JP4156909B2 - 短下肢装具 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は短下肢装具に関するものであり、足首関節を自己の意思で自由に動かすことのできない患者が、歩行の際の補助具として使用する為のものである。
【0002】
【従来の技術】
脳溢血や脳梗塞,或いは外傷による腓骨神経麻痺等を原因として、足首関節を自己の意思で自由に動かすことができないという障害を生じることがある。この障害を負った患者は、歩行の際に足先が下がる為に円滑な体重移動を行えず、また爪先が床に引っかかる等して上手く歩けないことから、補助具として短下肢装具が一般に用いられている。尚症例としては一方の足が麻痺した片麻痺が最も多く、健常に近い歩行を実現する為に、短下肢装具を用いた歩行訓練が推奨されている。
【0003】
従来の短下肢装具は、足首をほぼ90°に曲げた状態に固定するタイプの固定型装具が主流であったが(例えば、特許文献1のうちの図5、特許文献2のうちの第3図参照)、最近では歩行時における足首の底屈動作(足先が垂れ下がる方向に曲げる動作)や背屈動作(足先が持ち上がる方向に曲げる動作)を可能とする短下肢装具が提案されている(例えば、特許文献1〜3参照)。
【0004】
この短下肢装具としては例えば特開平9−103443号公報に示されるものがあり(従来例▲1▼:特許文献1参照)、該装具は図13[従来例▲1▼の短下肢装具を示す側面図]に示す様に、足底を載せる足載置体62と脹ら脛にあてがう脹脛添体61を、踝部分の軸64を介して枢着したものであって、脹脛添体61の背に圧縮スプリング63を縦方向に設け、足載置体62の踵後部位62aに取り付けられたスライダー65によって圧縮スプリング63を押圧できる様にしたものである。従って足60が底屈方向に動くと、スライダー65が圧縮スプリング63を押し縮め、この圧縮スプリング63の弾性復元力によって、底屈方向の動きが抑制される。
【0005】
この従来例▲1▼の歩行時での作用機構を説明する前に、先ず健常者の歩行時における足の動きについて説明する。図14は、健常者の歩行時の足の動きを説明する為の模式図であり、例えば右足に注目すると、先ず踵が接地され(heel contact)、続いて足底全面が接地され(foot flat)、当該右足のみで体を支持しつつ左足を前に出した後、右足の踵が床から離れ(heel off)、次いで足先も離れて(toe off)右足が床から浮いた状態で前に出される(右遊脚期)。そして再び踵が接地されて(heel contact)、この一連の動作が繰り返される。
【0006】
健常者の場合は、踵接地(heel contact)から足底全面接地(foot flat)に至る動作を前脛骨筋の作用によって徐々に行っているが、上記の様に足首関節を自由に動かせない麻痺患者の場合では、前脛骨筋が上手く働かずに足先が急激に落下することがある(図15[足首の動きを説明する為の側面図]に示す矢印D方向)。そこで従来例▲1▼では圧縮スプリング63によって、踵接地時における足先の急激な落下を防止し(底屈制動作用)、接地した足への体重移動の安定化を図っている。
【0007】
また従来例▲1▼は遊脚期において、一旦押し縮められた圧縮スプリング63の弾性復元力によって背屈方向に足先を引き上げ(背屈補助作用)、爪先が床に引っかからない様に浮かしている。更に圧縮スプリング63を押し縮めるスライダー65が圧縮スプリング63から離間可能となっているから、足先をより上に引き上げる背屈方向(図15に示す矢印U方向)の動きには、負荷がかからない様になっている。言い換えれば、従来例▲1▼において、圧縮スプリング63にスライダー65が当接する位置を例えば図13に図示する如く足首角度90°に設定すると(図15に示す基準位置S)、足首角度が90°より小さい位置では(図15に示す矢印U側)、負荷なく足首を動かすことができ、一方足首角度が90°より大きくなる位置では(図15に示す矢印D側)、圧縮スプリング63によって底屈方向に制動が掛けられると共に、背屈方向に向けた弾性復元力が作用する様になっている。
【0008】
尚これら底屈方向の制動力及び背屈方向の弾性復元力は圧縮スプリング63の弾性強度によって決まることから、個々の患者の障害の程度,筋力,体重等を勘案して適切な圧縮スプリング63を選択する。
【0009】
【特許文献1】
特開平9−103443号公報
【特許文献2】
実公昭61−43473号公報(第2図、第3図)
【特許文献3】
特公昭61−16173号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで従来例▲1▼の短下肢装具は、圧縮スプリング63が脹脛添体61の背に設けられているから、図13に表れる様に足の背側に出っ張った構造となっている。従って例えば階段を降りる際には背側の出っ張り部分67が階段66に当たる懸念があり(図16[従来例▲1▼の短下肢装具を装着して階段を下りる様子を表す図]の(a))、また背側の出っ張り部分67が当たらない様にすると、ステップ幅の狭い階段66では足の前部分がステップから可成りはみ出すことになり(図16の(b))、不適切な歩行が強いられる。殊に足の麻痺している患者にとって、この様に不適切な歩行は好ましくない。
【0011】
また嵩高い短下肢装具は見た目にも劣ることから、よりスリムな短下肢装具が求められている。
【0012】
そこで本発明においては、背側に出っ張りがなく、全体的にスリムな短下肢装具を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
底屈制動作用と背屈補助作用を発揮させつつ従来例▲1▼の様な背側の出っ張りをなくすには、圧縮スプリング63を足側面に配置すれば良いと考えられる。またこの際、圧縮スプリング63は脹脛添体に対する足載置体の角度を調節するものであるから、脹脛添体と足載置体に渡る箇所に取り付ける必要がある。従ってこの場合は圧縮スプリング63を連結軸の部分に取り付けることになる。
【0014】
しかしこの短下肢装具の場合は、階段降下時の不具合は解消されるものの、横に大きく張り出して非常に目立つものとなる。つまり従来例▲1▼では図13に見られる様に脹ら脛下の凹み部分に圧縮スプリング63が配置されているので、圧縮スプリング63自体の厚みに比べて、それ程には出っ張って見えないが、足側面の連結軸部分に配置すれば、隆起した踝の更に外側に圧縮スプリング63が配置されることになるから、圧縮スプリング63自体の厚み以上に目立って張り出すことになる。
【0015】
この様な新たな問題発生により本発明者らは更に検討したところ、足載置体と脹脛添体との連結部材を足外側面に配置して、この連結部材に例えば前記圧縮スプリング63の如き力付与手段を設けると共に、外側踝に対応させて中空部を設けるようにすれば、外側への張り出しが目立たなくなり、且つ背側には張り出しがなくなるとの見地に至り、本発明をなしたものである。
【0016】
つまり本発明に係る短下肢装具は、足底を載せるための足載置体、脹ら脛にあてがわれる脹脛添体、前記足載置体の足外側面に固定される足載置体固定部材と、前記脹脛添体の足外側面に固定される脹脛添体固定部材とを、足外側の連結軸を介して底屈及び背屈方向に揺動可能に連結する連結部材、並びに、前記足載置体が前記脹脛添体に対して特定の基準位置から底屈方向へ移動する際に当該足載置体に抗力を与え、且つ当該足載置体を前記基準位置に戻す方向の復帰力を与える力付与手段を備えると共に、この力付与手段が前記連結部材の前記脹脛添体固定部材に設けられ、且つ該力付与手段が、前記足載置体が前記基準位置にある状態で当該足載置体に当接し、且つ当該基準位置から足載置体が底屈方向に移動するのに伴って変位可能となる様に前記脹脛添体固定部材に取り付けられた変位部材と、前記基準位置から底屈方向に移動した足載置体に対して当該足載置体を前記基準位置に戻す方向の弾発力を前記変位部材に付与する弾性部材と、前記足載置体の底屈方向の移動に伴って変位する際に前記変位部材に流体抵抗を与える流体圧緩衝器とを含み、前記足外側の連結軸が前記足載置体に載せられる足の外側踝に対応する位置に設けられ、且つ当該外側踝が侵入可能な開口部が形成されてなり、前記脹脛添体固定部材が、外側踝の上の凹み部分に位置することを要旨とする。
【0017】
人の足首関節は踝を軸として揺動するものであるから、上記の様に足外側の連結軸を足の外側踝に対応する位置に配置すれば、自然な足の動きに呼応して短下肢装具も揺動することになり、使用感が向上する。その上、この様に足外側連結軸の回転中心を外側踝上に位置させつつ、該足外側連結軸を中空状に形成することによって、外側踝をこの中空内に侵入させることができ、そして連結部材に設けられた力付与手段を外側踝周囲の凹んだ箇所に配置することができるから、外側への出っ張りを抑えられる。勿論、背側は張り出しのない構造とすることができる。
【0018】
更に上記力付与手段の前記連結部材への配置箇所としては、前記脹脛添体固定部材に設けることが好ましく、上記足載置体固定部材に比べて脹脛添体固定部材は大型であるので、比較的大きな力付与手段であっても取り付けることができるからである。また力付与手段を足載置体固定部材に配置しないことにより、足載置体固定部材をスリムに形成でき、従って短下肢装具を装着した上に通常の靴を履くことが可能となる。
【0019】
また前記力付与手段の構成としては、下記変位部材、弾性部材、及び流体圧緩衝器を備えたものであることが好ましく、この変位部材とは、前記足載置体が前記基準位置にある状態で当該足載置体に当接し、且つ当該基準位置から足載置体が底屈方向に移動するのに伴って変位可能となる様に前記脹脛添体固定部材に取り付けられたものであり、上記弾性部材とは、前記基準位置から底屈方向に移動した足載置体に対して当該足載置体を前記基準位置に戻す方向の弾発力を前記変位部材に付与するものであり、上記流体圧緩衝器とは、前記足載置体の底屈方向の移動に伴って変位する際に前記変位部材に流体抵抗を与えるものである。
【0020】
この様に力付与手段において、底屈制動作用と背屈補助作用を発揮させる部材として弾性部材と流体圧緩衝器の2種類を用いるのが好ましい理由は以下の通りである。
【0021】
実際の健常者の歩行においては、踵接地(heel contact)から足底接地(foot flat)までの間における底屈方向の制動力に比べて、遊脚期における背屈力は小さい。つまり底屈制動時には踵に加わった体重に抵抗する必要がある為、殊に体重の重い人では踵に加わる力が大きいのでこれに抗した非常に大きな底屈制動力が必要であるのに対し、遊脚期ではたとえ体重が重くともせいぜい1.5kg程度の足先を引き上げるだけの小さな背屈力で済み、この様に両者の差は非常に大きい。
【0022】
ところが従来例▲1▼の短下肢装具においては1つの圧縮スプリング63によって底屈方向の制動力及と背屈方向の補助力(弾性復元力)が発現されているから、両者の強さは同じとなり、従って圧縮スプリング63のばね係数を必要底屈制動力に合わせて選択すると、この圧縮スプリング63が発現する背屈補助力が大き過ぎることになり、自然な歩行とはならない。尤も体重が軽い,症状が軽い等の理由により底屈制動力を小さく設定できる患者の場合は、背屈補助力としても大きくなり過ぎることはないが、体重の重い患者等の様に大きな底屈制動力が必要な場合は上記の如く背屈補助力としては強すぎることになる。
【0023】
この点において弾性部材と流体圧緩衝器の2種類を用いた本発明では、これらを組み合わせることにより、流体圧緩衝器によって底屈方向の動作を制動することにより、底屈制動力を確保しながら、弾性部材のばね係数を低めに設定して背屈補助力を抑えることができ、従って健常者の歩行状態により近づけることができて使用感が良好となる。
【0024】
更に流体圧緩衝器の抵抗力特性は、健常人の前脛骨筋による底屈制動の動作特性と似ているから、この観点からも、足載置体の底屈方向への移動に際して抗力を与える部材として流体圧緩衝器を使用することは好ましい。
【0025】
加えて前記流体圧緩衝器は、前記変位部材に与える流体抵抗が調節可能となる様に構成されていることが好ましく、これによれば患者の症状が変化しても、短下肢装具を作り替えることなく、症状変化に応じて流体抵抗を調節することができる。また個々の患者に適応させて短下肢装具を製造しなくとも、予め大まかに流体抵抗を設定して短下肢装具を製造し、その後患者にとって好適な力に流体抵抗を調節することもできる。
【0026】
また前記流体圧緩衝器の構成としては、前記連結部材の内部に形成されて作動流体を収納する流体収納室と、前記変位部材に設けられて前記流体収納室内に嵌入されるピストンと、前記足載置体の底屈方向への移動に伴って前記ピストンが変位する際にこのピストンにより押された流体を逃がす為の底屈用流体路と、この底屈用流体路中に設けられて当該底屈用流体路における流体の流量調節可能な絞り部とを含むことが好ましい。この絞り部により作動流体の流量を調節することによって、流体圧緩衝器の流体抵抗を調節できる。また上記の様な流体圧緩衝器であれば、連結部材にコンパクトに組み込むことができる。
【0027】
加えて本発明の短下肢装具において、外部から操作を受けることにより前記絞り部の絞り面積を変化させる絞り調節手段が、前記連結部材の外側に露出する様に設けられたものであることが好ましい。絞り調節手段を外側から操作できるので、絞り部の調節が簡便となるからである。
【0028】
更に前記絞り調節手段が外部から回転操作可能な回転操作部材であり、前記絞り部が前記底屈用流体路の一部を構成し、且つ絞り面積が前記回転操作部材の回転によって変化するように構成されているものが好適な態様として挙げられる。例えば回転操作部材の頂部にドライバーやスパナ等に嵌合可能な溝を形成しておけば、ドライバー等による簡単な操作で絞り部を調節することができる。また回転操作部材の回転角度によって絞り面積を無段階に変更することができる。
【0029】
また前記流体圧緩衝器としては、前記底屈用流体路に加えて、前記足載置体の前記基準位置への背屈方向の復元移動に伴って前記ピストンが変位する際にこのピストンにより押された流体を主に逃がす為の背屈用流体路を備え、この背屈用流体路中に、前記足載置体の底屈方向への移動に際して閉じる様に構成された逆止弁が設けられたものであることが好ましい。
【0030】
底屈動作の際には、上記絞り部によって作動流体は制限(流体抵抗)を受けて底屈用流体路を流れる一方で、背屈用流体路は上記逆止弁によって閉じられる。他方背屈動作の際には、上記逆止弁が開いて作動流体は背屈用流体路を殆ど抵抗なく流れることになる。尚背屈動作時においても底屈用流体路を通って作動流体は流れる。この様にして作動流体の流体抵抗を底屈動作時と背屈動作時とにより大きく変えることができ、それぞれに適した流体抵抗力にすることができる。
【0031】
また本発明の短下肢装具においては、前記足外側連結軸に加えて、更に前記足載置体と前記脹脛添体とが足内側に位置する連結軸を介して底屈及び背屈方向に揺動可能となる様に連結されており、この足内側の連結軸の回転中心が、足内側踝が形成する隆起の下端ないしその近傍に位置し、且つこの足内側の連結軸の回転中心と前記足外側の連結軸の回転中心とが同軸上に位置する様に配置されていることが好ましい。
【0032】
足首の揺動動作は、足外側踝と足内側踝の下端を結ぶ線を回転軸としているから、上記の様に足外側の連結軸と足内側の連結軸を配置することにより、より自然な足首の動きを実現することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
<実施形態1>
図1は本発明の実施形態1に係る短下肢装具10を示す斜視図である。
【0034】
該短下肢装具10は、足底を載せるための足載置体12と脹ら脛にあてがわれる脹脛添体11、及びこれら足載置体12や脹脛添体11を足60に固定する為のバンド13a,13b、並びに足載置体12と脹脛添体11を底屈及び背屈方向に揺動可能に連結する連結部材14を備える。この連結部材14は足外側に設けられ、足載置体12の足外側面に固定される足載置体固定部材15と、脹脛添体11の足外側面に固定される脹脛添体固定部材16と、足外側の連結軸17からなり、上記足載置体固定部材15と脹脛添体固定部材16は連結軸17を介して揺動可能に連結されている。この足外側連結軸17は中空状に形成されており、中空部分(開口部)17aがちょうど足の外側踝に位置する。また足外側連結軸17の回転中心は足外側踝の中心に対応して位置する。
【0035】
足内側にも連結軸18を備えた内側連結部材19が設けられており、足内側において足載置体12と脹脛添体11を底屈及び背屈方向に揺動可能に連結している。上記足内側連結軸18の回転中心は、足内側踝の下端に対応して位置し、この足内側連結軸18の回転中心と上記足外側連結軸17の回転中心が同軸上となる様に配置されている。
【0036】
これら連結部材14と内側連結部材19はいずれも金属製であり、足載置体12と脹脛添体11は合成樹脂製である。
【0037】
上記連結部材14の脹脛添体固定部材16には、底屈制動作用と背屈補助作用を司る力付与手段21が設けられている。
【0038】
図2は実施形態1の短下肢装具10を足に装着した様子を表す足外側からの側面図である。図に示す様に、足外側の連結軸17の中空部分17aに足外側踝68がちょうど入り込む様になる。
【0039】
図3(a)はこの外側踝68が入り込む様子を模式的に表す図であり、また図3の(b)は中空部分を有さない連結軸77を用いた短下肢装具(比較例1)を装着した場合を模式的に表す図であり、いずれも踝付近の断面を上から見た様子である。
【0040】
比較例1では、隆起した外側踝68よりも更に外側に連結軸77が位置するので、足中心から最外部までの幅Wbが大きくなるのに対し、実施形態1の様に外側連結軸17の中空部分17aを形成したものは、この中空部分17aに外側踝68が入り込むので、その分、足中心から最外部までの幅Waが狭くなる。
【0041】
図4は足の後側から見た図であり、短下肢装具10の連結部材14と足60との位置関係を説明する為の図である。連結部材14の脹脛添体固定部材16には力付与手段21(図4においては図示せず)が設けられているから、比較的大きなものとなるが、足外側踝68の上の凹み部分69に上記脹脛添体固定部材16が入り込む様にして位置するから、それ程大きく外側に張り出すことがない。
【0042】
次に連結軸17について説明する。図5は上記短下肢装具10の外側連結部材14を示す縦方向の断面図であり、図7は図5に示すP−P線部分における断面図である。脹脛添体固定部材16と足載置体固定部材15の連結箇所の脚部16b,15bには連結用孔16a,15aが大きく形成されており、脹脛添体固定部材脚部16bは二股となって、この脚部16bの間に足載置体固定部材脚部15bが介挿され、これらの連結用孔16a,15aを貫く様に連結筒87が取り付けられている。連結筒87は脹脛添体固定部材連結用孔16aの内壁に対して固定されており、足載置体固定部材連結用孔15aの内壁と連結筒87の外壁の間にはボール58が介挿され(ボール58は周方向に多数配設されている)、このボール58の回転により、連結用孔16a,15a及び連結筒87の中心軸を回転中心として、脹脛添体固定部材16と足載置体固定部材15が揺動できる様になっている。尚脚部16b,15bと連結筒87及びボール58により連結軸17が構成されている。
【0043】
次に力付与手段21の構成について説明する。
【0044】
図5に示す様に、力付与手段21は脹脛添体固定部材16に形成されており、変位部材24と、コイルバネ22等の弾性部材と、油圧緩衝器(流体圧緩衝器)23から構成されている。
【0045】
油圧緩衝器23は、内部に油(作動流体)25が満たされた直線状の流体収納室(シリンダ)26と、この流体収納室26内を往復移動可能なピストン27と、絞り部形成部材33とを備え、ピストン27にはこれを軸方向に貫通する背屈用流体路29が形成され、絞り部形成部材33には底屈用流体路28が形成されている。また絞り部形成部材33には回転操作部材(絞り調節手段)34が接続されている。そして背屈用流体路29には逆止弁30が設けられている。尚上記流体収納室26は、脹脛添体固定部材16に円筒状の空穴が形成され、仕切壁38により密封されたものである。
【0046】
上記ピストン27は変位部材24の一方端に接続され、変位部材24に付与された押引力によってピストン27が流体収納室26内をスライドする様になっている。
【0047】
上記変位部材24の構成は、上記ピストン27にその一方端が接続された棒状部24aと、この棒状部24aの他方端に形成された押圧受け部31からなる。この押圧受け部31の形状としては、後述の突起部32との接触面31aが円弧状となっており、棒状部24a側が下記の如くコイルバネ22を当接支持する肩部31bを形作っている。
【0048】
変位部材24にはコイルバネ(弾性部材)22が取り付けられており、具体的には変位部材24の棒状部24a周りを巻く様にコイルバネ22が配置され、該コイルバネ22の一方端は、棒状部24a上方部分に設けられたストッパー35により止められ、他方端は押圧受け部31の肩部31bによって止められている。尚棒状部24aはストッパー35を貫通してこのストッパー35に対して摺動可能となっており、変位部材24の押圧受け部31によってコイルバネ22に圧縮力が付与され、またコイルバネ22がその弾性復元力を押圧受け部31に作用させる。
【0049】
足載置体固定部材15には上記突起部32が形成されており、足載置体12を基準位置から底屈方向に移動させたときに、この突起部32が上記押圧受け部31を押し上げることとなる。尚コイルバネ22に何ら力が作用していない状態で突起部32が押圧受け部31に当接する位置が基準位置となる様に、変位部材24の長さやコイルバネ22の長さが設定される。尚基準位置としては例えば足首角度90°となる位置が挙げられる。
【0050】
次に力付与手段21の動作について説明する。
【0051】
先ず踵接地(heel contact)から足底全面接地(foot flat)までの間について述べる。このとき上記短下肢装具10は底屈制動作用を発揮して、患者の足先の急激な落下を防止することになる。尚図5に示す矢印A,Bは、短下肢装具を底屈方向に動かしたときのそれぞれの動きを表している。
【0052】
床に踵が接地されると、足先が落下する方向(底屈方向)に力が加わって、足載置体12と共に連結部材14の足載置体固定部材15を底屈方向に押し下げる(図2,5に示す矢印A)。すると足載置体固定部材15の突起部32が押圧受け部31を押して変位部材24を押し上げ、コイルバネ22を圧縮すると共に、変位部材24に取り付けられたピストン27を押し上げる(矢印B)。尚押圧受け部31の接触面31aが円弧状となっているから、弧状に動く突起部32に対して滑らかに当接する。
【0053】
ピストン27の押し上げにより直ぐさま逆止弁30が閉じ、流体収納室26内の油25は底屈用流体路28に向かう。底屈用流体路28は狭いので流体抵抗を生じ、これによりピストン27の押し上げが制動され、これに伴って変位部材24の押し上げも制動される。尚底屈用流体路28に向かった油25はピストン27の後方側26bへと流れ込む。
【0054】
この様にして油圧緩衝器23による流体抵抗力と、コイルバネ22による弾発力が変位部材24に加わって該変位部材24の押し上げが制動されることにより、突起部32の押し上げ並びに足載置体固定部材15の底屈方向の動きが制動され、その結果足載置体12の底屈方向の動きが制動されて、足先の急な落下が防止される。
【0055】
次に遊脚期について述べる。このとき短下肢装具10は背屈補助作用を発揮して、患者の足先が垂れない様にする。
【0056】
足が床から離れ、短下肢装具10に外力が加わらない遊脚期では、圧縮されていたコイルバネ22が弾性復元し、変位部材24を押し下げる(図5に示す矢印Bとは逆向き)。これによりピストン27は押し下げられ、すると直ぐさま逆止弁30が開き、背屈用流体路27を通って油25がピストン27の後方側26bから前方側26aへと流れる。背屈用流体路27は十分に広いから、油25は殆ど抵抗を受けずに流れることになる。尚底屈用流体路28からも油25がピストン前方側26aへと流れる。従ってコイルバネ22の弾性復元力はあまり妨げられずにその力を発揮し、変位部材24の押圧受け部31が突起部32を押して、足載置体固定部材15を背屈方向へ移動させ、その結果、足載置体12を背屈方向へ移動させて基準位置に戻す。
【0057】
この様にして足先が引き上げられるから、足先を床に引っかけることなく前方に踏み出すことができる。また上述の底屈制動力は「コイルバネ22の弾性抵抗力+油圧緩衝器23の流体抵抗力」によって大きな力が作用しているのに対し、この引き上げ力(背屈補助力)は「コイルバネ22の弾性復元力−油圧緩衝器23の背屈用流体路29による流体抵抗力」であって、小さい力である。この様に底屈制動力に対して背屈補助力が小さいから、健常者の歩行状態に近くなり使用感が良好となる。尚上記基準位置から更に背屈方向に足先を上げるときには、押圧受け部31の肩部31bから突起部32が離間することとなり、力付与手段21から何の抵抗も受けずに足先を上げることができる。
【0058】
次に油圧緩衝器23の流体抵抗の調節機構について説明する。
【0059】
図6は図5に示すN−N線断面図である。図5に示す様に、底屈用流体路28は、流体収納室26の頂部に取り付けられた絞り部形成部材33を経由し、流体収納室26横に形成された側部流体路28bに至り、ピストン後方側26bに繋がっている。
【0060】
図6に示す様に絞り部形成部材33は略円筒状をしており、絞り部形成部材33中央に設けられた導入路33aが流体収納室26の天井に開口し、この導入路33aと絞り部側壁に形成された溝部33bとが接続路33cを介して連なっている。溝部33bは接続路33cとの連通箇所が最も深く、接続路33cから離れるに従って次第に浅くなる様に壁周囲に形成され、この溝部33bから上記側部流体路28bに繋がっている。絞り部形成部材33は回転操作可能であり、絞り部形成部材33を回転させることにより(矢印C)、側部流体路28bへの溝部33bの開口箇所を変更することができる。
【0061】
油(作動流体)25はピストン前方側26aから先ず導入路33a内に導入され、接続路33cを経て溝部33bに至り、続いて側部流体路28bを通ってピストン後方側26bに向かう(図5,6参照)。溝部33bのうち溝の深い箇所で側部流体路28bに開口させた場合は、油25の通路が広い(絞り面積が広い)から、流体抵抗が低くなる。一方溝部33bのうち溝の浅い箇所で側部流体路28bに開口させた場合は、油25はこの溝の浅い箇所を通過しなくてはならず、即ち絞り面積が狭いから、流体抵抗が高くなる。この溝部33bの深さは上述の様に連続的に深く(浅く)なる様に形成されているので、溝部33bの回転角度を調節することにより、無段階に流体抵抗を変更することができる。
【0062】
絞り部形成部材33の回転操作は、絞り部形成部材33に接続された回転操作部材34によって行うことができ、回転操作部材34の頂部34aにはドライバーに嵌合可能なマイナス溝が形成され、このマイナス溝に対して、図2に示す矢印Eの如く短下肢装具10外部からドライバーにより操作し調節する。
【0063】
この様にして簡単に流体抵抗を調節できるから、患者の症状の変化に応じて底屈制動力を変更することができる。また製造段階から個々の患者に適した底屈制動力を設定しておかなくても良く、大凡の底屈制動力のものを製作した後、個々の患者に合わせて調節することができ、製造コストが低減する。
【0064】
しかもこの流体抵抗力の調節は、短下肢装具10の外側から行うことができるから、足に短下肢装具10を装着した状態のままで調節することができ、従って便利でまた即応性がある。
【0065】
またコイルバネ22の押圧受け部31側に弾性復元を規制するバネ止め部(図示せず)を設け、該バネ止め部の位置を変更可能に構成すると良く、この構成を採用すると、例えばコイルバネ22の最大復元位置に上記バネ止め部を配置すれば、コイルバネ22自身の持つ固有のばね係数により弾性復元力が発揮されることとなり、他方、コイルバネ22を縮ませた位置にバネ止め部を配置すれば、この縮んだ位置を基準としてコイルバネ22が圧縮/復元されることになるので、弾性復元力が高くなる。この様に1つのコイルバネ22を用いつつ弾性復元力を変更することが可能となり、調整の自由度が増す。
【0066】
更に押圧受け部31の接触面31aから肩部31bまでの長さを変更可能に構成するのが良く(例えばネジ機構により長さを調節する)、これにより個々の患者に最も適した足首角度となる様に上記基準位置を変更することができる。
【0067】
<実施形態2>
図8は本発明の実施形態2に係る短下肢装具の外側連結部材74を示す縦方向断面図である。また図9は実施形態2の逆止弁付近(図8に一点鎖線の○で囲んで表した部分)の拡大断面図である。尚実施形態2は上記実施形態1の力付与手段をより具体的に表したものであると言える。また図8,9において図5〜7と同じ構成部分については同一の符号を付して重複説明を避ける。
【0068】
本実施形態2においても、脹脛添体固定部材16に力付与手段が形成されており、この力付与手段の弾性部材は内外2重に配された2本のコイルバネ22から構成されている。
【0069】
足載置体固定部材15の突起部32の押圧を受ける押圧受け部31は、円弧状の接触面31aを備えた接触部材31cと、コイルバネ22に当接される肩部31bを備えた基部材31dからなり、この基部材31dに接触部材31cがネジ止め固定されている。そしてこのねじ込み程度を調整することにより、接触面31aから肩部31bまでの長さを変更できる様になっている。また基部材31dには、接触部材31cの反体側に変位部材24がネジ止め固定されており、押圧受け部31と共に変位部材24が動き、更にこの変位部材24の動きに連動して後述のピストン72が押引される(図9の矢印B,J参照)。
【0070】
油圧緩衝器23は、脹脛添体固定部材16に形成された円筒状の空穴に円筒状シリンダ76が内装され、このシリンダ76内にピストン72がスライドする様になったものであり、シリンダ76の頂部に上記実施形態1の如く絞り部形成部材33が接続され、上記空穴とシリンダ76外周面との隙間により側部流体路28bが形作られている。シリンダ76の後方側(絞り部形成部材33とは反対側)側壁には2つの開口78が形成されており、上記側部流体路28bとシリンダ76内におけるピストン後方側26bとをつないでいる。なおシリンダ76内の油25は、ピストン前方側26aから絞り形成部材33の導入路33a−接続路33c−溝部33b及び側部流体路28bを経て、開口78を介してピストン後方側26bに流入し、またこの経路を逆流することになる。加えて油25は後述の様にピストン72の逆止弁を一方向に流れる。尚図中、71は、油圧緩衝器23の油25の漏れを止めるためのシール部材である。
【0071】
次にピストン72に形成された逆止弁の構造について説明する。ピストン72は図9に示す様に、ストローク方向中程に周溝73cが形成された本体部73と、上記周溝73cに取り付けられたリング部材75とからなる。リング部材75は周溝73c内をストローク方向に移動可能となっており、図9(a)の様にリング部材75が本体部73の後方側盤73aに付いているときには、リング部材75と本体部73の前方側盤73bとの間に隙間73hを形成し、図9(b)の様にリング部材75が前方側盤73bに付いているときには、リング部材75と後方側盤73aとの間に隙間73gを形成する。また本体部73の後方側盤73aの外周面とシリンダ76内壁の間には隙間73eが開けられ、本体部73の前方側盤73bには流通孔73dが複数形成されている。更にリング部材75はその内周が周溝73cの溝底面との間に隙間73fを形成する大きさとなっており、一方外周はシリンダ76内壁に接触する大きさとなって、隙間を作らない。これら隙間73e,73f,73gや流通孔73dは十分な大きさであるから、これらが連通しているときにはこの中を油25が殆ど抵抗なく流れることができる。
【0072】
次に本実施形態2の逆止弁の動作について説明する。
【0073】
図9の(a)に示す様に変位部材24(棒状部24a)を押し上げる方向に力が加わると(矢印B)、リング部材75と後方側盤73aとの隙間73gが閉じる為、ピストン72に連通した隙間や孔が形成されないから、ピストン72部分を通しては油52が流れることがなく、側部流体路28bを伝って流れる(矢印K)のみとなる。一方図9の(b)に示す様に変位部材24を押し下げる方向に力が加わると(矢印J)、リング部材75と後方側盤73aとの隙間73gが開き、各隙間73e,73g,73f及び流通孔73dが連通し、これらを介してピストン後方側26bから前方側26aへ殆ど抵抗なく油25が流れ(矢印L)、また側部流体路28bからも流れる(矢印M)。
【0074】
この様に変位部材24を押し上げる方向(矢印B;底屈方向)への動きに対しては、絞り部(絞り部形成部材33)によって流体抵抗が生じて足先の底屈が制動され、変位部材24を押し下げる方向(矢印J;背屈方向)への動きに対してはあまり抵抗がなく、コイルバネ22の弾性復元力も加わって、足先の背屈運動が補助される。
【0075】
<実施形態3>
図10は本発明の実施形態3に係る短下肢装具における連結部材40を表す一部切欠き側面図である。尚図5と同じ構成部分については同一の符号を付して重複説明を避ける。
【0076】
本実施形態3の力付与手段41の油圧緩衝器(流体圧緩衝器)43は3つの流体収納室46a,46b,46c及び3つのピストン47a,47b,47cが並列に設けられたものであり、これらのそれぞれの底屈用流体路に設けられた絞り部45の絞り面積を、絞り調節手段44によって調整できる様になっている。
【0077】
またこの油圧緩衝器43に列べてコイルバネ(弾性部材)42が設けられている。そしてこのコイルバネ42の弾性力を調節ネジ48によって調節できる様になっている。
【0078】
力付与手段41の変位部材36にはローラ状の押圧受け部37が設けられており、この押圧受け部37が突起部32の押圧を受ける。
【0079】
実施形態3の油圧緩衝器43は、上記の如く緩衝器を複数に分割して並列配置しているので各緩衝器は小さくて済み、即ち上記各流体収納室46a,46b,46c及びピストン47a,47b,47cは小さいものとなる。またコイルバネ42としても背屈補助力を発揮できる程度で良いから、小さいもので済む。従って力付与手段41全体の厚みが薄いものとなり、短下肢装具の横方向の張り出しを、より小さくすることができる。
【0080】
<参考例1>
図11は本発明の参考例1に係る短下肢装具における連結部材50を表す断面模式図であり、(a)は連結部材50に力が付与されていない状態(基準位置の状態)を表しており、(b)は底屈方向(矢印A方向)に足を動かした状態を表している。尚図5と同じ構成部分については同一の符号を付して重複説明を避ける。
【0081】
本参考例1の連結部材50は力付与手段が連結軸17周りに設けられたものであって、連結軸17周りに油圧緩衝器55の流体収納室56がドーナツ状に配置されている。足載置体固定部材15を底屈方向に動かすと、フリー羽51がベン羽52を押し、流体収納室56内に満たされた油25は、図11(b)に示す矢印F方向に流れる。このとき油25は絞り部53を経由して流れるから、この絞り部53における流体抵抗を受け、足載置体固定部材15の底屈方向(矢印A方向)への動きを制動する。またベン羽52は同時にコイルバネ54を圧縮するから、このコイルバネ54の弾性復元力も底屈方向への動きを制動する。つまり油圧緩衝器55とコイルバネ54の両方の力によって底屈制動が行われる。尚油圧緩衝器55の流体抵抗は絞り57によって調節できる様になっている。
【0082】
次に足載置体固定部材15に加わる底屈方向の力がなくなると、コイルバネ54が復元して図11の(a)に示す様に基準位置に戻る。
【0083】
本参考例1では力付与手段が連結軸17の周囲に形成されたものであるから、コンパクトな構成でシリンダストロークを確保することができる。
【0084】
以上、本発明に係る短下肢装具に関して、例を示す図面を参照しつつ具体的に説明したが、本発明はもとより図示例に限定される訳ではなく、前記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
【0085】
例えば実施形態1において図2に示す様に流体抵抗の調節を足の斜め上前方から行う構成のものを示したが、図12[本発明に係る短下肢装具の連結部材についての他の例を示す側面図]に矢印Gで示す様に、足の斜め下後方から調節する構成としても良い。
【0086】
また押圧受け部31,37を着脱自在に構成し、大きさの異なる押圧受け部に取り替えることにより、上記基準位置を変更する様にしても良い。
【0087】
加えて上記実施形態では足載置体固定部材15や脹脛添体固定部材16をそれぞれ足載置体12や脹脛添体11に取り付ける場合を示したが、足載置体固定部材15と足載置体12を一体に構成したり、また脹脛添体固定部材16と脹脛添体11を一体に構成しても良い。
【0088】
【発明の効果】
以上の様に本発明に係る短下肢装具によれば、使用感が良好である上、背側に張り出しのない構造にでき、全体的にスリムなものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係る短下肢装具を示す斜視図。
【図2】実施形態1の短下肢装具を足に装着した様子を表す足外側からの側面図。
【図3】(a)は実施形態1の短下肢装具を装着した場合を表す図、(b)は比較例1の短下肢装具を装着した場合を表す図。
【図4】実施形態1の短下肢装具を装着した場合において足の後側から見た図。
【図5】実施形態1の短下肢装具の外側連結部材を示す縦方向断面図。
【図6】図5に示すN−N線断面図。
【図7】図5に示すP−P線部分における断面図。
【図8】本発明の実施形態2に係る短下肢装具の外側連結部材74を示す縦方向断面図。
【図9】実施形態2の逆止弁付近を示す拡大断面図。
【図10】本発明の実施形態3に係る短下肢装具における連結部材を表す一部切欠き側面図。
【図11】本発明の参考例1に係る短下肢装具における連結部材を表す断面模式図。
【図12】本発明に係る短下肢装具の連結部材についての他の例を示す側面図。
【図13】従来例▲1▼の短下肢装具を示す側面図。
【図14】健常者の歩行時の足の動きを説明する為の模式図。
【図15】足首の動きを説明する為の側面図。
【図16】従来例▲1▼の短下肢装具を装着して階段を下りる様子を表す図。
Claims (7)
- 足底を載せるための足載置体、
脹ら脛にあてがわれる脹脛添体、
前記足載置体の足外側面に固定される足載置体固定部材と、前記脹脛添体の足外側面に固定される脹脛添体固定部材とを、足外側の連結軸を介して底屈及び背屈方向に揺動可能に連結する連結部材、
並びに、前記足載置体が前記脹脛添体に対して特定の基準位置から底屈方向へ移動する際に当該足載置体に抗力を与え、且つ当該足載置体を前記基準位置に戻す方向の復帰力を与える力付与手段を備えると共に、
この力付与手段は、前記連結部材の前記脹脛添体固定部材に設けられ、
且つ該力付与手段は、
前記足載置体が前記基準位置にある状態で当該足載置体に当接し、且つ当該基準位置から足載置体が底屈方向に移動するのに伴って変位可能となる様に前記脹脛添体固定部材に取り付けられた変位部材と、
前記基準位置から底屈方向に移動した足載置体に対して当該足載置体を前記基準位置に戻す方向の弾発力を前記変位部材に付与する弾性部材と、
前記足載置体の底屈方向の移動に伴って変位する際に前記変位部材に流体抵抗を与える流体圧緩衝器とを含み、
前記足外側の連結軸は、前記足載置体に載せられる足の外側踝に対応する位置に設けられ、且つ当該外側踝が侵入可能な開口部が形成されてなり、
前記脹脛添体固定部材は、外側踝の上の凹み部分に位置することを特徴とする短下肢装具。 - 請求項1に記載の短下肢装具において、
前記流体圧緩衝器は、前記変位部材に与える流体抵抗が調節可能となる様に構成されていることを特徴とする短下肢装具。 - 請求項2に記載の短下肢装具において、
前記流体圧緩衝器は、
前記連結部材の内部に形成され、作動流体を収納する流体収納室と、
前記変位部材に設けられ、前記流体収納室内に嵌入されるピストンと、
前記足載置体の底屈方向への移動に伴って前記ピストンが変位する際にこのピストンにより押された流体を逃がす為の底屈用流体路と、
この底屈用流体路中に設けられ、当該底屈用流体路における流体の流量調節可能な絞り部と
を含むことを特徴とする短下肢装具。 - 請求項3に記載の短下肢装具において、
前記連結部材の外側に露出する様に設けられ、外部から操作を受けることにより前記絞り部の絞り面積を変化させる絞り調節手段を備えたことを特徴とする短下肢装具。 - 請求項4に記載の短下肢装具において、
前記絞り調節手段は、外部から回転操作可能な回転操作部材であり、
前記絞り部は、前記底屈用流体路の一部を構成し、且つ絞り面積が前記回転操作部材の回転によって変化するように構成されていることを特徴とする短下肢装具。 - 請求項3〜5のいずれかに記載の短下肢装具において、
前記流体圧緩衝器は、更に、前記足載置体の前記基準位置への背屈方向の復元移動に伴って前記ピストンが変位する際にこのピストンにより押された流体を主に逃がす為の背屈用流体路を備え、
この背屈用流体路中に、前記足載置体の底屈方向への移動に際して閉じる様に構成された逆止弁が設けられたものであることを特徴とする短下肢装具。 - 請求項1〜6のいずれかに記載の短下肢装具において、
前記足載置体と前記脹脛添体とが更に足内側に位置する連結軸を介して底屈及び背屈方向に揺動可能となる様に連結されており、
この足内側の連結軸の回転中心が、足内側踝が形成する隆起の下端ないしその近傍に位置し、且つこの足内側の連結軸の回転中心と前記足外側の連結軸の回転中心とが同軸上に位置する様に配置されていることを特徴とする短下肢装具。
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