JP4160356B2 - 壁掛け型電子レンジ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は壁掛け型電子レンジに関し、より詳しくは前後移動可能に設けられるスライドダクトを備えて、壁掛け型電子レンジの下部に配置されたオーブンレンジで発生する排気ガスと飲食物の匂いを一層効果的に吸入するようにした壁掛け型電子レンジ関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図1は従来の壁掛け型電子レンジ1がオーブンレンジ2の上部に設置されたものを示す図である。同図に示すように、従来技術による壁掛け型電子レンジ1は、オーブンレンジ2の上部に配置され、通常の電子レンジが有する高周波による調理機能とともに、その下部に配置されるオーブンレンジ2から発生する排気ガス、煙、飲食物の匂いなどを外部へ排出させる機能を兼ねるようにしたものである。
【0003】
オーブンレンジ2はその上面に設けられた複数のトップバーナー3のガス燃焼による熱を用いて飲食物を調理し、壁掛け型電子レンジ1はその内部に収容された飲食物に高周波を照射して、飲食物に含有された水分の分子配列を反復的に変換させることにより発生する分子間の摩擦熱により飲食物を調理することになる。
【0004】
図2はオーブンレンジから発生する排気ガス、飲食物の匂いなどを吸入して外部へ排出するための排気通路が形成された従来の壁掛け型電子レンジの内部構造を概略的に示すものである。同図に示すように、従来の壁掛け型電子レンジ1は、本体10の内部に互いに区画された調理室11と電装室12を有する。
【0005】
調理室11と電装室12の下部、両側部及び上部には、本体10の下部に配置されたオーブンレンジ2(図1参照)から発生するガス又は煙を排出させるように案内する排気通路13が設けられ、本体10の後方上側には、排気通路13に沿って流動する排気ガス又は煙を吸入して外部へ排出させる排気ファン14が設けられている。前記排気通路13は調理室11と電装室12から区画される流路を形成するように構成される。
【0006】
電装室12には電装部品を冷却させるための冷却ファン15が設けられ、電装室12の前方上側には、この冷却ファン15が駆動されるとき、外部の空気が電装室3の内部に流入されるように、前面吸入口16が設けられている。また、調理室11と電装室12を区画する区画壁17には、電装室12内に流入された空気が調理室11に流入して調理室11を換気させるように、多数の通孔18が形成され、区画壁17の反対側の調理室11の上面には、調理室11の内部空気が排気されるように、多数の通孔19が形成されている。そして、調理室11側の本体10の前面上部には、調理室11の上部通孔19を通じて排出される空気が本体10の前方に排気されるように、前面吐出口20が形成されている。
【0007】
しかし、このように構成された従来の壁掛け型電子レンジ1は、その下部に配置されるオーブンレンジ2から発生する排気ガス、煙、飲食物の匂いなどを効果的に吸入することができない欠点がある。すなわち、図1に示すように、オーブンレンジ2の上部に設けられた複数のトップバーナー3は前列トップバーナー3a及び後列トップバーナー3bの2列に配置される構造となっている反面、オーブンレンジ2の上部に配置された従来の壁掛け型電子レンジ1はただ後列トップバーナー3bのみをカバーする大きさを有するため、前列トップバーナー3aから発生する排気ガス、煙、飲食物の匂いなどを図2の排気ファン14の作動で排気通路13に効果的に吸入することができないものである。したがって、前列トップバーナー3aから発生する排気ガス、飲食物の匂いなどは外部へ排出されず室内空気を汚染して不快感を誘発することになる。
【0008】
前記問題点を解決するため、排気ファン14の吸入力を増大させると、排気ファン14が大きくなるため、電子レンジの内部構造を変更しなければならないばかりでなく、作動騒音が増大するほかの問題点が発生する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明は前述した従来技術の問題点を解決するためのもので、本発明の目的は、下部に配置されたオーブンレンジから発生する排気ガス、飲食物の匂いなどを効果的に吸入して排出することができる壁掛け型電子レンジを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明は、外観をなす本体と、排気ガスが前記本体内に流入されるように、前記本体の底板に設けられた吸入口と、前記本体の内側上部に設けられたメイン排気ファンと、前記吸入口と前記メイン排気ファンに連通するメイン排気通路と、前記本体の下部に位置する領域から発生する排気ガスを案内するように、前記本体の下部に後退可能に前方に延長されるスライドダクトとを含む壁掛け型電子レンジを提供する。
【0011】
前記スライドダクトは、下面板と、前記下面板の両側から上方に延長される両側面板と、前記下面板の先端部から上向に延長される前面板とを含むことにより、前記本体の底板と前記スライドダクトの下面板との間のメイン排気通路側に排気ガスを案内する補助排気通路を形成することができる。
【0012】
前記スライドダクトは前記側面板と前記前面板の上端に連結された上面板をさらに含むことができ、前記上面板及び前記下面板には、スライドダクトが前記本体内に後退した場合、前記本体の底板の吸入口に連通する連通孔を含むことができる。
【0013】
前記スライドダクトは、内側前方部に設けられ、前記スライドダクトが前方に移動した場合、前記スライドダクトの下部領域から発生する排気ガスを吸入する補助排気ファンをさらに含むことができ、前記スライドダクトは、前記補助排気ファンを収容し、前記補助排気ファンにより吸入される排気ガスを前記本体のメイン排気通路側に案内するために前記本体側に延長されるガイド板をさらに含むことができる。
【0014】
前記スライドダクトの側面板は前記側面板に沿って縦方向に延長される対応レールを含み、前記本体はスライドダクトのレールを前後スライド移動可能に収容する対応スライド溝を有することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づいて本発明の好ましい実施形態について詳細に説明する。
図3は本発明によるスライドダクトが電子レンジの本体から前方にスライド移動した状態を示す斜視図であり、図4はスライドダクトの排気通路を示すための、図3の線IV−IVについての断面図である。
【0016】
図3に示すように、本発明による壁掛け型電子レンジ50は、前後面板52、53、両側面板54、55、上面板56、及び底板57を有する箱状の本体51により外観が形成される。前記本体51の内部には、高周波を用いて飲食物を調理するため、互いに区画された調理室58と電装室59が設けられている。
【0017】
底板57の両側には、オーブンレンジ2(図6参照)から発生する排気ガス、飲食物の匂いなどが本体51を流入させるための吸入口61が設けられており、本体51の後方上側には排気ガスを吸入して外部へ排出させるためのメイン排気ファン62が配置されている。また、前記吸入口61と排気ファン62との間には、吸入口61に流入された排気ガスが排気ファン62に流動されるように案内する排気通路63が設けられる。前記排気通路63は調理室58及び電装室59と本体51の両側面板54、55、底板57及び後面板53との間に形成される空間からなる。
【0018】
本発明の特徴をなすスライドダクト70は、本体51の底板57の下部に配置されるように、本体51の底板57とほぼ同一の大きさに形成された下面板71及び上面板72と、前記下面板71及び上面板72の両側面を連結する両側面板73、74と、前記下面板71及び上面板72の前面の連結する前面板75とからなる。
【0019】
前記スライドダクト70の下面板71及び上面板72の両側には、本体51の底板57に形成された吸入口61に連通する連通孔77が形成されているので、スライドダクト70の本体51の内部に後退した状態で排気ガスが前記連通孔77を通じて吸入口61に流入されるようにする。
【0020】
また、スライドダクト70が前方にスライド移動した状態で、その下部の周囲から排気ガスなどを吸入してメイン排気ファン62に送るため、スライドダクト70の内部の前方には補助排気ファンユニット79が設けられている。前記補助排気ファンユニット79が排気ガスなどを吸入して排出することを可能にするため、補助排気ファンユニット79の下部と側面は開放されている。
【0021】
前記補助排気ファンユニット79は、その下部周囲の排気ガスなどを本体51の吸入口61側に送り、メイン排気ファン62により吸入されるように、メイン排気ファン62より小さい容量を有する。
【0022】
ここで、本実施形態においては、スライドダクト70が上下面板71、72、両側面板73、74、及び前面板75を備えて外観をなすものとして記載したが、上面板72なしに構成しても、補助排気ファンユニットの作動により排気ガスを本体に誘導することができる。
【0023】
また、図3に示すように、スライドダクト70の内部には、前記補助排気ファンユニット79により吸入された排気ガスなどが本体51の底板57に案内されるように、前記補助排気ファンユニット79の両側から本体側に延長された1対のガイド板78が設けられている。前記1対のガイド板78により、スライドダクト70の内部には排気ガスなどを後方に誘導するための補助排気通路76が設けられるので、補助排気ファンユニット79により吸入された排気ガスは連通孔77に行かずに本体51の吸入口61に案内できる。
【0024】
スライドダクト70の両側面板73、74の外側には前後方向にレール80が設けられ、これらに対応する本体51の両側面板54、55の内側には、前記レール80をスライド移動可能に収容するスライド溝81が設けられている。また、前記レール80の後端には上向に延長された係止部82が設けられ、本体51の前面板52の下端には、前記係止部82が係止されることにより、スライドダクト70が本体51から分離しないように下向に延長されたストッパー83が設けられている。
【0025】
以下、このように構成された本発明による壁掛け型電子レンジの作用を図3ないし図6を参照して説明する。
図6は図3に対応するもので、オーブンレンジ2の上部に配置された前列トップバーナー3aと後列トップバーナー3bが全て作動するか、又は前列トップバーナー3aのみが作動する場合、これらから発生する排気ガスを効果的に吸入するため、スライドダクト70が本体51から前方にスライド移動した状態を示す図である。
【0026】
図3、図4及び図6に示すように、スライドダクト70が本体51から前方にスライド移動すると、スライドダクト70のレール80の後端に設けられた係止部82が本体51の前面板52の先端に設けられたストッパー83に係止され、スライドダクト70はオーブンレンジ2の上部の前列トップバーナー3aの上部をカバーすることになる。こうして、スライドダクト70が前方に移動した状態でメイン排気ファン62と補助排気ファンユニット79が同時に作動することになる。
【0027】
メイン排気ファン62の作動により、後列トップバーナー3bから発生する排気ガス、飲食物の匂いなどは本体51の底板57に形成された吸入口61を通じて流入され排気通路63を経て外部へ排出されるとともに、補助排気ファンユニット79の作動により、前列トップバーナー3aから発生する排気ガス、飲食物の匂いなどはスライドダクト70の排気通路76を通じて本体51の排気通路63に送られ後列トップバーナー3bから発生する排気ガスと合流する。その後、混合された排気ガスはメイン排気ファン62により外部へ排出される。
【0028】
一方、オーブンレンジ2の後列トップバーナー3bのみが作動してスライドダクト70を使う必要がない場合は、図5に示すように、スライドダクト70が本体51の内部に押し込まれる。この状態で、メイン排気ファン62が作動すると、後列トップバーナー3bから発生する排気ガス、飲食物の匂いなどがスライドダクト70の連通孔77と底板57の吸入口61を通じて流入され排気通路63を経て外部へ排出される。
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明による壁掛け型電子レンジは、その下部に、前方にスライド可能に設けられるスライドダクトを備えて、壁掛け型電子レンジより広い面積を占めるオーブンレンジから発生する排気ガスを広い領域にわたって効果的に吸入することができるので、室内空間をより快適に維持することができる効果があるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来技術による壁掛け型電子レンジがオーブンレンジ上に配置されたものを示す斜視図である。
【図2】 オーブンレンジから排出された燃焼ガスを吸入するための排気通路を有する従来技術による壁掛け型電子レンジの斜視図である。
【図3】 本体の下部に進退可能に設けられるスライドダクトが本体の前方に移動した状態を示す本発明による壁掛け型電子レンジの斜視図である。
【図4】 図3の線IV−IVについての断面図である。
【図5】 図3のスライドダクトが本体の内部に移動した状態を示す本発明による壁掛け型電子レンジの斜視図である。
【図6】 本発明によるスライドダクトが前方に移動した状態でオーブンレンジ上に配置されたものを示す斜視図である。
【符号の説明】
50 壁掛け型電子レンジ
61 吸入口
62 メイン排気ファン
63、76 排気通路
70 スライドダクト
78 ガイド板
79 補助排気ファンユニット
80 レール
81 スライド溝
83 ストッパー

Claims (19)

  1. オーブンレンジ等の調理装置の上方に設置される壁掛け電子レンジであって、
    外観をなす本体と、
    前記調理装置から発生する排気ガスが前記本体内に流入されるように、前記本体の底板に設けられた吸入口と、
    前記本体の内側上部に設けられたメイン排気ファンと、
    前記吸入口と前記メイン排気ファンに連通するメイン排気通路と、
    前記排気ガスを案内するように、前記本体の下部に後退可能に前方に延出されるスライドダクトと、を含み、
    前記スライドダクトは、下面板と、前記下面板の両側から上方に延長される両側面板と、前記下面板の先端部から上向に延長される前面板とを含むことにより、前記本体の底板と前記スライドダクトの下面板との間のメイン排気通路側に排気ガスを案内する補助排気通路を形成することを特徴とする壁掛け型電子レンジ。
  2. 前記スライドダクトは前記側面板と前記前面板の上端に連結された上面板をさらに含むことを特徴とする請求項記載の壁掛け型電子レンジ。
  3. 前記上面板及び前記下面板には、スライドダクトが前記本体内に後退した場合、前記本体の底板の吸入口に連通する連通孔を含むことを特徴とする請求項記載の壁掛け型電子レンジ。
  4. 前記スライドダクトは、内側前方部に設けられ、前記スライドダクトが前方に移動した場合、前記スライドダクトの下部領域からの前記排気ガスを吸入する補助排気ファンをさらに含むことを特徴とする請求項記載の壁掛け型電子レンジ。
  5. 前記スライドダクトは、前記補助排気ファンを収容し、前記補助排気ファンにより吸入される前記排気ガスを前記本体のメイン排気通路側に案内するために前記本体側に延長されるガイド板をさらに含むことを特徴とする請求項記載の壁掛け型電子レンジ。
  6. 前記スライドダクトの側面板は前記側面板に沿って縦方向に延長される対応レールを含み、前記本体はスライドダクトのレールを前後スライド移動可能に収容する対応スライド溝を有することを特徴とする請求項記載の壁掛け型電子レンジ。
  7. 前記レールは前記レールの後端部に設けられ上方に延長される係止部を含み、前記本体は下端に設けられ下方に延長して前記レールの係止部を係止するストッパーを有する前面板をさらに含むことを特徴とする請求項記載の壁掛け型電子レンジ。
  8. 前記壁掛け型電子レンジは、内部に飲食物を収容するための調理室と、電磁波を発生して前記飲食物を調理するマグネトロンをさらに含むことを特徴とする請求項1記載の壁掛け型電子レンジ。
  9. 前記スライドダクトは、前記排気ガスを前記吸入口に案内するため、前方に延出されることを特徴とする請求項1記載の壁掛け型電子レンジ。
  10. 前記スライドダクトは前記スライドダクトの下部領域からの前記排気ガスを前記吸入口に案内する補助排気ファンを含み、前記メイン排気ファンと前記補助排気ファンは前記スライドダクトが前方に延出されると、同時に動作することを特徴とする請求項1記載の壁掛け型電子レンジ。
  11. 前記スライドダクトは前記本体の垂直面の下部に設けられることを特徴とする請求項1記載の壁掛け型電子レンジ。
  12. 前記スライドダクトは前記本体を過ぎて前記本体の前方に延出されることを特徴とする請求項1記載の壁掛け型電子レンジ。
  13. オーブンレンジ等の調理装置の上方に設置される壁掛け電子レンジであって、
    外観をなす本体と、
    飲食物を収容するための調理室と、
    前記飲食物を調理する加熱部と、
    前記本体内に設けられたメイン排気通路と、
    前記本体の下部の前記調理装置から発生される排気ガスが前記メイン排気通路内に流入するようにする吸気口と、
    前記メイン排気通路と連通し前記排気ガスを所望位置に排出させるメイン排気ファンと、
    前記本体から後退可能に延出され、下部の前記排気ガスを前記吸入口側に案内するスライドダクトとを含み、
    前記スライドダクトは前記スライドダクトの下部の前記排気ガスを前記吸入口側に案内する補助排気ファンを含むことを特徴とする壁掛け型調理装置。
  14. 前記スライドダクトは前記補助排気ファンと連通し前記排気ガスを前記吸入口側に案内する補助排気通路をさらに含むことを特徴とする請求項13記載の壁掛け型調理装置。
  15. 前記メイン排気ファンと前記補助排気ファンは、前記スライドダクトが前方に延出されると、同時に動作することを特徴とする請求項14記載の壁掛け型調理装置。
  16. 前記スライドダクトは、下面板と、前記下面板の両側から上方に延長される両側板と、前記下面板の先端部から上方に延長される前面板と、前記両側板と前記前面板の上端に連結された上面板とを含むことを特徴とする請求項13記載の壁掛け型調理装置。
  17. 前記上面板と前記下面板は、前記スライドダクトが前記本体内に後退すると、前記吸入口と連通する連通孔を含むことを特徴とする請求項16記載の壁掛け型調理装置。
  18. 前記スライドダクトの前記両側面は対応レールを含み、前記本体は前記スライドダクトのレールをスライド可能に収容する対応スライド溝を有する側面板を含むことを特徴とする請求項16記載の壁掛け型調理装置。
  19. 前記スライドダクトは前記本体を過ぎて前方に延出されることを特徴とする請求項13記載の壁掛け型調理装置。
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