JP4160120B2 - 成形品の製造 - Google Patents
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Description
EP-A-641 806は、次の工程から成る成形品を生産するための方法を記述している:
a)架橋し得る基を含む、水溶性プレポリマーの実質的に水性の溶液を調製する工程、
b)得られた溶液を成形用型に導入する工程、
c)架橋を開始させる工程、
d)成形用型を開き、それにより成形品を成形用型から取り出すことができる工程。
本発明は、得られた溶液の成形用型への導入が実質的に改善されている方法の更なる開発に向けられている。この改善は、実質的に、溶液が成形用型へ、固形状態で計量導入されることからなる。結果として、例えば、溶液は、いかなる泡形成もなしに成形用型に導入することができる。更に、縞模様(それは、既知の方法により起こることできる)の形成を、本発明によれば、避けることができる。更に、乾燥リング(それはまた、既知の方法を用いて見ることができる)の出現を、本発明により実質的に避けることができる。本発明の更なる重要な利点は、固形状態でのプレポリマー溶液が、どのような問題もなく計量導入できるので、用いられプレポリマー溶液の粘度が、もはや計量導入のための制限要因ではないことである。固形状態で計量導入することに頼る結果として、本発明を要約することは、既知の方法に比べて、特に比較的高い粘度のプレポリマー溶液が処理される場合に、顕著に好都合であると証明されている。
本発明は、したがって、成形品(特にコンタクトレンズ)を生産するための方法に関し、それは次の工程からなる:
a)架橋し得る基を含む水溶性のプレポリマーの実質的に水性の溶液を調製する工程、
b)得られた溶液を固形状態に変換する工程、
c)得られた固形状態の溶液を成形用型に導入する工程、
d)固形状態の溶液を成形用型内で液体状態に変換する工程、
e)適用できる場合には、成形用型を閉じる工程、
f)架橋を開始する工程、
g)適用できる場合には、成形用型を開き、それにより成形用型から成形品を取り出すことができる工程。
本発明の方法でのプレポリマーの使用の明白な基準は、プレポリマーが水に可溶であること、それが架橋し得る基を含み、液体の状態から固形状態へ可逆的に転換されるプレポリマーの実質的に水性の溶液が可能であることである。
架橋し得る基を含む水溶性のプレポリマーの実質的に水性の溶液は、それ自体既知の方法、例えば実質的に水性の溶液にプレポリマーを合成するか、又はプレポリマーを、例えば純粋な形態、すなわち望ましくない構成物を含まずに、単離し、そしてそれを実質的に水性の媒体に溶解することにより調製することができる。
概して言えば、この方法は、水性の溶媒中で実施される。適切な溶媒は、原則として、プレポリマー及び多分更に用い得るビニルコポリマーを溶解し、かつ、水混和性であるいかなる溶媒であってもよく、例えば水、低級アカルカノールのようなアルコール、例えばエタノール若しくはメタノール、ジメチルホルムアミド又はジメチルスルホキシドのようなカルボン酸アミドである。水性溶液は、水又は水と適切な溶媒との混合物、例えば水とアルコールの混合物、例えば水/エタノール混合物又は水/メタノール混合物の意味と理解されるべきであり、そこにおいて、水は明らかにより大きい部分を構成する。実質的に水性の溶液は、水が、溶液の少なくとも80重量%まで、好適には少なくとも90重量%まで、特に少なくとも95重量%、更に特には少なくとも98.5重量%、最も特別には100重量%までにすることを意味すると理解されるべきである。
これらの状態は、水以外の溶媒にのみに関し、プレポリマー、塩又は他の溶解された物質のあり得る含量にいかなる関連も有しない。
本発明によれば、プレポリマーが水に可溶である基準は、20℃で約3〜90重量%、好適には約10〜60重量%、特に約10〜60重量%の濃度で、プレポリマーが実質的に水性の溶液に可溶であることを意味するとして特に理解されるべきである。それぞれの場合に可能である限りにおいて、90%を超えるプレポリマー濃度も、本発明に含まれる。約15〜約50重量%、特に15〜40重量%、例えば25〜40重量%の溶液でのプレポリマー濃度は、特に好適である。
本発明の文脈において、プレポリマーの実質的に水性の溶液は、特に水中、水性塩溶液、特に1,000ml中約200〜450milliosmol(単位:mosm/l)、好適には約250〜350mosm/l、特に300mosm/lの浸透圧モル濃度を有する水性塩溶液中、又は水若しくは水性塩溶液と生理学的に耐え得る極性有機溶媒、例えばグリセロールの混合物中でのプレポリマーの溶液を含む。水又は水性塩溶液中のプレポリマーの溶液は、好適であり、水だけのそれらは、特に好適である。
水性塩溶液は、好都合には、コンタクトレンズケアの分野での慣用の緩衝塩、例えばリン酸塩のような生理学的に耐え得る塩、又は特にアルカリ金属ハロゲン化物のようなコンタクトレンズケアの分野での慣用の等張剤の溶液である。特に適切な塩溶液の例は、pHの値及び浸透圧モル濃度の点で、天然涙液に一致している、合成の、好適には緩衝された、涙液、例えば非緩衝又は緩衝の、例えばリン酸塩緩衝の、塩化ナトリウム溶液であり、その浸透圧モル濃度及びpHの値は、ヒトの涙液の浸透圧モル濃度及びpHの値に相当している。
プレポリマーの上記に定義された実質的に水性の溶液は、好ましくは純粋な溶液、すなわち望ましくない構成物を含まないか又は実質的に含まない。特に好適なものは、純粋な水中又は上述のような合成涙流体中のプレポリマー溶液である。
実質的に水性の溶液中のプレポリマーの溶液の粘度は、幅広い範囲内で、重大でない。既に言及したように、先行技術からの既知の方法とは逆に、溶液が自由に流れることは全然必要でない。
プレポリマーの平均分子量は、また、幅広い範囲内で、重大でない。好適には、プレポリマーは、約2,000〜約200,000、特に約10,000〜約200,000の重量平均分子量を有する。
本発明により、用いられるプレポリマーは、また、架橋し得る基を含まなければならない。架橋し得る基は、当業者に公知の慣用の架橋し得る基、例えば光架橋し得る基又は熱的に架橋し得る基を意味するとして理解されるべきである。コンタクトレンズ材料の製造に既に提案されているそれらのような架橋し得る基は、特に適切である。それらは、特に、しかし排他的ではなく、炭素-炭素二重結合を含む基を含む。多種多様な適切な架橋し得る基を示すために、架橋機構として遊離基重合、2+2−環状付加、Diels-Alder反応、ROMP(開環Metathesis重合)、加硫、カチオン架橋及びエポキシ硬化の方法を述べることができる。
架橋し得る基を含む適切な水溶性プレポリマーは、例えばEP-A-641 806に記載されているポリビニールのアルコール誘導体である。しかしながら、この方法において、ポリマー性基本構造及び架橋し得る基を含む他の水溶性プレポリマーを用いることもできる。
ポリビニールアルコール以外の適切なポリマー性基本構造は、いくつかの場合に、コンタクトレンズ材料として既に提案されているそれらのような材料、例えばPVA以外のポリマー性ジオール、単糖類を含むポリマー、ビニルピロリドンを含むポリマー、アルキル(メタ)クリラートを含むポリマー、例えばヒドロキシ、カルボキシ若しくはアミノのような親水性基で置換されているアルキル(メタ)クリラートを含むポリマー、ポリアルキレングリコール、又はそれらのコポリマー若しくはそれらの混合物である。
本発明で用いられるプレポリマーは、ポリマー性の基本構造を形成するモノマーの当量に基づいて、好適には約0.5〜約80%当量、特に約1〜50%、更に特に約1〜25%、好適には約2〜15%、特に約3〜10%の量で架橋し得る基を含む。特に好適には、ポリマー性の基本構造を形成するモノマーの当量に基づいて、約0.5〜約25%当量、更に特には約2〜12%の架橋し得る基の含量である。
コンタクトレンズの製造のために準備される架橋し得るプレポリマーは、特にそれらの単位の、約0.5〜約25%、特に約1〜15%、更に特には約2〜12%を含む。
既に言及したように、それが架橋し得ることが本発明の方法のためのプレポリマーの適切性のために必須である。しかしながら、このプレポリマーは、非架橋であるか、少なくとも実質的に非架橋であり、その結果、それは水溶性である。
更に、プレポリマーは、非架橋状態において、好都合には安定であり、その結果、それは精製に付すことができる。プレポリマーは、好適には本発明の方法において、純粋な溶液の形態で用いられる。以下に開示されるように、例えば、プレポリマーは、純粋な溶液の形態に転換することができる。
好適には、本発明の方法により用いられるプレポリマーは、それ自体既知の方法、例えばアセトンのような有機溶媒での沈殿、濾過及び洗浄、適切な溶媒への抽出、透析又は限外濾過により精製することができるが、特に好適なものは、限外濾過である。このような精製方法により、顕著に純粋な形態、例えば塩のような反応生成物、及び出発物質、例えば非−ポリマー性構成物を含まないか、又は少なくとも実質的に含まない、濃厚水性溶液の形態でプレポリマーを得ることができる。好適な精製の程度は、望ましくない構成物の1%未満、特に0.1%未満、更に特には望ましくない構成物の0.01%未満である。
精製の程度を、式(I)若しくは(III)の単位を含む化合物を調製するための出発物質のような望ましくない構成物が0.1ppm未満の量で存在するか、又は塩化ナトリウムが60ppm未満の量で存在する場合には、更に増大させることさえできる。プレポリマー以外のすべての基質が、自動的に望ましくない構成物であることはないことを、ここで注意すべきである。例えば、塩化ナトリウムは、原則として、約0.9%までの濃度では完全に耐え得るが、他方では必要な構成物ではない。プレポリマー、例えば式(I)若しくは(III)の調製のための出発物質は、しかしながら本発明の文脈においては望ましくない構成物である。したがって、精製の特に好適な程度は、望ましくない構成物の100ppm未満、特に1ppm未満、より特には望ましくない構成物の0.1ppm未満である。
本発明の方法において、用いられるプレポリマーを精製する好適な方法、すなわち限外濾過は、それ自体既知の方法により実施することができる。そのような限外濾過を繰り返し、例えば2〜10回実施することもできる。それとは別に、限外濾過は、純度の所望の程度が達成されるまで、連続的に実施してもよい。純度の所望の程度は、原則として、所望である限り高くてもよい。例えば、純度の程度のための適切な測定は、溶液の塩化ナトリウム含量であり、それは、既知の方法により簡単に決定することができる。
本発明の方法の好適な実施例において、工程a)において、実質的に望ましくない構成物を含まない、例えばプレポリマーの調製のために用いられる、モノマー性、オリゴマー性又はポリマー性出発物質、及び/又はプレポリマーの調製の間に形成される2次生成物を含まない、プレポリマーの実質的水性溶液が調製され、用いられる。実質的に水性の溶液は、特に純粋な水性溶液又は前述の合成涙液中の溶液である。コモノマー、例えばビニルコモノマーの添加なしに行われる、本発明の方法が、更に好適である。
上記のパラグラフにおいて、言及されている特徴の一つ及び上記のパラグラフにおいて、言及されている特徴の組み合わせに基づいて、本発明の方法で用いられるプレポリマー溶液は、架橋後に抽出されるべき望ましくない構成物を含まないか、又は実質的に含まない。したがって、架橋の後に望ましくない構成物の抽出が省略できることが、本発明の方法のこの好適な実施態様の特別の特徴である。
本発明の方法は、架橋し得る基を含む水溶性プレポリマーの実質的に水性の溶液が、プレポリマーの調製のために用いられる、特にモノマー性、オリゴマー性又はポリマー性出発化合物、又はプレポリマーの製造の間に形成する2次生成物のような望ましくない構成物を含まないか、又は実質的に含まないような方法、及び/又は溶液が、コモノマーの添加なしに用いられるような方法で実施され、それにより方法の更なる工程でいかなる望ましくない構成物の抽出なしにすませることができる。
次いで好適に行われる光架橋は、したがって、好適な精製工程、すなわち、適切ならば追加のビニルコモノマーの添加の後の限外濾過の結果として得られる、プレポリマーの水性溶液中で実質的に直接に実施され、溶液は、成形用型へ計量導入しやすいように一時的に固形状態に転換される。例えば、水性溶液の約15〜40%が光架橋されることができる。
プレポリマーの溶液に加えることができる添加物は、適切ならば、開始剤が架橋されるべき架橋し得る基のために必要な限りにおいては、架橋のための開始剤である。それは、架橋が光架橋により行われるとき特にその場合であることができ、それは、本発明の方法において好適である。
光架橋の場合に、遊離基架橋を開始させることができる光開始剤が、適切に加えられる。光開始剤の例は、当業者には知られているが、ベンゾインメチルエーテル、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン及び種々のIrgacureタイプの市販製品、例えばIrgacure 1173又はIrgacure 2959が、特に適切な光開始剤として挙げることができる。
光開始剤は、効果的な量、好都合には、プレポリマーの総量に基づいて、約0.1〜約2.0重量%、特に0.3〜0.5重量%の量で加えられる。
得られた溶液、特に前述のように精製された溶液の、固形状態への転換は、特に溶液を凍結することにより実施される。好適には、凍結操作は、それぞれの粒子(小球として下記に参照されている)が生じるような方法で実施される。成形品が引き続く方法の工程において、成形用型の量に対して、そのようなそれぞれの粒子が、量において、一致することが特に好適である。
それぞれの小球の量は、成形用型の量、又は小球の数の量、例えば2〜6、好適には2〜4の数に一致することができ、より小さな小球が、成形用型の量に一致する。好適には、それぞれの小球は、満たされるべき成形用型の量に一致する。成形用型を満たすためにいかに多くの小球が用いられるかを無視して、例えば約25%まで、特に約10〜5%までの入れ過ぎの程度は重要ではない。小球への転換の結果として、固形状態へ転換される溶液を、計量導入の前に分割することは不必要であり、更にそれぞれの成形用型は、比較的正確に、理想的には一つの小球で満たされる。
これを達成するために、プレポリマー溶液は、例えば、冷やされたプレートへの液滴で施されることができる。好適には、プレートは、その上に落とされた液滴は、直ちに固体化するように冷却される。ガラス板のための適切な温度は、例えば−30℃〜−50℃の範囲であるが、−40℃が好適である。小球は、凝結の後、プレートから取り除くことができる。小球は、融点未満で通常長期間保存することができるので、本発明の方法での即時の更なる加工は可能であるが、必要でない。
それ自体既知である方法が、得られた固形状態の溶液、すなわち小球を、成形用型へ、慣用の計量導入、例えば機械的挿入で、導入するために用いることができる。
小球が挿入される成形用型は、好適には小球の融解を促進するために予熱される。適切な予熱温度は、60℃まで、特に50℃までであり、成形品が形成される材料に適合するように選ばれる温度が必要であることは自明である。上述の適切な予熱温度は、小球の液体状態への変換が1分まで、理想的には30〜15秒である時間であるものである。小球に供給されるべき融解エネルギーが、マイクロ波又は赤外放射の形態であることもできる。
好適には、引き続く光架橋は、したがって、プレポリマーの水性の溶液中で実質的に直接に行われ、それは好適な精製工程、すなわち、好適には追加のビニルコモノマーの添加なしでの限外濾過により得ることができ、溶液は、成形用型へ計量導入しやすいように、固形状態に変換される。この方法において、例えば約15〜40%水性溶液が光架橋されることができる。
成形用型の選択が関連している限り、成形品、特にコンタクトレンズは、それ自体既知の方法、US-A-3 408 429に記載されているように例えば慣用の「spin-casting-mold」、又はUS-A-4 347 198に記載されているように、いわゆる「full-mold」法で製造することができる。適切な成形用型は、例えばポリプロピレンから製造される。再使用し得る成形用型のための適切な材料は、例えば石英、サファイアガラス及び金属である。
成形品及び成形用型の性質又は用いられる成形用型部品の配列に従い、成形用型を閉じることは、必要であることもでき、又は不必要であることもできる。したがって、本発明の方法において、成形用型は必要に応じて閉じ、架橋が開始された後、再び開かれる。当業者は、容易にそれが必要であることを認めるであろう。例えば、閉じること及び開くことの二つの工程は、例えば典型的な「full-mold」法では必要であり、もし、例えばEP-A-637 490による方法が行われるならば、成形用型の完全な閉鎖は不必要である。しかしながら、この場合にもまた、成形品の外形は、実質的に成形用型、又は成形用型部品により決定される。
架橋は、成形用型中で、例えば化学線放射、例えばUV光又はイオン化放射線、例えばガンマ線、電子放射又はX線により開始させることができる。架橋は、適切ならば、非常に短時間で、例えば5分未満、好適には1分未満、特に30秒まで、更に特には実施例に記載されているように実施することができることが強調されるべきである。
追加のビニルコモノマーの不存在又は存在下に適切なプレポリマーを光架橋することにより得ることのできるプレポリマーは、水溶性である。
成形品が成形用型から取り出すことができるための、成形用型の開口は、それ自体既知方法で実施することができる。先行技術に提案されている方法においては、成形用型から取り出し、続いての精製工程、例えば抽出及び得られた成形品、特にコンタクトレンズの水和工程が必要であるが、そのような工程は、本発明の方法においては必要ではない。
プレポリマー溶液は、好適には望ましくない低分子量構成物を含まないので、架橋された製品もこのような構成物を含まない。したがって、引き続く抽出は、必要ではない。架橋が、実質的に水性の溶液において、実施されるので、引き続く水和は必要でない。とりわけ、これらの二つの特徴の結果は、得られた成形品、特にコンタクトレンズの面倒な後処理が不必要であるということである。
既に言及したように、特に本発明の方法に用いるに適切なプレポリマーは、ポリビニルアルコールのヒドロキシ基の数に基づいて、式(I):
(式中、
Rは、8個までの炭素原子を有する低級アルキレンであり、
R1は、水素又は低級アルキルであり、そして
R2は、オレフィン性不飽和の、電子吸引性の、25個までの炭素原子を有する共重合性基である)の単位の約0.5〜約80%を含む、少なくとも約2,000の重量平均分子量を有するポリビニルアルコールの誘導体である。
R2は、例えば式R3−CO−(ここで、R3は、2〜24個の炭素原子、好適には2〜8個の炭素原子、特に2〜4個の炭素原子を有するオレフィン性不飽和の共重合性基である)のオレフィン性不飽和の共重合性基である。別の実施態様において、R2が、式(II):
(式中、
qは、ゼロ又は1であり、
R4及びR5は、それぞれ他と独立に、2〜8個の炭素原子を有する低級アルキレン、6〜10個の炭素原子を有する飽和2価の脂環式基、7〜14個の炭素原子を有するアリーレンアルキレン若しくはアルキレンアリーレン、13〜16個の炭素原子を有するアリーレンアルキレンアリーレンであり、そして
R3は、上記と同義である)の基である。
したがって、プレポリマーは、ポリビニルアルコールのヒドロキシ基の数に基づいて、式(III):
(式中、
Rは、低級アルキレンであり、
R1は、水素又は低級アルキルであり、
pは、ゼロ又は1であり、
qは、ゼロ又は1であり、
R3は、2〜8個の炭素原子を有するオレフィン性不飽和の共重合性基であり、そして
R4及びR5は、それぞれ他と独立に、2〜8個の炭素原子を有する低級アルキレン、6〜10個の炭素原子を有する飽和2価の脂環式基、7〜14個の炭素原子を有するアリーレンアルキレン若しくはアルキレンアリーレン、13〜16個の炭素原子を有するアリーレンアルキレンアリーレンであり、そして
R3は、上記と同義である)の単位の約0.5〜約80%を含む、少なくとも約2,000の重量平均分子量を有するポリビニルアルコールの誘導体である。
低級アルキレンRは、好適には8個までの炭素原子を有し、直鎖又は分岐でnあることができる。適切な例は、オクチレン、ヘキシレン、ペンチレン、ブチレン、プロピレン、エチレン、メチレン、2−プロピレン、2−ブチレン及び3−ペンチレンを含む。好適には、低級アルキレンRは、6個まで、特に4個までの炭素原子を有する。メチレン及びブチレンは、特に好適である。
R1は、好適には水素、又は7個まで、特に4個までの炭素原子を有する低級アルキル、特に水素である。
低級アルキレンR4及びR5は、好適には2〜6個の炭素原子を有し、特に直鎖である。適切な例は、プロピレン、ブチレン、ヘキシレン、ジメチルエチレン、特にエチレンを含む。
アリーレンR4又R5は、好適には非置換若しくは低級アルキル、又は低級アルコキシで置換されたフェニレン、特に1,3−フェニレン若しくは1,4−フェニレン又はメチル−1,4−フェニレンである。
飽和二価脂環式基R4又はR5は、好適にはシクロヘキシレン又はシクロヘキシレン−低級アルキレン、例えば非置換若しくはメチル基の1個若しくは2個以上で置換されたシクロヘキシレンメチレンであり、例えばトリメチルシクロヘキヘシレン−メチレン、例えば2価のイソホロン基である。
アルキレンアリーレン又はアリーレンアルキレンR4又はR5のアリーレン部分は、好適には非置換又は低級アルキル若しくは低級アルコキシで置換されたフェニレンであり、そのアルキレン部分は、好適には低級アルキレン、例えばメチレン又はエチレン、特にメチレンである。好適には、そのようなR4又はR5は、したがって、フェニレンメチレン又はメチレンフェニレンである。
アリーレンアルキレンアリーレンR4又はR5は、好適にはアルキレン部分に4個までの炭素原子を有するフェニレン−低級アルキレンフェニレン、例えばフェニレン−エチレンフェニレンである。
基R4及びR5は、それぞれ、他と独立に、好適には2〜6個の炭素原子を有する低級アルキレン、非置換若しくは低級アルキルで置換されたフェニレン、又は非置換若しくは低級アルキルで置換された、シクロヘキシレン若しくはシクロヘキシレン−低級アルキレン、フェニレン−低級アルキレン、低級アルキレン−フェニレン又はフェニレン−低級アルキレン−フェニレンを表す。
本発明の文脈において、基及び化合物に関連しての用語「低級」は、別に断らない限り、7個までの炭素原子、好適には4個までの炭素原子を有する基又は化合物を意味する。
低級アルキルは、特に7個までの炭素原子、好適には4個までの炭素原子を有し、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル又はtert−ブチルである。
低級アルコキシは、特に7個までの炭素原子、好適には4個までの炭素原子を有し、例えばメトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ又はtert−ブトキシである。
2〜24個の炭素原子を有する、オレフィン性不飽和の共重合性基R3は、好適には2〜24個の炭素原子を有するアルケニル、特に2〜8個の炭素原子を有するアルケニル、より特に2〜8個の炭素原子を有するアルケニル、例えば2−プロペニル、3−プロペニル、2−ブテニル、ヘキセニル、オクテニル又はドデセニルである。エテニル及び2−プロペニルが好適であり、したがって、−CO−R3は、アクリル又はメタクリル酸のアシル基を意味する。
2価基−R4−NH−CO−O−は、qが1であるとき、存在し、qがゼロであるときには、存在しない。qがゼロであるプレポリマーは、好適である。
2価基−CO−NH−(R4−NH−CO−O)q−R5−O−は、pが1であるとき、存在し、pがゼロであるときには、存在しない。pがゼロであるプレポリマーは、好適である。
pが1であるプレポリマーにおいて、指標qは、好適にはゼロである。特に好適なものは、pが1であり、指標qがゼロであり、そしてR5が、低級アルキレンであるプレポリマーである。
したがって、好適な適切なプレポリマーは、特に、ポリビニルアルコールのヒドロキシ基の数に基づいて、Rが6個までの炭素原子を有する低級アルキレンであり、pがゼロであり、そしてR3が2〜8個の炭素原子を有する式(III)の単位の約0.5〜80%を含む、少なくとも約2,000の重量平均分子量を有するポリビニルアルコールの誘導体である。
したがって、更に好適であり適切なプレポリマーは、特に、ポリビニルアルコールのヒドロキシ基の数に基づいて、Rが6個までの炭素原子を有する低級アルキレンであり、pが1であり、qがゼロであり、R5が2〜6個の炭素原子を有するアルキレンであり、そしてR3が2〜8個の炭素原子を有する式(III)の単位の約0.5〜80%を含む、少なくとも約2,000の重量平均分子量を有するポリビニルアルコールの誘導体である。
したがって、更に好適であり適切なプレポリマーは、特に、ポリビニルアルコールのヒドロキシ基の数に基づいて、Rが6個までの炭素原子を有する低級アルキレンであり、pが1であり、qが1であり、R4が、2〜6個の炭素原子を有する低級アルキレン、非置換若しくは低級アルキルで置換されたフェニレン、又は非置換若しくは低級アルキルで置換された、シクロヘキシレン若しくはシクロヘキシレン−低級アルキレン、又はフェニレン−低級アルキレン、低級アルキレン−フェニレン又はフェニレン−低級アルキレン−フェニレンであり、R5が2〜6個の炭素原子を有するアルキレンであり、そしてR3が2〜8個の炭素原子を有する式(III)の単位の約0.5〜80%を含む、少なくとも約2,000の重量平均分子量を有するポリビニルアルコールの誘導体である。
顕著に適切なプレポリマーは、ポリビニルアルコールのヒドロキシ基の数に基づいて、式(III)の単位の約0.5〜80%、特に約1〜50%、より特には約1〜25%、好適には2〜15%、更に好適には3〜10%を含む少なくとも約2,000の重量平均分子量を有するポリビニルアルコールの誘導体である。
コンタクトレンズの製造を意図しているプレポリマーは、特にポリビニルアルコールのヒドロキシ基の数に基づいて、式(III)の単位の約0.5〜約25%、特に約1〜15%、より特には約2〜12%を含む。
適切なプレポリマーを形成させるために誘導体化することができるポリビニルアルコールは、好適には少なくとも10,000の重量平均分子量を有する。上限として、ポリビニルアルコールは、1,000,000までの分子量を有することができる。好適には、ポリビニルアルコールは、300,000まで、特に約100,000まで、より特には約50,000までの重量平均分子量を有する。
一般に、適切なポリビニルアルコールは、主として、ポリ(2−ヒドロキシ)エチレン構造を有する。誘導体化されたポリビニルアルコールは、しかしながら、1,2−グリコールの形態で、ヒドロキシ基を有し、例えば1,2−ジヒドロキシエチレンのコポリマー単位を有する(例えば、ビニルアセタート/ビニレンカーボナートコポリマーのアルカリ加水分解で得ることができるように)。
更に、誘導体化されたポリビニルアルコールは、少量の、例えばエチレン、プロピレン、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジメチルアクリルアミドヒドロキシメタクリラート、メチルメタクリラート、メチルアクリラート、エチルアクリラート、ビニルピロリドン、ヒドロキシエチルアクリラート、アリルアルコール、スチレンのコモノマーコモノー又は慣用的に用いられる類似のコモノマーの20%まで、好適には5%までを含むこともできる。
市販のポリビニールのアルコールは、例えばVinol(商標)107(Air Productsから)(MW=22000〜31000、98〜98.8%加水分解)、Polysciences 4397(MW=25000、98.5%加水分解)、BF 14(Chan Chunから)、Elvanol 90-50(DuPontから)、UF-120(Unitikaから)、Moviol(商標)3-83、4-88、10-98及び20-98(Hoechstから)を用いることができる。他の製造業者は、Nippon Gohsei(Gohsenol(商標))、Monsanto(Gelvatol(商標))、Wacker(Polyviol(商標))及び日本の製造業者クラレ、電気及び信越である。
既に言及したように、例えば加水分解されたエチレン−ビニルアセタート(EVA)、又はビニルクロリド/ビニルアセタート、N−ビニルピロリドン/ビニルアセタート及びマレイン酸無水物/ビニルアセタートとして得ることができる加水分解されたコポリマーを用いることもできる。
ポリビニール・アルコールは、通常、相当するホモポリマーのポリビニールアセタートの加水分解により調製される。好適な実施態様において、誘導体化されたポリビニールアルコールは、ポリビニールアセタート単位の50%未満、特にポリビニールアセタート単位の20%未満を含む。本発明により誘導体化されたポリビニールアルコールは、ビニルアルコール単位及びアセタート単位の合計に基づいて、好適には、約3〜20%、好適には約5〜16%、特に約10〜14%)を含む。
式(I)又は(III)を含む化合物は、それ自体既知の方法で調製することができる;EP-A-641 806を参照のこと。
本発明によれば、光架橋において、それに加えて、用いられるビニルコモノマーは、疎水性若しくは親水性であることができるか、又は疎水性若しくは親水性ビニルモノマーの混合物であることもできる。適切なビニルモノマーは、特にコンタクトレンズの製造に慣用に用いられるそれらである。親水性ビニルモノマーは、ホモポリマーとして典型的に水溶性又は少なくとも10重量%の水を吸収することができるポリマーを生成するモノマーを意味すると理解されるべきである。同様に、疎水性ビニルモノマーは、ホモポリマーとして典型的に水不溶性又は10重量%未満の水を吸収することができるポリマーを生成するモノマーを意味すると理解されるべきである。
一般に、プレポリマーの架橋し得る基当たり、すなわち式(I)又は(III)の単位当たり、典型的なビニルコモノマーの約0.01〜80単位が反応する。
ビニル・コモノマーが用いられるならば、本発明の架橋されたポリマーは、ポリビニルアルコールのヒドロキシ基の数に基づいて、好適には、ポリマー性基本構造を形成するモノマーの当量に基づく架橋性基、いわゆる、例えば式(I)又は(III)の単位の約1〜15%、特に3〜8%を含み、それらは、ビニルモノマーの約0.1〜80単位と反応する。
ビニルコモノマーの量は、もしそれらが用いられるならば、好適には架橋し得る基当たり、0.5〜80単位、特に架橋し得る基当たり、1〜30単位、より特に架橋し得る基当たり5〜20単位である。
親水性ビニルコモノマー又は疎水性ビニルコモノマーと親水性ビニルコモノマーの混合物、疎水性ビニルコモノマーの少なくとも50重量%を含む混合物を用いるのも好適である。この方法で、ポリマーの機械的特性は、含水量の低下なしに改善することができる。原則として、しかしながら、慣用の疎水性ビニルコモノマー及び慣用の親水性ビニルコモノマーの両方が、プレポリマー、例えば式(I)の基を含むポリビニルアルコールとの共重合のために適切である。
適切は疎水性ビニルコモノマーは、このリストが限定するものではないが、C1−C18アルキルアクリラート及びメタクリラート、C3−C18アルキルアクリルアミド及びメタクリルアミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、ビニル−C1−C18アルカノアート、C2−C18アルケン、C2−C18ハロアルケン、スチレン、C1−C6アルキルスチレン、ビニルアルキルエーテル(ここで、アルキル部分は、1〜6個の炭素原子を有する)、C2−C10ペルフルオロアルキルアクリラート及びメタクリラート又は相当する部分的にフルオロ化アクリラート及びメタクリラート、C3−C12ペルフルオロアルキルエチルチオカルボニルアミノエチルアクリラート及びメタクリラート、アクリルオキシ−及びメタクリルオキシ−アルキルシロキサン、N−ビニルカルバゾール、並びにマレイン酸、フマール酸、イタコン酸、メサコン酸などのC1−C12アルキルエステルを含む。例えば、炭素原子3〜5個を有するビニル性不飽和カルボン酸のC1−C4アルキルエステル及び5個までの炭素原子を有するカルボン酸のビニルエステルが好適である。
適切は疎水性ビニルコモノマーの例は、メチルメタクリラート、エチルアクリラート、プロピルアクリラート、イソプロピルアクリラート、シクロヘキシルアクリラート、2−エチルヘキシルアクリラアート、メチルメタクリラート、エチルメタクリラート、プロピルメタクリラート、ビニルアセタート、ビニルプロピオナート、ビニルブチラート、ビニルバレラート、スチレン、クロロプレン、ビニルクロリド、ビニリデンクロリド、アクリロニトリル、1−ブテン、ブタジエン、メタクリロニトリル、ビニルトルエン、ビニルエチルエーテル、ペルフルオロヘキシルエチルチオカルボニルアミノエチルメタクリラート、イソボルニルメタクリラート、トリフルオロエチルメタクリラート、ヘキサフルオロイソプロピルメタクリラート、ヘキサフルオロブチルメタクリラート、トリス−トリメチルシリルプロピルメタクリラート、3−メタクリルロオキシプロピルペンタメチルジシロキサン及びビス(メタクリロオキシプロピル)テトラメチルジシオキサンを含む。
適切な親水性ビニルコモノマーは、このリストが限定するものではないが、ヒドロキシ−置換低級アルキルアクリラート及びメタクリラート、アリクルアミド、メタクリルアミド、低級アルキルアクリルアミド及びメタクリルアミド、エトキシル化アクリラート及びメタクリラート、ヒドロキシ−置換低級アルキルアクリルアミド及びメタクリルアミド、ヒドロキシ−置換低級アルキルビニルエーテル、ナトリウムエチレンスルホナート、ナトリウムスチレンスルホナート、2−アクリルアミド−2−メチルプロパン−スルホン酸、N−ビニルピロール、N−ビニルスクシンイミド、N−ビニルピロリドン、2−又は4−ビニルピリジン、アクリル酸、メタクリル酸、アミノ−(この用語「アミノ」は4級アンモニウムを含む)、モノ−低級アルキルアミノ−又はジ−低級アルキルアミノ−低級アルキルアクリラート及びメタクリラート、アリルアルコールなどを含む。例えば、ヒドロキシ−置換C2−C4アルキル(メタ)アクリラート、5〜7員N−ビニルラクタム、N,N−ジ−C1−C4(メタ)アクリルアミド及び全部で3〜5個の炭素原子を有するビニル性不飽和のカルボン酸が好適である。
適切な親水性ビニルコモマーの例は、ヒドロキシエチルメタクリラート、ヒドロキシエチルアクリラート、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、アリルアルコール、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、グリセロールメタクリラート、N−(1,1−ジメチル−3−オキソブチル)アクリルアミドなどを含む。
好適な疎水性ビニルコモノマーは、メチルメタクリラート及びビニルアセタートである。
好適な親水性ビニルコモノマーは、2−ヒドロキシエチルメタクリラート、N−ビニルピロリドン及びアクリルアミドである。
本発明の方法は、成形品、特にコンタクトレンズを、例えば適切なコンタクトレンズ成形用型内でプレポリマーを光架橋を実施することにより製造する。本発明により製造することができる成形品の別の例は、コンタクトレンズに加えて、生物医学、特に、眼用成形品、例えば眼内レンズ、及び眼帯、外科での用途での成形品、例えば、心臓弁、人工動脈など、更にはフィルム又は膜、例えば拡散制御用膜、情報貯蔵用光構造性ホイル、又は光レジスト材料、例えば腐食レジスト又はスクリーン印刷レジストである。
以下の実施例において、別に断らない限り、量は、重量で与えられ、温度は、摂氏度で与えられる。本発明の文脈の範囲で、分子量は、別に断らない限り、平均分子量に関する。この実施例は、いかなる方法においても、例えば実施例の範囲に、本発明を制限することを意図していない。
実施例1:コンデンサ、温度計、撹拌器及びサーモスタットを有する二重壁反応容器に、ヘキストからのポリビニール・アルコールMowiol(3-83)(Lot23029、アセタート含量:18.8mol%、3.633meq/gに相当、PVA含量:95.09%、固有粘度:0.272(dl/g))100gを空気下に室温で、水493gに加え、混合物を攪拌しながら90℃に加熱した。1時間後、この溶液を25℃に冷却し、N−(2,2−ジメトキシエチルアクリルアミド)7.09g及び発煙塩酸(37%)66.6gを加えた。混合物を25℃で11.5時間攪拌した。
生成物を単離するために、反応混合物を15%NaOH236gでpH7に調整し、0.45μmのフィルターで濾過し、空気下でMilliporからの1kD限外濾過膜(Prep/scale-TFF Cartridge)越しに、濾液の塩化ナトリウム含量が、0.005%未満になるまで、限外濾過に付した。溶液を単離し、19.2%のプレポリマー含量を有するポリマー溶液465.1g(理論の98.7%に相当する)を得た。次いで、溶液をロータリーエバポレーターを用いて30%までに濃縮し、Irgacure(商標)2959の0.1%(乾燥含量に基づく)で増感した。大量を製造するために、ポリマー溶液を30%濃度まで、Milliporからの1kD tripple scree Pellikonカッセトを用いて直接に濃縮し、次いで無菌濾過した。
得られたプレポリマーの結果は以下のようである:
固有粘度: 0.309(dl/g)
アセテート含量: 1.51meq/g、7.47mol%に相当
架橋剤(アクリルアミド): 0.678N、0.484meq/gに相当
30%溶液の粘度: 880Pa.s(40℃)
実施例2:実施例1により得た30%溶液の液滴を、シリンジを用いて冷却されたガラスに塗布した。ガラスプレートを−40℃に冷却し、液滴を瞬時に固化させた。固化した液滴、いわゆる形成された小球は、ガラスプレート上から取り出し、所望により、軟化温度未満(この特定の場合は、約−3℃である)で貯蔵することができる。小球は、30〜40mgと秤量された。
小球を50℃に予め加熱されたメスのコンタクトレンズ成形用型へ計量導入した。凍結された溶液、いわゆる小球は、10秒以内に融け、成形用型を閉じることができる。101mW/cmのランプ出力で、304nmフィルターを通して向けられている光で12秒の照射の後、成形用型を開き、コンタクトレンズを取り出すことができた。仕上げられたコンタクトレンズは、約70%の含水量を有している。引っ張り伸びは134%であり、ヤング率は、0.53mPaである。このコンタクトレンズは、光学的な正確性、生物学的適合性及び快適性、及び更に機械的に安定なコウタクトレンズのための全ての必要要件に合致している。
初めに既に述べたように、上記の例は、本発明の方法の驚くべき利点を示している。例えば、液滴の破壊によりもたらされるる計量の泡は発生しない。更に、凍結された溶液の融解の結果としての蒸発リングもなく、成形品は増加して満たされ、へりでの蒸発もない。更に、架橋反応の存続時間は、上昇した温度で好ましく影響される。熔融方法の期間は、成形用型の温度により制御することができる。
Claims (10)
- 成形品を製造するための方法であって、
a)架橋し得る基を含む水溶性のプレポリマーの実質的に水性の溶液を調製する工程、
b)得られた溶液を固形状態に変換する工程、
c)得られた固形状態物を成形用型に導入する工程、
d)固形状態物を成形用型内で液体状態に変換する工程、
e)適用できる場合には、成形用型を閉じる工程、
f)架橋を開始させる工程、
g)適用できる場合には、成形用型を開き、それにより成形用型から成形品を取り出す工程を含むことを特徴とする方法。 - 成形品が、コンタクトレンズである、請求項1記載の方法。
- 架橋し得る基を含む水溶性プレポリマーの実質的に水性の溶液が、プレポリマーの製造のために用いられる、モノマー性、オリゴマー性若しくはポリマー性出発物質又はプレポリマーの製造の間に形成される2次生成物を含まないか又は実質的に含まず、かつ望ましくないいかなる構成物をも含まないか又は実質的に含まない、請求項1記載の方法。
- 架橋し得る基を含む水溶性プレポリマーの実質的に水性の溶液が、ビニルコモノマーを添加せずに、かついかなるコモノマーをも添加せずに用いられる、請求項1記載の方法。
- 架橋のための開始剤を、プレポリマー溶液に添加する、請求項1記載の方法。
- 架橋に続く、望ましくない構成物を取り除くための抽出が、省略される、請求項1記載の方法。
- a)プレポリマーの製造のために用いられる、モノマー性、オリゴマー性若しくはポリマー性出発物質又はプレポリマーの製造の間に形成される2次生成物を含まないか又は実質的に含まず、かつ望ましくないいかなる構成物をも含まないか又は実質的に含まず、かつコモノマーを添加せずに用いられる架橋し得る基を含む水溶性のプレポリマーの実質的に水性の溶液を調製する工程、
b)得られた溶液を固形状態に変換する工程、
c)得られた固形状態物を成形用型に導入する工程、
d)固形状態物を成形用型内で液体状態に変換する工程、
e)適用できる場合には、成形用型を閉じる工程、
f)架橋を開始する工程、
g)適用できる場合には、成形用型を開き、それにより成形用型から成形品を取り出す工程を含む、請求項1記載の方法。 - 成形品が、コンタクトレンズである、請求項7記載の方法。
- 実質的に水性の溶液が、純粋に水性溶液であるか、又は合成の、好適には緩衝された涙液である、請求項8記載のコンタクトレンズを製造するための方法。
- 架橋開始剤を、溶液に加え、次いで架橋を光架橋により実施する、請求項8記載の方法。
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