JP4158151B2 - 速硬性軽量充填モルタル - Google Patents
速硬性軽量充填モルタル Download PDFInfo
- Publication number
- JP4158151B2 JP4158151B2 JP2003277819A JP2003277819A JP4158151B2 JP 4158151 B2 JP4158151 B2 JP 4158151B2 JP 2003277819 A JP2003277819 A JP 2003277819A JP 2003277819 A JP2003277819 A JP 2003277819A JP 4158151 B2 JP4158151 B2 JP 4158151B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- mortar
- fast
- aluminate
- quick
- amount
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Curing Cements, Concrete, And Artificial Stone (AREA)
Description
しかしながら、上記空隙部に多量の水が存在する場合、この気泡モルタルでは水との接触により材料分離が発生しやすく、気泡の消滅、体積減少が起きて安定した気泡モルタル硬化体が得にくかった。
そこで、これを解消する従来技術として、例えば特許文献2に記載された速硬性軽量充填モルタルが知られている。この速硬性軽量充填モルタルとは、起泡剤の添加によってエアを含む気泡モルタルの中に、硫酸アルミニウム、ミョウバン、塩化アルミニウムなどの水溶性のアルミニウム塩を、アルミナ換算で0.8〜4.5重量%程度添加したものである。
このように、速硬性軽量充填モルタルが使用される現場は高湿度の環境となる。そのため、粉体のアルミン酸塩が潮解して固結物となりやすく、速硬材がハンドリングしにくかった。そこで、アルミン酸塩をスラリー(水溶物)化して取り扱うことが考えられる。しかしながら、スラリー状のアルミン酸塩は長時間放置するとゲル化し、スラリーを安定的に供給することがむずかしくなるという別の問題が発生することになった。
この速硬材は、主にアルミン酸塩を主原料とし、気泡を含む気泡モルタルまたはコンクリートなどに混入されて使用される。
炭酸カルシウム/アルミン酸塩のモル比は1.5〜6である。モル比1.5未満では速硬性が強すぎて速硬材の量を減らす必要がある。しかしながら、そうすると気泡モルタルとの混合がうまくいかない。また、モル比6を超えると速硬性が弱まり、速硬性軽量充填モルタルが水に接触したときに分離する。
粉体としての炭酸カルシウムの粉末度としては、ブレーン比表面積で2500cm2/g以上、または、80%通過粒径で5〜50μm程度が好ましい。炭酸カルシウムの粉末の添加は、セメントによる強度増加を抑制するとともに、吸湿による固結を防止し、速硬材のハンドリングを容易にする。また、炭酸カルシウムの添加によって、速硬材の溶液量を気泡モルタルの4%(容積)程度まで増量し、混合後の速硬性軽量充填モルタルの均一化が図れる。
アルミン酸塩/炭酸ナトリウムのモル比は1〜13である。モル比1未満では水との接触により材料分離が生じる。また、モル比13を超えると速硬材スラリーを1時間放置するだけでゲル化が発生する。
粉体としての炭酸ナトリウムは、Na2CO3が99.0%以上で、性状は白色の粉末または粒である。
気泡モルタルとは、起泡剤の添加によりエアを含ませたモルタルである。気泡を含ませる方法としては、例えばミキサ内でモルタルと起泡剤とを激しく攪拌する方法、水溶液の起泡剤を空気とともに発泡機の内部で攪拌し、生クリーム状の泡として連続的に製造する方法などが採用される。
気泡モルタルを製造する際の混練水量は、水/セメント比で70〜120%である。70%未満では流動性が不足し、所定の作業時間が得られない。120%を超えると、材料分離、脱気泡が生じ、気泡モルタルの品質が不安定となり好ましくない。好ましい範囲としては、70〜100%である。
この気泡モルタルは、間隙部に充填する際、モルタル自体に粘性を有しているので、気泡が抜けにくく、体積収縮が小さい充填材料となる。
粘結剤としては、セルロース系およびアクリル系などの市販の有機性粘結剤を採用することができる。例えばセルロースエーテル、メチルセルロースなどである。粘結剤の添加量は、速硬材に対して外割で0.02〜0.5重量%である。0.02重量%未満では、添加量が不足し、所定の粘性が得られない。0.5重量%を超えると、粘性が大きすぎて混合の効果が得られない。好ましい添加量としては0.05〜0.25重量%程度である。
セメントに対する速硬材の混合量は、外割で5〜20重量%である。5重量%未満では硬化(凝結)が遅く、注入時に材料分離が起こりやすい。20重量%を超えると、硬化が速すぎて所定の作業時間を確保できない。好ましい混合量は5〜15重量%である。
速硬材スラリーは、速硬材と所定量の水とをミキサーで混合することで製造される。得られた所定量の速硬材スラリーを気泡モルタルに添加し、ミキサーにより混合することで、速硬性軽量充填モルタルが製造される。
セメントとしては、「JIS R 5201」に規定する各種ポルトランドセメント、高炉セメント、シリカセメント、フライアッシュセメント、特殊セメント、および高炉スラグ(水砕高炉スラグ)にアルカリ性物質を混合したものなどを採用することができる。
細骨材としては、コンクリート用であれば限定されない。細骨材の使用量は、例えばセメント100重量部に対して100〜400重量部である。100重量部未満では、セメントの使用量が若干増加し、充填材の価格が若干高価となる。400重量部を超えると、細骨材の使用量が若干多くなりすぎ、所定の発泡量が得にくい。
この粘結剤の種類によっては、水との接触時に粒子の表面のみが溶解し、ゲルを形成して粒子内への水の浸透を妨げ、完全に溶解するまでに長時間を要する現象、いわゆる「ままこ」が発生する。そのため、これを防ぐ処置を施しておく方が好ましい。
気泡モルタルの製造にあっては、まずセメントと細骨材と粘結剤と水とをミキサで混練し、粘性を有するモルタルを製造する。一方、起泡剤を発泡機により発泡させ、フォーミング状物を作製する。その後、これらのモルタルとフォーミング状物とを混合して、気泡モルタルを製造する。
この実施例で使用する材料の一覧を表1に示す。また、セメント、速硬材に添加される炭酸カルシウムの物性を表2に示す。だだし、各粒径の測定は、シーラス社製レーザー粒度分析装置(HR850型)を使用した。
この表1に示す材料を、表3および表4に示す割合で配合する。次いで、生コンクリート工場内で、可傾式ミキサーによりセメントと細骨材とに所定量の水を加えて3分間だけ練り混ぜた。次に、これを図1に示す生コンクリート車10で現場に運び込み、荷台に搭載されたドラム11を使用して、水で10倍に希釈した粘結剤をモルタルに添加し、さらに高速度で5分間だけ練り混ぜて粘結剤混入モルタルを製造した。
一方、マキタ電機製作所製のハンドミキサー(1300rpm)を使用し、表4に示す水/速硬材比になるように水と速硬材とを攪拌しながら粘結剤を供給する。その後、さらに2分間練り混ぜ、速硬材スラリーを製造した。
次に、生コンクリート車10から排出された気泡モルタルを第1のスラリーポンプ12により吐出する一方、前記速硬材スラリーを第2のスラリーポンプ13により吐出する。これらの気泡モルタルと速硬材スラリーとは、各吐出管の先端が連結されたY字管14によって合流し、直後、スタティックミキサ15により無動力で混合される。こうして、速硬性軽量充填モルタルを製造した。
得られた速硬性軽量充填モルタルを、水が内容積の半分だけ貯液された直径300mm、高さ2mの透明なアクリル管16にホースで注入し、表5に示す試験方法によって試験した。その結果を表6に示す。
11 ドラム、
12 第1のスラリーポンプ、
13 第2のスラリーポンプ、
14 Y字管、
15 スタティックミキサ、
16 アクリル管。
Claims (3)
- 気泡を含む気泡モルタルと、
アルミン酸塩、炭酸カルシウムおよび炭酸ナトリウムを有し、前記炭酸カルシウム/アルミン酸塩のモル比が1.5〜6で、前記アルミン酸塩/炭酸ナトリウムのモル比が1〜13である速硬材とを混合した速硬性軽量充填モルタル。 - 前記アルミン酸塩が、アルミン酸ナトリウムである請求項1に記載の速硬性軽量充填モルタル。
- 前記気泡を含む気泡モルタルが、セメント、細骨材および粘結剤を有し、これらに、起泡剤を発泡させたフォーミング状物を混合させたものである請求項1または請求項2に記載の速硬性軽量充填モルタル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003277819A JP4158151B2 (ja) | 2001-02-09 | 2003-07-22 | 速硬性軽量充填モルタル |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001034479 | 2001-02-09 | ||
JP2003277819A JP4158151B2 (ja) | 2001-02-09 | 2003-07-22 | 速硬性軽量充填モルタル |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002032856A Division JP3501373B2 (ja) | 2001-02-09 | 2002-02-08 | 速硬性軽量充填モルタル |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004002200A JP2004002200A (ja) | 2004-01-08 |
JP4158151B2 true JP4158151B2 (ja) | 2008-10-01 |
Family
ID=30445663
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003277819A Expired - Fee Related JP4158151B2 (ja) | 2001-02-09 | 2003-07-22 | 速硬性軽量充填モルタル |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4158151B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007176735A (ja) * | 2005-12-28 | 2007-07-12 | Nittoc Constr Co Ltd | 軽量コンクリート |
-
2003
- 2003-07-22 JP JP2003277819A patent/JP4158151B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2004002200A (ja) | 2004-01-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US4624574A (en) | Apparatus for producing aerated cementitious compounds | |
CN109320163A (zh) | 一种c30低胶材自密实混凝土及其制备方法 | |
US20090075073A1 (en) | Light weight concrete product containing synthetic fibers | |
JP4158151B2 (ja) | 速硬性軽量充填モルタル | |
JP2003286064A (ja) | セメント組成物 | |
JP2000233954A (ja) | 吹付材料及びそれを用いた吹付工法 | |
JP3501373B2 (ja) | 速硬性軽量充填モルタル | |
CN109970409A (zh) | 一种高强度的商品混凝土及其制备方法 | |
JP2006241752A (ja) | 速硬性軽量充填モルタルの充填工法 | |
JP2004149685A (ja) | 注入材 | |
JP2001214163A (ja) | 補修用空洞裏込充填材、それを用いた充填工法及びその硬化体 | |
JPH09118554A (ja) | 高流動コンクリート | |
CN106032314B (zh) | 一种混凝土及其制备方法 | |
JP2005281089A (ja) | シールド直打ち工法に用いられるコンクリート組成物とその製造方法 | |
JP3729619B2 (ja) | 軽量空隙充填材及びそれを用いた急速空隙充填方法 | |
JP7282459B2 (ja) | 充填材 | |
JP2002068819A (ja) | 管内張りの裏込め材及びそれを用いる施工方法 | |
JP2003292355A (ja) | 吹付けコンクリート用急結剤及びその製造方法、並びに吹付けコンクリートの施工方法 | |
JP2002029863A (ja) | セメントスラリーの製造方法及びセメントスラリー | |
JP2000072516A (ja) | 高流動吹付けコンクリート用セメント | |
GB2139517A (en) | Method of and apparatus for producing aerated cementitious compositions | |
JP4938244B2 (ja) | 高流動性無収縮モルタルおよびそれ用のドライモルタル組成物 | |
JPH04349162A (ja) | トンネル用裏込め注入材 | |
JP4493758B2 (ja) | 水中コンクリート用セメント混和材及びそれを用いたコンクリートの製造方法 | |
JP2008114562A (ja) | グラウト材の製造方法及び当該方法により得られたグラウト材 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20050201 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20080318 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20080519 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20080620 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20080703 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 4158151 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110725 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110725 Year of fee payment: 3 |
|
S531 | Written request for registration of change of domicile |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110725 Year of fee payment: 3 |
|
R350 | Written notification of registration of transfer |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110725 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120725 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120725 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130725 Year of fee payment: 5 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |