JP4159092B2 - ケーブル抜け止め器具 - Google Patents
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Description
このような電源ケーブルの誤抜け対策として、特許文献1では、コネクタ部両側のねじ穴に一対の締付具を螺合し、差し込みプラグを掛け止める凸型部を中心に有する針金状ばね部材を、この締付具で両側から枢支してなるコンセント用ロック部材が開示されている。
(1)特許文献1では差し込みプラグを抜き差しする場合には針金状ばね部材を跳ね上げるように回動させる必要がある。しかし、差し込みプラグの周辺に突出部などが存在する場合には針金状ばね部材の動きが制限され、このコンセント用ロック部材を実装することができない場合もある。同様に、特許文献2でも差し込みプラグの周辺に突出部などが存在する場合には、ハウジングの取り付けが非常に困難であってケーブル抜け防止構造を実装できない場合もある。
(3)特許文献1および特許文献2では、差し込みプラグの形状、特に差し込みプラグの長さが異なる場合には機能しないため、差し込みプラグの種類毎に異なる製品を用意しなければならず、結果的に膨大な種類の製品を取り揃えなければならない。またユーザーも膨大な種類の製品から適切な形状の製品を選択する必要があるので非常に煩雑であった。
また、本発明の他の目的は、多様な形状の電源プラグに対応するケーブル抜け止め器具を提供することである。
請求項3の発明は、差し込みプラグを先端に有するケーブルと、前記差し込みプラグを挿入するコネクタ部とを備えたケーブル接続部に適用され、前記コネクタ部からの前記ケーブルの抜けを防止するケーブル抜け止め器具であって、前記コネクタ部または前記コネクタ部の周囲に開口されたねじ穴に螺合する雄ねじが一端に形成され、前記差し込みプラグ挿入方向に延長する支柱と、弾性変形部を介して連絡された第1板材および第2板材を備え、前記支柱によって回動可能に支持された係止部材とを有し、前記弾性変形部は、前記第1板材および前記第2板材を離間方向に付勢し、前記第1板材および前記第2板材は、前記差し込みプラグまたは前記ケーブルを掛け止めする切り欠き部と、前記支柱が通過可能な通し穴とがそれぞれ対応する位置に形成され、前記弾性変形部の付勢により、前記第1板材および前記第2板材の少なくとも一方が前記支柱の延長方向に傾斜して前記通し穴の開口端が前記支柱を挟み込み、前記係止部材が前記外力に抵抗して前記ケーブルの抜けを阻止することを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項3または請求項4の発明において、前記第1板材と前記第2板材とに挟まれた前記係止部材の内側には、前記第1板材および前記第2板材の位置を、各板材の前記通し穴および前記切り欠き部の中心位置が一致する位置に案内するストッパーが設けられていることを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項1または請求項2の発明において、前記切り欠き部の内周面には、前記切り欠き部の空間を挟んで対向配置される2つの突起部が形成されていることを特徴とする。
請求項9の発明は、請求項1から請求項7の発明において、前記支柱の断面形状および前記通し穴の形状が円形または正多角形であり、前記支柱の断面形状と前記通し穴の形状とがそれぞれ異なることを特徴とする。
また、本発明のケーブル抜け止め器具の取り付けは、コネクタ部等に支柱をねじ込んで係止片または係止部材を掛け止めするだけで完了するのでその作業は容易である。しかも、係止片または係止部材の掛け止めはコネクタ部から離れた位置で行われるので、コネクタ部の周囲に突出部が存在する場合でも実装が容易である。
(第1実施形態の構成)
図1から図5は、本発明の第1実施形態のケーブル抜け止め器具を示す図である(請求項1、請求項2、請求項6から請求項10に対応する)。第1実施形態のケーブル抜け止め器具は、差し込みプラグ20を先端に有するケーブル21と、差し込みプラグ20を挿入するコネクタ部22とを備えたケーブル接続部に適用され、コネクタ部22からのケーブル21の抜けを防止する。なお、差し込みプラグ20のケーブル取付側には、蛇腹状のケーブル保護部24が差し込みプラグ20と一体に設けられている。
支柱1は円形断面の棒状体であって、一端に雄ねじ3が設けられ、他端にはねじ頭4が形成されている。この雄ねじ3は、コネクタ部22またはコネクタ部22の周囲に形成されたねじ穴23に螺合される。なお、特に限定するものではないが、支柱1の表面にはローレット加工等で溝5を施して滑り止めするのが好適である。
切り欠き部6は、係止片2の中心付近を、周縁部から内側に向けて略C字状に切り欠いて形成されている。この切り欠き部6の幅は、差し込みプラグ20のケーブル保護部24またはケーブル21が収まる幅に設定され、ケーブル保護部24またはケーブル21に係止片2を掛け止めできるようになっている。また、切り欠き部6の入口側(係止片周縁部付近)には、内周面から突出する2つの突起部8、8が切り欠き部6の空間を挟んで対向状態で形成されている。
図4は支柱1に対して係止片2が垂直に配置された状態を示す図である。係止片2は支柱に回動可能に支持されており、支柱1に沿って係止片2を摺動させることで支柱延長方向の位置調整をすることが可能である。したがって、差し込みプラグ20の長さが異なる場合でも、係止片2の支柱延長方向の位置調整で対応することができる。なお、この状態において係止片2は支柱1のねじ頭4で抜け止めされる。
その後、スペーサー9と差し込みプラグ20とが接触する位置まで、係止片2を差し込みプラグ20の方向へ押し込んで、係止片2を支柱延長方向に傾斜させてケーブル抜け止め器具の取り付けが完了する。
図6から図8は第1実施形態の支柱1および通し穴7の変形例を示した図である。図6の例は支柱1および通し穴7を相似形の正六角形としたものである。図6の例では、支柱1の断面形状は通し穴7に内接する六角形よりやや小さめに設定され、係止片2が支柱1を中心に回動できるようになっている。図6の場合における係止片2の傾斜状態では、通し穴7の開口端と支柱1とが4箇所で点接触するので、より大きな抜け方向の外力に抵抗できる。
(第1実施形態の効果)
第1実施形態のケーブル抜け止め器具では、係止片2が支柱1の延長方向に傾斜することで通し穴7の開口端が支柱1を挟み込む。そのため、支柱1に固定された係止片2によってケーブル21の抜けが阻止される。特に、ケーブル21の抜け方向に外力がかかった場合、通し穴7の開口端がより強く支柱1を挟み込むためその効果が大きくなる。
さらに、第1実施形態では、係止片2の位置を支柱延長方向で調整することができるので、コネクタ部22の長さが異なる場合でも1つのケーブル抜け止め器具で対応できる。
図9から図12は、第2実施形態のケーブル抜け止め器具を示す図である(請求項3から請求項6、請求項8、請求項10に対応する)。第2実施形態において第1実施形態と同様の構成には、同一符号を付して説明を省略する。なお、第2実施形態の効果は第1実施形態とほぼ同様であるので説明を省略する。
また、通し穴7は、第1板材11および第2板材12にそれぞれ開口される。2つの通し穴7の位置は対応しており、係止部材10を支柱1が挿通できるようになっている。なお、第1板材11の通し穴7は第2板材12の長手方向に沿った長穴となっている。これは、第1板材11および第2板材12の他端をつまんで接近させる場合に、第1板材11の通し穴7が支柱1に干渉することを防止するためである。
第2実施形態のケーブル抜け止め器具の取り付けでは、まず係止部材10の各通し穴7に支柱1を挿通する。次に支柱1をコネクタ部22またはコネクタ部22の周囲のねじ穴23に螺合して、差し込みプラグ挿入方向に延長するように支柱1を取り付ける。そして、係止部材10の切り欠き部6にケーブル21を挿入して掛け止めし、ケーブル抜け止め器具の取り付けが完了する。
以上、本発明を上記の実施形態によって説明してきたが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、支柱の断面形状および通し穴の形状は上記実施形態に限定されるものではなく、正方形、五角形などの他の相似形状の組み合わせや、多角形の通し穴と円形支柱の異なる形状の組み合わせにしてもよい。また、通し穴の形状と支柱の断面形状とを形状の異なる多角形にしてもよい。
2 係止片
3 雄ねじ
4 ねじ頭
5 溝
6 切り欠き部
7 通し穴
8 突起部
9 スペーサー
10 係止部材
11 第1板材
12 第2板材
13 弾性変形部
14 ストッパー
20 差し込みプラグ
21 ケーブル
22 コネクタ部
23 ねじ穴
24 ケーブル保護部
25 アウトレット
Claims (10)
- 差し込みプラグを先端に有するケーブルと、前記差し込みプラグを挿入するコネクタ部とを備えたケーブル接続部に適用され、前記コネクタ部からの前記ケーブルの抜けを防止するケーブル抜け止め器具であって、
前記コネクタ部または前記コネクタ部の周囲に開口されたねじ穴に螺合する雄ねじが一端に形成され、前記差し込みプラグ挿入方向に延長する支柱と、
前記差し込みプラグまたは前記ケーブルを掛け止めする切り欠き部と、前記支柱が通過可能な通し穴とが形成され、前記支柱によって回動可能に支持された係止片とを有し、
前記ケーブルの抜け方向に外力がかかると、前記係止片は前記支柱の延長方向に傾斜して前記通し穴の開口端が前記支柱を挟み込み、前記係止片が前記外力に抵抗して前記ケーブルの抜けを阻止することを特徴とするケーブル抜け止め器具。 - 前記係止片の前記コネクタ部との対向面には、前記差し込みプラグと当接して前記係止片を前記支柱の延長方向に傾斜させるスペーサーが設けられていることを特徴とする請求項1に記載のケーブル抜け止め器具。
- 差し込みプラグを先端に有するケーブルと、前記差し込みプラグを挿入するコネクタ部とを備えたケーブル接続部に適用され、前記コネクタ部からの前記ケーブルの抜けを防止するケーブル抜け止め器具であって、
前記コネクタ部または前記コネクタ部の周囲に開口されたねじ穴に螺合する雄ねじが一端に形成され、前記差し込みプラグ挿入方向に延長する支柱と、
弾性変形部を介して連絡された第1板材および第2板材を備え、前記支柱によって回動可能に支持された係止部材とを有し、
前記弾性変形部は、前記第1板材および前記第2板材を離間方向に付勢し、
前記第1板材および前記第2板材は、前記差し込みプラグまたは前記ケーブルを掛け止めする切り欠き部と、前記支柱が通過可能な通し穴とがそれぞれ対応する位置に形成され、
前記弾性変形部の付勢により、前記第1板材および前記第2板材の少なくとも一方が前記支柱の延長方向に傾斜して前記通し穴の開口端が前記支柱を挟み込み、前記係止部材が前記外力に抵抗して前記ケーブルの抜けを阻止することを特徴とするケーブル抜け止め器具。 - 前記係止部材が、可撓性を有する1枚の板状体を折り曲げて形成されてなることを特徴とする請求項3に記載のケーブル抜け止め器具。
- 前記第1板材と前記第2板材とに挟まれた前記係止部材の内側には、前記第1板材および前記第2板材の位置を、各板材の前記通し穴および前記切り欠き部の中心位置が一致する位置に案内するストッパーが設けられていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載のケーブル抜け止め器具。
- 前記支柱の他端には、前記係止片または前記係止部材の抜け止め突起が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のケーブル抜け止め器具。
- 前記切り欠き部の内周面には、前記切り欠き部の空間を挟んで対向配置される2つの突起部が形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のケーブル抜け止め器具。
- 前記支柱の断面形状が円形または正多角形であり、前記通し穴の形状が前記支柱の断面形状と相似形であることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のケーブル抜け止め器具。
- 前記支柱の断面形状および前記通し穴の形状が円形または正多角形であり、前記支柱の断面形状と前記通し穴の形状とがそれぞれ異なることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1項に記載のケーブル抜け止め器具。
- 前記支柱の表面に溝を形成したことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載のケーブル抜け止め器具。
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