【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、平版印刷版原版に関し、詳細にはコンピュータ等のディジタル信号から直接製版できるいわゆるダイレクト製版用のポジ型平版印刷版原版に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年におけるレーザの発展は目ざましく、特に近赤外から赤外に発光領域を持つ固体レーザ・半導体レーザは、高出力かつ小型の物が容易に入手できる様になっている。平版印刷の分野においては、コンピュータ等のディジタルデータから直接製版する際の露光光源として、これらのレーザは非常に有用である。
【0003】
赤外線レーザ用ポジ型平版印刷版原版は、アルカリ可溶性のバインダー樹脂と、光を吸収し熱を発生するIR染料等とを必須成分とする。このIR染料等が、未露光部(画像部)では、バインダー樹脂との相互作用によりバインダー樹脂の現像液に対する溶解性を実質的に低下させる現像抑制剤として働き、露光部(非画像部)では、発生した熱によりIR染料等とバインダー樹脂との相互作用が弱まり、アルカリ現像液に溶解して平版印刷版を形成する。
【0004】
このような赤外線レーザ用ポジ型平版印刷版原版の画像形成能は、記録層表面の赤外線レーザ露光による発熱に依存しているため、支持体近傍では、支持体への熱の拡散により画像形成、即ち、記録層の可溶化に用いられる熱量が少なくなり、低感度となる。したがって、非画像部における記録層の現像抑制能消失効果が充分に得られず、画像部と非画像部との差が小さくなってハイライト再現性が不充分であるという問題があった。
【0005】
また、前記ハイライト再現性の問題を解決するために、非画像部をより容易に現像し得る、即ち、アルカリ水溶液に対する溶解性がより良好な特性を有する材料からなる記録層を用いることが考えられるが、このような記録層は、画像部領域においても化学的に弱くなり、現像液や印刷中に使用されるインキ洗浄溶剤、プレートクリーナー等によりダメージを受け易くなるなど、耐薬品性に劣るといった問題があり、未露光部領域においては皮膜の耐薬品性や耐久性に優れ、且つ、露光により溶解抑制作用が解除された後は、現像性に優れるという特性を有する樹脂材料が熱望されていた。
【0006】
以上の問題は、アルカリ可溶性樹脂やその他の成分を選択してなる単層の記録層では解決するのが困難であり、このため、ポリビニルフェノール樹脂を含むアルカリ溶解性に優れた下層と、水不溶性且つアルカリ可溶性樹脂及び赤外線吸収剤を含み露光によりアルカリ性水溶液に対する溶解性が大きく増大する上層と、からなる記録層を設けた平版印刷版原版が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この平版印刷版原版によれば、感度を向上させることができるものの、耐薬品性については不十分であった。また、支持体と記録層との密着性も不十分であり、耐刷性に劣るといった問題もあった。
また、同様の目的で種々の改良技術が提案され、例えば、支持体上に、特定モノマーを有する共重合体を含有する下層と、感光性の上層とを積層してなる画像形成材料(例えば、特許文献2参照。)や、親水性支持体上に、アルカリ可溶性樹脂を含有する下層と、赤外線感応性で耐アルカリ現像性の上層とを積層してなる平版印刷版原版を用いた印刷版作製方法(例えば、特許文献3参照。)などが提案されているが、前者は感度や耐薬品性には優れるものの、下層に用いられる樹脂の膜強度が不充分で耐刷性になお改良の余地があるという問題があり、後者については用いられるアルカリ可溶性樹脂が耐薬品性に劣るため、プレートクリーナー中に含まれる溶剤成分により記録層が溶出したり、下層の基板界面まで該溶剤成分が浸透することで記録層と基板との密着性が低下し、記録層が剥離しやすくなるなどの問題を有しており、下層の膜強度に依存する耐刷性と、耐薬品性との両立は困難であった。
【0007】
【特許文献1】
特開平10−250255号公報
【特許文献2】
特開平11−218914号公報
【特許文献3】
特開平11−194483号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来の技術の欠点を考慮してなされた本発明の目的は、デジタル信号に基づいた走査露光による直接製版が可能であり、且つ、耐刷性および耐薬品性に優れたポジ型平版印刷版原版を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は鋭意研究を重ねた結果、平版印刷版原版の記録層成分として、下記に示す特定の共重合ポリマーを選択することにより、前記目的が達成されることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の平版印刷版原版は、支持体上に、アルカリ不溶性マレイミドと、ニトリル基を有するモノマーと、アルカリ可溶性モノマーと、を共重合してなる水不溶性且つアルカリ可溶性樹脂(以下、適宜「特定マレイミド/ニトリル樹脂」と称する)、現像抑制剤、及び、赤外線吸収剤を含有し、露光によりアルカリ性水溶液に対する溶解性が増大する記録層を設けてなることを特徴とする。
また、本発明の請求項2に係る平版印刷版原版は、アルカリ不溶性マレイミドと、ニトリル基を有するモノマーと、アルカリ可溶性モノマーと、を共重合してなる水不溶性且つアルカリ可溶性樹脂(特定マレイミド/ニトリル樹脂)を含有する下層、及び、水不溶性且つアルカリ可溶性樹脂と、現像抑制剤と、を含有し、露光によりアルカリ性水溶液に対する溶解性が増大する上層、からなる記録層を設け、該記録層の下層及び上層の少なくとも一方に赤外線吸収剤を含有することを特徴とする。
【0010】
本発明の平版印刷版原版は、アルカリ不溶性マレイミドと、ニトリル基を有するモノマーと、アルカリ可溶性モノマーと、を共重合してなる水不溶性且つアルカリ可溶性樹脂(特定マレイミド/ニトリル樹脂)を記録層の成分として用いることを特徴とする。
前記アルカリ不溶性マレイミドを、本発明に係る特定マレイミド/ニトリル樹脂の共重合成分として用いることで、該樹脂に有機溶剤に対する優れた耐溶解性を発現させ、プレートクリーナーなどによるダメージを受け難くする。また、ニトリル基を有するモノマーにおいては、それらを共重合成分として用いることで、該樹脂に高い膜強度および高い親油性を発現し、耐刷性の向上に寄与する。そのため、例えば、公知のアクリル系アルカリ可溶性樹脂に比較しても、これらの成分を含有する樹脂を用いて製膜した記録層は、高い膜強度と耐刷性を有するものと考えられる。一方、もう一つの共重合成分であるアルカリ可溶性モノマーは、分子内にアルカリ可溶性基を有しているため、このようなモノマーを共重合成分として用いることで、露光により現像抑制効果が解除された領域(非画像部領域)では、樹脂材料自体に優れた溶解性を発現させ、残膜の無い高画質の画像が形成されるものと考えられる。
また、この特定マレイミド/ニトリル樹脂を重層構造の記録層の下層に適用した場合には、画像部、即ち、記録層の上層が耐アルカリ現像層として存在する領域では、前記した特定マレイミド/ニトリル樹脂の高い膜強度と耐薬品性が有効に機能する。また、非画像部においては、上層が除去されると、本来のアルカリ可溶性により、アルカリ現像液に速やかに溶解、分散するものと考えられる。このため、上層の耐アルカリ性を高めることで、下層成分にアルカリ溶解性が高い樹脂を用いても、所望されない溶解を抑制することができる。したがって、重層構造の記録層は、単層型に比べてより高感度、かつ耐アルカリ性に優れる。このため、本発明の効果がより顕著になると言える。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の平版印刷版原版は、支持体上に設けた露光によりアルカリ性水溶液に対する溶解性が増大する記録層に、特定マレイミド/ニトリル樹脂を含有することを特徴とする。
以下、本発明の平版印刷版原版の各構成について、順次、詳細に説明する。
【0012】
〔アルカリ不溶性マレイミドと、ニトリル基を有するモノマーと、アルカリ可溶性モノマーと、を共重合してなる水不溶性且つアルカリ可溶性樹脂〕
本発明に係る記録層は、アルカリ不溶性マレイミドと、ニトリル基を有するモノマーと、アルカリ可溶性モノマーと、を共重合してなる水不溶性且つアルカリ可溶性樹脂(特定マレイミド/ニトリル樹脂)を含有することを特徴とする。この記録層が単層構造を取る場合には、露光によりアルカリ性水溶液に対する溶解性が増大するという特性を発現するための現像抑制剤と、記録感度向上の観点から赤外線吸収剤とを併用することを要し、また、任意成分としてアルカリ可溶性樹脂であるノボラック樹脂を混合することが好ましい。ノボラック樹脂を混合する比率としては、全アルカリ可溶性樹脂の95質量%以下が好ましく、さらに好ましくは85質量%以下であり、特に好ましくは60質量%以下である。
また、特定マレイミド/ニトリル樹脂を重層構造の記録層の下層に用いる場合には、この特定マレイミド/ニトリル樹脂のみを用いてもよく、また、膜性向上などの観点から、一般的な水不溶性且つアルカリ可溶性樹脂を併用することもできる。
なかでも、効果の観点からは、この特定マレイミド/ニトリル樹脂を重層構造の記録層の下層成分として用いることが好ましい。
【0013】
本発明に係る特定マレイミド/ニトリル樹脂の共重合成分として用いられる、アルカリ不溶性マレイミドとしては、アルカリ水溶液に不溶であり、且つ、分子内にマレイミド骨格を有する化合物であれば特に制限はない。本発明に用いられるアルカリ不溶性マレイミドとしては、例えば、下記一般式(I)で表される構造の如き、窒素原子に置換基を有するものが挙げられる。
【0014】
【化1】
【0015】
式(I)中、Rは、アルキル基、アリール基、アラルキル基等を表す。
ここで、Rがアルキル基を表す場合には、炭素数1〜20程度のものが好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、ターシャリーブチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
Rがアリール基を表す場合には、炭素数6〜20程度のものが好ましく、単環、あるいは縮合多環構造を形成していてもよく、具体的には、フェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
Rがアラルキル基を表す場合には、ベンジル基が挙げられる。
このようなRとしては、メチル基、フェニル基、ナフチル基、ベンジル基が特に好ましい。
【0016】
このようなアルカリ不溶性マレイミドの具体例としては、N−メチルマレイミド、N−フェニルマレイミド、N−ナフチルマレイミド、N−ベンジルマレイミド等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0017】
本発明に係る特定マレイミド/ニトリル樹脂中、アルカリ不溶性マレイミドの共重合比は、好ましくは10〜60モル%、より好ましくは20〜50モル%である。また、必要に応じて、このようなアルカリ不溶性マレイミドを2種以上併用してもよい。
【0018】
本発明に用いられるニトリル基を有するモノマーとしては、分子内にニトリル基を有し、且つ、他の共重合成分と共重合可能な官能基を有するものであれば特に制限はない。ここで言う共重合可能な官能基としては、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、スチリル基などのラジカル重合可能な不飽和二重結合が好ましく用いられる。
【0019】
ニトリル基を有するモノマーとしては、下記一般式(II)で表されるものが好ましい。
【0020】
【化2】
【0021】
前記式(II)中、Aは水素原子またはメチル基を表す。
Xは単結合または−(Y)n−Z−を表し、ここでYはアミド基またはエステル基を表し、nは0または1を表す。Zはアルキレン基、アリーレン基、アラルキレン基を表す。アルキレン基としては、炭素数2〜6程度のものが好ましく、アリーレン基としては、フェニレン基、ナフチレン基が好ましく、アラルキレン基としては、ベンジル連結基が好ましい。
【0022】
ニトリル基を有するモノマーの具体例としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、2−シアノエチルアクリレート、2−シアノエチルメタクリレート、2−シアノエチルアクリルアミド、2−シアノエチルメタクリルアミド、p−シアノフェニルメタクリルアミド、p−シアノフェニルメタクリレート、p−シアノフェニルアクリルアミド、p−シアノフェニルアクリレート、o−シアノフェニルメタクリルアミド、o−シアノフェニルメタクリレート、o−シアノフェニルアクリルアミド、o−シアノフェニルアクリレート、p−(2−シアノエチルオキシ)フェニルメタクリルアミド、p−(2−シアノエチルオキシ)フェニルメタクリレート、o−(2−シアノエチルオキシ)フェニルメタクリルアミド、o−(2−シアノエチルオキシ)フェニルメタクリレート、p−(2−シアノエチルオキシ)フェニルアクリルアミド、p−(2−シアノエチルオキシ)フェニルアクリレート、o−(2−シアノエチルオキシ)フェニルアクリルアミド、o−(2−シアノエチルオキシ)フェニルアクリレートなどが挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
これらの中でも、アクリロニトリル、アクリルアミド骨格、メタクリルアミド骨格を有するものが耐薬品性が良好であり好ましい。さらに、その中でも、フェニルアクリルアミド骨格、フェニルメタクリルアミド骨格を有するものが特に好ましい。
【0023】
本発明に係る特定マレイミド/ニトリル樹脂中、ニトリル基を有するモノマーの共重合比は、好ましくは10〜60モル%、より好ましくは20〜50モル%である。また、必要に応じて、このようなニトリル基を有するモノマーを2種以上併用して用いてもよい。
【0024】
本発明に係るアルカリ可溶性モノマーは、該樹脂にアルカリ可溶性の機能を付与するために用いられる。このようなアルカリ可溶性モノマーとしては、その分子内にアルカリ可溶性を発現する官能基(以下、適宜「アルカリ可溶性基」と称する)を有し、且つ、他の共重合成分と共重合可能な官能基を有するものであれば特に制限はない。
アルカリ可溶性基としては特に制限はないが、中でも、(1)フェノール性水酸基、(2)スルホンアミド基、(3)活性イミド基、(4)カルボキシル基、(5)スルホン酸基、(6)リン酸エステル基が特に好ましい。
以下、これらのアルカリ可溶性基を有するモノマーの具体例を挙げるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0025】
(1)フェノール性水酸基を有するモノマーとしては、フェノール性水酸基を有するアクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、又はヒドロキシスチレン等が挙げられる。具体的にはN−(2−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(3−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、N−(3−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、o−ヒドロキシフェニルアクリレート、m−ヒドロキシフェニルアクリレート、p−ヒドロキシフェニルアクリレート、o−ヒドロキシフェニルメタクリレート、m−ヒドロキシフェニルメタクリレート、p−ヒドロキシフェニルメタクリレート、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、2−(2−ヒドロキシフェニル)エチルアクリレート、2−(3−ヒドロキシフェニル)エチルアクリレート、2−(4−ヒドロキシフェニル)エチルアクリレート、2−(2−ヒドロキシフェニル)エチルメタクリレート、2−(3−ヒドロキシフェニル)エチルメタクリレート、2−(4−ヒドロキシフェニル)エチルメタクリレート等を好適に使用することができる。
【0026】
(2)スルホンアミド基を有する重合性モノマーとしては、1分子中に、窒素原子上に少なくとも1つの水素原子が結合したスルホンアミド基−NH−SO2−と、重合可能な不飽和結合をそれぞれ1つ以上有する低分子化合物からなる重合性モノマーが挙げられる。その中でも、アクリロイル基、アリル基、又はビニロキシ基と、置換或いはモノ置換アミノスルホニル基又は置換スルホニルイミノ基とを有する低分子化合物が好ましい。
【0027】
(3)活性イミド基を有するモノマーとしては、1分子中に活性イミド基と重合可能な不飽和結合とをそれぞれ1つ以上有する低分子化合物が挙げられる。このような化合物としては、具体的には、N−(p−トルエンスルホニル)メタクリルアミド、N−(p−トルエンスルホニル)アクリルアミド、マレイミド等を好適に使用することができる。
【0028】
(4)カルボキシル基を有するモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、イタコン酸等、カルボキシル基と不飽和二重結合性基とを分子内にそれぞれ1以上有する不飽和カルボン酸が挙げられる。
【0029】
(5)スルホン酸基あるいはその塩を有するモノマーとしては、AMPS(2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸)を使用することができる。
【0030】
(6)リン酸エステルを含有するモノマーとしては、モノ(2−メタクリロイロキシエチル)アシッドホスフェート、モノ(2−アクリロイロキシエチル)アシッドホスフェートが挙げられる。
【0031】
本発明に係る特定マレイミド/ニトリル樹脂中の、アルカリ可溶性モノマーの共重合比は、5〜50モル%であることが好ましく、10〜40モル%であることがより好ましい。共重合比が5モル%より少ないと、アルカリ可溶性が不十分となりやすく、現像ラチチュードの向上効果が十分達成されないことがある。
【0032】
また、前記共重合体には、さらに下記(m1)〜(m9)のモノマーを第4成分として共重合しても良い。
(m1)2−ヒドロキシエチルアクリレート又は2−ヒドロキシエチルメタクリレート等の脂肪族水酸基を有するアクリル酸エステル類、及びメタクリル酸エステル類。
(m2)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルアクリレート、等のアルキルアクリレート。
(m3)メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルメタクリレート等のアルキルメタクリレート。
(m4)アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−ヘキシルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド等のアクリルアミド若しくはメタクリルアミド、N−ビニルピロリドン。
【0033】
(m5)エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等のビニルエーテル類。
(m6)ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニル等のビニルエステル類。
(m7)スチレン、α−メチルスチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレン等のスチレン類。
(m8)メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトン等のビニルケトン類。
(m9)エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン類。
【0034】
本発明に係る特定マレイミド/ニトリル樹脂は、重量平均分子量(Mw)が2,000以上、数平均分子量が500以上のものが好ましい。更に好ましくは重量平均分子量が5,000〜300,000で、数平均分子量が800〜250,000であり、分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が1.1〜10のものである。また、これらの特定マレイミド/ニトリル樹脂は単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
【0035】
本発明に係る記録層に含まれる全アルカリ可溶性樹脂中の特定マレイミド/ニトリル樹脂の含有量は、単層の記録層に用いる場合にも、重層構造の記録層の下層に用いる場合にも、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、50質量%以上であることがさらに好ましい。
【0036】
まず、本発明の好ましい態様である重層構造の記録層を有する平版印刷版原版について説明する。この場合には、下層に特定マレイミド/ニトリル樹脂を添加する。
〔特定マレイミド/ニトリル樹脂を含有する下層〕
本発明に係る下層は、特定マレイミド/ニトリル樹脂を含有することを特徴とする。ここで用いられる特定マレイミド/ニトリル樹脂としては、前記したように水に不溶であり、且つ、アルカリ水溶液に可溶であれば特に制限はない。
【0037】
さらに、本発明に係る下層成分中には、前記特定マレイミド/ニトリル樹脂に加えて、本発明の効果を損なわない範囲で他の樹脂を併用することができる。下層自体は、特に非画像部領域において、アルカリ可溶性を発現することを要するため、この特性を損なわない樹脂を選択する必要がある。この観点から、併用可能な樹脂としては、前記特定マレイミド/ニトリル樹脂以外の水不溶性且つアルカリ可溶性樹脂が挙げられる。併用可能な他の水不溶性且つアルカリ可溶性樹脂については、以下に上層の成分として詳述するアルカリ可溶性樹脂が挙げられるが、なかでも、例えば、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリアセタール樹脂、アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリスチレン系樹脂、ノボラック型フェノール系樹脂、ポリウレタン樹脂等を好ましく挙げることができる。
また、混合する量としては、下層におけるアルカリ可溶性樹脂全体に対して50質量%以下であることが好ましい。
【0038】
本発明に係る下層成分中には、前記アルカリ可溶性樹脂の他、さらに必要に応じて、赤外線吸収剤、及びその他の添加剤を用いることができる。その他の添加剤としては、例えば、現像促進剤、界面活性剤、焼出し剤/着色剤、可塑剤、及びWAX剤、等が挙げられる。赤外線吸収剤、及びその他の添加剤の種類・含有量等の詳細については、後述する上層の成分として記載されているものと同様である。
【0039】
〔水不溶性且つアルカリ可溶性樹脂及び現像抑制剤を含有し、露光によりアルカリ性水溶液に対する溶解性が増大する上層〕
本発明に係る上層は、水不溶性且つアルカリ可溶性樹脂(以下、適宜、「アルカリ可溶性樹脂」と称する)と、現像抑制剤と、を含有し、露光によりアルカリ性水溶液に対する溶解性が増大することを特徴とする。以下、本発明に係る上層の各成分について説明する。
【0040】
(水不溶性且つアルカリ可溶性樹脂)
本発明における上層に使用可能なアルカリ可溶性樹脂としては、アルカリ性現像液に接触すると溶解する特性を有するものであれば特に制限はないが、高分子中の主鎖および/または側鎖に酸性基を含有する単独重合体、これらの共重合体、またはこれらの混合物であることが好ましく、前記特定マレイミド/ニトリル樹脂もこれに包含される。
このような酸性基を有するアルカリ可溶性樹脂としては、特に、(1)フェノール性水酸基、(2)スルホンアミド基、(3)活性イミド基のいずれかの官能基を分子内に有する高分子化合物が挙げられる。例えば、以下のものが例示されるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0041】
(1)フェノール性水酸基を有する高分子化合物としては、例えば、フェノールホルムアルデヒド樹脂、m−クレゾールホルムアルデヒド樹脂、p−クレゾールホルムアルデヒド樹脂、m−/p−混合クレゾールホルムアルデヒド樹脂、フェノール/クレゾール(m−,p−,又はm−/p−混合のいずれでもよい)混合ホルムアルデヒド樹脂等のノボラック樹脂やピロガロールアセトン樹脂が挙げられる。フェノール性水酸基を有する高分子化合物としてはこの他に、側鎖にフェノール性水酸基を有する高分子化合物を用いることが好ましい。側鎖にフェノール性水酸基を有する高分子化合物としては、フェノール性水酸基と重合可能な不飽和結合とをそれぞれ1つ以上有する低分子化合物からなる重合性モノマーを単独重合、或いは該モノマーに他の重合性モノマーを共重合させて得られる高分子化合物が挙げられる。
【0042】
フェノール性水酸基を有する重合性モノマーとしては、フェノール性水酸基を有するアクリルアミド、メタクリルアミド、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、又はヒドロキシスチレン等が挙げられる。具体的にはN−(2−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(3−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、N−(3−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、N−(4−ヒドロキシフェニル)メタクリルアミド、o−ヒドロキシフェニルアクリレート、m−ヒドロキシフェニルアクリレート、p−ヒドロキシフェニルアクリレート、o−ヒドロキシフェニルメタクリレート、m−ヒドロキシフェニルメタクリレート、p−ヒドロキシフェニルメタクリレート、o−ヒドロキシスチレン、m−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシスチレン、2−(2−ヒドロキシフェニル)エチルアクリレート、2−(3−ヒドロキシフェニル)エチルアクリレート、2−(4−ヒドロキシフェニル)エチルアクリレート、2−(2−ヒドロキシフェニル)エチルメタクリレート、2−(3−ヒドロキシフェニル)エチルメタクリレート、2−(4−ヒドロキシフェニル)エチルメタクリレート等を好適に使用することができる。かかるフェノール性水酸基を有する樹脂は、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。更に、米国特許4,123,279号明細書に記載されているように、t−ブチルフェノールホルムアルデヒド樹脂、オクチルフェノールホルムアルデヒド樹脂のような、炭素数3〜8のアルキル基を置換基として有するフェノールとホルムアルデヒドとの共重合体を併用してもよい。
【0043】
(2)スルホンアミド基を有するアルカリ可溶性樹脂としては、スルホンアミド基を有する重合性モノマーを単独重合、或いは該モノマーに他の重合性モノマーを共重合させて得られる高分子化合物が挙げられる。スルホンアミド基を有する重合性モノマーとしては、1分子中に、窒素原子上に少なくとも1つの水素原子が結合したスルホンアミド基−NH−SO2−と、重合可能な不飽和結合をそれぞれ1つ以上有する低分子化合物からなる重合性モノマーが挙げられる。その中でも、アクリロイル基、アリル基、又はビニロキシ基と、置換或いはモノ置換アミノスルホニル基又は置換スルホニルイミノ基とを有する低分子化合物が好ましい。
【0044】
(3)活性イミド基を有するアルカリ可溶性樹脂は、活性イミド基を分子内に有するものが好ましく、この高分子化合物としては、1分子中に活性イミド基と重合可能な不飽和結合をそれぞれ1つ以上有する低分子化合物からなる重合性モノマーを単独重合、或いは該モノマーに他の重合性モノマーを共重合させて得られる高分子化合物が挙げられる。
このような化合物としては、具体的には、N−(p−トルエンスルホニル)メタクリルアミド、N−(p−トルエンスルホニル)アクリルアミド等を好適に使用することができる。
【0045】
本発明に係るアルカリ可溶性樹脂としては、前記フェノール性水酸基を有する重合性モノマー、スルホンアミド基を有する重合性モノマー、及び活性イミド基を有する重合性モノマーのうち2種類以上を重合させた高分子化合物であることが好ましい。前記重合性モノマーの共重合比、および重合性モノマーの組み合わせに制限はないが、特にフェノール性水酸基を有する重合性モノマーに、スルホンアミド基を有する重合性モノマー及び/又は活性イミド基を有する重合性モノマーを共重合させる場合には、これら成分の配合重合比は50:50から5:95の範囲にあることが好ましく、40:60から10:90の範囲にあることが特に好ましい。
【0046】
更に、本発明に係るアルカリ可溶性樹脂としては、前記フェノール性水酸基を有する重合性モノマー、スルホンアミド基を有する重合性モノマー、又は活性イミド基を有する重合性モノマーから選択される1種或いは2種類以上の重合性モノマーの他に、他の重合性モノマーを共重合させて得られる高分子化合物であることが好ましい。この場合の共重合比としては、アルカリ可溶性を付与するモノマーを10モル%以上含むことが好ましく、20モル%以上含むものがより好ましい。アルカリ可溶性を付与するモノマーの共重合成分が10モル%より少ないと、アルカリ可溶性が不十分となりやすく、現像性が低下する傾向にある。
ここで使用可能な他の重合性モノマーとしては、下記(m1)〜(m12)に挙げる化合物を例示することができるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0047】
(m1)2−ヒドロキシエチルアクリレート又は2−ヒドロキシエチルメタクリレート等の脂肪族水酸基を有するアクリル酸エステル類、及びメタクリル酸エステル類。
(m2)アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸アミル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルアクリレート、等のアルキルアクリレート。
(m3)メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸アミル、メタクリル酸ヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸−2−クロロエチル、グリシジルメタクリレート等のアルキルメタクリレート。
(m4)アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N−ヘキシルメタクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−ニトロフェニルアクリルアミド、N−エチル−N−フェニルアクリルアミド等のアクリルアミド若しくはメタクリルアミド。
【0048】
(m5)エチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、フェニルビニルエーテル等のビニルエーテル類。
(m6)ビニルアセテート、ビニルクロロアセテート、ビニルブチレート、安息香酸ビニル等のビニルエステル類。
(m7)スチレン、α−メチルスチレン、メチルスチレン、クロロメチルスチレン等のスチレン類。
(m8)メチルビニルケトン、エチルビニルケトン、プロピルビニルケトン、フェニルビニルケトン等のビニルケトン類。
(m9)エチレン、プロピレン、イソブチレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン類。
(m10)N−ビニルピロリドン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等。
(m11)マレイミド、N−アクリロイルアクリルアミド、N−アセチルメタクリルアミド、N−プロピオニルメタクリルアミド、N−(p−クロロベンゾイル)メタクリルアミド等の不飽和イミド。
(m12)アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸。
【0049】
本発明に係るアルカリ可溶性樹脂が、前記フェノール性水酸基を有する重合性モノマー、スルホンアミド基を有する重合性モノマー、又は活性イミド基を有する重合性モノマーの単独重合体或いは共重合体の場合、重量平均分子量が2,000以上、数平均分子量が500以上のものが好ましい。更に好ましくは、重量平均分子量が5,000〜300,000で、数平均分子量が800〜250,000であり、分散度(重量平均分子量/数平均分子量)が1.1〜10のものである。
特に、本発明に係るアルカリ可溶性樹脂が、フェノールホルムアルデヒド樹脂、または、クレゾールアルデヒド樹脂等である場合には、重量平均分子量が500〜20,000であり、数平均分子量が200〜10,000のものが好ましい。
【0050】
本発明に用いられるアルカリ可溶性樹脂としては、未露光部において強い水素結合性を生起し、露光部において一部の水素結合が容易に解除されるといった点から、フェノール性水酸基を有する樹脂が望ましく、フェノール性水酸基を有する樹脂の中でも特に好ましくはノボラック樹脂である。
また、本発明においては、アルカリ性水溶液に対し溶解速度の異なる2種類以上のアルカリ可溶性樹脂を混合して用いてもよく、その場合の混合比は自由である。なお、該フェノール性水酸基を有する樹脂と混合するのに好適なアルカリ可溶性樹脂としては、フェノール性水酸基を有する樹脂と相溶性が低いことから、アクリル樹脂であることが好ましく、更に好ましくはスルホアミド基を有するアクリル樹脂である。
【0051】
本発明に係る上層の全固形分中に対するアルカリ可溶性樹脂の含有量は、併せて50〜98質量%の添加量で用いられる。アルカリ可溶性樹脂の添加量が50質量%未満であると記録層の耐久性が悪化し、また、98質量%を超えると感度、耐久性の両面で好ましくない。
【0052】
(現像抑制剤)
本発明に係る上層には、そのインヒビション(溶解抑制能)を高める目的で、現像抑制剤を含有させる必要がある。
本発明に係る現像抑制剤としては、前記アルカリ可溶性樹脂と相互作用を形成し、未露光部においては該アルカリ可溶性樹脂の現像液に対する溶解性を実質的に低下させ、且つ、露光部においては該相互作用が弱まり、現像液に対して可溶となり得るものであれば特に限定はされないが、特に4級アンモニウム塩、ポリエチレングリコール系化合物等が好ましく用いられる。また後述する赤外線吸収剤、画像着色剤のなかにも現像抑制剤として機能する化合物があり、それらもまた好ましく挙げられる。
【0053】
4級アンモニウム塩としては、特に限定されないが、テトラアルキルアンモニウム塩、トリアルキルアリールアンモニウム塩、ジアルキルジアリールアンモニウム塩、アルキルトリアリールアンモニウム塩、テトラアリールアンモニウム塩、環状アンモニウム塩、二環状アンモニウム塩が挙げられる。
具体的には、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラペンチルアンモニウムブロミド、テトラヘキシルアンモニウムブロミド、テトラオクチルアンモニウムブロミド、テトララウリルアンモニウムブロミド、テトラフェニルアンモニウムブロミド、テトラナフチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムヨージド、テトラステアリルアンモニウムブロミド、ラウリルトリメチルアンモニウムブロミド、ステアリルトリメチルアンモニウムブロミド、ベヘニルトリメチルアンモニウムブロミド、ラウリルトリエチルアンモニウムブロミド、フェニルトリメチルアンモニウムブロミド、3−トリフルオロメチルフェニルトリメチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロミド、ジベンジルジメチルアンモニウムブロミド、ジステアリルジメチルアンモニウムブロミド、トリステアリルメチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリエチルアンモニウムブロミド、ヒドロキシフェニルトリメチルアンモニウムブロミド、N−メチルピリジニウムブロミド等が挙げられる。特に特願2001−226297号、特願2001−370059、特願2001−398047明細書記載の4級アンモニウム塩が好ましい。
【0054】
4級アンモニウム塩の添加量は上層全固形分に対して0.1〜50質量%であることが好ましく、1〜30質量%であることがより好ましい。0.1質量%未満では現像抑制効果が少なくなり好ましくない。また、50質量%を超えて添加した場合は、前記アルカリ可溶性樹脂の製膜性に悪影響を与えることがある。
【0055】
また、ポリエチレングリコール化合物としては、特に限定されないが、下記一般式(1)で表される構造のものが挙げられる。
R1−{−O−(R3−O−)m−R2}n ・・・一般式(1)
前記一般式(1)中、R1は多価アルコール残基又は多価フェノール残基を表し、R2は水素原子、置換基を有していても良い炭素原子数1〜25のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アルキロイル基、アリール基又はアリーロイル基を表す。R3は置換基を有しても良いアルキレン残基を表し、mは平均で10以上、nは1以上4以下の整数を表す。
【0056】
前記一般式(1)で表されるポリエチレングリコール化合物の例としては、ポリエチレングリコール類、ポリプロピレングリコール類、ポリエチレングリコールアルキルエーテル類、ポリプロピレングリコールアルキルエーテル類、ポリエチレングリコールアリールエーテル類、ポリプロピレングリコールアリールエーテル類、ポリエチレングリコールアルキルアリールエーテル類、ポリプロピレングリコールアルキルアリールエーテル類、ポリエチレングリコールグリセリンエステル、ポリプロピレングリコールグリセリンエステル類、ポリエチレンソルビトールエステル類、ポリプロピレングリコールソルビトールエステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリプロピレングリコール脂肪酸エステル類、ポリエチレングリコール化エチレンジアミン類、ポリプロピレングリコール化エチレンジアミン類、ポリエチレングリコール化ジエチレントリアミン類、ポリプロピレングリコール化ジエチレントリアミン類が挙げられる。
【0057】
さらにこれらの具体例としては、ポリエチレングリコール1000、ポリエチレングリコール2000、ポリエチレングリコール4000、ポリエチレングリコール10000、ポリエチレングリコール20000、ポリエチレングリコール5000、ポリエチレングリコール100000、ポリエチレングリコール200000、ポリエチレングリコール500000、ポリプロピレングリコール1500、ポリプロピレングリコール3000、ポリプロピレングリコール4000、ポリエチレングリコールメチルエーテル、ポリエチレングリコールエチルエーテル、ポリエチレングリコールフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジメチルエーテル、ポリエチレングリコールジエチルエーテル、ポリエチレングリコールジフェニルエーテル、ポリエチレングリコールラウリルエーテル、ポリエチレングリコールジラウリルエーテル、ポリエチレングリコールノニルエーテル、ポリエチレングリコールセチルエーテル、ポリエチレングリコールステアリルエーテル、ポリエチレングリコールジステアリルエーテル、ポリエチレングリコールベヘニルエーテル、ポリエチレングリコールジベヘニルエーテル、ポリプロピレングリコールメチルエーテル、ポリプロピレングリコールエチルエーテル、ポリプロピレングリコールフェニルエーテル、ポリプロピレングリコールジメチルエーテル、ポリプロピレングリコールジエチルエーテル、ポリプロピレングリコールジフェニルエーテル、ポリプロピレングリコールラウリルエーテル、ポリプロピレングリコールジラウリルエーテル、ポリプロピレングリコールノニルエーテル、ポリエチレングリコールアセチルエステル、ポリエチレングリコールジアセチルエステル、ポリエチレングリコール安息香酸エステル、ポリエチレングリコールラウリルエステル、ポリエチレングリコールジラウリルエステル、ポリエチレングリコールノニル酸エステル、ポリエチレングリコールセチル酸エステル、ポリエチレングリコールステアロイルエステル、ポリエチレングリコールジステアロイルエステル、ポリエチレングリコールベヘン酸エステル、ポリエチレングリコールジベヘン酸エステル、ポリプロピレングリコールアセチルエステル、ポリプロピレングリコールジアセチルエステル、ポリプロピレングリコール安息香酸エステル、ポリプロピレングリコールジ安息香酸エステル、ポリプロピレングリコールラウリル酸エステル、ポリプロピレングリコールジラウリル酸エステル、ポリプロピレングリコールノニル酸エステル、ポリエチレングリコールグリセリンエーテル、ポリプロピレングリコールグリセリンエーテル、ポリエチレングリコールソルビトールエーテル、ポリプロピレングリコールソルビトールエーテル、ポリエチレングリコール化エチレンジアミン、ポリプロピレングリコール化エチレンジアミン、ポリエチレングリコール化ジエチレントリアミン、ポリプロピレングリコール化ジエチレントリアミン、ポリエチレングリコール化ペンタメチレンヘキサミンが挙げられる。
【0058】
ポリエチレングリコール系化合物の添加量は上層全固形分に対して0.1〜50質量%であることが好ましく、1〜30質量%であることがより好ましい。0.1質量%未満では現像抑制効果が少なく好ましくない。また50質量%を超える量を添加した場合、前記アルカリ可溶性樹脂と相互作用できないポリエチレングリコール化合物が現像液の浸透を促進し、画像形成性へ悪影響を与えることがある。
【0059】
また、このようなインヒビション(溶解抑制能)を高めるための施策を行った場合、感度の低下が生じるが、この場合、上層中にラクトン化合物を添加することが感度低下の抑制に有効である。このラクトン化合物は、露光部、即ち、インヒビションが解除された領域の記録層中に現像液が浸透する際、現像液とラクトン化合物が反応し、新たにカルボン酸化合物が発生して、露光部領域の記録層の溶解を促進させることにより感度が向上するものと考えられる。なお、未露光部では、このラクトン化合物はアルカリ可溶性樹脂中の極性基、例えば、ノボラック樹脂中の水酸基と相互作用を形成しており、また、環を有する嵩高な構造とあいまって膜中に安定に存在するため、未露光部表面においてはアルカリ現像液が接触しても、現像処理中におけるラクトン環の急激な開環反応が抑制されているため、当該領域の耐現像性が低下することはない。この相互作用は露光或いは加熱により、前記溶解抑制剤による抑制作用よりもさらに容易に解除されるため、露光部におけるラクトン化合物の開環反応は速やかに行われる。
このようなラクトン化合物としては、特に限定されないが、下記一般式(L−I)及び一般式(L−II)で表される化合物が挙げられる。
【0060】
【化3】
【0061】
一般式(L−I)及び一般式(L−II)において、X1、X2、X3及びX4は、環を構成する2価の非金属原子又は非金属原子団であって、それぞれ同じでも異なっていてもよい。また、これらはそれぞれ独立に置換基を有していてもよい。さらに、一般式(L−I)におけるX1、X2及びX3の少なくとも一つ、及び、一般式(L−II)におけるX1、X2、X3及びX4の少なくとも一つは、電子吸引性置換基又は電子吸引性基で置換された置換基であることが好ましい。
【0062】
好ましい非金属原子又は非金属原子団は、メチレン基、スルフィニル基、カルボニル基、チオカルボニル基、スルホニル基、硫黄原子、酸素原子及びセレニウム原子から選ばれる原子又は原子団であって、より好ましくは、メチレン基、カルボニル基及びスルホニル基から選ばれる原子団である。
【0063】
また、本明細書において電子吸引性置換基とは、ハメットの置換基定数σpが正の価を取る基を指す。ハメットの置換基定数に関しては、Journal of Medicinal Chemistry,1973,Vol.16,No.11,1207−1216等を参考にすることができる。ハメットの置換基定数σpが正の価を取る電子吸引性基としては、例えばハロゲン原子[フッ素原子(σp値:0.06)、塩素原子(σp値:0.23)、臭素原子(σp値:0.23)、ヨウ素原子(σp値:0.18)]、トリハロアルキル基[トリブロモメチル(σp値:0.29)、トリクロロメチル(σp値:0.33)、トリフルオロメチル(σp値:0.54)]、シアノ基(σp値:0.66)、ニトロ基(σp値:0.78)、脂肪族・アリールもしくは複素環スルホニル基[例えば、メタンスルホニル(σp値:0.72)]、脂肪族・アリールもしくは複素環アシル基[例えば、アセチル(σp値:0.50)、ベンゾイル(σp値:0.43)]、アルキニル基[例えば、C≡CH(σp値:0.23)]、脂肪族・アリールもしくは複素環オキシカルボニル基[例えば、メトキシカルボニル(σp値:0.45)、フェノキシカルボニル(σp値:0.44)]、カルバモイル基(σp値:0.36)、スルファモイル基(σp値:0.57)、スルホキシド基、ヘテロ環基、オキソ基、ホスホリル基等が挙げられる。
【0064】
また、好ましい電子吸引性基としては、アミド基、アゾ基、ニトロ基、炭素数1〜5のフルオロアルキル基、ニトリル基、炭素数1〜5のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜5のアシル基、炭素数1〜9のアルキルスルホニル基、炭素数6〜9のアリールスルホニル基、炭素数1〜9のアルキルスルフィニル基、炭素数6〜9のアリールスルフィニル基、炭素数6〜9のアリールカルボニル基、チオカルボニル基、炭素数1〜9の含フッ素アルキル基、炭素数6〜9の含フッ素アリール基、炭素数3〜9の含フッ素アリル基、オキソ基及びハロゲン元素から選ばれる基が挙げられ、より好ましくは、ニトロ基、炭素数1〜5のフルオロアルキル基、ニトリル基、炭素数1〜5のアルコキシカルボニル基、炭素数1〜5のアシル基、炭素数6〜9のアリールスルホニル基、炭素数6〜9のアリールカルボニル基、オキソ基及びハロゲン元素から選ばれる基である。
以下に、一般式(L−I)及び一般式(L−II)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。
【0065】
【化4】
【0066】
【化5】
【0067】
一般式(L−I)及び一般式(L−II)で表される化合物の添加量は、上層全固形分に対して0.1〜50質量%が好ましく、さらには、1〜30質量%がより好ましい。0.1質量%未満では効果が少なく、50質量%を超えて添加した場合、画像形成性が劣る。
本発明に用いられるラクトン化合物は、いずれか1種を用いても、2種以上を併用してもよい。また2種類以上の一般式(L−I)の化合物、又は2種類以上の一般式(L−II)の化合物を用いる場合、合計添加量が前記範囲内であれば任意の比率で併用することができる。
【0068】
そのほか、オニウム塩、o−キノンジアジド化合物、芳香族スルホン化合物、芳香族スルホン酸エステル化合物等の、熱分解性であり、且つ、分解しない状態では、アルカリ可溶性樹脂の溶解性を実質的に低下させる物質を併用することが画像部の現像液へのインヒビションの向上を図る点で好ましい。
【0069】
本発明において用いられるオニウム塩としては、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、セレノニウム塩、アルソニウム塩等を挙げられ、特に好適なものとしては、例えば、S.I.Schlesinger,Photogr.Sci.Eng.,18,387(1974)、T.S.Balet al,Polymer,21,423(1980)、特開平5−158230号公報に記載のジアゾニウム塩、米国特許第4,069,055号、同4,069,056号、特開平3−140140号の明細書に記載のアンモニウム塩、D.C.Necker et al,Macromolecules,17,2468(1984)、C.S.Wen et al,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988)、米国特許第4,069,055号、同4,069,056号に記載のホスホニウム塩、
【0070】
J.V.Crivello et al,Macromorecules,10(6),1307(1977)、Chem.&Eng.News,Nov.28,p31(1988)、欧州特許第104,143号、米国特許第5,041,358号、同第4,491,628号、特開平2−150848号、特開平2−296514号に記載のヨードニウム塩、J.V.Crivello et al,Polymer J.17,73(1985)、J.V.Crivelloet al.J.Org.Chem.,43,3055(1978)、W.R.Watt et al,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,22,1789(1984)、J.V.Crivello et al,Polymer Bull.,14,279(1985)、
【0071】
J.V.Crivello et al,Macromorecules,14(5),1141(1981)、J.V.Crivello et al,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,2877(1979)、欧州特許第370,693号、同233,567号、同297,443号、同297,442号、米国特許第4,933,377号、同3,902,114号、同4,491,628号、同4,760,013号、同4,734,444号、同2,833,827号、独国特許第2,904,626号、同3,604,580号、同3,604,581号に記載のスルホニウム塩、
【0072】
J.V.Crivello et al,Macromorecules,10(6),1307(1977)、J.V.Crivello et al,J.Polymer Sci.,Polymer Chem.Ed.,17,1047(1979)に記載のセレノニウム塩、C.S.Wen et al,Teh,Proc.Conf.Rad.Curing ASIA,p478 Tokyo,Oct(1988)に記載のアルソニウム塩等があげられる。
このようなオニウム塩のなかでも、ジアゾニウム塩が特に好ましい。また、特に好適なジアゾニウム塩としては特開平5−158230号公報記載のものがあげられる。
【0073】
オニウム塩の対イオンとしては、四フッ化ホウ酸、六フッ化リン酸、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸、5−ニトロ−o−トルエンスルホン酸、5−スルホサリチル酸、2,5−ジメチルベンゼンスルホン酸、2,4,6−トリメチルベンゼンスルホン酸、2−ニトロベンゼンスルホン酸、3−クロロベンゼンスルホン酸、3−ブロモベンゼンスルホン酸、2−フルオロカプリルナフタレンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、1−ナフトール−5−スルホン酸、2−メトキシ−4−ヒドロキシ−5−ベンゾイル−ベンゼンスルホン酸、及びパラトルエンスルホン酸等を挙げることができる。これらの中でも特に六フッ化リン酸、トリイソプロピルナフタレンスルホン酸や2,5−ジメチルベンゼンスルホン酸のごときアルキル芳香族スルホン酸が好適である。
【0074】
好適なキノンジアジド類としてはo−キノンジアジド化合物を挙げることができる。本発明に用いられるo−キノンジアジド化合物は、少なくとも1個のo−キノンジアジド基を有する化合物で、熱分解によりアルカリ可溶性を増すものであり、種々の構造の化合物を用いることができる。つまり、o−キノンジアジドは熱分解により現像抑制剤としてのインヒビションを失うことと、o−キノンジアジド自身がアルカリ可溶性の物質に変化することの両方の効果により上層の溶解性を助ける。
そのようなo−キノンジアジド化合物としては、例えば、J.コーサー著「ライト−センシティブ・システムズ」(John Wiley&Sons.Inc.)第339〜352頁に記載の化合物が使用できるが、特に種々の芳香族ポリヒドロキシ化合物あるいは芳香族アミノ化合物と反応させたo−キノンジアジドのスルホン酸エステル又はスルホン酸アミドが好適である。また、特公昭43−28403号公報に記載されているようなベンゾキノン(1,2)−ジアジドスルホン酸クロライド又はナフトキノン−(1、2)−ジアジド−5−スルホン酸クロライドとピロガロール−アセトン樹脂とのエステル、米国特許第3,046,120号及び同第3,188,210号に記載されているベンゾキノン−(1,2−ジアジドスルホン酸クロライド又はナフトキノン−(1,2)−ジアジド−5スルホン酸クロライドとフェノール−ホルムアルデヒド樹脂とのエステルも好適に使用される。
【0075】
さらにナフトキノン−(1,2)−ジアジド−4−スルホン酸クロライドとフェノールホルムアルデヒド樹脂あるいはクレゾール−ホルムアルデヒド樹脂とのエステル、ナフトキノン−(1,2)−ジアジド−4−スルホン酸クロライドとピロガロール−アセトン樹脂とのエステルも同様に好適に使用される。その他の有用なo−キノンジアジド化合物としては、数多くの特許に報告され知られている。例えば特開昭47−5303号、特開昭48−63802号、特開昭48−63803号、特開昭48−96575号、特開昭49−38701号、特開昭48−13354号、特公昭41−11222号、特公昭45−9610号、特公昭49−17481号、米国特許第2,797,213号、同第3,454,400号、同第3,544,323号、同第3,573,917号、同第3,674,495号、同第3,785,825号、英国特許第1,227,602号、同第1,251,345号、同第1,267,005号、同第1,329,888号、同第1,330,932号、ドイツ特許第854,890号などの各明細書中に記載されているものをあげることができる。
【0076】
o−キノンジアジド化合物の添加量は好ましくは上層全固形分に対し、1〜50質量%、更に好ましくは5〜30質量%、特に好ましくは10〜30質量%の範囲である。これらの化合物は単一で使用できるが、数種の混合物として使用してもよい。
また特開平11−288089号記載の少なくとも一部がエステル化されたアルカリ可溶性樹脂を含んでも良い。
【0077】
また、記録層表面のインヒビションの強化とともに表面のキズに対する抵抗力を強化する目的で、特開2000−187318号に記載されているような、分子中に炭素数3〜20のパーフルオロアルキル基を2又は3個有する(メタ)アクリレート単量体を重合成分とする重合体を併用することが好ましい。
添加量としては、上層全固形分に対し、0.1〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜5質量%である。
【0078】
(赤外線吸収剤)
本発明の平版印刷版原版には、記録層の下層および上層の少なくとも一方に、赤外線吸収剤を添加する必要がある。そのような赤外線吸収剤としては、赤外光を吸収し熱を発生する染料であれば特に制限はなく、赤外線吸収剤として知られる種々の染料を用いることができる。
【0079】
本発明に係る赤外線吸収剤としては、市販の染料及び文献(例えば「染料便覧」有機合成化学協会編集、昭和45年刊)に記載されている公知のものが利用できる。具体的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料などの染料が挙げられる。本発明において、これらの染料のうち赤外光、もしくは近赤外光を吸収するものが、赤外光もしくは近赤外光を発光するレーザでの利用に適する点で特に好ましい。
【0080】
そのような赤外光、もしくは近赤外光を吸収する染料としては例えば特開昭58−125246号、特開昭59−84356号、特開昭59−202829号、特開昭60−78787号等に記載されているシアニン染料、特開昭58−173696号、特開昭58−181690号、特開昭58−194595号等に記載されているメチン染料、特開昭58−112793号、特開昭58−224793号、特開昭59−48187号、特開昭59−73996号、特開昭60−52940号、特開昭60−63744号等に記載されているナフトキノン染料、特開昭58−112792号等に記載されているスクワリリウム色素、英国特許434,875号記載のシアニン染料等を挙げることができる。
【0081】
また、染料として米国特許第5,156,938号記載の近赤外吸収増感剤も好適に用いられ、また、米国特許第3,881,924号記載の置換されたアリールベンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−142645号(米国特許第4,327,169号)記載のトリメチンチアピリリウム塩、特開昭58−181051号、同58−220143号、同59−41363号、同59−84248号、同59−84249号、同59−146063号、同59−146061号に記載されているピリリウム系化合物、特開昭59−216146号記載のシアニン色素、米国特許第4,283,475号に記載のペンタメチンチオピリリウム塩等や特公平5−13514号、同5−19702号公報に開示されているピリリウム化合物等が、市販品としては、エポリン社製のEpolight III−178、Epolight III−130、Epolight III−125等が、特に好ましく用いられる。
また、染料として特に好ましい別の例として米国特許第4,756,993号明細書中に式(I)、(II)として記載されている近赤外吸収染料を挙げることができる。
【0082】
これらの赤外線吸収剤は、感度の観点から記録層の上層或いはその近傍に添加することが好ましい。特にシアニン色素の如き溶解抑制能を有するものを、前記アルカリ可溶性樹脂とともに添加すると、高感度化と同時に、未露光部に耐アルカリ溶解性を持たせることができる。また、これらの赤外線吸収剤は、下層に添加しても上下層双方に添加してもよい。下層に添加することでさらに高感度化することが可能である。上層と下層の双方に赤外線吸収剤を添加する場合には、互いに同じ化合物を用いてもよく、また異なる化合物を用いてもよい。
また、これらの赤外線吸収剤は記録層と同一の層に添加してもよいし、別の層を設けそこへ添加してもよい。別の層とする場合、記録層に隣接する層へ添加するのが望ましい。
さらに、赤外線吸収剤が溶解抑制能を有する化合物である場合には、前記アルカリ可溶性樹脂と同一の層に含まれることにより、該赤外線吸収剤が光熱変換機能のみならず、前記現像抑制剤としても機能するため好ましい。
【0083】
赤外線吸収剤の添加量としては、上層に添加する場合、上層全固形分に対し0.01〜50質量%、好ましくは0.1〜30質量%、特に好ましくは1.0〜30質量%の割合で添加することができる。添加量が0.01質量%未満であると感度が低くなり、また50質量%を超えると上部記録層の均一性が失われ、上部記録層の耐久性が悪くなる。
【0084】
また、下層に添加する場合、下層全固形分に対し0〜20質量%、好ましくは0〜10質量%、特に好ましくは0〜5質量%の割合で添加することができる。下層に赤外線吸収剤を添加する場合、溶解抑制能を有する赤外線吸収剤を用いると下層の溶解性が低下するが、一方、赤外線吸収剤が赤外線レーザ露光時に発熱し、熱による下層の溶解性向上が期待できるため、これらのバランスを考慮して添加する化合物及び添加量を選択すべきである。なお、支持体近傍の0.2〜0.3μmの領域では露光時に発生した熱が支持体に拡散するなどして、熱による溶解性向上効果が得難く、赤外吸収染料添加による下層の溶解性低下が感度を低下させる要因となる場合がある。従って、先に示した添加量の範囲の中においても、下層の現像液(25℃〜30℃)に対する溶解速度が30nm/secを下回る如き添加量は好ましくない。
【0085】
(その他の添加剤)
前記記録層の下層および上層を形成するにあたっては、前記の必須成分の他、本発明の効果を損なわない限りにおいて、更に必要に応じて、種々の添加剤を添加することができる。以下に挙げる添加剤は下層のみに添加してもよいし、上層のみに添加してもよいし、両方の層に添加してもよい。
【0086】
<現像促進剤>
本発明に係る記録層である上層および/または下層には、感度を向上させる目的で、酸無水物類、フェノール類、有機酸類を添加してもよい。
酸無水物類としては環状酸無水物が好ましく、具体的に環状酸無水物としては米国特許第4,115,128号明細書に記載されている無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、3,6−エンドオキシ−テトラヒドロ無水フタル酸、テトラクロル無水フタル酸、無水マレイン酸、クロル無水マレイン酸、α−フェニル無水マレイン酸、無水コハク酸、無水ピロメリット酸などが使用できる。非環状の酸無水物としては無水酢酸などが挙げられる。
【0087】
フェノール類としては、ビスフェノールA、2,2′−ビスヒドロキシスルホン、p−ニトロフェノール、p−エトキシフェノール、2,4,4’−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシベンゾフェノン、4,4’,4”−トリヒドロキシトリフェニルメタン、4,4’,3”,4”−テトラヒドロキシ−3,5,3’,5’−テトラメチルトリフェニルメタンなどが挙げられる。
【0088】
有機酸類としては、特開昭60−88942号、特開平2−96755号公報などに記載されている、スルホン酸類、スルフィン酸類、アルキル硫酸類、ホスホン酸類、リン酸エステル類及びカルボン酸類などがあり、具体的には、p−トルエンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルフィン酸、エチル硫酸、フェニルホスホン酸、フェニルホスフィン酸、リン酸フェニル、リン酸ジフェニル、安息香酸、イソフタル酸、アジピン酸、p−トルイル酸、3,4−ジメトキシ安息香酸、フタル酸、テレフタル酸、4−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、エルカ酸、ラウリン酸、n−ウンデカン酸、アスコルビン酸などが挙げられる。
前記の酸無水物、フェノール類及び有機酸類の下層あるいは上層の全固形分に占める割合は、0.05〜20質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜15質量%、特に好ましくは0.1〜10質量%である。
【0089】
<界面活性剤>
本発明に係る記録層である上層および/または下層には、塗布性を良化するため、また、現像条件に対する処理の安定性を広げるため、特開昭62−251740号公報や特開平3−208514号公報に記載されているような非イオン界面活性剤、特開昭59−121044号公報、特開平4−13149号公報に記載されているような両性界面活性剤、EP950517公報に記載されているようなシロキサン系化合物、特開昭62−170950号公報、特開平11−288093号公報、特願2001−247351に記載されているようなフッ素含有のモノマー共重合体を添加することができる。
【0090】
非イオン界面活性剤の具体例としては、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタントリオレート、ステアリン酸モノグリセリド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等が挙げられる。両性活性剤の具体例としては、アルキルジ(アミノエチル)グリシン、アルキルポリアミノエチルグリシン塩酸塩、2−アルキル−N−カルボキシエチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタインやN−テトラデシル−N,N−ベタイン型(例えば、商品名「アモーゲンK」:第一工業(株)製)等が挙げられる。
【0091】
シロキサン系化合物としては、ジメチルシロキサンとポリアルキレンオキシドのブロック共重合体が好ましく、具体例として、(株)チッソ社製、DBE−224、DBE−621、DBE−712、DBP−732、DBP−534、独Tego社製、Tego Glide100等のポリアルキレンオキシド変性シリコーンを挙げることが出来る。
前記非イオン界面活性剤及び両性界面活性剤の下層あるいは上層の全固形分に占める割合は、0.01〜15質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜5.0質量%、さらに好ましくは0.5〜2.0質量%である。
【0092】
<焼出し剤/着色剤>
本発明に係る記録層である上層および/または下層には、露光による加熱後直ちに可視像を得るための焼き出し剤や、画像着色剤としての染料や顔料を加えることができる。
焼出し剤としては、露光による加熱によって酸を放出する化合物(光酸放出剤)と塩を形成し得る有機染料の組合せを代表として挙げることができる。具体的には、特開昭50−36209号、同53−8128号の各公報に記載されているo−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸ハロゲニドと塩形成性有機染料の組合せや、特開昭53−36223号、同54−74728号、同60−3626号、同61−143748号、同61−151644号及び同63−58440号の各公報に記載されているトリハロメチル化合物と塩形成性有機染料の組合せを挙げることができる。かかるトリハロメチル化合物としては、オキサゾール系化合物とトリアジン系化合物とがあり、どちらも経時安定性に優れ、明瞭な焼き出し画像を与える。
【0093】
画像着色剤としては、前述の塩形成性有機染料以外に他の染料を用いることができる。塩形成性有機染料を含めて、好適な染料として油溶性染料と塩基性染料をあげることができる。具体的にはオイルイエロー#101、オイルイエロー#103、オイルピンク#312、オイルグリーンBG、オイルブルーBOS、オイルブルー#603、オイルブラックBY、オイルブラックBS、オイルブラックT−505(以上オリエント化学工業(株)製)、ビクトリアピュアブルー、クリスタルバイオレットラクトン、クリスタルバイオレット(CI42555)、メチルバイオレット(CI42535)、エチルバイオレット、ローダミンB(CI145170B)、マラカイトグリーン(CI42000)、メチレンブルー(CI52015)などを挙げることができる。また、特開昭62−293247号公報に記載されている染料は特に好ましい。
これらの染料は、下層あるいは上層の全固形分に対し、0.01〜10質量%、好ましくは0.1〜3質量%の割合で添加することができる。
【0094】
<可塑剤>
本発明に係る記録層である上層および/または下層には、塗膜の柔軟性等を付与するために可塑剤を添加しても良い。例えば、ブチルフタリル、ポリエチレングリコール、クエン酸トリブチル、フタル酸ジエチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジオクチル、リン酸トリクレジル、リン酸トリブチル、リン酸トリオクチル、オレイン酸テトラヒドロフルフリル、アクリル酸又はメタクリル酸のオリゴマー及びポリマー等が用いられる。
これらの可塑剤は、下層あるいは上層の全固形分に対し、0.5〜10質量%、好ましくは1.0〜5質量%の割合で添加することができる。
【0095】
<WAX剤>
本発明に係る上層には、キズに対する抵抗性を付与する目的で、表面の静摩擦係数を低下させる化合物を添加することもできる。具体的には、米国特許第6,117,913号明細書、或いは本願出願人が先に提案した特願2001−261627号、特願2002−032904号、特願2002−165584号の各明細書に記載されているいるような、長鎖アルキルカルボン酸のエステルを有する化合物などを挙げることが出来る。添加量として好ましいのは、上層中に占める割合が0.1〜10質量%、より好ましくは0.5〜5質量%である。
【0096】
〔記録層の形成〕
本発明の平版印刷版原版における下層及び上層は、通常前記各成分を溶剤に溶かして、適当な支持体上に塗布することにより形成することができる。
ここで使用する溶剤としては、エチレンジクロライド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メタノール、エタノール、プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、ジメトキシエタン、乳酸メチル、乳酸エチル、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラメチルウレア、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド、スルホラン、γ−ブチロラクトン、トルエン等をあげることができるがこれに限定されるものではない。これらの溶剤は単独あるいは混合して使用される。
【0097】
なお、該下層および上層は、原則的に2つの層を分離して形成することが好ましい。
2つの層を分離して形成する方法としては、例えば、下層に含まれる成分と、上層に含まれる成分との溶剤溶解性の差を利用する方法、または、上層を塗布した後、急速に溶剤を乾燥、除去させる方法等が挙げられる。
以下、これらの方法について詳述するが、2つの層を分離して塗布する方法はこれらに限定されるものではない。
【0098】
下層に含まれる成分と上層に含まれる成分との溶剤溶解性の差を利用する方法としては、上層用塗布液を塗布する際に、下層に含まれる成分のいずれもが不溶な溶剤系を用いるものである。これにより、二層塗布を行っても、各層を明確に分離して塗膜にすることが可能になる。例えば、下層成分として、上層成分であるアルカリ可溶性樹脂を溶解するメチルエチルケトンや1−メトキシ−2−プロパノール等の溶剤に不溶な成分を選択し、該下層成分を溶解する溶剤系を用いて下層を塗布・乾燥し、その後、アルカリ可溶性樹脂を主体とする上層成分をメチルエチルケトンや1−メトキシ−2−プロパノール等で溶解し、塗布・乾燥することにより二層化が可能になる。
【0099】
次に、2層目(上層)を塗布後に、極めて速く溶剤を乾燥させる方法としては、ウェブの走行方向に対してほぼ直角に設置したスリットノズルより高圧エアーを吹きつける方法や、蒸気等の加熱媒体を内部に供給されたロール(加熱ロール)よりウェブの下面から伝導熱として熱エネルギーを与える方法、あるいはそれらの方法のを組み合わせを挙げることができる。
【0100】
また、新たな機能を付与するために、本発明の効果を充分に発揮する範囲において、積極的に上層および下層の部分相溶を行う場合もある。この場合、溶剤溶解性の差、上層を塗布後の溶剤の乾燥速度、等を制御することにより部分相溶が可能となる。
【0101】
支持体上に塗布される下層/上層用塗布液中の、溶剤を除いた前記成分(添加剤を含む全固形分)の濃度は、好ましくは1〜50質量%である。
塗布する方法としては、種々の方法を用いることができるが、例えば、バーコーター塗布、回転塗布、スプレー塗布、カーテン塗布、ディップ塗布、エアーナイフ塗布、ブレード塗布、ロール塗布等を挙げることができる。
特に、上層塗布時に下層へのダメージを防ぐため、上層塗布方法は非接触式である事が望ましい。また接触型ではあるが溶剤系塗布に一般的に用いられる方法としてバーコーター塗布を用いる事も可能であるが、下層へのダメージを防止するために順転駆動で塗布する事が望ましい。
【0102】
本発明の平版印刷版原版の支持体上に塗布される下層成分の乾燥後の塗布量は、0.5〜4.0g/m2の範囲にあることが好ましく、更に好ましくは0.6〜2.5g/m2の範囲である。0.5g/m2未満であると耐刷性が低下する原因となり、4.0g/m2を超えると画像再現性が劣化したり感度が低下したりするため好ましくない。
また、上層成分の乾燥後の塗布量は、0.05〜1.0g/m2の範囲にあることが好ましく、更に好ましくは0.08〜0.7g/m2の範囲である。0.05g/m2未満であると現像ラチチュード、耐傷性が低下する原因となり、1.0g/m2を超えると感度が低下するため好ましくない。
下層および上層を合わせた乾燥後の塗布量としては、0.6〜4.0g/m2の範囲にあることが好ましく、更に好ましくは0.7〜2.5g/m2の範囲である。0.6g/m2未満であると耐刷性が低下する原因となり、4.0g/m2を超えると画像再現性が劣化したり感度が低下したりするため好ましくない。
【0103】
次に、本発明の平版印刷版原版が単層構造の記録層を有する場合について説明する。単層構造の記録層の構成は、アルカリ可溶性樹脂の主成分として前記特定マレイミド/ニトリル樹脂を用いる他は、前記重層構造の記録層の上層の構成と同様であることが好ましい。即ち、この記録層は、特定マレイミド/ニトリル樹脂、現像抑制剤、及び、赤外線吸収剤を含有し、本発明の効果を損なわない限りにおいて併用される他の任意成分についても、前記上層と同様である。
なお、先に述べたように、単層の記録層に含まれる全アルカリ可溶性樹脂中の特定マレイミド/ニトリル樹脂の含有量は、5質量%以上であることが好ましく、10質量%以上であることがより好ましく、さらに50質量%以上であることが特に好ましい。また、併用し得る他のアルカリ可溶性樹脂の種類も前記と同様である。
単層の記録層に含まれる各成分の含有量としては、特定マレイミド/ニトリル樹脂を含む全アルカリ可溶性樹脂が全固形分中、約50〜90質量%であることが好ましく、現像抑制剤は全固形分中、約1〜25質量%であることが好ましく、約3〜15質量%であることがさらに好ましい。また、赤外線吸収剤は全固形分中、約0.5〜15質量%であることが好ましく、約2〜10質量%であることがさらに好ましい。
【0104】
また、単層構造の記録層の乾燥後の塗布量は、0.7〜4.0g/m2の範囲にあることが好ましく、更に好ましくは0.8〜3.0g/m2の範囲である。塗布量が少ないと見かけの感度は向上するが膜性が低下して耐刷性が低下する傾向にある。
【0105】
〔支持体〕
本発明の平版印刷版原版に使用される支持体としては、必要な強度と耐久性を備えた寸度的に安定な板状物であれば特に制限はなく、例えば、紙、プラスチック(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)がラミネートされた紙、金属板(例えば、アルミニウム、亜鉛、銅等)、プラスチックフィルム(例えば、二酢酸セルロース、三酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酪酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、硝酸セルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリビニルアセタール等)、前記のごとき金属がラミネート、もしくは蒸着された紙、もしくはプラスチックフィルム等が挙げられる。
【0106】
中でも、本発明においては、ポリエステルフィルム又はアルミニウム板が好ましく、その中でも寸度安定性がよく、比較的安価であるアルミニウム板は特に好ましい。好適なアルミニウム板は、純アルミニウム板及びアルミニウムを主成分とし、微量の異元素を含む合金板であり、更にアルミニウムがラミネートもしくは蒸着されたプラスチックフィルムでもよい。アルミニウム合金に含まれる異元素には、ケイ素、鉄、マンガン、銅、マグネシウム、クロム、亜鉛、ビスマス、ニッケル、チタンなどがある。合金中の異元素の含有量は高々10質量%以下である。
【0107】
本発明において特に好適なアルミニウムは、純アルミニウムであるが、完全に純粋なアルミニウムは精錬技術上製造が困難であるので、僅かに異元素を含有するものでもよい。
このように本発明に適用されるアルミニウム板は、その組成が特定されるものではなく、従来より公知公用の素材のアルミニウム板を適宜に利用することができる。本発明で用いられるアルミニウム板の厚みはおよそ0.1mm〜0.6mm程度、好ましくは0.15mm〜0.4mm、特に好ましくは0.2mm〜0.3mmである。
【0108】
このようなアルミニウム板には、必要に応じて粗面化処理、陽極酸化処理などの表面処理を行なってもよい。以下、このような表面処理について簡単に説明する。
アルミニウム板を粗面化するに先立ち、所望により、表面の圧延油を除去するための例えば界面活性剤、有機溶剤又はアルカリ性水溶液などによる脱脂処理が行われる。アルミニウム板の表面の粗面化処理は、種々の方法により行われるが、例えば、機械的に粗面化する方法、電気化学的に表面を溶解粗面化する方法及び化学的に表面を選択溶解させる方法により行われる。機械的方法としては、ボール研磨法、ブラシ研磨法、ブラスト研磨法、バフ研磨法などの公知の方法を用いることができる。また、電気化学的な粗面化法としては塩酸又は硝酸電解液中で交流又は直流により行う方法がある。また、特開昭54−63902号公報に開示されているように両者を組み合わせた方法も利用することができる。
以上のように粗面化されたアルミニウム板は、必要に応じてアルカリエッチング処理及び中和処理された後、所望により表面の保水性や耐摩耗性を高めるために陽極酸化処理が施される。アルミニウム板の陽極酸化処理に用いられる電解質としては、多孔質酸化皮膜を形成する種々の電解質の使用が可能で、一般的には硫酸、リン酸、蓚酸、クロム酸あるいはそれらの混酸が用いられる。それらの電解質の濃度は電解質の種類によって適宜決められる。
【0109】
陽極酸化の処理条件は用いる電解質により種々変わるので一概に特定し得ないが一般的には電解質の濃度が1〜80質量%溶液、液温は5〜70℃、電流密度5〜60A/dm2、電圧1〜100V、電解時間10秒〜5分の範囲であれば適当である。陽極酸化皮膜の量は1.0g/m2より少ないと耐刷性が不十分であったり、平版印刷版の非画像部に傷が付き易くなって、印刷時に傷の部分にインキが付着するいわゆる「傷汚れ」が生じ易くなる。
陽極酸化処理を施された後、アルミニウム表面は必要により親水化処理が施される。
【0110】
本発明に使用される親水化処理としては、米国特許第2,714,066号、同第3,181,461号、第3,280,734号及び第3,902,734号に開示されているようなアルカリ金属シリケート(例えばケイ酸ナトリウム水溶液)法がある。この方法においては、支持体がケイ酸ナトリウム水溶液で浸漬処理されるか又は電解処理される。他に特公昭36−22063号公報に開示されているフッ化ジルコン酸カリウム及び米国特許第3,276,868号、同第4,153,461号、同第4,689,272号に開示されているようなポリビニルホスホン酸で処理する方法などが用いられる。
【0111】
(下塗層)
本発明の平版印刷版原版は、必要に応じて支持体と記録層との間に下塗層を設けることができる。
下塗層成分としては種々の有機化合物が用いられ、例えば、カルボキシメチルセルロース、デキストリン、アラビアガム、2−アミノエチルホスホン酸などのアミノ基を有するホスホン酸類、置換基を有してもよいフェニルホスホン酸、ナフチルホスホン酸、アルキルホスホン酸、グリセロホスホン酸、メチレンジホスホン酸及びエチレンジホスホン酸などの有機ホスホン酸、置換基を有してもよいフェニルリン酸、ナフチルリン酸、アルキルリン酸及びグリセロリン酸などの有機リン酸、置換基を有してもよいフェニルホスフィン酸、ナフチルホスフィン酸、アルキルホスフィン酸及びグリセロホスフィン酸などの有機ホスフィン酸、グリシンやβ−アラニンなどのアミノ酸類、及びトリエタノールアミンの塩酸塩などのヒドロキシ基を有するアミンの塩酸塩等から選ばれるが、2種以上混合して用いてもよい。
また、有機下塗り層にオニウム基を有する化合物を含有することも好ましい。オニウム基を有する化合物は、特開2000−10292号、特開2000−108538号等の各公報に詳述されている。その他のポリ(p−ビニル安息香酸)等で代表される構造単位を分子中に有する高分子化合物群の中から選ばれる少なくとも1種の化合物を用いることができる。より具体的にはp−ビニル安息香酸とビニルベンジルトリエチルアンモニウム塩との共重合体、p−ビニル安息香酸とビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリドとの共重合体などがあげられる。
【0112】
この有機下塗層は次のような方法で設けることができる。即ち、水又はメタノール、エタノール、メチルエチルケトンなどの有機溶剤もしくはそれらの混合溶剤に前記の有機化合物を溶解させた溶液をアルミニウム板上に塗布、乾燥して設ける方法と、水又はメタノール、エタノール、メチルエチルケトンなどの有機溶剤もしくはそれらの混合溶剤に前記の有機化合物を溶解させた溶液に、アルミニウム板を浸漬して前記化合物を吸着させ、その後水などによって洗浄、乾燥して有機下塗層を設ける方法である。前者の方法では、前記の有機化合物の0.005〜10質量%の濃度の溶液を種々の方法で塗布できる。また後者の方法では、溶液の濃度は0.01〜20質量%、好ましくは0.05〜5質量%であり、浸漬温度は20〜90℃、好ましくは25〜50℃であり、浸漬時間は0.1秒〜20分、好ましくは2秒〜1分である。これに用いる溶液は、アンモニア、トリエチルアミン、水酸化カリウムなどの塩基性物質や、塩酸、リン酸などの酸性物質によりpH1〜12の範囲に調整することもできる。また、画像記録材料の調子再現性改良のために黄色染料を添加することもできる。
有機下塗層の被覆量は、2〜200mg/m2が適当であり、好ましくは5〜100mg/m2である。前記の被覆量が2mg/m2よりも少ないと十分な耐刷性能が得られない。また、200mg/m2より大きくても同様である。
前記のようにして作製された平版印刷版原版は、画像様に露光され、その後、現像処理を施される。
【0113】
(バックコート層)
本発明の平版印刷版原版の支持体裏面には、必要に応じてバックコート層が設けられる。かかるバックコート層としては、特開平5−45885号公報記載の有機高分子化合物および特開平6−35174号公報記載の有機または無機金属化合物を加水分解および重縮合させて得られる金属酸化物からなる被覆層が好ましく用いられる。これらの被覆層のうち、Si(OCH3)4、Si(OC2H5)4、Si(OC3H7)4、Si(OC4H9)4などのケイ素のアルコキシ化合物が安価で入手し易く、それから得られる金属酸化物の被覆層が耐現像液に優れており特に好ましい。
【0114】
〔露光〕
本発明の平版印刷版原版の像露光に用いられる活性光線の光源としては、近赤外から赤外領域に発光波長を持つ光源が好ましく、固体レーザ、半導体レーザが特に好ましい。
【0115】
〔現像処理〕
本発明の平版印刷版原版の現像処理に適用することのできる現像液は、pHが9.0〜14.0の範囲、好ましくは12.0〜13.5の範囲にある現像液である。現像液(以下、補充液も含めて現像液と呼ぶ)には、従来より知られているアルカリ水溶液が使用できる。例えば、ケイ酸ナトリウム、同カリウム、第3リン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、第2リン酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、ほう酸ナトリウム、同カリウム、同アンモニウム、水酸化ナトリウム、同アンモニウム、同カリウムおよび同リチウムなどの無機アルカリ塩が挙げられる。また、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジンなどの有機アルカリ剤が挙げられる。これらのアルカリ水溶液は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
【0116】
前記のアルカリ水溶液のうち、本発明による効果が発揮される現像液は、一つは、塩基としてケイ酸アルカリを含有した、又は塩基にケイ素化合物を混ぜてケイ酸アルカリとしたものを含有した、所謂「シリケート現像液」と呼ばれるpH12以上の水溶液であり、もう一つのより好ましい現像液は、ケイ酸アルカリを含有せず、非還元糖(緩衝作用を有する有機化合物)と塩基とを含有した所謂「ノンシリケート現像液」である。
【0117】
前者においては、アルカリ金属ケイ酸塩の水溶液はケイ酸塩の成分である酸化ケイ素SiO2とアルカリ金属酸化物M2Oの比率(一般に〔SiO2〕/〔M2O〕のモル比で表す)と濃度によって現像性の調節が可能であり、例えば、特開昭54−62004号公報に開示されているような、SiO2/Na2Oのモル比が1.0〜1.5(即ち〔SiO2〕/〔Na2O〕が1.0〜1.5)であって、SiO2の含有量が1〜4質量%のケイ酸ナトリウムの水溶液や、特公昭57−7427号公報に記載されているような、〔SiO2〕/〔M〕が0.5〜0.75(即ち〔SiO2〕/〔M2O〕が1.0〜1.5)であって、SiO2の濃度が1〜4質量%であり、かつ該現像液がその中に存在する全アルカリ金属のグラム原子を基準にして少なくとも20%のカリウムを含有している、アルカリ金属ケイ酸塩の水溶液が好適に用いられる。
【0118】
また、ケイ酸アルカリを含有せず、非還元糖と塩基とを含有した所謂「ノンシリケート現像液」も、本発明の平版印刷版原版の現像に適用するのに好ましい。この現像液を用いて、平版印刷版原版の現像処理を行うと、記録層の表面を劣化させることがなく、かつ記録層の着肉性をより良好な状態に維持することができる。
【0119】
この現像液は、その主成分が、非還元糖から選ばれる少なくとも一つの化合物と、少なくとも一種の塩基からなり、液のpHが9.0〜13.5の範囲であることが好ましい。かかる非還元糖とは、遊離のアルデヒド基やケトン基を持たず、還元性を示さない糖類であり、還元基同士の結合したトレハロース型少糖類、糖類の還元基と非糖類が結合した配糖体および糖類に水素添加して還元した糖アルコールに分類され、何れも好適に用いられる。トレハロース型少糖類には、サッカロースやトレハロースがあり、配糖体としては、アルキル配糖体、フェノール配糖体、カラシ油配糖体などが挙げられる。また糖アルコールとしてはD,L−アラビット、リビット、キシリット、D,L−ソルビット、D,L−マンニット、D,L−イジット、D,L−タリット、ズリシットおよびアロズルシットなどが挙げられる。更に二糖類の水素添加で得られるマルチトールおよびオリゴ糖の水素添加で得られる還元体(還元水あめ)が好適に用いられる。これらの中で特に好ましい非還元糖は糖アルコールとサッカロースであり、特にD−ソルビット、サッカロース、還元水あめが適度なpH領域に緩衝作用があることと、低価格であることで好ましい。
【0120】
これらの非還元糖は、単独もしくは二種以上を組み合わせて使用でき、それらの現像液中に占める割合は0.1〜30質量%が好ましく、更に好ましくは、1〜20質量%である。
この範囲以下では十分な緩衝作用が得られず、またこの範囲以上の濃度では、高濃縮化し難く、また原価アップの問題が出てくる。尚、還元糖を塩基と組み合わせて使用した場合、経時的に褐色に変色し、pHも徐々に下がり、よって現像性が低下するという問題点がある。
【0121】
非還元糖に組み合わせる塩基としては従来より知られているアルカリ剤が使用できる。例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸三アンモニウム、リン酸二ナトリウム、リン酸二カリウム、リン酸二アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素アンモニウム、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、ホウ酸アンモニウムなどの無機アルカリ剤が挙げられる。また、モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、モノイソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、トリイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、エチレンイミン、エチレンジアミン、ピリジンなどの有機アルカリ剤も用いられる。
【0122】
これらのアルカリ剤は単独もしくは二種以上を組み合わせて用いられる。これらの中で好ましいのは水酸化ナトリウム、水酸化カリウムである、その理由は、非還元糖に対するこれらの量を調整することにより広いpH領域でpH調整が可能となるためである。また、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどもそれ自身に緩衝作用があるので好ましい。
これらのアルカリ剤は現像液のpHを9.0〜13.5の範囲になるように添加され、その添加量は所望のpH、非還元糖の種類と添加量によって決められるが、より好ましいpH範囲は10.0〜13.2である。
【0123】
現像液には更に、糖類以外の弱酸と強塩基からなるアルカリ性緩衝液が併用できる。かかる緩衝液として用いられる弱酸としては、解離定数(pKa)が10.0〜13.2のものが好ましい。
このような弱酸としては、Pergamon Press社発行のIONISATION CONSTANTS OF ORGANIC ACIDS IN AQUEOUS SOLUTIONなどに記載されているものから選ばれ、例えば2,2,3,3−テトラフルオロプロパノール−1(PKa12.74)、トリフルオロエタノール(同12.37)、トリクロロエタノール(同12.24)などのアルコール類、ピリジン−2−アルデヒド(同12.68)、ピリジン−4−アルデヒド(同12.05)などのアルデヒド類、サリチル酸(同13.0)、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸(同12.84)、カテコール(同12.6)、没食子酸(同12.4)、スルホサリチル酸(同11.7)、3,4−ジヒドロキシスルホン酸(同12.2)、3,4−ジヒドロキシ安息香酸(同11.94)、1,2,4−トリヒドロキシベンゼン(同11.82)、ハイドロキノン(同11.56)、ピロガロール(同11.34)、o−クレゾール(同10.33)、レゾルシノール(同11.27)、p−クレゾール(同10.27)、m−クレゾール(同10.09)などのフェノール性水酸基を有する化合物、2−ブタノンオキシム(同12.45)、アセトキシム(同12.42)、1,2−シクロヘプタンジオンジオキシム(同12.3)、2−ヒドロキシベンズアルデヒドオキシム(同12.10)、ジメチルグリオキシム(同11.9)、エタンジアミドジオキシム(同11.37)、アセトフェノンオキシム(同11.35)などのオキシム類、アデノシン(同12.56)、イノシン(同12.5)、グアニン(同12.3)、シトシン(同12.2)、ヒポキサンチン(同12.1)、キサンチン(同11.9)などの核酸関連物質、他に、ジエチルアミノメチルホスホン酸(同12.32)、1−アミノ−3,3,3−トリフルオロ安息香酸(同12.29)、イソプロピリデンジホスホン酸(同12.10)、1,1−エチリデンジホスホン酸(同11.54)、1,1−エチリデンジホスホン酸1−ヒドロキシ(同11.52)、ベンズイミダゾール(同12.86)、チオベンズアミド(同12.8)、ピコリンチオアミド(同12.55)、バルビツル酸(同12.5)などの弱酸が挙げられる。
【0124】
これらの弱酸の中で好ましいのは、スルホサリチル酸、サリチル酸である。これらの弱酸に組み合わせる塩基としては、水酸化ナトリウム、同アンモニウム、同カリウムおよび同リチウムが好適に用いられる。これらのアルカリ剤は単独もしくは二種以上を組み合わせて用いられる。前記の各種アルカリ剤は濃度および組み合わせによりpHを好ましい範囲内に調整して使用される。
【0125】
現像液には、現像性の促進や現像カスの分散および印刷版画像部の親インキ性を高める目的で必要に応じて種々界面活性剤や有機溶剤を添加できる。好ましい界面活性剤としては、アニオン系、カチオン系、ノニオン系および両性界面活性剤が挙げられる。
【0126】
界面活性剤の好ましい例としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル類、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル類、グリセリン脂肪酸部分エステル類、ソルビタン脂肪酸部分エステル類、ペンタエリスリトール脂肪酸部分エステル類、プロピレングリコールモノ脂肪酸エステル類、しょ糖脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸部分エステル類、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル類、ポリグリセリン脂肪酸部分エステル類、ポリオキシエチレン化ひまし油類、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸部分エステル類、脂肪酸ジエタノールアミド類、N,N−ビス−2−ヒドロキシアルキルアミン類、ポリオキシエチレンアルキルアミン、トリエタノールアミン脂肪酸エステル、トリアルキルアミンオキシドなどの非イオン性界面活性剤、脂肪酸塩類、アビエチン酸塩類、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩類、アルカンスルホン酸塩類、ジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩類、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキルフェノキシポリオキシエチレンプロピルスルホン酸塩類、ポリオキシエチレンアルキルスルホフェニルエーテル塩類、N−メチル−N−オレイルタウリンナトリウム塩、N−アルキルスルホ琥珀酸モノアミド二ナトリウム塩、石油スルホン酸塩類、硫酸化牛脂油、脂肪酸アルキルエステルの硫酸エステル塩類、アルキル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類、脂肪酸モノグリセリド硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩類、アルキルリン酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩類、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸エステル塩類、スチレン/無水レイン酸共重合物の部分鹸化物類、オレフィン/無水マレイン酸共重合物の部分鹸化物類、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物類などのアニオン界面活性剤、アルキルアミン塩類、テトラブチルアンモニウムブロミド等の第四級アンモニウム塩類、ポリオキシエチレンアルキルアミン塩類、ポリエチレンポリアミン誘導体などのカチオン性界面活性剤、カルボキシベタイン類、アミノカルボン酸類、スルホべタイン類、アミノ硫酸エステル類、イミダゾリン類などの両性界面活性剤が挙げられる。以上挙げた界面活性剤の中でポリオキシエチレンとあるものは、ポリオキシメチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレンなどのポリオキシアルキレンに読み替えることもでき、それらの界面活性剤もまた包含される。
【0127】
更に好ましい界面活性剤は分子内にパーフルオロアルキル基を含有するフッ素系の界面活性剤である。かかるフッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、パーフルオロアルキルリン酸エステルなどのアニオン型、パーフルオロアルキルベタインなどの両性型、パーフルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩などのカチオン型およびパーフルオロアルキルアミンオキサイド、パーフルオロアルキルエチレンオキシド付加物、パーフルオロアルキル基および親水性基含有オリゴマー、パーフルオロアルキル基および親油性基含有オリゴマー、パーフルオロアルキル基、親水性基および親油性基含有オリゴマー、パーフルオロアルキル基および親油性基含有ウレタンなどの非イオン型が挙げられる。前記の界面活性剤は、単独もしくは2種以上を組み合わせて使用することができ、現像液中に0.001〜10質量%、より好ましくは0.01〜5質量%の範囲で添加される。
【0128】
現像液には、種々の現像安定化剤を用いることができる。それらの好ましい例として、特開平6−282079号公報記載の糖アルコールのポリエチレングリコール付加物、テトラブチルアンモニウムヒドロキシドなどのテトラアルキルアンモニウム塩、テトラブチルホスホニウムブロマイドなどのホスホニウム塩およびジフェニルヨードニウムクロライドなどのヨードニウム塩が好ましい例として挙げられる。更には、特開昭50−51324号公報記載のアニオン界面活性剤または両性界面活性剤、また特開昭55−95946号公報記載の水溶性カチオニックポリマー、特開昭56−142528号公報に記載されている水溶性の両性高分子電解質を挙げることができる。
【0129】
更に、特開昭59−84241号公報のアルキレングリコールが付加された有機ホウ素化合物、特開昭60−111246号公報記載のポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロック重合型の水溶性界面活性剤、特開昭60−129750号公報のポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンを置換したアルキレンジアミン化合物、特開昭61−215554号公報記載の重量平均分子量300以上のポリエチレングリコール、特開昭63−175858号公報のカチオン性基を有する含フッ素界面活性剤、特開平2−39157号公報の酸またはアルコールに4モル以上のエチレンオキシドを付加して得られる水溶性エチレンオキシド付加化合物と、水溶性ポリアルキレン化合物などが挙げられる。
【0130】
現像液には更に必要により有機溶剤が加えられる。かかる有機溶剤としては、水に対する溶解度が約10質量%以下のものが適しており、好ましくは5質量%以下のものから選ばれる。例えば、1−フェニルエタノール、2−フェニルエタノール、3−フェニル−1−プロパノール、4−フェニル−1−ブタノール、4−フェニル−2−ブタノール、2−フェニル−1−ブタノール、2−フェノキシエタノール、2−ベンジルオキシエタノール、o−メトキシベンジルアルコール、m−メトキシベンジルアルコール、p−メトキシベンジルアルコール、ベンジルアルコール、シクロヘキサノール、2−メチルシクロヘキサノール、3−メチルシクロヘキサノールおよび4−メチルシクロヘキサノール、N−フェニルエタノールアミンおよびN−フェニルジエタノールアミンなどを挙げることができる。
有機溶剤の含有量は使用液の総質量に対して0.1〜5質量%である。その使用量は界面活性剤の使用量と密接な関係があり、有機溶剤の量が増すにつれ、界面活性剤の量は増加させることが好ましい。これは界面活性剤の量が少なく、有機溶剤の量を多く用いると有機溶剤が完全に溶解せず、従って、良好な現像性の確保が期待できなくなるからである。
【0131】
現像液には更に還元剤を加えることができる。これは印刷版の汚れを防止するものである。好ましい有機還元剤としては、チオサリチル酸、ハイドロキノン、メトール、メトキシキノン、レゾルシン、2−メチルレゾルシンなどのフェノール化合物、フェニレンジアミン、フェニルヒドラジンなどのアミン化合物が挙げられる。更に好ましい無機の還元剤としては、亜硫酸、亜硫酸水素酸、亜リン酸、亜リン酸水素酸、亜リン酸二水素酸、チオ硫酸および亜ジチオン酸などの無機酸のナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩などを挙げることができる。
これらの還元剤のうち汚れ防止効果が特に優れているのは亜硫酸塩である。これらの還元剤は使用時の現像液に対して好ましくは、0.05〜5質量%の範囲で含有される。
【0132】
現像液には更に有機カルボン酸を加えることもできる。好ましい有機カルボン酸は炭素原子数6〜20の脂肪族カルボン酸および芳香族カルボン酸である。脂肪族カルボン酸の具体的な例としては、カプロン酸、エナンチル酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸およびステアリン酸などがあり、特に好ましいのは炭素数8〜12のアルカン酸である。また炭素鎖中に二重結合を有する不飽和脂肪酸でも、枝分かれした炭素鎖のものでもよい。芳香族カルボン酸としてはベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環などにカルボキシル基が置換された化合物で、具体的には、o−クロロ安息香酸、p−クロロ安息香酸、o−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸、o−アミノ安息香酸、p−アミノ安息香酸、2,4−ジヒドロシ安息香酸、2,5−ジヒドロキシ安息香酸、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、2,3−ジヒドロキシ安息香酸、3,5−ジヒドロキシ安息香酸、没食子酸、1−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、3−ヒドロキシ−2−ナフトエ酸、2−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸、1−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸などがあるがヒドロキシナフトエ酸は特に有効である。
【0133】
前記脂肪族および芳香族カルボン酸は水溶性を高めるためにナトリウム塩やカリウム塩またはアンモニウム塩として用いるのが好ましい。本発明で用いる現像液の有機カルボン酸の含有量は格別な制限はないが、0.1質量%より低いと効果が十分でなく、また10質量%以上ではそれ以上の効果の改善が計れないばかりか、別の添加剤を併用する時に溶解を妨げることがある。従って、好ましい添加量は使用時の現像液に対して0.1〜10質量%であり、より好ましくは0.5〜4質量%である。
【0134】
現像液には、更に必要に応じて、防腐剤、着色剤、増粘剤、消泡剤および硬水軟化剤などを含有させることもできる。硬水軟化剤としては例えば、ポリリン酸およびそのナトリウム塩、カリウム塩およびアンモニウム塩、エチレンジアミンテトラ酢酸、ジエチレントリアミンペンタ酢酸、トリエチレンテトラミンヘキサ酢酸、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ酢酸、ニトリロトリ酢酸、1,2−ジアミノシクロヘキサンテトラ酢酸および1,3−ジアミノ−2−プロパノールテトラ酢酸などのアミノポリカルボン酸およびそれらのナトリウム塩、カリウム塩およびアンモニウム塩、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、トリエチレンテトラミンヘキサ(メチレンホスホン酸)、ヒドロキシエチルエチレンジアミントリ(メチレンホスホン酸)および1−ヒドロキシタエン−1,1−ジホスホン酸やそれらのナトリウム塩、カリウム塩およびアンモニウム塩を挙げることができる。
【0135】
このような硬水軟化剤はそのキレート化と使用される硬水の硬度および硬水の量によって最適値が変化するが、一般的な使用量を示せば、使用時の現像液に0.01〜5質量%、より好ましくは0.01〜0.5質量%の範囲である。この範囲より少ない添加量では所期の目的が十分に達成されず、添加量がこの範囲より多い場合は、色抜けなど、画像部への悪影響がでてくる。現像液の残余の成分は水である。現像液は、使用時よりも水の含有量を少なくした濃縮液としておき、使用時に水で希釈するようにしておくことが運搬上有利である。この場合の濃縮度は、各成分が分離や析出を起こさない程度が適当である。
【0136】
本発明に用いられる現像液としてはまた、特開平6−282079号公報記載の現像液も使用できる。これは、SiO2/M2O(Mはアルカリ金属を示す)のモル比が0.5〜2.0の珪酸アルカリ金属塩と、水酸基を4以上有する糖アルコールに5モル以上のエチレンオキシドを付加して得られる水溶性エチレンオキシド付加化合物を含有する現像液である。糖アルコールは糖のアルデヒド基およびケトン基を還元してそれぞれ第一、第二アルコール基としたものに相当する多価アルコールである。糖アルコールの貝体的な例としては、D,L−トレイット、エリトリット、D,L−アラビット、リビット、キシリット、D,L−ソルビット、D,L−マンニット、D,L−イジット、D,L−タリット、ズルシット、アロズルシットなどであり、更に糖アルコールを縮合したジ、トリ、テトラ、ペンタおよびヘキサグリセリンなども挙げられる。前記水溶性エチレンオキシド付加化合物は前記糖アルコール1モルに対し5モル以上のエチレンオキシドを付加することにより得られる。さらにエチレンオキシド付加化合物には必要に応じてプロピレンオキシドを溶解性が許容できる範囲でブロック共重合させてもよい。これらのエチレンオキシド付加化合物は単独もしくは二種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの水溶性エチレンオキシド付加化合物の添加量は現像液(使用液)に対して0.001〜5質量%が適しており、より好ましくは0.001〜2質量%である。
【0137】
この現像液にはさらに、現像性の促進や現像カスの分散および印刷版画像部の親インキ性を高める目的で必要に応じて、前述の種々の界面活性剤や有機溶剤を添加できる。
【0138】
かかる組成の現像液で現像処理された平版印刷版原版は水洗水、界面活性剤等を含有するリンス液、アラビアガムや澱粉誘導体等を主成分とするフィニッシャーや保護ガム液で後処理を施される。本発明の平版印刷版原版の後処理にはこれらの処理を種々組み合わせて用いることができる。
【0139】
近年、型版・印刷業界では製版作業の合理化および標準化のため、PS版用の自動現像機が広く用いられている。この自動現像機は、一般に現像部と後処理部からなり、PS版を搬送する装置と、各処理液槽およびスプレー装置からなり、露光済みのPS版を水平に搬送しながら、ポンプで汲み上げた各処理液をスプレーノズルから吹き付けて現像および後処理するものである。また、最近は処理液が満たされた処理液槽中に液中ガイドロールなどによってPS版を浸漬搬送させて現像処理する方法や、現像後一定量の少量の水洗水を版面に供給して水洗し、その廃水を現像液原液の希釈水としで再利用する方法も知られている。
【0140】
このような自動処理においては、各処理液に処理量や稼動時間等に応じてそれぞれの補充液を補充しながら処理することができる。また、実質的に未使用の処理液で処理するいわゆる使い捨て処理方式も適用できる。
【0141】
本発明の平版印刷版原版においては、画像露光し、現像し、水洗及び/又はリンス及び/又はガム引きして得られた平版印刷版に不必要な画像部(例えば原画フィルムのフィルムエッジ跡など)がある場合には、その不必要な画像部の消去が行なわれる。このような消去は、例えば特公平2−13293号公報に記載されているような消去液を不必要画像部に塗布し、そのまま所定の時間放置したのちに水洗することにより行なう方法が好ましいが、特開平59−174842号公報に記載されているようなオプティカルファイバーで導かれた活性光線を不必要画像部に照射したのち現像する方法も利用できる。
【0142】
以上のようにして本発明の平版印刷版原版より得られた平版印刷版は所望により不感脂化ガムを塗布したのち、印刷工程に供することができるが、より一層の高耐刷力の平版印刷版としたい場合にはバーニング処理が施される。平版印刷版をバーニングする場合には、バーニング前に特公昭61−2518号、同55−28062号、特開昭62−31859号、同61−159655号の各公報に記載されているような整面液で処理することが好ましい。
その方法としては、該整面液を浸み込ませたスポンジや脱脂綿にて、平版印刷版上に塗布するか、整面液を満たしたバット中に印刷版を浸漬して塗布する方法や、自動コーターによる塗布などが適用される。また、塗布した後でスキージ、あるいは、スキージローラーで、その塗布量を均一にすることは、より好ましい結果を与える。
【0143】
整面液の塗布量は一般に0.03〜0.8g/m2(乾燥質量)が適当である。整面液が塗布された平版印刷版は必要であれば乾燥された後、バーニングプロセッサー(たとえば富士写真フイルム(株)より販売されているバーニングプロセッサー:「BP−1300」)などで高温に加熱される。この場合の加熱温度及び時間は、画像を形成している成分の種類にもよるが、180〜300℃の範囲で1〜20分の範囲が好ましい。
【0144】
バーニング処理された平版印刷版は、必要に応じて適宜、水洗、ガム引きなどの従来より行なわれている処理を施こすことができるが水溶性高分子化合物等を含有する整面液が使用された場合にはガム引きなどのいわゆる不感脂化処理を省略することができる。この様な処理によって得られた平版印刷版はオフセット印刷機等にかけられ、多数枚の印刷に用いられる。
【0145】
【実施例】
以下、本発明を実施例に従って説明するが、本発明の範囲はこれらの実施例に限定されない。
[特定マレイミド/ニトリル樹脂の合成]
<合成例1〜4>
窒素気流下、N−フェニルマレイミド26.25g、アクリロニトリル7.95g、アクリルアミド10.65g、メタクリル酸4.3gを2−メトキシエタノール133.1gに加え、70℃に加熱した後、α、α′−アゾビスイソブチロニトリル0.25gを加えて8時間重合反応を行った。このようにして本発明で用いるN−フェニルマレイミド〜アクリロニトリル〜アクリルアミド〜メタクリル酸の共重合体である、特定マレイミド/ニトリル樹脂(1)の2−メトキシエタノール溶液を得た。この溶液の不揮発分は24.8%であった。
次に、出発物質を変更した以外は、前記と同様にして、本発明に係る特定マレイミド/ニトリル樹脂(2)〜(4)の2−メトキシエタノール溶液を得た。なお、各溶液の不揮発分は、樹脂(2)が24.5%、樹脂(3)が24.0%、樹脂(4)が24.7%であった。
これにより得られたポリマーの共重合比率については、この溶液を水1L中で再沈−濾過させ、真空乾燥により水分を除いた後、C13−NMRおよび酸滴定により求めた。該樹脂(1)〜(4)の構成単位、各共重合比率(モル%)および分子量を下記表1に示す。
【0146】
【表1】
【0147】
〔実施例1〜4〕
[支持体の作製]
<アルミニウム板>
Si:0.06質量%、Fe:0.30質量%、Cu:0.025質量%、Mn:0.001質量%、Mg:0.001質量%、Zn:0.001質量%、Ti:0.03質量%を含有し、残部はAlと不可避不純物のアルミニウム合金を用いて溶湯を調製し、溶湯処理およびろ過を行った上で、厚さ500mm、幅1200mmの鋳塊をDC鋳造法で作製した。表面を平均10mmの厚さで面削機により削り取った後、550℃で、約5時間均熱保持し、温度400℃に下がったところで、熱間圧延機を用いて厚さ2.7mmの圧延板とした。更に、連続焼鈍機を用いて熱処理を500℃で行った後、冷間圧延で、厚さ0.24mmに仕上げ、JIS 1050材のアルミニウム板を得た。なお、得られたアルミニウムの平均結晶粒径の短径は50μm、長径は300μmであった。このアルミニウム板を幅1030mmにした後、以下に示す表面処理に供した。
【0148】
<表面処理>
表面処理は、以下の(a)〜(k)の各種処理を連続的に行った。なお、各処理および水洗の後には、ニップローラーで液切りを行った。
(a)機械的粗面化処理
図1に示したような装置を使って、比重1.12の研磨剤(パミス)と水との懸濁液を研磨スラリー液としてアルミニウム板の表面に供給しながら、回転するローラ状ナイロンブラシにより機械的粗面化処理を行った。図1において、1はアルミニウム板、2および4はローラ状ブラシ、3は研磨スラリー液、5、6、7および8は支持ローラである。研磨剤の平均粒径は30μm、最大粒径は100μmであった。ナイロンブラシの材質は6・10ナイロン、毛長は45mm、毛の直径は0.3mmであった。ナイロンブラシはφ300mmのステンレス製の筒に穴をあけて密になるように植毛した。回転ブラシは3本使用した。ブラシ下部の2本の支持ローラ(φ200mm)の距離は300mmであった。ブラシローラはブラシを回転させる駆動モータの負荷が、ブラシローラをアルミニウム板に押さえつける前の負荷に対して7kWプラスになるまで押さえつけた。ブラシの回転方向はアルミニウム板の移動方向と同じであった。ブラシの回転数は200rpmであった。
【0149】
(b)アルカリエッチング処理
前記で得られたアルミニウム板をカセイソーダ濃度2.6質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%、温度70℃の水溶液を用いてスプレーによるエッチング処理を行い、アルミニウム板を10g/m2溶解した。その後、スプレーによる水洗を行った。
【0150】
(c)デスマット処理
温度30℃の硝酸濃度1質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーで水洗した。デスマット処理に用いた硝酸水溶液は、硝酸水溶液中で交流を用いて電気化学的粗面化処理を行う工程の廃液を用いた。
【0151】
(d)電気化学的粗面化処理
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的粗面化処理を行った。このときの電解液は、硝酸10.5g/L水溶液(アルミニウムイオンを5g/L、アンモニウムイオンを0.007質量%含む。)、液温50℃であった。交流電源波形は図2に示した波形であり、電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、duty比1:1、台形の矩形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的な粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。使用した電解槽は図3に示すものを使用した。
電流密度は電流のピーク値で30A/dm2、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で220C/dm2であった。補助陽極には電源から流れる電流の5%を分流させた。その後、スプレーによる水洗を行った。
【0152】
(e)アルカリエッチング処理
アルミニウム板をカセイソーダ濃度26質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%の水溶液を用いてスプレーによるエッチング処理を32℃で行い、アルミニウム板を0.50g/m2溶解し、前段の交流を用いて電気化学的粗面化処理を行ったときに生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマット成分を除去し、また、生成したピットのエッジ部分を溶解してエッジ部分を滑らかにした。その後、スプレーによる水洗を行った。
【0153】
(f)デスマット処理
温度30℃の硝酸濃度15質量%水溶液(アルミニウムイオンを4.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーで水洗した。デスマットに用いた硝酸水溶液は、硝酸水溶液中で交流を用いて電気化学的粗面化処理を行う工程の廃液を用いた。
【0154】
(g)電気化学的粗面化処理
60Hzの交流電圧を用いて連続的に電気化学的粗面化処理を行った。このときの電解液は、塩酸5.0g/L水溶液(アルミニウムイオンを5g/L含む。)、温度35℃であった。交流電源波形は図2に示した形波であり、電流値がゼロからピークに達するまでの時間TPが0.8msec、duty比1:1、台形の炬形波交流を用いて、カーボン電極を対極として電気化学的粗面化処理を行った。補助アノードにはフェライトを用いた。使用した電解槽は図3に示すものを使用した。
電流密度は電流のピーク値で25A/dm2、電気量はアルミニウム板が陽極時の電気量の総和で50C/dm2であった。その後、スプレーによる水洗を行った。
【0155】
(h)アルカリエッチング処理
アルミニウム板をカセイソーダ濃度26質量%、アルミニウムイオン濃度6.5質量%の水溶液を用いてスプレーによるエッチング処理を32℃で行い、アルミニウム板を0.10g/m2溶解し、前段の交流を用いて電気化学的粗面化処理を行ったときに生成した水酸化アルミニウムを主体とするスマット成分を除去し、また、生成したピットのエッジ部分を溶解してエッジ部分を滑らかにした。その後、スプレーによる水洗を行った。
【0156】
(i)デスマット処理
温度60℃の硫酸濃度25質量%水溶液(アルミニウムイオンを0.5質量%含む。)で、スプレーによるデスマット処理を行い、その後、スプレーによる水洗を行った。
【0157】
(j)陽極酸化処理
図4に示す構造の陽極酸化装置(第一及び第二電解部長各6m、第一及び第二給電部長各3m、第一及び第二給電部長各2.4m)を用いて陽極酸化処理を行った。第一及び第二電解部に供給した電解液としては、硫酸を用いた。電解液は、いずれも、硫酸濃度50g/L(アルミニウムイオンを0.5質量%含む)、温度20℃であった。その後、スプレーによる水洗を行った。
前記陽極酸化装置においては、電源67a及び電源67bからの電流は、第一給電部62aに設けられた第一給電電極65aに流れ、電解液を介してアルミニウム板11に流れ、第一電解部63aでアルミニウム板11表面に陽極酸化皮膜を生成させ、第一電解部63aに設けられた電解電極66a及び66bを通り、電極67a及び67bに戻る。
電源67a及び67bから第一給電部62aに給電される電気量と、電源67c及び67dから第二給電部62bに給電される電気量とは等しく、また、第一電解部63a及び第二電解部63bにおける電流密度はともに約30A/dm2であった。第二給電部62bでは、第一電解部63aで生成した1.35g/m2の酸化皮膜面を通じて給電したことになる。最終的な酸化皮膜量は2.7g/m2であった。
【0158】
(k)アルカリ金属ケイ酸塩処理
陽極酸化処理により得られたアルミニウム支持体を温度30℃の3号ケイ酸ソーダの1質量%水溶液の処理槽中へ、10秒間、浸せきすることでアルカリ金属ケイ酸塩処理(シリケート処理)を行った。その後、井水を用いたスプレーによる水洗を行い、表面シリケート親水化処理された支持体を得た。前記のようにして得られたアルカリ金属珪酸塩処理後のアルミニウム支持体上に、下記組成の下塗り液を塗布し、80℃で15秒間乾燥し、塗膜を形成させた。乾燥後の塗膜の被覆量は15mg/m2であった。
【0159】
<下塗り液組成>
・下記化合物 0.3g
・メタノール 100g
・水 1g
【0160】
【化6】
【0161】
[記録層(重層)の形成]
得られたウェブ状の基板に下記組成の下層用塗布液1を塗布量が0.85g/m2になるようバーコーターで塗布したのち160℃で44秒間乾燥し、直ちに17〜20℃の冷風で支持体の温度が35℃になるまで冷却した。
その後、下記組成の上層用塗布液1を塗布量が0.22g/m2になるようバーコーター塗布したのち、148℃で25秒間乾燥し、更に20〜26℃の風で徐冷し、実施例1の平版印刷版原版を作製した。
【0162】
【0163】
【化7】
【0164】
【0165】
【化8】
【0166】
〔比較例1〕
実施例1における下層用塗布液1を、特定マレイミド/ニトリル樹脂を含有しない下記組成の下層用塗布液2に変更した以外は実施例1と同様にして比較例1の平版印刷版原版を作製した。
【0167】
【0168】
〔比較例2〕
実施例1における下層用塗布液1を、特定マレイミド/ニトリル樹脂を含有しない下記組成の下層用塗布液3に変更した以外は実施例1と同様にして比較例2の平版印刷版原版を作製した。
【0169】
【0170】
〔平版印刷版原版の評価〕
(耐刷性の評価)
実施例1〜4の平版印刷版原版及び比較例1、2の平版印刷版原版をCreo社製Trendsetterにて露光エネルギーを変えて、テストパターンを画像状に描き込みを行った。その後、富士写真フイルム(株)製現像液DT−2(希釈して、電導度43mS/cmとしたもの)を仕込んだ富士写真フイルム(株)製PSプロセッサーLP940Hを用い、現像温度30℃、現像時間12秒で現像を行った。これを、小森コーポレーション(株)製印刷機リスロンを用いて連続して印刷した。この際、どれだけの枚数が充分なインキ濃度を保って印刷できるかを目視にて測定し、耐刷性を評価した。枚数が多いほど耐刷性に優れるものと評価する。結果を以下の表2に示す。
【0171】
(耐薬品性の評価)
実施例1〜4の平版印刷版原版及び比較例1、2の平版印刷版原版を、前記耐刷性の評価と同様にして露光・現像および印刷を行った。この際、5,000枚印刷する毎に、クリーナー(富士写真フイルム社製、マルチクリーナー)で版面を拭く工程を加え、耐薬品性を評価した。枚数が多いほど耐薬品性に優れるものと評価する。結果を以下の表2に示す。
【0172】
【表2】
【0173】
以上、表2から明らかなように、本発明に係る特定マレイミド/ニトリル樹脂を下層の成分として用いた実施例1〜4の平版印刷版原版は、耐刷性および耐薬品性に優れていることが確認された。
一方、本発明に係る特定マレイミド/ニトリル樹脂のうち、ニトリル基を有するモノマーを用いなかった比較例1の平版印刷版原版は、実施例のものと比べ、耐刷性、耐薬品性共に、劣っていた。また、特定マレイミド/ニトリル樹脂の代わりにノボラック樹脂を用いた比較例2の平版印刷版原版は、実施例1〜4、さらには比較例2と比べても、耐刷性、耐薬品性に著しく劣っていることが確認された。
【0174】
〔実施例5〜8〕
[支持体の作製]
厚さ0.3mmのアルミニウム板(材質:JIS A 1050)を苛性ソーダ濃度30g/l、アルミニウムイオン濃度10g/l、液温60℃で10秒間エッチング処理を行い、流水で水洗し、10g/l硝酸で中和洗浄後、水洗した。これを印加電圧Va=20Vの条件下で正弦波の交番波形電流を用いて、塩化水素濃度15g/l、アルミニウムイオン濃度10g/l、液温30℃の水溶液中で、500C/dm2の電気量で電気化学的な粗面化処理を行い水洗後、苛性ソーダ濃度30g/l、アルミニウムイオン濃度10g/l、液温40℃で10秒間エッチング処理を行い、流水で水洗した。次に、硫酸濃度15質量%、液温30℃の硫酸水溶液中でデスマット処理を行い水洗した。さらに、液温20℃の10質量%硫酸水溶液中、直流にて電流密度6A/dm2の条件下で、陽極酸化皮膜量が2.5g/m2相当となるように陽極酸化処理し、水洗、乾燥した。その後、珪酸ナトリウム2.5質量%水溶液で30℃において10秒間処理し、基板を作製した。この基板の中心線平均粗さ(Ra)を直径2μmの針を用いて測定したところ、0.48μmであった。前記のようにして得られた珪酸塩処理後のアルミニウム基板上に、下記組成の下塗り液を塗布し、80℃で15秒間乾燥し、塗膜を形成させた。乾燥後の塗膜の被覆量は17mg/m2であった。
【0175】
<下塗り液組成>
・下記化合物 0.3g
・メタノール 100g
・水 1g
【0176】
【化9】
【0177】
[記録層の形成]
前記で得られた支持体上に、下記組成の記録層(単層)用塗布液1を塗布量が1.8g/m2になるよう塗布、乾燥して記録層を形成し、実施例5〜8の平版印刷版用原版を得た。
【0178】
【0179】
〔比較例3〕
[記録層の形成]
実施例1と同様の下塗り済支持体に、下記組成の記録層(単層)用塗布液2を塗布量が1.8g/m2になるよう塗布、乾燥して記録層を形成し、比較例3の平版印刷版用原版を得た。
【0180】
【0181】
〔比較例4〕
実施例1と同様の下塗り済支持体に、下記組成の記録層(単層)用塗布液3を塗布量が1.8g/m2になるよう塗布、乾燥して記録層を形成し、比較例4の平版印刷版用原版を得た。
【0182】
【0183】
〔平版印刷版原版(耐刷性・耐薬品性)の評価〕
実施例5〜8及び比較例3、4の平版印刷版原版を実施例1と同様にして露光、現像および印刷を行った。さらに同様にして耐刷性、耐薬品性の評価を行った。結果を以下の表3に示す。
【0184】
【表3】
【0185】
以上、表3から明らかなように、実施例5〜8の平版印刷版原版は、耐刷性および耐薬品性に優れていることが確認された。
一方、本発明に係る特定マレイミド/ニトリル樹脂のうち、ニトリル基を有するモノマーを用いなかった比較例3の平版印刷版原版は実施例のものと比べ、耐刷性、耐薬品性共に、劣っていた。また、特定マレイミド/ニトリル樹脂の代わりにノボラック樹脂を用いた比較例4の平版印刷版原版は、実施例5〜8、さらには比較例3と比べても、耐刷性、耐薬品性に著しく劣っていることが確認された。
このことから、本発明に係る特定マレイミド/ニトリル樹脂は、単層構造の記録層成分として用いた場合にも、重層構造の記録層の下層成分として用いた場合と同様に、優れた耐刷性、耐薬品性を発現することがわかった。
【0186】
〔実施例9〕
実施例1の支持体の作製において、陽極酸化処理を施した後、シリケート処理を行わなかった以外は、実施例1と同様の下塗り、記録層(下層・上層)を設け、実施例9の平版印刷版原版を作製した。
【0187】
(耐刷性および耐薬品性の評価)
得られた平版印刷版原版に実施例1と同様の方法で露光を行い、下記アルカリ現像液Aを仕込んだ富士写真フイルム(株)製PSプロセッサーLP940Hを用い、現像温度を28℃に保ち、現像時間25秒で現像を行った。その後、実施例1と同様の方法で、耐刷性および耐薬品性の評価を行った。
結果は、耐刷性20万枚、耐薬品性18万枚であり、実施例1と同様の印刷枚数が得られた。このことにより、シリケート処理基板を用いた平版印刷版原版を非シリケート現像液で現像した実施例1と同様に、シリケートによる親水化処理を施さない基板を用いた平版印刷版原版をシリケート現像液で現像した実施例9においても、優れた耐刷性および耐薬品性が得られることが確認された。
【0188】
<アルカリ現像液A組成>
・SiO2・K2O(K2O/SiO2=1/1(モル比)) 4.0質量%
・クエン酸 0.5質量%
・ポリエチレングリコール変性ソルビトール 1.0質量%
(平均30ユニット付加体)
・水 50.0質量%
【0189】
〔実施例10〕
実施例5で用いた記録層(単層)用塗布液1を下記組成の記録層(単層)塗布液4に変更した以外は、実施例5と同様にして実施例10の平版印刷版原版を得た。
【0190】
【0191】
得られた実施例10の平版印刷版原版を実施例5と同様にして露光、現像および印刷を行った。さらに、実施例5と同様の評価を行った。結果は、耐刷性15万枚、耐薬品性14万枚であり、優れた耐印性および耐薬品性をもつ平版印刷版原版を得ることができた。
【0192】
【発明の効果】
本発明によれば、デジタル信号に基づいた走査露光による直接製版が可能であり、且つ、耐刷性および耐薬品性に優れたポジ型平版印刷版原版を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る平版印刷版原版用支持体の作成に用いられる機械的粗面化装置一例を示す概略構成図である。
【図2】本発明に係る平版印刷版原版用支持体の作成に用いられる電気化学的粗面化に用いる交番波形電流波形図の一例を示すグラフである。
【図3】本発明に係る平版印刷版原版用支持体の作成に用いられる電気化学的粗面化に用いる2つ以上のラジアルドラムローラを連結した装置の概略構成図である。
【図4】本発明に係る平版印刷版原版用支持体の作成に適用可能な二段給電電解法における電解処理装置の概略図である。
【符号の説明】
1 アルミニウム板
2,4 ローラ状ブラシ
3 研磨スラリー液
5,6,7,8 支持ローラ
11 アルミニウムウエブ
12 ラジアルドラムローラ
13a,13b 主極
14 電解処理液
15a,15b 電解液供給口
16 スリット
17 電解液通路
18 補助陽極
19a,19b サイリスタ
20 交流電源
40,41 主電解槽
50,51 補助陽極槽
62a 第一給電部
62b 第二給電部
63a 第一電解部
63b 第二電解部
64a,64b 支持ローラ
65a 第一給電電極
65b 第二給電電極
66a,66b,66c,66d 電解電極
67a,67b,67c,67d 電源[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a lithographic printing plate precursor, and more particularly to a positive lithographic printing plate precursor for so-called direct plate making that can be directly made from a digital signal of a computer or the like.
[0002]
[Prior art]
In recent years, the development of lasers has been remarkable. In particular, solid-state lasers and semiconductor lasers having a light emitting region from the near infrared to the infrared can easily obtain high-power and small-sized lasers. In the field of lithographic printing, these lasers are very useful as an exposure light source for making a plate directly from digital data such as a computer.
[0003]
The positive type lithographic printing plate precursor for an infrared laser contains an alkali-soluble binder resin and an IR dye that absorbs light and generates heat as essential components. The IR dye or the like acts as a development inhibitor that substantially reduces the solubility of the binder resin in the developer by interaction with the binder resin in the unexposed area (image area), and in the exposed area (non-image area). The generated heat weakens the interaction between the IR dye and the binder resin and dissolves in an alkaline developer to form a lithographic printing plate.
[0004]
Since the image forming ability of such a positive lithographic printing plate precursor for infrared laser depends on the heat generated by infrared laser exposure on the surface of the recording layer, in the vicinity of the support, image formation is caused by diffusion of heat to the support, That is, the amount of heat used for solubilizing the recording layer is reduced, resulting in low sensitivity. Accordingly, there has been a problem that the effect of disappearing the development suppressing ability of the recording layer in the non-image area is not sufficiently obtained, and the difference between the image area and the non-image area becomes small and the highlight reproducibility is insufficient.
[0005]
Further, in order to solve the problem of highlight reproducibility, it is considered to use a recording layer made of a material that can develop a non-image area more easily, that is, a material having better solubility in an alkaline aqueous solution. However, such a recording layer is chemically weak also in the image area, and is inferior in chemical resistance, such as being easily damaged by a developer, an ink washing solvent used during printing, a plate cleaner, and the like. In the unexposed area, the resin material is excellent in chemical resistance and durability of the film, and after the dissolution inhibiting action is released by exposure, the resin material having the characteristics of excellent developability is eagerly desired. It was.
[0006]
The above problems are difficult to solve with a single-layer recording layer comprising an alkali-soluble resin or other component selected. For this reason, a lower layer excellent in alkali solubility containing a polyvinylphenol resin and a water-insoluble Moreover, a lithographic printing plate precursor provided with a recording layer comprising an alkali-soluble resin and an infrared absorber and having an upper layer whose solubility in an alkaline aqueous solution is greatly increased by exposure is disclosed (for example, see Patent Document 1). According to this lithographic printing plate precursor, although the sensitivity can be improved, the chemical resistance is insufficient. Further, the adhesion between the support and the recording layer is insufficient, and there is a problem that the printing durability is poor.
In addition, various improved techniques have been proposed for the same purpose. For example, an image forming material formed by laminating a lower layer containing a copolymer having a specific monomer and a photosensitive upper layer on a support (for example, Patent Document 2)), and printing plate preparation using a lithographic printing plate precursor obtained by laminating a lower layer containing an alkali-soluble resin and an infrared-sensitive and alkali-resistant upper layer on a hydrophilic support. Although the method (for example, refer to Patent Document 3) has been proposed, the former is excellent in sensitivity and chemical resistance, but the film strength of the resin used for the lower layer is insufficient and there is still room for improvement in printing durability. In the latter case, since the alkali-soluble resin used is inferior in chemical resistance, the recording layer is eluted by the solvent component contained in the plate cleaner, or the solvent component penetrates to the lower substrate interface. This Has a problem that the adhesion between the recording layer and the substrate is reduced and the recording layer is easily peeled off, and it is difficult to achieve both printing durability depending on the film strength of the lower layer and chemical resistance. there were.
[0007]
[Patent Document 1]
JP-A-10-250255
[Patent Document 2]
JP 11-218914 A
[Patent Document 3]
Japanese Patent Laid-Open No. 11-194843
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention, which has been made in consideration of the drawbacks of the prior art, is a positive type lithographic printing plate that can be directly made by scanning exposure based on a digital signal and has excellent printing durability and chemical resistance. To provide the original version.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
As a result of extensive research, the present inventor has found that the above object can be achieved by selecting a specific copolymer as shown below as a recording layer component of a lithographic printing plate precursor, and completes the present invention. It came to.
That is, the lithographic printing plate precursor according to the present invention comprises a water-insoluble and alkali-soluble resin (hereinafter referred to as “approx. The recording layer is provided with a recording layer containing a development inhibitor and an infrared absorber, which increases the solubility in an alkaline aqueous solution upon exposure.
The planographic printing plate precursor according to claim 2 of the present invention is a water-insoluble and alkali-soluble resin (specific maleimide / nitrile) obtained by copolymerizing an alkali-insoluble maleimide, a monomer having a nitrile group, and an alkali-soluble monomer. A recording layer comprising a lower layer containing a resin) and an upper layer containing a water-insoluble and alkali-soluble resin and a development inhibitor, and having increased solubility in an alkaline aqueous solution upon exposure. And at least one of the upper layers contains an infrared absorber.
[0010]
The lithographic printing plate precursor of the present invention comprises a water-insoluble and alkali-soluble resin (specific maleimide / nitrile resin) obtained by copolymerizing an alkali-insoluble maleimide, a monomer having a nitrile group, and an alkali-soluble monomer as a component of the recording layer. It is used as.
By using the alkali-insoluble maleimide as a copolymer component of the specific maleimide / nitrile resin according to the present invention, the resin exhibits excellent solubility resistance to an organic solvent and is hardly damaged by a plate cleaner or the like. Moreover, in the monomer which has a nitrile group, by using them as a copolymerization component, high film | membrane intensity | strength and high lipophilicity are expressed to this resin, and it contributes to the improvement of printing durability. Therefore, for example, even when compared with known acrylic alkali-soluble resins, a recording layer formed using a resin containing these components is considered to have high film strength and printing durability. On the other hand, the alkali-soluble monomer, which is another copolymer component, has an alkali-soluble group in the molecule. Therefore, by using such a monomer as the copolymer component, the development inhibitory effect was canceled by exposure. In the region (non-image portion region), it is considered that the resin material itself exhibits excellent solubility and a high-quality image without a residual film is formed.
Further, when this specific maleimide / nitrile resin is applied to the lower layer of the multilayered recording layer, the above-mentioned specific maleimide / nitrile resin is used in the image area, that is, in the region where the upper layer of the recording layer exists as an alkali-resistant development layer. High film strength and chemical resistance function effectively. Further, in the non-image area, it is considered that when the upper layer is removed, it dissolves and disperses quickly in the alkali developer due to the original alkali solubility. For this reason, even if it uses resin with high alkali solubility for a lower layer component by raising the alkali resistance of an upper layer, the melt | dissolution which is not desired can be suppressed. Therefore, the recording layer having a multilayer structure has higher sensitivity and excellent alkali resistance than the single layer type. For this reason, it can be said that the effect of this invention becomes more remarkable.
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The lithographic printing plate precursor according to the invention is characterized in that a specific maleimide / nitrile resin is contained in a recording layer whose solubility in an alkaline aqueous solution is increased by exposure provided on a support.
Hereinafter, each configuration of the lithographic printing plate precursor according to the invention will be described in detail sequentially.
[0012]
[Water-insoluble and alkali-soluble resin obtained by copolymerizing an alkali-insoluble maleimide, a monomer having a nitrile group, and an alkali-soluble monomer]
The recording layer according to the present invention contains a water-insoluble and alkali-soluble resin (specific maleimide / nitrile resin) obtained by copolymerizing an alkali-insoluble maleimide, a monomer having a nitrile group, and an alkali-soluble monomer. And When this recording layer has a single-layer structure, it is necessary to use a development inhibitor for expressing the property of increasing the solubility in an alkaline aqueous solution upon exposure and an infrared absorber from the viewpoint of improving recording sensitivity. In addition, it is preferable to mix a novolak resin which is an alkali-soluble resin as an optional component. The mixing ratio of the novolak resin is preferably 95% by mass or less of the total alkali-soluble resin, more preferably 85% by mass or less, and particularly preferably 60% by mass or less.
When the specific maleimide / nitrile resin is used in the lower layer of the recording layer having a multilayer structure, only the specific maleimide / nitrile resin may be used. From the viewpoint of improving the film properties, An alkali-soluble resin can be used in combination.
Among these, from the viewpoint of effects, it is preferable to use this specific maleimide / nitrile resin as a lower layer component of a recording layer having a multilayer structure.
[0013]
The alkali-insoluble maleimide used as the copolymer component of the specific maleimide / nitrile resin according to the present invention is not particularly limited as long as it is a compound that is insoluble in an alkaline aqueous solution and has a maleimide skeleton in the molecule. Examples of the alkali-insoluble maleimide used in the present invention include those having a substituent on a nitrogen atom such as a structure represented by the following general formula (I).
[0014]
[Chemical 1]
[0015]
In formula (I), R represents an alkyl group, an aryl group, an aralkyl group, or the like.
Here, when R represents an alkyl group, those having about 1 to 20 carbon atoms are preferred, and specifically, methyl group, ethyl group, propyl group, isopropyl group, butyl group, isobutyl group, tertiary butyl. Group, cyclohexyl group and the like.
When R represents an aryl group, those having about 6 to 20 carbon atoms are preferred and may form a monocyclic or condensed polycyclic structure, and specific examples include a phenyl group and a naphthyl group. It is done.
A benzyl group is mentioned when R represents an aralkyl group.
As such R, a methyl group, a phenyl group, a naphthyl group, and a benzyl group are particularly preferable.
[0016]
Specific examples of such alkali-insoluble maleimide include N-methylmaleimide, N-phenylmaleimide, N-naphthylmaleimide, N-benzylmaleimide and the like, but the present invention is not limited to these.
[0017]
In the specific maleimide / nitrile resin according to the present invention, the copolymerization ratio of alkali-insoluble maleimide is preferably 10 to 60 mol%, more preferably 20 to 50 mol%. Moreover, you may use together 2 or more types of such alkali-insoluble maleimide as needed.
[0018]
The monomer having a nitrile group used in the present invention is not particularly limited as long as it has a nitrile group in the molecule and has a functional group copolymerizable with other copolymerization components. As the copolymerizable functional group mentioned here, an unsaturated double bond capable of radical polymerization such as acryloyl group, methacryloyl group, vinyl group and styryl group is preferably used.
[0019]
As the monomer having a nitrile group, those represented by the following general formula (II) are preferable.
[0020]
[Chemical 2]
[0021]
In the formula (II), A represents a hydrogen atom or a methyl group.
X is a single bond or-(Y) n -Z-, wherein Y represents an amide group or an ester group, and n represents 0 or 1. Z represents an alkylene group, an arylene group, or an aralkylene group. The alkylene group preferably has about 2 to 6 carbon atoms, the arylene group is preferably a phenylene group or a naphthylene group, and the aralkylene group is preferably a benzyl linking group.
[0022]
Specific examples of the monomer having a nitrile group include acrylonitrile, methacrylonitrile, 2-cyanoethyl acrylate, 2-cyanoethyl methacrylate, 2-cyanoethyl acrylamide, 2-cyanoethyl methacrylamide, p-cyanophenyl methacrylamide, p-cyanophenyl methacrylate. P-cyanophenyl acrylamide, p-cyanophenyl acrylate, o-cyanophenyl methacrylamide, o-cyanophenyl methacrylate, o-cyanophenyl acrylamide, o-cyanophenyl acrylate, p- (2-cyanoethyloxy) phenyl methacrylamide, p- (2-cyanoethyloxy) phenyl methacrylate, o- (2-cyanoethyloxy) phenyl methacrylamide, o- (2-cyanoethyl) Ruoxy) phenyl methacrylate, p- (2-cyanoethyloxy) phenyl acrylamide, p- (2-cyanoethyloxy) phenyl acrylate, o- (2-cyanoethyloxy) phenyl acrylamide, o- (2-cyanoethyloxy) phenyl acrylate, etc. The present invention is not limited to these examples.
Among these, those having acrylonitrile, acrylamide skeleton, and methacrylamide skeleton are preferable because of their good chemical resistance. Further, among them, those having a phenylacrylamide skeleton and a phenylmethacrylamide skeleton are particularly preferable.
[0023]
The copolymerization ratio of the monomer having a nitrile group in the specific maleimide / nitrile resin according to the present invention is preferably 10 to 60 mol%, more preferably 20 to 50 mol%. If necessary, two or more monomers having such a nitrile group may be used in combination.
[0024]
The alkali-soluble monomer according to the present invention is used for imparting an alkali-soluble function to the resin. Such an alkali-soluble monomer has a functional group that expresses alkali-solubility in its molecule (hereinafter, referred to as “alkali-soluble group” as appropriate) and can be copolymerized with other copolymerization components. As long as it has, there is no particular limitation.
The alkali-soluble group is not particularly limited. Among them, (1) phenolic hydroxyl group, (2) sulfonamide group, (3) active imide group, (4) carboxyl group, (5) sulfonic acid group, (6) A phosphate group is particularly preferred.
Hereinafter, although the specific example of the monomer which has these alkali-soluble groups is given, this invention is not limited to these.
[0025]
(1) Examples of the monomer having a phenolic hydroxyl group include acrylamide, methacrylamide, acrylate ester, methacrylate ester, and hydroxystyrene having a phenolic hydroxyl group. Specifically, N- (2-hydroxyphenyl) acrylamide, N- (3-hydroxyphenyl) acrylamide, N- (4-hydroxyphenyl) acrylamide, N- (2-hydroxyphenyl) methacrylamide, N- (3- Hydroxyphenyl) methacrylamide, N- (4-hydroxyphenyl) methacrylamide, o-hydroxyphenyl acrylate, m-hydroxyphenyl acrylate, p-hydroxyphenyl acrylate, o-hydroxyphenyl methacrylate, m-hydroxyphenyl methacrylate, p-hydroxy Phenyl methacrylate, o-hydroxystyrene, m-hydroxystyrene, p-hydroxystyrene, 2- (2-hydroxyphenyl) ethyl acrylate, 2- (3-hydroxyphenyl) Preferable are til acrylate, 2- (4-hydroxyphenyl) ethyl acrylate, 2- (2-hydroxyphenyl) ethyl methacrylate, 2- (3-hydroxyphenyl) ethyl methacrylate, 2- (4-hydroxyphenyl) ethyl methacrylate, etc. Can be used.
[0026]
(2) As a polymerizable monomer having a sulfonamide group, a sulfonamide group -NH-SO in which at least one hydrogen atom is bonded to a nitrogen atom in one molecule 2 -And a polymerizable monomer composed of a low molecular compound each having one or more polymerizable unsaturated bonds. Among them, a low molecular compound having an acryloyl group, an allyl group, or a vinyloxy group, and a substituted or monosubstituted aminosulfonyl group or a substituted sulfonylimino group is preferable.
[0027]
(3) Examples of the monomer having an active imide group include low molecular compounds each having one or more active imide groups and polymerizable unsaturated bonds in one molecule. As such a compound, specifically, N- (p-toluenesulfonyl) methacrylamide, N- (p-toluenesulfonyl) acrylamide, maleimide and the like can be preferably used.
[0028]
(4) Examples of the monomer having a carboxyl group include unsaturated carboxylic acids each having one or more carboxyl groups and unsaturated double bond groups in the molecule, such as acrylic acid, methacrylic acid, maleic anhydride, and itaconic acid. It is done.
[0029]
(5) As a monomer having a sulfonic acid group or a salt thereof, AMPS (2-acrylamido-2-methyl-1-propanesulfonic acid) can be used.
[0030]
(6) Examples of the monomer containing a phosphate ester include mono (2-methacryloyloxyethyl) acid phosphate and mono (2-acryloyloxyethyl) acid phosphate.
[0031]
The copolymerization ratio of the alkali-soluble monomer in the specific maleimide / nitrile resin according to the present invention is preferably 5 to 50 mol%, and more preferably 10 to 40 mol%. When the copolymerization ratio is less than 5 mol%, alkali solubility tends to be insufficient, and the development latitude improvement effect may not be sufficiently achieved.
[0032]
The copolymer may be further copolymerized with the following monomers (m1) to (m9) as a fourth component.
(M1) Acrylic acid esters and methacrylic acid esters having an aliphatic hydroxyl group such as 2-hydroxyethyl acrylate or 2-hydroxyethyl methacrylate.
(M2) Alkyl acrylates such as methyl acrylate, ethyl acrylate, propyl acrylate, butyl acrylate, amyl acrylate, hexyl acrylate, octyl acrylate, benzyl acrylate, 2-chloroethyl acrylate, and glycidyl acrylate.
(M3) Alkyl methacrylates such as methyl methacrylate, ethyl methacrylate, propyl methacrylate, butyl methacrylate, amyl methacrylate, hexyl methacrylate, cyclohexyl methacrylate, benzyl methacrylate, 2-chloroethyl methacrylate and glycidyl methacrylate.
(M4) Acrylamide, methacrylamide, N-methylol acrylamide, N-ethyl acrylamide, N-hexyl methacrylamide, N-cyclohexyl acrylamide, N-hydroxyethyl acrylamide, N-phenyl acrylamide, N-nitrophenyl acrylamide, N-ethyl- Acrylamide such as N-phenylacrylamide or methacrylamide, N-vinylpyrrolidone.
[0033]
(M5) Vinyl ethers such as ethyl vinyl ether, 2-chloroethyl vinyl ether, hydroxyethyl vinyl ether, propyl vinyl ether, butyl vinyl ether, octyl vinyl ether, and phenyl vinyl ether.
(M6) Vinyl esters such as vinyl acetate, vinyl chloroacetate, vinyl butyrate and vinyl benzoate.
(M7) Styrenes such as styrene, α-methylstyrene, methylstyrene, chloromethylstyrene.
(M8) Vinyl ketones such as methyl vinyl ketone, ethyl vinyl ketone, propyl vinyl ketone, and phenyl vinyl ketone.
(M9) Olefins such as ethylene, propylene, isobutylene, butadiene and isoprene.
[0034]
The specific maleimide / nitrile resin according to the present invention preferably has a weight average molecular weight (Mw) of 2,000 or more and a number average molecular weight of 500 or more. More preferably, the weight average molecular weight is 5,000 to 300,000, the number average molecular weight is 800 to 250,000, and the dispersity (weight average molecular weight / number average molecular weight) is 1.1 to 10. These specific maleimide / nitrile resins may be used alone or in combination of two or more.
[0035]
The content of the specific maleimide / nitrile resin in the total alkali-soluble resin contained in the recording layer according to the present invention is 5 regardless of whether it is used for a single recording layer or a lower layer of a multi-layered recording layer. It is preferably at least 10% by mass, more preferably at least 10% by mass, and even more preferably at least 50% by mass.
[0036]
First, a planographic printing plate precursor having a recording layer having a multilayer structure which is a preferred embodiment of the present invention will be described. In this case, a specific maleimide / nitrile resin is added to the lower layer.
[Lower layer containing specific maleimide / nitrile resin]
The lower layer according to the present invention is characterized by containing a specific maleimide / nitrile resin. The specific maleimide / nitrile resin used here is not particularly limited as long as it is insoluble in water as described above and is soluble in an alkaline aqueous solution.
[0037]
Furthermore, in the lower layer component according to the present invention, in addition to the specific maleimide / nitrile resin, other resins can be used in combination as long as the effects of the present invention are not impaired. Since the lower layer itself needs to express alkali solubility, particularly in the non-image area, it is necessary to select a resin that does not impair this property. From this viewpoint, examples of the resin that can be used in combination include water-insoluble and alkali-soluble resins other than the specific maleimide / nitrile resin. Examples of other water-insoluble and alkali-soluble resins that can be used in combination include alkali-soluble resins that will be described in detail below as components of the upper layer. Preferred examples include polystyrene resins, novolac-type phenolic resins, polyurethane resins and the like.
Moreover, it is preferable that it is 50 mass% or less with respect to the whole alkali-soluble resin in a lower layer as the quantity to mix.
[0038]
In the lower layer component according to the present invention, in addition to the alkali-soluble resin, an infrared absorber and other additives can be used as necessary. Examples of other additives include development accelerators, surfactants, printout / coloring agents, plasticizers, and WAX agents. The details such as the type and content of the infrared absorber and other additives are the same as those described as components of the upper layer described later.
[0039]
[Upper layer that contains a water-insoluble and alkali-soluble resin and a development inhibitor and increases the solubility in an alkaline aqueous solution upon exposure]
The upper layer according to the present invention contains a water-insoluble and alkali-soluble resin (hereinafter, appropriately referred to as “alkali-soluble resin”) and a development inhibitor, and the solubility in an alkaline aqueous solution is increased by exposure. And Hereinafter, each component of the upper layer according to the present invention will be described.
[0040]
(Water-insoluble and alkali-soluble resin)
The alkali-soluble resin that can be used for the upper layer in the present invention is not particularly limited as long as it has a property of dissolving when contacted with an alkaline developer, but an acidic group is present in the main chain and / or side chain in the polymer. It is preferably a homopolymer to be contained, a copolymer thereof, or a mixture thereof, and the specific maleimide / nitrile resin is also included in this.
As such an alkali-soluble resin having an acidic group, in particular, a polymer compound having a functional group in any one of (1) a phenolic hydroxyl group, (2) a sulfonamide group, and (3) an active imide group. Can be mentioned. For example, although the following are illustrated, this invention is not limited to these.
[0041]
(1) Examples of the polymer compound having a phenolic hydroxyl group include phenol formaldehyde resin, m-cresol formaldehyde resin, p-cresol formaldehyde resin, m- / p-mixed cresol formaldehyde resin, phenol / cresol (m-, p Any of-or m- / p-mixing) may be used. Examples thereof include novolak resins such as mixed formaldehyde resins and pyrogallol acetone resins. In addition to this, a polymer compound having a phenolic hydroxyl group in the side chain is preferably used as the polymer compound having a phenolic hydroxyl group. As a polymer compound having a phenolic hydroxyl group in the side chain, a polymerizable monomer comprising a low molecular compound having at least one phenolic hydroxyl group and at least one polymerizable unsaturated bond is homopolymerized, or other polymerization is performed on the monomer. And a high molecular compound obtained by copolymerizing a functional monomer.
[0042]
Examples of the polymerizable monomer having a phenolic hydroxyl group include acrylamide, methacrylamide, acrylic acid ester, methacrylic acid ester, and hydroxystyrene having a phenolic hydroxyl group. Specifically, N- (2-hydroxyphenyl) acrylamide, N- (3-hydroxyphenyl) acrylamide, N- (4-hydroxyphenyl) acrylamide, N- (2-hydroxyphenyl) methacrylamide, N- (3- Hydroxyphenyl) methacrylamide, N- (4-hydroxyphenyl) methacrylamide, o-hydroxyphenyl acrylate, m-hydroxyphenyl acrylate, p-hydroxyphenyl acrylate, o-hydroxyphenyl methacrylate, m-hydroxyphenyl methacrylate, p-hydroxy Phenyl methacrylate, o-hydroxystyrene, m-hydroxystyrene, p-hydroxystyrene, 2- (2-hydroxyphenyl) ethyl acrylate, 2- (3-hydroxyphenyl) Preferable are til acrylate, 2- (4-hydroxyphenyl) ethyl acrylate, 2- (2-hydroxyphenyl) ethyl methacrylate, 2- (3-hydroxyphenyl) ethyl methacrylate, 2- (4-hydroxyphenyl) ethyl methacrylate, etc. Can be used. Such resins having a phenolic hydroxyl group may be used in combination of two or more. Furthermore, as described in U.S. Pat. No. 4,123,279, phenol and formaldehyde having an alkyl group having 3 to 8 carbon atoms as a substituent, such as t-butylphenol formaldehyde resin and octylphenol formaldehyde resin, These copolymers may be used in combination.
[0043]
(2) Examples of the alkali-soluble resin having a sulfonamide group include polymer compounds obtained by homopolymerizing a polymerizable monomer having a sulfonamide group or copolymerizing the monomer with another polymerizable monomer. Examples of the polymerizable monomer having a sulfonamide group include a sulfonamide group —NH—SO in which at least one hydrogen atom is bonded to a nitrogen atom in one molecule. 2 -And a polymerizable monomer composed of a low molecular compound each having one or more polymerizable unsaturated bonds. Among them, a low molecular compound having an acryloyl group, an allyl group, or a vinyloxy group, and a substituted or monosubstituted aminosulfonyl group or a substituted sulfonylimino group is preferable.
[0044]
(3) The alkali-soluble resin having an active imide group is preferably one having an active imide group in the molecule, and the polymer compound has one unsaturated bond polymerizable with the active imide group in each molecule. Examples thereof include a polymer compound obtained by homopolymerizing a polymerizable monomer comprising the above-described low molecular weight compound, or copolymerizing the monomer with another polymerizable monomer.
As such a compound, specifically, N- (p-toluenesulfonyl) methacrylamide, N- (p-toluenesulfonyl) acrylamide and the like can be preferably used.
[0045]
The alkali-soluble resin according to the present invention includes a polymer compound obtained by polymerizing two or more of the polymerizable monomer having a phenolic hydroxyl group, the polymerizable monomer having a sulfonamide group, and the polymerizable monomer having an active imide group. It is preferable that Although there is no restriction | limiting in the copolymerization ratio of the said polymerizable monomer, and the combination of a polymerizable monomer, Especially the polymerizable monomer which has a sulfonamide group and / or the polymerizable property which has an active imide group in the polymerizable monomer which has a phenolic hydroxyl group When the monomers are copolymerized, the compounding polymerization ratio of these components is preferably in the range of 50:50 to 5:95, and particularly preferably in the range of 40:60 to 10:90.
[0046]
Furthermore, as the alkali-soluble resin according to the present invention, one or more kinds selected from the polymerizable monomer having a phenolic hydroxyl group, the polymerizable monomer having a sulfonamide group, or the polymerizable monomer having an active imide group are used. In addition to the polymerizable monomer, a polymer compound obtained by copolymerizing another polymerizable monomer is preferable. As a copolymerization ratio in this case, it is preferable that the monomer which provides alkali solubility is contained 10 mol% or more, and what contains 20 mol% or more is more preferable. If the copolymerization component of the monomer imparting alkali solubility is less than 10 mol%, alkali solubility tends to be insufficient, and developability tends to be lowered.
Examples of other polymerizable monomers that can be used here include the compounds listed in the following (m1) to (m12), but the present invention is not limited thereto.
[0047]
(M1) Acrylic acid esters and methacrylic acid esters having an aliphatic hydroxyl group such as 2-hydroxyethyl acrylate or 2-hydroxyethyl methacrylate.
(M2) Alkyl acrylates such as methyl acrylate, ethyl acrylate, propyl acrylate, butyl acrylate, amyl acrylate, hexyl acrylate, octyl acrylate, benzyl acrylate, 2-chloroethyl acrylate, and glycidyl acrylate.
(M3) Alkyl methacrylates such as methyl methacrylate, ethyl methacrylate, propyl methacrylate, butyl methacrylate, amyl methacrylate, hexyl methacrylate, cyclohexyl methacrylate, benzyl methacrylate, 2-chloroethyl methacrylate and glycidyl methacrylate.
(M4) Acrylamide, methacrylamide, N-methylol acrylamide, N-ethyl acrylamide, N-hexyl methacrylamide, N-cyclohexyl acrylamide, N-hydroxyethyl acrylamide, N-phenyl acrylamide, N-nitrophenyl acrylamide, N-ethyl- Acrylamide or methacrylamide such as N-phenylacrylamide.
[0048]
(M5) Vinyl ethers such as ethyl vinyl ether, 2-chloroethyl vinyl ether, hydroxyethyl vinyl ether, propyl vinyl ether, butyl vinyl ether, octyl vinyl ether, and phenyl vinyl ether.
(M6) Vinyl esters such as vinyl acetate, vinyl chloroacetate, vinyl butyrate and vinyl benzoate.
(M7) Styrenes such as styrene, α-methylstyrene, methylstyrene, chloromethylstyrene.
(M8) Vinyl ketones such as methyl vinyl ketone, ethyl vinyl ketone, propyl vinyl ketone, and phenyl vinyl ketone.
(M9) Olefins such as ethylene, propylene, isobutylene, butadiene and isoprene.
(M10) N-vinylpyrrolidone, acrylonitrile, methacrylonitrile and the like.
(M11) Unsaturated imides such as maleimide, N-acryloylacrylamide, N-acetylmethacrylamide, N-propionylmethacrylamide, N- (p-chlorobenzoyl) methacrylamide.
(M12) Unsaturated carboxylic acids such as acrylic acid, methacrylic acid, maleic anhydride and itaconic acid.
[0049]
When the alkali-soluble resin according to the present invention is a homopolymer or copolymer of a polymerizable monomer having a phenolic hydroxyl group, a polymerizable monomer having a sulfonamide group, or a polymerizable monomer having an active imide group, Those having a molecular weight of 2,000 or more and a number average molecular weight of 500 or more are preferred. More preferably, the weight average molecular weight is 5,000 to 300,000, the number average molecular weight is 800 to 250,000, and the dispersity (weight average molecular weight / number average molecular weight) is 1.1 to 10. .
In particular, when the alkali-soluble resin according to the present invention is a phenol formaldehyde resin or a cresol aldehyde resin, the weight average molecular weight is 500 to 20,000, and the number average molecular weight is 200 to 10,000. Is preferred.
[0050]
As the alkali-soluble resin used in the present invention, a resin having a phenolic hydroxyl group is desirable because it causes strong hydrogen bonding in the unexposed area and some hydrogen bonds are easily released in the exposed area. Among the resins having a phenolic hydroxyl group, a novolak resin is particularly preferable.
In the present invention, two or more kinds of alkali-soluble resins having different dissolution rates in an alkaline aqueous solution may be mixed and used, and the mixing ratio in that case is arbitrary. The alkali-soluble resin suitable for mixing with the resin having a phenolic hydroxyl group is preferably an acrylic resin because of its low compatibility with a resin having a phenolic hydroxyl group, and more preferably a sulfoamide group. It is an acrylic resin.
[0051]
Content of alkali-soluble resin with respect to the total solid content of the upper layer which concerns on this invention is used by the addition amount of 50-98 mass% collectively. When the addition amount of the alkali-soluble resin is less than 50% by mass, the durability of the recording layer is deteriorated, and when it exceeds 98% by mass, both the sensitivity and the durability are not preferable.
[0052]
(Development inhibitor)
The upper layer according to the present invention needs to contain a development inhibitor for the purpose of enhancing its inhibition (dissolution inhibiting ability).
The development inhibitor according to the present invention forms an interaction with the alkali-soluble resin, substantially lowers the solubility of the alkali-soluble resin in a developing solution in an unexposed area, and There is no particular limitation as long as the interaction is weakened and can be soluble in the developer, but quaternary ammonium salts, polyethylene glycol compounds, and the like are particularly preferably used. Among infrared absorbers and image colorants described later, there are compounds that function as a development inhibitor, and these are also preferred.
[0053]
Although it does not specifically limit as a quaternary ammonium salt, A tetraalkyl ammonium salt, a trialkyl aryl ammonium salt, a dialkyl diaryl ammonium salt, an alkyl triaryl ammonium salt, a tetraaryl ammonium salt, a cyclic ammonium salt, and a bicyclic ammonium salt are mentioned. .
Specifically, tetrabutylammonium bromide, tetrapentylammonium bromide, tetrahexylammonium bromide, tetraoctylammonium bromide, tetralaurylammonium bromide, tetraphenylammonium bromide, tetranaphthylammonium bromide, tetrabutylammonium chloride, tetrabutylammonium iodide , Tetrastearyl ammonium bromide, lauryl trimethyl ammonium bromide, stearyl trimethyl ammonium bromide, behenyl trimethyl ammonium bromide, lauryl triethyl ammonium bromide, phenyl trimethyl ammonium bromide, 3-trifluoromethylphenyl trimethyl ammonium bromide, benzyl trimethyl ammonium bromide De, dibenzyl dimethyl ammonium bromide, distearyl dimethyl ammonium bromide, tristearyl methyl ammonium bromide, benzyl triethyl ammonium bromide, hydroxyphenyl trimethyl ammonium bromide, N- methyl pyridinium bromide, and the like. In particular, quaternary ammonium salts described in Japanese Patent Application Nos. 2001-226297, 2001-370059, and 2001-398047 are preferable.
[0054]
The addition amount of the quaternary ammonium salt is preferably 0.1 to 50% by mass, and more preferably 1 to 30% by mass with respect to the total solid content of the upper layer. If it is less than 0.1% by mass, the effect of suppressing development is reduced, which is not preferable. Moreover, when adding exceeding 50 mass%, the film forming property of the said alkali-soluble resin may be adversely affected.
[0055]
Moreover, it does not specifically limit as a polyethyleneglycol compound, However, The thing of the structure represented by following General formula (1) is mentioned.
R 1 -{-O- (R 3 -O-) m -R 2 } n ... General formula (1)
In the general formula (1), R 1 Represents a polyhydric alcohol residue or a polyhydric phenol residue, R 2 Represents a hydrogen atom, an alkyl group having 1 to 25 carbon atoms which may have a substituent, an alkenyl group, an alkynyl group, an alkylyl group, an aryl group or an aryloyl group. R 3 Represents an alkylene residue which may have a substituent, m represents an average of 10 or more, and n represents an integer of 1 to 4.
[0056]
Examples of the polyethylene glycol compound represented by the general formula (1) include polyethylene glycols, polypropylene glycols, polyethylene glycol alkyl ethers, polypropylene glycol alkyl ethers, polyethylene glycol aryl ethers, polypropylene glycol aryl ethers, Polyethylene glycol alkyl aryl ethers, polypropylene glycol alkyl aryl ethers, polyethylene glycol glycerol esters, polypropylene glycol glycerol esters, polyethylene sorbitol esters, polypropylene glycol sorbitol esters, polyethylene glycol fatty acid esters, polypropylene glycol fatty acid esters, polyethylene glycol Lumpur ethylenediamines, polypropylene glycolated ethylenediamines, polyethylene glycolated diethylenetriamine, and polypropylene glycol diethylenetriamines.
[0057]
Further specific examples include polyethylene glycol 1000, polyethylene glycol 2000, polyethylene glycol 4000, polyethylene glycol 10000, polyethylene glycol 20000, polyethylene glycol 5000, polyethylene glycol 100000, polyethylene glycol 200000, polyethylene glycol 500000, polypropylene glycol 1500, polypropylene glycol. 3000, polypropylene glycol 4000, polyethylene glycol methyl ether, polyethylene glycol ethyl ether, polyethylene glycol phenyl ether, polyethylene glycol dimethyl ether, polyethylene glycol diethyl ether, polyethylene glycol diphenyl ether Ter, polyethylene glycol lauryl ether, polyethylene glycol dilauryl ether, polyethylene glycol nonyl ether, polyethylene glycol cetyl ether, polyethylene glycol stearyl ether, polyethylene glycol distearyl ether, polyethylene glycol behenyl ether, polyethylene glycol dibehenyl ether, polypropylene glycol methyl ether, Polypropylene glycol ethyl ether, polypropylene glycol phenyl ether, polypropylene glycol dimethyl ether, polypropylene glycol diethyl ether, polypropylene glycol diphenyl ether, polypropylene glycol lauryl ether, polypropylene glycol dilauryl ether , Polypropylene glycol nonyl ether, polyethylene glycol acetyl ester, polyethylene glycol diacetyl ester, polyethylene glycol benzoic acid ester, polyethylene glycol lauryl ester, polyethylene glycol dilauryl ester, polyethylene glycol nonyl acid ester, polyethylene glycol cetyl acid ester, polyethylene glycol stearoyl ester, Polyethylene glycol distearoyl ester, polyethylene glycol behenate ester, polyethylene glycol dibehenate ester, polypropylene glycol acetyl ester, polypropylene glycol diacetyl ester, polypropylene glycol benzoate ester, polypropylene glycol dibenzoate ester Polypropylene glycol laurate, polypropylene glycol dilaurate, polypropylene glycol nonyl ester, polyethylene glycol glycerol ether, polypropylene glycol glycerol ether, polyethylene glycol sorbitol ether, polypropylene glycol sorbitol ether, polyethylene glycolated ethylenediamine, polypropylene glycolated ethylenediamine Polyethylene glycolated diethylenetriamine, polypropylene glycolated diethylenetriamine, and polyethylene glycolated pentamethylenehexamine.
[0058]
The addition amount of the polyethylene glycol compound is preferably 0.1 to 50% by mass, and more preferably 1 to 30% by mass with respect to the total solid content of the upper layer. If it is less than 0.1% by mass, the effect of suppressing development is small, which is not preferable. When an amount exceeding 50% by mass is added, the polyethylene glycol compound that cannot interact with the alkali-soluble resin accelerates the penetration of the developer and may adversely affect image forming properties.
[0059]
In addition, when such measures are taken to increase the inhibition (dissolution suppression ability), the sensitivity decreases. In this case, it is effective to add a lactone compound to the upper layer to suppress the sensitivity decrease. is there. The lactone compound reacts with the lactone compound when the developer penetrates into the exposed area, that is, the recording layer in the area where the inhibition is released. It is considered that the sensitivity is improved by promoting the dissolution of the recording layer in the partial area. In the unexposed area, this lactone compound forms an interaction with a polar group in the alkali-soluble resin, for example, a hydroxyl group in the novolak resin, and is stable in the film together with a bulky structure having a ring. Therefore, even when an alkaline developer is contacted with the surface of the unexposed area, the rapid opening of the lactone ring during the development process is suppressed, so that the development resistance of the region is reduced. Absent. This interaction is released more easily by the exposure or heating than the inhibitory action by the dissolution inhibitor, so that the ring-opening reaction of the lactone compound in the exposed part is performed rapidly.
Such a lactone compound is not particularly limited, and examples thereof include compounds represented by the following general formula (LI) and general formula (L-II).
[0060]
[Chemical 3]
[0061]
In general formula (LI) and general formula (L-II), X 1 , X 2 , X 3 And X 4 Are divalent non-metallic atoms or non-metallic atomic groups constituting the ring, which may be the same or different. Moreover, these may each independently have a substituent. Furthermore, X in the general formula (LI) 1 , X 2 And X 3 And at least one of X in general formula (L-II) 1 , X 2 , X 3 And X 4 At least one of is preferably an electron-withdrawing substituent or a substituent substituted with an electron-withdrawing group.
[0062]
A preferred nonmetallic atom or nonmetallic atomic group is an atom or atomic group selected from a methylene group, a sulfinyl group, a carbonyl group, a thiocarbonyl group, a sulfonyl group, a sulfur atom, an oxygen atom, and a selenium atom, and more preferably, It is an atomic group selected from a methylene group, a carbonyl group and a sulfonyl group.
[0063]
In this specification, the electron-withdrawing substituent refers to a group in which Hammett's substituent constant σp takes a positive value. For Hammett's substituent constants, see Journal of Medicinal Chemistry, 1973, Vol. 16, no. 11, 1207-1216 etc. can be referred to. Examples of electron-withdrawing groups in which Hammett's substituent constant σp takes a positive valence include halogen atoms [fluorine atoms (σp value: 0.06), chlorine atoms (σp value: 0.23), bromine atoms (σp value). : 0.23), iodine atom (σp value: 0.18)], trihaloalkyl group [tribromomethyl (σp value: 0.29), trichloromethyl (σp value: 0.33), trifluoromethyl (σp Value: 0.54)], cyano group (σp value: 0.66), nitro group (σp value: 0.78), aliphatic / aryl or heterocyclic sulfonyl group [for example, methanesulfonyl (σp value: 0. 72)], aliphatic / aryl or heterocyclic acyl groups [for example, acetyl (σp value: 0.50), benzoyl (σp value: 0.43)], alkynyl groups [for example, C≡CH (σp value: 0) .23)], Aliphatic Ali Or a heterocyclic oxycarbonyl group [for example, methoxycarbonyl (σp value: 0.45), phenoxycarbonyl (σp value: 0.44)], carbamoyl group (σp value: 0.36), sulfamoyl group (σp value: 0.57), sulfoxide groups, heterocyclic groups, oxo groups, phosphoryl groups and the like.
[0064]
Preferred electron withdrawing groups include amide groups, azo groups, nitro groups, fluoroalkyl groups having 1 to 5 carbon atoms, nitrile groups, alkoxycarbonyl groups having 1 to 5 carbon atoms, and acyl groups having 1 to 5 carbon atoms. , An alkylsulfonyl group having 1 to 9 carbon atoms, an arylsulfonyl group having 6 to 9 carbon atoms, an alkylsulfinyl group having 1 to 9 carbon atoms, an arylsulfinyl group having 6 to 9 carbon atoms, and an arylcarbonyl group having 6 to 9 carbon atoms , A thiocarbonyl group, a fluorine-containing alkyl group having 1 to 9 carbon atoms, a fluorine-containing aryl group having 6 to 9 carbon atoms, a fluorine-containing allyl group having 3 to 9 carbon atoms, an oxo group, and a group selected from a halogen element. More preferably, a nitro group, a fluoroalkyl group having 1 to 5 carbon atoms, a nitrile group, an alkoxycarbonyl group having 1 to 5 carbon atoms, an acyl group having 1 to 5 carbon atoms, a carbon number 6 9 arylsulfonyl group, an arylcarbonyl group having 6 to 9 carbon atoms, an oxo group, and a halogen element.
Specific examples of the compounds represented by formulas (LI) and (L-II) are shown below, but the present invention is not limited to these compounds.
[0065]
[Formula 4]
[0066]
[Chemical formula 5]
[0067]
The addition amount of the compounds represented by the general formula (LI) and the general formula (L-II) is preferably 0.1 to 50% by mass, more preferably 1 to 30% by mass with respect to the total solid content of the upper layer. Is more preferable. If it is less than 0.1% by mass, the effect is small, and if it is added in excess of 50% by mass, the image formability is inferior.
Any one lactone compound may be used in the present invention, or two or more lactone compounds may be used in combination. When two or more types of compounds of general formula (LI) or two or more types of compounds of general formula (L-II) are used, they should be used in any ratio as long as the total addition amount is within the above range. Can do.
[0068]
In addition, substances that are thermally decomposable, such as onium salts, o-quinonediazide compounds, aromatic sulfone compounds, aromatic sulfonic acid ester compounds, and that substantially reduce the solubility of alkali-soluble resins when not decomposed. Is preferably used from the viewpoint of improving the inhibition of the image portion in the developer.
[0069]
Examples of the onium salts used in the present invention include diazonium salts, ammonium salts, phosphonium salts, iodonium salts, sulfonium salts, selenonium salts, arsonium salts, and the like. I. Schlesinger, Photogr. Sci. Eng. , 18, 387 (1974), T.A. S. Balet al, Polymer, 21, 423 (1980), diazonium salts described in JP-A-5-158230, U.S. Pat. Nos. 4,069,055, 4,069,056, and JP-A-3-140140. Ammonium salts described in the specification, D.I. C. Necker et al, Macromolecules, 17, 2468 (1984), C.I. S. Wen et al, Teh, Proc. Conf. Rad. Curing ASIA, p478 Tokyo, Oct (1988), U.S. Pat. Nos. 4,069,055 and 4,069,056,
[0070]
J. et al. V. Crivello et al, Macromolecules, 10 (6), 1307 (1977), Chem. & Eng. News, Nov. 28, p31 (1988), European Patent No. 104,143, US Pat. Nos. 5,041,358, 4,491,628, JP-A-2-150848 and JP-A-2-296514. Iodonium salts, J.M. V. Crivello et al, Polymer J. et al. 17, 73 (1985), J. Am. V. Crivello et al. J. et al. Org. Chem. 43, 3055 (1978); R. Watt et al, J.A. Polymer Sci. , Polymer Chem. Ed. , 22, 1789 (1984), J. Am. V. Crivello et al, Polymer Bull. , 14, 279 (1985),
[0071]
J. et al. V. Crivello et al, Macromolecules, 14 (5), 1141 (1981), J. MoI. V. Crivello et al, J.A. Polymer Sci. , Polymer Chem. Ed. 17, 2877 (1979), European Patents 370,693, 233,567, 297,443, 297,442, U.S. Pat. Nos. 4,933,377, 3,902,114 No. 4,491,628, No. 4,760,013, No. 4,734,444, No. 2,833,827, German Patent No. 2,904,626, No. 3,604 Sulfonium salts described in No. 580 and No. 3,604,581,
[0072]
J. et al. V. Crivello et al, Macromolecules, 10 (6), 1307 (1977), J. MoI. V. Crivello et al, J.A. Polymer Sci. , Polymer Chem. Ed. , 17, 1047 (1979), a selenonium salt described in C.I. S. Wen et al, Teh, Proc. Conf. Rad. Curing ASIA, p478 Tokyo, Oct (1988).
Of these onium salts, a diazonium salt is particularly preferable. Particularly suitable diazonium salts include those described in JP-A-5-158230.
[0073]
The counter ion of the onium salt includes tetrafluoroboric acid, hexafluorophosphoric acid, triisopropylnaphthalenesulfonic acid, 5-nitro-o-toluenesulfonic acid, 5-sulfosalicylic acid, 2,5-dimethylbenzenesulfonic acid, 2,4,6-trimethylbenzenesulfonic acid, 2-nitrobenzenesulfonic acid, 3-chlorobenzenesulfonic acid, 3-bromobenzenesulfonic acid, 2-fluorocaprylnaphthalenesulfonic acid, dodecylbenzenesulfonic acid, 1-naphthol-5-sulfone Examples include acid, 2-methoxy-4-hydroxy-5-benzoyl-benzenesulfonic acid, and paratoluenesulfonic acid. Of these, particularly preferred are alkyl aromatic sulfonic acids such as hexafluorophosphoric acid, triisopropylnaphthalenesulfonic acid and 2,5-dimethylbenzenesulfonic acid.
[0074]
Suitable quinonediazides include o-quinonediazide compounds. The o-quinonediazide compound used in the present invention is a compound having at least one o-quinonediazide group, which increases alkali solubility by thermal decomposition, and compounds having various structures can be used. That is, o-quinonediazide assists the solubility of the upper layer by both the effect of losing the inhibition as a development inhibitor due to thermal decomposition and the change of o-quinonediazide itself into an alkali-soluble substance.
Examples of such o-quinonediazide compounds include J. Org. The compounds described in pages 339 to 352 of “Light-sensitive systems” by John Coley (John Wiley & Sons. Inc.) can be used, and in particular, o-quinonediazide reacted with various aromatic polyhydroxy compounds or aromatic amino compounds. The sulfonic acid esters or sulfonic acid amides are preferred. Further, benzoquinone (1,2) -diazide sulfonic acid chloride or naphthoquinone- (1,2) -diazide-5-sulfonic acid chloride and pyrogallol-acetone resin as described in JP-B-43-28403 Esters of benzoquinone- (1,2-diazide sulfonic acid chloride or naphthoquinone- (1,2) -diazide-5 described in US Pat. Nos. 3,046,120 and 3,188,210 Esters of sulfonic acid chloride and phenol-formaldehyde resin are also preferably used.
[0075]
Further, an ester of naphthoquinone- (1,2) -diazido-4-sulfonic acid chloride and phenol formaldehyde resin or cresol-formaldehyde resin, naphthoquinone- (1,2) -diazido-4-sulfonic acid chloride and pyrogallol-acetone resin Similarly, the esters are also preferably used. Other useful o-quinonediazide compounds are reported and known in numerous patents. For example, JP-A-47-5303, JP-A-48-63802, JP-A-48-63803, JP-A-48-96575, JP-A-49-38701, JP-A-48-13354, Japanese Patent Publication Nos. 41-11222, 45-9610, 49-17474, U.S. Pat. Nos. 2,797,213, 3,454,400, 3,544,323, 3,573,917, 3,674,495, 3,785,825, British Patents 1,227,602, 1,251,345, 1,267, No. 005, No. 1,329,888, No. 1,330,932, German Patent No. 854,890, and the like.
[0076]
The addition amount of the o-quinonediazide compound is preferably in the range of 1 to 50% by mass, more preferably 5 to 30% by mass, and particularly preferably 10 to 30% by mass with respect to the total solid content of the upper layer. These compounds can be used alone, but may be used as a mixture of several kinds.
Moreover, you may include the alkali-soluble resin by which at least one part of Unexamined-Japanese-Patent No. 11-288089 was esterified.
[0077]
Further, for the purpose of enhancing the inhibition of the surface of the recording layer and the scratch resistance of the surface, the perfluoroalkyl having 3 to 20 carbon atoms in the molecule as described in JP-A-2000-187318 is also disclosed. It is preferable to use a polymer having a (meth) acrylate monomer having 2 or 3 groups as a polymerization component.
As addition amount, 0.1-10 mass% is preferable with respect to upper layer total solid, More preferably, it is 0.5-5 mass%.
[0078]
(Infrared absorber)
In the lithographic printing plate precursor according to the invention, it is necessary to add an infrared absorber to at least one of the lower layer and the upper layer of the recording layer. Such an infrared absorber is not particularly limited as long as it is a dye that absorbs infrared light and generates heat, and various dyes known as infrared absorbers can be used.
[0079]
As the infrared absorber according to the present invention, commercially available dyes and known ones described in literature (for example, “Dye Handbook” edited by the Society of Synthetic Organic Chemistry, published in 1970) can be used. Specific examples include azo dyes, metal complex azo dyes, pyrazolone azo dyes, anthraquinone dyes, phthalocyanine dyes, carbonium dyes, quinoneimine dyes, methine dyes, and cyanine dyes. In the present invention, among these dyes, those that absorb infrared light or near infrared light are particularly preferred because they are suitable for use in lasers that emit infrared light or near infrared light.
[0080]
Examples of dyes that absorb such infrared light or near infrared light include, for example, JP-A-58-125246, JP-A-59-84356, JP-A-59-202829, and JP-A-60-78787. Methine dyes described in JP-A-58-173696, JP-A-58-181690, JP-A-58-194595, etc., JP-A-58-112793, Naphthoquinone dyes described in JP-A-58-224793, JP-A-59-48187, JP-A-59-73996, JP-A-60-52940, JP-A-60-63744, etc. Examples thereof include squarylium dyes described in 58-112792 and cyanine dyes described in British Patent 434,875.
[0081]
Further, near-infrared absorption sensitizers described in US Pat. No. 5,156,938 are also preferably used as dyes, and substituted arylbenzo (thio) pyrylium described in US Pat. No. 3,881,924. Salts, trimethine thiapyrylium salts described in JP-A-57-142645 (US Pat. No. 4,327,169), JP-A-58-181051, 58-220143, 59-41363, 59 -84248, 59-84249, 59-146063, 59-146061, pyrylium compounds described in JP-A-59-216146, cyanine dyes, U.S. Pat. No. 4,283,475 The pentamethine thiopyrylium salt described in No. 5 and the pyrylium compound disclosed in Japanese Patent Publication Nos. 5-13514 and 5-19702 Commercially available products, Eporin Co. Epolight III-178, Epolight III-130, Epolight III-125 and the like are particularly preferably used.
Another particularly preferable example of the dye is a near-infrared absorbing dye described as formulas (I) and (II) in US Pat. No. 4,756,993.
[0082]
These infrared absorbers are preferably added to the upper layer of the recording layer or in the vicinity thereof from the viewpoint of sensitivity. In particular, when a substance having a dissolution inhibiting ability such as a cyanine dye is added together with the alkali-soluble resin, at the same time as increasing the sensitivity, the unexposed area can be made resistant to alkali. These infrared absorbers may be added to the lower layer or both the upper and lower layers. By adding it to the lower layer, it is possible to further increase the sensitivity. When an infrared absorber is added to both the upper layer and the lower layer, the same compound may be used, or different compounds may be used.
These infrared absorbers may be added to the same layer as the recording layer, or another layer may be provided and added thereto. In the case of a separate layer, it is desirable to add it to a layer adjacent to the recording layer.
Furthermore, when the infrared absorber is a compound having dissolution inhibiting ability, the infrared absorber can be used not only as a photothermal conversion function but also as the development inhibitor by being contained in the same layer as the alkali-soluble resin. It is preferable because it functions.
[0083]
As addition amount of an infrared absorber, when adding to an upper layer, it is 0.01-50 mass% with respect to upper layer total solid, Preferably it is 0.1-30 mass%, Most preferably, it is 1.0-30 mass%. It can be added in proportions. If the addition amount is less than 0.01% by mass, the sensitivity is lowered, and if it exceeds 50% by mass, the uniformity of the upper recording layer is lost and the durability of the upper recording layer is deteriorated.
[0084]
Moreover, when adding to a lower layer, it is 0-20 mass% with respect to a lower layer total solid, Preferably it is 0-10 mass%, Most preferably, it can add in the ratio of 0-5 mass%. When an infrared absorber is added to the lower layer, the solubility of the lower layer decreases if an infrared absorber having dissolution inhibiting ability is used. On the other hand, the infrared absorber generates heat during infrared laser exposure and improves the solubility of the lower layer due to heat. In view of these balances, the compound to be added and the amount to be added should be selected. In the region of 0.2 to 0.3 μm in the vicinity of the support, it is difficult to obtain the effect of improving the solubility due to heat, for example, the heat generated during exposure diffuses to the support. In some cases, the decrease in sensitivity may cause a decrease in sensitivity. Therefore, even within the range of the addition amount shown above, such an addition amount that the dissolution rate in the lower layer developer (25 ° C. to 30 ° C.) is lower than 30 nm / sec is not preferable.
[0085]
(Other additives)
In forming the lower layer and the upper layer of the recording layer, various additives can be further added as necessary in addition to the essential components as long as the effects of the present invention are not impaired. The additives listed below may be added only to the lower layer, may be added only to the upper layer, or may be added to both layers.
[0086]
<Development accelerator>
For the purpose of improving sensitivity, acid anhydrides, phenols, and organic acids may be added to the upper layer and / or the lower layer, which are recording layers according to the present invention.
As the acid anhydrides, cyclic acid anhydrides are preferable. Specific examples of the cyclic acid anhydrides include phthalic anhydride, tetrahydrophthalic anhydride, and hexahydrophthalic anhydride described in US Pat. No. 4,115,128. Acid, 3,6-endooxy-tetrahydrophthalic anhydride, tetrachlorophthalic anhydride, maleic anhydride, chloromaleic anhydride, α-phenylmaleic anhydride, succinic anhydride, pyromellitic anhydride and the like can be used. Examples of the non-cyclic acid anhydride include acetic anhydride.
[0087]
Examples of phenols include bisphenol A, 2,2′-bishydroxysulfone, p-nitrophenol, p-ethoxyphenol, 2,4,4′-trihydroxybenzophenone, 2,3,4-trihydroxybenzophenone, 4- Examples include hydroxybenzophenone, 4,4 ′, 4 ″ -trihydroxytriphenylmethane, 4,4 ′, 3 ″, 4 ″ -tetrahydroxy-3,5,3 ′, 5′-tetramethyltriphenylmethane. .
[0088]
Examples of organic acids include sulfonic acids, sulfinic acids, alkyl sulfates, phosphonic acids, phosphate esters, and carboxylic acids described in JP-A-60-88942 and JP-A-2-96755. Specifically, p-toluenesulfonic acid, dodecylbenzenesulfonic acid, p-toluenesulfinic acid, ethyl sulfate, phenylphosphonic acid, phenylphosphinic acid, phenyl phosphate, diphenyl phosphate, benzoic acid, isophthalic acid, adipic acid , P-toluic acid, 3,4-dimethoxybenzoic acid, phthalic acid, terephthalic acid, 4-cyclohexene-1,2-dicarboxylic acid, erucic acid, lauric acid, n-undecanoic acid, ascorbic acid and the like.
The proportion of the acid anhydride, phenols and organic acids in the total solid content of the lower layer or upper layer is preferably 0.05 to 20% by mass, more preferably 0.1 to 15% by mass, particularly preferably 0. 1 to 10% by mass.
[0089]
<Surfactant>
In order to improve the coating properties and to improve the stability of the processing with respect to the developing conditions, the upper layer and / or the lower layer, which are the recording layers according to the present invention, are disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open Nos. 62-251740 and 3- Nonionic surfactants as described in Japanese Patent No. 208514, amphoteric surfactants as described in Japanese Patent Application Laid-Open Nos. 59-121044 and 4-13149, and described in EP950517 Such siloxane compounds, fluorine-containing monomer copolymers as described in JP-A-62-170950, JP-A-11-288093, and Japanese Patent Application No. 2001-247351 can be added.
[0090]
Specific examples of the nonionic surfactant include sorbitan tristearate, sorbitan monopalmitate, sorbitan trioleate, stearic acid monoglyceride, polyoxyethylene nonylphenyl ether and the like. Specific examples of amphoteric activators include alkyldi (aminoethyl) glycine, alkylpolyaminoethylglycine hydrochloride, 2-alkyl-N-carboxyethyl-N-hydroxyethylimidazolinium betaine and N-tetradecyl-N, N-betaine. Type (for example, trade name “Amorgen K” manufactured by Daiichi Kogyo Co., Ltd.).
[0091]
As the siloxane compound, a block copolymer of dimethylsiloxane and polyalkylene oxide is preferable. Specific examples include DBE-224, DBE-621, DBE-712, DBP-732, DBP-534, manufactured by Chisso Corporation. And polyalkylene oxide-modified silicones such as Tego Glide 100 manufactured by Tego, Germany.
The proportion of the nonionic surfactant and amphoteric surfactant in the total solid content of the lower layer or upper layer is preferably 0.01 to 15% by mass, more preferably 0.1 to 5.0% by mass, and still more preferably. 0.5 to 2.0 mass%.
[0092]
<Bake-out agent / colorant>
To the upper layer and / or the lower layer, which is the recording layer according to the present invention, a print-out agent for obtaining a visible image immediately after heating by exposure, or a dye or pigment as an image colorant can be added.
A representative example of the printing-out agent is a combination of a compound that releases an acid by heating by exposure (photoacid releasing agent) and an organic dye that can form a salt. Specifically, combinations of o-naphthoquinonediazide-4-sulfonic acid halides and salt-forming organic dyes described in JP-A-50-36209 and JP-A-53-8128, 36223, 54-74728, 60-3626, 61-143748, 61-151644, and 63-58440, and trihalomethyl compounds and salt-forming organic dyes Can be mentioned. Such trihalomethyl compounds include oxazole-based compounds and triazine-based compounds, both of which have excellent temporal stability and give clear printout images.
[0093]
As the image colorant, other dyes can be used in addition to the aforementioned salt-forming organic dyes. Examples of suitable dyes including salt-forming organic dyes include oil-soluble dyes and basic dyes. Specifically, Oil Yellow # 101, Oil Yellow # 103, Oil Pink # 312, Oil Green BG, Oil Blue BOS, Oil Blue # 603, Oil Black BY, Oil Black BS, Oil Black T-505 (above Orient Chemical Industry) Co., Ltd.), Victoria Pure Blue, Crystal Violet Lactone, Crystal Violet (CI42555), Methyl Violet (CI42535), Ethyl Violet, Rhodamine B (CI145170B), Malachite Green (CI42000), Methylene Blue (CI522015), and the like. it can. The dyes described in JP-A-62-293247 are particularly preferred.
These dyes can be added in a proportion of 0.01 to 10% by mass, preferably 0.1 to 3% by mass, based on the total solid content of the lower layer or upper layer.
[0094]
<Plasticizer>
A plasticizer may be added to the upper layer and / or the lower layer, which is the recording layer according to the present invention, in order to impart flexibility and the like of the coating film. For example, butylphthalyl, polyethylene glycol, tributyl citrate, diethyl phthalate, dibutyl phthalate, dihexyl phthalate, dioctyl phthalate, tricresyl phosphate, tributyl phosphate, trioctyl phosphate, tetrahydrofurfuryl oleate, acrylic acid or methacrylic acid These oligomers and polymers are used.
These plasticizers can be added at a ratio of 0.5 to 10% by mass, preferably 1.0 to 5% by mass, based on the total solid content of the lower layer or the upper layer.
[0095]
<WAX agent>
In the upper layer according to the present invention, for the purpose of imparting resistance to scratches, a compound that reduces the static friction coefficient of the surface can be added. Specifically, US Pat. No. 6,117,913 or Japanese Patent Application Nos. 2001-261627, 2002-032904, and 2002-165854 previously proposed by the applicant of the present application. And compounds having an ester of a long-chain alkyl carboxylic acid as described in the above. The addition amount is preferably 0.1 to 10% by mass, more preferably 0.5 to 5% by mass in the upper layer.
[0096]
[Formation of recording layer]
The lower layer and the upper layer in the lithographic printing plate precursor according to the invention can be usually formed by dissolving the above components in a solvent and coating the solution on a suitable support.
Solvents used here include ethylene dichloride, cyclohexanone, methyl ethyl ketone, methanol, ethanol, propanol, ethylene glycol monomethyl ether, 1-methoxy-2-propanol, 2-methoxyethyl acetate, 1-methoxy-2-propyl acetate, dimethoxy Examples include ethane, methyl lactate, ethyl lactate, N, N-dimethylacetamide, N, N-dimethylformamide, tetramethylurea, N-methylpyrrolidone, dimethyl sulfoxide, sulfolane, γ-butyrolactone, and toluene. It is not limited. These solvents are used alone or in combination.
[0097]
In principle, the lower layer and the upper layer are preferably formed by separating two layers.
As a method for forming the two layers separately, for example, a method using a difference in solvent solubility between a component contained in the lower layer and a component contained in the upper layer, or after applying the upper layer, a solvent is rapidly used. For example, a method of drying and removing.
Hereinafter, although these methods are explained in full detail, the method of apply | coating two layers separately is not limited to these.
[0098]
As a method of utilizing the difference in solvent solubility between the component contained in the lower layer and the component contained in the upper layer, a solvent system in which any of the components contained in the lower layer is insoluble is used when the upper layer coating solution is applied. Is. Thereby, even if it carries out 2 layer application | coating, it becomes possible to isolate | separate each layer clearly and to make a coating film. For example, as the lower layer component, a component insoluble in a solvent such as methyl ethyl ketone or 1-methoxy-2-propanol that dissolves the alkali-soluble resin that is the upper layer component is selected, and the lower layer is applied using a solvent system that dissolves the lower layer component. -It is possible to form two layers by drying and then dissolving the upper layer component mainly composed of alkali-soluble resin with methyl ethyl ketone, 1-methoxy-2-propanol, etc., and applying and drying.
[0099]
Next, after applying the second layer (upper layer), as a method of drying the solvent very quickly, a method of blowing high-pressure air from a slit nozzle installed substantially perpendicular to the running direction of the web, heating with steam, etc. A method of giving thermal energy as conduction heat from the lower surface of the web from a roll (heating roll) supplied with the medium inside, or a combination of these methods can be mentioned.
[0100]
In addition, in order to impart a new function, the upper layer and the lower layer may be partly compatible in a range where the effects of the present invention are sufficiently exhibited. In this case, partial compatibility is possible by controlling the difference in solvent solubility, the drying rate of the solvent after coating the upper layer, and the like.
[0101]
The concentration of the above-described components (total solid content including additives) in the lower layer / upper layer coating solution to be coated on the support is preferably 1 to 50% by mass.
Various methods can be used as the coating method, and examples thereof include bar coater coating, spin coating, spray coating, curtain coating, dip coating, air knife coating, blade coating, and roll coating.
In particular, in order to prevent damage to the lower layer when the upper layer is applied, the upper layer application method is preferably a non-contact type. Further, although it is a contact type, it is possible to use bar coater coating as a method generally used for solvent-based coating, but it is desirable to perform coating by forward rotation in order to prevent damage to the lower layer.
[0102]
The coating amount after drying of the lower layer component coated on the support of the planographic printing plate precursor of the present invention is 0.5 to 4.0 g / m. 2 Preferably, it is in the range of 0.6 to 2.5 g / m. 2 Range. 0.5g / m 2 If it is less than the range, printing durability will be reduced, and 4.0 g / m. 2 Exceeding this is not preferable because the image reproducibility deteriorates and the sensitivity decreases.
The coating amount after drying the upper layer component is 0.05 to 1.0 g / m. 2 Is preferably in the range of 0.08 to 0.7 g / m. 2 Range. 0.05g / m 2 If it is less than 1.0 g / m, the development latitude and scratch resistance will be reduced. 2 Exceeding this is not preferable because the sensitivity decreases.
The coating amount after drying of the lower layer and the upper layer is 0.6 to 4.0 g / m. 2 Is preferably in the range of 0.7 to 2.5 g / m. 2 Range. 0.6 g / m 2 If it is less than the range, printing durability will be reduced, and 4.0 g / m. 2 Exceeding this is not preferable because the image reproducibility deteriorates and the sensitivity decreases.
[0103]
Next, the case where the planographic printing plate precursor of the present invention has a recording layer having a single layer structure will be described. The structure of the recording layer having a single layer structure is preferably the same as that of the upper layer of the recording layer having the multilayer structure except that the specific maleimide / nitrile resin is used as the main component of the alkali-soluble resin. That is, this recording layer contains a specific maleimide / nitrile resin, a development inhibitor, and an infrared absorber, and other optional components that are used in combination as long as the effects of the present invention are not impaired are the same as the upper layer. is there.
As described above, the content of the specific maleimide / nitrile resin in the total alkali-soluble resin contained in the single recording layer is preferably 5% by mass or more, and preferably 10% by mass or more. Is more preferable, and more preferably 50% by mass or more. The types of other alkali-soluble resins that can be used in combination are the same as described above.
The content of each component contained in the single recording layer is preferably about 50 to 90% by mass of the total alkali-soluble resin including the specific maleimide / nitrile resin in the total solid content. The solid content is preferably about 1 to 25% by mass, and more preferably about 3 to 15% by mass. In addition, the infrared absorber is preferably about 0.5 to 15% by mass, more preferably about 2 to 10% by mass in the total solid content.
[0104]
The coating amount after drying of the recording layer having a single layer structure is 0.7 to 4.0 g / m. 2 Preferably, it is in the range of 0.8 to 3.0 g / m. 2 Range. When the coating amount is small, the apparent sensitivity is improved, but the film property is lowered and the printing durability tends to be lowered.
[0105]
[Support]
The support used in the lithographic printing plate precursor according to the present invention is not particularly limited as long as it is a dimensionally stable plate having the required strength and durability. For example, paper, plastic (for example, Paper laminated with polyethylene, polypropylene, polystyrene, etc., metal plate (eg, aluminum, zinc, copper, etc.), plastic film (eg, cellulose diacetate, cellulose triacetate, cellulose propionate, cellulose butyrate, cellulose acetate butyrate, Cellulose nitrate, polyethylene terephthalate, polyethylene, polystyrene, polypropylene, polycarbonate, polyvinyl acetal, etc.), paper laminated with or vapor-deposited metal, or a plastic film.
[0106]
Among them, in the present invention, a polyester film or an aluminum plate is preferable, and among them, an aluminum plate that has good dimensional stability and is relatively inexpensive is particularly preferable. A suitable aluminum plate is a pure aluminum plate or an alloy plate containing aluminum as a main component and containing a trace amount of foreign elements, and may be a plastic film on which aluminum is laminated or vapor-deposited. Examples of foreign elements contained in the aluminum alloy include silicon, iron, manganese, copper, magnesium, chromium, zinc, bismuth, nickel, and titanium. The content of foreign elements in the alloy is at most 10% by mass.
[0107]
Particularly suitable aluminum in the present invention is pure aluminum, but completely pure aluminum is difficult to produce in the refining technique, and may contain slightly different elements.
Thus, the composition of the aluminum plate applied to the present invention is not specified, and an aluminum plate made of a publicly known material can be appropriately used. The thickness of the aluminum plate used in the present invention is about 0.1 mm to 0.6 mm, preferably 0.15 mm to 0.4 mm, and particularly preferably 0.2 mm to 0.3 mm.
[0108]
Such an aluminum plate may be subjected to surface treatment such as roughening treatment or anodizing treatment, if necessary. Hereinafter, such a surface treatment will be briefly described.
Prior to roughening the aluminum plate, a degreasing treatment with, for example, a surfactant, an organic solvent, or an alkaline aqueous solution for removing rolling oil on the surface is performed as desired. The surface roughening treatment of the aluminum plate is performed by various methods. For example, a method of mechanically roughening, a method of electrochemically dissolving and roughening a surface, and a method of selectively dissolving a surface chemically. This is done by the method of As the mechanical method, a known method such as a ball polishing method, a brush polishing method, a blast polishing method, or a buff polishing method can be used. Further, as an electrochemical surface roughening method, there is a method of performing alternating current or direct current in hydrochloric acid or nitric acid electrolyte. Further, as disclosed in JP-A-54-63902, a method in which both are combined can also be used.
The aluminum plate roughened as described above is subjected to an alkali etching treatment and neutralization treatment as necessary, and then subjected to an anodizing treatment if desired in order to enhance the water retention and wear resistance of the surface. As the electrolyte used for the anodizing treatment of the aluminum plate, various electrolytes that form a porous oxide film can be used. In general, sulfuric acid, phosphoric acid, oxalic acid, chromic acid, or a mixed acid thereof is used. The concentration of these electrolytes is appropriately determined depending on the type of electrolyte.
[0109]
The anodizing treatment conditions vary depending on the electrolyte used and cannot be specified in general, but in general, the electrolyte concentration is 1 to 80% by mass solution, the liquid temperature is 5 to 70 ° C., and the current density is 5 to 60 A / dm. 2 A voltage of 1 to 100 V and an electrolysis time of 10 seconds to 5 minutes are suitable. The amount of anodized film is 1.0 g / m 2 If it is less, the printing durability is insufficient, or the non-image part of the lithographic printing plate is easily scratched, and so-called “scratch stains” in which ink adheres to the scratched part during printing tend to occur.
After the anodizing treatment, the aluminum surface is subjected to a hydrophilic treatment if necessary.
[0110]
The hydrophilization treatment used in the present invention is disclosed in US Pat. Nos. 2,714,066, 3,181,461, 3,280,734 and 3,902,734. There are alkali metal silicate (such as aqueous sodium silicate) methods. In this method, the support is immersed in an aqueous sodium silicate solution or electrolytically treated. In addition, it is disclosed in potassium fluoride zirconate disclosed in Japanese Patent Publication No. 36-22063 and US Pat. Nos. 3,276,868, 4,153,461, and 4,689,272. A method of treating with polyvinylphosphonic acid is used.
[0111]
(Undercoat layer)
In the lithographic printing plate precursor according to the invention, an undercoat layer can be provided between the support and the recording layer, if necessary.
Various organic compounds are used as the primer layer component. For example, phosphonic acids having an amino group such as carboxymethylcellulose, dextrin, gum arabic, 2-aminoethylphosphonic acid, and phenylphosphonic acid which may have a substituent Organic phosphonic acids such as naphthyl phosphonic acid, alkyl phosphonic acid, glycero phosphonic acid, methylene diphosphonic acid and ethylene diphosphonic acid, phenyl phosphoric acid, naphthyl phosphoric acid, alkyl phosphoric acid and glycerophosphoric acid which may have a substituent Organic phosphoric acid, optionally substituted phenylphosphinic acid, naphthylphosphinic acid, alkylphosphinic acid, glycerophosphinic acid and other organic phosphinic acids, glycine and β-alanine amino acids, and triethanolamine hydrochloric acid Has a hydroxy group such as salt -Alanine, and hydrochlorides of amines that may be used in combination of two or more.
It is also preferred that the organic undercoat layer contains a compound having an onium group. The compounds having an onium group are described in detail in JP-A Nos. 2000-10292 and 2000-108538. At least one compound selected from the group of polymer compounds having a structural unit represented by other poly (p-vinylbenzoic acid) or the like in the molecule can be used. More specifically, a copolymer of p-vinylbenzoic acid and vinylbenzyltriethylammonium salt, a copolymer of p-vinylbenzoic acid and vinylbenzyltrimethylammonium chloride, and the like can be given.
[0112]
This organic undercoat layer can be provided by the following method. That is, a method in which water or an organic solvent such as methanol, ethanol, methyl ethyl ketone, or a mixed solvent thereof is dissolved and applied on an aluminum plate and dried, and water, methanol, ethanol, methyl ethyl ketone, etc. In this method, an organic undercoat layer is formed by immersing an aluminum plate in a solution obtained by dissolving the above organic compound in an organic solvent or a mixed solvent thereof to adsorb the compound, and then washing and drying with water or the like. . In the former method, a solution having a concentration of 0.005 to 10% by mass of the organic compound can be applied by various methods. In the latter method, the concentration of the solution is 0.01 to 20% by mass, preferably 0.05 to 5% by mass, the immersion temperature is 20 to 90 ° C., preferably 25 to 50 ° C., and the immersion time is 0.1 second to 20 minutes, preferably 2 seconds to 1 minute. The solution used for this can be adjusted to a pH range of 1 to 12 with basic substances such as ammonia, triethylamine, potassium hydroxide, and acidic substances such as hydrochloric acid and phosphoric acid. A yellow dye can also be added to improve the tone reproducibility of the image recording material.
The coverage of the organic undercoat layer is 2 to 200 mg / m 2 Is suitable, preferably 5 to 100 mg / m 2 It is. The coating amount is 2 mg / m 2 If it is less, sufficient printing durability cannot be obtained. 200 mg / m 2 It is the same even if it is larger.
The lithographic printing plate precursor produced as described above is imagewise exposed and then developed.
[0113]
(Back coat layer)
A back coat layer is provided on the back surface of the support of the lithographic printing plate precursor according to the invention, if necessary. Such a back coat layer comprises a metal oxide obtained by hydrolysis and polycondensation of an organic polymer compound described in JP-A-5-45885 and an organic or inorganic metal compound described in JP-A-6-35174. A coating layer is preferably used. Of these coating layers, Si (OCH 3 ) 4 , Si (OC 2 H 5 ) 4 , Si (OC 3 H 7 ) 4 , Si (OC 4 H 9 ) 4 A silicon alkoxy compound such as the above is inexpensive and readily available, and a metal oxide coating layer obtained therefrom is particularly preferable because of its excellent developer resistance.
[0114]
〔exposure〕
The actinic ray light source used for image exposure of the lithographic printing plate precursor according to the present invention is preferably a light source having an emission wavelength in the near infrared to infrared region, and a solid laser or a semiconductor laser is particularly preferred.
[0115]
[Development processing]
The developer that can be applied to the development processing of the lithographic printing plate precursor according to the invention is a developer having a pH in the range of 9.0 to 14.0, preferably in the range of 12.0 to 13.5. A conventionally known alkaline aqueous solution can be used as the developer (hereinafter referred to as developer including the replenisher). For example, sodium silicate, potassium, tribasic sodium phosphate, potassium, ammonium, dibasic sodium phosphate, potassium, ammonium, sodium carbonate, potassium, ammonium, sodium bicarbonate, potassium, Examples thereof include inorganic alkali salts such as ammonium, sodium borate, potassium, ammonium, sodium hydroxide, ammonium, potassium and lithium. Moreover, monomethylamine, dimethylamine, trimethylamine, monoethylamine, diethylamine, triethylamine, monoisopropylamine, diisopropylamine, triisopropylamine, n-butylamine, monoethanolamine, diethanolamine, triethanolamine, monoisopropanolamine, diisopropanolamine, Organic alkali agents such as ethyleneimine, ethylenediamine, and pyridine are listed. These alkaline aqueous solutions may be used individually by 1 type, and may use 2 or more types together.
[0116]
Among the alkaline aqueous solutions, one of the developers exhibiting the effect of the present invention contains one containing an alkali silicate as a base, or an alkali silicate mixed with a silicon compound in the base. The so-called “silicate developer” is an aqueous solution having a pH of 12 or more, and another more preferable developer does not contain an alkali silicate and contains a non-reducing sugar (an organic compound having a buffering action) and a base. “Non-silicate developer”.
[0117]
In the former, the aqueous solution of alkali metal silicate is silicon oxide SiO which is a component of silicate. 2 And alkali metal oxide M 2 O ratio (generally [SiO 2 ] / [M 2 The development property can be adjusted by adjusting the concentration and the concentration of O], for example, as disclosed in JP-A-54-62004. 2 / Na 2 The molar ratio of O is 1.0 to 1.5 (ie [SiO 2 ] / [Na 2 O] is 1.0 to 1.5), and SiO 2 An aqueous solution of sodium silicate having a content of 1 to 4% by mass, or as described in JP-B-57-7427, [SiO 2 2 ] / [M] is 0.5 to 0.75 (ie, [SiO 2 ] / [M 2 O] is 1.0 to 1.5), and SiO 2 An aqueous solution of an alkali metal silicate, wherein the concentration is from 1 to 4% by weight and the developer contains at least 20% potassium, based on gram atoms of all alkali metals present therein. Preferably used.
[0118]
A so-called “non-silicate developer” that does not contain an alkali silicate and contains a non-reducing sugar and a base is also preferable for application to the development of the lithographic printing plate precursor according to the invention. When the development processing of the lithographic printing plate precursor is performed using this developer, the surface of the recording layer is not deteriorated and the thickness of the recording layer can be maintained in a better state.
[0119]
The main component of the developer is preferably composed of at least one compound selected from non-reducing sugars and at least one base, and the pH of the solution is in the range of 9.0 to 13.5. Such non-reducing sugars are saccharides that do not have a free aldehyde group or ketone group and do not exhibit reducing properties, and are trehalose-type oligosaccharides in which reducing groups are bonded to each other, and glycosides in which a reducing group of saccharides and non-saccharides are bonded. It is classified into sugar alcohols reduced by hydrogenating the body and saccharides, and any of them is preferably used. Trehalose type oligosaccharides include saccharose and trehalose. Examples of glycosides include alkyl glycosides, phenol glycosides, mustard oil glycosides, and the like. Examples of the sugar alcohol include D, L-arabit, rebit, xylit, D, L-sorbit, D, L-mannit, D, L-exit, D, L-talit, zulsiit and allozulcit. Furthermore, maltitol obtained by hydrogenation of a disaccharide and a reduced form (reduced water candy) obtained by hydrogenation of an oligosaccharide are preferably used. Among these, sugar alcohol and saccharose are particularly preferred non-reducing sugars, and D-sorbite, saccharose, and reduced syrup are particularly preferred because they have a buffering action in an appropriate pH region and are inexpensive.
[0120]
These non-reducing sugars can be used alone or in combination of two or more thereof, and the proportion of the non-reducing sugar in the developer is preferably from 0.1 to 30% by mass, and more preferably from 1 to 20% by mass.
Below this range, a sufficient buffering effect cannot be obtained, and when the concentration is above this range, it is difficult to achieve high concentration, and the problem of increased costs arises. In addition, when reducing sugar is used in combination with a base, there is a problem that the color changes to brown over time, the pH gradually decreases, and thus developability decreases.
[0121]
A conventionally known alkaline agent can be used as the base to be combined with the non-reducing sugar. For example, sodium hydroxide, potassium hydroxide, lithium hydroxide, trisodium phosphate, tripotassium phosphate, triammonium phosphate, disodium phosphate, dipotassium phosphate, diammonium phosphate, sodium carbonate, potassium carbonate, Examples include inorganic alkali agents such as ammonium carbonate, sodium hydrogen carbonate, potassium hydrogen carbonate, ammonium hydrogen carbonate, sodium borate, potassium borate, and ammonium borate. Moreover, monomethylamine, dimethylamine, trimethylamine, monoethylamine, diethylamine, triethylamine, monoisopropylamine, diisopropylamine, triisopropylamine, n-butylamine, monoethanolamine, diethanolamine, triethanolamine, monoisopropanolamine, diisopropanolamine, Organic alkali agents such as ethyleneimine, ethylenediamine, and pyridine are also used.
[0122]
These alkali agents are used alone or in combination of two or more. Among these, sodium hydroxide and potassium hydroxide are preferable because the pH can be adjusted in a wide pH range by adjusting these amounts relative to the non-reducing sugar. Further, trisodium phosphate, tripotassium phosphate, sodium carbonate, potassium carbonate and the like are preferable because they have a buffering action.
These alkali agents are added so that the pH of the developer is in the range of 9.0 to 13.5, and the addition amount is determined by the desired pH, the type and addition amount of the non-reducing sugar, and more preferable pH. The range is 10.0 to 13.2.
[0123]
Further, an alkaline buffer composed of a weak acid other than sugars and a strong base can be used in combination with the developer. As the weak acid used as such a buffer, one having a dissociation constant (pKa) of 10.0 to 13.2 is preferable.
Such a weak acid is selected from those described in IONATION CONSTANTS OF ORGANIC ACIDS IN AQUEOUS SOLUTION published by Pergamon Press, for example, 2,2,3,3-tetrafluoropropanol-1 (PKa12.74) , Alcohols such as trifluoroethanol (12.37) and trichloroethanol (12.24), aldehydes such as pyridine-2-aldehyde (12.68) and pyridine-4-aldehyde (12.05) , Salicylic acid (13.0), 3-hydroxy-2-naphthoic acid (12.84), catechol (12.6), gallic acid (12.4), sulfosalicylic acid (11.7) 3,4-dihydroxysulfonic acid (12) 2), 3,4-dihydroxybenzoic acid (11.94), 1,2,4-trihydroxybenzene (11.82), hydroquinone (11.56), pyrogallol (11.34), o -Compounds having phenolic hydroxyl groups such as cresol (10.33), resorcinol (11.27), p-cresol (10.27), m-cresol (10.09), 2-butanone oxime ( 12.45), acetoxime (12.42), 1,2-cycloheptanedione dioxime (12.3), 2-hydroxybenzaldehyde oxime (12.10), dimethylglyoxime (11.9) ), Ethanediamide dioxime (11.37), oximes such as acetophenone oxime (11.35), adenosine (12.5 6) Nucleic acid-related substances such as inosine (12.5), guanine (12.3), cytosine (12.2), hypoxanthine (12.1), xanthine (11.9), etc. Diethylaminomethylphosphonic acid (12.32), 1-amino-3,3,3-trifluorobenzoic acid (12.29), isopropylidenediphosphonic acid (12.10), 1,1-ethylidene Diphosphonic acid (11.54), 1,1-ethylidene diphosphonic acid 1-hydroxy (11.52), benzimidazole (12.86), thiobenzamide (12.8), picoline thioamide (same as above) Weak acids such as 12.55) and barbituric acid (12.5).
[0124]
Of these weak acids, sulfosalicylic acid and salicylic acid are preferred. As the base to be combined with these weak acids, sodium hydroxide, ammonium, potassium and lithium are preferably used. These alkali agents are used alone or in combination of two or more. The above various alkali agents are used by adjusting the pH within a preferable range by the concentration and combination.
[0125]
Various surfactants and organic solvents can be added to the developer as needed for the purpose of promoting developability, dispersing development residue, and improving the ink affinity of the printing plate image area. Preferred surfactants include anionic, cationic, nonionic and amphoteric surfactants.
[0126]
Preferred examples of the surfactant include polyoxyethylene alkyl ethers, polyoxyethylene alkyl phenyl ethers, polyoxyethylene polystyryl phenyl ethers, polyoxyethylene polyoxypropylene alkyl ethers, glycerin fatty acid partial esters, sorbitan Fatty acid partial esters, pentaerythritol fatty acid partial esters, propylene glycol mono fatty acid esters, sucrose fatty acid partial esters, polyoxyethylene sorbitan fatty acid partial esters, polyoxyethylene sorbitol fatty acid partial esters, polyethylene glycol fatty acid esters, poly Glycerin fatty acid partial esters, polyoxyethylenated castor oil, polyoxyethylene glycerin fatty acid partial esters, fatty acids Nonionic surfactants such as ethanolamides, N, N-bis-2-hydroxyalkylamines, polyoxyethylene alkylamines, triethanolamine fatty acid esters, trialkylamine oxides, fatty acid salts, abietic acid salts, hydroxy Alkane sulfonates, alkane sulfonates, dialkyl sulfosuccinate esters, linear alkyl benzene sulfonates, branched alkyl benzene sulfonates, alkyl naphthalene sulfonates, alkylphenoxy polyoxyethylene propyl sulfonates, polyoxyethylene Alkyl sulfophenyl ether salts, N-methyl-N-oleyl taurine sodium salt, N-alkyl sulfosuccinic acid monoamide disodium salt, petroleum sulfonates, sulfated tallow oil Fatty acid alkyl ester sulfate ester salt, alkyl sulfate ester salt, polyoxyethylene alkyl ether sulfate ester salt, fatty acid monoglyceride sulfate ester salt, polyoxyethylene alkylphenyl ether sulfate ester salt, polyoxyethylene styryl phenyl ether sulfate ester salt, alkyl phosphorus Acid ester salts, polyoxyethylene alkyl ether phosphate ester salts, polyoxyethylene alkyl phenyl ether phosphate ester salts, partially saponified styrene / leic anhydride copolymers, and partial saponification of olefin / maleic anhydride copolymers Products, anionic surfactants such as naphthalenesulfonate formalin condensates, alkylamine salts, quaternary ammonium salts such as tetrabutylammonium bromide, Examples include cationic surfactants such as reoxyethylene alkylamine salts and polyethylene polyamine derivatives, and amphoteric surfactants such as carboxybetaines, aminocarboxylic acids, sulfobetaines, aminosulfuric esters, and imidazolines. Among the surfactants listed above, those having polyoxyethylene can be read as polyoxyalkylenes such as polyoxymethylene, polyoxypropylene and polyoxybutylene, and these surfactants are also included.
[0127]
A more preferred surfactant is a fluorosurfactant containing a perfluoroalkyl group in the molecule. Such fluorosurfactants include perfluoroalkyl carboxylates, perfluoroalkyl sulfonates, anionic types such as perfluoroalkyl phosphates, amphoteric types such as perfluoroalkyl betaines, and perfluoroalkyltrimethylammonium salts. Cationic and perfluoroalkylamine oxides, perfluoroalkyl ethylene oxide adducts, perfluoroalkyl group and hydrophilic group-containing oligomers, perfluoroalkyl group and lipophilic group-containing oligomers, perfluoroalkyl groups, hydrophilic groups and lipophilic groups Nonionic types such as group-containing oligomers, perfluoroalkyl groups, and lipophilic group-containing urethanes can be mentioned. The above surfactants can be used alone or in combination of two or more, and are added to the developer in a range of 0.001 to 10% by mass, more preferably 0.01 to 5% by mass.
[0128]
Various development stabilizers can be used in the developer. Preferred examples thereof include polyethylene glycol adducts of sugar alcohols described in JP-A-6-282079, tetraalkylammonium salts such as tetrabutylammonium hydroxide, phosphonium salts such as tetrabutylphosphonium bromide, and iodonium such as diphenyliodonium chloride. A salt is a preferred example. Further, anionic surfactants or amphoteric surfactants described in JP-A-50-51324, water-soluble cationic polymers described in JP-A-55-95946, and JP-A-56-142528 are described. And water-soluble amphoteric polymer electrolytes that have been used.
[0129]
Furthermore, an organic boron compound to which an alkylene glycol is added as described in JP-A-59-84241, a polyoxyethylene / polyoxypropylene block polymerization type water-soluble surfactant as described in JP-A-60-111246, An alkylenediamine compound substituted with polyoxyethylene / polyoxypropylene disclosed in JP-A-60-129750, a polyethylene glycol having a weight average molecular weight of 300 or more described in JP-A-61-215554, and a cation described in JP-A-63-175858 And a water-soluble ethylene oxide addition compound obtained by adding 4 mol or more of ethylene oxide to an acid or alcohol disclosed in JP-A-2-39157, a water-soluble polyalkylene compound, and the like.
[0130]
If necessary, an organic solvent is further added to the developer. As such an organic solvent, those having a solubility in water of about 10% by mass or less are suitable, and are preferably selected from those having 5% by mass or less. For example, 1-phenylethanol, 2-phenylethanol, 3-phenyl-1-propanol, 4-phenyl-1-butanol, 4-phenyl-2-butanol, 2-phenyl-1-butanol, 2-phenoxyethanol, 2- Benzyloxyethanol, o-methoxybenzyl alcohol, m-methoxybenzyl alcohol, p-methoxybenzyl alcohol, benzyl alcohol, cyclohexanol, 2-methylcyclohexanol, 3-methylcyclohexanol and 4-methylcyclohexanol, N-phenylethanol Examples thereof include amines and N-phenyldiethanolamine.
Content of the organic solvent is 0.1-5 mass% with respect to the total mass of a use liquid. The amount used is closely related to the amount of surfactant used, and it is preferable to increase the amount of surfactant as the amount of organic solvent increases. This is because the amount of the surfactant is small, and if the amount of the organic solvent is large, the organic solvent is not completely dissolved, and therefore it is impossible to expect good developability.
[0131]
A reducing agent can be further added to the developer. This prevents the printing plate from being stained. Preferable organic reducing agents include phenol compounds such as thiosalicylic acid, hydroquinone, metol, methoxyquinone, resorcin, and 2-methylresorcin, and amine compounds such as phenylenediamine and phenylhydrazine. More preferable inorganic reducing agents include sodium, potassium and ammonium salts of inorganic acids such as sulfurous acid, bisulfite, phosphorous acid, hydrogen phosphite, dihydrogen phosphite, thiosulfuric acid and dithionite. A salt etc. can be mentioned.
Among these reducing agents, sulfites are particularly excellent in the antifouling effect. These reducing agents are preferably contained in the range of 0.05 to 5% by mass with respect to the developing solution at the time of use.
[0132]
An organic carboxylic acid can also be added to the developer. Preferred organic carboxylic acids are aliphatic carboxylic acids and aromatic carboxylic acids having 6 to 20 carbon atoms. Specific examples of the aliphatic carboxylic acid include caproic acid, enanthylic acid, caprylic acid, lauric acid, myristic acid, palmitic acid and stearic acid, and particularly preferred are alkanoic acids having 8 to 12 carbon atoms. . Further, it may be an unsaturated fatty acid having a double bond in the carbon chain or a branched carbon chain. The aromatic carboxylic acid is a compound in which a carboxyl group is substituted on a benzene ring, naphthalene ring, anthracene ring or the like, and specifically includes o-chlorobenzoic acid, p-chlorobenzoic acid, o-hydroxybenzoic acid, p- Hydroxybenzoic acid, o-aminobenzoic acid, p-aminobenzoic acid, 2,4-dihydrobenzoic acid, 2,5-dihydroxybenzoic acid, 2,6-dihydroxybenzoic acid, 2,3-dihydroxybenzoic acid, 3, There are 5-dihydroxybenzoic acid, gallic acid, 1-hydroxy-2-naphthoic acid, 3-hydroxy-2-naphthoic acid, 2-hydroxy-1-naphthoic acid, 1-naphthoic acid, 2-naphthoic acid and the like. Naphthoic acid is particularly effective.
[0133]
The aliphatic and aromatic carboxylic acids are preferably used as sodium salts, potassium salts or ammonium salts in order to enhance water solubility. The content of the organic carboxylic acid in the developer used in the present invention is not particularly limited, but if it is less than 0.1% by mass, the effect is not sufficient, and if it is 10% by mass or more, the effect cannot be further improved. In addition, dissolution may be hindered when other additives are used in combination. Therefore, the preferable addition amount is 0.1 to 10% by mass, and more preferably 0.5 to 4% by mass with respect to the developing solution at the time of use.
[0134]
The developer may further contain a preservative, a colorant, a thickener, an antifoaming agent, a hard water softening agent, and the like, if necessary. Examples of water softeners include polyphosphoric acid and its sodium, potassium and ammonium salts, ethylenediaminetetraacetic acid, diethylenetriaminepentaacetic acid, triethylenetetraminehexaacetic acid, hydroxyethylethylenediaminetriacetic acid, nitrilotriacetic acid, 1,2-diaminocyclohexanetetra Aminopolycarboxylic acids such as acetic acid and 1,3-diamino-2-propanoltetraacetic acid and their sodium, potassium and ammonium salts, aminotri (methylenephosphonic acid), ethylenediaminetetra (methylenephosphonic acid), diethylenetriaminepenta (methylene Phosphonic acid), triethylenetetramine hexa (methylenephosphonic acid), hydroxyethylethylenediaminetri (methylenephosphonic acid) and 1-hydroxy-data-ene-1,1-diphosphonic acid and their sodium salts, potassium salts and ammonium salts.
[0135]
The optimum value of such a hard water softener varies depending on the chelation and the hardness of the hard water used and the amount of hard water. %, More preferably in the range of 0.01 to 0.5 mass%. If the addition amount is less than this range, the intended purpose is not sufficiently achieved. If the addition amount is more than this range, adverse effects on the image area such as color loss will occur. The remaining component of the developer is water. It is advantageous in terms of transportation that the developer is a concentrated solution having a water content less than that in use and is diluted with water when in use. In this case, the degree of concentration is appropriate such that each component does not cause separation or precipitation.
[0136]
The developer described in JP-A-6-282079 can also be used as the developer used in the present invention. This is SiO 2 / M 2 Water-soluble ethylene oxide addition obtained by adding 5 mol or more of ethylene oxide to an alkali metal silicate having a molar ratio of O (M represents an alkali metal) of 0.5 to 2.0 and a sugar alcohol having 4 or more hydroxyl groups A developer containing a compound. Sugar alcohols are polyhydric alcohols corresponding to those obtained by reducing aldehyde groups and ketone groups of sugars to form primary and secondary alcohol groups, respectively. Examples of sugar alcohol shells include D, L-trait, erythritol, D, L-arabit, rebit, xylit, D, L-sorbit, D, L-mannit, D, L-exit, D, Examples thereof include L-talit, dulcit, and allozulcit, and di-, tri-, tetra-, penta-, and hexaglycerin condensed with a sugar alcohol. The water-soluble ethylene oxide addition compound can be obtained by adding 5 mol or more of ethylene oxide to 1 mol of the sugar alcohol. Further, propylene oxide may be block-copolymerized in the ethylene oxide addition compound as required within a range where solubility is acceptable. These ethylene oxide addition compounds may be used alone or in combination of two or more.
0.001-5 mass% is suitable for the addition amount of these water-soluble ethylene oxide addition compounds with respect to a developing solution (use liquid), More preferably, it is 0.001-2 mass%.
[0137]
The developer may further contain the above-described various surfactants and organic solvents as necessary for the purpose of promoting developability, dispersing development residue, and improving the ink affinity of the printing plate image area.
[0138]
A lithographic printing plate precursor developed with a developer having such a composition is subjected to post-treatment with a washing water, a rinse solution containing a surfactant, a finisher mainly composed of gum arabic or starch derivatives, or a protective gum solution. The These treatments can be used in various combinations for the post-treatment of the lithographic printing plate precursor according to the invention.
[0139]
In recent years, automatic developing machines for PS plates have been widely used in the stencil and printing industries in order to rationalize and standardize plate making operations. This automatic developing machine is generally composed of a developing section and a post-processing section, and is composed of an apparatus for transporting the PS plate, each processing liquid tank and a spray device, and the exposed PS plate is pumped up while being transported horizontally. Each processing solution is sprayed from a spray nozzle to develop and post-process. In addition, recently, a PS plate is immersed and transported in a processing solution tank filled with a processing solution by a guide roll in the solution, and a small amount of washing water after development is supplied to the plate surface for washing. A method is also known in which the waste water is reused as dilution water for the developer stock solution.
[0140]
In such automatic processing, each processing solution can be processed while being replenished with each replenisher according to the processing amount, operating time, and the like. In addition, a so-called disposable processing method in which processing is performed with a substantially unused processing solution can also be applied.
[0141]
In the lithographic printing plate precursor according to the invention, image portions unnecessary for the lithographic printing plate obtained by image exposure, development, washing and / or rinsing and / or gumming (for example, film edge marks of the original film, etc.) ), Unnecessary image portions are erased. Such erasing is preferably performed by applying an erasing solution as described in, for example, Japanese Patent Publication No. 2-13293 to an unnecessary image portion, leaving it for a predetermined time, and then washing with water. As described in JP-A-59-174842, a method of developing after irradiating an unnecessary image portion with an actinic ray guided by an optical fiber can also be used.
[0142]
The lithographic printing plate obtained from the lithographic printing plate precursor of the present invention as described above can be subjected to a printing process after applying a desensitizing gum if desired, but lithographic printing with a higher printing durability. If you want to make a plate, you will be burned. In the case of burning a lithographic printing plate, before burning, an adjustment as described in JP-B-61-2518, JP-A-55-28062, JP-A-62-31859, JP-A-61-159655 is used. It is preferable to treat with a surface liquid.
As its method, with a sponge or absorbent cotton soaked with the surface-adjusting liquid, it is applied onto a lithographic printing plate, or a method in which the printing plate is immersed and applied in a vat filled with the surface-adjusting liquid, Application by an automatic coater is applied. Further, it is more preferable to make the coating amount uniform with a squeegee or a squeegee roller after coating.
[0143]
The coating amount of the surface conditioning liquid is generally 0.03 to 0.8 g / m. 2 (Dry mass) is appropriate. The lithographic printing plate coated with the surface-adjusting solution is dried if necessary, and then heated to a high temperature with a burning processor (for example, burning processor “BP-1300” sold by Fuji Photo Film Co., Ltd.). The In this case, the heating temperature and time are in the range of 180 to 300 ° C. and preferably in the range of 1 to 20 minutes, although depending on the type of components forming the image.
[0144]
The lithographic printing plate that has been burned can be subjected to conventional treatments such as washing and gumming as needed, but a surface-conditioning solution containing a water-soluble polymer compound is used. In such a case, a so-called desensitizing treatment such as gumming can be omitted. The planographic printing plate obtained by such processing is applied to an offset printing machine or the like and used for printing a large number of sheets.
[0145]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although this invention is demonstrated according to an Example, the scope of the present invention is not limited to these Examples.
[Synthesis of specific maleimide / nitrile resin]
<Synthesis Examples 1-4>
Under a nitrogen stream, 26.25 g of N-phenylmaleimide, 7.95 g of acrylonitrile, 10.65 g of acrylamide and 4.3 g of methacrylic acid were added to 133.1 g of 2-methoxyethanol, heated to 70 ° C., and then α, α′- 0.25 g of azobisisobutyronitrile was added and a polymerization reaction was carried out for 8 hours. Thus, a 2-methoxyethanol solution of the specific maleimide / nitrile resin (1), which is a copolymer of N-phenylmaleimide, acrylonitrile, acrylamide, and methacrylic acid used in the present invention, was obtained. The nonvolatile content of this solution was 24.8%.
Next, a 2-methoxyethanol solution of the specific maleimide / nitrile resins (2) to (4) according to the present invention was obtained in the same manner as described above except that the starting material was changed. The nonvolatile content of each solution was 24.5% for resin (2), 24.0% for resin (3), and 24.7% for resin (4).
Regarding the copolymerization ratio of the polymer thus obtained, this solution was reprecipitated and filtered in 1 L of water, and after removing moisture by vacuum drying, C 13 -Determined by NMR and acid titration. The structural units, the respective copolymerization ratios (mol%), and the molecular weights of the resins (1) to (4) are shown in Table 1 below.
[0146]
[Table 1]
[0147]
[Examples 1 to 4]
[Production of support]
<Aluminum plate>
Si: 0.06 mass%, Fe: 0.30 mass%, Cu: 0.025 mass%, Mn: 0.001 mass%, Mg: 0.001 mass%, Zn: 0.001 mass%, Ti: Containing 0.03% by mass, the balance is prepared using Al and an inevitable impurity aluminum alloy, and after performing the molten metal treatment and filtration, an ingot having a thickness of 500 mm and a width of 1200 mm is obtained by a DC casting method. Produced. After the surface was shaved with a chamfering machine with an average thickness of 10 mm, it was kept soaked at 550 ° C. for about 5 hours, and when the temperature dropped to 400 ° C., rolling with a thickness of 2.7 mm using a hot rolling mill A board was used. Furthermore, after performing heat processing using a continuous annealing machine at 500 degreeC, it finished by cold rolling to 0.24 mm in thickness, and obtained the aluminum plate of JIS1050 material. The obtained aluminum had an average crystal grain size with a minor axis of 50 μm and a major axis of 300 μm. After making this aluminum plate width 1030mm, it used for the surface treatment shown below.
[0148]
<Surface treatment>
In the surface treatment, the following various treatments (a) to (k) were continuously performed. In addition, after each process and water washing, the liquid draining was performed with the nip roller.
(A) Mechanical roughening treatment
Using an apparatus as shown in FIG. 1, a roller-type nylon brush rotating while supplying a suspension of a polishing agent (pumice) having a specific gravity of 1.12 and water as a polishing slurry to the surface of the aluminum plate. Mechanical roughening treatment was performed. In FIG. 1, 1 is an aluminum plate, 2 and 4 are roller brushes, 3 is a polishing slurry, and 5, 6, 7 and 8 are support rollers. The average particle size of the abrasive was 30 μm, and the maximum particle size was 100 μm. The material of the nylon brush was 6 · 10 nylon, the hair length was 45 mm, and the hair diameter was 0.3 mm. The nylon brush was planted so as to be dense by making a hole in a stainless steel tube having a diameter of 300 mm. Three rotating brushes were used. The distance between the two support rollers (φ200 mm) at the bottom of the brush was 300 mm. The brush roller was pressed until the load of the drive motor for rotating the brush became 7 kW plus with respect to the load before the brush roller was pressed against the aluminum plate. The rotating direction of the brush was the same as the moving direction of the aluminum plate. The rotation speed of the brush was 200 rpm.
[0149]
(B) Alkali etching treatment
The aluminum plate obtained above was subjected to an etching process by spraying using an aqueous solution having a caustic soda concentration of 2.6 mass%, an aluminum ion concentration of 6.5 mass%, and a temperature of 70 ° C. 2 Dissolved. Then, water washing by spraying was performed.
[0150]
(C) Desmut treatment
A desmut treatment was performed by spraying with a 1% by weight aqueous solution of nitric acid at a temperature of 30 ° C. (containing 0.5% by weight of aluminum ions), and then washed with water by spraying. The nitric acid aqueous solution used for the desmut treatment was a waste liquid from a process of performing an electrochemical surface roughening treatment using alternating current in a nitric acid aqueous solution.
[0151]
(D) Electrochemical roughening treatment
An electrochemical surface roughening treatment was continuously performed using an alternating voltage of 60 Hz. The electrolytic solution at this time was a 10.5 g / L aqueous solution of nitric acid (containing 5 g / L of aluminum ions and 0.007% by mass of ammonium ions) at a liquid temperature of 50 ° C. The AC power supply waveform is the waveform shown in FIG. 2, the time TP until the current value reaches the peak from zero is 0.8 msec, the duty ratio is 1: 1, a trapezoidal rectangular wave AC is used with the carbon electrode as the counter electrode An electrochemical roughening treatment was performed. Ferrite was used for the auxiliary anode. The electrolytic cell used was the one shown in FIG.
The current density is 30 A / dm at the peak current value. 2 The amount of electricity is 220 C / dm as the total amount of electricity when the aluminum plate is the anode 2 Met. 5% of the current flowing from the power source was shunted to the auxiliary anode. Then, water washing by spraying was performed.
[0152]
(E) Alkali etching treatment
The aluminum plate was spray-etched at 32 ° C. using an aqueous solution having a caustic soda concentration of 26 mass% and an aluminum ion concentration of 6.5 mass%, and the aluminum plate was 0.50 g / m. 2 Dissolve and remove the smut component mainly composed of aluminum hydroxide that was generated when the electrochemical roughening treatment was performed using the alternating current of the previous stage, and the edge portion of the generated pit was dissolved Made smooth. Then, water washing by spraying was performed.
[0153]
(F) Desmut treatment
The desmutting treatment was performed by spraying with a 15% by weight aqueous solution of nitric acid at a temperature of 30 ° C. (containing 4.5% by weight of aluminum ions), and then washed with water by spraying. The nitric acid aqueous solution used in the desmut was the waste liquid from the step of electrochemical surface roughening using alternating current in the nitric acid aqueous solution.
[0154]
(G) Electrochemical roughening treatment
An electrochemical surface roughening treatment was continuously performed using an alternating voltage of 60 Hz. The electrolytic solution at this time was a hydrochloric acid 5.0 g / L aqueous solution (containing 5 g / L of aluminum ions) at a temperature of 35 ° C. The AC power supply waveform is the waveform shown in FIG. 2. The time TP until the current value reaches the peak from zero is 0.8 msec, the duty ratio is 1: 1, and the trapezoidal square wave AC is used to connect the carbon electrode. Electrochemical roughening treatment was performed as a counter electrode. Ferrite was used for the auxiliary anode. The electrolytic cell used was the one shown in FIG.
The current density is 25 A / dm at the peak current value. 2 The amount of electricity is 50 C / dm as the total amount of electricity when the aluminum plate is the anode 2 Met. Then, water washing by spraying was performed.
[0155]
(H) Alkali etching treatment
The aluminum plate was subjected to an etching treatment at 32 ° C. using an aqueous solution having a caustic soda concentration of 26 mass% and an aluminum ion concentration of 6.5 mass%, and the aluminum plate was subjected to 0.10 g / m. 2 Dissolve and remove the smut component mainly composed of aluminum hydroxide that was generated when the electrochemical roughening treatment was performed using the alternating current of the previous stage, and the edge portion of the generated pit was dissolved Made smooth. Then, water washing by spraying was performed.
[0156]
(I) Desmut treatment
A desmutting treatment was performed by spraying with a 25% by weight aqueous solution of sulfuric acid having a temperature of 60 ° C. (containing 0.5% by weight of aluminum ions), and then washing with water by spraying.
[0157]
(J) Anodizing treatment
Anodization is performed using the anodizing apparatus having the structure shown in FIG. 4 (first and second electrolysis section lengths of 6 m, first and second feed section lengths of 3 m, first and second feed section lengths of 2.4 m). It was. Sulfuric acid was used as the electrolytic solution supplied to the first and second electrolysis units. All electrolytes had a sulfuric acid concentration of 50 g / L (containing 0.5 mass% of aluminum ions) and a temperature of 20 ° C. Then, water washing by spraying was performed.
In the anodizing device, the current from the power supply 67a and the power supply 67b flows to the first power supply electrode 65a provided in the first power supply section 62a, flows to the aluminum plate 11 through the electrolytic solution, and the first electrolysis section 63a. Then, an anodized film is generated on the surface of the aluminum plate 11, passes through the electrolytic electrodes 66a and 66b provided in the first electrolysis part 63a, and returns to the electrodes 67a and 67b.
The amount of electricity fed from the power sources 67a and 67b to the first feeding unit 62a is equal to the amount of electricity fed from the power sources 67c and 67d to the second feeding unit 62b, and the first electrolysis unit 63a and the second electrolysis unit Both current densities at 63b are about 30 A / dm 2 Met. In the 2nd electric power feeding part 62b, 1.35 g / m produced | generated by the 1st electrolysis part 63a. 2 Power is supplied through the oxide film surface. The final oxide film amount is 2.7 g / m 2 Met.
[0158]
(K) Alkali metal silicate treatment
The aluminum support obtained by the anodizing treatment is immersed in a treatment tank of 1 mass% aqueous solution of sodium silicate No. 3 at a temperature of 30 ° C. for 10 seconds for alkali metal silicate treatment (silicate treatment). It was. Thereafter, washing with water using well water was performed to obtain a support subjected to a surface silicate hydrophilization treatment. On the aluminum support after the alkali metal silicate treatment obtained as described above, an undercoat solution having the following composition was applied and dried at 80 ° C. for 15 seconds to form a coating film. The coating amount after drying is 15 mg / m 2 Met.
[0159]
<Undercoat liquid composition>
・ The following compound 0.3g
・ Methanol 100g
・ Water 1g
[0160]
[Chemical 6]
[0161]
[Formation of recording layer (multilayer)]
The coating amount of the lower layer coating liquid 1 having the following composition is 0.85 g / m on the obtained web-like substrate 2 After coating with a bar coater, the coating was dried at 160 ° C. for 44 seconds and immediately cooled with cold air of 17 to 20 ° C. until the temperature of the support became 35 ° C.
Thereafter, the upper layer coating liquid 1 having the following composition was applied in an amount of 0.22 g / m. 2 After coating with a bar coater, it was dried at 148 ° C. for 25 seconds, and further slowly cooled with air at 20 to 26 ° C. to prepare a lithographic printing plate precursor of Example 1.
[0162]
[0163]
[Chemical 7]
[0164]
[0165]
[Chemical 8]
[0166]
[Comparative Example 1]
A lithographic printing plate precursor of Comparative Example 1 was prepared in the same manner as in Example 1 except that the lower layer coating solution 1 in Example 1 was changed to a lower layer coating solution 2 having the following composition containing no specific maleimide / nitrile resin. .
[0167]
[0168]
[Comparative Example 2]
A lithographic printing plate precursor of Comparative Example 2 was prepared in the same manner as in Example 1 except that the lower layer coating solution 1 in Example 1 was changed to the lower layer coating solution 3 having the following composition not containing a specific maleimide / nitrile resin. .
[0169]
[0170]
[Evaluation of planographic printing plate precursor]
(Evaluation of printing durability)
The exposure energy was changed for the lithographic printing plate precursors of Examples 1 to 4 and the lithographic printing plate precursors of Comparative Examples 1 and 2 with a Trend setter manufactured by Creo, and a test pattern was drawn in an image form. Thereafter, development was performed at a developing temperature of 30 ° C. using a PS processor LP940H manufactured by Fuji Photo Film Co., Ltd. charged with a developer DT-2 manufactured by Fuji Photo Film Co., Ltd. (diluted to a conductivity of 43 mS / cm). Development was performed in 12 seconds. This was continuously printed using a printer Lithron manufactured by Komori Corporation. At this time, the number of sheets that can be printed while maintaining a sufficient ink density was measured visually to evaluate the printing durability. The larger the number, the better the printing durability. The results are shown in Table 2 below.
[0171]
(Evaluation of chemical resistance)
The lithographic printing plate precursors of Examples 1 to 4 and the lithographic printing plate precursors of Comparative Examples 1 and 2 were exposed, developed and printed in the same manner as in the evaluation of printing durability. At this time, every time 5,000 sheets were printed, a process of wiping the plate surface with a cleaner (manufactured by Fuji Photo Film Co., Ltd., multi-cleaner) was added to evaluate chemical resistance. The larger the number, the better the chemical resistance. The results are shown in Table 2 below.
[0172]
[Table 2]
[0173]
As is apparent from Table 2, the lithographic printing plate precursors of Examples 1 to 4 using the specific maleimide / nitrile resin according to the present invention as a lower layer component are excellent in printing durability and chemical resistance. Was confirmed.
On the other hand, among the specific maleimide / nitrile resins according to the present invention, the lithographic printing plate precursor of Comparative Example 1 which did not use a monomer having a nitrile group was inferior in both printing durability and chemical resistance compared to the examples. It was. Further, the lithographic printing plate precursor of Comparative Example 2 using novolak resin instead of the specific maleimide / nitrile resin is remarkably improved in printing durability and chemical resistance as compared with Examples 1-4 and Comparative Example 2. It was confirmed that it was inferior.
[0174]
[Examples 5 to 8]
[Production of support]
An aluminum plate (material: JIS A 1050) having a thickness of 0.3 mm is etched for 10 seconds at a caustic soda concentration of 30 g / l, an aluminum ion concentration of 10 g / l, a liquid temperature of 60 ° C., washed with running water, and washed with 10 g / l nitric acid. After neutralizing and washing with water. 500 C / dm in an aqueous solution having a hydrogen chloride concentration of 15 g / l, an aluminum ion concentration of 10 g / l, and a liquid temperature of 30 ° C. using a sinusoidal alternating waveform current under the condition of applied voltage Va = 20V. 2 After performing an electrochemical surface roughening treatment with an amount of electricity and washing with water, an etching treatment was carried out for 10 seconds at a caustic soda concentration of 30 g / l, an aluminum ion concentration of 10 g / l, and a liquid temperature of 40 ° C., followed by washing with running water. Next, it was desmutted in a sulfuric acid aqueous solution having a sulfuric acid concentration of 15% by mass and a liquid temperature of 30 ° C., and washed with water. Furthermore, in a 10% by mass sulfuric acid aqueous solution with a liquid temperature of 20 ° C., a current density of 6 A / dm at a direct current. 2 The amount of anodized film is 2.5 g / m under the conditions of 2 It was anodized so as to correspond, washed with water and dried. Then, it processed for 10 second at 30 degreeC with 2.5 mass% sodium silicate aqueous solution, and produced the board | substrate. The centerline average roughness (Ra) of the substrate was measured using a needle having a diameter of 2 μm and found to be 0.48 μm. On the silicate-treated aluminum substrate obtained as described above, an undercoat solution having the following composition was applied and dried at 80 ° C. for 15 seconds to form a coating film. The coating amount after drying is 17 mg / m 2 Met.
[0175]
<Undercoat liquid composition>
・ The following compound 0.3g
・ Methanol 100g
・ Water 1g
[0176]
[Chemical 9]
[0177]
[Formation of recording layer]
On the support obtained above, the recording layer (single layer) coating liquid 1 having the following composition was applied in an amount of 1.8 g / m. 2 The recording layer was formed by coating and drying to obtain lithographic printing plate precursors of Examples 5 to 8.
[0178]
[0179]
[Comparative Example 3]
[Formation of recording layer]
The coating amount of 1.8 g / m of the coating solution 2 for recording layer (single layer) having the following composition was applied to an undercoated support similar to Example 1. 2 The recording layer was formed by coating and drying to obtain a lithographic printing plate precursor of Comparative Example 3.
[0180]
[0181]
[Comparative Example 4]
The coating amount of 1.8 g / m of the coating solution 3 for the recording layer (single layer) having the following composition was applied to an undercoated support similar to that in Example 1. 2 The recording layer was formed by coating and drying to obtain a lithographic printing plate precursor of Comparative Example 4.
[0182]
[0183]
[Evaluation of lithographic printing plate precursor (printing durability and chemical resistance)]
The lithographic printing plate precursors of Examples 5 to 8 and Comparative Examples 3 and 4 were exposed, developed and printed in the same manner as in Example 1. In the same manner, printing durability and chemical resistance were evaluated. The results are shown in Table 3 below.
[0184]
[Table 3]
[0185]
As can be seen from Table 3, it was confirmed that the lithographic printing plate precursors of Examples 5 to 8 were excellent in printing durability and chemical resistance.
On the other hand, among the specific maleimide / nitrile resins according to the present invention, the lithographic printing plate precursor of Comparative Example 3 which did not use a monomer having a nitrile group was inferior in both printing durability and chemical resistance compared to the examples. It was. Further, the lithographic printing plate precursor of Comparative Example 4 using novolak resin instead of the specific maleimide / nitrile resin is remarkably improved in printing durability and chemical resistance as compared with Examples 5 to 8 and Comparative Example 3. It was confirmed that it was inferior.
Therefore, the specific maleimide / nitrile resin according to the present invention has excellent printing durability even when it is used as a recording layer component having a single layer structure, as in the case of being used as a lower layer component of a recording layer having a multilayer structure. It was found that chemical resistance was developed.
[0186]
Example 9
In the production of the support of Example 1, the same undercoating and recording layers (lower layer / upper layer) as those of Example 1 were provided except that the silicate treatment was not performed after the anodic oxidation treatment. A printing plate precursor was prepared.
[0187]
(Evaluation of printing durability and chemical resistance)
The resulting lithographic printing plate precursor was exposed in the same manner as in Example 1 and developed using a PS processor LP940H manufactured by Fuji Photo Film Co., Ltd., charged with the following alkaline developer A, and the development temperature was kept at 28 ° C. Development was performed in 25 seconds. Thereafter, printing durability and chemical resistance were evaluated in the same manner as in Example 1.
As a result, the printing durability was 200,000 sheets and the chemical resistance was 180,000 sheets. The same number of printed sheets as in Example 1 was obtained. Thus, the lithographic printing plate precursor using the substrate not subjected to the hydrophilization treatment with the silicate was treated with the silicate developer as in Example 1 in which the lithographic printing plate precursor using the silicate-treated substrate was developed with a non-silicate developer. In developed Example 9, it was confirmed that excellent printing durability and chemical resistance were obtained.
[0188]
<Alkali developer A composition>
・ SiO 2 ・ K 2 O (K 2 O / SiO 2 = 1/1 (molar ratio)) 4.0% by mass
・ Citric acid 0.5% by mass
・ Polyethylene glycol modified sorbitol 1.0% by mass
(Average 30 unit adduct)
・ Water 50.0 mass%
[0189]
Example 10
The planographic printing plate precursor of Example 10 is the same as Example 5 except that the recording layer (single layer) coating solution 1 used in Example 5 is changed to a recording layer (single layer) coating solution 4 having the following composition. Got.
[0190]
[0191]
The resulting lithographic printing plate precursor of Example 10 was exposed, developed and printed in the same manner as in Example 5. Furthermore, the same evaluation as in Example 5 was performed. The results were 150,000 sheets with printing durability and 140,000 sheets with chemical resistance, and a lithographic printing plate precursor having excellent printing resistance and chemical resistance could be obtained.
[0192]
【The invention's effect】
According to the present invention, a positive lithographic printing plate precursor which can be directly made by scanning exposure based on a digital signal and has excellent printing durability and chemical resistance can be obtained.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic configuration diagram showing an example of a mechanical surface roughening apparatus used for producing a support for a lithographic printing plate precursor according to the present invention.
FIG. 2 is a graph showing an example of an alternating waveform current waveform diagram used for electrochemical roughening used for producing a lithographic printing plate precursor support according to the present invention.
FIG. 3 is a schematic configuration diagram of an apparatus in which two or more radial drum rollers used for electrochemical surface roughening used for producing a support for a lithographic printing plate precursor according to the present invention are connected.
FIG. 4 is a schematic view of an electrolytic treatment apparatus in a two-stage power feeding electrolytic method applicable to the production of a lithographic printing plate precursor support according to the present invention.
[Explanation of symbols]
1 Aluminum plate
2,4 Roller brush
3 Polishing slurry
5, 6, 7, 8 Support rollers
11 Aluminum web
12 Radial drum roller
13a, 13b Main pole
14 Electrolytic treatment liquid
15a, 15b Electrolyte supply port
16 slits
17 Electrolyte passage
18 Auxiliary anode
19a, 19b Thyristor
20 AC power supply
40, 41 Main electrolytic cell
50, 51 Auxiliary anode tank
62a First feeding part
62b Second feeding part
63a First electrolysis part
63b Second electrolysis unit
64a, 64b support rollers
65a First feeding electrode
65b Second feeding electrode
66a, 66b, 66c, 66d Electrolytic electrode
67a, 67b, 67c, 67d Power supply