JP4162528B2 - Master for lithographic printing plate - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はオフセット印刷マスターとして使用できる平版印刷版用原版に関するものであり、特にコンピュータ等のディジタル信号から直接製版できるいわゆるダイレクト製版用の赤外線レーザ用ポジ型平版印刷版用原版に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年におけるレーザの発展は目ざましく、特に近赤外から赤外に発光領域を持つ固体レーザ・半導体レーザは高出力かつ小型の物が容易に入手できる様になっている。コンピュータ等のディジタルデータから直接製版する際の露光光源として、これらのレーザは非常に有用である。
【0003】
赤外線レーザ用ポジ型平版印刷版材料は、アルカリ水溶液可溶性のバインダー樹脂と、光を吸収し熱を発生するIR染料等とを必須成分とし、IR染料等が、未露光部(画像部)では、バインダー樹脂との相互作用によりバインダー樹脂の溶解性を実質的に低下させる溶解阻止剤として働き、露光部(非画像部)では、発生した熱によりIR染料等とバインダー樹脂との相互作用が弱まりアルカリ現像液に溶解して平版印刷版を形成する。
しかしながら、このような赤外線レーザ用ポジ型平版印刷版材料では、様々な使用条件における未露光部(画像部)の現像液に対する耐溶解性と、露光部(非画像部)の溶解性との間の差(溶解ディスクリミネーション)が未だ十分とは言えず、使用条件の変動による現像過剰や現像不良が起きやすいという問題、即ち現像ラチチュードが狭いという問題があった。
【0004】
このような問題は、赤外線レーザ用ポジ型平版印刷版材料とUV露光により製版するポジ型平版印刷版材料との製版メカニズムの本質的な相違に由来する。すなわち、UV露光により製版するポジ型平版印刷版材料では、アルカリ水溶液可溶性のバインダー樹脂と、オニウム塩やキノンジアジド化合物類とを必須成分とするが、このオニウム塩やキノンジアジド化合物類は、未露光部(画像部)でバインダー樹脂との相互作用により溶解阻止剤として働くだけでなく、露光部(非画像部)では、光によって分解して酸を発生し、溶解促進剤として働くという二つの役割を果たすものである。
これに対し、赤外線レーザ用ポジ型平版印刷版材料におけるIR染料等は、未露光部(画像部)の溶解阻止剤として働くのみで、露光部(非画像部)の溶解を促進するものではない。更には、露光部の支持体との界面近傍では、発生した熱が支持体へと拡散し、効率よく画像形成に使用されないこともあって、赤外線レーザ用ポジ型平版印刷版材料において、非露光部と露光部との溶解性の差を出すためには、バインダー樹脂として、あらかじめアルカリ現像液に対する溶解性の高いものを使用せざるを得ず、現像前の状態が不安定なものとなるのである。
【0005】
赤外線レーザ用ポジ型平版印刷版としての重要な性能の1つにUVインキおよび印刷周辺薬品に対する耐性が挙げられる。この課題を解決するために、たとえば、特許文献1(特開平11−202481号公報)には、アルカリ可溶性樹脂(ノボラック樹脂)と光熱変換物質とを含むポジ型感光性組成物に、更に熱の作用によりノボラック樹脂を架橋しうる化合物(架橋剤)を添加し、露光現像後に加熱処理(バーニング)を行い、記録層を熱硬化させる技術が開示されている。しかし、この技術には(1)バーニング処理設備が必要となり、コスト及びスペースの点で負荷が大きい、(2)処理が複雑化する、(3)現像ラチチュードが狭い、(4)耐傷性が不十分、等の問題点を有しており、更なる改良が求められている。
【0006】
【特許文献1】
特開平11−202481号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の目的は、現像ラチチュードに優れ、且つ、高感度なダイレクト製版用の赤外線レーザ用ポジ型平版印刷版用原版を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、重層感材系において特定構造を有する化合物とフェノール性水酸基を含有する組成物で最上層を形成させることにより、上記課題を解決し得ることを見出し、本発明を完成するに到った。
即ち、本発明は、親水性支持体上に、水不溶性且つアルカリ可溶性樹脂を含有する下層と、水不溶性且つアルカリ可溶性のフェノール性水酸基を有する樹脂、及び、下記(T−1)で示される化合物又は下記(T−1)で示される化合物が2価の連結基を介して縮合した化合物を含有する最上層とをこの順に有し、該下層及び最上層の少なくとも一方に光熱変換剤を含有することを特徴とするポジ型平版印刷版用原版である。
【化102】
(式中、A1〜A6 はそれぞれ独立に−CH2 ORを示し、Rは、水素原子、アルキル基又はアシル基を表わす。)
ここで、前記下層に含まれるアルカリ可溶性樹脂として、アクリル樹脂、ウレタン樹脂及びアセタール樹脂からなる群より選択される少なくとも1種含有することが好ましく、また、この下層を塗布、形成した後、最上層を塗布する際に、最上層の塗布溶媒として、下層に含まれる水不溶性且つアルカリ可溶性樹脂を溶解しない溶剤を用いることが好ましい態様である。
【0009】
本発明の作用は明確でないが、重層感材の最上層を塗布乾燥する際、この塗布液の必須成分であるフェノール性水酸基を有する樹脂と上記(T−1)で示される化合物又は下記(T−1)で示される化合物が2価の連結基を介して縮合した化合物(以下、−CH2ORを有する化合物という)が、乾燥時の熱により感材の最表面で僅かに架橋し、表面難溶層を形成するためと考える。
この感材最表面に形成される難溶層は、未露光部(画像部)においては現像液の浸透を抑制し画像の溶出防止に作用する。一方、露光部(非画像部)においては、露光後の下層の溶解速度が十分に速いため、現像性に大きな影響を及ぼさないものと考える。この結果、画像形成時(現像処理時)のラチチュードが拡大するものと考える。よって、単層構成の特許文献1では、表面難溶層を形成させる系としての溶解性が低下してしまい、実用的ではない。
即ち、本発明は支持体表面側の下層と感材表面側の最上層とを異なる溶解性に設計することが可能な重層系であるために、良好な効果が発現するものと考える。
【0010】
また、本発明の好ましい態様においては、下層に、アクリル樹脂、ウレタン樹脂及びアセタール樹脂からなる群より選択されるアルカリ可溶性樹脂を用いたため、耐薬品性のさらなる向上が図れ、最上層の塗布溶媒として、この下層に含まれるアルカリ可溶性樹脂を溶解しない溶媒を用いることで、下層と最上層との界面における相溶が抑制され、重層構造をとることにより得られる本発明の効果が一層向上するものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。本発明のポジ型平版印刷版用原版(以下、単に、平版印刷版用原版とも称する)の記録層は、水不溶性且つアルカリ可溶性樹脂(以下、適宜、アルカリ可溶性樹脂と称する)を含む下層と、水不溶性且つアルカリ可溶性のフェノール性水酸基を有する樹脂、及び、−CH2ORを有する化合物を含有する最上層と、からなる。
尚、以下、下層及び最上層(下層と最上層との間に更なる層を含む時はその層も含めて)を合わせて記録層と呼ぶことがある。
【0012】
〔水不溶性且つアルカリ可溶性のフェノール性水酸基を有する樹脂、及び、−CH2ORを有する化合物を含有する最上層〕
まず、本発明に係る記録層上層の特徴的な構成成分である−CH2ORを有する化合物について説明する。
【0013】
〔−CH2ORを有する化合物〕
本発明の最上層に含有される、−CH2ORを有する化合物中の−CH2ORにおけるRは水素原子、アルキル基、またはアシル基を表す。アルキル基の炭素数は通常1〜8、好ましくは1〜4であり、アシル基の炭素数は2〜18、好ましくは2〜4である。−CH2ORの具体例としては、メトキシメチル、エトキシメチル、ブトキシメチル等が挙げられる。
−CH2ORを有する化合物は、下式(T−1)で示される化合物又は下記(T−1)で示される化合物が2価の連結基を介して縮合した化合物 ( 以下、単に縮合物という )である。
【0017】
【化2】
【0018】
(式中、A1〜A6 はそれぞれ独立に−CH2 ORを示し、Rは、水素原子、アルキル基、又はアシル基を表わす。)
【0025】
式(T−1)で示される化合物及びその縮合物としては、下記のものが例示される。
【0026】
【化6】
【0033】
本発明の平版印刷版をあまりに高温で処理した場合には、支持体として使用するアルミニウムの変形を生じ、画像再現性が劣る怖れがある。これに対し、上記−CH2ORを有する化合物を用いることで、200℃前後の比較的低温かつ短時間で十分な架橋効果が表われ、十分な耐薬品性、耐刷性が得られる。
【0034】
又、式(T−1)の化合物の中でも、A1〜A6 が独立に−CH2 ORを示し、Rが水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基であるのが好ましく、更にアルコキシ化率(A1〜A6 で示される−CH2 ORの合計に対する−CH2ORのRが炭素数1〜4のアルキル基である割合(モル比))が70%以上、好ましくは80%〜100%であるのが有利である。また、更にRが水素原子又はメチル基であり、メトキシ化率(−CH2ORの合計に対する−CH2 ORのRがメチル基である割合(モル比)が80%〜100%であるのが特に有利である。
【0035】
該−CH2ORを有する化合物としては、具体的には、メラミン誘導体、例えば、メトキシメチル化メラミン〔三井サイアナミッド社製、サイメル300シリーズ(1)等〕等が挙げられる。
【0036】
メラミン誘導体中でも、得られる平版印刷版の保存性やインキ着肉性の面から、メラミン誘導体中のメチロール基と−CH2ORの合計数に対する−CH2OR数の割合が70%以上、特には90%以上であるメラミン誘導体が好ましい。かかるメラミン誘導体は、メラミン誘導体に特定量のホルムアルデヒドおよびアルコールを酸性条件下で反応させる公知の方法により得ることができ、前記−CH2ORの割合は13C−NMRにより測定し特定することができる。
【0037】
これら、−CH2ORを有する化合物の添加量は、フェノール性水酸基を有する樹脂に対して、0.5〜50質量%が好ましく、更に好ましくは1〜30質量%である。
添加量が上記範囲において、現像ラチチュード向上効果および良好な耐傷性が得られる。
【0038】
〔水不溶性且つアルカリ可溶性のフェノール性水酸基を有する樹脂〕
本発明に係る最上層は、水不溶性且つアルカリ可溶性のフェノール性水酸基を有する樹脂(以下、適宜、「アルカリ可溶性樹脂」と称する)を含有するが、以下詳述する。
【0039】
(1)フェノール性水酸基を有する樹脂としては、例えば、フェノールホルムアルデヒド樹脂、m−クレゾールホルムアルデヒド樹脂、p−クレゾールホルムアルデヒド樹脂、m−/p−混合クレゾールホルムアルデヒド樹脂、フェノール/クレゾール(m−,p−,又はm−/p−混合のいずれでもよい)混合ホルムアルデヒド樹脂等のノボラック樹脂やピロガロールアセトン樹脂が挙げられる。フェノール性水酸基を有する高分子化合物としてはこの他に、側鎖にフェノール性水酸基を有する高分子化合物を用いることが好ましい。側鎖にフェノール性水酸基を有する高分子化合物としては、フェノール性水酸基と重合可能な不飽和結合とをそれぞれ1つ以上有する低分子化合物からなる重合性モノマーを単独重合、或いは該モノマーに他の重合性モノマーを共重合させて得られる樹脂が挙げられる。
【0040】
(1)フェノール性水酸基を有する重合性モノマーとしては、フェノール性水酸基を有するアクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、又はヒドロキシスチレン等が挙げられる。具体的にはN−(2−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(3−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、N−(3−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、o−ヒドロキシフェニルアクリレート、m−ヒドロキシフェニルアクリレート、p−ヒドロキシフェニルアクリレート、o−ヒドロキシフェニルメタクリレート、m−ヒドロキシフェニルメタクリレート、p−ヒドロキシフェニルメタクリレート、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、2−(2−ヒドロキシフェニル)エチルアクリレート、2−(3−ヒドロキシフェニル)エチルアクリレート、2−(4−ヒドロキシフェニル)エチルアクリレート、2−(2−ヒドロキシフェニル)エチルメタクリレート、2−(3−ヒドロキシフェニル)エチルメタクリレート、2−(4−ヒドロキシフェニル)エチルメタクリレート等を好適に使用することができる。かかるフェノール性水酸基を有する樹脂は、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。更に、米国特許4,123,279号明細書に記載されているように、t−ブチルフェノールホルムアルデヒド樹脂、オクチルフェノールホルムアルデヒド樹脂のような、炭素数3〜8のアルキル基を置換基として有するフェノールとホルムアルデヒドとの共重合体を併用してもよい。
【0041】
本発明においては、更にスルホンアミド基を有する重合性モノマー、及び/又は、活性イミド基を分子内に有するモノマーを共重合させるのが好ましい。
(2)スルホンアミド基を有する重合性モノマーとしては、1分子中に、窒素原子上に少なくとも1つの水素原子が結合したスルホンアミド基−NH−SO2−と、重合可能な不飽和結合をそれぞれ1つ以上有する低分子化合物からなる重合性モノマーが挙げられる。その中でも、アクリロイル基、アリル基、又はビニロキシ基と、置換或いはモノ置換アミノスルホニル基又は置換スルホニルイミノ基とを有する低分子化合物が好ましい。
【0042】
(3)活性イミド基を分子内に有するモノマーとしては、具体的には、N−(p−トルエンスルホニル)メタクリルアミド、N−(p−トルエンスルホニル)アクリルアミド等を好適に使用することができる。
【0043】
上記重合性モノマーの共重合比、および重合性モノマーの組み合わせに制限はないが、特にフェノール性水酸基を有する重合性モノマーに、スルホンアミド基を有する重合性モノマー及び/又は活性イミド基を有する重合性モノマーを共重合させる場合には、これら成分の配合重合比は50:50から5:95の範囲にあることが好ましく、40:60から10:90の範囲にあることが特に好ましい。
【0044】
更に、本発明に係る最上層中のアルカリ可溶性樹脂としては、上記フェノール性水酸基を有する重合性モノマー、スルホンアミド基を有する重合性モノマー、又は活性イミド基を有する重合性モノマーの他に他の重合性モノマーを共重合させて得られる高分子化合物であることが好ましい。
この場合の共重合比としては、アルカリ可溶性を付与するモノマーを10モル%以上含むことが好ましく、20モル%以上含むものがより好ましい。アルカリ可溶性を付与するモノマーの共重合成分が10モル%より少ないと、アルカリ可溶性が不十分となりやすく、現像性が低下する傾向にある。
ここで使用可能な他の重合性モノマーとしては、下記(m1)〜(m12)に挙げる化合物を例示することができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0045】
(m1)2−ヒドロキシエチルアクリレート又は2−ヒドロキシエチルメタクリレート等の脂肪族水酸基を有するアクリル酸エステル類、及びメタクリル酸エステル類。
(m2)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルアクリレート、等のアルキルアクリレート。
(m3)メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルメタクリレート等のアルキルメタクリレート。
(m4)アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−ヘキシルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド等のアクリルアミド若しくはメタクリルアミド。
【0046】
(m5)エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等のビニルエーテル類。
(m6)ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニル等のビニルエステル類。
(m7)スチレン、α−メチルスチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレン等のスチレン類。
(m8)メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトン等のビニルケトン類。
(m9)エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン類。
(m10)N−ビニルピロリドン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等。
(m11)マレイミド、N−アクリロイルアクリルアミド、N−アセチルメタクリルアミド、N−プロピオニルメタクリルアミド、N−(p−クロロベンゾイル)メタクリルアミド等の不飽和イミド。
(m12)アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸。
【0047】
本発明に係るアルカリ可溶性樹脂が、前記フェノール性水酸基を有する重合性モノマー、スルホンアミド基を有する重合性モノマー、又は活性イミド基を有する重合性モノマーの単独重合体或いは共重合体の場合、重量平均分子量が2,000以上、数平均分子量が500以上のものが好ましい。更に好ましくは、重量平均分子量が5,000〜300,000で、数平均分子量が800〜250,000であり、分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が1.1〜10のものである。
特に、本発明に係るアルカリ可溶性樹脂が、フェノールホルムアルデヒド樹脂、または、クレゾールアルデヒド樹脂等である場合には、重量平均分子量が500〜20,000であり、数平均分子量が200〜10,000のものが好ましい。
【0048】
本発明に用いられるアルカリ可溶性樹脂としては、未露光部において強い水素結合性を生起し、露光部において一部の水素結合が容易に解除されるといった点から、フェノール性水酸基を有する樹脂の中でも特に好ましくはノボラック樹脂である。
また、本発明においては、アルカリ性水溶液に対し溶解速度の異なる2種類以上のアルカリ可溶性樹脂を混合して用いてもよく、その場合の混合比は自由である。なお、該フェノール性水酸基を有する樹脂と混合するのに好適なアルカリ可溶性樹脂としては、フェノール性水酸基を有する樹脂と相溶性が低いことから、アクリル樹脂であることが好ましく、更に好ましくはスルホアミド基を有するアクリル樹脂である。
【0049】
本発明に係る最上層の全固形分中に対するアルカリ可溶性樹脂の含有量は、併せて50〜98質量%の添加量で用いられる。アルカリ可溶性樹脂の添加量が50質量%未満であると記録層の耐久性が悪化し、また、98質量%を超えると感度、耐久性の両面で好ましくない。
【0050】
(現像抑制剤)
本発明に係る最上層には、そのインヒビション(溶解抑制能)を高める目的で、現像抑制剤を含有させてもよい。
本発明に係る現像抑制剤としては、前記アルカリ可溶性樹脂と相互作用を形成し、未露光部においては該アルカリ可溶性樹脂の現像液に対する溶解性を実質的に低下させ、且つ、露光部においては該相互作用が弱まり、現像液に対して可溶となり得るものであれば特に限定はされないが、特に4級アンモニウム塩、ポリエチレングリコール系化合物等が好ましく用いられる。また後述する光熱変換剤、画像着色剤のなかにも現像抑制剤として機能する化合物があり、それらもまた好ましく挙げられる。
【0051】
4級アンモニウム塩としては、特に限定されないが、テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルアリールアンモニウム塩、ジアルキルジアリールアンモニウム塩、アルキルトリアリールアンモニウム塩、テトラアリールアンモニウム塩、環状アンモニウム塩、二環状アンモニウム塩が挙げられる。
具体的には、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラペンチルアンモニウムブロミド、テトラヘキシルアンモニウムブロミド、テトラオクチルアンモニウムブロミド、テトララウリルアンモニウムブロミド、テトラフェニルアンモニウムブロミド、テトラナフチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムヨージド、テトラステアリルアンモニウムブロミド、ラウリルトリメチルアンモニウムブロミド、ステアリルトリメチルアンモニウムブロミド、ベヘニルトリメチルアンモニウムブロミド、ラウリルトリエチルアンモニウムブロミド、フェニルトリメチルアンモニウムブロミド、3−トリフルオロメチルフェニルトリメチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロミド、ジベンジルジメチルアンモニウムブロミド、ジステアリルジメチルアンモニウムブロミド、トリステアリルメチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロミド、ヒドロキシフェニルトリメチルアンモニウムブロミド、N−メチルピリジニウムブロミド等が挙げられる。特に特願2001−226297、特願2001−370059、特願2001−398047各明細書記載の4級アンモニウム塩が好ましい。
【0052】
4級アンモニウム塩の添加量は最上層全固形分に対して0.1〜50質量%であることが好ましく、1〜30質量%であることがより好ましい。0.1質量%未満では現像抑制効果が少なくなり好ましくない。また、50質量%を超えて添加した場合は、前記アルカリ可溶性樹脂の製膜性に悪影響を与えることがある。
【0053】
また、ポリエチレングリコール化合物としては、特に限定されないが、下記一般式(1)で表される構造のものが挙げられる。
R1−{−O−(R3−O−)m−R2}n ・・・一般式(1)
上記一般式(1)中、R1は多価アルコール残基又は多価フェノール残基を表し、R2は水素原子、置換基を有していても良い炭素原子数1〜25のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキロイル基、アリール基又はアリーロイル基を表す。R3は置換基を有しても良いアルキレン残基を表し、mは平均で10以上、nは1以上4以下の整数を表す。
【0054】
上記一般式(1)で表されるポリエチレングリコール化合物の例としては、ポリエチレングリコール類、ポリプロピレングリコール類、ポリエチレングリコールアルキルエーテル類、ポリプロピレングリコールアルキルエーテル類、ポリエチレングリコールアリールエーテル類、ポリプロピレングリコールアリールエーテル類、ポリエチレングリコールアルキルアリールエーテル類、ポリプロピレングリコールアルキルアリールエーテル類、ポリエチレングリコールグリセリンエステル、ポリプロピレングリコールグリセリンエステル類、ポリエチレンソルビトールエステル類、ポリプロピレングリコールソルビトールエステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリプロピレングリコール脂肪酸エステル類、ポリエチレングリコール化エチレンジアミン類、ポリプロピレングリコール化エチレンジアミン類、ポリエチレングリコール化ジエチレントリアミン類、ポリプロピレングリコール化ジエチレントリアミン類が挙げられる。
【0055】
さらにこれらの具体例としては、ポリエチレングリコール1000、ポリエチレングリコール2000、ポリエチレングリコール4000、ポリエチレングリコール10000、ポリエチレングリコール20000、ポリエチレングリコール5000、ポリエチレングリコール100000、ポリエチレングリコール200000、ポリエチレングリコール500000、ポリプロピレングリコール1500、ポリプロピレングリコール3000、ポリプロピレングリコール4000、ポリエチレングリコールメチルエーテル、ポリエチレングリコールエチルエーテル、ポリエチレングリコールフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、ポリエチレングリコールジエチルエーテル、ポリエチレングリコールジフェニルエーテル、ポリエチレングリコールラウリルエーテル、ポリエチレングリコールジラウリルエーテル、ポリエチレングリコールノニルエーテル、ポリエチレングリコールセチルエーテル、ポリエチレングリコールステアリルエーテル、ポリエチレングリコールジステアリルエーテル、ポリエチレングリコールベヘニルエーテル、ポリエチレングリコールジベヘニルエーテル、ポリプロピレングリコールメチルエーテル、ポリプロピレングリコールエチルエーテル、ポリプロピレングリコールフェニルエーテル、ポリプロピレングリコールジメチルエーテル、ポリプロピレングリコールジエチルエーテル、ポリプロピレングリコールジフェニルエーテル、ポリプロピレングリコールラウリルエーテル、ポリプロピレングリコールジラウリルエーテル、ポリプロピレングリコールノニルエーテル、ポリエチレングリコールアセチルエステル、ポリエチレングリコールジアセチルエステル、ポリエチレングリコール安息香酸エステル、ポリエチレングリコールラウリルエステル、ポリエチレングリコールジラウリルエステル、ポリエチレングリコールノニル酸エステル、ポリエチレングリコールセチル酸エステル、ポリエチレングリコールステアロイルエステル、ポリエチレングリコールジステアロイルエステル、ポリエチレングリコールベヘン酸エステル、ポリエチレングリコールジベヘン酸エステル、ポリプロピレングリコールアセチルエステル、ポリプロピレングリコールジアセチルエステル、ポリプロピレングリコール安息香酸エステル、ポリプロピレングリコールジ安息香酸エステル、ポリプロピレングリコールラウリル酸エステル、ポリプロピレングリコールジラウリル酸エステル、ポリプロピレングリコールノニル酸エステル、ポリエチレングリコールグリセリンエーテル、ポリプロピレングリコールグリセリンエーテル、ポリエチレングリコールソルビトールエーテル、ポリプロピレングリコールソルビトールエーテル、ポリエチレングリコール化エチレンジアミン、ポリプロピレングリコール化エチレンジアミン、ポリエチレングリコール化ジエチレントリアミン、ポリプロピレングリコール化ジエチレントリアミン、ポリエチレングリコール化ペンタメチレンヘキサミンが挙げられる。
【0056】
ポリエチレングリコール系化合物の添加量は最上層全固形分に対して0.1〜50質量%であることが好ましく、1〜30質量%であることがより好ましい。0.1質量%未満では現像抑制効果が少なく好ましくない。また50質量%を超える量を添加した場合、前記アルカリ可溶性樹脂と相互作用できないポリエチレングリコール化合物が現像液の浸透を促進し、画像形成性へ悪影響を与えることがある。
【0057】
また、このようなインヒビション(溶解抑制能)を高めるための施策を行った場合、感度の低下が生じるが、この場合、最上層中にラクトン化合物を添加することが感度低下の抑制に有効である。このラクトン化合物は、露光部、即ち、インヒビションが解除された領域の記録層中に現像液が浸透する際、現像液とラクトン化合物が反応し、新たにカルボン酸化合物が発生して、露光部領域の記録層の溶解を促進させることにより感度が向上するものと考えられる。なお、未露光部では、このラクトン化合物はアルカリ可溶性樹脂中の極性基、例えば、ノボラック樹脂中の水酸基と相互作用を形成しており、また、環を有する嵩高な構造とあいまって膜中に安定に存在するため、未露光部表面においてはアルカリ現像液が接触しても、現像処理中におけるラクトン環の急激な開環反応が抑制されているため、当該領域の耐現像性が低下することはない。この相互作用は露光或いは加熱により、前記溶解抑制剤による抑制作用よりもさらに容易に解除されるため、露光部におけるラクトン化合物の開環反応は速やかに行われる。
このようなラクトン化合物としては、特に限定されないが、下記一般式(L−I)及び一般式(L−II)で表される化合物が挙げられる。
【0058】
【化10】
【0059】
一般式(L−I)及び一般式(L−II)において、X1、X2、X3及びX4は、環を構成する2価の非金属原子又は非金属原子団であって、それぞれ同じでも異なっていてもよい。また、これらはそれぞれ独立に置換基を有していてもよい。さらに、一般式(L−I)におけるX1、X2及びX3の少なくとも一つ、及び、一般式(L−II)におけるX1、X2、X3及びX4の少なくとも一つは、電子吸引性置換基又は電子吸引性基で置換された置換基であることが好ましい。
【0060】
好ましい非金属原子又は非金属原子団は、メチレン基、スルフィニル基、カルボニル基、チオカルボニル基、スルホニル基、硫黄原子、酸素原子及びセレニウム原子から選ばれる原子又は原子団であって、より好ましくは、メチレン基、カルボニル基及びスルホニル基から選ばれる原子団である。
【0061】
また、本明細書において電子吸引性置換基とは、ハメットの置換基定数σpが正の価を取る基を指す。ハメットの置換基定数に関しては、Journal of Medicinal Chemistry,1973,Vol.16,No.11,1207−1216等を参考にすることができる。ハメットの置換基定数σpが正の価を取る電子吸引性基としては、例えばハロゲン原子[フッ素原子(σp値:0.06)、塩素原子(σp値:0.23)、臭素原子(σp値:0.23)、ヨウ素原子(σp値:0.18)]、トリハロアルキル基[トリブロモメチル(σp値:0.29)、トリクロロメチル(σp値:0.33)、トリフルオロメチル(σp値:0.54)]、シアノ基(σp値:0.66)、ニトロ基(σp値:0.78)、脂肪族・アリールもしくは複素環スルホニル基[例えば、メタンスルホニル(σp値:0.72)]、脂肪族・アリールもしくは複素環アシル基[例えば、アセチル(σp値:0.50)、ベンゾイル(σp値:0.43)]、アルキニル基[例えば、C≡CH(σp値:0.23)]、脂肪族・アリールもしくは複素環オキシカルボニル基[例えば、メトキシカルボニル(σp値:0.45)、フェノキシカルボニル(σp値:0.44)]、カルバモイル基(σp値:0.36)、スルファモイル基(σp値:0.57)、スルホキシド基、ヘテロ環基、オキソ基、ホスホリル基等が挙げられる。
【0062】
また、好ましい電子吸引性基としては、アミド基、アゾ基、ニトロ基、炭素数1〜5のフルオロアルキル基、ニトリル基、炭素数1〜5のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜5のアシル基、炭素数1〜9のアルキルスルホニル基、炭素数6〜9のアリールスルホニル基、炭素数1〜9のアルキルスルフィニル基、炭素数6〜9のアリールスルフィニル基、炭素数6〜9のアリールカルボニル基、チオカルボニル基、炭素数1〜9の含フッ素アルキル基、炭素数6〜9の含フッ素アリール基、炭素数3〜9の含フッ素アリル基、オキソ基及びハロゲン元素から選ばれる基が挙げられ、より好ましくは、ニトロ基、炭素数1〜5のフルオロアルキル基、ニトリル基、炭素数1〜5のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜5のアシル基、炭素数6〜9のアリールスルホニル基、炭素数6〜9のアリールカルボニル基、オキソ基及びハロゲン元素から選ばれる基である。
以下に、一般式(L−I)及び一般式(L−II)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。
【0063】
【化11】
【0064】
【化12】
【0065】
一般式(L−I)及び一般式(L−II)で表される化合物の添加量は、最上層全固形分に対して0.1〜50質量%が好ましく、さらには、1〜30質量%がより好ましい。0.1質量%未満では効果が少なく、50質量%を超えて添加した場合、画像形成性が劣る。
本発明に用いられるラクトン化合物は、いずれか1種を用いても、2種以上を併用してもよい。また2種類以上の一般式(L−I)の化合物、又は2種類以上の一般式(L−II)の化合物を用いる場合、合計添加量が上記範囲内であれば任意の比率で併用することができる。
【0066】
そのほか、オニウム塩、o−キノンジアジド化合物、芳香族スルホン化合物、芳香族スルホン酸エステル化合物等の、熱分解性であり、且つ、分解しない状態では、アルカリ可溶性樹脂の溶解性を実質的に低下させる物質を併用することが画像部の現像液へのインヒビションの向上を図る点で好ましい。
【0067】
本発明において用いられるオニウム塩としては、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、セレノニウム塩、アルソニウム塩等を挙げられ、特に好適なものとしては、例えば、S.I.Schlesinger,Photogr.Sci.Eng.,18,387(1974)、T.S.Balet al,Polymer,21,423(1980)、特開平5−158230号公報に記載のジアゾニウム塩、米国特許第4,069,055号、同4,069,056号各明細書、特開平3−140140号公報に記載のアンモニウム塩、D.C.Necker et al,Macromolecules,17,2468(1984)、C.S.Wen et al,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988)、米国特許第4,069,055号、同4,069,056号各明細書に記載のホスホニウム塩、
【0068】
J.V.Crivello et al,Macromorecules,10(6),1307(1977)、Chem.&Eng.News,Nov.28,p31(1988)、欧州特許第104,143号、米国特許第5,041,358号、同第4,491,628号各明細書、特開平2−150848号、特開平2−296514号各公報に記載のヨードニウム塩、J.V.Crivello et al,Polymer J.17,73(1985)、J.V.Crivelloet al.J.Org.Chem.,43,3055(1978)、W.R.Watt et al,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,22,1789(1984)、J.V.Crivello et al,Polymer Bull.,14,279(1985)、
【0069】
J.V.Crivello et al,Macromorecules,14(5),1141(1981)、J.V.Crivello et al,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,2877(1979)、欧州特許第370,693号、同233,567号、同297,443号、同297,442号、米国特許第4,933,377号、同3,902,114号、同4,491,628号、同4,760,013号、同4,734,444号、同2,833,827号、独国特許第2,904,626号、同3,604,580号、同3,604,581号の各明細書に記載のスルホニウム塩、
【0070】
J.V.Crivello et al,Macromorecules,10(6),1307(1977)、J.V.Crivello et al,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,1047(1979)に記載のセレノニウム塩、C.S.Wen et al,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988)に記載のアルソニウム塩等があげられる。
このようなオニウム塩のなかでも、ジアゾニウム塩が特に好ましい。また、特に好適なジアゾニウム塩としては特開平5−158230号公報記載のものがあげられる。
【0071】
オニウム塩の対イオンとしては、四フッ化ホウ酸、六フッ化リン酸、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸、5−ニトロ−o−トルエンスルホン酸、5−スルホサリチル酸、2,5−ジメチルベンゼンスルホン酸、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホン酸、2−ニトロベンゼンスルホン酸、3−クロロベンゼンスルホン酸、3−ブロモベンゼンスルホン酸、2−フルオロカプリルナフタレンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、1−ナフトール−5−スルホン酸、2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイル−ベンゼンスルホン酸、及びパラトルエンスルホン酸等を挙げることができる。これらの中でも特に六フッ化リン酸、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸や2,5−ジメチルベンゼンスルホン酸のごときアルキル芳香族スルホン酸が好適である。
【0072】
好適なキノンジアジド類としてはo−キノンジアジド化合物を挙げることができる。本発明に用いられるo−キノンジアジド化合物は、少なくとも1個のo−キノンジアジド基を有する化合物で、熱分解によりアルカリ可溶性を増すものであり、種々の構造の化合物を用いることができる。つまり、o−キノンジアジドは熱分解により現像抑制剤としてのインヒビションを失うことと、o−キノンジアジド自身がアルカリ可溶性の物質に変化することの両方の効果により最上層の溶解性を助ける。
そのようなo−キノンジアジド化合物としては、例えば、J.コーサー著「ライト−センシティブ・システムズ」(John Wiley&Sons.Inc.)第339〜352頁に記載の化合物が使用できるが、特に種々の芳香族ポリヒドロキシ化合物あるいは芳香族アミノ化合物と反応させたo−キノンジアジドのスルホン酸エステル又はスルホン酸アミドが好適である。また、特公昭43−28403号公報に記載されているようなベンゾキノン(1,2)−ジアジドスルホン酸クロライド又はナフトキノン−(1、2)−ジアジド−5−スルホン酸クロライドとピロガロール−アセトン樹脂とのエステル、米国特許第3,046,120号及び同第3,188,210号各明細書に記載されているベンゾキノン−(1,2−ジアジドスルホン酸クロライド又はナフトキノン−(1,2)−ジアジド−5スルホン酸クロライドとフェノール−ホルムアルデヒド樹脂とのエステルも好適に使用される。
【0073】
さらにナフトキノン−(1,2)−ジアジド−4−スルホン酸クロライドとフェノールホルムアルデヒド樹脂あるいはクレゾール−ホルムアルデヒド樹脂とのエステル、ナフトキノン−(1,2)−ジアジド−4−スルホン酸クロライドとピロガロール−アセトン樹脂とのエステルも同様に好適に使用される。その他の有用なo−キノンジアジド化合物としては、数多くの特許に報告され知られている。例えば特開昭47−5303号、特開昭48−63802号、特開昭48−63803号、特開昭48−96575号、特開昭49−38701号、特開昭48−13354号、特公昭41−11222号、特公昭45−9610号、特公昭49−17481号などの各公報、および米国特許第2,797,213号、同第3,454,400号、同第3,544,323号、同第3,573,917号、同第3,674,495号、同第3,785,825号、英国特許第1,227,602号、同第1,251,345号、同第1,267,005号、同第1,329,888号、同第1,330,932号、ドイツ特許第854,890号などの各明細書中に記載されているものをあげることができる。
【0074】
o−キノンジアジド化合物の添加量は好ましくは最上層全固形分に対し、1〜50質量%、更に好ましくは5〜30質量%、特に好ましくは10〜30質量%の範囲である。これらの化合物は単一で使用できるが、数種の混合物として使用してもよい。
また特開平11−288089号公報記載の少なくとも一部がエステル化されたアルカリ可溶性樹脂を含んでも良い。
【0075】
また、記録層表面のインヒビションの強化とともに表面のキズに対する抵抗力を強化する目的で、特開2000−187318号公報に記載されているような、分子中に炭素数3〜20のパーフルオロアルキル基を2又は3個有する(メタ)アクリレート単量体を重合成分とする重合体を併用することが好ましい。
添加量としては、最上層全固形分に対し、0.1〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜5質量%である。
【0076】
本発明の平版印刷版用原版の記録層は、前記最上層と、該最上層と親水性支持体との間に設けられる下層との重層構造をとる。このような構成の記録層の場合、画像部領域においては前記最上層が良好な膜性と耐アルカリ現像性を有するため、画像部表面は高い耐傷性と耐アルカリ現像性を有するが、露光部即ち非画像部領域で現像抑制剤による耐現像性が露光により速やかに解除され、最上層が現像除去されると高い現像性を有する下層が露出し、それ自体が有する高いアルカリ水溶液に対する溶解性が発現し、速やかに除去されて親水性の支持体が露出し、非画像部に汚れの無い優れた画像が形成される。以下に、下層について説明する。
【0077】
〔水不溶性且つアルカリ可溶性樹脂を含有する下層〕
本発明に係る下層は、水不溶性且つアルカリ可溶性樹脂を含有することを特徴とする。
このようなアルカリ可溶性樹脂としては、下層自体が、特に非画像部領域において、高いアルカリ可溶性を発現することを要するため、この特性を損なわない樹脂を選択する必要がある。この観点から、前記最上層に用いられた水不溶性且つアルカリ可溶性樹脂が好ましく挙げられる。これらのなかでも、感度、画像形成性の観点からは最上層に用いられるアルカリ可溶性樹脂よりも相互作用を形成し難く、アルカリ現像液に対する溶解性に優れた樹脂を選択することが好ましく、例えば、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、アセタール樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、スチレン系樹脂、ウレタン樹脂等を好ましく挙げることができる。
【0078】
下層に用いるアルカリ可溶性樹脂としては、最上層を塗布する際にその塗布溶媒により溶解されない、溶剤溶解性の低い樹脂を選択することが重要となる。このような樹脂を選択することで、2つの層の界面における所望されない相溶が抑制されるとともに、耐薬品性の一層の向上も期待できる。このような観点から上記の中でも、アセタール樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂が特に好ましい。
【0079】
以下、下層に好適に用いられるアルカリ可溶性樹脂について説明する。
まず、水不溶性且つアルカリ可溶性のアクリル樹脂(以下、適宜、単にアクリル樹脂と称する)について説明する。ここで用いられるアクリル樹脂は、水に不溶であり、且つ、アルカリ水溶液に可溶であれば特に制限はない。このようなアクリル樹脂は、前記最上層において好ましく用いられるフェノール性水酸基を有するアルカリ可溶性樹脂との相溶性が低いため、このような重層構造を形成するのに特に適しており、また、樹脂自体のアルカリ可溶性にも優れる。
アクリル樹脂としては、スルホンアミド基(−SO2NH−R、ここで、Rは、置換基を有していてもよい炭化水素基を表す。)、活性イミド基〔−SO2NHCOR、−SO2NHSO2R、−CONHSO2R、ここで、Rは、置換基を有していてもよい炭化水素基を表す。〕、カルボン酸基(−CO2H)、スルホン酸基(−SO3H)、リン酸基(−OPO3H2)などのアルカリ可溶性基を有し、且つ、先に最上層に用いたアルカリ可溶性樹脂の共重合性分として挙げた(m1)〜(m5)、すなわち、(m1)脂肪族水酸基を有するアクリル酸エステル類、及びメタクリル酸エステル類、(m2)アルキルアクリレート類、(m3)アルキルメタクリレート類、(m4)アクリルアミド若しくはメタクリルアミド、特に下層においては、さらに、アルキルマレイミド、アリールマレイミドなどの不活性イミド類、(m5)アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニトリル類などを構成成分として含む樹脂が挙げられる。また、特開平2−866号に記載のスルホンアミド基を有するアクリル系樹脂なども本発明に好適に適用し得る。
【0080】
アクリル樹脂の重量平均分子量は2,000以上、数平均分子量が500以上のものが好ましい。更に好ましくは、重量平均分子量が5,000〜300,000で、数平均分子量が800〜250,000であり、分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が1.1〜10のものである。
【0081】
次に、水不溶性且つアルカリ可溶性のポリウレタン樹脂(以下、適宜、単にポリウレタン樹脂と称する)について説明する。ここで用いられるポリウレタン樹脂としては、水に不溶であり、且つ、アルカリ水溶液に可溶であれば特に制限はないが、中でも、ポリマー主鎖にカルボキシル基を有するものが好ましく、具体的には、下記一般式(I)で表わされるジイソシアネート化合物と、下記一般式(II)または一般式(III)で表されるカルボキシル基を有するジオール化合物の少なくとも1種と、の反応生成物を基本骨格とするポリウレタン樹脂が挙げられる。
【0082】
【化13】
【0083】
式(I)中、R1は二価の連結基を表す。そのような二価の連結基としては、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、または、芳香族炭化水素が挙げられ、好ましくは、炭素数2〜10のアルキレン基、炭素数6〜30のアリーレン基が挙げられる。アリーレン基としては、2つ以上の環構造が、単結合またはメチレン基などの2価の有機連結基により結合されたものや、縮合多環構造を形成したものであってもよい。また、必要に応じて、R1は式(I)におけるイソシアネート基と反応しない他の官能基、例えばエステル、ウレタン、アミド、ウレイド基等を有していてもよい。
さらに、R1は置換基を有していてもよく、導入可能な置換基としては、ハロゲン原子(−F、−Cl、−Br、−I)、アルキル基、アルコキシル基、アルキルエステル基、シアノ基など、該イソシアネート基に不活性な置換基が挙げられる。
また、本発明に用いられるジイソシアネート化合物としては、上記一般式(I)で表される範囲のもの以外にも、例えば、後述するジオール化合物からなるオリゴマーまたはポリマーなどの高分子化合物の両末端に、イソシアネート基を有する高分子量のジイソシアネート化合物などを用いることもできる。
【0084】
式(II)中、R2は水素原子、アルキル基、アラルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリーロキシ基を表す。ここで、R2は置換基を有していてもよく、導入可能な置換基としては、シアノ基、ニトロ基、ハロゲン原子(−F、−Cl、−Br、−I)、−CONH2、−COOR6、−OR6、−NHCONHR6、−NHCOOR6、−NHCOR6、−OCONHR6、−CONHR6(ここで、R6は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数7〜15のアラルキル基を示す。)などが挙げられる。
好ましいR2としては水素原子、炭素数1〜8個の無置換のアルキル基、炭素数6〜15個の無置換のアリール基が挙げられる。
【0085】
式(II)または(III)中、R3、R4、R5はそれぞれ同一でも相異していてもよく、単結合、または二価の連結基を表す。そのような二価の連結基としては、脂肪族炭化水素、または、芳香族炭化水素が挙げられる。ここで、R3、R4、R5は置換基を有していてもよく、導入可能な置換基としては、アルキル基、アラルキル基、アリール基、アルコキシ基、ハロゲン原子(−F、−Cl、−Br、−I)などが挙げられる。
好ましいR3、R4、R5としては、炭素数1〜20個の無置換のアルキレン基、炭素数6〜15個の無置換のアリーレン基が挙げられ、更に好ましいものとしては炭素数1〜8個の無置換のアルキレン基が挙げられる。また、必要に応じて、R3、R4、R5は上記式(I)におけるイソシアネート基と反応しない他の官能基、例えばエステル、ウレタン、アミド、ウレイド、エーテル基を有していてもよい。
また、上記R2、R3、R4、R5は、これらのうち2つあるいは3つが互いに結合して環構造を形成していてもよい。
【0086】
式(III)中、Arは置換基を有していてもよい三価の芳香族炭化水素を表し、好ましくは炭素数6〜15個のアリーレン基を示す。
【0087】
上記一般式(I)で示されるジイソシアネート化合物の具体例としては以下に示すものが挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
2,4−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートの二量体、2,6−トリレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、3,3’−ジメチルビフェニル−4,4’−ジイソシアネート等の如き芳香族ジイソシアネート化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート等の如き脂肪族ジイソシアネート化合物;イソホロンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、メチルシクロヘキサン−2,4(又は2,6)ジイソシアネート、1,3−(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等の如き脂環族ジイソシアネート化合物;1,3−ブチレングリコール1モルとトリレンジイソシアネート2モルとの付加体等の如きジオールとジイソシアネートとの反応物であるジイソシアネート化合物等が挙げられる。
中でも、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネートのような芳香族環を有するものが耐傷性の観点より好ましい。
【0088】
また、上記一般式(II)又は(III)で示されるカルボキシル基を有するジオール化合物の具体例としては以下に示すものが挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
3,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシエチル)プロピオン酸、2,2−ビス(3−ヒドロキシプロピルプロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)酢酸、ビス−(4−ヒドロキシフェニル)酢酸、4,4−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン酸、酒石酸等が挙げられる。
中でも、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシエチル)プロピオン酸がイソシアネートとの反応性の観点より好ましい。
【0089】
なお、本発明に係るポリウレタン樹脂は、上記一般式(I)で示されるジイソシアネート化合物、および、一般式(II)又は(III)で表されるカルボキシル基を有するジオール化合物を、それぞれ2種以上用いて形成されたものであってもよい。
また、一般式(II)又は(III)で示されるカルボキシル基を有するジオール化合物の他に、カルボキシル基を有さず、且つ、式(I)中のイソシアネート基と反応しない置換基を有していてもよいジオール化合物を、アルカリ現像性を低下させない程度に併用することもできる。
【0090】
本発明に係るポリウレタン樹脂は上記ジイソシアネート化合物およびジオール化合物を非プロトン性溶媒中、それぞれの反応性に応じた活性を有する公知の触媒を添加し、加熱することにより合成することができる。
使用するジイソシアネートおよびジオール化合物のモル比は、好ましくは0.8:1〜1.2:1であり、ポリマー末端にイソシアネート基が残存した場合、アルコール類又はアミン類等で処理することにより、最終的にイソシアネート基が残存しない形で合成される。
【0091】
本発明に係るポリウレタン樹脂の分子量は、好ましくは重量平均分子量で1,000以上であり、更に好ましくは5,000〜10万の範囲である。これらのポリウレタン樹脂は単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
【0092】
次に、水不溶性且つアルカリ可溶性のアセタール樹脂について説明する。ここで用いられるアセタール樹脂は、ポリビニルアセタール樹脂として知られているものであって、水に不溶であり、且つ、アルカリ水溶液に可溶であれば特に制限はないが、中でも、下記一般式(IV)で表されるポリビニルアセタール樹脂が好ましい。
【0093】
【化14】
【0094】
上記一般式(IV)で表されるポリビニルアセタール樹脂は、前記構成単位のうち、ビニルアセタール成分である構成単位(i)及びカルボキシル基を含有するエステル成分である構成単位(iv)を必須とし、ビニルアルコール成分である構成単位(ii)及び無置換のエステル成分である構成単位(iii)を任意成分とする、構成単位(i)〜(iv)から形成され、それぞれの構成単位を少なくとも1種以上有することができる。なお、n1〜n4は各構成単位の構成比(モル%)を示す。
【0095】
上記構成単位(i)中、R1は置換基を有していてもよいアルキル基、水素原子、カルボキシル基、またはジメチルアミノ基を表す。置換基としては、カルボキシル基、ヒドロキシル基、クロル基、ブロム基、ウレタン基、ウレイド基、3級アミノ基、アルコキシ基、シアノ基、ニトロ基、アミド基、エステル基などが挙げられる。
R1の具体例としては、水素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、カルボキシ基、ハロゲン原子(−Br、−Clなど)またはシアノ基で置換されたメチル基、3−ヒドロキシブチル基、3−メトキシブチル基、フェニル基等が挙げられ、中でも水素原子、プロピル基、フェニル基が特に好ましい。
また、n1は5〜85モル%の範囲であることが好ましく、特に、25〜70モル%の範囲であることがより好ましい。n1の値が5モル%より小さくなると膜強度が弱くなり、n1の値が85モル%より大きくなると塗布溶剤に溶解しにくくなってしまう。
【0096】
上記構成単位(ii)中、n2は0〜60モル%の範囲であることが好ましく、特に10〜45モル%の範囲であることがより好ましい。この構成単位(ii)は水に対する親和性に優れるため、n2の値が60モル%より大きくなると水に対する膨潤性が増大し、耐刷性が劣化する。
【0097】
上記構成単位(iii)中、R2は置換基を有さないアルキル基を表す。中でも、炭素数1〜10のアルキル基が好ましく、特にメチル基、エチル基が現像性の観点から好ましい。
n3は0〜20モル%の範囲であることが好ましく、特に1〜10モル%の範囲であることがより好ましい。n3の値が20モル%より大きくなると耐刷性が低下するため好ましくない。
【0098】
上記構成単位(iv)中、R3はカルボキシル基を有する脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、または、芳香族炭化水素基を表し、これらの炭化水素基は、炭素数1〜20であることが好ましい。また、この構成単位(iv)中のこれら炭化水素基は、主に、無水コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水cis−4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸等の酸無水物とポリビニルアセタールの残存−OHを反応させて得られる炭化水素基であることが好ましく、中でも、無水フタル酸、無水コハク酸を反応させて得られるものがより好ましい。また、他の環状酸無水物を用いて得られたものであってもよい。
なお、R3はカルボキシル基以外の置換基を有していてもよい。このような置換基としては、以下の構造で示されるものが挙げられる。
【0099】
【化15】
【0100】
前記式中R4としては、置換基を有してもよい炭素数1〜20のアルキル基、アラルキル基、あるいはアリール基が上げられ、ここに導入可能な置換基としては−OH,−C≡N,−CL,−Br,−NO2があげられる。
【0101】
R3の具体例としては、以下に示すものが挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0102】
【化16】
【0103】
n4は3〜60モル%の範囲であることが好ましく、特に10〜55モル%の範囲であることがより好ましい。n4の値が60モル%より大きくなると現像が過剰になり網点や細線に欠陥が出やすくなる。また、n4の値が3モル%より小さくなると、現像不良が生じやすくなる。
【0104】
上記一般式(IV)で表されるポリビニルアセタール樹脂は、ポリビニルアルコールをアルデヒドによりアセタール化し、さらにその残存ヒドロキシ基と酸無水物とを反応させる方法で合成することができる。
ここで用いられるアルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、ペンチルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、グリオキシル酸、N,N−ジメチルホルムアミドジ−n−ブチルアセタール、ブロモアセトアルデヒド、クロルアセトアルデヒド、3−ヒドロキシ−n−ブチルアルデヒド、3−メトキシ−n−ブチルアルデヒド、3−(ジメチルアミノ)−2,2−ジメチルプロピオンアルデヒド、シアノアセトアルデヒド等が挙げられるがこれに限定されない。
【0105】
本発明に係るポリビニルアセタール樹脂の酸含有量は、0.5〜5.0meq/g(即ち、KOHのmg数で84〜280)の範囲であることが好ましく、1.0〜3.0meq/gであることがより好ましい。
また、本発明に係るポリビニルアセタール樹脂の分子量としては、ゲルパーミネーションクロマトグラフィーにより測定した重量平均分子量で、約5000〜40万程度であることが好ましく、約2万〜30万程度であることがより好ましい。なお、これらのポリビニルアセタール樹脂は、単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
【0106】
本発明に係る下層成分中のアルカリ可溶性樹脂の含有量は、全固形分中、約40〜95質量%、好ましくは約50〜90質量%である。
下層には、前記アルカリ可溶性樹脂に加えて、後述する光熱変換剤や種々の添加剤を併用することができる。
【0107】
(光熱変換剤)
本発明の平版印刷版用原版には、上記下層および最上層の少なくとも一方に、光熱変換剤を添加する必要があるが、下層および最上層の両層に添加するのが好ましい。
光熱変換剤としては、光を吸収して熱に変換する物質であれば特に制限はないが、特に赤外光を吸収し熱を発生する染料、即ち赤外線吸収剤が好ましい。
【0108】
本発明に係る光熱変換剤としては、市販の染料及び文献(例えば「染料便覧」有機合成化学協会編集、昭和45年刊)に記載されている公知のものが利用できる。具体的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料などの染料が挙げられる。本発明において、これらの染料のうち赤外光、もしくは近赤外光を吸収するものが、赤外光もしくは近赤外光を発光するレーザでの利用に適する点で特に好ましい。
【0109】
そのような赤外光、もしくは近赤外光を吸収する染料としては例えば特開昭58−125246号、特開昭59−84356号、特開昭59−202829号、特開昭60−78787号各公報等に記載されているシアニン染料、特開昭58−173696号、特開昭58−181690号、特開昭58−194595号各公報等に記載されているメチン染料、特開昭58−112793号、特開昭58−224793号、特開昭59−48187号、特開昭59−73996号、特開昭60−52940号、特開昭60−63744号各公報等に記載されているナフトキノン染料、特開昭58−112792号公報等に記載されているスクワリリウム色素、英国特許434,875号明細書記載のシアニン染料等を挙げることができる。
【0110】
また、染料として米国特許第5,156,938号明細書記載の近赤外吸収増感剤も好適に用いられ、また、米国特許第3,881,924号明細書記載の置換されたアリールベンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−142645号公報(米国特許第4,327,169号明細書)記載のトリメチンチアピリリウム塩、特開昭58−181051号、同58−220143号、同59−41363号、同59−84248号、同59−84249号、同59−146063号、同59−146061号各公報に記載されているピリリウム系化合物、特開昭59−216146号公報記載のシアニン色素、米国特許第4,283,475号明細書に記載のペンタメチンチオピリリウム塩等や特公平5−13514号、同5−19702号各公報に開示されているピリリウム化合物等が、市販品としては、エポリン社製のEpolight III−178、Epolight III−130、Epolight III−125等が、特に好ましく用いられる。
また、染料として特に好ましい別の例として米国特許第4,756,993号明細書中に式(I)、(II)として記載されている近赤外吸収染料を挙げることができる。
【0111】
これらの光熱変換剤は、感度の観点から記録層の最上層或いはその近傍に添加することが好ましい。特にシアニン色素の如き溶解抑制能を有するものを、前記アルカリ可溶性樹脂とともに添加すると、高感度化と同時に、未露光部に耐アルカリ溶解性を持たせることができる。また、これらの光熱変換剤は、下層に添加しても上下層双方に添加してもよい。下層に添加することでさらに高感度化することが可能である。最上層と下層の双方に光熱変換剤を添加する場合には、互いに同じ化合物を用いてもよく、また異なる化合物を用いてもよい。
また、これらの光熱変換剤は記録層と同一の層に添加してもよいし、別の層を設けそこへ添加してもよい。別の層とする場合、記録層に隣接する層へ添加するのが望ましい。
さらに、光熱変換剤が溶解抑制能を有する化合物である場合には、前記アルカリ可溶性樹脂と同一の層に含まれることにより、該光熱変換剤が光熱変換機能のみならず、前記現像抑制剤としても機能するため好ましい。
【0112】
光熱変換剤の添加量としては、最上層に添加する場合、最上層全固形分に対し0.01〜50質量%、好ましくは0.1〜30質量%、特に好ましくは1.0〜30質量%の割合で添加することができる。添加量が0.01質量%未満であると感度が低くなり、また50質量%を超えると上部記録層の均一性が失われ、上部記録層の耐久性が悪くなる。
【0113】
また、下層に添加する場合、下層全固形分に対し0〜20質量%、好ましくは0〜10質量%、特に好ましくは0〜5質量%の割合で添加することができる。下層に光熱変換剤を添加する場合、溶解抑制能を有する光熱変換剤を用いると下層の溶解性が低下するが、一方、光熱変換剤が赤外線レーザ露光時に発熱し、熱による下層の溶解性向上が期待できるため、これらのバランスを考慮して添加する化合物及び添加量を選択すべきである。なお、支持体近傍の0.2〜0.3μmの領域では露光時に発生した熱が支持体に拡散するなどして、熱による溶解性向上効果が得難く、赤外吸収染料添加による下層の溶解性低下が感度を低下させる要因となる場合がある。従って、先に示した添加量の範囲の中においても、下層の現像液(25℃〜30℃)に対する溶解速度が30nm/secを下回る如き添加量は好ましくない。
【0114】
(その他の添加剤)
前記記録層の下層および最上層を形成するにあたっては、上記の必須成分の他、本発明の効果を損なわない限りにおいて、更に必要に応じて、種々の添加剤を添加することができる。以下に挙げる添加剤は下層のみに添加してもよいし、最上層のみに添加してもよいし、両方の層に添加してもよい。
【0115】
<現像促進剤>
本発明に係る記録層である最上層および/または下層には、感度を向上させる目的で、酸無水物類、フェノール類、有機酸類を添加してもよい。
酸無水物類としては環状酸無水物が好ましく、具体的に環状酸無水物としては米国特許第4,115,128号明細書に記載されている無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、3,6−エンドオキシ−テトラヒドロ無水フタル酸、テトラクロル無水フタル酸、無水マレイン酸、クロル無水マレイン酸、α−フェニル無水マレイン酸、無水コハク酸、無水ピロメリット酸などが使用できる。非環状の酸無水物としては無水酢酸などが挙げられる。
【0116】
フェノール類としては、ビスフェノールA、2,2′−ビスヒドロキシスルホン、p−ニトロフェノール、p−エトキシフェノール、2,4,4’−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、4,4’,4”−トリヒドロキシトリフェニルメタン、4,4’,3”,4”−テトラヒドロキシ−3,5,3’,5’−テトラメチルトリフェニルメタンなどが挙げられる。
【0117】
有機酸類としては、特開昭60−88942号、特開平2−96755号公報などに記載されている、スルホン酸類、スルフィン酸類、アルキル硫酸類、ホスホン酸類、リン酸エステル類及びカルボン酸類などがあり、具体的には、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルフィン酸、エチル硫酸、フェニルホスホン酸、フェニルホスフィン酸、リン酸フェニル、リン酸ジフェニル、安息香酸、イソフタル酸、アジピン酸、p−トルイル酸、3,4−ジメトキシ安息香酸、フタル酸、テレフタル酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、エルカ酸、ラウリン酸、n−ウンデカン酸、アスコルビン酸などが挙げられる。
上記の酸無水物、フェノール類及び有機酸類の下層あるいは最上層の全固形分に占める割合は、0.05〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜15質量%、特に好ましくは0.1〜10質量%である。
【0118】
<界面活性剤>
本発明に係る記録層である最上層および/または下層には、塗布性を良化するため、また、現像条件に対する処理の安定性を広げるため、特開昭62−251740号公報や特開平3−208514号公報に記載されているような非イオン界面活性剤、特開昭59−121044号公報、特開平4−13149号公報に記載されているような両性界面活性剤、欧州特許第950517号明細書に記載されているようなシロキサン系化合物、特開昭62−170950号公報、特開平11−288093号公報、特願2001−247351明細書に記載されているようなフッ素含有のモノマー共重合体を添加することができる。
【0119】
非イオン界面活性剤の具体例としては、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタントリオレート、ステアリン酸モノグリセリド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等が挙げられる。両性活性剤の具体例としては、アルキルジ(アミノエチル)グリシン、アルキルポリアミノエチルグリシン塩酸塩、2−アルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインやN−テトラデシル−N,N−ベタイン型(例えば、商品名「アモーゲンK」:第一工業(株)製)等が挙げられる。
【0120】
シロキサン系化合物としては、ジメチルシロキサンとポリアルキレンオキシドのブロック共重合体が好ましく、具体例として、(株)チッソ社製、DBE−224、DBE−621、DBE−712、DBP−732、DBP−534、独Tego社製、Tego Glide100等のポリアルキレンオキシド変性シリコーンを挙げることが出来る。
上記非イオン界面活性剤及び両性界面活性剤の下層あるいは最上層の全固形分に占める割合は、0.01〜15質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜5.0質量%、さらに好ましくは0.05〜2.0質量%である。
【0121】
<焼出し剤/着色剤>
本発明に係る記録層である最上層および/または下層には、露光による加熱後直ちに可視像を得るための焼き出し剤や、画像着色剤としての染料や顔料を加えることができる。
焼出し剤としては、露光による加熱によって酸を放出する化合物(光酸放出剤)と塩を形成し得る有機染料の組合せを代表として挙げることができる。具体的には、特開昭50−36209号、同53−8128号の各公報に記載されているo−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸ハロゲニドと塩形成性有機染料の組合せや、特開昭53−36223号、同54−74728号、同60−3626号、同61−143748号、同61−151644号及び同63−58440号の各公報に記載されているトリハロメチル化合物と塩形成性有機染料の組合せを挙げることができる。かかるトリハロメチル化合物としては、オキサゾール系化合物とトリアジン系化合物とがあり、どちらも経時安定性に優れ、明瞭な焼き出し画像を与える。
【0122】
画像着色剤としては、前述の塩形成性有機染料以外に他の染料を用いることができる。塩形成性有機染料を含めて、好適な染料として油溶性染料と塩基性染料をあげることができる。具体的にはオイルイエロー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−505(以上オリエント化学工業(株)製)、ビクトリアピュアブルー、クリスタルバイオレットラクトン、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレット(CI42535)、エチルバイオレット、ローダミンB(CI145170B)、マラカイトグリーン(CI42000)、メチレンブルー(CI52015)などを挙げることができる。また、特開昭62−293247号公報に記載されている染料は特に好ましい。
これらの染料は、下層あるいは最上層の全固形分に対し、0.01〜10質量%、好ましくは0.1〜3質量%の割合で添加することができる。
【0123】
<可塑剤>
本発明に係る記録層である最上層および/または下層には、塗膜の柔軟性等を付与するために可塑剤を添加しても良い。例えば、ブチルフタリル、ポリエチレングリコール、クエン酸トリブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチル、オレイン酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸又はメタクリル酸のオリゴマー及びポリマー等が用いられる。
これらの可塑剤は、下層あるいは最上層の全固形分に対し、0.5〜10質量%、好ましくは1.0〜5.0質量%の割合で添加することができる。
【0124】
<WAX剤>
本発明に係る最上層には、キズに対する抵抗性を付与する目的で、表面の静摩擦係数を低下させる化合物を添加することもできる。具体的には、米国特許第6,117,913号明細書、或いは本願出願人が先に提案した特願2001−261627、特願2002−032904、特願2002−165584の各明細書に記載されているいるような、長鎖アルキルカルボン酸のエステルを有する化合物などを挙げることが出来る。添加量として好ましいのは、最上層中に占める割合が0.1〜10質量%、より好ましくは0.5〜5質量%である。
【0125】
〔記録層の形成〕
本発明の平版印刷版用原版における下層及び最上層は、通常上記各成分を溶剤に溶かして、適当な支持体上に塗布することにより形成することができる。
ここで使用する溶剤としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジメトキシエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラメチルウレア、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロラクトン、トルエン等をあげることができるがこれに限定されるものではない。これらの溶剤は単独あるいは混合して使用される。
【0126】
なお、該下層および最上層は、原則的に2つの層を分離して形成することが好ましい。
2つの層を分離して形成する方法としては、例えば、下層に含まれる成分と、最上層に含まれる成分との溶剤溶解性の差を利用する方法、または、最上層を塗布した後、急速に溶剤を乾燥、除去させる方法等が挙げられる。
以下、これらの方法について詳述するが、2つの層を分離して塗布する方法はこれらに限定されるものではない。
【0127】
下層に含まれる成分と最上層に含まれる成分との溶剤溶解性の差を利用する方法としては、最上層用塗布液を塗布する際に、下層に含まれる成分のいずれもが不溶な溶剤系を用いるものである。これにより、二層塗布を行っても、各層を明確に分離して塗膜にすることが可能になる。例えば、下層成分として、最上層成分であるアルカリ可溶性樹脂を溶解するメチルエチルケトンや1−メトキシ−2−プロパノール等の溶剤に不溶な成分を選択し、該下層成分を溶解する溶剤系を用いて下層を塗布・乾燥し、その後、アルカリ可溶性樹脂を主体とする最上層成分をメチルエチルケトンや1−メトキシ−2−プロパノール等で溶解し、塗布・乾燥することにより二層化が可能になる。
【0128】
次に、2層目(上層)を塗布後に、極めて速く溶剤を乾燥させる方法としては、ウェブの走行方向に対してほぼ直角に設置したスリットノズルより高圧エアーを吹きつける方法や、蒸気等の加熱媒体を内部に供給されたロール(加熱ロール)よりウェブの下面から伝導熱として熱エネルギーを与える方法、あるいはそれらの方法の組み合わせを挙げることができる。
【0129】
また、新たな機能を付与するために、本発明の効果を充分に発揮する範囲において、積極的に最上層および下層の部分相溶を行う場合もある。この場合、溶剤溶解性の差、最上層を塗布後の溶剤の乾燥速度、等を制御することにより部分相溶が可能となる。
【0130】
支持体上に塗布される下層/最上層用塗布液中の、溶剤を除いた前記成分(添加剤を含む全固形分)の濃度は、好ましくは1〜50質量%である。
塗布する方法としては、種々の方法を用いることができるが、例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布等を挙げることができる。
特に、最上層塗布時に下層へのダメージを防ぐため、最上層塗布方法は非接触式である事が望ましい。また接触型ではあるが溶剤系塗布に一般的に用いられる方法としてバーコーター塗布を用いる事も可能であるが、下層へのダメージを防止するために順転駆動で塗布する事が望ましい。
【0131】
本発明の平版印刷版用原版の支持体上に塗布される下層成分の乾燥後の塗布量は、0.5〜4.0g/m2の範囲にあることが好ましく、更に好ましくは0.6〜2.5g/m2の範囲である。0.5g/m2以上とすることで耐刷性に優れ、また4.0g/m2以下とすることで良好な画像再現性および感度が得られる。
また、最上層成分の乾燥後の塗布量は、0.05〜1.0g/m2の範囲にあることが好ましく、更に好ましくは0.08〜0.7g/m2の範囲である。0.05g/m2以上とすることで、良好な現像ラチチュード、耐傷性が得られ、1.0g/m2以下とすることで良好な感度が得られる。
下層および最上層を合わせた乾燥後の塗布量としては、0.6〜4.0g/m2の範囲にあることが好ましく、更に好ましくは0.7〜2.5g/m2の範囲である。0.6g/m2以上とすることで良好な耐刷性が得られ、4.0g/m2以下とすることで良好な画像再現性および感度が得られる。
【0132】
〔支持体〕
本発明の平版印刷版用原版に使用される支持体としては、必要な強度と耐久性を備えた寸度的に安定な板状物であれば特に制限はなく、例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、上記のごとき金属がラミネート、もしくは蒸着された紙、もしくはプラスチックフィルム等が挙げられる。
【0133】
中でも、本発明においては、ポリエステルフィルム又はアルミニウム板が好ましく、その中でも寸度安定性がよく、比較的安価であるアルミニウム板は特に好ましい。好適なアルミニウム板は、純アルミニウム板及びアルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合金板であり、更にアルミニウムがラミネートもしくは蒸着されたプラスチックフィルムでもよい。アルミニウム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタンなどがある。合金中の異元素の含有量は高々10質量%以下である。
【0134】
本発明において特に好適なアルミニウムは、純アルミニウムであるが、完全に純粋なアルミニウムは精錬技術上製造が困難であるので、僅かに異元素を含有するものでもよい。
このように本発明に適用されるアルミニウム板は、その組成が特定されるものではなく、従来より公知公用の素材のアルミニウム板を適宜に利用することができる。本発明で用いられるアルミニウム板の厚みはおよそ0.1mm〜0.6mm程度、好ましくは0.15mm〜0.4mm、特に好ましくは0.2mm〜0.3mmである。
【0135】
このようなアルミニウム板には、必要に応じて粗面化処理、陽極酸化処理などの表面処理を行なってもよい。以下、このような表面処理について簡単に説明する。
アルミニウム板を粗面化するに先立ち、所望により、表面の圧延油を除去するための例えば界面活性剤、有機溶剤又はアルカリ性水溶液などによる脱脂処理が行われる。アルミニウム板の表面の粗面化処理は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的に粗面化する方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法及び化学的に表面を選択溶解させる方法により行われる。機械的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法などの公知の方法を用いることができる。また、電気化学的な粗面化法としては塩酸又は硝酸電解液中で交流又は直流により行う方法がある。また、特開昭54−63902号公報に開示されているように両者を組み合わせた方法も利用することができる。
以上のように粗面化されたアルミニウム板は、必要に応じてアルカリエッチング処理及び中和処理された後、所望により表面の保水性や耐摩耗性を高めるために陽極酸化処理が施される。アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられる電解質としては、多孔質酸化皮膜を形成する種々の電解質の使用が可能で、一般的には硫酸、リン酸、蓚酸、クロム酸あるいはそれらの混酸が用いられる。それらの電解質の濃度は電解質の種類によって適宜決められる。
【0136】
陽極酸化の処理条件は用いる電解質により種々変わるので一概に特定し得ないが一般的には電解質の濃度が1〜80質量%溶液、液温は5〜70℃、電流密度5〜60A/dm2、電圧1〜100V、電解時間10秒〜5分の範囲であれば適当である。陽極酸化皮膜の量は1.0g/m2より少ないと耐刷性が不十分であったり、平版印刷版の非画像部に傷が付き易くなって、印刷時に傷の部分にインキが付着するいわゆる「傷汚れ」が生じ易くなる傾向がある。
陽極酸化処理を施された後、アルミニウム表面は必要により親水化処理が施される。
【0137】
本発明に使用される親水化処理としては、米国特許第2,714,066号、同第3,181,461号、第3,280,734号及び第3,902,734号各明細書に開示されているようなアルカリ金属シリケート(例えばケイ酸ナトリウム水溶液)法がある。この方法においては、支持体がケイ酸ナトリウム水溶液で浸漬処理されるか又は電解処理される。他に特公昭36−22063号公報に開示されているフッ化ジルコン酸カリウム及び米国特許第3,276,868号、同第4,153,461号、同第4,689,272号各明細書に開示されているようなポリビニルホスホン酸で処理する方法などが用いられる。
【0138】
(下塗層)
本発明の平版印刷版用原版は、必要に応じて支持体と記録層との間に下塗層を設けることができる。
下塗層成分としては種々の有機化合物が用いられ、例えば、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、アラビアガム、2−アミノエチルホスホン酸などのアミノ基を有するホスホン酸類、置換基を有してもよいフェニルホスホン酸、ナフチルホスホン酸、アルキルホスホン酸、グリセロホスホン酸、メチレンジホスホン酸及びエチレンジホスホン酸などの有機ホスホン酸、置換基を有してもよいフェニルリン酸、ナフチルリン酸、アルキルリン酸及びグリセロリン酸などの有機リン酸、置換基を有してもよいフェニルホスフィン酸、ナフチルホスフィン酸、アルキルホスフィン酸及びグリセロホスフィン酸などの有機ホスフィン酸、グリシンやβ−アラニンなどのアミノ酸類、及びトリエタノールアミンの塩酸塩などのヒドロキシ基を有するアミンの塩酸塩等から選ばれるが、2種以上混合して用いてもよい。
【0139】
この有機下塗層は次のような方法で設けることができる。即ち、水又はメタノール、エタノール、メチルエチルケトンなどの有機溶剤もしくはそれらの混合溶剤に上記の有機化合物を溶解させた溶液をアルミニウム板上に塗布、乾燥して設ける方法と、水又はメタノール、エタノール、メチルエチルケトンなどの有機溶剤もしくはそれらの混合溶剤に上記の有機化合物を溶解させた溶液に、アルミニウム板を浸漬して上記化合物を吸着させ、その後水などによって洗浄、乾燥して有機下塗層を設ける方法である。前者の方法では、上記の有機化合物の0.005〜10質量%の濃度の溶液を種々の方法で塗布できる。また後者の方法では、溶液の濃度は0.01〜20質量%、好ましくは0.05〜5質量%であり、浸漬温度は20〜90℃、好ましくは25〜50℃であり、浸漬時間は0.1秒〜20分、好ましくは2秒〜1分である。これに用いる溶液は、アンモニア、トリエチルアミン、水酸化カリウムなどの塩基性物質や、塩酸、リン酸などの酸性物質によりpH1〜12の範囲に調整することもできる。また、記録層の調子再現性改良のために黄色染料を添加することもできる。
有機下塗層の被覆量は、2〜200mg/m2が適当であり、好ましくは5〜100mg/m2である。被覆量が上記範囲において十分な耐刷性能が得られる。
上記のようにして作製された平版印刷版用原版は、画像様に露光され、その後、現像処理を施される。
【0140】
(バックコート層)
本発明の平版印刷版用原版の支持体裏面には、必要に応じてバックコート層が設けられる。かかるバックコート層としては、特開平5−45885号公報記載の有機高分子化合物および特開平6−35174号公報記載の有機または無機金属化合物を加水分解および重縮合させて得られる金属酸化物からなる被覆層が好ましく用いられる。これらの被覆層のうち、Si(OCH3)4、Si(OC2H5)4、Si(OC3H7)4、Si(OC4H9)4などのケイ素のアルコキシ化合物が安価で入手し易く、それから得られる金属酸化物の被覆層が耐現像液に優れており特に好ましい。
【0141】
〔露光〕
本発明の平版印刷版用原版の像露光に用いられる活性光線の光源としては、近赤外から赤外領域に発光波長を持つ光源が好ましく、固体レーザ、半導体レーザが特に好ましい。
【0142】
〔現像処理〕
本発明の平版印刷版用原版の現像処理に適用することのできる現像液は、pHが9.0〜14.0の範囲、好ましくは12.0〜13.5の範囲にある現像液である。現像液(以下、補充液も含めて現像液と呼ぶ)には、従来より知られているアルカリ水溶液が使用できる。例えば、ケイ酸ナトリウム、同カリウム、第3リン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、第2リン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、ほう酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、水酸化ナトリウム、同アンモニウム、同カリウムおよび同リチウムなどの無機アルカリ塩が挙げられる。また、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジンなどの有機アルカリ剤が挙げられる。これらのアルカリ水溶液は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0143】
上記のアルカリ水溶液のうち、本発明による効果が発揮される現像液は、一つは、塩基としてケイ酸アルカリを含有した、又は塩基にケイ素化合物を混ぜてケイ酸アルカリとしたものを含有した、所謂「シリケート現像液」と呼ばれるpH12以上の水溶液であり、もう一つのより好ましい現像液は、ケイ酸アルカリを含有せず、非還元糖(緩衝作用を有する有機化合物)と塩基とを含有した所謂「ノンシリケート現像液」である。
【0144】
前者においては、アルカリ金属ケイ酸塩の水溶液はケイ酸塩の成分である酸化ケイ素SiO2とアルカリ金属酸化物M2Oの比率(一般に〔SiO2〕/〔M2O〕のモル比で表す)と濃度によって現像性の調節が可能であり、例えば、特開昭54−62004号公報に開示されているような、SiO2/Na2Oのモル比が1.0〜1.5(即ち〔SiO2〕/〔Na2O〕が1.0〜1.5)であって、SiO2の含有量が1〜4質量%のケイ酸ナトリウムの水溶液や、特公昭57−7427号公報に記載されているような、〔SiO2〕/〔M〕が0.5〜0.75(即ち〔SiO2〕/〔M2O〕が1.0〜1.5)であって、SiO2の濃度が1〜4質量%であり、かつ該現像液がその中に存在する全アルカリ金属のグラム原子を基準にして少なくとも20%のカリウムを含有している、アルカリ金属ケイ酸塩の水溶液が好適に用いられる。
【0145】
また、ケイ酸アルカリを含有せず、非還元糖と塩基とを含有した所謂「ノンシリケート現像液」も、本発明の平版印刷版用原版の現像に適用するのに好ましい。この現像液を用いて、平版印刷版用原版の現像処理を行うと、記録層の表面を劣化させることがなく、かつ記録層の着肉性をより良好な状態に維持することができる。
【0146】
この現像液は、その主成分が、非還元糖から選ばれる少なくとも一つの化合物と、少なくとも一種の塩基からなり、液のpHが9.0〜13.5の範囲であることが好ましい。かかる非還元糖とは、遊離のアルデヒド基やケトン基を持たず、還元性を示さない糖類であり、還元基同士の結合したトレハロース型少糖類、糖類の還元基と非糖類が結合した配糖体および糖類に水素添加して還元した糖アルコールに分類され、何れも好適に用いられる。トレハロース型少糖類には、サッカロースやトレハロースがあり、配糖体としては、アルキル配糖体、フェノール配糖体、カラシ油配糖体などが挙げられる。また糖アルコールとしてはD,L−アラビット、リビット、キシリット、D,L−ソルビット、D,L−マンニット、D,L−イジット、D,L−タリット、ズリシットおよびアロズルシットなどが挙げられる。更に二糖類の水素添加で得られるマルチトールおよびオリゴ糖の水素添加で得られる還元体(還元水あめ)が好適に用いられる。これらの中で特に好ましい非還元糖は糖アルコールとサッカロースであり、特にD−ソルビット、サッカロース、還元水あめが適度なpH領域に緩衝作用があることと、低価格であることで好ましい。
【0147】
これらの非還元糖は、単独もしくは二種以上を組み合わせて使用でき、それらの現像液中に占める割合は0.1〜30質量%が好ましく、更に好ましくは、1〜20質量%である。
この範囲以下では十分な緩衝作用が得られず、またこの範囲以上の濃度では、高濃縮化し難く、また原価アップの問題が出てくる。尚、還元糖を塩基と組み合わせて使用した場合、経時的に褐色に変色し、pHも徐々に下がり、よって現像性が低下するという問題点がある。
【0148】
非還元糖に組み合わせる塩基としては従来より知られているアルカリ剤が使用できる。例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸三アンモニウム、リン酸二ナトリウム、リン酸二カリウム、リン酸二アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸アンモニウムなどの無機アルカリ剤が挙げられる。また、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジンなどの有機アルカリ剤も用いられる。
【0149】
これらのアルカリ剤は単独もしくは二種以上を組み合わせて用いられる。これらの中で好ましいのは水酸化ナトリウム、水酸化カリウムである、その理由は、非還元糖に対するこれらの量を調整することにより広いpH領域でpH調整が可能となるためである。また、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどもそれ自身に緩衝作用があるので好ましい。
これらのアルカリ剤は現像液のpHを9.0〜13.5の範囲になるように添加され、その添加量は所望のpH、非還元糖の種類と添加量によって決められるが、より好ましいpH範囲は10.0〜13.2である。
【0150】
現像液には更に、糖類以外の弱酸と強塩基からなるアルカリ性緩衝液が併用できる。かかる緩衝液として用いられる弱酸としては、解離定数(pKa)が10.0〜13.2のものが好ましい。
このような弱酸としては、Pergamon Press社発行のIONISATION CONSTANTS OF ORGANIC ACIDS IN AQUEOUS SOLUTIONなどに記載されているものから選ばれ、例えば2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール−1(PKa12.74)、トリフルオロエタノール(同12.37)、トリクロロエタノール(同12.24)などのアルコール類、ピリジン−2−アルデヒド(同12.68)、ピリジン−4−アルデヒド(同12.05)などのアルデヒド類、サリチル酸(同13.0)、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸(同12.84)、カテコール(同12.6)、没食子酸(同12.4)、スルホサリチル酸(同11.7)、3,4−ジヒドロキシスルホン酸(同12.2)、3,4−ジヒドロキシ安息香酸(同11.94)、1,2,4−トリヒドロキシベンゼン(同11.82)、ハイドロキノン(同11.56)、ピロガロール(同11.34)、o−クレゾール(同10.33)、レゾルシノール(同11.27)、p−クレゾール(同10.27)、m−クレゾール(同10.09)などのフェノール性水酸基を有する化合物、2−ブタノンオキシム(同12.45)、アセトキシム(同12.42)、1,2−シクロヘプタンジオンジオキシム(同12.3)、2−ヒドロキシベンズアルデヒドオキシム(同12.10)、ジメチルグリオキシム(同11.9)、エタンジアミドジオキシム(同11.37)、アセトフェノンオキシム(同11.35)などのオキシム類、アデノシン(同12.56)、イノシン(同12.5)、グアニン(同12.3)、シトシン(同12.2)、ヒポキサンチン(同12.1)、キサンチン(同11.9)などの核酸関連物質、他に、ジエチルアミノメチルホスホン酸(同12.32)、1−アミノ−3,3,3−トリフルオロ安息香酸(同12.29)、イソプロピリデンジホスホン酸(同12.10)、1,1−エチリデンジホスホン酸(同11.54)、1,1−エチリデンジホスホン酸1−ヒドロキシ(同11.52)、ベンズイミダゾール(同12.86)、チオベンズアミド(同12.8)、ピコリンチオアミド(同12.55)、バルビツル酸(同12.5)などの弱酸が挙げられる。
【0151】
これらの弱酸の中で好ましいのは、スルホサリチル酸、サリチル酸である。これらの弱酸に組み合わせる塩基としては、水酸化ナトリウム、同アンモニウム、同カリウムおよび同リチウムが好適に用いられる。これらのアルカリ剤は単独もしくは二種以上を組み合わせて用いられる。上記の各種アルカリ剤は濃度および組み合わせによりpHを好ましい範囲内に調整して使用される。
【0152】
現像液には、現像性の促進や現像カスの分散および印刷版画像部の親インキ性を高める目的で必要に応じて種々界面活性剤や有機溶剤を添加できる。好ましい界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系および両性界面活性剤が挙げられる。
【0153】
界面活性剤の好ましい例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、グリセリン脂肪酸部分エステル類、ソルビタン脂肪酸部分エステル類、ペンタエリスリトール脂肪酸部分エステル類、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル類、しょ糖脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸部分エステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレン化ひまし油類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸部分エステル類、脂肪酸ジエタノールアミド類、N,N−ビス−2−ヒドロキシアルキルアミン類、ポリオキシエチレンアルキルアミン、トリエタノールアミン脂肪酸エステル、トリアルキルアミンオキシドなどの非イオン性界面活性剤、脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、ジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩類、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピルスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルスルホフェニルエーテル塩類、N−メチル−N−オレイルタウリンナトリウム塩、N−アルキルスルホ琥珀酸モノアミド二ナトリウム塩、石油スルホン酸塩類、硫酸化牛脂油、脂肪酸アルキルエステルの硫酸エステル塩類、アルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、アルキルリン酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステル塩類、スチレン/無水レイン酸共重合物の部分鹸化物類、オレフィン/無水マレイン酸共重合物の部分鹸化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物類などのアニオン界面活性剤、アルキルアミン塩類、テトラブチルアンモニウムブロミド等の第四級アンモニウム塩類、ポリオキシエチレンアルキルアミン塩類、ポリエチレンポリアミン誘導体などのカチオン性界面活性剤、カルボキシベタイン類、アミノカルボン酸類、スルホべタイン類、アミノ硫酸エステル類、イミダゾリン類などの両性界面活性剤が挙げられる。以上挙げた界面活性剤の中でポリオキシエチレンとあるものは、ポリオキシメチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレンなどのポリオキシアルキレンに読み替えることもでき、それらの界面活性剤もまた包含される。
【0154】
更に好ましい界面活性剤は分子内にパーフルオロアルキル基を含有するフッ素系の界面活性剤である。かかるフッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステルなどのアニオン型、パーフルオロアルキルベタインなどの両性型、パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩などのカチオン型およびパーフルオロアルキルアミンオキサイド、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオロアルキル基および親水性基含有オリゴマー、パーフルオロアルキル基および親油性基含有オリゴマー、パーフルオロアルキル基、親水性基および親油性基含有オリゴマー、パーフルオロアルキル基および親油性基含有ウレタンなどの非イオン型が挙げられる。上記の界面活性剤は、単独もしくは2種以上を組み合わせて使用することができ、現像液中に0.001〜10質量%、より好ましくは0.01〜5質量%の範囲で添加される。
【0155】
現像液には、種々の現像安定化剤を用いることができる。それらの好ましい例として、特開平6−282079号公報記載の糖アルコールのポリエチレングリコール付加物、テトラブチルアンモニウムヒドロキシドなどのテトラアルキルアンモニウム塩、テトラブチルホスホニウムブロマイドなどのホスホニウム塩およびジフェニルヨードニウムクロライドなどのヨードニウム塩が好ましい例として挙げられる。更には、特開昭50−51324号公報記載のアニオン界面活性剤または両性界面活性剤、また特開昭55−95946号公報記載の水溶性カチオニックポリマー、特開昭56−142528号公報に記載されている水溶性の両性高分子電解質を挙げることができる。
【0156】
更に、特開昭59−84241号公報のアルキレングリコールが付加された有機ホウ素化合物、特開昭60−111246号公報記載のポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロック重合型の水溶性界面活性剤、特開昭60−129750号公報のポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンを置換したアルキレンジアミン化合物、特開昭61−215554号公報記載の重量平均分子量300以上のポリエチレングリコール、特開昭63−175858号公報のカチオン性基を有する含フッ素界面活性剤、特開平2−39157号公報の酸またはアルコールに4モル以上のエチレンオキシドを付加して得られる水溶性エチレンオキシド付加化合物と、水溶性ポリアルキレン化合物などが挙げられる。
【0157】
現像液には更に必要により有機溶剤が加えられる。かかる有機溶剤としては、水に対する溶解度が約10質量%以下のものが適しており、好ましくは5質量%以下のものから選ばれる。例えば、1−フェニルエタノール、2−フェニルエタノール、3−フェニル−1−プロパノール、4−フェニル−1−ブタノール、4−フェニル−2−ブタノール、2−フェニル−1−ブタノール、2−フェノキシエタノール、2−ベンジルオキシエタノール、o−メトキシベンジルアルコール、m−メトキシベンジルアルコール、p−メトキシベンジルアルコール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、3−メチルシクロヘキサノールおよび4−メチルシクロヘキサノール、N−フェニルエタノールアミンおよびN−フェニルジエタノールアミンなどを挙げることができる。
有機溶剤の含有量は使用液の総質量に対して0.1〜5質量%である。その使用量は界面活性剤の使用量と密接な関係があり、有機溶剤の量が増すにつれ、界面活性剤の量は増加させることが好ましい。これは界面活性剤の量が少なく、有機溶剤の量を多く用いると有機溶剤が完全に溶解せず、従って、良好な現像性の確保が期待できなくなるからである。
【0158】
現像液には更に還元剤を加えることができる。これは印刷版の汚れを防止するものである。好ましい有機還元剤としては、チオサリチル酸、ハイドロキノン、メトール、メトキシキノン、レゾルシン、2−メチルレゾルシンなどのフェノール化合物、フェニレンジアミン、フェニルヒドラジンなどのアミン化合物が挙げられる。更に好ましい無機の還元剤としては、亜硫酸、亜硫酸水素酸、亜リン酸、亜リン酸水素酸、亜リン酸二水素酸、チオ硫酸および亜ジチオン酸などの無機酸のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩などを挙げることができる。
これらの還元剤のうち汚れ防止効果が特に優れているのは亜硫酸塩である。これらの還元剤は使用時の現像液に対して好ましくは、0.05〜5質量%の範囲で含有される。
【0159】
現像液には更に有機カルボン酸を加えることもできる。好ましい有機カルボン酸は炭素原子数6〜20の脂肪族カルボン酸および芳香族カルボン酸である。脂肪族カルボン酸の具体的な例としては、カプロン酸、エナンチル酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸およびステアリン酸などがあり、特に好ましいのは炭素数8〜12のアルカン酸である。また炭素鎖中に二重結合を有する不飽和脂肪酸でも、枝分かれした炭素鎖のものでもよい。芳香族カルボン酸としてはベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環などにカルボキシル基が置換された化合物で、具体的には、o−クロロ安息香酸、p−クロロ安息香酸、o−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、o−アミノ安息香酸、p−アミノ安息香酸、2,4−ジヒドロシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、没食子酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸、1−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸などがあるがヒドロキシナフトエ酸は特に有効である。
【0160】
上記脂肪族および芳香族カルボン酸は水溶性を高めるためにナトリウム塩やカリウム塩またはアンモニウム塩として用いるのが好ましい。本発明で用いる現像液の有機カルボン酸の含有量は格別な制限はないが、0.1質量%より低いと効果が十分でなく、また10質量%以上ではそれ以上の効果の改善が計れないばかりか、別の添加剤を併用する時に溶解を妨げることがある。従って、好ましい添加量は使用時の現像液に対して0.1〜10質量%であり、より好ましくは0.5〜4質量%である。
【0161】
現像液には、更に必要に応じて、防腐剤、着色剤、増粘剤、消泡剤および硬水軟化剤などを含有させることもできる。硬水軟化剤としては例えば、ポリリン酸およびそのナトリウム塩、カリウム塩およびアンモニウム塩、エチレンジアミンテトラ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸、ニトリロトリ酢酸、1,2−ジアミノシクロヘキサンテトラ酢酸および1,3−ジアミノ−2−プロパノールテトラ酢酸などのアミノポリカルボン酸およびそれらのナトリウム塩、カリウム塩およびアンモニウム塩、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、トリエチレンテトラミンヘキサ(メチレンホスホン酸)、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ(メチレンホスホン酸)および1−ヒドロキシタエン−1,1−ジホスホン酸やそれらのナトリウム塩、カリウム塩およびアンモニウム塩を挙げることができる。
【0162】
このような硬水軟化剤はそのキレート化と使用される硬水の硬度および硬水の量によって最適値が変化するが、一般的な使用量を示せば、使用時の現像液に0.01〜5質量%、より好ましくは0.01〜0.5質量%の範囲である。この範囲より少ない添加量では所期の目的が十分に達成されず、添加量がこの範囲より多い場合は、色抜けなど、画像部への悪影響がでてくる。現像液の残余の成分は水である。現像液は、使用時よりも水の含有量を少なくした濃縮液としておき、使用時に水で希釈するようにしておくことが運搬上有利である。この場合の濃縮度は、各成分が分離や析出を起こさない程度が適当である。
【0163】
本発明に用いられる現像液としてはまた、特開平6−282079号公報記載の現像液も使用できる。これは、SiO2/M2O(Mはアルカリ金属を示す)のモル比が0.5〜2.0の珪酸アルカリ金属塩と、水酸基を4以上有する糖アルコールに5モル以上のエチレンオキシドを付加して得られる水溶性エチレンオキシド付加化合物を含有する現像液である。糖アルコールは糖のアルデヒド基およびケトン基を還元してそれぞれ第一、第二アルコール基としたものに相当する多価アルコールである。糖アルコールの貝体的な例としては、D,L−トレイット、エリトリット、D,L−アラビット、リビット、キシリット、D,L−ソルビット、D,L−マンニット、D,L−イジット、D,L−タリット、ズルシット、アロズルシットなどであり、更に糖アルコールを縮合したジ、トリ、テトラ、ペンタおよびヘキサグリセリンなども挙げられる。上記水溶性エチレンオキシド付加化合物は上記糖アルコール1モルに対し5モル以上のエチレンオキシドを付加することにより得られる。さらにエチレンオキシド付加化合物には必要に応じてプロピレンオキシドを溶解性が許容できる範囲でブロック共重合させてもよい。これらのエチレンオキシド付加化合物は単独もしくは二種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの水溶性エチレンオキシド付加化合物の添加量は現像液(使用液)に対して0.001〜5質量%が適しており、より好ましくは0.001〜2質量%である。
【0164】
この現像液にはさらに、現像性の促進や現像カスの分散および印刷版画像部の親インキ性を高める目的で必要に応じて、前述の種々の界面活性剤や有機溶剤を添加できる。
【0165】
かかる組成の現像液で現像処理された平版印刷版用原版は水洗水、界面活性剤等を含有するリンス液、アラビアガムや澱粉誘導体等を主成分とするフィニッシャーや保護ガム液で後処理を施される。本発明の平版印刷版用原版の後処理にはこれらの処理を種々組み合わせて用いることができる。
【0166】
近年、型版・印刷業界では製版作業の合理化および標準化のため、PS版用の自動現像機が広く用いられている。この自動現像機は、一般に現像部と後処理部からなり、PS版を搬送する装置と、各処理液槽およびスプレー装置からなり、露光済みのPS版を水平に搬送しながら、ポンプで汲み上げた各処理液をスプレーノズルから吹き付けて現像および後処理するものである。また、最近は処理液が満たされた処理液槽中に液中ガイドロールなどによってPS版を浸漬搬送させて現像処理する方法や、現像後一定量の少量の水洗水を版面に供給して水洗し、その廃水を現像液原液の希釈水としで再利用する方法も知られている。
【0167】
このような自動処理においては、各処理液に処理量や稼動時間等に応じてそれぞれの補充液を補充しながら処理することができる。また、実質的に未使用の処理液で処理するいわゆる使い捨て処理方式も適用できる。
【0168】
本発明の平版印刷版用原版においては、画像露光し、現像し、水洗及び/又はリンス及び/又はガム引きして得られた平版印刷版に不必要な画像部(例えば原画フィルムのフィルムエッジ跡など)がある場合には、その不必要な画像部の消去が行なわれる。このような消去は、例えば特公平2−13293号公報に記載されているような消去液を不必要画像部に塗布し、そのまま所定の時間放置したのちに水洗することにより行なう方法が好ましいが、特開平59−174842号公報に記載されているようなオプティカルファイバーで導かれた活性光線を不必要画像部に照射したのち現像する方法も利用できる。
【0169】
以上のようにして本発明の平版印刷版用原版より得られた平版印刷版は所望により不感脂化ガムを塗布したのち、印刷工程に供することができるが、より一層の高耐刷力の平版印刷版としたい場合にはバーニング処理が施される。平版印刷版をバーニングする場合には、バーニング前に特公昭61−2518号、同55−28062号、特開昭62−31859号、同61−159655号の各公報に記載されているような整面液で処理することが好ましい。
その方法としては、該整面液を浸み込ませたスポンジや脱脂綿にて、平版印刷版上に塗布するか、整面液を満たしたバット中に印刷版を浸漬して塗布する方法や、自動コーターによる塗布などが適用される。また、塗布した後でスキージ、あるいは、スキージローラーで、その塗布量を均一にすることは、より好ましい結果を与える。
【0170】
整面液の塗布量は一般に0.03〜0.8g/m2(乾燥質量)が適当である。整面液が塗布された平版印刷版は必要であれば乾燥された後、バーニングプロセッサー(たとえば富士写真フイルム(株)より販売されているバーニングプロセッサー:「BP−1300」)などで高温に加熱される。この場合の加熱温度及び時間は、画像を形成している成分の種類にもよるが、180〜300℃の範囲で1〜20分の範囲が好ましい。
【0171】
バーニング処理された平版印刷版は、必要に応じて適宜、水洗、ガム引きなどの従来より行なわれている処理を施こすことができるが水溶性高分子化合物等を含有する整面液が使用された場合にはガム引きなどのいわゆる不感脂化処理を省略することができる。この様な処理によって得られた平版印刷版はオフセット印刷機等にかけられ、多数枚の印刷に用いられる。
【0172】
【実施例】
以下、本発明を実施例に従って説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されない。
(実施例1および比較例1〜2)
[支持体の作製]
<アルミニウム板>
Si:0.06質量%、Fe:0.30質量%、Cu:0.026質量%、Mn:0.001質量%、Mg:0.001質量%、Zn:0.001質量%、Ti:0.02質量%を含有し、残部はAlと不可避不純物のアルミニウム合金を用いて溶湯を調製し、溶湯処理およびろ過を行った上で、厚さ500mm、幅1200mmの鋳塊をDC鋳造法で作成した。表面を平均10mmの厚さで面削機により削り取った後、550℃で、約5時間均熱保持し、温度400℃に下がったところで、熱間圧延機を用いて厚さ2.7mmの圧延板とした。更に、連続焼鈍機を用いて熱処理を500℃で行った後、冷間圧延で、厚さ0.24mmに仕上げ、JIS 1050材のアルミニウム板を得た。なお、得られたアルミニウムの平均結晶粒径の短径は50μm、長径は300μmであった。このアルミニウム板を幅1030mmにした後、以下に示す表面処理に供した。
【0173】
<表面処理>
表面処理は、以下の(a)〜(k)の各種処理を連続的に行うことにより行った。なお、各処理および水洗の後にはニップローラで液切りを行った。
【0174】
(a)機械的粗面化処理
図1に示したような装置を使って、比重1.12の研磨剤(パミス)と水との懸濁液を研磨スラリー液としてアルミニウム板の表面に供給しながら、回転するローラ状ナイロンブラシにより機械的粗面化処理を行った。図1において、1はアルミニウム板、2および4はローラ状ブラシ、3は研磨スラリー液、5、6、7および8は支持ローラである。研磨剤の平均粒径は30μm、最大粒径は100μmであった。ナイロンブラシの材質は6・10ナイロン、毛長は45mm、毛の直径は0.3mmであった。ナイロンブラシはφ300mmのステンレス製の筒に穴をあけて密になるように植毛した。回転ブラシは3本使用した。ブラシ下部の2本の支持ローラ(φ200mm)の距離は300mmであった。ブラシローラはブラシを回転させる駆動モータの負荷が、ブラシローラをアルミニウム板に押さえつける前の負荷に対して7kWプラスになるまで押さえつけた。ブラシの回転方向はアルミニウム板の移動方向と同じであった。ブラシの回転数は200rpmであった。
【0175】
(b)アルカリエッチング処理
上記で得られたアルミニウム板をカセイソーダ濃度2.6質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%、温度70℃の水溶液を用いてスプレーによるエッチング処理を行い、アルミニウム板を10g/m2溶解した。その後、スプレーによる水洗を行った。
【0176】
(c)デスマット処理
温度30℃の硝酸濃度1質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーで水洗した。デスマット処理に用いた硝酸水溶液は、硝酸水溶液中で交流を用いて電気化学的粗面化処理を行う工程の廃液を用いた。
【0177】
(d)電気化学的粗面化処理
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、硝酸10.5g/L水溶液(アルミニウムイオンを5g/L、アンモニウムイオンを0.007質量%含む。)、液温50℃であった。交流電源波形は図2に示した波形であり、電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、duty比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。使用した電解槽は図3に示すものを使用した。
電流密度は電流のピーク値で30A/dm2、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で220C/dm2であった。補助陽極には電源から流れる電流の5%を分流させた。その後、スプレーによる水洗を行った。
【0178】
(e)アルカリエッチング処理
アルミニウム板をカセイソーダ濃度26質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%の水溶液を用いてスプレーによるエッチング処理を32℃で行い、アルミニウム板を0.50g/m2溶解し、前段の交流を用いて電気化学的粗面化処理を行ったときに生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマット成分を除去し、また、生成したピットのエッジ部分を溶解してエッジ部分を滑らかにした。その後、スプレーによる水洗を行った。
【0179】
(f)デスマット処理
温度30℃の硫酸濃度15質量%水溶液(アルミニウムイオンを4.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーで水洗した。デスマット処理に用いた硝酸水溶液は、硝酸水溶液中で交流を用いて電気化学的粗面化処理を行う工程の廃液を用いた。
【0180】
(g)電気化学的粗面化処理
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、塩酸5.0g/L水溶液(アルミニウムイオンを5g/L含む。)、温度35℃であった。交流電源波形は図2に示した波形であり、電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、duty比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。使用した電解槽は図3に示すものを使用した。
電流密度は電流のピーク値で25A/dm2、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で50C/dm2であった。その後、スプレーによる水洗を行った。
【0181】
(h)アルカリエッチング処理
アルミニウム板をカセイソーダ濃度26質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%の水溶液を用いてスプレーによるエッチング処理を32℃で行い、アルミニウム板を0.20g/m2溶解し、前段の交流を用いて電気化学的粗面化処理を行ったときに生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマット成分を除去し、また、生成したピットのエッジ部分を溶解してエッジ部分を滑らかにした。その後、スプレーによる水洗を行った。
【0182】
(i)デスマット処理
温度60℃の硫酸濃度25質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーによる水洗を行った。
【0183】
(j)陽極酸化処理
図4に示す構造の陽極酸化装置(第一及び第二電解部長各6m、第一及び第二給電部長各3m、第一及び第二給電極部長各2.4m)を用いて陽極酸化処理を行った。第一および第二電解部に供給した電解液としては、硫酸を用いた。電解液は、いずれも、硫酸濃度50g/L(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)、温度20℃であった。その後、スプレーによる水洗を行った。
【0184】
前記陽極酸化装置においては、電源67a及び67bからの電流は、第一給電部62aに設けられた第一給電電極65aに流れ、電解液を介してアルミニウム板11に流れ、第一電解部63aでアルミニウム板11表面に陽極酸化皮膜を生成させ、第一電解部63aに設けられた電解電極66a及び66bを通り、電極67aおよび67bに戻る。
【0185】
電源67a及び67bから第一給電部62aに給電される電気量と、電源67c及び67dから第二給電部62bに給電される電気量とは等しく、また、第一電解部63a及び第二電解部63bにおける電流密度はともに約30A/dm2であった。第二給電部62bでは、第一電解部63aで生成した1.35g/m2の酸化皮膜面を通じて給電したことになる。最終的な酸化皮膜量は2.7g/m2であった。
【0186】
(k)アルカリ金属ケイ酸塩処理
陽極酸化処理により得られたアルミニウム支持体を温度30℃の3号ケイ酸ソーダの1質量%水溶液の処理槽中へ、10秒間浸漬することでアルカリ金属ケイ酸塩処理(シリケート処理)を行った。その後、井水を用いたスプレーによる水洗を行い、表面シリケート親水化処理された平版印刷版原版用支持体を得た。
【0187】
〔下塗り層の塗布〕
次に、作成した支持体の表面に下記組成の下塗り液をバーコーターで塗布し、80℃15秒間乾燥し、乾燥後の塗布量が17mg/m2の下塗り層を設けた。
<下塗り液組成>
化合物A 0.3 質量部
メタノール 100.0 質量部
水 1.0 質量部
【0188】
【化17】
【0189】
化合物Aの分子量は、2.8万であり、数値はモル%を示す。
【0190】
〔記録層の塗布〕
得られたアルミニウム基板に以下の下層用塗布液1を塗布量が0.85g/m2になるようバーコーターで塗布したのち160℃で44秒間乾燥し、直ちに17〜20℃の冷風で支持体の温度が35℃になるまで冷却して下層を形成した。その後、下記上層用塗布液1を塗布量が0.22g/m2になるようバーコーター塗布し、148℃で25秒間乾燥し、更に20〜26℃の風で徐冷して上層を形成した。
(ここで、塗布量とは乾燥後の質量を示す)
【0191】
【化18】
【0192】
【0193】
【化19】
【0194】
【表1】
【0195】
(比較例2)
厚さ0.24mmのアルミニウム板(材質1050、調質H16)を、5質量%の水酸化ナトリウム水溶液中で60℃で1分間脱脂処理を行った後、0.5モル/リットルの濃度の塩酸水溶液中において、実施例1と同様の表面処理を行って支持体を作成し、更に実施例1と同様に下塗り層まで塗布した後に、下記塗布液を2.5g/m2となるようにバーコーターで塗布した後85℃で2分間乾燥し、更に55℃にて安定化させた。
【0196】
〔現像ラチチュードの評価〕
得られた各平版印刷版原版をCreo社製Trendsetterにてビーム強度9w、ドラム回転速度150rpmでテストパターンを画像状に描き込みを行った後、富士写真フイルム(株)製現像液DT−2Rを1:5に希釈し、電導度が37mS/cmになるまで炭酸ガスを吹き込んだ液及び富士写真フイルム(株)製フィニッシャーFG-1(1:1で希釈したもの)を仕込んだ富士写真フイルム(株)製PSプロセッサーLP940Hを用い、液温を30度に保ち、現像時間12sで現像した。その後、現像液にDT-2R(1:5に希釈したもの)を適量加え、電導度を39mS/cmに調整し、先ほどと同じくテストパターンを画像状に描き込んだ平版印刷版原版を現像した。更に電導度を2mS/cmずつ上げ、画像の現像による膜減りが顕著に観察されるまでこの作業を続けた。
この時、各電導度で現像した版を、現像不良の感熱層残膜に起因する汚れや着色がないかを確認し、良好に現像が行なえた現像液の電導度を決定した。次に、実質上耐刷に影響を及ぼさない程度に現像膜減りが維持される限界の電導度を決定した。
良好に現像が行なえた現像液の電導度と実質上耐刷に影響を及ぼさない程度に現像膜減りが維持される限界の電導度の幅を現像ラチチュードとした。結果を表2に示す。
【0197】
〔感度の評価〕
得られた本発明の平版印刷用原版の感度を以下のようにして測定した。
平版印刷版用原版を、Creo社製Trendsetterにてビーム強度2〜10Wの範囲、ドラム回転速度150rpmでベタ画像を描き込んだ後、富士写真フイルム(株)製現像液DT−2(1:8で希釈したもの)及び富士写真フイルム(株)製フィニッシャーFG−1(1:1で希釈したもの)を仕込んだ富士写真フイルム(株)製PSプロセッサーLP940Hを用い、液温を30度に保ち、現像時間12秒で現像した。この時の現像液の電導度は43mS/cmであった。
現像後の版を25倍のルーペで観察し、実質上印刷汚れにならないレベルの残膜の有無を評価し、残膜が観測されないところの露光ビーム強度から、実際の露光エネルギーを計算し、感度とした。露光エネルギーが小さいものほど高感度であると評価する。結果を表2に示す。
【0198】
〔耐傷性の評価〕
得られた本発明の平版印刷版原版をHEIDON社製引っかき試験機を用いてサファイヤ(先端径1.0mm)に荷重をかけてプレートを引っかき、その後直ちに、富士写真フイルム(株)製現像液DT−2(1:8で希釈したもの)及び富士写真フイルム(株)製フィニッシャーFG-1(1:1で希釈したもの)を仕込んだ富士写真フイルム(株)製PSプロセッサーLP940Hを用い、液温を30度に保ち、現像時間12秒で現像した。この時の現像液の電導度は43mS/cmであった。傷が目視で確認できなくなった荷重を耐傷性の値とした。数値が大きいほど耐傷性に優れていると評価する。結果を表2に示す。
尚、比較例2の現像は、コニカ社製アルカリ現像液SDR−1を1:5に希釈したものを使用した。
【0199】
【表2】
【0200】
この結果から、実施例1の−CH2OR含有化合物を含有する平版印刷版は、比較例1、2に比べ感度の低下がなく現像ラチチュードおよび耐傷性が良好であることが分かる。
【0201】
〔バーニング耐刷性評価〕
現像ラチチュード評価にて、良好に現像が行えたサンプルを水洗した後、整面液BC−7(富士写真フイルム製)を自動コーターで塗布し、バーニング装置BP−1300で、260℃7分間処理した。次いで、ガムGU−7(富士写真フイルム製)を水で1:1に希釈した液を自動コーターで塗布した。その後、SOR−M印刷機(ハイデルベルグ社製)を用い良好な印刷物が得られなくなるまでの枚数による耐刷性を評価した。その結果を表3に示す。
【0202】
【表3】
【0203】
この結果から、実施例1の−CH2OR含有化合物を含有する平版印刷版は、無添加の比較例1に比べ、バーニング耐刷性も良化した。
【0204】
(実施例2〜3及び比較例3〜4)
実施例1及び実施例2の上層塗布液組成の固形分濃度を調整して、表4に示す塗布量となるようにした以外は実施例1及び比較例2と同一であるサンプルを作成し、現像ラチチュード、感度、耐傷性を評価した。結果を表5に示す。
【0205】
【表4】
【0206】
【表5】
【0207】
この結果から、塗布量を変化させても、実施例2および3の−CH2OR含有化合物を含有する平版印刷版は、無添加の比較例1に比べ現像ラチチュードが良好であることが分かる。
【0208】
(実施例4および比較例5)
〔支持体の作成〕
厚さ0.3mmのアルミニウム板(材質:JIS A 1050)を苛性ソーダ濃度30g/l、アルミニウムイオン濃度10g/l、液温60℃で10秒間エッチング処理を行い、流水で水洗し、10g/l硝酸で中和洗浄後、水洗した。これを印加電圧Va=20Vの条件下で正弦波の交番波形電流を用いて、塩化水素濃度15g/l、アルミニウムイオン濃度10g/l、液温30℃の水溶液中で、500C/dm2の電気量で電気化学的な粗面化処理を行い水洗後、苛性ソーダ濃度30g/l、アルミニウムイオン濃度10g/l、液温40℃で10秒間エッチング処理を行い、流水で水洗した。次に、硫酸濃度15質量%、液温30℃の硫酸水溶液中でデスマット処理を行い水洗した。さらに、液温20℃の10質量%硫酸水溶液中、直流にて電流密度6A/dm2の条件下で、陽極酸化皮膜量が2.5g/m2相当となるように陽極酸化処理し、水洗、乾燥した。その後、珪酸ナトリウム1質量%水溶液で30℃において10秒間処理し、基板を作製した。この基板の中心線平均粗さ(Ra)を直径2μmの針を用いて測定したところ、0.48μmであった。
作成した支持体に、それぞれ実施例1と同一の組成物を用いて、同様の方法で下塗り層塗布、下層塗布、上層塗布し、実施例4の平版印刷版原版を作成した。更に、実施例1と同一の方法で現像ラチチュード、感度および耐傷性を評価した。結果を表6に示す。
【0209】
【表6】
【0210】
このように、支持体の処理条件を変化させても、実施例4の−CH2OR含有化合物を含有する平版印刷版は、無添加の比較例5に比べ感度の低下がなく現像ラチチュードおよび耐傷性が良好であることが分かる。
【0211】
(実施例5および比較例6)
〔支持体の作成〕
厚さ0.24mmのアルミニウム板(Si:0. 06質量%、Fe:0.30質量%、Cu:0. 014質量%、Mn:0.001質量%、Mg:0.001質量%、Zn:0.001質量%、Ti:0.03質量%を含有し、残部はAlと不可避不純物のアルミニウム合金)に対し以下に示す表面処理を連続的に行った。
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的な粗面化処理を行った。このときの電解液は、硝酸10g/L水溶液(アルミニウムイオンを5g/L、アンモニウムイオンを0.007質量%含む。)、温度80℃であった。水洗後、アルミニウム板をカセイソーダ濃度26質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%でスプレーによるエッチング処理を32℃で行い、アルミニウム板を0.20g/m2 溶解し、スプレーによる水洗を行った。その後、温度60℃の硫酸濃度25質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、スプレーによる水洗を行った。
二段給電電解処理法の陽極酸化装置を用いて陽極酸化処理を行った。電解部に供給した電解液としては、硫酸を用いた。その後、スプレーによる水洗を行った。最終的な酸化皮膜量は2.7g/m2 であった。
陽極酸化処理により得られたアルミニウム支持体を温度30℃の3号ケイ酸ソーダの1質量%水溶液の処理層中へ、10秒間、浸せきすることでアルカリ金属ケイ酸塩処理(シリケート処理)を行った。その後、スプレーによる水洗を行った。
作成した支持体に、それぞれ実施例1と同一の組成物を用いて、同様の方法で下塗り層塗布、下層塗布、上層塗布し、実施例5の平版印刷版原版を作成した。更に、実施例1と同一の方法で現像ラチチュード、感度および耐傷性を評価した。結果を表7に示す。
【0212】
【表7】
【0213】
このように支持体の処理条件を変化させても、実施例5の−CH2OR含有化合物を含有する平版印刷版は、無添加の比較例6に比べ感度の低下がなく現像ラチチュードおよび耐傷性が良好であることが分かる。
【0214】
(実施例6および比較例7)
実施例1と同一の方法で平版印刷版原版を作成した。
〔現像ラチチュードの評価〕
得られた平版印刷版原版をCreo社製Trendsetterにてビーム強度9w、ドラム回転速度150rpmでテストパターンを画像状に描き込みを行った後、富士写真フイルム(株)製現像液DP−7RWを1:6に希釈し、電導度が69mS/cmになるまで炭酸ガスを吹き込んだ液及び富士写真フイルム(株)製フィニッシャーFP−2W(1:1で希釈したもの)を仕込んだ富士写真フイルム(株)製PSプロセッサーLP940Hを用い、液温を30℃に保ち、現像時間12sで現像した。その後、現像液にDP−7RW(1:6に希釈したもの)を適量加え、電導度を71mS/cmに調整し、先ほどと同じくテストパターンを画像状に描き込んだ平版印刷版原版を現像した。更に電導度を2mS/cmずつ上げ、画像の現像による膜減りが顕著に観察されるまでこの作業を続けた。
この時、各電導度で現像した版を、現像不良の感熱層残膜に起因する汚れや着色がないかを確認し、良好に現像が行なえた現像液の電導度を決定した。次に、実質上耐刷に影響を及ぼさない程度に現像膜減りが維持される限界の電導度を決定した。
良好に現像が行なえた現像液の電導度と実質上耐刷に影響を及ぼさない程度に現像膜減りが維持される限界の電導度の幅を現像ラチチュードとした。
〔感度および耐傷性の評価〕
現像液として、DT−2の代わりに富士写真フイルム(株)製現像液DP−7(1:8で希釈したもの)を使用した以外は実施例1と同様にして各評価を行った。
上記評価結果を表8に示す。
【0215】
【表8】
【0216】
このように現像処理条件を変化させても、実施例6の−CH2OR含有化合物を含有する平版印刷版は、無添加の比較例7に比べ感度の低下がなく、現像ラチチュードおよび耐傷性が良好であることが分かる。
【0217】
【発明の効果】
本発明によれば、現像による画像形成時のラチチュードに優れ、且つ、高感度で耐傷性が良好なダイレクト製版用の赤外線レーザ用ポジ型平版印刷版用原版を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る平版印刷版用支持体の作成における機械粗面化処理に用いられるブラシグレイニングの工程の概念を示す側面図である。
【図2】 本発明に係る平版印刷版用支持体の作成における電気化学的粗面化処理に用いられる交番波形電流波形図の一例を示すグラフである。
【図3】 本発明に係る平版印刷版用支持体の作成における交流を用いた電気化学的粗面化処理におけるラジアル型セルの一例を示す側面図である。
【図4】 本発明に係る平版印刷版用支持体の作成における陽極酸化処理に用いられる陽極酸化処理装置の概略図である。
【符号の説明】
1 アルミニウム板
2、4 ローラ状ブラシ
3 研磨スラリー液
5、6、7、8 支持ローラ
11 アルミニウム板
12 ラジアルドラムローラ
13a、13b 主極
14 電解処理液
15、15a、15b 電解液供給口
16 スリット
17 電解液通路
18 補助陽極
19a、19b サイリスタ
20 交流電源
40、41 主電解槽
50、51 補助陽極槽
62a 第一給電部
62b 第二給電部
63a 第一電解部
63b 第二電解部
64a、64b ニップローラ
65a 第一給電電極
65b 第二給電電極
66a、66b、66c、66d 電解電極
67a、67b、67c、67d 電源[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a lithographic printing plate precursor that can be used as an offset printing master, and more particularly, to a positive lithographic printing plate precursor for infrared laser for so-called direct plate making that can be directly made from a digital signal of a computer or the like.
[0002]
[Prior art]
In recent years, the development of lasers has been remarkable. In particular, solid-state lasers and semiconductor lasers having a light emitting region from the near infrared to the infrared can be easily obtained with high output and small size. These lasers are very useful as an exposure light source when directly making a plate from digital data such as a computer.
[0003]
The positive type lithographic printing plate material for infrared laser has an alkaline aqueous solution-soluble binder resin and an IR dye that absorbs light and generates heat as an essential component. In the unexposed part (image part), Acts as a dissolution inhibitor that substantially lowers the solubility of the binder resin through interaction with the binder resin. In the exposed area (non-image area), the interaction between the IR dye and the binder resin is weakened by the generated heat, resulting in an alkali. A lithographic printing plate is formed by dissolving in a developer.
However, in such a positive lithographic printing plate material for an infrared laser, there is a difference between the solubility of the unexposed area (image area) in the developer and the solubility of the exposed area (non-image area) under various usage conditions. The difference (dissolution discrimination) is still not sufficient, and there is a problem that overdevelopment and development failure are liable to occur due to changes in use conditions, that is, the development latitude is narrow.
[0004]
Such a problem originates in the essential difference in the plate making mechanism between the positive lithographic printing plate material for infrared laser and the positive lithographic printing plate material made by UV exposure. That is, in a positive lithographic printing plate material made by UV exposure, an alkaline aqueous solution-soluble binder resin and an onium salt or a quinonediazide compound are essential components. The onium salt or the quinonediazide compound is an unexposed portion ( In addition to acting as a dissolution inhibitor by interacting with the binder resin in the image area), the exposed area (non-image area) plays two roles: it decomposes by light to generate acid and acts as a dissolution accelerator. Is.
In contrast, IR dyes and the like in positive lithographic printing plate materials for infrared lasers only act as dissolution inhibitors for unexposed areas (image areas) and do not promote dissolution of exposed areas (non-image areas). . Furthermore, in the vicinity of the interface with the support of the exposure unit, the generated heat diffuses to the support and may not be used efficiently for image formation. In order to obtain a difference in solubility between the exposed area and the exposed area, a binder resin having a high solubility in an alkaline developer must be used in advance, and the state before development becomes unstable. is there.
[0005]
One of the important performances as a positive lithographic printing plate for an infrared laser is resistance to UV ink and printing peripheral chemicals. In order to solve this problem, for example, Patent Document 1 (Japanese Patent Application Laid-Open No. 11-202481) discloses that a positive photosensitive composition containing an alkali-soluble resin (novolak resin) and a photothermal conversion substance is further heated. A technique is disclosed in which a compound (crosslinking agent) capable of crosslinking a novolak resin by an action is added, heat treatment (burning) is performed after exposure and development, and the recording layer is thermally cured. However, this technique requires (1) a burning processing facility, which is expensive in terms of cost and space, (2) complicated processing, (3) narrow development latitude, and (4) poor scratch resistance. There are problems such as sufficient, and further improvement is required.
[0006]
[Patent Document 1]
JP 11-202481 A
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
Accordingly, an object of the present invention is to provide a positive lithographic printing plate precursor for infrared laser for direct plate making which has excellent development latitude and high sensitivity.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies, the inventor has found that the above-mentioned problem can be solved by forming the uppermost layer with a compound containing a specific structure and a phenolic hydroxyl group in a multi-layer photosensitive material system, The present invention has been completed.
That is, the present invention relates to a resin having a water-insoluble and alkali-soluble resin-containing lower layer, a water-insoluble and alkali-soluble phenolic hydroxyl group on a hydrophilic support, and a compound represented by the following (T-1): Or the uppermost layer containing the compound which the compound shown by the following (T-1) condensed via the bivalent coupling group has in this order, and a photothermal conversion agent is contained in at least one of the lower layer and the uppermost layer It is characterized byPositive typeThis is a lithographic printing plate precursor.
Embedded image
(Where A1~ A6 Are each independently -CH2 Represents OR, and R represents a hydrogen atom, an alkyl group or an acyl group. )
Here, the alkali-soluble resin contained in the lower layer preferably contains at least one selected from the group consisting of an acrylic resin, a urethane resin, and an acetal resin. It is preferable to use a solvent that does not dissolve the water-insoluble and alkali-soluble resin contained in the lower layer as the uppermost coating solvent.
[0009]
Although the effect of the present invention is not clear, when the uppermost layer of the multilayer photosensitive material is applied and dried, a resin having a phenolic hydroxyl group, which is an essential component of the coating solution, andA compound obtained by condensing the compound represented by the above (T-1) or the compound represented by the following (T-1) via a divalent linking group (hereinafter,-CH2Compound having ORCalled)However, it is considered that it is slightly cross-linked on the outermost surface of the light-sensitive material by heat during drying to form a surface hardly soluble layer.
The hardly soluble layer formed on the outermost surface of the light-sensitive material functions to prevent the dissolution of the image by suppressing the penetration of the developer in the unexposed area (image area). On the other hand, in the exposed area (non-image area), the dissolution rate of the lower layer after exposure is sufficiently high, so that it does not have a great influence on the developability. As a result, it is considered that the latitude during image formation (development processing) increases. Therefore, in patent document 1 of a single layer structure, the solubility as a system for forming a hardly surface-soluble layer is lowered, which is not practical.
That is, since the present invention is a multilayer system in which the lower layer on the support surface side and the uppermost layer on the photosensitive material surface side can be designed to have different solubilities, it is considered that a good effect is exhibited.
[0010]
In a preferred embodiment of the present invention, since an alkali-soluble resin selected from the group consisting of an acrylic resin, a urethane resin and an acetal resin is used for the lower layer, chemical resistance can be further improved, and the coating solvent for the uppermost layer can be used. By using a solvent that does not dissolve the alkali-soluble resin contained in the lower layer, compatibility at the interface between the lower layer and the uppermost layer is suppressed, and the effect of the present invention obtained by taking a multilayer structure is further improved. is there.
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail. Of the present inventionPositive typeMaster for lithographic printing plate(Hereafter, it is also simply referred to as a lithographic printing plate precursor)The recording layer includes a lower layer containing a water-insoluble and alkali-soluble resin (hereinafter, appropriately referred to as an alkali-soluble resin), a resin having a water-insoluble and alkali-soluble phenolic hydroxyl group, and —CH.2And an uppermost layer containing a compound having OR.
Hereinafter, the lower layer and the uppermost layer (including a further layer when the lower layer and the uppermost layer are included) may be collectively referred to as a recording layer.
[0012]
[Water-insoluble and alkali-soluble resin having a phenolic hydroxyl group, and -CH2Top layer containing compound having OR]
First, —CH, which is a characteristic component of the upper recording layer according to the present invention.2The compound having OR will be described.
[0013]
[-CH2Compound having OR]
-CH contained in the uppermost layer of the present invention2—CH in a compound having OR2R in OR is a hydrogen atom or an alkyl group, MaOr an acyl group. The alkyl group usually has 1 to 8 carbon atoms, preferably 1 to 4 carbon atoms.AThe sil group has 2 to 18 carbon atoms, preferably 2 to 4 carbon atoms. -CH2Specific examples of OR include methoxymethyl, ethoxymethyl, butoxymethyl and the like.
-CH2The compound having OR is, A compound obtained by condensing a compound represented by the following formula (T-1) or a compound represented by the following (T-1) via a divalent linking group ( Hereinafter, simply referred to as a condensate )It is.
[0017]
[Chemical 2]
[0018]
(Where A1~ A6 Are each independently -CH2 ORIndicateRIs a hydrogen atom, an alkyl group,orRepresents an acyl group. )
[0025]
formulaExamples of the compound represented by (T-1) and condensates thereof include the following.
[0026]
[Chemical 6]
[0033]
When the lithographic printing plate of the present invention is processed at an excessively high temperature, the aluminum used as the support is deformed, and there is a fear that the image reproducibility is inferior. In contrast, the above -CH2By using a compound having OR, a sufficient crosslinking effect appears at a relatively low temperature of around 200 ° C. in a short time, and sufficient chemical resistance and printing durability can be obtained.
[0034]
orAmong the compounds of formula (T-1), A1~ A6 Are independently -CH2 ORIndicateRIs preferably a hydrogen atom or an alkyl group having 1 to 4 carbon atoms, and further the alkoxylation rate (A1~ A6 -CH represented by2 OR-CH for the sum of2ORofRIs a ratio of 1 to 4 carbon atoms (molar ratio)) of 70% or more, preferably 80% to 100%. Moreover, furtherRIs a hydrogen atom or a methyl group, and the methoxylation rate (—CH2OR-CH for the sum of2 ORofRThe ratio (molar ratio) in which is a methyl group is particularly advantageous from 80% to 100%.
[0035]
-CH2Specific examples of the compound having OR include melamine derivatives such as methoxymethylated melamine [manufactured by Mitsui Cyanamid, Cymel 300 series (1), etc.〕etcIs mentioned.
[0036]
Among melamine derivatives,From the standpoint of storage stability and ink deposition of the resulting lithographic printing plate, methylol groups in the melamine derivative and —CH2-CH for the total number of ORs2Melamine derivatives having an OR number ratio of 70% or more, particularly 90% or more are preferred. Such a melamine derivative can be obtained by a known method in which a specific amount of formaldehyde and alcohol are reacted with a melamine derivative under acidic conditions.2The ratio of OR is13It can be measured and specified by C-NMR.
[0037]
These, -CH2The addition amount of the compound having OR is preferably 0.5 to 50% by mass, more preferably 1 to 30% by mass with respect to the resin having a phenolic hydroxyl group.
When the addition amount is in the above range, an effect of improving development latitude and good scratch resistance can be obtained.
[0038]
[Resin having a water-insoluble and alkali-soluble phenolic hydroxyl group]
The uppermost layer according to the present invention contains a resin having a water-insoluble and alkali-soluble phenolic hydroxyl group (hereinafter, appropriately referred to as “alkali-soluble resin”), which will be described in detail below.
[0039]
(1) Examples of the resin having a phenolic hydroxyl group include phenol formaldehyde resin, m-cresol formaldehyde resin, p-cresol formaldehyde resin, m- / p-mixed cresol formaldehyde resin, phenol / cresol (m-, p-, Or any of m- / p-mixing) and novolak resins such as mixed formaldehyde resins and pyrogallol acetone resins. In addition to this, a polymer compound having a phenolic hydroxyl group in the side chain is preferably used as the polymer compound having a phenolic hydroxyl group. As a polymer compound having a phenolic hydroxyl group in the side chain, a polymerizable monomer comprising a low molecular compound having at least one phenolic hydroxyl group and at least one polymerizable unsaturated bond is homopolymerized, or other polymerization is performed on the monomer. And a resin obtained by copolymerizing a functional monomer.
[0040]
(1) Examples of the polymerizable monomer having a phenolic hydroxyl group include acrylamide, methacrylamide, acrylic acid ester, methacrylic acid ester, and hydroxystyrene having a phenolic hydroxyl group. Specifically, N- (2-hydroxyphenyl) acrylamide, N- (3-hydroxyphenyl) acrylamide, N- (4-hydroxyphenyl) acrylamide, N- (2-hydroxyphenyl) methacrylamide, N- (3- Hydroxyphenyl) methacrylamide, N- (4-hydroxyphenyl) methacrylamide, o-hydroxyphenyl acrylate, m-hydroxyphenyl acrylate, p-hydroxyphenyl acrylate, o-hydroxyphenyl methacrylate, m-hydroxyphenyl methacrylate, p-hydroxy Phenyl methacrylate, o-hydroxystyrene, m-hydroxystyrene, p-hydroxystyrene, 2- (2-hydroxyphenyl) ethyl acrylate, 2- (3-hydroxyphenyl) Preferable are til acrylate, 2- (4-hydroxyphenyl) ethyl acrylate, 2- (2-hydroxyphenyl) ethyl methacrylate, 2- (3-hydroxyphenyl) ethyl methacrylate, 2- (4-hydroxyphenyl) ethyl methacrylate, etc. Can be used. Such resins having a phenolic hydroxyl group may be used in combination of two or more. Furthermore, as described in US Pat. No. 4,123,279, phenol and formaldehyde having an alkyl group having 3 to 8 carbon atoms as a substituent, such as t-butylphenol formaldehyde resin and octylphenol formaldehyde resin, These copolymers may be used in combination.
[0041]
In the present invention, it is preferable to further copolymerize a polymerizable monomer having a sulfonamide group and / or a monomer having an active imide group in the molecule.
(2) As a polymerizable monomer having a sulfonamide group, a sulfonamide group -NH-SO in which at least one hydrogen atom is bonded to a nitrogen atom in one molecule2-And a polymerizable monomer composed of a low-molecular compound having at least one polymerizable unsaturated bond. Among them, a low molecular compound having an acryloyl group, an allyl group, or a vinyloxy group, and a substituted or monosubstituted aminosulfonyl group or a substituted sulfonylimino group is preferable.
[0042]
(3) As the monomer having an active imide group in the molecule, specifically, N- (p-toluenesulfonyl) methacrylamide, N- (p-toluenesulfonyl) acrylamide and the like can be preferably used.
[0043]
Although there is no restriction | limiting in the copolymerization ratio of the said polymerizable monomer, and the combination of a polymerizable monomer, Especially the polymerizable monomer which has a sulfonamide group in the polymerizable monomer which has a phenolic hydroxyl group, and / or the polymerizable property which has an active imide group When monomers are copolymerized, the compounding polymerization ratio of these components is preferably in the range of 50:50 to 5:95, and particularly preferably in the range of 40:60 to 10:90.
[0044]
Furthermore, as the alkali-soluble resin in the uppermost layer according to the present invention, the polymerizable monomer having a phenolic hydroxyl group, the polymerizable monomer having a sulfonamide group, or the polymerizable monomer having an active imide group may be used for other polymerization. It is preferably a polymer compound obtained by copolymerizing a functional monomer.
As a copolymerization ratio in this case, it is preferable that the monomer which provides alkali solubility is contained 10 mol% or more, and what contains 20 mol% or more is more preferable. If the copolymerization component of the monomer imparting alkali solubility is less than 10 mol%, alkali solubility tends to be insufficient, and developability tends to be lowered.
Examples of other polymerizable monomers that can be used here include the compounds listed in the following (m1) to (m12), but the present invention is not limited thereto.
[0045]
(M1) Acrylic acid esters and methacrylic acid esters having an aliphatic hydroxyl group such as 2-hydroxyethyl acrylate or 2-hydroxyethyl methacrylate.
(M2) Alkyl acrylates such as methyl acrylate, ethyl acrylate, propyl acrylate, butyl acrylate, amyl acrylate, hexyl acrylate, octyl acrylate, benzyl acrylate, 2-chloroethyl acrylate, and glycidyl acrylate.
(M3) Alkyl methacrylates such as methyl methacrylate, ethyl methacrylate, propyl methacrylate, butyl methacrylate, amyl methacrylate, hexyl methacrylate, cyclohexyl methacrylate, benzyl methacrylate, 2-chloroethyl methacrylate and glycidyl methacrylate.
(M4) Acrylamide, methacrylamide, N-methylol acrylamide, N-ethyl acrylamide, N-hexyl methacrylamide, N-cyclohexyl acrylamide, N-hydroxyethyl acrylamide, N-phenyl acrylamide, N-nitrophenyl acrylamide, N-ethyl- Acrylamide or methacrylamide such as N-phenylacrylamide.
[0046]
(M5) Vinyl ethers such as ethyl vinyl ether, 2-chloroethyl vinyl ether, hydroxyethyl vinyl ether, propyl vinyl ether, butyl vinyl ether, octyl vinyl ether, and phenyl vinyl ether.
(M6) Vinyl esters such as vinyl acetate, vinyl chloroacetate, vinyl butyrate and vinyl benzoate.
(M7) Styrenes such as styrene, α-methylstyrene, methylstyrene, chloromethylstyrene.
(M8) Vinyl ketones such as methyl vinyl ketone, ethyl vinyl ketone, propyl vinyl ketone, and phenyl vinyl ketone.
(M9) Olefins such as ethylene, propylene, isobutylene, butadiene and isoprene.
(M10) N-vinylpyrrolidone, acrylonitrile, methacrylonitrile and the like.
(M11) Unsaturated imides such as maleimide, N-acryloylacrylamide, N-acetylmethacrylamide, N-propionylmethacrylamide, N- (p-chlorobenzoyl) methacrylamide.
(M12) Unsaturated carboxylic acids such as acrylic acid, methacrylic acid, maleic anhydride and itaconic acid.
[0047]
When the alkali-soluble resin according to the present invention is a homopolymer or copolymer of a polymerizable monomer having a phenolic hydroxyl group, a polymerizable monomer having a sulfonamide group, or a polymerizable monomer having an active imide group, Those having a molecular weight of 2,000 or more and a number average molecular weight of 500 or more are preferred. More preferably, the weight average molecular weight is 5,000 to 300,000, the number average molecular weight is 800 to 250,000, and the dispersity (weight average molecular weight / number average molecular weight) is 1.1 to 10. .
In particular, when the alkali-soluble resin according to the present invention is a phenol formaldehyde resin or a cresol aldehyde resin, the weight average molecular weight is 500 to 20,000, and the number average molecular weight is 200 to 10,000. Is preferred.
[0048]
As the alkali-soluble resin used in the present invention, strong hydrogen bondability occurs in the unexposed area, and some hydrogen bonds are easily released in the exposed area. A novolak resin is preferable.
In the present invention, two or more kinds of alkali-soluble resins having different dissolution rates in an alkaline aqueous solution may be mixed and used, and the mixing ratio in that case is arbitrary. The alkali-soluble resin suitable for mixing with the resin having a phenolic hydroxyl group is preferably an acrylic resin because of its low compatibility with a resin having a phenolic hydroxyl group, and more preferably a sulfoamide group. It is an acrylic resin.
[0049]
The content of the alkali-soluble resin relative to the total solid content of the uppermost layer according to the present invention is used in an addition amount of 50 to 98% by mass. When the addition amount of the alkali-soluble resin is less than 50% by mass, the durability of the recording layer is deteriorated, and when it exceeds 98% by mass, it is not preferable in terms of both sensitivity and durability.
[0050]
(Development inhibitor)
The uppermost layer according to the present invention may contain a development inhibitor for the purpose of enhancing its inhibition (dissolution inhibiting ability).
The development inhibitor according to the present invention forms an interaction with the alkali-soluble resin, substantially lowers the solubility of the alkali-soluble resin in a developing solution in an unexposed area, and There is no particular limitation as long as the interaction is weakened and can be soluble in the developer, but quaternary ammonium salts, polyethylene glycol compounds and the like are particularly preferably used. Among the photothermal conversion agents and image colorants described below, there are compounds that function as development inhibitors, and these are also preferred.
[0051]
Although it does not specifically limit as a quaternary ammonium salt, A tetraalkyl ammonium salt, a trialkyl aryl ammonium salt, a dialkyl diaryl ammonium salt, an alkyl triaryl ammonium salt, a tetraaryl ammonium salt, a cyclic ammonium salt, and a bicyclic ammonium salt are mentioned. .
Specifically, tetrabutylammonium bromide, tetrapentylammonium bromide, tetrahexylammonium bromide, tetraoctylammonium bromide, tetralaurylammonium bromide, tetraphenylammonium bromide, tetranaphthylammonium bromide, tetrabutylammonium chloride, tetrabutylammonium iodide , Tetrastearyl ammonium bromide, lauryl trimethyl ammonium bromide, stearyl trimethyl ammonium bromide, behenyl trimethyl ammonium bromide, lauryl triethyl ammonium bromide, phenyl trimethyl ammonium bromide, 3-trifluoromethylphenyl trimethyl ammonium bromide, benzyl trimethyl ammonium bromide De, dibenzyl dimethyl ammonium bromide, distearyl dimethyl ammonium bromide, tristearyl methyl ammonium bromide, benzyl triethyl ammonium bromide, hydroxyphenyl trimethyl ammonium bromide, N- methyl pyridinium bromide, and the like. In particular, quaternary ammonium salts described in Japanese Patent Application Nos. 2001-226297, 2001-370059, and 2001-398047 are preferable.
[0052]
The amount of the quaternary ammonium salt added is preferably 0.1 to 50% by mass, more preferably 1 to 30% by mass, based on the total solid content of the uppermost layer. If it is less than 0.1% by mass, the effect of suppressing development is reduced, which is not preferable. Moreover, when adding exceeding 50 mass%, the film forming property of the said alkali-soluble resin may be adversely affected.
[0053]
Moreover, it does not specifically limit as a polyethyleneglycol compound, However, The thing of the structure represented by following General formula (1) is mentioned.
R1-{-O- (RThree-O-)m-R2}n ... General formula (1)
In the general formula (1), R1Represents a polyhydric alcohol residue or a polyhydric phenol residue, R2Represents a hydrogen atom, an alkyl group having 1 to 25 carbon atoms which may have a substituent, an alkenyl group, an alkynyl group, an alkylyl group, an aryl group or an aryloyl group. RThreeRepresents an alkylene residue which may have a substituent, m represents an average of 10 or more, and n represents an integer of 1 to 4.
[0054]
Examples of the polyethylene glycol compound represented by the general formula (1) include polyethylene glycols, polypropylene glycols, polyethylene glycol alkyl ethers, polypropylene glycol alkyl ethers, polyethylene glycol aryl ethers, polypropylene glycol aryl ethers, Polyethylene glycol alkyl aryl ethers, polypropylene glycol alkyl aryl ethers, polyethylene glycol glycerol esters, polypropylene glycol glycerol esters, polyethylene sorbitol esters, polypropylene glycol sorbitol esters, polyethylene glycol fatty acid esters, polypropylene glycol fatty acid esters, polyethylene glycol Lumpur ethylenediamines, polypropylene glycolated ethylenediamines, polyethylene glycolated diethylenetriamine, and polypropylene glycol diethylenetriamines.
[0055]
Further specific examples include polyethylene glycol 1000, polyethylene glycol 2000, polyethylene glycol 4000, polyethylene glycol 10000, polyethylene glycol 20000, polyethylene glycol 5000, polyethylene glycol 100000, polyethylene glycol 200000, polyethylene glycol 500000, polypropylene glycol 1500, polypropylene glycol. 3000, polypropylene glycol 4000, polyethylene glycol methyl ether, polyethylene glycol ethyl ether, polyethylene glycol phenyl ether, polyethylene glycol dimethyl ether, polyethylene glycol diethyl ether, polyethylene glycol diphenyl ether Ter, polyethylene glycol lauryl ether, polyethylene glycol dilauryl ether, polyethylene glycol nonyl ether, polyethylene glycol cetyl ether, polyethylene glycol stearyl ether, polyethylene glycol distearyl ether, polyethylene glycol behenyl ether, polyethylene glycol dibehenyl ether, polypropylene glycol methyl ether, Polypropylene glycol ethyl ether, polypropylene glycol phenyl ether, polypropylene glycol dimethyl ether, polypropylene glycol diethyl ether, polypropylene glycol diphenyl ether, polypropylene glycol lauryl ether, polypropylene glycol dilauryl ether , Polypropylene glycol nonyl ether, polyethylene glycol acetyl ester, polyethylene glycol diacetyl ester, polyethylene glycol benzoic acid ester, polyethylene glycol lauryl ester, polyethylene glycol dilauryl ester, polyethylene glycol nonyl acid ester, polyethylene glycol cetyl acid ester, polyethylene glycol stearoyl ester, Polyethylene glycol distearoyl ester, polyethylene glycol behenate ester, polyethylene glycol dibehenate ester, polypropylene glycol acetyl ester, polypropylene glycol diacetyl ester, polypropylene glycol benzoate ester, polypropylene glycol dibenzoate ester Polypropylene glycol laurate, polypropylene glycol dilaurate, polypropylene glycol nonyl ester, polyethylene glycol glycerol ether, polypropylene glycol glycerol ether, polyethylene glycol sorbitol ether, polypropylene glycol sorbitol ether, polyethylene glycolated ethylenediamine, polypropylene glycolated ethylenediamine Polyethylene glycolated diethylenetriamine, polypropylene glycolated diethylenetriamine, and polyethylene glycolated pentamethylenehexamine.
[0056]
The addition amount of the polyethylene glycol compound is preferably 0.1 to 50% by mass, and more preferably 1 to 30% by mass with respect to the total solid content of the uppermost layer. If it is less than 0.1% by mass, the effect of suppressing development is small, which is not preferable. When an amount exceeding 50% by mass is added, the polyethylene glycol compound that cannot interact with the alkali-soluble resin accelerates the penetration of the developer and may adversely affect image forming properties.
[0057]
In addition, when measures are taken to increase such inhibition (dissolution suppression ability), sensitivity decreases. In this case, the addition of a lactone compound in the uppermost layer is effective in suppressing sensitivity decrease. It is. The lactone compound reacts with the lactone compound when the developer penetrates into the exposed area, that is, the recording layer in the area where the inhibition is released, and the lactone compound reacts to generate a new carboxylic acid compound. It is considered that the sensitivity is improved by promoting the dissolution of the recording layer in the partial area. In the unexposed area, this lactone compound forms an interaction with a polar group in the alkali-soluble resin, for example, a hydroxyl group in the novolak resin, and is stable in the film together with a bulky structure having a ring. Therefore, even when an alkaline developer is in contact with the surface of the unexposed area, the rapid opening of the lactone ring during the development process is suppressed, so that the development resistance of the region is reduced. Absent. This interaction is released more easily by the exposure or heating than the inhibitory action by the dissolution inhibitor, so that the ring-opening reaction of the lactone compound in the exposed part is performed rapidly.
Such a lactone compound is not particularly limited, and examples thereof include compounds represented by the following general formula (LI) and general formula (L-II).
[0058]
[Chemical Formula 10]
[0059]
In general formula (LI) and general formula (L-II), X1, X2, XThreeAnd XFourAre divalent non-metallic atoms or non-metallic atomic groups constituting the ring, which may be the same or different. Moreover, these may each independently have a substituent. Furthermore, X in the general formula (LI)1, X2And XThreeAnd at least one of X in general formula (L-II)1, X2, XThreeAnd XFourAt least one of is preferably an electron-withdrawing substituent or a substituent substituted with an electron-withdrawing group.
[0060]
A preferred nonmetallic atom or nonmetallic atomic group is an atom or atomic group selected from a methylene group, a sulfinyl group, a carbonyl group, a thiocarbonyl group, a sulfonyl group, a sulfur atom, an oxygen atom, and a selenium atom, and more preferably, It is an atomic group selected from a methylene group, a carbonyl group and a sulfonyl group.
[0061]
In this specification, the electron-withdrawing substituent refers to a group in which Hammett's substituent constant σp takes a positive value. For Hammett's substituent constants, see Journal of Medicinal Chemistry, 1973, Vol. 16, no. 11, 1207-1216 etc. can be referred to. Examples of electron-withdrawing groups in which Hammett's substituent constant σp takes a positive valence include halogen atoms [fluorine atoms (σp value: 0.06), chlorine atoms (σp value: 0.23), bromine atoms (σp value). : 0.23), iodine atom (σp value: 0.18)], trihaloalkyl group [tribromomethyl (σp value: 0.29), trichloromethyl (σp value: 0.33), trifluoromethyl (σp Value: 0.54)], a cyano group (σp value: 0.66), a nitro group (σp value: 0.78), an aliphatic / aryl or heterocyclic sulfonyl group [for example, methanesulfonyl (σp value: 0. 72)], aliphatic / aryl or heterocyclic acyl groups [for example, acetyl (σp value: 0.50), benzoyl (σp value: 0.43)], alkynyl groups [for example, C≡CH (σp value: 0) .23)], Aliphatic Ali Or a heterocyclic oxycarbonyl group [for example, methoxycarbonyl (σp value: 0.45), phenoxycarbonyl (σp value: 0.44)], carbamoyl group (σp value: 0.36), sulfamoyl group (σp value: 0.57), sulfoxide groups, heterocyclic groups, oxo groups, phosphoryl groups and the like.
[0062]
Preferred electron withdrawing groups include amide groups, azo groups, nitro groups, fluoroalkyl groups having 1 to 5 carbon atoms, nitrile groups, alkoxycarbonyl groups having 1 to 5 carbon atoms, and acyl groups having 1 to 5 carbon atoms. , An alkylsulfonyl group having 1 to 9 carbon atoms, an arylsulfonyl group having 6 to 9 carbon atoms, an alkylsulfinyl group having 1 to 9 carbon atoms, an arylsulfinyl group having 6 to 9 carbon atoms, and an arylcarbonyl group having 6 to 9 carbon atoms , A thiocarbonyl group, a fluorine-containing alkyl group having 1 to 9 carbon atoms, a fluorine-containing aryl group having 6 to 9 carbon atoms, a fluorine-containing allyl group having 3 to 9 carbon atoms, an oxo group, and a group selected from a halogen element. More preferably, a nitro group, a fluoroalkyl group having 1 to 5 carbon atoms, a nitrile group, an alkoxycarbonyl group having 1 to 5 carbon atoms, an acyl group having 1 to 5 carbon atoms, a carbon number 6 9 arylsulfonyl group, an arylcarbonyl group having 6 to 9 carbon atoms, an oxo group, and a halogen element.
Specific examples of the compounds represented by formulas (LI) and (L-II) are shown below, but the present invention is not limited to these compounds.
[0063]
Embedded image
[0064]
Embedded image
[0065]
The addition amount of the compounds represented by the general formula (LI) and the general formula (L-II) is preferably 0.1 to 50% by mass, more preferably 1 to 30% by mass with respect to the total solid content of the uppermost layer. % Is more preferable. If it is less than 0.1% by mass, the effect is small, and if it is added in excess of 50% by mass, the image formability is inferior.
Any one lactone compound may be used in the present invention, or two or more lactone compounds may be used in combination. In addition, when two or more types of compounds of general formula (LI) or two or more types of compounds of general formula (L-II) are used, they should be used in any ratio as long as the total addition amount is within the above range. Can do.
[0066]
In addition, substances that are thermally decomposable, such as onium salts, o-quinonediazide compounds, aromatic sulfone compounds, aromatic sulfonic acid ester compounds, and that substantially reduce the solubility of alkali-soluble resins when not decomposed. Is preferably used from the viewpoint of improving the inhibition of the image portion in the developer.
[0067]
Examples of the onium salts used in the present invention include diazonium salts, ammonium salts, phosphonium salts, iodonium salts, sulfonium salts, selenonium salts, arsonium salts, and the like. I. Schlesinger, Photogr. Sci. Eng. , 18, 387 (1974), T.A. S. Balet al, Polymer, 21, 423 (1980), diazonium salts described in JP-A-5-158230, U.S. Pat. Nos. 4,069,055 and 4,069,056, JP-A-3- An ammonium salt described in Japanese Patent No. 140140; C. Necker et al, Macromolecules, 17, 2468 (1984), C.I. S. Wen et al, Teh, Proc. Conf. Rad. Curing ASIA, p478 Tokyo, Oct (1988), U.S. Pat. Nos. 4,069,055 and 4,069,056.
[0068]
J. et al. V. Crivello et al, Macromolecules, 10 (6), 1307 (1977), Chem. & Eng. News, Nov. 28, p31 (1988), European Patent No. 104,143, U.S. Pat. Nos. 5,041,358, 4,491,628, JP-A-2-150848, JP-A-2-296514. Iodonium salts described in each publication; V. Crivello et al, Polymer J. et al. 17, 73 (1985), J. Am. V. Crivello et al. J. et al. Org. Chem. 43, 3055 (1978); R. Watt et al, J.A. Polymer Sci. , Polymer Chem. Ed. , 22, 1789 (1984), J. Am. V. Crivello et al, Polymer Bull. , 14, 279 (1985),
[0069]
J. et al. V. Crivello et al, Macromolecules, 14 (5), 1141 (1981), J. MoI. V. Crivello et al, J.A. Polymer Sci. , Polymer Chem. Ed. 17, 2877 (1979), European Patents 370,693, 233,567, 297,443, 297,442, U.S. Pat. Nos. 4,933,377, 3,902,114 No. 4,491,628, No. 4,760,013, No. 4,734,444, No. 2,833,827, German Patent No. 2,904,626, No. 3,604 The sulfonium salt described in each specification of 580 and 3,604,581,
[0070]
J. et al. V. Crivello et al, Macromolecules, 10 (6), 1307 (1977), J. MoI. V. Crivello et al, J.A. Polymer Sci. , Polymer Chem. Ed. , 17, 1047 (1979), a selenonium salt described in C.I. S. Wen et al, Teh, Proc. Conf. Rad. Curing ASIA, p478 Tokyo, Oct (1988).
Of these onium salts, a diazonium salt is particularly preferable. Particularly suitable diazonium salts include those described in JP-A-5-158230.
[0071]
The counter ion of the onium salt includes tetrafluoroboric acid, hexafluorophosphoric acid, triisopropylnaphthalenesulfonic acid, 5-nitro-o-toluenesulfonic acid, 5-sulfosalicylic acid, 2,5-dimethylbenzenesulfonic acid, 2,4,6-trimethylbenzenesulfonic acid, 2-nitrobenzenesulfonic acid, 3-chlorobenzenesulfonic acid, 3-bromobenzenesulfonic acid, 2-fluorocaprylnaphthalenesulfonic acid, dodecylbenzenesulfonic acid, 1-naphthol-5-sulfone Examples include acid, 2-methoxy-4-hydroxy-5-benzoyl-benzenesulfonic acid, and paratoluenesulfonic acid. Of these, alkyl aromatic sulfonic acids such as hexafluorophosphoric acid, triisopropylnaphthalenesulfonic acid and 2,5-dimethylbenzenesulfonic acid are particularly preferred.
[0072]
Suitable quinonediazides include o-quinonediazide compounds. The o-quinonediazide compound used in the present invention is a compound having at least one o-quinonediazide group, which increases alkali solubility by thermal decomposition, and compounds having various structures can be used. That is, o-quinonediazide assists the solubility of the uppermost layer by both the effects of losing the inhibition as a development inhibitor due to thermal decomposition and the change of o-quinonediazide itself into an alkali-soluble substance.
Examples of such o-quinonediazide compounds include J. Org. The compounds described in pages 339 to 352 of “Light-sensitive systems” by John Coley (John Wiley & Sons. Inc.) can be used, and in particular, o-quinonediazide reacted with various aromatic polyhydroxy compounds or aromatic amino compounds. The sulfonic acid esters or sulfonic acid amides are preferred. Further, benzoquinone (1,2) -diazide sulfonic acid chloride or naphthoquinone- (1,2) -diazide-5-sulfonic acid chloride and pyrogallol-acetone resin as described in JP-B-43-28403 Esters of benzoquinone- (1,2-diazidosulfonic acid chloride or naphthoquinone- (1,2)-described in U.S. Pat. Nos. 3,046,120 and 3,188,210. Esters of diazide-5 sulfonic acid chloride and phenol-formaldehyde resins are also preferably used.
[0073]
Further, an ester of naphthoquinone- (1,2) -diazido-4-sulfonic acid chloride and phenol formaldehyde resin or cresol-formaldehyde resin, naphthoquinone- (1,2) -diazido-4-sulfonic acid chloride and pyrogallol-acetone resin Similarly, the esters are also preferably used. Other useful o-quinonediazide compounds are reported and known in numerous patents. For example, JP-A-47-5303, JP-A-48-63802, JP-A-48-63803, JP-A-48-96575, JP-A-49-38701, JP-A-48-13354, Japanese Patent Publication Nos. 41-11222, 45-9610, 49-17478, and U.S. Pat. Nos. 2,797,213, 3,454,400, and 3,544 No. 323, No. 3,573,917, No. 3,674,495, No. 3,785,825, British Patent No. 1,227,602, No. 1,251,345, No. Nos. 1,267,005, 1,329,888, 1,330,932, German Patent 854,890, and the like. .
[0074]
The addition amount of the o-quinonediazide compound is preferably in the range of 1 to 50% by mass, more preferably 5 to 30% by mass, and particularly preferably 10 to 30% by mass with respect to the total solid content of the uppermost layer. These compounds can be used alone, but may be used as a mixture of several kinds.
Moreover, you may include the alkali-soluble resin by which at least one part of Unexamined-Japanese-Patent No. 11-288089 was esterified.
[0075]
Further, for the purpose of enhancing the inhibition of the surface of the recording layer and the scratch resistance of the surface, the perfluoro having 3 to 20 carbon atoms in the molecule as described in JP-A-2000-187318 is also disclosed. It is preferable to use a polymer having a polymerization component of a (meth) acrylate monomer having 2 or 3 alkyl groups.
As addition amount, 0.1-10 mass% is preferable with respect to the uppermost-layer total solid, More preferably, it is 0.5-5 mass%.
[0076]
The recording layer of the lithographic printing plate precursor according to the present invention has a multilayer structure of the uppermost layer and a lower layer provided between the uppermost layer and the hydrophilic support. In the case of the recording layer having such a configuration, the image layer surface has high scratch resistance and alkali development resistance because the uppermost layer has good film properties and alkali development resistance in the image region. That is, the development resistance due to the development inhibitor in the non-image area is quickly released by exposure, and when the uppermost layer is developed and removed, the lower layer having high developability is exposed, and the solubility in a high alkaline aqueous solution possessed by itself is exposed. It develops and is quickly removed to expose the hydrophilic support, and an excellent image with no stain is formed on the non-image area. Below, a lower layer is demonstrated.
[0077]
[Lower layer containing water-insoluble and alkali-soluble resin]
The lower layer according to the present invention is characterized by containing a water-insoluble and alkali-soluble resin.
As such an alkali-soluble resin, it is necessary for the lower layer itself to exhibit a high alkali-solubility, particularly in a non-image area, and therefore a resin that does not impair this property must be selected. From this viewpoint, the water-insoluble and alkali-soluble resin used for the uppermost layer is preferable. Among these, from the viewpoint of sensitivity and image formability, it is preferable to select a resin that is less likely to form an interaction than the alkali-soluble resin used in the uppermost layer and has excellent solubility in an alkali developer. Preferred examples include polyamide resin, epoxy resin, acetal resin, acrylic resin, methacrylic resin, styrene resin, urethane resin and the like.
[0078]
As the alkali-soluble resin used for the lower layer, it is important to select a resin with low solvent solubility that is not dissolved by the coating solvent when the uppermost layer is applied. By selecting such a resin, undesired compatibility at the interface between the two layers can be suppressed, and further improvement in chemical resistance can be expected. From such a viewpoint, among the above, an acetal resin, an acrylic resin, and a urethane resin are particularly preferable.
[0079]
Hereinafter, the alkali-soluble resin suitably used for the lower layer will be described.
First, a water-insoluble and alkali-soluble acrylic resin (hereinafter simply referred to as an acrylic resin) will be described. The acrylic resin used here is not particularly limited as long as it is insoluble in water and soluble in an alkaline aqueous solution. Such an acrylic resin is particularly suitable for forming such a multilayer structure because of its low compatibility with the alkali-soluble resin having a phenolic hydroxyl group that is preferably used in the uppermost layer. Excellent alkali solubility.
Acrylic resins include sulfonamide groups (-SO2NH—R, where R represents a hydrocarbon group which may have a substituent. ), An active imide group [-SO2NHCOR, -SO2NHSO2R, -CONHSO2R, where R represents a hydrocarbon group which may have a substituent. ], Carboxylic acid group (-CO2H), a sulfonic acid group (—SOThreeH), phosphate group (-OPOThreeH2(M1) to (m5), i.e., (m1) acrylic acid having an aliphatic hydroxyl group, which is listed as the copolymerizable component of the alkali-soluble resin used in the uppermost layer. Esters, and methacrylic acid esters, (m2) alkyl acrylates, (m3) alkyl methacrylates, (m4) acrylamide or methacrylamide, particularly in the lower layer, further, inactive imides such as alkyl maleimide and aryl maleimide, (M5) Resins containing nitriles such as acrylonitrile and methacrylonitrile as constituent components. Also, acrylic resins having a sulfonamide group described in JP-A-2-866 can be suitably applied to the present invention.
[0080]
The acrylic resin preferably has a weight average molecular weight of 2,000 or more and a number average molecular weight of 500 or more. More preferably, the weight average molecular weight is 5,000 to 300,000, the number average molecular weight is 800 to 250,000, and the dispersity (weight average molecular weight / number average molecular weight) is 1.1 to 10. .
[0081]
Next, a water-insoluble and alkali-soluble polyurethane resin (hereinafter simply referred to as a polyurethane resin as appropriate) will be described. The polyurethane resin used here is not particularly limited as long as it is insoluble in water and soluble in an aqueous alkali solution, but among them, those having a carboxyl group in the polymer main chain are preferred, specifically, The basic skeleton is a reaction product of a diisocyanate compound represented by the following general formula (I) and at least one diol compound having a carboxyl group represented by the following general formula (II) or general formula (III). A polyurethane resin is mentioned.
[0082]
Embedded image
[0083]
In formula (I), R1Represents a divalent linking group. Examples of such a divalent linking group include aliphatic hydrocarbons, alicyclic hydrocarbons, and aromatic hydrocarbons. Preferably, the alkylene group has 2 to 10 carbon atoms, and has 6 to 30 carbon atoms. An arylene group is mentioned. The arylene group may be a group in which two or more ring structures are linked by a single bond or a divalent organic linking group such as a methylene group, or a condensed polycyclic structure. If necessary, R1May have other functional groups that do not react with the isocyanate group in the formula (I), such as ester, urethane, amide, ureido group and the like.
In addition, R1May have a substituent, and examples of the substituent that can be introduced include a halogen atom (—F, —Cl, —Br, —I), an alkyl group, an alkoxyl group, an alkyl ester group, a cyano group, and the like. Examples of the inert group include an isocyanate group.
Moreover, as a diisocyanate compound used for this invention, in addition to the thing represented by the said general formula (I), at the both ends of high molecular compounds, such as an oligomer or a polymer which consists of a diol compound mentioned later, for example, A high molecular weight diisocyanate compound having an isocyanate group may also be used.
[0084]
In formula (II), R2Represents a hydrogen atom, an alkyl group, an aralkyl group, an aryl group, an alkoxy group or an aryloxy group. Where R2May have a substituent, and examples of the substituent that can be introduced include a cyano group, a nitro group, a halogen atom (—F, —Cl, —Br, —I), —CONH.2, -COOR6, -OR6, -NHCONHR6, -NHCOOR6, -NHCOR6, -OCONHR6, -CONHR6(Where R6Represents an alkyl group having 1 to 10 carbon atoms and an aralkyl group having 7 to 15 carbon atoms. ) And the like.
Preferred R2Examples thereof include a hydrogen atom, an unsubstituted alkyl group having 1 to 8 carbon atoms, and an unsubstituted aryl group having 6 to 15 carbon atoms.
[0085]
R in the formula (II) or (III)Three, RFour, RFiveMay be the same or different and each represents a single bond or a divalent linking group. Examples of such a divalent linking group include aliphatic hydrocarbons and aromatic hydrocarbons. Where RThree, RFour, RFiveMay have a substituent, and examples of the substituent that can be introduced include an alkyl group, an aralkyl group, an aryl group, an alkoxy group, and a halogen atom (—F, —Cl, —Br, —I) and the like. .
Preferred RThree, RFour, RFiveExamples thereof include an unsubstituted alkylene group having 1 to 20 carbon atoms and an unsubstituted arylene group having 6 to 15 carbon atoms, and more preferable examples include an unsubstituted alkylene group having 1 to 8 carbon atoms. Can be mentioned. If necessary, RThree, RFour, RFiveMay have other functional groups that do not react with the isocyanate group in the above formula (I), such as ester, urethane, amide, ureido, and ether groups.
In addition, the above R2, RThree, RFour, RFiveIn these, two or three of them may be bonded to each other to form a ring structure.
[0086]
In formula (III), Ar represents a trivalent aromatic hydrocarbon which may have a substituent, and preferably an arylene group having 6 to 15 carbon atoms.
[0087]
Specific examples of the diisocyanate compound represented by the general formula (I) include those shown below, but the present invention is not limited thereto.
2,4-tolylene diisocyanate, dimer of 2,4-tolylene diisocyanate, 2,6-tolylene diisocyanate, p-xylylene diisocyanate, metaxylylene diisocyanate, 4,4′-diphenylmethane diisocyanate, 1,5 -Aromatic diisocyanate compounds such as naphthylene diisocyanate, 3,3'-dimethylbiphenyl-4,4'-diisocyanate; aliphatic diisocyanate compounds such as hexamethylene diisocyanate, trimethylhexamethylene diisocyanate, lysine diisocyanate, dimer acid diisocyanate; Isophorone diisocyanate, 4,4′-methylenebis (cyclohexyl isocyanate), methylcyclohexane-2,4 (or 2,6) diisocyanate, 1,3- (i Cyanate methyl) alicyclic diisocyanate compounds such as such as cyclohexane; 1,3-butylene glycol 1 mol of a diisocyanate compound which is a reaction product of such a diol and a diisocyanate, an adduct of tolylene diisocyanate 2 mol, and the like.
Among these, those having an aromatic ring such as 4,4'-diphenylmethane diisocyanate, xylylene diisocyanate, and tolylene diisocyanate are preferable from the viewpoint of scratch resistance.
[0088]
Specific examples of the diol compound having a carboxyl group represented by the general formula (II) or (III) include those shown below, but the present invention is not limited thereto.
3,5-dihydroxybenzoic acid, 2,2-bis (hydroxymethyl) propionic acid, 2,2-bis (hydroxyethyl) propionic acid, 2,2-bis (3-hydroxypropylpropionic acid, 2,2-bis (Hydroxymethyl) acetic acid, bis- (4-hydroxyphenyl) acetic acid, 4,4-bis- (4-hydroxyphenyl) pentanoic acid, tartaric acid and the like.
Among these, 2,2-bis (hydroxymethyl) propionic acid and 2,2-bis (hydroxyethyl) propionic acid are preferable from the viewpoint of reactivity with isocyanate.
[0089]
The polyurethane resin according to the present invention uses two or more diisocyanate compounds represented by the above general formula (I) and two or more diol compounds having a carboxyl group represented by the general formula (II) or (III). It may be formed.
In addition to the diol compound having a carboxyl group represented by the general formula (II) or (III), the diol compound does not have a carboxyl group and has a substituent that does not react with the isocyanate group in the formula (I). The diol compound that may be used may be used in combination so as not to lower the alkali developability.
[0090]
The polyurethane resin according to the present invention can be synthesized by adding the above-mentioned diisocyanate compound and diol compound to an aprotic solvent by adding a known catalyst having an activity corresponding to the reactivity and heating.
The molar ratio of the diisocyanate and the diol compound to be used is preferably 0.8: 1 to 1.2: 1. When an isocyanate group remains at the end of the polymer, it is finally treated by treatment with alcohols or amines. Thus, it is synthesized in a form in which no isocyanate group remains.
[0091]
The molecular weight of the polyurethane resin according to the present invention is preferably 1,000 or more in terms of weight average molecular weight, and more preferably in the range of 5,000 to 100,000. These polyurethane resins may be used alone or in combination of two or more.
[0092]
Next, a water-insoluble and alkali-soluble acetal resin will be described. The acetal resin used here is known as a polyvinyl acetal resin, and is not particularly limited as long as it is insoluble in water and soluble in an alkaline aqueous solution. ) Is preferred.
[0093]
Embedded image
[0094]
Among the structural units, the polyvinyl acetal resin represented by the general formula (IV) essentially includes the structural unit (i) that is a vinyl acetal component and the structural unit (iv) that is an ester component containing a carboxyl group, It is composed of structural units (i) to (iv), each of which is composed of a structural unit (ii) that is a vinyl alcohol component and a structural unit (iii) that is an unsubstituted ester component. Or more. In addition, n1-n4 shows the structural ratio (mol%) of each structural unit.
[0095]
In the structural unit (i), R1Represents an alkyl group which may have a substituent, a hydrogen atom, a carboxyl group, or a dimethylamino group. Examples of the substituent include a carboxyl group, a hydroxyl group, a chloro group, a bromo group, a urethane group, a ureido group, a tertiary amino group, an alkoxy group, a cyano group, a nitro group, an amide group, and an ester group.
R1Specific examples of these include a hydrogen atom, a methyl group, an ethyl group, a propyl group, a butyl group, a pentyl group, a carboxy group, a methyl group substituted with a halogen atom (-Br, -Cl, etc.) or a cyano group, 3-hydroxy Examples thereof include a butyl group, a 3-methoxybutyl group, and a phenyl group, and among them, a hydrogen atom, a propyl group, and a phenyl group are particularly preferable.
N1 is preferably in the range of 5 to 85 mol%, more preferably in the range of 25 to 70 mol%. When the value of n1 is smaller than 5 mol%, the film strength is weakened, and when the value of n1 is larger than 85 mol%, it is difficult to dissolve in the coating solvent.
[0096]
In the structural unit (ii), n2 is preferably in the range of 0 to 60 mol%, more preferably in the range of 10 to 45 mol%. Since this structural unit (ii) is excellent in affinity with water, when the value of n2 is more than 60 mol%, the swelling property with respect to water increases and the printing durability deteriorates.
[0097]
In the structural unit (iii), R2Represents an alkyl group having no substituent. Among these, an alkyl group having 1 to 10 carbon atoms is preferable, and a methyl group and an ethyl group are particularly preferable from the viewpoint of developability.
n3 is preferably in the range of 0 to 20 mol%, more preferably in the range of 1 to 10 mol%. When the value of n3 is larger than 20 mol%, the printing durability is lowered, which is not preferable.
[0098]
In the structural unit (iv), RThreeRepresents an aliphatic hydrocarbon group having a carboxyl group, an alicyclic hydrocarbon group, or an aromatic hydrocarbon group, and these hydrocarbon groups preferably have 1 to 20 carbon atoms. In addition, these hydrocarbon groups in the structural unit (iv) mainly include succinic anhydride, maleic anhydride, phthalic anhydride, trimellitic anhydride, cis-4-cyclohexene-1,2-dicarboxylic anhydride, and the like. It is preferable that it is a hydrocarbon group obtained by reacting the acid anhydride of the above and the residual -OH of polyvinyl acetal, and among them, those obtained by reacting phthalic anhydride and succinic anhydride are more preferred. Moreover, what was obtained using another cyclic acid anhydride may be used.
RThreeMay have a substituent other than a carboxyl group. Examples of such a substituent include those represented by the following structures.
[0099]
Embedded image
[0100]
R in the above formulaFourAs examples thereof, an alkyl group having 1 to 20 carbon atoms, an aralkyl group, or an aryl group which may have a substituent may be mentioned. Examples of the substituent that can be introduced here include —OH, —C≡N, —CL, -Br, -NO2Can be given.
[0101]
RThreeSpecific examples of these include the following, but the present invention is not limited thereto.
[0102]
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[0103]
n4 is preferably in the range of 3 to 60 mol%, more preferably in the range of 10 to 55 mol%. When the value of n4 is larger than 60 mol%, the development becomes excessive and defects in the halftone dots and fine lines are likely to occur. On the other hand, when the value of n4 is smaller than 3 mol%, development failure tends to occur.
[0104]
The polyvinyl acetal resin represented by the general formula (IV) can be synthesized by a method in which polyvinyl alcohol is acetalized with an aldehyde and the remaining hydroxy group is reacted with an acid anhydride.
Examples of the aldehyde used herein include formaldehyde, acetaldehyde, propionaldehyde, butyraldehyde, pentylaldehyde, hexylaldehyde, glyoxylic acid, N, N-dimethylformamide di-n-butyl acetal, bromoacetaldehyde, chloroacetaldehyde, 3-hydroxy- Examples include, but are not limited to, n-butyraldehyde, 3-methoxy-n-butyraldehyde, 3- (dimethylamino) -2,2-dimethylpropionaldehyde, cyanoacetaldehyde, and the like.
[0105]
The acid content of the polyvinyl acetal resin according to the present invention is preferably in the range of 0.5 to 5.0 meq / g (that is, 84 to 280 in terms of mg of KOH), and 1.0 to 3.0 meq / g. More preferably, it is g.
The molecular weight of the polyvinyl acetal resin according to the present invention is preferably about 5,000 to 400,000, and about 20,000 to 300,000, as a weight average molecular weight measured by gel permeation chromatography. More preferred. In addition, these polyvinyl acetal resins may be used independently or may be used in mixture of 2 or more types.
[0106]
Content of the alkali-soluble resin in the lower layer component which concerns on this invention is about 40-95 mass% in total solid, Preferably it is about 50-90 mass%.
In the lower layer, in addition to the alkali-soluble resin, a photothermal conversion agent and various additives described later can be used in combination.
[0107]
(Photothermal conversion agent)
In the lithographic printing plate precursor of the present invention, it is necessary to add a photothermal conversion agent to at least one of the lower layer and the uppermost layer, but it is preferable to add it to both the lower layer and the uppermost layer.
The photothermal conversion agent is not particularly limited as long as it is a substance that absorbs light and converts it into heat, but a dye that absorbs infrared light and generates heat, that is, an infrared absorbent is preferable.
[0108]
As the photothermal conversion agent according to the present invention, commercially available dyes and known ones described in literature (for example, “Dye Handbook” edited by Organic Synthetic Chemical Society, published in 1970) can be used. Specific examples include azo dyes, metal complex azo dyes, pyrazolone azo dyes, anthraquinone dyes, phthalocyanine dyes, carbonium dyes, quinoneimine dyes, methine dyes, and cyanine dyes. In the present invention, among these dyes, those that absorb infrared light or near infrared light are particularly preferred because they are suitable for use in lasers that emit infrared light or near infrared light.
[0109]
Examples of dyes that absorb such infrared light or near infrared light include, for example, JP-A-58-125246, JP-A-59-84356, JP-A-59-202829, and JP-A-60-78787. Cyanine dyes described in each publication, methine dyes described in JP-A Nos. 58-173696, 58-181690, 58-194595, etc. Nos. 112793, 58-224793, 59-48187, 59-73996, 60-52940, 60-63744, etc. Examples thereof include naphthoquinone dyes, squarylium dyes described in JP-A No. 58-112792, and cyanine dyes described in British Patent 434,875.
[0110]
Further, near-infrared absorption sensitizers described in US Pat. No. 5,156,938 are also preferably used as dyes, and substituted arylbenzoates described in US Pat. No. 3,881,924 are also preferred. (Thio) pyrylium salt, trimethine thiapyrylium salt described in JP-A-57-142645 (U.S. Pat. No. 4,327,169), JP-A-58-181051, JP-A-58-2220143, 59-41363, 59-84248, 59-84249, 59-146063, 59-146061, and pyranyl compounds described in JP-A-59-216146 Dyes, pentamethine thiopyrylium salts described in US Pat. No. 4,283,475, etc., and Japanese Patent Publication Nos. 5-13514 and 5-19702 Pyrylium compounds disclosed in distribution is, as commercially available products, Eporin Co. Epolight III-178, Epolight III-130, Epolight III-125 and the like are particularly preferably used.
Another particularly preferable example of the dye is a near-infrared absorbing dye described in US Pat. No. 4,756,993 as formulas (I) and (II).
[0111]
These photothermal conversion agents are preferably added to the uppermost layer of the recording layer or in the vicinity thereof from the viewpoint of sensitivity. In particular, when a substance having a dissolution inhibiting ability such as a cyanine dye is added together with the alkali-soluble resin, at the same time as increasing the sensitivity, the unexposed area can be made resistant to alkali. These photothermal conversion agents may be added to the lower layer or both the upper and lower layers. By adding it to the lower layer, it is possible to further increase the sensitivity. When a photothermal conversion agent is added to both the uppermost layer and the lower layer, the same compound may be used, or different compounds may be used.
These photothermal conversion agents may be added to the same layer as the recording layer, or another layer may be provided and added thereto. In the case of a separate layer, it is desirable to add it to a layer adjacent to the recording layer.
Furthermore, when the photothermal conversion agent is a compound having dissolution inhibiting ability, the photothermal conversion agent can be used not only as a photothermal conversion function but also as the development inhibitor by being contained in the same layer as the alkali-soluble resin. It is preferable because it functions.
[0112]
As an addition amount of the photothermal conversion agent, when added to the uppermost layer, 0.01 to 50% by mass, preferably 0.1 to 30% by mass, particularly preferably 1.0 to 30% by mass with respect to the total solid content of the uppermost layer. % Can be added. If the addition amount is less than 0.01% by mass, the sensitivity is lowered, and if it exceeds 50% by mass, the uniformity of the upper recording layer is lost and the durability of the upper recording layer is deteriorated.
[0113]
Moreover, when adding to a lower layer, it is 0-20 mass% with respect to a lower layer total solid, Preferably it is 0-10 mass%, Most preferably, it can add in the ratio of 0-5 mass%. When a photothermal conversion agent is added to the lower layer, use of a photothermal conversion agent having a dissolution inhibiting ability lowers the solubility of the lower layer. On the other hand, the photothermal conversion agent generates heat during infrared laser exposure, improving the solubility of the lower layer by heat. Therefore, the compound to be added and the addition amount should be selected in consideration of these balances. In the region of 0.2 to 0.3 μm in the vicinity of the support, it is difficult to obtain the effect of improving the solubility due to heat, for example, the heat generated during exposure diffuses to the support. In some cases, the decrease in sensitivity may cause a decrease in sensitivity. Therefore, even within the range of the addition amount shown above, such an addition amount that the dissolution rate in the lower layer developer (25 ° C. to 30 ° C.) is lower than 30 nm / sec is not preferable.
[0114]
(Other additives)
In forming the lower layer and the uppermost layer of the recording layer, in addition to the above essential components, various additives can be further added as necessary as long as the effects of the present invention are not impaired. The additives listed below may be added only to the lower layer, may be added only to the uppermost layer, or may be added to both layers.
[0115]
<Development accelerator>
In order to improve sensitivity, acid anhydrides, phenols, and organic acids may be added to the uppermost layer and / or the lower layer, which is the recording layer according to the present invention.
As the acid anhydrides, cyclic acid anhydrides are preferable. Specific examples of the cyclic acid anhydrides include phthalic anhydride, tetrahydrophthalic anhydride, and hexahydrophthalic anhydride described in US Pat. No. 4,115,128. Acid, 3,6-endooxy-tetrahydrophthalic anhydride, tetrachlorophthalic anhydride, maleic anhydride, chloromaleic anhydride, α-phenylmaleic anhydride, succinic anhydride, pyromellitic anhydride and the like can be used. Examples of the acyclic acid anhydride include acetic anhydride.
[0116]
Examples of phenols include bisphenol A, 2,2′-bishydroxysulfone, p-nitrophenol, p-ethoxyphenol, 2,4,4′-trihydroxybenzophenone, 2,3,4-trihydroxybenzophenone, 4- Examples include hydroxybenzophenone, 4,4 ′, 4 ″ -trihydroxytriphenylmethane, 4,4 ′, 3 ″, 4 ″ -tetrahydroxy-3,5,3 ′, 5′-tetramethyltriphenylmethane. .
[0117]
Examples of organic acids include sulfonic acids, sulfinic acids, alkylsulfuric acids, phosphonic acids, phosphate esters, and carboxylic acids described in JP-A-60-88942 and JP-A-2-96755. Specifically, p-toluenesulfonic acid, dodecylbenzenesulfonic acid, p-toluenesulfinic acid, ethyl sulfate, phenylphosphonic acid, phenylphosphinic acid, phenyl phosphate, diphenyl phosphate, benzoic acid, isophthalic acid, adipic acid , P-toluic acid, 3,4-dimethoxybenzoic acid, phthalic acid, terephthalic acid, 4-cyclohexene-1,2-dicarboxylic acid, erucic acid, lauric acid, n-undecanoic acid, ascorbic acid and the like.
The proportion of the acid anhydride, phenols and organic acids in the total solid content of the lower layer or the uppermost layer is preferably 0.05 to 20% by mass, more preferably 0.1 to 15% by mass, and particularly preferably 0. .1 to 10% by mass.
[0118]
<Surfactant>
In the uppermost layer and / or the lower layer as the recording layer according to the present invention, in order to improve the coating property and to expand the stability of the processing with respect to the developing conditions, Japanese Patent Laid-Open Nos. 62-251740 and 3 Nonionic surfactants as described in JP-A-208514, amphoteric surfactants as described in JP-A-59-121044 and JP-A-4-13149, European Patent No. 950517 Siloxane compounds as described in the specification, fluorine-containing monomer copolymer as described in JP-A-62-170950, JP-A-11-288093, and Japanese Patent Application No. 2001-247351 A coalescence can be added.
[0119]
Specific examples of the nonionic surfactant include sorbitan tristearate, sorbitan monopalmitate, sorbitan trioleate, stearic acid monoglyceride, polyoxyethylene nonylphenyl ether and the like. Specific examples of amphoteric activators include alkyldi (aminoethyl) glycine, alkylpolyaminoethylglycine hydrochloride, 2-alkyl-N-carboxyethyl-N-hydroxyethylimidazolinium betaine and N-tetradecyl-N, N-betaine. Type (for example, trade name “Amorgen K” manufactured by Daiichi Kogyo Co., Ltd.).
[0120]
As the siloxane compound, a block copolymer of dimethylsiloxane and polyalkylene oxide is preferable. Specific examples include DBE-224, DBE-621, DBE-712, DBP-732, DBP-534, manufactured by Chisso Corporation. And polyalkylene oxide-modified silicones such as Tego Glide 100 manufactured by Tego, Germany.
The proportion of the nonionic surfactant and amphoteric surfactant in the total solid content of the lower layer or the uppermost layer is preferably 0.01 to 15% by mass, more preferably 0.1 to 5.0% by mass, and still more preferably. Is 0.05-2.0 mass%.
[0121]
<Bake-out agent / colorant>
To the uppermost layer and / or the lower layer, which is the recording layer according to the present invention, a printing-out agent for obtaining a visible image immediately after heating by exposure, or a dye or pigment as an image colorant can be added.
A representative example of the printing-out agent is a combination of a compound that releases an acid by heating by exposure (photoacid releasing agent) and an organic dye that can form a salt. Specifically, combinations of o-naphthoquinonediazide-4-sulfonic acid halides and salt-forming organic dyes described in JP-A-50-36209 and JP-A-53-8128, No. 36223, 54-74728, 60-3626, 61-143748, 61-151644 and 63-58440, and trihalomethyl compounds and salt-forming organic dyes Can be mentioned. Such trihalomethyl compounds include oxazole compounds and triazine compounds, both of which have excellent temporal stability and give clear printout images.
[0122]
As the image colorant, other dyes can be used in addition to the aforementioned salt-forming organic dyes. Examples of suitable dyes including salt-forming organic dyes include oil-soluble dyes and basic dyes. Specifically, Oil Yellow # 101, Oil Yellow # 103, Oil Pink # 312, Oil Green BG, Oil Blue BOS, Oil Blue # 603, Oil Black BY, Oil Black BS, Oil Black T-505 (oriental chemical industry) Co., Ltd.), Victoria Pure Blue, Crystal Violet Lactone, Crystal Violet (CI42555), Methyl Violet (CI42535), Ethyl Violet, Rhodamine B (CI145170B), Malachite Green (CI42000), Methylene Blue (CI52015), etc. it can. The dyes described in JP-A-62-293247 are particularly preferred.
These dyes can be added in a proportion of 0.01 to 10% by mass, preferably 0.1 to 3% by mass, based on the total solid content of the lower layer or the uppermost layer.
[0123]
<Plasticizer>
A plasticizer may be added to the uppermost layer and / or the lower layer, which is the recording layer according to the present invention, in order to impart flexibility or the like of the coating film. For example, butylphthalyl, polyethylene glycol, tributyl citrate, diethyl phthalate, dibutyl phthalate, dihexyl phthalate, dioctyl phthalate, tricresyl phosphate, tributyl phosphate, trioctyl phosphate, tetrahydrofurfuryl oleate, acrylic acid or methacrylic acid These oligomers and polymers are used.
These plasticizers can be added in a proportion of 0.5 to 10% by mass, preferably 1.0 to 5.0% by mass, based on the total solid content of the lower layer or the uppermost layer.
[0124]
<WAX agent>
In the uppermost layer according to the present invention, a compound that lowers the coefficient of static friction of the surface may be added for the purpose of imparting scratch resistance. Specifically, it is described in US Pat. No. 6,117,913, or Japanese Patent Application Nos. 2001-261627, 2002-032904, and 2002-165854 previously proposed by the applicant of the present application. And a compound having an ester of a long-chain alkyl carboxylic acid. The addition amount is preferably 0.1 to 10% by mass, more preferably 0.5 to 5% by mass in the uppermost layer.
[0125]
[Formation of recording layer]
The lower layer and the uppermost layer in the lithographic printing plate precursor according to the invention can be formed by dissolving the above components in a solvent and applying the solution on a suitable support.
Solvents used here include ethylene dichloride, cyclohexanone, methyl ethyl ketone, methanol, ethanol, propanol, ethylene glycol monomethyl ether, 1-methoxy-2-propanol, 2-methoxyethyl acetate, 1-methoxy-2-propyl acetate, dimethoxy Examples include ethane, methyl lactate, ethyl lactate, N, N-dimethylacetamide, N, N-dimethylformamide, tetramethylurea, N-methylpyrrolidone, dimethyl sulfoxide, sulfolane, γ-butyrolactone, and toluene. It is not limited. These solvents are used alone or in combination.
[0126]
The lower layer and the uppermost layer are preferably formed by separating two layers in principle.
As a method of forming the two layers separately, for example, a method using a difference in solvent solubility between the component contained in the lower layer and the component contained in the uppermost layer, or after applying the uppermost layer, And a method of drying and removing the solvent.
Hereinafter, although these methods are explained in full detail, the method of isolate | separating and apply | coating two layers is not limited to these.
[0127]
As a method of utilizing the difference in solvent solubility between the component contained in the lower layer and the component contained in the uppermost layer, when applying the coating solution for the uppermost layer, any of the components contained in the lower layer is insoluble. Is used. Thereby, even if it carries out 2 layer application | coating, it becomes possible to isolate | separate each layer clearly and to make a coating film. For example, as the lower layer component, a component insoluble in a solvent such as methyl ethyl ketone or 1-methoxy-2-propanol that dissolves the alkali-soluble resin that is the uppermost layer component is selected, and the lower layer is formed using a solvent system that dissolves the lower layer component. After coating and drying, the uppermost layer component mainly composed of an alkali-soluble resin is dissolved in methyl ethyl ketone, 1-methoxy-2-propanol or the like, and coating and drying can be performed to form a two-layer structure.
[0128]
Next, after applying the second layer (upper layer), as a method of drying the solvent very quickly, a method of blowing high-pressure air from a slit nozzle installed substantially perpendicular to the running direction of the web, heating with steam, etc. The method of giving thermal energy as conduction heat from the lower surface of a web from the roll (heating roll) which supplied the medium inside, or the combination of those methods can be mentioned.
[0129]
In addition, in order to provide a new function, the uppermost layer and the lower layer may be partially miscible in a range where the effects of the present invention are sufficiently exhibited. In this case, partial compatibility can be achieved by controlling the difference in solvent solubility, the drying rate of the solvent after the uppermost layer is applied, and the like.
[0130]
The concentration of the above components (total solid content including additives) excluding the solvent in the lower layer / uppermost layer coating solution to be coated on the support is preferably 1 to 50% by mass.
Various methods can be used as the coating method, and examples thereof include bar coater coating, spin coating, spray coating, curtain coating, dip coating, air knife coating, blade coating, and roll coating.
In particular, in order to prevent damage to the lower layer at the time of applying the uppermost layer, it is desirable that the uppermost layer applying method is a non-contact type. Further, although it is a contact type, it is possible to use bar coater coating as a method generally used for solvent-based coating, but it is desirable to perform coating by forward rotation in order to prevent damage to the lower layer.
[0131]
The coating amount after drying of the lower layer component coated on the support of the lithographic printing plate precursor of the present invention is 0.5 to 4.0 g / m.2Preferably, it is in the range of 0.6 to 2.5 g / m.2Range. 0.5g / m2With the above, the printing durability is excellent, and 4.0 g / m2By making the following, good image reproducibility and sensitivity can be obtained.
Moreover, the coating amount after drying the uppermost layer component is 0.05 to 1.0 g / m.2Is preferably in the range of 0.08 to 0.7 g / m.2Range. 0.05g / m2With the above, good development latitude and scratch resistance can be obtained, and 1.0 g / m2Good sensitivity can be obtained by the following.
As a coating amount after drying combining the lower layer and the uppermost layer, 0.6 to 4.0 g / m2Is preferably in the range of 0.7 to 2.5 g / m.2Range. 0.6 g / m2With the above, good printing durability can be obtained, 4.0 g / m2By making the following, good image reproducibility and sensitivity can be obtained.
[0132]
[Support]
The support used in the lithographic printing plate precursor according to the present invention is not particularly limited as long as it is a dimensionally stable plate having necessary strength and durability. For example, paper, plastic (for example, , Polyethylene, polypropylene, polystyrene, etc., laminated paper, metal plates (eg, aluminum, zinc, copper, etc.), plastic films (eg, cellulose diacetate, cellulose triacetate, cellulose propionate, cellulose butyrate, cellulose acetate butyrate) , Cellulose nitrate, polyethylene terephthalate, polyethylene, polystyrene, polypropylene, polycarbonate, polyvinyl acetal, etc.), and paper or plastic film on which a metal as described above is laminated or vapor-deposited.
[0133]
Among them, in the present invention, a polyester film or an aluminum plate is preferable, and among them, an aluminum plate that has good dimensional stability and is relatively inexpensive is particularly preferable. A suitable aluminum plate is a pure aluminum plate or an alloy plate containing aluminum as a main component and containing a trace amount of foreign elements, and may be a plastic film on which aluminum is laminated or vapor-deposited. Examples of foreign elements contained in the aluminum alloy include silicon, iron, manganese, copper, magnesium, chromium, zinc, bismuth, nickel, and titanium. The content of foreign elements in the alloy is at most 10% by mass.
[0134]
Particularly suitable aluminum in the present invention is pure aluminum, but completely pure aluminum is difficult to produce in the refining technique, and may contain slightly different elements.
Thus, the composition of the aluminum plate applied to the present invention is not specified, and an aluminum plate made of a publicly known material can be appropriately used. The thickness of the aluminum plate used in the present invention is about 0.1 mm to 0.6 mm, preferably 0.15 mm to 0.4 mm, and particularly preferably 0.2 mm to 0.3 mm.
[0135]
Such an aluminum plate may be subjected to surface treatment such as roughening treatment or anodizing treatment, if necessary. Hereinafter, such a surface treatment will be briefly described.
Prior to roughening the aluminum plate, a degreasing treatment with, for example, a surfactant, an organic solvent, or an alkaline aqueous solution for removing rolling oil on the surface is performed as desired. The surface roughening treatment of the aluminum plate is performed by various methods. For example, a method of mechanically roughening, a method of electrochemically dissolving and roughening a surface, and a method of selectively dissolving a surface chemically. This is done by the method of As the mechanical method, a known method such as a ball polishing method, a brush polishing method, a blast polishing method, or a buff polishing method can be used. Further, as an electrochemical surface roughening method, there is a method of performing alternating current or direct current in hydrochloric acid or nitric acid electrolyte. Further, as disclosed in JP-A-54-63902, a method in which both are combined can also be used.
The aluminum plate roughened as described above is subjected to an alkali etching treatment and neutralization treatment as necessary, and then subjected to an anodizing treatment if desired in order to enhance the water retention and wear resistance of the surface. As the electrolyte used for the anodizing treatment of the aluminum plate, various electrolytes that form a porous oxide film can be used. In general, sulfuric acid, phosphoric acid, oxalic acid, chromic acid, or a mixed acid thereof is used. The concentration of these electrolytes is appropriately determined depending on the type of electrolyte.
[0136]
The anodizing treatment conditions vary depending on the electrolyte used and cannot be specified in general, but in general, the electrolyte concentration is 1 to 80% by mass solution, the liquid temperature is 5 to 70 ° C., and the current density is 5 to 60 A / dm.2A voltage of 1 to 100 V and an electrolysis time of 10 seconds to 5 minutes are suitable. The amount of anodized film is 1.0 g / m2If it is less, the printing durability is insufficient, or the non-image part of the lithographic printing plate tends to be scratched, and so-called “scratch stains” in which ink adheres to the scratched part during printing tend to occur. .
After the anodizing treatment, the aluminum surface is subjected to a hydrophilic treatment if necessary.
[0137]
Examples of the hydrophilization treatment used in the present invention include US Pat. Nos. 2,714,066, 3,181,461, 3,280,734 and 3,902,734. There are alkali metal silicate (eg, aqueous sodium silicate) methods as disclosed. In this method, the support is immersed in an aqueous sodium silicate solution or electrolytically treated. In addition, potassium fluoride zirconate disclosed in Japanese Patent Publication No. 36-22063 and U.S. Pat. Nos. 3,276,868, 4,153,461, and 4,689,272. For example, a method of treating with polyvinylphosphonic acid as disclosed in JP-A No. 1993-133.
[0138]
(Undercoat layer)
In the lithographic printing plate precursor according to the invention, an undercoat layer can be provided between the support and the recording layer, if necessary.
Various organic compounds are used as the primer layer component. For example, phosphonic acids having an amino group such as carboxymethylcellulose, dextrin, gum arabic, 2-aminoethylphosphonic acid, and phenylphosphonic acid which may have a substituent Organic phosphonic acids such as naphthyl phosphonic acid, alkyl phosphonic acid, glycero phosphonic acid, methylene diphosphonic acid and ethylene diphosphonic acid, phenyl phosphoric acid, naphthyl phosphoric acid, alkyl phosphoric acid and glycerophosphoric acid which may have a substituent Organic phosphoric acid, optionally substituted phenylphosphinic acid, naphthylphosphinic acid, alkylphosphinic acid, glycerophosphinic acid and other organic phosphinic acids, glycine and β-alanine amino acids, and triethanolamine hydrochloric acid Has a hydroxy group such as salt -Alanine, and hydrochlorides of amines that may be used in combination of two or more.
[0139]
This organic undercoat layer can be provided by the following method. That is, a method in which water or an organic solvent such as methanol, ethanol, methyl ethyl ketone, or a mixed solvent thereof is dissolved and applied on an aluminum plate and dried, and water, methanol, ethanol, methyl ethyl ketone, etc. In this method, an aluminum plate is immersed in a solution obtained by dissolving the organic compound in an organic solvent or a mixed solvent thereof to adsorb the compound, and then washed with water and dried to provide an organic undercoat layer. . In the former method, a solution having a concentration of 0.005 to 10% by mass of the organic compound can be applied by various methods. In the latter method, the concentration of the solution is 0.01 to 20% by mass, preferably 0.05 to 5% by mass, the immersion temperature is 20 to 90 ° C., preferably 25 to 50 ° C., and the immersion time is 0.1 second to 20 minutes, preferably 2 seconds to 1 minute. The solution used for this can be adjusted to a pH range of 1 to 12 with basic substances such as ammonia, triethylamine, potassium hydroxide, and acidic substances such as hydrochloric acid and phosphoric acid. A yellow dye can also be added to improve the tone reproducibility of the recording layer.
The coverage of the organic undercoat layer is 2 to 200 mg / m2Is suitable, preferably 5 to 100 mg / m2It is. When the coating amount is in the above range, sufficient printing durability can be obtained.
The lithographic printing plate precursor produced as described above is imagewise exposed and then developed.
[0140]
(Back coat layer)
A backcoat layer is provided on the back surface of the support of the lithographic printing plate precursor according to the present invention, if necessary. Such a back coat layer comprises a metal oxide obtained by hydrolysis and polycondensation of an organic polymer compound described in JP-A-5-45885 and an organic or inorganic metal compound described in JP-A-6-35174. A coating layer is preferably used. Of these coating layers, Si (OCHThree)Four, Si (OC2HFive)Four, Si (OCThreeH7)Four, Si (OCFourH9)FourA silicon alkoxy compound such as the above is inexpensive and readily available, and a metal oxide coating layer obtained therefrom is particularly preferable because of its excellent developer resistance.
[0141]
〔exposure〕
The actinic ray light source used for image exposure of the lithographic printing plate precursor according to the present invention is preferably a light source having an emission wavelength in the near-infrared to infrared region, particularly preferably a solid-state laser or a semiconductor laser.
[0142]
[Development processing]
The developer that can be applied to the development processing of the lithographic printing plate precursor according to the invention is a developer having a pH in the range of 9.0 to 14.0, preferably in the range of 12.0 to 13.5. . A conventionally known alkaline aqueous solution can be used as the developer (hereinafter referred to as developer including the replenisher). For example, sodium silicate, potassium, tribasic sodium phosphate, potassium, ammonium, dibasic sodium phosphate, potassium, ammonium, sodium carbonate, potassium, ammonium, sodium bicarbonate, potassium, Examples thereof include inorganic alkali salts such as ammonium, sodium borate, potassium, ammonium, sodium hydroxide, ammonium, potassium and lithium. In addition, monomethylamine, dimethylamine, trimethylamine, monoethylamine, diethylamine, triethylamine, monoisopropylamine, diisopropylamine, triisopropylamine, n-butylamine, monoethanolamine, diethanolamine, triethanolamine, monoisopropanolamine, diisopropanolamine, Organic alkali agents such as ethyleneimine, ethylenediamine, and pyridine are listed. These alkaline aqueous solutions may be used individually by 1 type, and may use 2 or more types together.
[0143]
Among the above alkaline aqueous solutions, one of the developers exhibiting the effect of the present invention contains one containing an alkali silicate as a base, or an alkali silicate mixed with a silicon compound in a base, The so-called “silicate developer” is an aqueous solution having a pH of 12 or more, and another more preferable developer does not contain an alkali silicate and contains a non-reducing sugar (an organic compound having a buffering action) and a base. “Non-silicate developer”.
[0144]
In the former, the aqueous solution of alkali metal silicate is silicon oxide SiO which is a component of silicate.2And alkali metal oxide M2O ratio (generally [SiO2] / [M2The development property can be adjusted by adjusting the concentration and the concentration of O], for example, as disclosed in JP-A-54-62004.2/ Na2The molar ratio of O is 1.0 to 1.5 (ie [SiO2] / [Na2O] is 1.0 to 1.5), and SiO2An aqueous solution of sodium silicate having a content of 1 to 4% by mass, or as described in JP-B-57-7427, [SiO 22] / [M] is 0.5 to 0.75 (ie, [SiO2] / [M2O] is 1.0 to 1.5), and SiO2An aqueous solution of an alkali metal silicate, wherein the concentration is from 1 to 4% by weight and the developer contains at least 20% potassium, based on gram atoms of all alkali metals present therein. Preferably used.
[0145]
A so-called “non-silicate developer” which does not contain an alkali silicate and contains a non-reducing sugar and a base is also preferable for application to the development of a lithographic printing plate precursor according to the present invention. When this developing solution is used to develop a lithographic printing plate precursor, the surface of the recording layer is not deteriorated and the thickness of the recording layer can be maintained in a better state.
[0146]
The main component of the developer is preferably composed of at least one compound selected from non-reducing sugars and at least one base, and the pH of the solution is in the range of 9.0 to 13.5. Such non-reducing sugars are saccharides that do not have a free aldehyde group or ketone group and do not exhibit reducing properties, and are trehalose-type oligosaccharides in which reducing groups are bonded to each other, and glycosides in which a reducing group of saccharides and non-saccharides are bonded. It is classified into sugar alcohols reduced by hydrogenating the body and saccharides, and any of them is preferably used. Trehalose type oligosaccharides include saccharose and trehalose. Examples of glycosides include alkyl glycosides, phenol glycosides, mustard oil glycosides, and the like. Examples of the sugar alcohol include D, L-arabit, rebit, xylit, D, L-sorbit, D, L-mannit, D, L-exit, D, L-talit, zulsiit and allozulcit. Further, maltitol obtained by hydrogenation of disaccharides and reduced form (reduced syrup) obtained by hydrogenation of oligosaccharides are preferably used. Among these, sugar alcohol and saccharose are particularly preferred non-reducing sugars, and D-sorbite, saccharose, and reduced syrup are particularly preferred because they have a buffering action in an appropriate pH region and are inexpensive.
[0147]
These non-reducing sugars can be used alone or in combination of two or more thereof, and the proportion of the non-reducing sugar in the developer is preferably from 0.1 to 30% by mass, and more preferably from 1 to 20% by mass.
Below this range, a sufficient buffering effect cannot be obtained, and when the concentration is above this range, it is difficult to achieve high concentration, and the problem of increased costs arises. In addition, when reducing sugar is used in combination with a base, there is a problem that the color changes to brown over time, the pH gradually decreases, and thus developability decreases.
[0148]
A conventionally known alkaline agent can be used as the base to be combined with the non-reducing sugar. For example, sodium hydroxide, potassium hydroxide, lithium hydroxide, trisodium phosphate, tripotassium phosphate, triammonium phosphate, disodium phosphate, dipotassium phosphate, diammonium phosphate, sodium carbonate, potassium carbonate, Examples include inorganic alkali agents such as ammonium carbonate, sodium hydrogen carbonate, potassium hydrogen carbonate, ammonium hydrogen carbonate, sodium borate, potassium borate, and ammonium borate. In addition, monomethylamine, dimethylamine, trimethylamine, monoethylamine, diethylamine, triethylamine, monoisopropylamine, diisopropylamine, triisopropylamine, n-butylamine, monoethanolamine, diethanolamine, triethanolamine, monoisopropanolamine, diisopropanolamine, Organic alkali agents such as ethyleneimine, ethylenediamine, and pyridine are also used.
[0149]
These alkali agents are used alone or in combination of two or more. Among these, sodium hydroxide and potassium hydroxide are preferable because the pH can be adjusted in a wide pH range by adjusting these amounts relative to the non-reducing sugar. Further, trisodium phosphate, tripotassium phosphate, sodium carbonate, potassium carbonate and the like are preferable because they have a buffering action.
These alkali agents are added so that the pH of the developer is in the range of 9.0 to 13.5, and the addition amount is determined by the desired pH, the type and addition amount of the non-reducing sugar, and more preferable pH. The range is 10.0 to 13.2.
[0150]
Further, an alkaline buffer composed of a weak acid other than sugars and a strong base can be used in combination with the developer. As the weak acid used as such a buffer, one having a dissociation constant (pKa) of 10.0 to 13.2 is preferable.
Such a weak acid is selected from those described in IONATION CONSTANTS OF ORGANIC ACIDS IN AQUEOUS SOLUTION published by Pergamon Press, for example, 2,2,3,3-tetrafluoropropanol-1 (PKa12.74) , Alcohols such as trifluoroethanol (12.37) and trichloroethanol (12.24), aldehydes such as pyridine-2-aldehyde (12.68) and pyridine-4-aldehyde (12.05) , Salicylic acid (13.0), 3-hydroxy-2-naphthoic acid (12.84), catechol (12.6), gallic acid (12.4), sulfosalicylic acid (11.7) 3,4-dihydroxysulfonic acid (same as above) 12.2), 3,4-dihydroxybenzoic acid (11.94), 1,2,4-trihydroxybenzene (11.82), hydroquinone (11.56), pyrogallol (11.34) 2-butanone, a compound having a phenolic hydroxyl group, such as o-cresol (10.33), resorcinol (11.27), p-cresol (10.27), m-cresol (10.09) Oxime (12.45), acetoxime (12.42), 1,2-cycloheptanedione dioxime (12.3), 2-hydroxybenzaldehyde oxime (12.10), dimethylglyoxime (11) .9), oximes such as ethanediamide dioxime (11.37) and acetophenone oxime (11.35), adenosine (1) .56), inosine (12.5), guanine (12.3), cytosine (12.2), hypoxanthine (12.1), xanthine (11.9), In addition, diethylaminomethylphosphonic acid (12.32), 1-amino-3,3,3-trifluorobenzoic acid (12.29), isopropylidenediphosphonic acid (12.10), 1,1- Ethylidene diphosphonic acid (11.54), 1,1-ethylidene diphosphonic acid 1-hydroxy (11.52), benzimidazole (12.86), thiobenzamide (12.8), picoline thioamide ( And weak acids such as barbituric acid (12.5).
[0151]
Of these weak acids, sulfosalicylic acid and salicylic acid are preferred. As the base to be combined with these weak acids, sodium hydroxide, ammonium, potassium and lithium are preferably used. These alkali agents are used alone or in combination of two or more. The above various alkali agents are used by adjusting the pH within a preferable range depending on the concentration and combination.
[0152]
Various surfactants and organic solvents can be added to the developer as needed for the purpose of promoting developability, dispersing development residue, and improving the ink affinity of the printing plate image area. Preferred surfactants include anionic, cationic, nonionic and amphoteric surfactants.
[0153]
Preferred examples of the surfactant include polyoxyethylene alkyl ethers, polyoxyethylene alkyl phenyl ethers, polyoxyethylene polystyryl phenyl ethers, polyoxyethylene polyoxypropylene alkyl ethers, glycerin fatty acid partial esters, sorbitan Fatty acid partial esters, pentaerythritol fatty acid partial esters, propylene glycol mono fatty acid esters, sucrose fatty acid partial esters, polyoxyethylene sorbitan fatty acid partial esters, polyoxyethylene sorbitol fatty acid partial esters, polyethylene glycol fatty acid esters, poly Glycerin fatty acid partial esters, polyoxyethylenated castor oil, polyoxyethylene glycerin fatty acid partial esters, fatty acids Nonionic surfactants such as ethanolamides, N, N-bis-2-hydroxyalkylamines, polyoxyethylene alkylamines, triethanolamine fatty acid esters, trialkylamine oxides, fatty acid salts, abietic acid salts, hydroxy Alkane sulfonates, alkane sulfonates, dialkyl sulfosuccinate esters, linear alkyl benzene sulfonates, branched alkyl benzene sulfonates, alkyl naphthalene sulfonates, alkylphenoxy polyoxyethylene propyl sulfonates, polyoxyethylene Alkyl sulfophenyl ether salts, N-methyl-N-oleyl taurine sodium salt, N-alkyl sulfosuccinic acid monoamide disodium salt, petroleum sulfonates, sulfated tallow oil Fatty acid alkyl ester sulfate ester salt, alkyl sulfate ester salt, polyoxyethylene alkyl ether sulfate ester salt, fatty acid monoglyceride sulfate ester salt, polyoxyethylene alkylphenyl ether sulfate ester salt, polyoxyethylene styryl phenyl ether sulfate ester salt, alkyl phosphorus Acid ester salts, polyoxyethylene alkyl ether phosphate ester salts, polyoxyethylene alkyl phenyl ether phosphate ester salts, partially saponified styrene / leic anhydride copolymers, and partial saponification of olefin / maleic anhydride copolymers Products, anionic surfactants such as naphthalenesulfonate formalin condensates, alkylamine salts, quaternary ammonium salts such as tetrabutylammonium bromide, Examples include cationic surfactants such as reoxyethylene alkylamine salts and polyethylene polyamine derivatives, and amphoteric surfactants such as carboxybetaines, aminocarboxylic acids, sulfobetaines, aminosulfuric esters, and imidazolines. Among the surfactants listed above, those having polyoxyethylene can be read as polyoxyalkylenes such as polyoxymethylene, polyoxypropylene and polyoxybutylene, and these surfactants are also included.
[0154]
A more preferred surfactant is a fluorosurfactant containing a perfluoroalkyl group in the molecule. Such fluorosurfactants include perfluoroalkyl carboxylates, perfluoroalkyl sulfonates, anionic types such as perfluoroalkyl phosphates, amphoteric types such as perfluoroalkyl betaines, and perfluoroalkyltrimethylammonium salts. Cationic and perfluoroalkylamine oxides, perfluoroalkyl ethylene oxide adducts, perfluoroalkyl group and hydrophilic group-containing oligomers, perfluoroalkyl group and lipophilic group-containing oligomers, perfluoroalkyl groups, hydrophilic groups and lipophilic groups Nonionic types such as group-containing oligomers, perfluoroalkyl groups, and lipophilic group-containing urethanes can be mentioned. Said surfactant can be used individually or in combination of 2 or more types, and is added in 0.001-10 mass% in a developing solution, More preferably, it is added in 0.01-5 mass%.
[0155]
Various development stabilizers can be used in the developer. Preferred examples thereof include polyethylene glycol adducts of sugar alcohols described in JP-A-6-282079, tetraalkylammonium salts such as tetrabutylammonium hydroxide, phosphonium salts such as tetrabutylphosphonium bromide, and iodonium such as diphenyliodonium chloride. A salt is a preferred example. Further, anionic surfactants or amphoteric surfactants described in JP-A-50-51324, water-soluble cationic polymers described in JP-A-55-95946, and JP-A-56-142528 are described. And water-soluble amphoteric polymer electrolytes that have been used.
[0156]
Furthermore, an organic boron compound to which an alkylene glycol is added as described in JP-A-59-84241, a polyoxyethylene / polyoxypropylene block polymerization type water-soluble surfactant as described in JP-A-60-111246, An alkylenediamine compound substituted with polyoxyethylene / polyoxypropylene disclosed in JP-A-60-129750, a polyethylene glycol having a weight average molecular weight of 300 or more described in JP-A-61-215554, and a cation described in JP-A-63-175858 And a water-soluble ethylene oxide addition compound obtained by adding 4 mol or more of ethylene oxide to an acid or alcohol disclosed in JP-A-2-39157, a water-soluble polyalkylene compound, and the like.
[0157]
If necessary, an organic solvent is further added to the developer. As such an organic solvent, those having a solubility in water of about 10% by mass or less are suitable, and are preferably selected from those having 5% by mass or less. For example, 1-phenylethanol, 2-phenylethanol, 3-phenyl-1-propanol, 4-phenyl-1-butanol, 4-phenyl-2-butanol, 2-phenyl-1-butanol, 2-phenoxyethanol, 2- Benzyloxyethanol, o-methoxybenzyl alcohol, m-methoxybenzyl alcohol, p-methoxybenzyl alcohol, benzyl alcohol, cyclohexanol, 2-methylcyclohexanol, 3-methylcyclohexanol and 4-methylcyclohexanol, N-phenylethanol Examples thereof include amines and N-phenyldiethanolamine.
Content of the organic solvent is 0.1-5 mass% with respect to the total mass of a use liquid. The amount used is closely related to the amount of surfactant used, and it is preferable to increase the amount of surfactant as the amount of organic solvent increases. This is because the amount of the surfactant is small, and when the amount of the organic solvent is large, the organic solvent is not completely dissolved, so that it is impossible to expect good developability.
[0158]
A reducing agent can be further added to the developer. This prevents the printing plate from being stained. Preferable organic reducing agents include phenol compounds such as thiosalicylic acid, hydroquinone, metol, methoxyquinone, resorcin, and 2-methylresorcin, and amine compounds such as phenylenediamine and phenylhydrazine. More preferable inorganic reducing agents include sodium, potassium and ammonium salts of inorganic acids such as sulfurous acid, bisulfite, phosphorous acid, hydrogen phosphite, dihydrogen phosphite, thiosulfuric acid and dithionite. A salt etc. can be mentioned.
Among these reducing agents, sulfites are particularly excellent in the antifouling effect. These reducing agents are preferably contained in the range of 0.05 to 5% by mass with respect to the developer at the time of use.
[0159]
An organic carboxylic acid can also be added to the developer. Preferred organic carboxylic acids are aliphatic carboxylic acids and aromatic carboxylic acids having 6 to 20 carbon atoms. Specific examples of the aliphatic carboxylic acid include caproic acid, enanthylic acid, caprylic acid, lauric acid, myristic acid, palmitic acid and stearic acid, and particularly preferred are alkanoic acids having 8 to 12 carbon atoms. . Further, it may be an unsaturated fatty acid having a double bond in the carbon chain or a branched carbon chain. The aromatic carboxylic acid is a compound in which a carboxyl group is substituted on a benzene ring, naphthalene ring, anthracene ring or the like, and specifically includes o-chlorobenzoic acid, p-chlorobenzoic acid, o-hydroxybenzoic acid, p- Hydroxybenzoic acid, o-aminobenzoic acid, p-aminobenzoic acid, 2,4-dihydrobenzoic acid, 2,5-dihydroxybenzoic acid, 2,6-dihydroxybenzoic acid, 2,3-dihydroxybenzoic acid, 3, There are 5-dihydroxybenzoic acid, gallic acid, 1-hydroxy-2-naphthoic acid, 3-hydroxy-2-naphthoic acid, 2-hydroxy-1-naphthoic acid, 1-naphthoic acid, 2-naphthoic acid and the like. Naphthoic acid is particularly effective.
[0160]
The aliphatic and aromatic carboxylic acids are preferably used as sodium salts, potassium salts or ammonium salts in order to enhance water solubility. The content of the organic carboxylic acid in the developer used in the present invention is not particularly limited, but if it is less than 0.1% by mass, the effect is not sufficient, and if it is 10% by mass or more, the effect cannot be further improved. In addition, dissolution may be hindered when other additives are used in combination. Therefore, the preferable addition amount is 0.1 to 10% by mass, and more preferably 0.5 to 4% by mass with respect to the developing solution at the time of use.
[0161]
The developer may further contain a preservative, a colorant, a thickener, an antifoaming agent, a hard water softening agent, and the like, if necessary. Examples of water softeners include polyphosphoric acid and its sodium, potassium and ammonium salts, ethylenediaminetetraacetic acid, diethylenetriaminepentaacetic acid, triethylenetetraminehexaacetic acid, hydroxyethylethylenediaminetriacetic acid, nitrilotriacetic acid, 1,2-diaminocyclohexanetetra Aminopolycarboxylic acids such as acetic acid and 1,3-diamino-2-propanoltetraacetic acid and their sodium, potassium and ammonium salts, aminotri (methylenephosphonic acid), ethylenediaminetetra (methylenephosphonic acid), diethylenetriaminepenta (methylene Phosphonic acid), triethylenetetramine hexa (methylenephosphonic acid), hydroxyethylethylenediaminetri (methylenephosphonic acid) and 1-hydroxy-data-ene-1,1-diphosphonic acid and their sodium salts, potassium salts and ammonium salts.
[0162]
The optimum value of such a hard water softener varies depending on the chelation and the hardness of the hard water used and the amount of hard water. %, More preferably in the range of 0.01 to 0.5 mass%. If the addition amount is less than this range, the intended purpose is not sufficiently achieved. If the addition amount is more than this range, adverse effects on the image area such as color loss will occur. The remaining component of the developer is water. It is advantageous in terms of transportation that the developer is a concentrated solution having a water content less than that in use and is diluted with water when in use. In this case, the degree of concentration is appropriate such that each component does not cause separation or precipitation.
[0163]
The developer described in JP-A-6-282079 can also be used as the developer used in the present invention. This is SiO2/ M2Water-soluble ethylene oxide addition obtained by adding 5 mol or more of ethylene oxide to an alkali metal silicate having a molar ratio of O (M represents an alkali metal) of 0.5 to 2.0 and a sugar alcohol having 4 or more hydroxyl groups A developer containing a compound. Sugar alcohols are polyhydric alcohols corresponding to those obtained by reducing aldehyde groups and ketone groups of sugars to form primary and secondary alcohol groups, respectively. Examples of sugar alcohol shells include D, L-trait, erythritol, D, L-arabit, rebit, xylit, D, L-sorbit, D, L-mannit, D, L-exit, D, Examples thereof include L-talit, dulcit, and allozulcit, and di-, tri-, tetra-, penta-, and hexaglycerin condensed with a sugar alcohol. The water-soluble ethylene oxide addition compound can be obtained by adding 5 mol or more of ethylene oxide to 1 mol of the sugar alcohol. Further, propylene oxide may be block-copolymerized in the ethylene oxide addition compound as required within a range where solubility is acceptable. These ethylene oxide addition compounds may be used alone or in combination of two or more.
The addition amount of these water-soluble ethylene oxide addition compounds is suitably 0.001 to 5% by mass, more preferably 0.001 to 2% by mass, with respect to the developer (use solution).
[0164]
The developer may further contain the above-described various surfactants and organic solvents as necessary for the purpose of promoting developability, dispersing development residue, and improving the ink affinity of the printing plate image area.
[0165]
A lithographic printing plate precursor developed with a developer having such a composition is subjected to post-treatment with a washing water, a rinse solution containing a surfactant, a finisher mainly composed of gum arabic or starch derivatives, or a protective gum solution. Is done. These treatments can be used in various combinations for the post-treatment of the lithographic printing plate precursor according to the invention.
[0166]
In recent years, automatic developing machines for PS plates have been widely used in the stencil and printing industries in order to rationalize and standardize plate making operations. This automatic developing machine is generally composed of a developing section and a post-processing section, and is composed of an apparatus for transporting the PS plate, each processing liquid tank and a spray device, and the exposed PS plate is pumped up while being transported horizontally. Each processing solution is sprayed from a spray nozzle to develop and post-process. In addition, recently, a PS plate is immersed and transported in a processing solution tank filled with a processing solution by a guide roll in the solution, and a small amount of washing water after development is supplied to the plate surface for washing. A method is also known in which the waste water is reused as dilution water for the developer stock solution.
[0167]
In such automatic processing, each processing solution can be processed while being replenished with each replenisher according to the processing amount, operating time, and the like. In addition, a so-called disposable processing method in which processing is performed with a substantially unused processing solution can also be applied.
[0168]
In the lithographic printing plate precursor according to the present invention, an image portion unnecessary for the lithographic printing plate obtained by image exposure, development, washing and / or rinsing and / or gumming (for example, film edge trace of the original film). Etc.), the unnecessary image portion is erased. Such erasing is preferably performed, for example, by applying an erasing solution as described in Japanese Patent Publication No. 2-13293 to an unnecessary image portion, leaving it for a predetermined time, and then washing with water. As described in JP-A-59-174842, a method of developing after irradiating an unnecessary image portion with an actinic ray guided by an optical fiber can also be used.
[0169]
The lithographic printing plate obtained from the lithographic printing plate precursor of the present invention as described above can be subjected to a printing process after applying a desensitizing gum if desired. When it is desired to make a printing plate, a burning process is performed. In the case of burning a lithographic printing plate, before burning, an adjustment as described in JP-B-61-2518, JP-A-55-28062, JP-A-62-31859, JP-A-61-159655 is used. It is preferable to treat with a surface liquid.
As its method, with a sponge or absorbent cotton soaked with the surface-adjusting liquid, it is applied onto a lithographic printing plate, or a method in which the printing plate is immersed and applied in a vat filled with the surface-adjusting liquid, Application by an automatic coater is applied. Further, it is more preferable to make the coating amount uniform with a squeegee or a squeegee roller after coating.
[0170]
The coating amount of the surface conditioning liquid is generally 0.03 to 0.8 g / m.2(Dry mass) is appropriate. The lithographic printing plate coated with the surface-adjusting solution is dried if necessary and then heated to a high temperature with a burning processor (for example, burning processor “BP-1300” sold by Fuji Photo Film Co., Ltd.). The In this case, the heating temperature and time are in the range of 180 to 300 ° C. and preferably in the range of 1 to 20 minutes, although depending on the type of components forming the image.
[0171]
The lithographic printing plate that has been burned can be subjected to conventional treatments such as washing and gumming as needed, but a surface-conditioning solution containing a water-soluble polymer compound is used. In such a case, a so-called desensitizing treatment such as gumming can be omitted. The planographic printing plate obtained by such processing is applied to an offset printing machine or the like and used for printing a large number of sheets.
[0172]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although this invention is demonstrated according to an Example, the scope of the present invention is not limited to these Examples.
(Example 1 and Comparative Examples 1-2)
[Production of support]
<Aluminum plate>
Si: 0.06 mass%, Fe: 0.30 mass%, Cu: 0.026 mass%, Mn: 0.001 mass%, Mg: 0.001 mass%, Zn: 0.001 mass%, Ti: Containing 0.02% by mass, the balance is prepared using Al and an inevitable impurity aluminum alloy, and after the molten metal treatment and filtration, an ingot having a thickness of 500 mm and a width of 1200 mm is obtained by a DC casting method. Created. After the surface was shaved with a chamfering machine with an average thickness of 10 mm, it was kept soaked at 550 ° C. for about 5 hours, and when the temperature dropped to 400 ° C., rolling with a thickness of 2.7 mm using a hot rolling mill A board was used. Furthermore, after performing heat processing using a continuous annealing machine at 500 degreeC, it finished by cold rolling to 0.24 mm in thickness, and obtained the aluminum plate of JIS1050 material. The obtained aluminum had an average crystal grain size with a minor axis of 50 μm and a major axis of 300 μm. After making this aluminum plate width 1030mm, it used for the surface treatment shown below.
[0173]
<Surface treatment>
The surface treatment was performed by continuously performing the following various treatments (a) to (k). In addition, after each process and water washing, the liquid was drained with the nip roller.
[0174]
(A) Mechanical roughening treatment
Using an apparatus as shown in FIG. 1, a roller-type nylon brush rotating while supplying a suspension of a polishing agent (pumice) having a specific gravity of 1.12 and water as a polishing slurry to the surface of the aluminum plate. Mechanical roughening treatment was performed. In FIG. 1, 1 is an aluminum plate, 2 and 4 are roller brushes, 3 is a polishing slurry, and 5, 6, 7 and 8 are support rollers. The average particle size of the abrasive was 30 μm, and the maximum particle size was 100 μm. The material of the nylon brush was 6 · 10 nylon, the hair length was 45 mm, and the hair diameter was 0.3 mm. The nylon brush was planted so as to be dense by making a hole in a stainless steel tube having a diameter of 300 mm. Three rotating brushes were used. The distance between the two support rollers (φ200 mm) at the bottom of the brush was 300 mm. The brush roller was pressed until the load of the drive motor for rotating the brush became 7 kW plus with respect to the load before the brush roller was pressed against the aluminum plate. The rotating direction of the brush was the same as the moving direction of the aluminum plate. The rotation speed of the brush was 200 rpm.
[0175]
(B) Alkali etching treatment
The aluminum plate obtained above was subjected to an etching process by spraying using an aqueous solution having a caustic soda concentration of 2.6 mass%, an aluminum ion concentration of 6.5 mass%, and a temperature of 70 ° C.2Dissolved. Then, water washing by spraying was performed.
[0176]
(C) Desmut treatment
A desmut treatment was performed by spraying with a 1% by weight aqueous solution of nitric acid at a temperature of 30 ° C. (containing 0.5% by weight of aluminum ions), and then washed with water by spraying. The nitric acid aqueous solution used for the desmut treatment was a waste liquid from a process of performing an electrochemical surface roughening treatment using alternating current in a nitric acid aqueous solution.
[0177]
(D) Electrochemical roughening treatment
An electrochemical surface roughening treatment was continuously performed using an alternating voltage of 60 Hz. The electrolytic solution at this time was a 10.5 g / L aqueous solution of nitric acid (containing 5 g / L of aluminum ions and 0.007% by mass of ammonium ions) at a liquid temperature of 50 ° C. The AC power supply waveform is the waveform shown in FIG. 2, the time TP until the current value reaches the peak from zero is 0.8 msec, the duty ratio is 1: 1, a trapezoidal rectangular wave AC is used with the carbon electrode as the counter electrode An electrochemical roughening treatment was performed. Ferrite was used for the auxiliary anode. The electrolytic cell used was the one shown in FIG.
The current density is 30 A / dm at the peak current value.2The amount of electricity is 220 C / dm in terms of the total amount of electricity when the aluminum plate is the anode.2Met. 5% of the current flowing from the power source was shunted to the auxiliary anode. Then, water washing by spraying was performed.
[0178]
(E) Alkali etching treatment
The aluminum plate was spray-etched at 32 ° C. using an aqueous solution having a caustic soda concentration of 26 mass% and an aluminum ion concentration of 6.5 mass%, and the aluminum plate was 0.50 g / m.2Dissolve and remove the smut component mainly composed of aluminum hydroxide that was generated when the electrochemical roughening treatment was performed using the alternating current of the previous stage, and the edge portion of the generated pit was dissolved Made smooth. Then, water washing by spraying was performed.
[0179]
(F) Desmut treatment
The desmutting treatment was performed by spraying with a 15% by weight aqueous solution of sulfuric acid at a temperature of 30 ° C. (containing 4.5% by weight of aluminum ions), and then washed with water by spraying. The nitric acid aqueous solution used for the desmut treatment was a waste liquid from a process of performing an electrochemical surface roughening treatment using alternating current in a nitric acid aqueous solution.
[0180]
(G) Electrochemical roughening treatment
An electrochemical surface roughening treatment was continuously performed using an alternating voltage of 60 Hz. The electrolytic solution at this time was a hydrochloric acid 5.0 g / L aqueous solution (containing 5 g / L of aluminum ions) at a temperature of 35 ° C. The AC power supply waveform is the waveform shown in FIG. 2, the time TP until the current value reaches the peak from zero is 0.8 msec, the duty ratio is 1: 1, a trapezoidal rectangular wave AC is used with the carbon electrode as the counter electrode An electrochemical roughening treatment was performed. Ferrite was used for the auxiliary anode. The electrolytic cell used was the one shown in FIG.
The current density is 25 A / dm at the peak current value.2The amount of electricity is 50 C / dm as the total amount of electricity when the aluminum plate is the anode.2Met. Then, water washing by spraying was performed.
[0181]
(H) Alkali etching treatment
The aluminum plate was etched at 32 ° C. using an aqueous solution having a caustic soda concentration of 26 mass% and an aluminum ion concentration of 6.5 mass%, and the aluminum plate was 0.20 g / m.2Dissolve and remove the smut component mainly composed of aluminum hydroxide that was generated when the electrochemical roughening treatment was performed using the alternating current of the previous stage, and the edge portion of the generated pit was dissolved Made smooth. Then, water washing by spraying was performed.
[0182]
(I) Desmut treatment
The desmutting treatment was performed by spraying with a 25% by weight aqueous solution of sulfuric acid having a temperature of 60 ° C. (containing 0.5% by weight of aluminum ions), and then washing with water by spraying.
[0183]
(J) Anodizing treatment
Anodizing using the anodizing apparatus having the structure shown in FIG. 4 (first and second electrolysis section lengths of 6 m, first and second feeding section lengths of 3 m, first and second feeding section lengths of 2.4 m). went. Sulfuric acid was used as the electrolytic solution supplied to the first and second electrolysis units. All electrolytes had a sulfuric acid concentration of 50 g / L (containing 0.5 mass% of aluminum ions) and a temperature of 20 ° C. Then, water washing by spraying was performed.
[0184]
In the anodizing device, currents from the
[0185]
The amount of electricity fed from the
[0186]
(K) Alkali metal silicate treatment
The aluminum support obtained by the anodizing treatment was immersed in a treatment tank of a 1 mass% aqueous solution of sodium silicate No. 3 at a temperature of 30 ° C. for 10 seconds to perform alkali metal silicate treatment (silicate treatment). . Thereafter, washing with water using well water was performed to obtain a support for a lithographic printing plate precursor subjected to a surface silicate hydrophilization treatment.
[0187]
(Application of undercoat layer)
Next, an undercoat liquid having the following composition was applied to the surface of the prepared support with a bar coater, dried at 80 ° C. for 15 seconds, and the coating amount after drying was 17 mg / m.2An undercoat layer was provided.
<Undercoat liquid composition>
Compound A 0.3 parts by mass
Methanol 100.0 parts by mass
1.0 parts by weight of water
[0188]
Embedded image
[0189]
The molecular weight of Compound A is 28,000, and the numerical value indicates mol%.
[0190]
[Recording layer application]
A coating amount of the following lower layer coating solution 1 is 0.85 g / m on the obtained aluminum substrate.2After coating with a bar coater, it was dried at 160 ° C. for 44 seconds, and immediately cooled with 17 to 20 ° C. cold air until the temperature of the support became 35 ° C. to form a lower layer. Thereafter, the coating amount of the following upper layer coating solution 1 is 0.22 g / m.2Bar coater was applied, dried at 148 ° C. for 25 seconds, and further slowly cooled with air at 20 to 26 ° C. to form an upper layer.
(Here, the coating amount indicates the mass after drying)
[0191]
Embedded image
[0192]
[0193]
Embedded image
[0194]
[Table 1]
[0195]
(Comparative Example 2)
An aluminum plate (material 1050, tempered H16) having a thickness of 0.24 mm was degreased in a 5% by weight aqueous sodium hydroxide solution at 60 ° C. for 1 minute, and then hydrochloric acid having a concentration of 0.5 mol / liter. In an aqueous solution, the same surface treatment as in Example 1 was performed to prepare a support, and after applying to the undercoat layer in the same manner as in Example 1, 2.5 g / m of the following coating solution was added.2After being coated with a bar coater so as to be, dried at 85 ° C. for 2 minutes and further stabilized at 55 ° C.
[0196]
[Evaluation of development latitude]
Each of the resulting lithographic printing plate precursors was imaged with a Trend setter manufactured by Creo at a beam intensity of 9 w and a drum rotation speed of 150 rpm, and then a developer DT-2R manufactured by Fuji Photo Film Co., Ltd. was used. Fuji Photo Film (1: 1 diluted) and Fuji Photo Film Co., Ltd. finisher FG-1 (diluted 1: 1) diluted to 1: 5 and carbon dioxide was blown until the electrical conductivity reached 37 mS / cm. Using a PS processor LP940H manufactured by Co., Ltd., the liquid temperature was maintained at 30 ° C., and development was performed for 12 s. Thereafter, an appropriate amount of DT-2R (diluted 1: 5) was added to the developer, the conductivity was adjusted to 39 mS / cm, and the lithographic printing plate precursor in which the test pattern was drawn in an image shape as before was developed. . Further, the electrical conductivity was increased by 2 mS / cm, and this operation was continued until a film loss due to image development was observed remarkably.
At this time, the plate developed with each conductivity was checked for contamination and coloring due to poorly developed heat-sensitive layer residual film, and the conductivity of the developer that was successfully developed was determined. Next, the limit electric conductivity at which the reduction of the developed film was maintained to such an extent that the printing durability was not substantially affected was determined.
The development latitude was defined as the electric conductivity of the developer that was successfully developed and the limit of electric conductivity at which the reduction of the developed film was maintained to such an extent that it did not substantially affect the printing durability. The results are shown in Table 2.
[0197]
[Evaluation of sensitivity]
The sensitivity of the obtained lithographic printing original plate of the present invention was measured as follows.
A lithographic printing plate precursor was drawn with a Trend setter manufactured by Creo at a beam intensity range of 2 to 10 W and a drum rotation speed of 150 rpm, and then a developer DT-2 (1: 8 manufactured by Fuji Photo Film Co., Ltd.). Using a PS processor LP940H manufactured by Fuji Photo Film Co., Ltd. charged with a finisher FG-1 manufactured by Fuji Photo Film Co., Ltd. Developed with a development time of 12 seconds. The electric conductivity of the developer at this time was 43 mS / cm.
The developed plate is observed with a magnifying glass of 25 times, the presence or absence of a residual film that does not substantially cause printing stains is evaluated, the actual exposure energy is calculated from the exposure beam intensity at which no residual film is observed, and the sensitivity It was. The smaller the exposure energy, the higher the sensitivity. The results are shown in Table 2.
[0198]
[Evaluation of scratch resistance]
The obtained lithographic printing plate precursor of the present invention was loaded on sapphire (tip diameter 1.0 mm) using a scratch tester manufactured by HEIDON, and the plate was scratched. Immediately thereafter, developer DT manufactured by Fuji Photo Film Co., Ltd. was used. -2 (diluted 1: 8) and Fuji Photo Film Co., Ltd. finisher FG-1 (diluted 1: 1) PS processor LP940H manufactured by Fuji Photo Film Co., Ltd. Was maintained at 30 degrees and developed with a development time of 12 seconds. The electric conductivity of the developer at this time was 43 mS / cm. A load at which scratches could not be visually confirmed was defined as a scratch resistance value. The larger the value, the better the scratch resistance. The results are shown in Table 2.
For development in Comparative Example 2, a Konica alkaline developer SDR-1 diluted 1: 5 was used.
[0199]
[Table 2]
[0200]
From this result, -CH of Example 12It can be seen that the lithographic printing plate containing the OR-containing compound has no deterioration in sensitivity as compared with Comparative Examples 1 and 2, and has good development latitude and scratch resistance.
[0201]
[Burning printing durability evaluation]
In the development latitude evaluation, a sample that had been successfully developed was washed with water, and then surface-adjusting solution BC-7 (manufactured by Fuji Photo Film) was applied with an automatic coater, and processed with a burning device BP-1300 at 260 ° C. for 7 minutes. . Next, a solution obtained by diluting gum GU-7 (manufactured by Fuji Photo Film) 1: 1 with water was applied by an automatic coater. Then, the printing durability by the number of sheets until a favorable printed matter was no longer obtained was evaluated using a SOR-M printing machine (manufactured by Heidelberg). The results are shown in Table 3.
[0202]
[Table 3]
[0203]
From this result, -CH of Example 12The lithographic printing plate containing the OR-containing compound also improved the burning printing durability compared to Comparative Example 1 with no additive.
[0204]
(Examples 2-3 and Comparative Examples 3-4)
A sample identical to Example 1 and Comparative Example 2 was prepared except that the solid content concentration of the upper layer coating solution composition of Example 1 and Example 2 was adjusted so as to be the coating amount shown in Table 4. Development latitude, sensitivity, and scratch resistance were evaluated. The results are shown in Table 5.
[0205]
[Table 4]
[0206]
[Table 5]
[0207]
From this result, even when the coating amount was changed, -CH of Examples 2 and 32It can be seen that the lithographic printing plate containing the OR-containing compound has better development latitude than the additive-free Comparative Example 1.
[0208]
(Example 4 and Comparative Example 5)
(Creation of support)
An aluminum plate (material: JIS A 1050) with a thickness of 0.3 mm is etched for 10 seconds at a caustic soda concentration of 30 g / l, an aluminum ion concentration of 10 g / l, and a liquid temperature of 60 ° C., washed with running water, and washed with 10 g / l nitric acid. After neutralizing and washing with water. This is 500 C / dm in an aqueous solution having a hydrogen chloride concentration of 15 g / l, an aluminum ion concentration of 10 g / l and a liquid temperature of 30 ° C. using a sinusoidal alternating waveform current under the condition of applied voltage Va = 20V.2After performing an electrochemical surface roughening treatment with a quantity of electricity and washing with water, an etching treatment was carried out for 10 seconds at a caustic soda concentration of 30 g / l, an aluminum ion concentration of 10 g / l, and a liquid temperature of 40 ° C., followed by washing with running water. Next, desmut treatment was performed in a sulfuric acid aqueous solution having a sulfuric acid concentration of 15% by mass and a liquid temperature of 30 ° C., followed by washing with water. Furthermore, in a 10% by mass sulfuric acid aqueous solution with a liquid temperature of 20 ° C., a current density of 6 A / dm at a direct current.2The amount of anodized film is 2.5 g / m under the conditions of2It was anodized so as to be equivalent, washed with water and dried. Then, it processed for 10 second at 30 degreeC with the sodium silicate 1 mass% aqueous solution, and produced the board | substrate. The centerline average roughness (Ra) of the substrate was measured using a needle having a diameter of 2 μm and found to be 0.48 μm.
An undercoat layer coating, a lower layer coating, and an upper layer coating were performed on the prepared support using the same composition as in Example 1, respectively, to prepare a lithographic printing plate precursor of Example 4. Further, the development latitude, sensitivity and scratch resistance were evaluated in the same manner as in Example 1. The results are shown in Table 6.
[0209]
[Table 6]
[0210]
Thus, even when the treatment conditions of the support were changed, —CH of Example 42It can be seen that the lithographic printing plate containing the OR-containing compound has no deterioration in sensitivity and good development latitude and scratch resistance compared to Comparative Example 5 without addition.
[0211]
(Example 5 and Comparative Example 6)
(Creation of support)
0.24 mm thick aluminum plate (Si: 0.06 mass%, Fe: 0.30 mass%, Cu: 0.014 mass%, Mn: 0.001 mass%, Mg: 0.001 mass%, Zn : 0.001% by mass, Ti: 0.03% by mass, the balance being Al and an inevitable impurity aluminum alloy) was subjected to the following surface treatment continuously.
An electrochemical surface roughening treatment was continuously performed using an alternating voltage of 60 Hz. The electrolytic solution at this time was a nitric acid 10 g / L aqueous solution (containing 5 g / L of aluminum ions and 0.007% by mass of ammonium ions) at a temperature of 80 ° C. After washing with water, the aluminum plate was etched at 32 ° C. with a caustic soda concentration of 26 mass% and an aluminum ion concentration of 6.5 mass%, and the aluminum plate was 0.20 g / m.2 Dissolved and washed with water by spray. Thereafter, a desmut treatment by spraying was performed with a 25% by weight aqueous solution of sulfuric acid having a temperature of 60 ° C. (containing 0.5% by weight of aluminum ions), followed by washing with water by spraying.
Anodization was performed using an anodizing apparatus of a two-stage power supply electrolytic treatment method. Sulfuric acid was used as the electrolytic solution supplied to the electrolysis unit. Then, water washing by spraying was performed. The final oxide film amount is 2.7 g / m2 Met.
The aluminum support obtained by the anodizing treatment is immersed in a treatment layer of 1% by weight aqueous solution of sodium silicate No. 3 at a temperature of 30 ° C. for 10 seconds to perform alkali metal silicate treatment (silicate treatment). It was. Then, water washing by spraying was performed.
An undercoat layer coating, a lower layer coating, and an upper layer coating were carried out on the prepared support using the same composition as in Example 1 in the same manner to prepare a lithographic printing plate precursor of Example 5. Further, the development latitude, sensitivity and scratch resistance were evaluated in the same manner as in Example 1. The results are shown in Table 7.
[0212]
[Table 7]
[0213]
Even when the treatment conditions of the support were changed in this way, —CH of Example 52It can be seen that the lithographic printing plate containing the OR-containing compound has no deterioration in sensitivity and good development latitude and scratch resistance compared to Comparative Example 6 without addition.
[0214]
(Example 6 and Comparative Example 7)
A lithographic printing plate precursor was prepared in the same manner as in Example 1.
[Evaluation of development latitude]
The resulting lithographic printing plate precursor was imaged with a Trend setter manufactured by Creo at a beam intensity of 9 w and a drum rotation speed of 150 rpm, and then a developer DP-7RW manufactured by Fuji Photo Film Co., Ltd. : Fuji Photo Film Co., Ltd., diluted with 6 and charged with carbon dioxide gas until the electric conductivity reached 69 mS / cm and Finisher FP-2W (diluted 1: 1) manufactured by Fuji Photo Film Co., Ltd. ) Using PS processor LP940H manufactured by KK), the liquid temperature was kept at 30 ° C., and development was performed for 12 s. Thereafter, an appropriate amount of DP-7RW (diluted 1: 6) was added to the developer, the conductivity was adjusted to 71 mS / cm, and the planographic printing plate precursor on which the test pattern was drawn in an image shape was developed as before. . Further, the electrical conductivity was increased by 2 mS / cm, and this operation was continued until a film loss due to image development was observed remarkably.
At this time, the plate developed with each conductivity was checked for contamination and coloring due to poorly developed heat-sensitive layer residual film, and the conductivity of the developer that was successfully developed was determined. Next, the limit electric conductivity at which the reduction of the developed film was maintained to such an extent that the printing durability was not substantially affected was determined.
The development latitude was defined as the electric conductivity of the developer that was successfully developed and the limit of electric conductivity at which the reduction of the developed film was maintained to such an extent that it did not substantially affect the printing durability.
[Evaluation of sensitivity and scratch resistance]
Each evaluation was performed in the same manner as in Example 1 except that the developer DP-7 (diluted 1: 8) manufactured by Fuji Photo Film Co., Ltd. was used instead of DT-2.
The evaluation results are shown in Table 8.
[0215]
[Table 8]
[0216]
Even when the development processing conditions are changed in this way,2It can be seen that the lithographic printing plate containing the OR-containing compound has no deterioration in sensitivity as compared with the additive-free Comparative Example 7, and has good development latitude and scratch resistance.
[0217]
【The invention's effect】
ADVANTAGE OF THE INVENTION According to this invention, the positive lithographic printing plate precursor for infrared lasers for direct plate making which is excellent in the latitude at the time of image formation by image development, and has high sensitivity and good scratch resistance can be obtained.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a side view showing a concept of a brush graining process used for mechanical surface roughening in the production of a lithographic printing plate support according to the present invention.
FIG. 2 is a graph showing an example of an alternating waveform current waveform diagram used for electrochemical roughening treatment in the production of a lithographic printing plate support according to the present invention.
FIG. 3 is a side view showing an example of a radial cell in an electrochemical surface roughening treatment using alternating current in the production of a lithographic printing plate support according to the present invention.
FIG. 4 is a schematic view of an anodizing apparatus used for anodizing treatment in producing a lithographic printing plate support according to the present invention.
[Explanation of symbols]
1 Aluminum plate
2, 4 Roller brush
3 Polishing slurry
5, 6, 7, 8 Support roller
11 Aluminum plate
12 Radial drum roller
13a, 13b Main pole
14 Electrolytic treatment liquid
15, 15a, 15b Electrolyte supply port
16 slits
17 Electrolyte passage
18 Auxiliary anode
19a, 19b Thyristor
20 AC power supply
40, 41 Main electrolytic cell
50, 51 Auxiliary anode tank
62a First feeding part
62b Second feeding part
63a First electrolysis part
63b Second electrolysis unit
64a, 64b Nip roller
65a First feeding electrode
65b Second feeding electrode
66a, 66b, 66c, 66d Electrolytic electrode
67a, 67b, 67c, 67d Power supply
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