JP4161185B2 - 時刻同期データの伝送方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、端末間の接続がSIPプロトコル及び少なくとも一つのSIPサーバを用いてセットアップされる少なくとも二つの端末を介するネットワーク、特にインターネット上での、特に音声及び映像の時刻同期データを伝送するための方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ネットワーク、特にインターネット上での、音声データのような時刻同期データを伝送するための方法は重要性が増している。その理由は、この方法によれば企業ばかりでなく個人利用者も電話通話における経費節約が可能だからである。特にインターネットプロトコルを用いたネットワーク上の二つの端末間における電話通話を可能とするために、発呼の設定及び解除を信号で伝送する手段が必要である。SIP(Session Initiation Protocol)はこのような目的に用いられるプロトコルの一つである。このプロトコルはIETF(Internet Engineering Task Force)によって標準化されている。発呼者(電話をかける者:caller)は、端末を用いて呼を設定するためのSIPメッセージを送信する。このメッセージは、発呼者が呼を設定する着呼者(発呼者からの呼を受ける者:callee)に通知される。この後、前記着呼者の端末は、例えば呼出が開始されたという他のSIPメッセージによって前記発呼者の端末に呼び出し音を出し、通知が行われる。前記着呼者は、呼出を受けるように端末を操作すると、前記端末は、時刻同期データ例えば音声信号又は映像信号の伝送を開始することができるように他のSIPメッセージを前記発呼者の端末に送信する。SIPプロトコルはまた、接続解除の信号通知にも利用される。
【0003】
実際の音声接続を確立すること及び、時刻同期音声データを符号化し送信することは、SIPによってサポートされない。例えば,接続の種類、使用するデータ伝送の種類、音声データの符号化方法の種類について取り決めを行うことによって端末は互いに伝達しあう。端末特性の情報交換を含める限りにおいて、SIPは接続の確立をサポートする。この端末特性には、端末がサポートする音声符号化の種類、音声トラヒックが送信されるべき各端末のアドレス及び、他のいくつかの端末の具体的な特性が含まれる。SIPの他の機能として、現在の場所における前記着呼者を見つけられる。
【0004】
発呼者から前記着呼者への最初のメッセージは、典型的には直接着呼者端末には送信されず、SIPサーバに送信される。SIPサーバは通常SIPプロキシサーバとして実現される。このサーバでは、サービス運用会社“XYZ”が、アドレス“sip://customer@xyz.de”を顧客の一人に提供する。その後、その顧客は、運用会社“XYZ”から提供されたSIPプロキシサーバで現在の端末を登録することができる。この現在の端末は、仕事先の電話、自宅の電話、携帯電話、その他SIPで可能な電話であってもよい。その後、発呼者の端末は、アドレス”sip://customer@xyz.de”に最初のメッセージを送信する。そこで、前記SIPプロキシサーバはこのメッセージを顧客登録された端末に転送する。前記SIPサーバはまた、逆方向に顧客端末の応答を転送する。
【0005】
なお上述の従来技術としては、以下の先行技術文献(例えば、“Differentiated Services”に関しては非特許文献1、“RSVP”に関しては非特許文献2、及び“SIP”に関しては非特許文献3を参照)が知られている。
【0006】
【非特許文献1】
RFC 2475 An Architecture for Differentiated Service. S. Blake, D. Black, M. Carlson, E. Davies, Z. Wang, W. Weiss. December 1998.
(Updated by RFC3260) (Status: INFORMATIONAL)
【0007】
【非特許文献2】
(2-1) RFC 2205 Resource ReSerVation Protocol (RSVP)
-- Version 1 Functional
Specification. R. Braden, Ed., L. Zhang, S. Berson, S. Herzog, S.Jamin. September 1997.
(Format: TXT=223974 bytes) (Status:PROPOSED STANDARD)
(2-2) RFC 2210 The Use of RSVP with IETF Integrated Services.
J. Wroclawski. September 1997. (Status: PROPOSED STANDARD)
【0008】
【非特許文献3】
RFC 3261 SIP: Session Initiation Protocol. J. Rosenberg, H. Schulzrinne, G. Camarillo, A. Johnston, J. Peterson, R. Sparks, M. Handley, E.Schooler. June 2002.
(Obsoletes RFC2543) (Updated by RFC3265) (Status: PROPOSED STANDARD)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
よく知られた基本的なインターネット上での時刻同期データの伝送方法に関し、サービス品質(Quality of Service:以下QoSと称する。)、例えば利用帯域幅及び接続のパケット遅延に対する保証が与えられないという問題が生ずる。このことは、音声伝送の質の悪化を導く。その理由は、第1に、符号化された音声を含むパケットが、それらが送信されたものとは異なった順序で到達してしまうからであり、第2に、そのパケットが伝送中に欠落するというダメージを受けてしまうからであり、第3に、そのパケットは大きな遅延を伴って伝送されてしまうからである。これによって、音声又は映像のような時刻同期データに関してはQoSが低下してしまう。時刻同期サービス、特にインターネット電話がこれまで広く普及していない理由の一つとして、QoSの欠如が挙げられる。又、SIPは、これまで時刻同期データ伝送に対するQoSをサポートする機構を何も組み込んでいなかった。
【0010】
“Integrated Service”或いは“Differentiated Service”と呼ばれる基本的なインターネットの拡張によってインターネット接続に対するQoSがサポートされるが、それは付加的な信号伝達及びネットワーク管理機構を要求するQoSを提供するため、SIPに基づいて信号伝達されるIP電話又は映像伝送とこれらの方法を統合することは、大きな技術改革となり、それはインターネット電話の普及を増大させるが、これまでその利用はかなり限定されていた。
【0011】
この統合方法について既存の提案は、通信端末自身が、SIPとは独立な他の信号伝達手段を用いて前記通信端末の発呼に対する資源を予約することを試みるというアイデアに基づいている。一例として、“Integrated Service”におけるRSVP(Resource reSerVation Protocol)がある。
【0012】
しかしながら、既存のQoSを提供するシステムは高い頻度で発生する予約要求を処理することはできないため、このアプローチはユーザーの増加に対して拡張性がない。
【0013】
それゆえ、本発明は、技術的にシンプルで、コスト効率の良い、高品質をもった時刻同期データ伝送方法を明確にすることを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
端末間での接続がSIPサーバを用いて確立されており、SIPプロトコルがその接続を確立するために用いられている場合で、少なくとも二つの端末間でネットワーク、特にインターネット上で、時刻同期データ、特に音声データ及び映像データを伝送するための本願発明に係る方法は、時刻同期データを伝送するための高品質サービス、技術的にシンプルでかつコスト効率の良い考案に関し、SIPサーバが接続及び/又は端末等を分析するという点において、かつ、時刻同期データの伝送を最適化するための理想的な帯域幅を決定するという分析に基づいて開発されている。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明によれば、上記した目的は請求項1に記載した時刻同期データの伝送方法によって達成される。この方法は、SIPサーバが接続及び/又は端末を分析し、この分析に基づいて、時刻同期データの伝送を最適化するための理想的な帯域幅が決定されるという方法で考案され、開発されている。充分なQoSを達成するために、端末及び/又はネットワークに対して拡張は必要としないが、要求されたQoSは、接続、特に信号伝達のために交換されたSIPメッセージ及び/又は端末が分析できるようにSIPサーバを拡大することによって、簡単かつ経済的に達成することができる。この分析に基づいて、かつ符号化法及び復号化法の知識をもって、時刻同期データの伝送を最適化するための最適な帯域幅が決定される。
【0016】
それゆえ、データ伝送に対する充分なQoSは、かなり経済的で、端末又はネットワークの拡張性を付加することなく達成することができる。かなり有利な点としては、接続及び又は端末の分析に基づいてQoSを保証するために時刻同期データの伝送のための帯域幅の予約がなされるということである。帯域幅予約は機能追加によって拡張されるSIPサーバによって行なわれる。データ伝送速度が予約された帯域幅内である限り、QoSはデータ伝送中のデータ損失に関して保証される。特に音声及び映像伝送に関しては、この方法は好ましいQoSを保証する。
【0017】
予約する必要な帯域を非常に簡単に決定するためその分析で、時刻同期データ伝送に対する前記接続及び/又は前記端末及び/又は使用される符号化方法及び/又は使用される復号化方法が決定される。使用される符号化方法及び/又は使用される復号化方法は、これらの方法がSIPメッセージにおいて明示的に言及しているので、非常に簡単である。さらに非常に簡単という点において、その帯域幅の予約はQoS管理システムを用いて行うことができるということである。そのQoS管理システムはSIPサーバと分離することが可能で、前記SIPサーバからの予約要求を受ける。QoS管理システムは、例えば、帯域ブローカーとして考案され、又はQoSサーバとも呼ばれる。帯域ブローカーは、ネットワークの個々の装置に対する予約を転送するという複雑な役割を担う。異なる装置間に複数の接続が確立されていると仮定すると、異なる接続に対するこれらの帯域幅予約は、好ましくはSIPサーバによって少なくとも一つのトラヒック中継線に集約される。これはネットワークにおける上記した方法の拡張性(scalability)を達成するためである。
【0018】
高い適応性に関して、トラヒック中継線の帯域幅は接続によって必要とされる実際の帯域幅より大きく選択され得る。これにより、帯域管理システムで追加帯域幅を要求することなく、すばやく確立すべき新しい接続に帯域幅を与えることが可能である。
【0019】
効果的な帯域幅の予約に関して、トラヒック中継線は、二つのエンドポイント間、特にアクセスルータ間又はエッジルータ間における予約を集約することができる。アクセスルータとエッジルータ多くの端末をインターネットに接続する装置である。
【0020】
確立されるべき新しい接続に関する高い適応性に関して、少なくとも2つのエンドポイントを介して第1及び第2の端末間の新しい接続は各トラヒック中継線にマップされる。この中継線は二つのエンドポイント間の既存のトラヒック中継線である。このことは、関連する動作ばかりでなく接続確立のための新しいトラヒック中継線の設定をしなくてよいことを示す。
【0021】
仮に、新しい接続が要求される帯域幅が残っている利用可能な中継線の帯域幅を超えるなら、良質のQoSを保証するため、SIPサーバは新しい接続の確立を拒絶することができる。これは既存の接続のQoSが品質劣化しないことを保証する。
【0022】
上述したことと二者択一的ではあるが、仮に、確立されるべき新しい接続の要求される帯域幅が残っている利用可能な中継線の帯域幅を超えるなら、関係するトラヒック中継線に対する追加帯域幅を予約することができる。これにより、ほとんどの要求された接続だけが拒絶され、多くのケースにおいて接続が確立されることが保証される。
【0023】
コストの効率化に関しては、仮に接続によって要求された帯域幅が前記予約された帯域幅より著しく小さければ、SIPサーバはトラヒック中継線に対する予約された帯域幅を減じることができる。
【0024】
適応性に関して、特にSIPサーバによる全てのエンドポイント間における帯域幅の予約は、いずれかの接続が確立する前に行なわれる。
【0025】
本発明に係る方法が利用される場合、端末は、何らかの制限をもっているが、使用するためのSIPサーバを自由に選択できる。このSIPサーバは一般にSIPプロシキサーバとして実現されている。サービスプロバイダーは、上記した方法によりQoSを提供するSIPサーバと上記した機能を有しない従来のSIPサーバの異なる二つのSIPサーバを提供できる。この場合、サービスプロバイダーは、QoS保証をもつ接続に対して高い価格を課金し、一方、QoS保証を要求しないユーザーに対しては、低価格又は無料でQoS保証のない接続が提供される。
【0026】
次に、本発明の他の実施の形態について述べる。特にSIPサーバの分析、SIPサーバの選択、トラヒック中継線に対する資源の予約、トラヒック中継線に対する予約の変更などに関してである。SIPサーバはSIP通信メッセージを転送する際に伴う一連のSIPサーバの中から選抜され得る。トラヒック中継線に対する予約及び予約の変更は、資源について実際に観測された使用度合いに基づいている。
【0027】
他の実施の形態は、SIPサーバに対する端末によって使用される符号化法及び復号化法のQoS要求の明示的な信号伝達である。この目的に対して、例えばSIPプロトコルの拡張が定義され、使用される。これは、端末の特性、特に、接続における要求されたQoSパラメータを決定するために使用される符号化方法に関して、SIPサーバはもはやSIPメッセージを分析する必要がないことを示している。その代わりに、信号を伝達するためのSIP拡張機能を使用する端末から直接これらのパラメータを受け取る。
【0028】
本発明は、ネットワークにおいてQoSを保証した時刻同期データ伝送のための統合的なSIP信号の転送のため、技術的に実行可能で拡張可能な方法を提供する。好ましくは、QoSパラメータは、SIPメッセージがSIPサーバによって転送される間、当該SIPメッセージの分析から引き出される。
【0029】
【発明の効果】
本発明の有利な点は、QoS保証を提供するためにSIPプロトコルの拡張が不要ということである。個々の接続に対する資源予約は、SIPサーバによってトラヒック中継線に集約される。これらのトラヒック中継線は、その中継線の既に観測された使用度合いに適合し得る。本発明に係るこの方法は、大規模なインターネット電話ネットワークを構築するために使用することができる拡張性の高い方法である。SIPサーバのみが拡張する必要があるため、この新しい技術開発における投資は比較的少ない。端末の変更も必要ない。
Claims (3)
- 端末間においてSIP(Session Initiation Protocol)サーバを使用して、QoS接続の接続が所定のトラヒック中継線( traffic trunk )にマップされて確立され、SIPプロトコルがその接続を確立させるために利用され、分析に基づいて、理想帯域幅を、時刻同期データの伝送を最適化した値に決定するように、前記接続及び前記端末を分析する場合で、
少なくとも2つの端末間で、インターネット上で、音声データ及び映像データを含む時刻同期データを伝送する方法において、
前記SIPサーバは、
QoS接続によって接続が確立されている間に、少なくとも2つのエンドポイントを介して第1及び第2の端末間で確立される新たな接続をマッピングする場合に、前記トラヒック中継線に集約するようにマップを試み、
前記新たな接続について要求される帯域幅が、前記トラヒック中継線の前記QoS接続が許容できる帯域幅を超えるならば、前記新たな接続を拒絶することを特徴とする時刻同期データの伝送方法。 - 請求項1に記載の時刻同期データの伝送方法において、
前記SIPサーバは、
前記新たな接続によって必要な帯域幅が、集約されるトラヒック中継線にQoSサービス用の帯域として前記QoS接続時に予約された帯域幅より著しく小さければ、前記QoS接続時に予約された帯域幅を減じることを特徴とする時刻同期データの伝送方法。 - 請求項1又は2に記載の時刻同期データの伝送方法において、
前記SIPサーバによってサービスを受ける全てのエンドポイント間の帯域予約を接続確立前に行うことを特徴とする時刻同期データの伝送方法。
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