JP4158424B2 - エチレン系重合体およびその製造方法 - Google Patents

エチレン系重合体およびその製造方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規なエチレン系重合体およびそれを高温・高圧下に製造する方法に関する。さらに詳しくは、メタロセン触媒で得られるエチレン系重合体の優れた特性と有機過酸化物で得られるエチレン系重合体の良好な流動特性を併せ持ち、熱安定性にも優れたエチレン系重合体、およびそれをメタロセン触媒と有機過酸化物の存在下、一つの重合器内部で高温・高圧の条件下に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
エチレン系重合体には、メタロセン触媒を使用して製造される比較的分子量分布が狭いものや、有機過酸化物を使用して製造される比較的分子量分布の広いものが知られている。
【0003】
これらのうち、メタロセン触媒を使用して製造されるエチレン系重合体は、分子量分布が狭いことに加えて、共重合によるコモノマー組成が均一となる特徴を持つ。このため医療容器用途や食品包装用途などクリーン性が求められる用途において、低分子量成分などが包装内部や容器内の内容物へ溶出する量が少なく、有利な特性となっている。しかしながら、分子量分布が狭いことから成形時の溶融流動特性が悪く、改良の余地が残されている。
【0004】
一方、有機過酸化物を使用して高温・高圧下で製造されるエチレン系重合体は、分子量分布が広い上にポリマー分子内に長鎖分岐を有することから溶融流動特性が良好で、成形加工性に優れた特性を持つ。しかしながら、このエチレン系重合体は、一般に低密度で融点が低く、分子量分布が広いことから多くの低分子量成分を含むため、医療容器用途や食品包装用途において包装内部や容器の内容物へ溶出する量が多く、これらの用途へ用いることは困難であった。
【0005】
上述のメタロセン触媒で得られるエチレン系重合体と有機過酸化物で得られるエチレン系重合体の優れた特性を併せ持たせる方法として、メタロセン触媒で得られるエチレン系重合体と有機過酸化物にて高温・高圧下で得られるエチレン系重合体をそれぞれ単独で得た後、溶融混練にて任意の比率に混合するという方法が一般に知られている。
【0006】
しかしながら、この溶融混練法では、1)溶融混練によりエチレン系重合体が余分に熱履歴を受けるため熱安定性が低下して着色、ゲルを生じ、最終製品である包装フィルムや成形容器の外観悪化を起こす、2)溶融混練の工程を増やすことにより、手間の増加や造粒機電力費がアップするという問題があった。
【0007】
ところで、メタロセン触媒と有機過酸化物を同時に用いてエチレン系重合体を製造する方法は、これまで知られていない。この理由は、メタロセン触媒やチーグラー触媒のような遷移金属成分を触媒活性種とする触媒は酸素含有化合物により被毒されるため、有機過酸化物が触媒毒となる。片や有機過酸化物は還元性化合物により被毒されるため、メタロセン触媒が触媒毒となるためである。これを具体的に示す例として、例えば、特開昭58−225106号公報の提案がある。この提案は、チーグラー型触媒を用いた高温・高圧下での連続重合プロセスにおけるエチレン/α−オレフィン共重合体の製造法において、エチレンの重合終了時点の減圧弁以降の分離器入口配管部分へ、有機過酸化物を反応剤として供給するという技術である。
【0008】
この提案は、チーグラー型触媒を用いた製造で得られるエチレン/α−オレフィン共重合体に副生する低分子量ワックス成分、オリゴマー成分の低減に関するものである。チーグラー型触媒で得られるエチレン/α−オレフィン共重合体は、触媒の残留活性種を不活性化できない場合に低分子量ワックス成分、オリゴマー成分が生成するため、残留活性種の不活性化の目的で有機過酸化物を供給している。すなわち、チーグラー触媒に対して触媒毒である有機過酸化物を供給することで、重合器以降での後反応を防止する提案である。
【0009】
この例からも明らかなように、重合器へ同時にメタロセン触媒と有機過酸化物の供給を行なうと、メタロセン触媒の触媒活性種である遷移金属成分と有機過酸化物の酸素とが容易に反応してしまい、互いに触媒活性を示さなくなるという技術的に高い障壁が存在していた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、メタロセン触媒で得られるエチレン系重合体の優れた特性と、有機過酸化物で得られるエチレン系重合体の良好な流動特性を併せ持ち、熱安定性に優れたエチレン系重合体を得るべく種々検討を重ねた。その結果、高温・高圧下にエチレンを連続重合するプロセスにおいて、上記のエチレン系重合体を得ることが可能であることを見出し、本発明を完成した。本発明の目的は、包装内部や成形容器内の内容物への溶出成分の少ない、加工性に優れ、熱安定性に優れたエチレン系重合体およびその製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明はエチレン単独のエチレン系重合体であって、
(A)密度が0.910〜0.960g/cm3
(B)2.16kg荷重でのメルトフローレート(MFR)が0.1〜100g/10分、
(C)示差走査熱量計(DSC)で決定される融点ピークを2つ以上有し、118℃以下に少なくとも1つの低温側融点ピークが存在し、低温側融点ピークと定温基線(定温保持で得られる基線)および118℃の温度軸に対する垂線とから構成される面積S1、118℃以上の高温側融点ピークと定温基線および118℃の温度軸に対する垂線とから構成される面積S2との面積比(S1/S2)が0.05≦(S1/S2)≦20、
であることを特徴とするエチレン系重合体、また、メタロセン触媒と有機過酸化物を用いて、40〜400MPaの重合圧力、重合体の融点〜300℃の重合温度範囲で重合するエチレン系重合体の製造方法において、重合器内部を仕切板によって少なくとも2つ以上の重合帯域に分割し、任意の重合帯域にメタロセン触媒を、メタロセン触媒を供給する重合帯域と異なる任意の重合帯域に有機過酸化物を供給することにより、エチレンを重合することを特徴とするエチレン系重合体の製造方法に関するものである。
【0012】
さらには、a)周期表第4族の遷移金属化合物、b)プロトン酸、ルイス酸、イオン化イオン性化合物、ルイス酸性化合物、または層状粘土化合物およびその有機カチオン処理化合物、およびc)有機アルミニウム化合物を構成成分とするメタロセン触媒と、有機過酸化物を用いることを特徴とするエチレン系重合体の製造方法にも関するものである。
【0013】
以下に本発明をより詳細に説明する。
【0014】
本発明におけるエチレン系重合体は、密度0.910〜0.960g/cm3、2.16kg荷重でのメルトフローレート(MFR)0.1〜100g/10分、図1に示すように示差走査熱量計(DSC)で決定される融点ピークを2つ以上有し、118℃以下に少なくとも1つの低温側融点ピークが存在し、低温側融点ピークと定温基線および118℃の温度軸に対する垂線とから構成される面積S1、118℃以上の高温側融点ピークと定温基線および118℃の温度軸に対する垂線とから構成される面積S2との面積比(S1/S2)が0.05≦(S1/S2)≦20であるエチレン単独重合体である。面積S1と面積S2の分割を118℃の温度軸に対する垂線で行なっているが、これは一般にエチレン系重合体の中で118℃以下に融点のピークを示す有機過酸化物で得られるエチレン系重合体と、エチレン系重合体の中で118℃以上に融点のピークを示すメタロセン触媒で得られる密度0.93g/cm3以上のエチレン系重合体を分割する境界線として設定している。
【0015】
本発明におけるエチレン系重合体の密度が0.910g/cm3未満であると耐熱性が低下し、医療容器用途や食品包装用途への展開が難しくなる。また、0.960g/cm3を超えると透明性が低下するため好ましくない。2.16kg荷重でのメルトフローレート(MFR)が0.1g/10分未満であると製品の光沢が悪化し、100g/10分を超えると賦型性が悪いなどの欠点が生じるため好ましくない。
【0016】
上記(S1/S2)が0.05≦(S1/S2)≦20であることを特徴とするエチレン系重合体は、メタロセン触媒で得られるエチレン系重合体の特徴である溶出成分の低減と、有機過酸化物を用いて高温・高圧下で得られるエチレン系重合体の特徴である加工性の向上をバランスよく発現する。(S1/S2)<0.05または(S1/S2)>20である場合は、メタロセン触媒で得られるエチレン系重合体あるいは有機過酸化物を用いて高温・高圧下で得られるエチレン系重合体の一方の特徴を優先的に示すため、改良の効果が少なくなる。
【0017】
本発明ではメタロセン触媒と有機過酸化物を同時に重合器へ供給することによるエチレン重合を鋭意検討した結果、仕切板によって2つ以上の重合帯域に分割された重合器中の任意の重合帯域にメタロセン触媒を供給し、メタロセン触媒を供給する帯域とは異なる重合帯域に有機過酸化物を供給することにより、メタロセン触媒で得られるエチレン系重合体と有機過酸化物で得られるエチレン系重合体の優れた特性を併せ持つエチレン系重合体が、溶融混練工程無しに得られることを見出した。さらには、上述のような仕切板で分割された重合帯域への個別供給法を使用することで、メタロセン触媒が有機過酸化物の含酸素部位と反応し失活することを抑制し、重合器内部でエチレン系重合体を得るための重合反応への阻害を最小限度に止めることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0018】
本発明における重合器は、仕切板によって図2のように2つ以上の重合帯域に、好ましくは4つ以上の重合帯域に分割される。分割方法は、内部攪拌型の攪拌機に仕切板を取り付ける方法、あるいは重合器本体に仕切板を取り付ける方法のいずれでも良い。重合器断面積(Sr)に対する仕切板の面積(Sb)比Sb/Srは、0.25≦Sb/Sr≦0.96が好ましく、実用性を考慮すると0.36≦Sb/Sr≦0.90がさらに好ましい。
【0019】
重合器へ供給されるエチレン類は、これら仕切板で分割された重合帯域に流量制御弁を通して個別に任意の流量で供給される。
【0020】
メタロセン触媒および有機過酸化物は、重合器の同一の重合帯域でなければ任意の重合帯域に供給して良いが、実用性を考慮すると1つ以上の重合帯域を間において供給されることが好ましい。このとき、メタロセン触媒を供給する重合帯域でのメタロセン触媒の滞留時間は30秒以上が好ましく、実用性を考慮すると120〜400秒がさらに好ましい。有機過酸化物を供給する重合帯域での有機過酸化物の滞留時間についても30秒以上が好ましく、実用性を考慮すると120〜400秒がさらに好ましい。
【0021】
重合温度は、エチレン系重合体の融点〜300℃の範囲が好ましい。
【0022】
重合圧力は、40〜400MPaの範囲が好ましく、実用性を考慮すると50〜200MPaの範囲がさらに好ましい。
【0023】
本発明における重合は、重合器を出たエチレン系重合体と未重合ガスは減圧弁にて減圧され、後段に位置する分離器において分離される。分離回収されたリサイクルガスは、再度供給ガスとして扱われる連続重合である。
【0024】
本発明で用いるメタロセン触媒は、例えば、a)周期表第4族の遷移金属化合物、b)プロトン酸、ルイス酸、イオン化イオン性化合物、ルイス酸性化合物、または層状粘土化合物およびその有機カチオン処理化合物、およびc)有機アルミニウム化合物からなる触媒であり、これらを2種類以上組み合わせて、より好ましくは2〜4種類組み合わせて用いる。
【0025】
本発明において用いられる周期表第4族の遷移金属化合物は、下記一般式(1)または(2)
【0026】
【化1】
Figure 0004158424
【化2】
Figure 0004158424
(式中、M1はチタニウム、ジルコニウムまたはハフニウムであり、Xは各々独立して水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜20のアルキル基、または炭素数6〜20のアリール基、アリールアルキル基もしくはアルキルアリール基であり、R1およびR2は下記一般式(3)、(4)、(5)または(6)
【0027】
【化3】
Figure 0004158424
(式中、R6は各々独立して水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、または炭素数6〜20のアリール基、アリールアルキル基もしくはアルキルアリール基である。)
で表される配位子であり、該配位子はM1と一緒にサンドイッチ構造を形成し、R4およびR5は下記一般式(7)、(8)、(9)または(10)
【0028】
【化4】
Figure 0004158424
(式中、R7は各々独立して水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、または炭素数6〜20のアリール基、アリールアルキル基もしくはアルキルアリール基である。)
で表される配位子であり、該配位子はM1と一緒にサンドイッチ構造を形成し、R3は下記一般式(11)
【0029】
【化5】
Figure 0004158424
(式中、R8は各々独立して水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、または炭素数6〜20のアリール基、アリールアルキル基もしくはアルキルアリール基であり、M2は炭素原子または珪素原子である。)
で表され、R4およびR5を架橋するように作用しており、pは1〜5の整数である。)
で表される遷移金属化合物が挙げられる。
【0030】
前記一般式(1)または(2)で表される化合物としては、例えば、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド、メチレンビス(シクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、エチレンビス(インデニル)ハフニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル−2,7−ジメチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル−2,7−ジ−t−ブチル−9−フルオレニル)ジルコニウムジクロライド、ジエチルシランジイルビス(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル)チタニウムジクロライド、ジフェニルシランジイルビス(2,4,5−トリメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロライド等のジクロル体および上記のジメチル体、ジエチル体、ジヒドロ体、ジフェニル体、ジベンジル体等を例示することができる。
【0031】
本発明に用いられるプロトン酸は、下記一般式(12)
[HL1 1][M39 4] (12)
(式中、Hはプロトンであり、L1は各々独立してルイス塩基であり、lは0<l≦2であり、M3はホウ素原子、アルミニウム原子またはガリウム原子であり、R9は各々独立して炭素数6〜20のハロゲン置換アリール基である。)
で表される化合物であり、ルイス酸は下記一般式(13)
[C][M39 4] (13)
(式中、Cはカルボニウムカチオンまたはトロピリウムカチオンであり、M3はホウ素原子、アルミニウム原子またはガリウム原子であり、R9は各々独立して炭素数6〜20のハロゲン置換アリール基である。)
で表される化合物であり、イオン化イオン性化合物は下記一般式(14)
[M42m][M39 4] (14)
(式中、M4は周期表の第2族、第8族、第9族、第10族、第11族または第12族から選ばれる金属の陽イオンであり、L2はルイス塩基またはシクロペンタジエニル基であり、mは0≦m≦2であり、M3はホウ素原子、アルミニウム原子またはガリウム原子であり、R9は各々独立して炭素数6〜20のハロゲン置換アリール基である。)
で表される化合物であり、ルイス酸性化合物は下記一般式(15)
39 3 (15)
(式中、M3はホウ素原子、アルミニウム原子またはガリウム原子であり、R9は各々独立して炭素数6〜20のハロゲン置換アリール基である。)
で表される化合物である。
【0032】
本発明の触媒の構成成分として用いられる一般式(12)で表されるプロトン酸、一般式(13)で表されるルイス酸、一般式(14)で表されるイオン化イオン性化合物および一般式(15)で表されるルイス酸性化合物、層状粘土化合物、層状粘土化合物をプロトン酸放出可能な有機カチオンで処理した変性粘土化合物は、上記の遷移金属化合物をカチオン性化合物にしうる化合物であり、生成したカチオン性化合物に対して弱く配位および/または相互作用するが、反応しない対アニオンを提供する化合物である。
【0033】
一般式(12)で表されるプロトン酸の具体例として、ジエチルオキソニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、ヒドロニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリ−n−ブチルアンモニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0034】
一般式(13)で表されるルイス酸として、具体的にはトリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トロピリウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0035】
一般式(14)で表されるイオン化イオン性化合物としては、具体的にはリチウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、フェロセニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0036】
一般式(15)で表されるルイス酸性化合物の具体的な例として、フェニルビス(パーフルオロフェニル)ボラン、トリス(3,4,5−トリフルオロフェニル)アルミニウム等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【0037】
層状粘土化合物は、モンモリロナイト、ヘクトライト、カオリナイト等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0038】
有機カチオンとしては、トリメチルアミン塩酸塩、トリブチルアミン塩酸塩およびこれらのハロゲン化水素酸、またはトリ(p−トリル)ホスフィンヒドロブロマイドおよびこれらのヒドロクロライド、ヒドロアイオダイド、ヒドロフルオライド等が挙げられる。
【0039】
さらに、本発明において用いられる有機アルミニウム化合物は、下記一般式(16)
AlR10 3 (16)
(式中、R10は各々独立して水素原子、炭素数1〜20のアルキル基もしくはアルコキシ基、または炭素数6〜20のアリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アルキルアリール基もしくはアルキルアリールオキシ基であり、少なくとも1つのR10は水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、または炭素数6〜20のアリール基、アリールアルキル基もしくはアルキルアリール基である。)
で表される化合物である。
【0040】
前記一般式(16)で表される化合物としては、例えば、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリ(イソブチル)アルミニウム;ジ(イソブチル)アルミニウムハイドライド等の水素化ジアルキルアルミニウム;ジエチルアルミニウムクロライド等のジアルキルアルミニウムハライド;イソブチルアルミニウムジクロライド等のアルキルアルミニウムジハライド;ジエチルアルミニウムエトキサイド等のジアルキルアルミニウムアルコキシドが例示されるが、これらに限定されるものではない。このうち、好ましくはトリアルキルアルミニウムである。
【0041】
上記のa)周期表第4族の遷移金属化合物、b)プロトン酸、ルイス酸、イオン化イオン性化合物、ルイス酸性化合物、または層状粘土化合物およびその有機カチオン処理化合物、およびc)有機アルミニウム化合物から触媒を調製する方法としては、例えば、これらの化合物を不活性な溶媒下で混合する方法が挙げられるが、これに限定されるものではない。また、触媒においてプロトン酸、ルイス酸、イオン化イオン性化合物またはルイス酸性化合物の量は遷移金属化合物に対して0.1〜100倍molとするのが好ましく、特に0.5〜30倍molとすることが好ましい。さらに、有機アルミニウム化合物の量は特に限定されないが、好ましくは遷移金属化合物に対して1〜10000倍molである。
【0042】
本発明において使用される有機過酸化物は、単官能、多官能有機過酸化物のいずれも使用することができる。単官能の有機過酸化物としては、例えば、オクタノイルパーオキサイドのようなジアシルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイドのようなジアルキルパーオキサイド、クミルパーオキシネオデカネートのようなパーオキシエステル、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタンのようなパーオキシケタール、ジ(3−メトキシ)ブチルパーオキシジカーボネートのようなパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイドのようなハイドロパーオキサイド、t−ブチルトリメチルシリルパーオキサイド等が挙げられる。また、多官能の有機過酸化物としては、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンのようなジアルキルパーオキサイドが挙げられる。
【0043】
供給される有機過酸化物溶液の調製は、炭化水素溶媒にて希釈を行い調製する方法が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0044】
このとき、重合器内におけるメタロセン触媒の供給される重合帯域と有機過酸化物が供給される重合帯域とは、1つ以上の重合帯域を間において供給されることが重合活性の低下を最小限に止めるために有効である。
【0045】
このような個別供給方法を採用することで、メタロセン触媒と有機過酸化物を同一の重合器内部に同時に供給してもエチレン系重合体が得られる。
【0046】
本発明によるメタロセン触媒と有機過酸化物を用いた重合は、メタロセン触媒が供給される重合帯域以外の重合帯域に有機過酸化物を供給するだけで進行する。このようにして実質上メタロセン触媒から得られるエチレン系重合体と有機過酸化物から得られるエチレン系重合体の特性を併せ持つエチレン系重合体が製造可能となる。
【0047】
【実施例】
本発明を実施例および比較例により詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に制限されるものではない。
【0048】
実施例中に記載のMFR(メルトフローレート)は、ASTM D1238条件Eに準ずる方法にて測定を行った。
【0049】
本発明で得られたエチレン系重合体の密度は、JIS K7106に規定された試験条件のD法(密度勾配管法)にて測定を行った。
【0050】
本発明で得られたエチレン系重合体のMw/Mnは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(WATERS社製 150C型)を用い、カラムとしてTSK−GEL GMHHR−H(S)(東ソー(株)製)、溶媒としてo−ジクロロベンゼンを用い、測定温度140℃、測定濃度7mgサンプル/10ml(o−ジクロロベンゼン)の条件下で測定した。
【0051】
本発明で得られたエチレン系重合体の融点は、示差走査熱量計(DSC)(セイコー電子工業製 示差走査型熱量計(DSC−200))を用いて、DSC内で200℃の温度で5分間エチレン系重合体を融解させた後、10℃/分の速度で温度を30℃まで下げて固化させ、10℃/分の速度で昇温させて測定した。
【0052】
本発明で得られたエチレン系重合体の黄色度は、自動分光式色差計(日本電色工業製(NDH−1001−DP))を用いて測定した。
【0053】
実施例1
エチレン系重合体の製造プロセスにおいて、水素濃度を0.58mol%、n−ブタン濃度を0.57mol%となるように調整し、仕切板によって4つの重合帯域に分割された7Lの撹拌機付き重合器(図2のa)タイプ)を用いて、重合圧力103MPaで、重合器への上流から一番目の重合帯域へメタロセン触媒(A)を60cc/時で供給し、その重合帯域の温度を160℃とし、重合器への上流から三番目の重合帯域へ有機過酸化物(H)を50cc/時で供給し、その重合帯域の温度を210℃とした。
【0054】
生成したエチレン系重合体は、未重合ガス分離器にて未重合ガスと分離され、未重合ガス分離器下部の押出機を経て、ペレットとして排出された。得られたエチレン系重合体の生産速度は5kg/時であった。なお、メタロセン触媒(A)には、ジフェニルメチレン(シクロペンタジエニル)(2,7−ジ−t−ブチルフルオレニル)ジルコニウムジクロライド、N,N−ジメチルアニリニウムテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート、トリエチルアルミニウムをホウ素/ジルコニウムのmol比が1.1、アルミニウム/ジルコニウムのmol比が240で、ジルコニウム濃度560μmol/lに調製したトルエン溶液を用いた。有機過酸化物(H)には、t−ブチルパーオキシピバレートを20wt%に調製したn−ヘプタン溶液を用いた。
【0055】
MFR=12g/10分、密度=0.928g/cm3、Mw/Mn=4.7、黄色度=−2.6、また、図1に示すように、111℃と129℃に2つの融点を持つエチレン系重合体が得られた。
【0056】
実施例2
水素濃度を0.77mol%、n−ブタン濃度を1.01mol%とし、メタロセン触媒での重合帯域温度を190℃とした以外は実施例1と同様に行った。
【0057】
MFR=33g/10分、密度=0.925g/cm3、Mw/Mn=5.5、黄色度=−2.8、109℃と128℃に2つの融点を持つエチレン系重合体が得られた。
【0058】
実施例3
水素濃度を0.56mol%、n−ブタン濃度を0mol%とし、有機過酸化物での重合帯域温度を160℃とした以外は実施例1と同様に行った。
【0059】
MFR=5.6g/10分、密度=0.934g/cm3、Mw/Mn=3.1、黄色度=−2.5、111℃と128℃に2つの融点を持つエチレン系重合体が得られた。
【0060】
比較例1
水素濃度を0.05mol%、n−ブタン濃度を1.20mol%とし、メタロセン触媒(A)の供給をしなかった以外は実施例1と同様に行った。
【0061】
MFR=2.2g/10分、密度=0.921g/cm3、Mw/Mn=3.9、黄色度=−3.0、融点=108℃のエチレン系重合体が得られた。融点は実施例1〜3と異なり、単一ピークであった。
【0062】
比較例2
水素濃度を0.56mol%、n−ブタン濃度を0mol%とし、メタロセン触媒での重合帯域温度を160℃とし、有機過酸化物(H)の供給をしなかった以外は実施例2と同様に行った。
【0063】
MFR=410g/10分、密度=0.950g/cm3、Mw/Mn=2.8、黄色度=−2.7、融点=134℃のエチレン系重合体が得られた。融点は比較例1と同様に、単一のピークであった。
【0064】
比較例3
水素濃度を0.56mol%、n−ブタンの濃度を0mol%とし、有機過酸化物での重合帯域温度を160℃とした以外は比較例1と同様に行った。
【0065】
重合器下流の減圧弁下流で、エチレン系重合体のMFRの低下に伴う閉塞がおこり、エチレン系重合体を連続的に製造することは不可能となった。重合器を開放し、得られたエチレン系重合体の物性確認を行ったところ、MFR=0.08g/10分、密度=0.923g/cm3、Mw/Mn=3.7、黄色度=−2.5、融点=109℃のエチレン系重合体であった。融点は比較例1と同様に、単一のピークであった。
【0066】
比較例4
比較例1で得られたエチレン系重合体と比較例2で得られたエチレン系重合体をペレットの状態で各1kgずつ1:1の比率で均一に分散させた上で、25mmΦ溶融混練機で160℃にて溶融混練を実施した。この溶融混練機はシリンダー部分に2箇所とダイス部分に1箇所の温度調整ができる構造を有しており、L/D=25である。結果、MFR=29g/10分、密度=0.936g/cm3、Mw/Mn=3.3、黄色度=−0.4、融点=106℃、126℃のエチレン系重合体が吐出量=3.5kg/時で得られた。
【0067】
実施例1〜3と比較して黄色度が劣る結果となった。
【0068】
各実施例、比較例の結果を表1に示す。
【0069】
【表1】
Figure 0004158424
【発明の効果】
本発明の効果は、以下の点にある。
(1)メタロセン触媒で得られるエチレン系重合体の優れた特性と有機過酸化物で得られるエチレン系重合体の良好な流動特性を併せ持ち、熱安定性にも優れたエチレン系重合体が得られる。
(2)仕切板の作用により、有機過酸化物の含酸素部位がメタロセン触媒によるエチレン重合を阻害することなく、有機過酸化物触媒で得られる低融点のエチレン系重合体とメタロセン触媒で得られる高融点のエチレン系重合体の優れた特性を併せ持つエチレン系重合体の生産が可能である。
(3)莫大な投資によるプロセスの改造を必要とせずに、得られるエチレン系重合体の改良が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1により得られたエチレン系重合体の示差走査型熱量計(DSC)チャートである。
【図2】 本発明に使用する重合器の一例を示す図である。

Claims (2)

  1. エチレン単独のエチレン系重合体であって、
    (A)密度が0.910〜0.960g/cm
    (B)2.16kg荷重でのメルトフローレート(MFR)が0.1〜100g/10分、
    (C)示差走査熱量計(DSC)で決定される融点ピークを2つ以上有し、118℃以下に少なくとも1つの低温側融点ピークが存在し、低温側融点ピークと定温基線(定温保持で得られる基線)および118℃の温度軸に対する垂線とから構成される面積S1、118℃以上の高温側融点ピークと定温基線および118℃の温度軸に対する垂線とから構成される面積S2との面積比(S1/S2)が0.05≦(S1/S2)≦20、
    であることを特徴とするエチレン系重合体。
  2. a)周期表第4族の遷移金属化合物、b)プロトン酸、ルイス酸、イオン化イオン性化合物、ルイス酸性化合物、または層状粘土化合物およびこの有機カチオン処理化合物、およびc)有機アルミニウム化合物を構成成分とするメタロセン触媒と、有機過酸化物を用い、40〜400MPaの重合圧力、重合体の融点〜300℃の重合温度範囲で重合するエチレン系重合体の製造方法において、重合器内部を仕切板によって少なくとも2つ以上の重合帯域に分割し、任意の重合帯域にメタロセン触媒を、メタロセン触媒を供給する重合帯域と異なる任意の重合帯域に有機過酸化物を供給することにより、エチレンを重合することを特徴とする請求項1に記載のエチレン系重合体の製造方法。
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