JP4161777B2 - フロアパネル、及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フロアパネル及びその製造方法に関する発明である。
【0002】
【従来の技術】
従来からオフィスなどには、図17のように建物の床下地上に立設した支持脚20上に床材となるフロアパネル10を敷設し、建物の床下地27とフロアパネル10との間に形成させた床下空間Sを配線収納空間として使用できるようにした二重床施工を施すことが行われている。この二重床施工に用いるフロアパネル10には、従来から様々なものが提案されているが、たとえば図18に示すものがある(たとえば、特許文献1参照)。このフロアパネル10は、矩形板状の主体をコンクリート1で構成し、このコンクリート1の内部に、端縁部である四辺に沿わせるように直棒鉄筋であるバー材2を、また対向する2辺の中央部分同士に架け渡すように直棒鉄筋であるバー材2を、またコンクリート1全体に亙るようにメッシュ材3をそれぞれ埋設して構成されている。このフロアパネル10では、コンクリート1及びバー材2やメッシュ材3の相乗効果で、いわゆる鉄筋コンクリート状の構成にして優れた耐荷重性を備えるようにしている。
【0003】
【特許文献1】
特公平2−59900号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記フロアパネル10では、コンクリート1内に配設されたバー材2やメッシュ材3が各部材間で相互に支え合う構造を有しておらず、フロアパネル10の強度向上が充分に図られたものではなかった。また、このフロアパネル10ではバー材2やメッシュ材3を別個にコンクリート1内に配設させて製造していることから、その製造性も悪いといった問題がある。
【0005】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、フロアパネルの強度やフロアパネルの製造性を高めると共に、フロアパネルのコスト低廉化や薄型化や軽量化をも図ることができるフロアパネルを提供することを課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係るフロアパネルは、コンクリート1内に鉄筋等のバー材2及び金網等のメッシュ材3を埋設して形成されるフロアパネル10において、前記コンクリート1は、補強繊維を含む材料から形成される第1層と、この第1層に対してパネル表面側に積層され且つ補強繊維を含まないで形成された第2層とを有し、前記バー材2とメッシュ材3とは一体的に形成した上でコンクリート1の第1層内に埋設したことを特徴としている。これによると、一体的に形成したバー材2とメッシュ材3とでフロアパネル10の強度を有効に向上できる。そのため、コンクリート1の厚みを薄くできてフロアパネル10のコスト低廉化、薄型化及び軽量化を図ることができる。また、バー材2とメッシュ材3のコンクリート1内への配設作業も一体化したバー材2とメッシュ材3を1回の配設作業にて行わせることができて製造性も向上できる。また、補強繊維を含む第1層のコンクリート1にてフロアパネル10の耐荷重性能を向上させることができると共に、補強繊維を含まない第2層のコンクリート1にてフロアパネル10の表面平滑性を向上させることができる。
【0007】
また、前記メッシュ材3はその周縁部を折り曲げたことも好ましく、これによると、メッシュ材3の周縁部にリブ効果を持たせることができ、メッシュ材3の剛性を高め、フロアパネル10の強度向上を図ることができる。また、周縁部を引っ掛けてメッシュ材3をバー材2上に位置決めして載置できる。また、メッシュ材3をパネル表面近傍のコンクリート1内に埋設させ、バー材2をパネル裏面近傍のコンクリート1内に埋設させる場合など、メッシュ材3とバー材2との距離が大きい場合にもメッシュ材3とバー材2との一体化を可能にできる。
【0008】
また、前記バー材2とメッシュ材3とは、溶接により一体的に形成したことも好ましく、これによると、溶接によって一体化させたバー材2とメッシュ材3とは1つの剛体物とでき、一体化したバー材2とメッシュ材3との耐荷重性能を大幅に向上させることができる。
【0009】
また、前記バー材2とメッシュ材3とは、メッシュ材3がバー材2を抱え込むようにして一体的に形成したことも好ましく、これによると、メッシュ材3とバー材2との一体性を高める構造にできる。
【0011】
また、前記コンクリート1は、導電性を有する被覆を少なくとも表面に施し、表面側から裏面側に通じる導電部材を埋設したことも好ましく、これによると、導電性を有する被覆にてフロアパネル10の表面に導電構造を備えることができ、加えて、フロアパネル10の表面側から裏面側に埋設した導電部材にてフロアパネル10の表面から裏面側に電気を流し得る導電構造を備えることができ、つまり、フロアパネル10に静電気除去機能を付与できる。
【0012】
また、前記コンクリート1は、第1層と、第1層に対してパネル表面側に積層され且つ導電性フィラーを配合して形成される第2層とを有すると共に、表面側から裏面側に通じる導電部材を埋設したことも好ましく、これによると、フロアパネル10の表面側を構成する第2層のコンクリート1に導電性を備えることができ、加えてフロアパネル10の表面側から裏面側に埋設した導電部材にてフロアパネル10の表面から裏面側に電気を流し得る導電構造を備えることができ、フロアパネル10に静電気除去機能を付与できる。
【0013】
また、フロアパネル10を載置支持する支持脚20の上面に、フロアパネル10と支持脚20との間に介装させる緩衝材26を設け、この緩衝材26に導電性を持たせたことも好ましく、これによると、フロアパネル10を支持脚20上に載設したときに緩衝材26によって床鳴りを防止できることに加え、フロアパネル10に流れた電気が導電性を有する緩衝材26に至ると、緩衝材26を通って支持脚20、床下地27に上記電気を流すことができ、支持脚20を介して床下地27上に配設したフロアパネル10に静電気除去機能を付与できる。
【0014】
また、前記バー材2は、配線器具の取付予定位置を回避した状態に配設したことも好ましく、これによると、配線器具の配設施工の折に、切断しにくいバー材2を切断して配線器具の取付位置を確保することを無くすことができる。
【0015】
また、前記コンクリート1は、所定の条件を満たす材料を有して形成したことも好ましく、これによると、たとえばコンクリート1の骨材の粒径によってはメッシュ材3の網目通過性を向上できたり、研磨時のチッピングを防止して表面平滑性を確保できたり、対セメント比を小さくしてコンクリート1の強度向上を図ることができる。また、コンクリート1に補強繊維を含有させてコンクリート1の強度向上を図ることもできる。
【0016】
また、前記コンクリート1は、少なくともその表面を所定の被覆材で被覆したことも好ましく、これによると、たとえば被覆材をHPLパネル16aや鋼板16bや塗装膜16cや化粧シート16dなどで構成すると、フロアパネル10の表面の割れ、欠けを防止できたり意匠性の向上を図ることができる。
【0018】
また、コンクリート1内に鉄筋等のバー材2及び金網等のメッシュ材3を埋設して形成されるフロアパネルの製造方法において、前記コンクリート1は、補強繊維を含む材料から形成される第1層と、この第1層に対してパネル表面側に積層され且つ補強繊維を含まないで形成された第2層とを有し、成形型枠内に第1層のコンクリート材を充填し、次いで一体に形成されたバー材2とメッシュ材3とを第1層のコンクリート材の内部に配設し、次いで第2層のコンクリート材を成形型枠内に充填したことも好ましく、これによると、バー材2とメッシュ材3とを成形型枠内のコンクリート材に配置する作業を、予め一体化したバー材2とメッシュ材3を1回の配設作業で行わせることができ、製造性の向上を図ることができる。また、一体物のコンクリート1でありながら、第1層のコンクリートを耐荷重性が大きいものを使用し、第2層のコンクリートを研磨時の表面平滑性を備えるものを使用して、強度が強くて高い意匠性を有するフロアパネル10にできる。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明のフロアパネル10は、図1のように、主体をコンクリート1で形成すると共に、このコンクリート1内にバー材2とメッシュ材3とを一体化してなるフレーム体4を埋設して構成されるものであり、高強度化、軽量化、薄型化を図って、たとえば厳しい製造基準である国際規格のMOB規格にも合致し得るようなフロアパネル10を提供できるようにしたことに発明の主旨がある。
【0020】
上記フレーム体4を構成するバー材2は、4本の端部用のバー材2aを矩形枠状に配設して一体に枠組みし、この4本の端部用のバー材2aの間に複数本の架設用のバー材2bを一体に架け渡して形成される骨組み体の鉄筋体5を形成する。たとえば、図2(a)の鉄筋体5は、4本の端部用のバー材2aのうち、対向位置にある端部用のバー材2aの長さ方向の中央部位間に架設用のバー材2bをそれぞれ架け渡し、この架設用のバー材2bの長さ方向中央部位で互いに直交させるようにして形成された上面視田字状の骨組み体である。また、図2(b)の鉄筋体5は、対向位置にある端部用のバー材2aの長さ方向の対向位置間に2本の架設用のバー材2bを並べて架け渡して形成された上面視目字状の骨組み体である。また、図2(c)の鉄筋体5は、一対の対向位置にある端部用のバー材2aの対向位置間に複数(2本)の架設用のバー材2bを架け渡し、各架設用のバー材2b同士をその長手方向の適所で直交させるようにして形成された上面視格子状の骨組み体である。また、図4(c)の鉄筋体5は、複数本のバー材2のうち長手方向が同じ向きのバー材2同士をグループ化し、2種のグループ化したバー材2同士を高さレベルを違えて積層配置して鉄筋体5を形成した骨組み体である。いずれの鉄筋体5を採用してフレーム体4を形成させてもよいが、フロアパネル10におけるコンセントなどの配線器具の配設予定位置をバー材2が通らないような鉄筋体5を採用すると、配線器具の配設施工におけるフロアパネル10の切断時に、バー材2を切断しないで済み、施工の容易性を得ることができる。一般的に配線器具はパネル中央部分に配設されるので、たとえば図2(b)(c)のようにパネル中央部分を回避した鉄筋体5を採用するのがよい。なお、本例ではフロアパネル10の外形寸法を599.5×599.5mmに設定してあり、バー材2には、JIS G 3112 準拠SD295A D10号またはD13号を用いている。
【0021】
図3のように、上記鉄筋体5の表面側にメッシュ材3がその全面に亙って積層、一体化されてフレーム体4が形成される。このメッシュ材3にあっては、金網(エキスパンドメタル:JIS G 3351 準拠 XS41)等で構成され、たとえばメッシュ寸法は約22×50mm、板厚は約1.6mm、線材幅は約2mmの鋼製部材を使用するのが好ましい。なお、このメッシュ材3は、図4(a)のように平板状のものでもよいが、たとえば図4(b)(c)のように平板部の四周の端縁部に略直角に折り曲げて垂下する垂下縁部6を設けたものでもよい。これによると、メッシュ材3の周縁部にリブ効果を持たせることができ、メッシュ材3の剛性を高め、フロアパネル10の強度向上を図ることができる。また、メッシュ材3を鉄筋体5に載置する際に垂下縁部6を鉄筋体5の周縁に引掛けることができて位置決めを容易に行うことができるといった利点もある。更に言うと、メッシュ材3はフロアパネル10の表面近傍のコンクリート1内に埋設させると、フロアパネル10の表面上に重い物を落した場合などにフロアパネル10の表面にひびや割れなどが生じることを有効に防止でき、バー材2をパネル裏面近傍のコンクリート1内に埋設させると、フロアパネル10に荷重が負荷された時に集中する引っ張り応力を有効に支持できるのであるが、このようなメッシュ材3とバー材2との距離が大きく設定された場合にもメッシュ材3とバー材2との一体化を可能にできるといった利点もある。そして、鉄筋体5とメッシュ材3との一体化は重なり合うバー材2とメッシュ材3との重なり合った部位同士を溶接することで行われ、これによるとフレーム体4が一剛体物となるので強度上好ましいが、図4(d)のように端部用のバー材2aの外形に合わせてメッシュ材3の垂下縁部6を折り曲げ、メッシュ材3の垂下縁部6が端部用のバー材2aの周囲を抱え込むように巻き付けることで、一体化を行わせてもよい。これによると溶接作業が無くなり製造性が向上すると共に構造的にフレーム体4の周縁部での強度性能が著しく向上する。無論、図4(d)のようにメッシュ材3の垂下縁部6を端部用のバー材2aの周囲に巻き付けること、該メッシュ材3の垂下縁部6と端部用のバー材2aとを溶接することの両方を行ってもよく、これによると構造的にフレーム体4の周縁部での強度向上が得られる効果に加え、溶接の一体性による強度向上が得られる効果を相乗させることができ、強固なフレーム体4とできる。
【0022】
この鉄筋体5とメッシュ材3とが一体化されてなるフレーム体4によってはフロアパネル10の強度補強が図られている。詳しくは、鉄筋体5によるとフロアパネル10の剛性補強がなされてフロアパネル10の耐荷重性能を向上させ、メッシュ材3によるとフロアパネル10の耐衝撃性を向上させる。特に、上述したようにバー材2、メッシュ材3の各部材を溶接により一体化させると、フレーム体4が一つの剛体物となり、フロアパネル10の強度補強効果の向上が図られてフロアパネル10の耐荷重性能を向上できるのである。
【0023】
フレーム体4を埋設させるコンクリート1はフロアパネル10の主体を構成するのであるが、このコンクリート1には補強繊維をその内部に均一分散させて耐荷重性を向上させたものが用いられる。具体的に上記コンクリート1は、セメント100重合部に対して、骨材50〜250重合部、減水剤0.1〜2重合部、補強繊維1〜30重合部、水20〜50重合部の配合で生成されている。
【0024】
詳しくは、セメントについては、特にその材料は限定しないが、本例では普通ポルトランドセメントを使用している。また、骨材については、一般的なコンクリート用骨材であれば所定の強度が得られるのだが、たとえば軽量骨材、砕砂、スラグ、ガラスビースなどが挙げられる。本例ではJISR5002に準拠している軽量コンクリート用骨材を使用してフロアパネル10の軽量化が図られている。この骨材は膨張頁岩からなり、寸法については最大粒径20mm以下であればコンクリート1内に充填できて問題はないが、フロアパネル10の仕上加工の研磨加工時に骨材のチッピングの発生を抑えて表面平滑性を向上させるためには、粒径5mm以下の細骨材を使用してコンクリート1内に均一に分散させるのがよい。骨材について更に言うと、単位容積重量900〜1200kg/m、含水率15〜20%の範囲のものが骨材強度が十分であり、生コンクリートの混練性、均一性が良い。そのため、硬化時のコンクリート強度も強くできる。骨材配合については、配合量によってコンクリート強度、比重に影響を及ぼす。すなわち、骨材量が増えるにしたがってコンクリート比重は低下し軽量にはなるが、コンクリート強度は低下する特性がある。よって150〜200重量部の範囲で得られたコンクリート1は、強度、比重が最適である。また、水については、水/セメント比を低くすることによってコンクリート強度性能が向上するものであり、本例では、混練性、成形性を満足し、更に、高強度コンクリートにするために、水/セメント比は30〜40重量部としてある。また、本例ではコンクリート1の強度性能の向上やブリージング防止を期して、減水剤を利用しているが、この減水剤については、特に限定しないが本例ではポリカルボン酸系高性能タイプのものを使用している。
【0025】
また、補強繊維としては、鋼繊維、化学繊維、植物繊維が挙げられるが最も鋼繊維が均一分散性、強度性能(耐荷重性、耐衝撃性)が優れている。この鋼繊維については、繊維径0.3〜0.8mm、繊維長10〜50mm、表面に凹凸(ギザギザ)があるものが最適に用いられる。特に表面に凹凸(ギザギザ)があることにより、コンクリート1に靭性(タフネス)・ヒビ割れ低抗性を著しく向上させることができる。なお、繊維長が50mmより大きいものを用いると、均一分散性が悪くなるためにコンクリートパネル強度が均一にならないものであると共に、パネル表面に繊維がでやすくて外観不良になる。また、繊維長が10mmより小さくなると、繊維補強の有効な効果が得られない。繊維径については、繊維径0,3mm以下になると有効な補強効果が得られず0.8mm以上になるとコンクリート研磨時の作業性が悪くなる。したがって、上記のように本例の繊維には繊維長10〜50mmのものが用いられている。また、植物繊維を用いる場合には、繊維長10〜50mm,繊維径500μm以下のケナフ繊維が最適に用いられる。ケナフ繊維は、コンクリート1に均一分散させることによって、コンクリート1の耐衝撃性、ヒビ割れ抵抗性を向上できる利点に加え、入手し易くて部材コストの低廉化を大幅に図れるといった利点を有している。
【0026】
また、上記コンクリート1内にアクリル樹脂等の有機樹脂を均一に分散させるように含有させることも好ましい。これによると、コンクリート1の粒子間に樹脂が浸透してバインダー機能によりコンクリート強度を向上させることができる。更に言うと、後述する導電性付与加工とも関係するが、コンクリート1内にカーボンブラック等の導電性フィラーを均一に分散させるように含有させることも好ましい。これによると、コンクリート1に導電性を備えさせることができる。
【0027】
上記フレーム体4をコンクリート1内に埋設することでフロアパネル10が形成されるのであるが、コンクリート1は第1層の上に第2層を積層した2層構造のものを採用しており、以下にフロアパネル10の成型工程について詳細に記す。
【0028】
まず、図6(a)のように、成形型枠7(図5)に第1層となる裏面側コンクリート1a(生コンクリート)を充填する。その成形型枠7の材質としては、樹脂製型枠ではFRP、金属製型枠ではステンレスが、曲面形状を容易に形成できる、耐熱性や衝撃性に優れている、また鉄製型枠と違って錆びないといった利点を備えるので、適している。なお、鉄製型枠であっても紛体焼き付け塗装を施したものであれば、防錆効果を有し、適当に使用できる。この紛体焼き付け塗装を施した鉄製型枠は、加工性、コスト、ハンドリング性等の面では、ステンレス製型枠よりも優れるといった利点がある。なお、紛体塗装はエポキシ系やアクリル系の一般的なものでよい。この成形型枠7は、フレーム体4のバー材2を配置させる部位には下方に凹没した凹部8が形成されており、該バー材2が配置されない部位には上方に突の突部9が形成されたものである。
【0029】
次に、図6(b)のように、成形型枠7内にフレーム体4を入れ、成形型枠7を載置した振動テーブル28を振動させる(矢印a)ことで、フレーム体4を振動させながら裏面側コンクリート1a(生コンクリート)の所定位置に配設する。なお、図6(c)のように、フレーム体4の配設位置については、4周の端部用のバー材2aを成形型枠7の周縁部に合わせて配置すると共に、このバー材2を成形するフロアパネル10の裏面側に近い位置に位置するように配置させる。フロアパネル10の裏面側に近い部位はフロアパネル10に荷重が負荷された時に引っ張り応力が集中する部位であり、この部位に耐荷重性能(特に引っ張り荷重に対する耐荷重性能)に優れたフレーム体4を配設することで、荷重を有効に支持することができてフロアパネル10の強度を向上させることができるものである。また、フレーム体4に巻きつけるコンクリート1のかぶり厚については、最低3mm以上好ましくは5mm以上ないとコンクリート1の強度が弱く剥がれやすくなり留意が必要である。
【0030】
次に、図6(d)のように、第2層となる表面側コンクリート1b(生コンクリート)を充填し、振動を十分に行って(矢印b)、生コンクリート内部の空隙を限りなく低減させる。よって得られた表面側コンクリート1bはセメント粒子、骨材、繊維材、水が均一に分散され、またセメント粒子同士が綴密になり、硬化後、高強度のコンクリートがえられるようにしている。なお、本発明では、フロアパネル10の成形工程において、上述したように裏面側コンクリート1aと表面側コンクリート1bの2回の充填をさせており、これにより2種類の配合設計を可能としている。つまり、裏面側コンクリート1aは、セメント、骨材、補強繊維で構成した高強度コンクリートとし、表面側コンクリート1bは、セメント、骨材で構成した、表面平滑性、研磨作業性及び成形性を重視したコンクリートとしている。
【0031】
ここで、十分にコンクリート1の強度性能を向上させる為には、養生条件が重要である。本発明では、コンクリート1の初期養生は湿潤養生で行わせている。生コンクリート成形後は、密封することにより生コンクリート内部の水分を保つ。その密封方法としては特に限定しないが、たとえば図7(a)のように、ビニールシート21で密封、養生する方法が採用できる。次に、脱型後、湿潤養生状態を保てる場所(たとえば、図7(b)の湿潤養生室22)でコンクリートパネルを養生させる。その湿潤養生条件は、温度25℃以上、湿度90%以上が適し、温度をあげることによってコンクリート1の初期強度を高くできる。更に言うと、初期強度を急速に必要とする場合は蒸気圧を利用するオートクレーブ養生が適している。なお、上述した所定期間の湿潤養生の後には大気中で養生させ、フロアパネル10が得られる。
【0032】
上述したようにして得られたフロアパネル10は、図1のように、主体となるコンクリート1内にフレーム体4が埋設されて構成されているが、詳しくは、コンクリート1のバー材2が埋設される部位には成形型枠7の凹部8によって成形されたリブ14が形成されており、成形型枠7の突部9によって成形された部位と比べて厚みを有した形状に形成されている。具体的にはリブ14を有する部位のフロアパネル10の厚み寸法(図1(b)(c)中H)は基本的に37mm、リブ14を有さない部位のフロアパネル10の厚み寸法(図1(b)中h)は21mmに設定される。また、フロアパネル10の裏面における角部である4隅の部位は支持脚20上に載置される載置部15を構成しており、この載置部15におけるフロアパネル10の厚み寸法(図1(b)中H’)は39mmに設定されている。なお、図8にはフロアパネル10の要部の断面を示すが、図8(b)において図中11はセメント粒子、12は骨材、13は補強繊維を示している。また、図9には上面視格子状のフレーム体4をコンクリート1内に埋設して構成したフロアパネル10の断面図を示すが、基本的に、上記説明した上面視田字状のフレーム体4を有するフロアパネル10と変わるものではない。
【0033】
このフロアパネル10には、下記に詳述する研磨、化粧仕上げ、静電気除去機能付与、通線等の二次加工を行う。
【0034】
研磨加工は、たとえば図10のように、コンベア23上に載置して移動させるフロアパネル10を、まず粗削り用の目の粗いジルコニア研磨紙24で研磨し、次いで細削り用の目の細かいジルコニア研磨紙25で研磨する、といったように行われる。このような研磨加工は、フロアパネル10の表面と裏面に施される。具体的には、表面側を2mm程度、裏面側を1mm程度研磨する。ここで、フロアパネル10の表面に施す研磨作業は表面全面に亙って行われて表面を平滑にするように行われ、フロアパネル10の裏面に施す研磨作業は厚み寸法を均一にするように行われる。なお、フロアパネル10の裏面に施す研磨作業は、できるだけ研磨面積を小さくして製造性を簡略にするために載置部15の部位のみを研磨対象としている。詳しくは、フロアパネル10の表面側は表面側コンクリート1bで構成されており、フロアパネル10の裏面側は裏面側コンクリート1aで構成されている。そして、裏面側コンクリート1aがセメント、骨材、補強繊維で構成した高強度コンクリートである一方、表面側コンクリート1bは補強繊維が含有されない、セメント、骨材で構成されたものである。しかして、表面側コンクリート1bを研磨したときには、補強繊維が含まれないことから、研磨を容易として研磨仕上げの良好な表面平滑性が確保されるのである。また、表面側コンクリート1bの骨材を使用粒径5mm以下の細骨材にて構成させることでも、研磨時の骨材剥離現象を生じさせずに研磨仕上げの平滑性の向上に資することができる。また、表面側コンクリート1bの骨材には、パーライト、ひる石、ベントナイト等の無機系骨材が均一に分散して含有されることも好ましく、これによるとフロアパネル10の表面の意匠性を向上させることが可能となる。更に言うと、表面側コンクリート1bに無機顔料を均一に分散させて含有させることも好ましく、これによると表面側コンクリート1bをカラーコンクリートとでき、フロアパネル10の意匠性の向上に資することができる。
【0035】
化粧仕上げ加工は、フロアパネル10の外方への露出面のうち少なくともフロアパネル10の表面を化粧層16で被覆させることで、フロアパネル10のの割れ、欠けの抑制、意匠性の向上を図ったものである。化粧層16としてはたとえば図11のHPLパネル16aや、図12の鋼板16bや、図13の塗装膜16cや、図14の化粧シート16dが挙げられる。なお、図11中19はフロアパネル10の重量バランスを整えるトリムである。化粧層16を塗装膜16cにて構成させる場合、具体的には硬化後のコンクリート1の表面には直径5mm以下の小さな空隙が多数あるため、まず、その空隙を埋めてフロアパネル10の表面を平滑にする下地処理を行い、平滑性が得られた下地処理剤上に仕上塗装を施すことで行われる。これによると、高級感があり意匠性が向上したフロアパネル10が得られるものである。ここで、下地処理に用いられる下地処理剤は、たとえば高粘度のエポキシ系、ウレタン系の樹脂プライマー、またはパテ材が適している。また、仕上塗装に用いる塗料としては例えばアクリル系樹脂塗料が適している。なお、化粧層16をHPLパネル16aや鋼板16bや化粧シート16dで構成させた場合には、フロアパネル10の意匠性の向上に加え、フロアパネル10の割れ、欠けの防止効果を向上でき、更に塗装膜16cよりも簡単な製造で化粧層16を得ることができる利点がある。
【0036】
静電気除去機能付与加工は、フロアパネル10にその表面から裏面に電気を流し得る導電構造を備えさせるためにする加工である。具体的に、静電気除去機能付与加工は、たとえば、導電性を持たせた化粧層16をフロアパネル10の表面から裏面の載置部15に至るように被覆したり(図13,14参照)、導電性を持たせた化粧層16をフロアパネル10の全面(表面、側面及び裏面)に被覆したり(図12参照)、少なくともフロアパネル10の表面に導電性を持たせた化粧層16を被覆すると共にこの化粧層16と載置部15とを電気的に接続する導電部材をコンクリート1内に埋設したりする(図11,図15参照)ことで行われる。なお、上記導電部材としては、たとえば図15のようにフロアパネル10のコーナー部に埋設した金属性のピン(たとえばステンレスピン17)や金属線などが挙げられる。無論、導電部材(たとえばステンレスピン17)は、導電性を持たせた化粧層16がフロアパネル10の表面から載置部15に至っている場合(図12〜14、15)にも適宜備えてもよい。これによるとフロアパネル10の表面から裏面への導電性の向上を図ることができる。
【0037】
また、化粧層16に導電性を持たせるには、たとえば化粧層16を鋼板16bで構成したり、化粧層16の化粧シート16dを導電性シートで構成したり、化粧層16の塗装膜16cを導電性を有する塗装膜で構成したりすることで行われる。ここで、上記導電性を有する塗装膜は、たとえばプライマーに導電性フィラーを含有させてこの導電性フィラーを塗装膜全体に均一に分散塗布させることで得られるものである。なお、上記導電性フィラーとしてはたとえば金属酸化物やカーボンブラックが適している。
【0038】
なお、静電気除去機能付与加工としては、図示はしないが、フロアパネル10の表面及び裏面コンクリート1a,1b内に直接、導電性フィラーを混入させることで、その表面から裏面に導電できる導電性をコンクリート1自身に備えさせてもよいし、フロアパネル10の表面コンクリート1bに導電性フィラーを混入させて導電性を備えさせると共にこの導電性を有した表面コンクリート1bと載置部15とを電気的に接続させる導電部材(たとえばステンレスピン17)をコンクリート内に埋設させてもよい。
【0039】
この静電気除去機能付与加工を施したフロアパネル10にあっては、図15のように、支持脚20上に導電性有する緩衝材26を配置してこの緩衝材26上にフロアパネル10を載置した際には、緩衝材26でフロアパネル10の床鳴りを防止できることに加え、フロアパネル10の表面側から支持脚20を介して床下地27に電気を流し得るようにできる。ここで、支持脚20上に配置させる導電性を有する緩衝材26としてはたとえば導電性ゴムが挙げられる。
【0040】
通線加工は、図16のように、フロアパネル10の周縁部にフロアパネル10の表面から裏面に至る切欠部18aを形成させることで行われる。これによると、フロアパネル10の敷設時に、隣接するフロアパネル10の切欠部18a同士をあわせることによってケーブル引出し用の通線孔18を形成させることができる。たとえばこの通線孔18はφ12mmのケーブルKを2本通すことができる面積を有するように形成するのが好ましい。しかしてこの通線加工によっては、フロアパネル10の敷設現場でケーブルKの通線のための穴加工作業を無くすることができ、通線工事の作業性の向上を図ることができるものである。
【0041】
上述したように構成、形成される本発明のフロアパネル10は、バー材2とメッシュ材3とを一体的に形成してなるフレーム体4によってフロアパネル10の強度向上が有効に為されるから、その分コンクリート1にかかる荷重負担を軽減でき、つまりコンクリート1の厚みを薄くできるものであって、フロアパネルのコスト低減化や薄型化、軽量化を有効に図ることができる。このフロアパネルの薄型化、軽量化によっては、フロアパネル10の取り扱いを容易とし、フロアパネル敷設施工の施工性をも向上できる。また、バー材2とメッシュ材3のコンクリート1内への配設作業も、一体化したバー材2とメッシュ材3を1回の配設作業にて行わせることができ、良好な施工性が確保されている。更に言うと、本発明のフロアパネル10では、載積物の荷重による応力が集まるフロアパネル10の裏面に近い部分にフレーム体4が配設されているから、フロアパネル10の強度を有効に向上させている。加えて、主体を構成するコンクリート1を表面側コンクリート1b及び裏面側コンクリート1aとで構成させ、フロアパネル10において載積物の荷重による応力が集まる裏面側コンクリート1aを耐荷重性の大きいもので構成させているので、これによってもフロアパネル10の強度の向上を有効に向上させている。なお、表面側コンクリート1bは研磨加工に適した配合のもので構成されているので、フロアパネル10に所定の表面平滑性を備えさせることが可能とされている。また、本発明のフロアパネル10にあっては、上記基本性能を備えた上で静電気除去機能等の機能も備えることが可能とされている。このように、本発明のフロアパネル10は、以下に示す実施例の結果にあるように、一般的に日本国内のJQA規格よりも厳しい基準とされる国際規格のMOB規格にも合格する程の強度や平滑性などの所定物性値を備えるフロアパネルにできたものである。
【0042】
[実施例]
表1,2には、実施例1〜10及び比較例1の諸条件をまとめた表を示す。
【0043】
実施例1〜10のフロアパネル10の作製手順を下記に説明する。
【0044】
まず、表1に示した裏面側コンクリート1aのコンクリート配合にて、コンクリートミキサーにより5分間混練し、生コンクリートを作製した。なお、上記コンクリート配合は、普通ポルトランドセメント100重合部、軽量コンクリート骨材(骨材粒径5mm以下、含水率19%、単位容積重量1.1〜1.2kg/L(リットル))175重合部、減水剤(ポリカルボン酸高性能タイプ)0.5重合部、水30重合部、にて行わせている(コンクリート配合B)。なお、実施例10では上記コンクリート配合Bに加えアクリル樹脂20重合部を添加させて行わせている。また、上記生コンクリートには、鋼繊維(線径0.6mm、繊維長20mm、表面凹凸形状有)で構成した補強繊維を8.5重合部、均一分散させている。
【0045】
そして、図6(a)に示すように上記得られた生コンクリートを成型型枠7(図5)内に充填した。そして、図6(b)に示すようにバー材2(鉄筋:JIS規格 SD295A D13号)とメッシュ材3(エキスパンドメタル:JIS規格 XS−41)とを一体化させて得られたフレーム体4を成型型枠7内に配置し、振動機により成型型枠7を2分間振動させる(矢印a)ことにより、図6(c)に示したようにフレーム体4を生コンクリート内部(裏面側コンクリート1a)に設置した。
【0046】
次に、表1に示した表面側コンクリート1bのコンクリート配合にて、コンクリートミキサーにより5分間混練し、生コンクリートを作製した。上記コンクリート配合は、普通ポルトランドセメント100重合部、軽量コンクリート骨材(骨材粒径5mm以下、含水率19%、単位容積重量1.1〜1.2kg/L(リットル))175重合部、減水剤(ポリカルボン酸高性能タイプ)0.5重合部、水36重合部、にて行わせている(コンクリート配合A)。なお、実施例では上記コンクリート配合Aに加えてカーボンブラック10重合部、実施例10では上記コンクリート配合Aに加えカーボンブラック10重合部及びアクリル樹脂20重合部、をそれぞれ添加させて行わせている。
【0047】
そして、図6(d)に示すように上記得られた生コンクリートを成形型枠7内に充填し、振動機により成形型枠を4分間振動させて(矢印b)、生コンクリート内部の空気を除去した。そして、図7(a)に示すように得られた生コンクリートパネルをビニールシート21で覆い48時間養生させた。そして、コンクリートが硬化した後、得られたフロアパネル10を脱型し、図7(b)に示すように温度25℃、湿度90%に維持された湿潤養生室22内で14日間湿潤養生させた。そして、図10に示すようにフロアパネル10の表裏面を研磨機(ベルトサンダー)にて研磨した。
【0048】
さらに上記フロアパネル10に対し、表2に示したようにそれぞれ異なる化粧仕上げを行った。詳しくは、実施例1,9及び10は研磨仕上げ、実施例2はアクリル樹脂塗装仕上げ、実施例3,4,7及び8は導電性アクリル樹脂塗装仕上げ(導電性フィラーとしてカーボンブラックを配合)、実施例5は導電性アクリル樹脂塗装仕上げ(導電性フィラーとして金属酸化物を配合)、実施例6は導電性化粧シート仕上げ、にて行わせている。
【0049】
さらに、実施例3〜10のフロアパネルについては、表2のように、それぞれ異なる導電処理を行って静電気除去機能を付与した。詳しくは、実施例3〜5は導電性塗料(上記仕上げ処理参照)による導電処理、実施例は導電性化粧シート(上記仕上げ処理参照)による導電処理、実施例は導電性塗料とフロアパネル10の表面から裏面に埋設したステンレスピン17とによる導電処理、実施例は導電性塗料と支持脚27上に配置した導電性ゴム(緩衝材26)による導電処理、実施例9及び10はカーボンブラックを含有した表面側コンクリートとフロアパネル10の表面から裏面に埋設したステンレスピン17とによる導電処理、をそれぞれ施している。
【0050】
一方、比較例1は、普通ポルトランドセメント100重合部、軽量コンクリート骨材(骨材粒径5〜15mm、含水率25%、単位容積重量0.8kg/L(リットル))80重合部、水45重合部の配合にて生コンクリートを作製した。なお、上記生コンクリートには、ポリプロピレン繊維で構成した補強繊維を2重合部、均一分散させている。そして、完全フラット形状のフロアパネル10を作製した。
【0051】
以上、各実施例及び比較例のフロアパネル10に対し、表面平滑性の測定、MOB規格の主要な耐久性試験を行い、結果を表3に示した。これによると、各実施例のフロアパネルにあっては、国際規格のMOB規格の合格値にも適応できる程の優れた諸物性が得られたことがわかる。
【0052】
【表1】
Figure 0004161777
【0053】
【表2】
Figure 0004161777
【0054】
【表3】
Figure 0004161777
【0055】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1記載の発明にあっては、コンクリート内に鉄筋等のバー材及び金網等のメッシュ材を埋設して形成されるフロアパネルにおいて、前記コンクリートは、補強繊維を含む材料から形成される第1層と、この第1層に対してパネル表面側に積層され且つ補強繊維を含まないで形成された第2層とを有し、前記バー材とメッシュ材は一体的に形成した上でコンクリートの第1層内に埋設してあるので、一体的に形成したバー材とメッシュ材とでフロアパネルの強度を有効に向上でき、そのため、コンクリートの厚みを薄くできてフロアパネルのコスト低廉化、薄型化及び軽量化を図ることができるものであり、更に言うと、バー材とメッシュ材のコンクリート内への配設作業も一体化したバー材とメッシュ材を1回の配設作業にて行わせることができるので製造性も向上できる。また、補強繊維を含む第1層のコンクリートにてフロアパネルの耐荷重性能を向上させることができると共に、補強繊維を含まない第2層のコンクリートにてフロアパネルの表面平滑性を向上させることができ、つまり、フロアパネルの強度をコンクリートによっても有効に向上させることができると共にコンクリートの表面は平滑性を備えるようにでき、高強度、高意匠のフロアパネルにできる。
【0056】
また、請求項2記載の発明にあっては、請求項1の効果に加え、前記メッシュ材はその周縁部を折り曲げてあるので、これによると、メッシュ材の周縁部にリブ効果を持たせることができてメッシュ材の剛性を高め、フロアパネルの強度向上を図ることができる。また、周縁部を引っ掛けてメッシュ材をバー材上に位置決めして載置でき、メッシュ材とバー材との一体化にかかる製造性も向上できる。更に、メッシュ材をパネル表面近傍のコンクリート内に埋設させ、バー材をパネル裏面近傍のコンクリート内に埋設させる場合など、メッシュ材とバー材との距離が大きい場合にもメッシュ材とバー材との一体化を可能にして、フロアパネルの強度向上を図ることができる。
【0057】
また、請求項3記載の発明にあっては、請求項1または2の効果に加え、前記バー材とメッシュ材とは、溶接により一体的に形成したので、一体化させたバー材とメッシュ材とを1つの剛体物として一体化したバー材とメッシュ材との耐荷重性能を大幅に向上させることができ、フロアパネルの強度を有効に向上できる。
【0058】
また、請求項4記載の発明にあっては、請求項1乃至3のいずれかの効果に加え、前記バー材とメッシュ材とは、メッシュ材がバー材を抱え込むようにして一体的に形成したので、構造的にメッシュ材とバー材との一体性を高めることができ、特に、バー材と連結するメッシュ材の周縁部分における強度を向上でき、フロアパネルの強度を有効に向上できる。
【0060】
また、請求項5記載の発明にあっては、請求項1乃至4のいずれかの効果に加え、前記コンクリートは、導電性を有する被覆を少なくとも表面に施し、表面側から裏面側に通じる導電部材を埋設したので、導電性被膜の被覆にてフロアパネルの表面に導電構造を備えることができ、加えてフロアパネルの表面側から裏面側に埋設した導電部材にてフロアパネルの表面から裏面側に電気を流し得る導電構造を備えることができ、つまり、フロアパネルに静電気除去機能を備えるようにでき、しかして、付加価値を高めたフロアパネルとすることができる。
【0061】
また、請求項6記載の発明にあっては、請求項1乃至5のいずれかの効果に加え、前記コンクリートは、第1層と、第1層に対してパネル表面側に積層され且つ導電性フィラーを配合して形成される第2層とを有すると共に、表面側から裏面側に通じる導電部材を埋設したので、フロアパネルの表面側を構成する第2層のコンクリートに導電性を備えることができ、加えてフロアパネルの表面側から裏面側に埋設した導電部材にてフロアパネルの表面から裏面側に電気を流し得る導電構造を備えることができ、つまり、フロアパネルに静電気除去機能を備えるようにでき、しかして、付加価値を高めたフロアパネルとすることができる。
【0062】
また、請求項7記載の発明にあっては、請求項1乃至6のいずれかの効果に加え、フロアパネルを載置支持する支持脚の上面に、フロアパネルと支持脚との間に介装させる緩衝材を設け、この緩衝材に導電性を持たせたので、フロアパネルを支持脚上に載設したときに緩衝材によって床鳴りを防止できることに加え、フロアパネルに流れた電気が導電性有する緩衝材に至ると、緩衝材を通って支持脚、床下地に上記電気を流すことができる。すなわち支持脚を介して床下地上に配設したフロアパネルに静電気除去機能を備えるようにでき、しかして、付加価値を高めたフロアパネルとすることができる。
【0063】
また、請求項8記載の発明にあっては、請求項1乃至7のいずれかの効果に加え、前記バー材は、配線器具の取付予定位置を回避した状態に配設したので、配線器具の配設施工の折に、切断しにくいバー材を切断して配線器具の取付位置を確保するといったことを無くすることができ、配線器具の配設施工における良好な施工性を確保することができる。
【0064】
また、請求項9記載の発明にあっては、請求項1乃至8のいずれかの効果に加え、前記コンクリートは、所定の条件を満たす材料を有して形成したので、たとえばコンクリートの骨材の粒径によってはメッシュ材の網目通過性を向上できたり、研磨時のチッピングを防止して表面平滑性を確保できたり、対セメント比を小さくしてコンクリートの強度向上を図ることができる。また、コンクリート1に補強繊維を含有させてコンクリートの強度向上を図ることもできる。
【0065】
また、請求項10記載の発明にあっては、請求項1乃至9のいずれかの効果に加え、前記コンクリートは、少なくともその表面を所定の被覆材で被覆したので、たとえばこの被覆材をHPLパネルや鋼板や化粧シートなどで構成すると、フロアパネルの表面の割れ、欠けを防止できたり意匠性の向上を図ることができる。
【0067】
また、請求項11記載の発明にあっては、コンクリート内に鉄筋等のバー材及び金網等のメッシュ材を埋設して形成されるフロアパネルの製造方法において、前記コンクリートは、補強繊維を含む材料から形成される第1層と、この第1層に対してパネル表面側に積層され且つ補強繊維を含まないで形成された第2層とを有し、成形型枠内に第1層のコンクリート材を充填し、次いで一体に形成されたバー材とメッシュ材とを第1層のコンクリート材の内部に配設し、次いで第2層のコンクリート材を成形型枠内に充填したので、バー材とメッシュ材とを成形型枠内のコンクリート材に配置する作業を、予め一体化したバー材とメッシュ材を1回の配設作業で行わせることができ、製造性の向上を図ることができる。また、一体物のコンクリートでありながら、第1層のコンクリートを耐荷重性が大きいものを使用し、第2層のコンクリートを研磨時の表面平滑性を備えるものを使用して、強度が強くて高い意匠性を有するフロアパネルにできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のフロアパネルであり、(a)は上面図であり、(b)は側面図であり、(c)は(a)のA−A線断面図である
【図2】同上のフロアパネルのフレーム体を構成する鉄筋体の諸例を示し、(a)は上面視田字状の鉄筋体の上面図であり、(b)は上面視目字状の鉄筋体の上面図であり、(c)は上面視格子状の鉄筋体の上面図である。
【図3】同上の上面視田字状の鉄筋体を有したフレーム体であり、(a)は上面図であり、(b)は下面図である。
【図4】(a)〜(d)は同上のフレーム体の諸例の側面断面図である。
【図5】同上のフロアパネルの製造に用いる成形型枠の上面図である。
【図6】(a)〜(d)は同上のフロアパネルの製造過程を順に説明する説明図である。
【図7】(a)(b)は同上のフロアパネルの製造過程を順に説明する説明図である。
【図8】(a)は同上のフロアパネルの要部断面図であり、(b)は(a)のB部分の微視的な拡大図である。
【図9】同上の上面視格子状の鉄筋体を備えたフロアパネルの側面断面図である。
【図10】同上のフロアパネルの製造過程(研磨加工)を説明する説明図である。
【図11】同上のフロアパネルの製造過程(化粧仕上げ加工)の例を説明する説明図であり、(a)は該化粧仕上げ加工後のフロアパネルの上面図であり、(b)は(a)のC−C線断面図である。
【図12】同上のフロアパネルの製造過程(化粧仕上げ加工)の例を説明する説明図であり、(a)は該化粧仕上げ加工後のフロアパネルの上面図であり、(b)は(a)のD−D線断面図である。
【図13】同上のフロアパネルの製造過程(化粧仕上げ加工)の例を説明する説明図であり、(a)は該化粧仕上げ加工後のフロアパネルの上面図であり、(b)は(a)のE−E線断面図である。
【図14】同上のフロアパネルの製造過程(化粧仕上げ加工)の例を説明する説明図であり、(a)は該化粧仕上げ加工後のフロアパネルの上面図であり、(b)は(a)のF−F線断面図である。
【図15】同上のフロアパネルの製造過程(静電気除去機能付与加工)の例を説明する説明図であり、(a)は該静電気除去機能付与加工後のフロアパネルを支持脚上に載置させた状態における上面図であり、(b)は側面図であり、(c)は(a)のG−G線断面図である。
【図16】同上のフロアパネルの製造過程(通線加工)を説明する説明図であり、(a)は該通線加工後のフロアパネルを支持脚上に載置させた状態における上面図であり、(b)は側面図である。
【図17】一般的な二重床施工を示す斜視図である。
【図18】従来技術の例のフロアパネルであり、(a)は斜視図であり、(b)は側面断面図である。
【符号の説明】
1 コンクリート
2 バー材
3 メッシュ材
4 フレーム体
5 鉄筋体
6 垂下縁部
10 フロアパネル

Claims (11)

  1. コンクリート内に鉄筋等のバー材及び金網等のメッシュ材を埋設して形成されるフロアパネルにおいて、前記コンクリートは、補強繊維を含む材料から形成される第1層と、この第1層に対してパネル表面側に積層され且つ補強繊維を含まないで形成された第2層とを有し、前記バー材とメッシュ材とは一体的に形成した上でコンクリートの第1層内に埋設してなるフロアパネル。
  2. 前記メッシュ材は、その周縁部を折り曲げてなる請求項1記載のフロアパネル。
  3. 前記バー材とメッシュ材とは、溶接により一体的に形成してなる請求項1または2記載のフロアパネル。
  4. 前記バー材とメッシュ材とは、メッシュ材がバー材を抱え込むようにして一体的に形成してなる請求項1乃至3のいずれかに記載のフロアパネル。
  5. 前記コンクリートは、導電性を有する被覆を少なくとも表面に施し、表面側から裏面側に通じる導電部材を埋設してなる請求項1乃至4のいずれかに記載のフロアパネル。
  6. 前記コンクリートは、第1層と、第1層に対してパネル表面側に積層され且つ導電性フィラーを配合して形成される第2層とを有すると共に、表面側から裏面側に通じる導電部材を埋設してなる請求項1乃至5のいずれかに記載のフロアパネル。
  7. フロアパネルを載置支持する支持脚の上面に、フロアパネルと支持脚との間に介装させる緩衝材を設け、この緩衝材に導電性を持たせたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のフロアパネル。
  8. 前記バー材は、配線器具の取付予定位置を回避した状態に配設してなる請求項1乃至7のいずれかに記載のフロアパネル。
  9. 前記コンクリートは、所定の条件を満たす材料を有して形成してなる請求項1乃至8のいずれかに記載のフロアパネル。
  10. 前記コンクリートは、少なくともその表面を所定の被覆材で被覆してなる請求項1乃至9のいずれかに記載のフロアパネル。
  11. コンクリート内に鉄筋等のバー材及び金網等のメッシュ材を埋設して形成されるフロアパネルの製造方法において、前記コンクリートは、補強繊維を含む材料から形成される第1層と、この第1層に対してパネル表面側に積層され且つ補強繊維を含まないで形成された第2層とを有し、成形型枠内に第1層のコンクリート材を充填し、次いで一体に形成されたバー材とメッシュ材とを第1層のコンクリート材の内部に配設し、次いで第2層のコンクリート材を成形型枠内に充填してなるフロアパネルの製造方法。
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