の左端面中央に固着された主軸14は、外槽10の左端面に固定されている第1軸受ケース16に保持された軸受17により支承されている。他方、ドラム13の右端面中央に固着された補助軸15は、外槽10の右端面に固定されている第2軸受ケース18に保持された第2軸受19により支承されている。この主軸14及び補助軸15により上記水平軸線Cが形成される。外槽10の左端面から側方へと突出した主軸14の先端には、アウタロータ型のモータ20のロータ20bが固定され、一方、モータ台を兼ねる第1軸受ケース16にはモータ20のステータ20aが固定されている。図示しない制御回路からステータ20aに駆動電流が供給されるとそれによってロータ20bが回転し、主軸14を介してロータ20bと同一の回転速度でドラム13が回転駆動される。
外槽10の周面の上部から斜め前方にかけて、外箱の洗濯物投入口3と一致する位置に、洗濯物を出し入れするための外槽開口100が設けられ、外槽開口100は外槽扉101により開閉自在となっている。また、ドラム13の周面にも洗濯物を出し入れするためのドラム開口130が設けられ、ドラム開口130はドラム扉131により開閉自在となっている。但し、ドラム13は回転可能であるため、ドラム開口130が外槽開口100と径方向に一致した位置でドラム13が停止状態を維持するように、ステータ20aの下方にはドラム位置固定装置21が設けられている。ドラム13停止時には該装置21から突出する係合凸部とロータ20bに形成されている係合凹部とが噛み合い、ドラム13の停止位置が決まる。更にまた、外槽10の底部には排水口22が設けられ、排水口22は排水バルブ23を介し図示しない排水ホースを通して外部の排水溝へと接続されている。
なお、ここでは詳しく述べないが、外槽10の右外側には、乾燥時に熱風をドラム13内に供給し、洗濯物から奪った水蒸気を凝縮・液化して除去した後の空気を再び加熱するような循環空気流路が形成されている。
次に、本実施例のドラム式洗濯機の特徴の1つであるドラム扉131の構成について、図5に加えて、図6〜図8を参照して説明する。図6はドラム扉131の構造を示す上面平面図、図7は図6中のB−B'矢視線断面図、図8は図6中のD−D'矢視線断面図である。
図5に示すように、ドラム13内に洗濯物を出し入れするための外槽開口100及びドラム開口130はいずれも真上よりもやや前方に指向して形成されている。外槽扉101は、外槽開口100の後方において左右方向に略水平に延伸する軸を中心に回動自在であって、開放時には外槽開口100の後方に起立する。
一方、ドラム扉131は、図5及び図6に示すように、左右方向に略水平に延伸する第1軸132を中心に回動自在の第1扉体133と、同じく左右方向に略水平に延伸する第2軸134を中心に回動自在の第2扉体135との二枚から成る。閉鎖時には第2扉体135の縁端部は第1扉体133の縁端部の上に重なり(以下、両扉体が重ねる部分を「オーバーラップ部」と呼ぶ)、開放時には両扉体133,135は前後方向に観音開き状態となる。なお、図6では理解を容易にするために、第1扉体133と第2扉体135とを(B)及び(A)に分離して描いている。
第1扉体133は第1軸132に巻回されたばね136によって開放方向(図5中の反時計方向)に付勢され、他方、第2扉体135も同様に第2軸134に巻回されたばね137によって開放方向(図5中の時計方向)に付勢されている。第1扉体133はそのオーバーラップ部に上に指向した左右一対の係合ツメ138を備え、この係合ツメ138はばね性を有する受け板139と連結され、受け板139を押すと係合ツメ138はドラム13内周側へと沈み込み、その押圧が解除されるとその沈み込みから復帰する。一方、第2扉体135は、そのオーバーラップ部に上記係合ツメ138が係合する左右一対の係合孔140を備え、係合ツメ138が係合孔140に嵌合することによって、第1、第2扉体133,135はドラム開口130を閉塞した状態を維持し、受け板139を上から押すことによって上記嵌合が解除され、ばね136,137の付勢力によって第1,第2扉体133,135はそれぞれ開放する。
また、第1扉体133と第2扉体135とは、それぞれ左右一対の蝶番アーム141,144を介して回転自在に設けられたリンク体142で連結され、その上方はプラスチック製のリンク体カバー143で被覆されている。リンク体142の機能は、第1扉体133及び第2扉体135が開放状態から閉鎖する際に第1扉体133が第2扉体135よりも必ず先行して閉じるように、両扉体133,135を連動させることである。これにより、閉鎖時には第2扉体135の縁端部が第1扉体133の縁端部の上に載った状態で重なるため、上記両扉体133,135の係合が確実に行われる。
第1軸132及び第2軸134はそれぞれ蝶番軸受145,146に支承されており、その蝶番軸受145,146の両端部はいずれもL字型に屈曲した形状の固定片145a,146aを有している。この蝶番軸受145はその固定片145a(146aも同様)において、図7に示すように、ドラム13の側面板13bと胴部13aとの加締箇所の内側で、リベット148により側面板13b及び胴部13aに共締めされている。これにより、蝶番軸受145,146はドラム13の補強部材としても機能するから、ドラム13の強度を高めることができる。
蝶番軸受145,146の固定片145a,146aはドラム開口130の周縁のコーナー130aを覆い、その一部はリンク体カバー143の端部に重なっている。また、ドラム開口130の左右の縁部はリンク体カバー143で覆われている。したがって、ドラム開口130の周縁が全周に亘って露出していないので、仮に周縁の折り返しが不充分なために鋭利な箇所があったとしても、使用者が手を触れることがなく高い安全性を確保することができる。
また、図7に示すように、蝶番アーム141(144も同様)は第2扉体135の外周側(つまりドラム13の外側)にリベット149により固定されている。そのため、蝶番アーム141取付箇所の段差や角がドラム13内側には現れないので、運転時にドラム13内に収容された洗濯物が引っ掛かることがない。
更にまた、第2扉体135の上面にはプラスチック製の保護カバー147をリベット150で固定しているが、図8に示すように、その保護カバー147の縁部を第2扉体135の縁部の折り返し片135aのごく近傍まで延ばしている。これにより、使用者が第2扉体135を押し下げる等の操作を行う際に折り返し片135aに指が触れることがなく、高い安全性を確保できる。
上述の通り、本ドラム式洗濯機では、ドラム13の胴部にドラム開口130が設けられ、且つそのドラム開口130を閉塞するためにドラム扉131を備えているるため、ドラム扉131自体が回転軸周りの重量のアンバランスを生じさせる要因となり得る。これを回避するため、本洗濯機では、図5に示すように、主軸14(水平軸線C)を挟んでドラム開口130と対抗するドラム13周面上の位置にバッフル26を配置し、そのバッフル26の内部に、ドラム扉131の重量と釣り合うような重さの重錘27を設けている。これにより、洗濯物が収容されない状態ではドラム13は偏心荷重を有しておらず、ドラム13を高速で回転させる場合でもバランスがとり易い。
また、上記重錘27を収容したバッフル26以外の2個のバッフル26を、周方向にドラム開口130を挟む位置にそれぞれ配置している。ドラム13の胴部13aはドラム開口130の周辺で強度が弱くなる傾向にあり歪みや撓みなどの変形を生じ易いが、バッフル26が補強部材としても機能するので、ドラム13の撓み、歪みなどの変形を防止することができる。
また、図3及び図5に示すように、ドラム13が停止した状態で底部となるドラム胴部13aに、異物取り出し口閉塞部25により開閉自在の異物取り出し口13cを設けている。この異物取り出し口13cは、主軸14を挟んでドラム開口130に対向する位置に備えられたバッフル26の手前側に配置されるため、該バッフル26と干渉することもない。図13はこの異物取り出し口13c近傍の正面縦断面図(A)及び上面図(B)であり、左右対称形状であるので半分のみを描いている。
異物取り出し口閉塞部25は、異物取り出し口13cの内側に嵌挿するとともにその内側に開口251を有する周リブ252が下方に延設された保護カバー25aと、該保護カバー25aに対してドラム13の内周側からネジ255で固定される蓋体25bとから成る。保護カバー25aは垂下するボス253を有し、ドラム13の外側からドラム胴部13aのネジ穴に挿通したネジ254をボス253に螺入することにより、保護カバー25aはドラム13の内周側に固定される。
外槽10とドラム13との隙間に異物を落としてしまった場合、使用者(又はサービス担当者)はドラム13の内周側からドライバーなどでネジ255を取り外す又は緩めることにより、蓋体25bを取り外す。すると、開口を通して外槽10が覗くから、指等を入れて異物を拾い上げることができる。また、その際に、ドラム13の開口部の周縁部は周リブ252により覆われているので、その周縁部に直接指が触れることがなく、高い安全性が確保できる。
また、遠心脱水時に洗濯物が片寄っていた場合に生じる振動を確実に抑制するために、本実施例のドラム式洗濯機では、特徴的なバランス調整手段を用いている。次に、本ドラム式洗濯機におけるバランス調整方法について説明する。
図9はドラム13のバランス調整に関わる部分のみを示すドラムの正面縦断面図である。本ドラム式洗濯機では、ドラム13の両端面に、円環状中空体であって内部に所定量の液体が封入された、同一形状のバランス室24をそれぞれ備える。このバランス室24は軸線Cに直交する面で分割された2つの部材、第1バランス室部材24aと第2バランス室部材24bとを溶着して形成したものであり、図10は第1バランス室部材24aの右側面外観図、図11は第2バランス室部材24bの左側面外観図である。つまり、図10及び図11はそれぞれの部材24a,24bを、バランス室24の内側となる方向から見た図である。また、図12は図10中のA−A'矢視線断面図である。
バランス室24の内部には、外周壁面241からL字形状に延出する隔壁242が10°角度間隔で放射状に設けられており、この隔壁242によって内部に封入された液体の自由な移動が妨げられる。したがって、ドラム13が十分に高い回転速度で回転されるとき、隣接する隔壁242の間に形成されている、或る区画室244内では水が遠心力によって外周壁面241側に張り付き、他の区画室244へと移動することがない。また、第1、第2バランス室部材24a,24bにはそれぞれ、外周壁面241から内周側に突出する固定用のボス245が60°間隔毎に設けられている。図10に示すように、このボス245を利用してバランス室24をドラム13の端面外側にネジ249で固定することができる。
なお、バランス室24に封入される液体は、後述のように偏心荷重を打ち消すためにできるだけ比重が大きいことが望ましく、乾燥時には熱風により熱くなることを考慮すると沸点が高いものが好ましい。そこで、例えば塩水(塩化ナトリウム溶液)でもよいが、好ましくは塩化カルシウム溶液を用いるとよい。
第1、第2バランス室部材24a,24bは、図8及び図9に現れている面を突き合わせて一体化されるが、その際に、両部材24a,24bに形成されているボス245がちょうど30°間隔で交互になるように周方向にずらし、且つ両部材24a,24bの隔壁242が一致するような位置で固着される。図10に示すように、ボス245が形成されている箇所では内側に窪んだ分だけ区画室244の容積が小さくなるから、もし第1、第2バランス室部材24a,24bにそれぞれ形成されているボス245が同一区画室に存在してしまうと、その区画室の容積が極端に小さくなり、液体を保持する機能を実質的に失う。それに対し、本実施例の構成のように両部材24a,24bのボス245の位置を互いにずらすことによって、区画室の容積の減少を許容できる程度に抑えることができ、しかも容積の減少した区画室が周方向に適宜に分散されるので、容積減少の影響が一層軽減される。
また、こうして一体化されたバランス室24は基本的に左右対称形状であるので、ドラム13の左右いずれの端面にも、互いにスライド移動させた状態で取り付けることができる。
バランス室24を構成する両部材24a,24bは例えばポリプロピレン樹脂などのプラスチック製とし、両部材を熱板溶着で接合して一体化するようにしてもよいが、本ドラム式洗濯機では、乾燥運転時に熱風が外槽10内に供給されるため、バランス室24も熱風に晒されて熱くなる。こうした条件を考えると、バランス室24を形成する材料は耐熱性を有するものであることが好ましいから、ここでは、強化材としてガラス繊維を加えたポリプロピレン樹脂を使用している。このような強化材を付加したプラスチックでは、熱板溶着では十分な接合強度を得ることが難しい。また、両部材24a,24bの隔壁242の位置を正確に合わせなければならないため、軸を中心に高速回転させながら溶着を行う回転溶着も不適当である。そこで、第1、第2バランス室部材24a,24bの接合方法として、突き合わせ面を微細振動により擦り合わせながら溶着を行う振動溶着を採用し、これによって十分な接合強度を確保している。
更に、両部材24a,24bの隔壁242の突き合わせ面においては、第1バランス室部材24aの当たり面の幅d1を第2バランス室部材24bの当たり面の幅d2よりも小さくし、第1バランス室部材24aの当たり面の外側には溶解した樹脂を溜めるための樹脂溜め部248を設けるとともに、更にその外側には溶解した樹脂が外側に流れ出るのを防止するための突片247を第2バランス室部材24bの当たり面よりも延出させ、他方、第2バランス室部材24bの外側においては、その当たり面よりも後退した段差246を設けている。これにより、両当たり面を接触させて微細振動を加えたときに、摩擦熱で溶解する樹脂材が少なくとも外側には流れ出ず、その接合部に先鋭なばりが形成されるのを防止することができる。こうしたばりが生じると図12(A)に示すような取付に支障をきたすため、研磨によりばりを取り除く必要があるが、ばりが生じないことによってこうした工程を設ける必要がない。
次に、上記バランス室24を利用したバランス調整の原理と手順について概略的に説明する。バランス室24内に封入されている液体に作用する遠心力が重量に勝るような回転速度でドラム13を回転させると、液体は各区画室244内で外周側に片寄り、それぞれの区画室244内に保持される。つまり、区画室244間での液体の移動は起こらないので、各区画室244はその内部に保持している液体の重量の分だけ、それぞれの位置に重錘を付加したものと看做すことができる。したがって、全ての区画室244に同量の液体が保持されている場合には、バランス室24による偏心荷重は存在しない。
これに対し、液体が局部的に片寄った位置の区画室に保持されている場合には、バランス室24によって回転軸周りにアンバランスが生じ、偏心荷重が存在することになる。したがって、洗濯物がドラム13の内周壁面に張り付いた状態で回転するような脱水運転時に、その洗濯物が周方向に片寄って配置されていて偏心荷重が生じている場合に、その洗濯物による偏心荷重と釣り合うような位置にバランス室24の偏心荷重を意図的に生じさせれば、ドラム13全体の偏心荷重は減少し、その偏心量によっては偏心荷重を無視できる程度まで小さくすることができる。
脱水行程の際のバランス調整動作を、図14を参照して説明する。まず、脱水行程が開始されると、バランス室24内の液体に作用する遠心力が重力とほぼ均衡する程度の回転速度でドラム13が回転駆動される。このとき、バランス室24の各区画室244において外周側に存在する液体は遠心力によって張り付き、各区画室244の内周側に存在する液体は重力によって落下して他の区画室244へと移動する。このため、ドラム13を上記回転速度で暫時回転させると、全ての区画室244内に存在する液体の量をほぼ同程度にすることができる。このように液量が平均化された状態では、バランス室24による偏心荷重はほぼゼロとなり、洗濯物の片寄りによる偏心荷重Wのみがドラム13全体の偏心荷重となる(図14(A)参照)。
次いで、ドラム13の回転速度を少し上昇させることにより、各区画室244に保持されている液体に加わる遠心力を増加させ、液体の保持状態を安定させる。そして、その状態で、例えばモータ20の駆動電流等の検出結果に基づき、ドラム13全体の偏心荷重の量を位置とを検知し、偏心荷重量が許容値を越えている場合には、検知した偏心荷重位置に応じたタイミングでもってドラム13の回転速度を短時間減速させる。すると、液体に作用する遠心力が減少するから、図14(B)に示すように、ドラム13の上方に持ち上げられつつある区画室244a,244b,244cから液体がこぼれ落ち、落下した液体は他の区画室に流れ込む。
なお、減速直前には、図14(A)に示すように、回転上方に位置している区画室からは液体が比較的こぼれ落ち易い状態になっているのに対し、回転上方を通り過ぎて回転下方に進みつつある区画室では、隔壁242の突片部243が液体のこぼれを堰き止めるので、液体はこぼれ難い状態になっている。そのため、上記のように一時的に減速したときに、回転上方に持ち上げられつつある区画室及び既に上方に位置している区画室からは液体がこぼれ落ちるものの、回転下方に進もうとしている区画室内の液体はこぼれ落ちずに保持される。したがって、所望の区画室のみの液体を高い確度で落下させることができる。
このような減速動作を1乃至複数回繰り返すことにより、最終的には、図14(C)に示すように、洗濯物の片寄りによる偏心荷重Wが存在する位置近傍の区画室244a、244b、244c内の液体は殆どなくなり、その反対側に位置する区画室244d及びその隣接の区画室内の液量が増加する。これにより、バランス室24の偏心荷重と洗濯物による偏心荷重との釣り合いによってドラム13全体の偏心荷重は小さくなる。
なお、上記実施例は本発明の一例であって、本発明の趣旨の範囲で、適宜に変更や修正を行えることは明らかである。
本発明の一実施例によるドラム式洗濯機の外観斜視図。 本実施例のドラム式洗濯機の上部の側面縦断面図。 本実施例のドラム式洗濯機内部の要部の正面縦断面図。 本実施例のドラム式洗濯機内部の左側面図。 本実施例のドラム式洗濯機内部の右側面縦断面図。 本実施例のドラム式洗濯機におけるドラム扉の構造を示す上面平面図。 図6中のB−B'矢視線断面図。 図6中のD−D'矢視線断面図。 本実施例のドラム式洗濯機においてドラムのバランス調整に関わる部分のみを示すドラムの正面縦断面図。 本実施例のドラム式洗濯機における第1バランス室部材の右側面外観図。 本実施例のドラム式洗濯機における第2バランス室部材の左側面外観図。 図10中のA−A'矢視線断面図。 本実施例のドラム式洗濯機における異物取り出し口近傍の正面縦断面図(A)及び上面図(B)。 本実施例のドラム式洗濯機におけるドラム高速回転時のバランス調整動作の説明図。
符号の説明
1…外箱
2…上蓋
3…洗濯物投入口
10…外槽
13…ドラム
13a…胴部
13b…側面板
13c…異物取り出し口
100…外槽開口
101…外槽扉
130…ドラム開口
131…ドラム扉
132…第1軸
133…第1扉体
134…第2軸
135…第2扉体
135a…折り返し片
136,137…ばね
138…係合ツメ
139…受け板
140…係合孔
141,144…蝶番アーム
142…リンク体
143…リンク体カバー
145,146…蝶番軸受
147…保護カバー
148,149,150…リベット
24…バランス室
24a…第1バランス室部材
24b…第2バランス室部材
241…外周壁面
242…隔壁
243…突片部
244…区画室
245…ボス
246…段差
247…突片
248…樹脂溜め部
249,254,255…ネジ
25…異物取り出し口閉塞部
25a…保護カバー
25b…蓋体
251…内側開口
252…周リブ
253…ボス
26…バッフル
27…重錘

Claims (1)

  1. 外箱内に配設した外槽の内部に、周面が略円筒形状のドラムを水平軸又は傾斜軸を中心に回転自在に配設したドラム式洗濯機において、
    内部に液体が封入された環状中空体であって、その内部の外周側に放射状に設けられた隔壁によって内周側が連通した複数の区画室に画成されたバランス室を、前記ドラムの一方の端面又は両端面に装着し、ドラムの回転制御によって前記バランス室の各区画室に保持される液体を移動させることにより、遠心脱水時に回転軸周りのドラムのバランスを調整するドラム式洗濯機であって、
    前記バランス室は回転軸に略直交する面で2つに分割された第1、第2なる2つの部材を接合して形成され、該第1及び第2部材は、接合面を中心に対称形状であって、ドラムへのネジによる取り付けのためにいずれも区画室を狭めるように設けたボスをそれぞれ所定回転角度毎に有し、前記第1及び第2部材を接合する際に、該第1及び第2部材にそれぞれ形成されている前記ボスが異なる区画室に等間隔で交互に配置されるべく前記第1及び第2部材を回転方向にずらした状態で接合されて成り、前記バランス室は、前記第1及び第2部材のいずれ側がドラム端面に対向しても取付可能であることを特徴とするドラム式洗濯機。
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