JP4159419B2 - 土工用材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は土工用材に関する。サンドコンパクション用材、サンドマット、サンドドレーン材料、裏込め材、覆土材、盛土材等として使用される土工用材には、その性質上、長期間に亘って固結し難く、透水性を有するものであることが要求される。近年、かかる土工用材として高炉水砕スラグが使用されるようになっているが、もともと高炉水砕スラグは長期間に亘って貯蔵したり、輸送すると、固結して遂には岩塊のようになってしまう性質を有するので、これをそのまま前記のような土工用材として使用するのは不都合である。使用時において固結しているものが土工用材として使用できないことはいうまでもないが、使用時においては固結していなくても、使用後において短期間に固結してしまい、透水性を失うようなものは、土工用材として相応しくないのである。本発明は、高炉水砕スラグを、長期間に亘って固結し難く、透水性を有するものとした土工用材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、高炉水砕スラグの固結防止剤として、1)脂肪族オキシカルボン酸やその塩(例えば特許文献1参照)、2)リグニンスルホン酸やその塩(例えば特許文献2参照)、3)糖類(例えば特許文献3参照)、4)脂肪族オキシカルボン酸やその塩のアルキレンオキサイド付加物(例えば特許文献4参照)等が提案されている。これらの固結防止剤は通常、水で希釈したその水性液を高炉水砕スラグへ例えばスプレーすることにより使用されている。したがって、前記のような固結防止剤を使用した高炉水砕スラグを土工用材として用いることが考えられる。しかし、前記のような固結防止剤には程度の差はあるものの、それらが発揮する固結防止効果が不充分であることに加え、とりわけそれらを使用した高炉水砕スラグを土工用材として用いると、もともと高炉水砕スラグの保水性が低く、これに使用した固結防止剤が雨水や海水等により流れ落ちるためと推察されるが、もとの固結防止効果が発揮されなくなって、短期間に固結してしまい、透水性を失ってしまう。例えば、前記のような固結防止剤を使用した高炉水砕スラグを、サンドコンパクション用材、サンドマット、サンドドレーン材料等の土工用材として水抜きが期待される地盤改良工事に用いると、雨水等によって高炉水砕スラグの表面から固結防止剤が溶離し、高炉水砕スラグが短期間に固結して、透水性を失うため、所期の役目を果たさなくなってしまうのである。同様のことは、前記のような固結防止剤を使用した高炉水砕スラグを、護岸工事の裏込め材、埋設工事の覆土材や盛土材等の土工用材として用いる場合にも起きる。
【0003】
【特許文献1】
特開昭54−130496号公報
【特許文献2】
特開昭57−95857号公報
【特許文献3】
特開昭58−104050号公報
【特許文献4】
特開2001−58855号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、高炉水砕スラグを、長期間に亘って固結し難く、透水性を有するものとした土工用材を提供する処にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決する本発明は、高炉水砕スラグ100重量部当たり、全構成単位中に下記の式1で示される構成単位と下記の式2で示される構成単位とを合計で60モル%以上有する水不溶性で高吸水性のアクリル酸系架橋重合体を0.002〜0.3重量部の割合で混合して成ることを特徴とする土工用材に係る。
【0006】
【式1】
【0007】
【式2】
【0008】
式2において、
X:アルカリ金属、アルカリ土類金属又は有機アミン
【0009】
本発明に係る土工用材において、高炉水砕スラグに固結防止剤として混合するのは、アクリル酸系架橋重合体である。このアクリル酸系架橋重合体は、1)全構成単位中に式1で示される構成単位と式2で示される構成単位とを合計で60モル%以上有すること、2)架橋構造を有すること、3)水不溶性であること、4)高吸水性であること、以上の1)〜4)の特性を備える重合体である。かかるアクリル酸系架橋重合体それ自体としては公知のものも含めて各種が挙げられる。
【0010】
式1で示される構成単位を形成することとなる単量体はアクリル酸である。式2で示される構成単位を形成することとなる単量体としては、1)アクリル酸ナトリウム、アクリル酸カリウム、アクリル酸リチウム等のアクリル酸アルカリ金属塩、2)アクリル酸カルシウム、アクリル酸マグネシウム等のアクリル酸アルカリ土類金属塩、3)アクリル酸トリエタノールアミン、アクリル酸ジエタノールアミン等のアクリル酸有機アミン塩が挙げられる。式2で示される構成単位には、単量体としてアクリル酸を用いて重合した後、アルカリ金属、アルカリ土類金属又は有機アミンで中和して得られるアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、有機アミン塩が含まれる。かかる塩としては、アルカリ金属塩が好ましく、ナトリウム塩がより好ましい。
【0011】
前記のアクリル酸系架橋重合体は、式1で示される構成単位及び式2で示される構成単位以外に、架橋構造部分の構成単位を有するものである。かかる架橋構造部分の構成単位を形成することとなる単量体としては、1)N,N−メチレンビスアクリルアミド等のアミド系架橋性単量体、2)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート等のエステル系架橋性単量体、3)グリセリンジアリルエーテル、グリセリントリアリルエーテル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、トリメチロールプロパントリアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル等のエーテル系架橋性単量体、4)エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル等の多価グリシジル化合物系架橋性単量体等が挙げられるが、なかでもアミド系架橋性単量体、多価グリシジル化合物系架橋性単量体が好ましい。アクリル酸系架橋重合体としては、全構成単位中に、前記のような架橋性単量体から形成される架橋構造部分の構成単位を0.01〜0.5モル%有するものが好ましく、0.05〜0.3モル%有するものがより好ましい。
【0012】
また前記のアクリル酸系架橋重合体は、その構成単位として、式1で示される構成単位、式2で示される構成単位及び架橋部分の構成単位以外の他の構成単位を有することができる。かかる他の構成単位を形成することとなる他の単量体としては、1)メタクリル酸、メタクリル酸の塩、クロトン酸、クロトン酸の塩、マレイン酸、マレイン酸の塩、無水マレイン酸、フマル酸、フマル酸の塩等のα,β−不飽和カルボン酸又はその塩、2)アクリルアミド、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル等の水溶性ビニル単量体等が挙げられるが、なかでもα,β−不飽和カルボン酸又はその塩が好ましく、メタクリル酸又はその塩がより好ましい。
【0013】
本発明に係る土工用材において、高炉水砕スラグに固結防止剤として混合するアクリル酸系架橋重合体それ自体は、公知の方法で合成できる。これには例えば、特開平3−56513号公報に記載の方法が挙げられる。より具体的には、ステンレス製圧力反応容器に、先ずアクリル酸水溶液と水酸化ナトリウム水溶液とを加えてアクリル酸を部分中和し、次に架橋性単量体を加え、更に窒素雰囲気下に過硫酸塩及び促進剤を加えた後、加圧下に60〜110℃の温度で重合反応を行なうことにより合成できる。
【0014】
高炉水砕スラグに固結防止剤として混合するアクリル酸系架橋重合体は、前記したように、全構成単位中に式1で示される構成単位と式2で示される構成単位とを合計で60モル%以上有するものであるが、なかでも式1で示される構成単位と式2で示される構成単位とを合計で70モル%以上有し、且つ式1で示される構成単位/式2で示される構成単位=85/15〜5/95(モル比)の割合で有するものが好ましく、式1で示される構成単位と式2で示される構成単位とを合計で90モル%以上有し、且つ式1で示される構成単位/式2で示される構成単位=70/30〜15/85(モル比)の割合で有するものがより好ましい。
【0015】
また高炉水砕スラグに固結防止剤として混合するアクリル酸系架橋重合体としては、その吸水量が10g/g以上のものが好ましく、20〜60g/gのものがより好ましい。ここで吸水量は、試料0.5gを300mlのビーカーに精秤し、0.9%食塩水200mlを加えて3時間攪拌した後、目開き147μm(100メッシュ)の金網で濾過し、5分間放置して、金網の水をペーパータオルでふき取り、かくして吸水処理した後の試料及び金網の重量を測定して、次の式で算出したものである。吸水量(g/g)=[吸水処理後の試料及び金網の重量(g)−金網の重量(g)]/0.5(g)
【0016】
更に高炉水砕スラグに固結防止剤として混合するアクリル酸系架橋重合体としては、その粒子径が10〜2000μmの粉粒状のものが好ましく、50〜1000μmの粉末状のものがより好ましい。
【0017】
かかる吸水量及び粒子径のアクリル酸系架橋重合体は、前記のように合成したものを反応系から分離し、細断、乾燥及び粉砕した後、篩等で分級することにより得ることができる。
【0018】
本発明に係る土工用材は、高炉水砕スラグ100重量部当たり、以上説明したアクリル酸系架橋重合体を0.002〜0.3重量部、好ましくは0.005〜0.1重量部の割合となるよう混合したものである。高炉水砕スラグ100重量部当たり、アクリル酸系架橋重合体の混合量が0.002重量部未満であると、固結防止効果が充分に発揮されず、逆に0.3重量部超としても、その割には固結防止効果が向上せず、非経済的になるからである。
【0019】
高炉水砕スラグへのアクリル酸系架橋重合体の混合は例えば高炉水砕スラグと粉末状のアクリル酸系架橋重合体とを乾式混合することでなし得る。
【0020】
本発明に係る土工用材としては、サンドコンパクション用材、サンドマット、サンドドレーン材料、裏込め材、覆土材、盛土材等が挙げられるが、なかでもサンドマット、サンドドレーン材料、裏込め材が好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】
本発明に係る土工用材の実施形態としては、次の1)〜4)が挙げられる。
1)高炉水砕スラグ100重量部当たり、下記のアクリル酸系架橋重合体を0.03重量部の割合で混合して成る土工用材。
アクリル酸系架橋重合体:全構成単位中に式1で示される構成単位と式2中のXがナトリウムである場合の式2で示される構成単位とを合計で99.8モル%有し、且つ式1で示される構成単位/式2中のXがナトリウムである場合の式2で示される構成単位=25/75(モル比)の割合で有する、架橋性単量体としてN,N−メチレンビスアクリルアミドを用いた、吸水量41g/g及び粒子径50〜500μmの水不溶性で粉末状のアクリル酸系架橋重合体。
【0022】
2)高炉水砕スラグ100重量部当たり、下記のアクリル酸系架橋重合体を0.03重量部の割合で混合して成る土工用材。
アクリル酸系架橋重合体:全構成単位中に式1で示される構成単位と式2中のXがナトリウムである場合の式2で示される構成単位とを合計で99.8モル%有し、且つ式1で示される構成単位/式2中のXがナトリウムである場合の式2で示される構成単位=45/55(モル比)の割合で有する、架橋性単量体としてN,N−メチレンビスアクリルアミドを用いた、吸水量37g/g及び粒子径50〜1000μmの水不溶性で粉末状のアクリル酸系架橋重合体。
【0023】
3)高炉水砕スラグ100重量部当たり、下記のアクリル酸系架橋重合体を0.03重量部の割合で混合して成る土工用材。
アクリル酸系架橋重合体:全構成単位中に式1で示される構成単位と式2中のXがナトリウムである場合の式2で示される構成単位とを合計で99.8モル%有し、且つ式1で示される構成単位/式2中のXがナトリウムである場合の式2で示される構成単位=60/40(モル比)の割合で有する、架橋性単量体としてジエチレングリコールジグリシジルエーテルを用いた、吸水量23g/g及び粒子径50〜500μmの水不溶性で粉末状のアクリル酸系架橋重合体。
【0024】
4)高炉水砕スラグ100重量部当たり、下記のアクリル酸系架橋重合体を0.03重量部の割合で混合して成る土工用材。
アクリル酸系架橋重合体:全構成単位中に式1で示される構成単位と式2中のXがナトリウムである場合の式2で示される構成単位とを合計で94.8モル%有し、且つ式1で示される構成単位/式2中のXがナトリウムである場合の式2で示される構成単位=30/70(モル比)の割合で有する、架橋性単量体としてN,N−メチレンビスアクリルアミドを用いた、吸水量35g/g及び粒子径50〜1000μmの水不溶性で粉末状のアクリル酸系架橋重合体。
【0025】
以下、本発明の構成及び効果をより具体的にするため、実施例等を挙げるが、本発明がこれらの実施例に限定されるというものではない。尚、以下の実施例等において、別に記載しない限り、部は重量部を、また%は重量%を意味する。
【0026】
【実施例】
試験区分1(アクリル酸系架橋重合体等の合成)
・アクリル酸系架橋重合体(A−1)の合成
ステンレス製圧力反応容器に、アクリル酸110.5部、水232部及び30%濃度の水酸化ナトリウム水溶液153.5部をかき混ぜながら加えてアクリル酸を部分中和した。室温まで冷却した後、N,N−メチレンビスアクリルアミド0.4部を加え、窒素でバブリングして混合した。更に10%濃度の過硫酸ナトリウム水溶液0.3部及び10%濃度のエリソルビン酸ナトリウム0.015部を加え、圧力300kPa及び最高温度90℃で40分間、重合反応を行なった。反応系から生成物を分離し、細断して、120℃の熱風乾燥器中で乾燥した後、粉砕し、篩で分級して、水不溶性で粉末状のアクリル酸系架橋重合体(A−1)を得た。
【0027】
・アクリル酸系架橋重合体等(A−2)〜(A−4)及び(a−1)〜(a−4)の合成
アクリル酸系架橋重合体(A−1)と同様にして、アクリル酸系架橋重合体等(A−2)〜(A−4)及び(a−1)〜(a−4)を得た。以上で合成した各アクリル酸系架橋重合体等の内容を表1にまとめて示した。
【0028】
【表1】
【0029】
表1において、
(1)+(2):全構成単位中に占める式1で示される構成単位と式2で示される構成単位との合計割合(モル%)
(1)/(2):式1で示される構成単位/式2で示される構成単位の比率(モル比)
M−1:メタクリル酸から形成された構成単位
M−2:アクリルアミドから形成された構成単位
L−1:N,N−メチレンビスアクリルアミドから形成された構成単位
L−2:ジエチレングリコールジグリシジルエーテルから形成された構成単位
【0030】
試験区分2(土工用材の調製)
・実施例1〜4及び比較例1〜7
バットに高炉水砕スラグを広げ、試験区分1で合成したアクリル酸系架橋重合体等を表2に記載の混合量となるよう加えてハンドスコップで混合した。更に可傾式ミキサーで10分間混合して、表2に記載の土工用材を調製した。
【0031】
試験区分3(調製した土工用材の固結防止性の評価)
試験区分2で調製した土工用材を、内径100mmで高さ127mmの円筒形容器に充填した後、容器ごと80℃の恒温水槽中に浸漬し、所定期間養生した。養生後の充填物の一軸圧縮強度を下記のように測定し、固結防止性を評価した。結果を表2にまとめて示した。
一軸圧縮強度:土の一軸圧縮強度の測定方法(JIS−A1216)に準拠して測定した。但しここでは、直径100mmのものについて測定した。
【0032】
【表2】
【0033】
表2において、
混合量:高炉水砕スラグ100重量部当たりのアクリル酸系架橋重合体等の混合重量部
比較例1:アクリル酸系架橋重合体等を混合していない未処理の高炉水砕スラグ
*1:固結が認められないので測定できなかった
a−5:ポリアクリル酸ナトリウム(平均分子量10000の水溶性アクリル酸系重合体)
a−6:グルコン酸ナトリウム
これらは以下同じ
【0034】
表2の結果から、各実施例の場合には養生6月でも固結が認められなかったが、各比較例の場合には養生1月で固結が起こっており、養生期間の経過に伴って固結の強くなっていることが解る。
【0035】
試験区分4(土工用材の調製)
・実施例5〜8及び比較例8〜14
高炉水砕スラグをベルトコンベアで搬送しつつ、該ベルトコンベア上に試験区分1で合成したアクリル酸系架橋重合体等を表3に記載の混合量となるよう連続して切り出し、土工用材を調製した。
【0036】
試験区分5(調製した土工用材の固結防止性の評価)
試験区分4で調製した土工用材100tを、深さ1.5m、幅4m、長さ10mの溝に装入し、水を張って放置した。所定期間放置後にコアサンプリングして、試験区分3と同様に一軸圧縮強度を測定した。結果を表3にまとめて示した。
【0037】
【表3】
【0038】
表3において、
R−8:アクリル酸系架橋重合体等を混合していない未処理の高炉水砕スラグ以下同じ
【0039】
表3の結果から、各実施例の場合には放置2年でも固結が認められなかったが、各比較例の場合には放置3月で固結が起こっており、放置期間の経過に伴って固結の強くなっていることが解る。
【0040】
試験区分6(調製した土工用材のサンドドレーン材料としての評価)
試験区分4で調製した土工用材をサンドドレーン材料として用い、埋立地内に直径2m、深さ15mのサンドドレーン構造物を構築して放置した。所定期間放置後にコアサンプリングして、試験区分3と同様に一軸圧縮強度を測定すると共に、下記のように透水係数を測定した。結果を表4にまとめて示した。
透水係数:土の透水試験方法JIS−A1218に準拠して測定した。透水係数の数値が大きいほど、透水性が良好であることを意味する。
【0041】
【表4】
【0042】
表4の結果から、各実施例の場合には放置1年でも固結が認められず、良好な透水性を有しているが、各比較例の場合には放置6月で固結が起こっており、透水性が著しく低下していて、これらは放置期間の経過に伴って進むことが解る。
【0043】
試験区分7(調製した土工用材のサンドマットとしての評価)
試験区分4で調製した土工用材をサンドマットとして用い、浚渫土砂を入れた造成地に厚さ0.5mでサンドマット構造物を構築して放置した。所定期間放置後に、任意の3箇所A、B及びCでコアサンプリングして、試験区分3と同様に一軸圧縮強度を測定すると共に、試験区分6と同様に透水係数を測定した。結果を表5にまとめて示した。
【0044】
【表5】
【0045】
表5の結果から、各実施例の場合には放置1年でも固結が認められず、良好な透水性を有しているが、各比較例の場合には放置6月で固結が起こっており、透水性が著しく低下していて、これらは放置期間の経過に伴って進むことが解る。
【0046】
試験区分8(調製した土工用材の裏込め材としての評価)
試験区分4で調製した土工用材を護岸工事の裏込め材として用い、高さ10m、背面勾配1:1.5とした護岸裏込め構造物を構築して放置した。所定期間放置後に、背面部からコアサンプリングして、試験区分3と同様に一軸圧縮強度を測定すると共に、試験区分6と同様に透水係数を測定した。結果を表6にまとめて示した。
【0047】
【表6】
【0048】
表6の結果から、各実施例の場合には放置1年でも固結が認められず、良好な透水性を有しているが、各比較例の場合には放置1月で固結が起こっており、透水性が著しく低下していて、これらは放置期間の経過に伴って進むことが解る。
【0049】
【発明の効果】
既に明らかなように、以上説明した本発明には、高炉水砕スラグを用いた土工用材であって、長期間に亘り優れた固結防止性及び透水性を有する土工用材を提供できるという効果がある。
Claims (9)
- アクリル酸系架橋重合体が、全構成単位中に式1で示される構成単位と式2で示される構成単位とを合計で70モル%以上有し、且つ式1で示される構成単位/式2で示される構成単位=85/15〜5/95(モル比)の割合で有する、吸水量10g/g以上のものである請求項1記載の土工用材。
- アクリル酸系架橋重合体が、全構成単位中に式1で示される構成単位と式2で示される構成単位とを合計で90モル%以上有し、且つ式1で示される構成単位/式2で示される構成単位=70/30〜15/85(モル比)の割合で有するものである請求項2記載の土工用材。
- アクリル酸系架橋重合体が、式2中のXがアルカリ金属である場合のものである請求項1〜3のいずれか一つの項記載の土工用材。
- アクリル酸系架橋重合体が、架橋構造部分の構成単位を形成することとなる単量体としてアミド系架橋性単量体又は多価グリシジル化合物系架橋性単量体を用いたものである請求項1〜4のいずれか一つの項記載の土工用材。
- アクリル酸系架橋重合体が、全構成単位中に架橋構造部分の構成単位を0.05〜0.3モル%有するものである請求項1〜5のいずれか一つの項記載の固結防止剤。
- アクリル酸系架橋重合体が、粒子径10〜2000μmの粉粒状のものである請求項1〜6のいずれか一つの項記載の土工用材。
- アクリル酸系架橋重合体が、吸水量20〜60g/gのものである請求項1〜7のいずれか一つの項記載の土工用材。
- サンドコンパクション用材、サンドマット、サンドドレーン材料、裏込め材、覆土材又は盛土材である請求項1〜8のいずれか一つの項記載の土工用材。
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