JP4156272B2 - セメントの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、セメントの新規な製造方法に関する。詳しくは、石膏ボード廃材をセメントの石膏成分として効率よく使用することが可能なセメントの製造方法である。
【0002】
【従来の技術】
セメントの製造は、セメント原料をロータリーキルンにおいて約1000〜1400℃で焼成してセメントクリンカーと成し、これをクーラーにて冷却後、該セメントクリンカーに石膏を添加して粉砕することによって行われていた。
【0003】
一方、建築物の解体、改装によって廃棄される石膏ボード廃材の発生は、年々増加する傾向にあり、埋立地の不足、環境保全の観点より石膏ボード廃材のリサイクルが求められている。その一態様として、上記石膏ボード廃材をセメントの石膏成分として使用する試みが成されつつある。
【0004】
ところが、上記石膏ボード廃材をセメントの石膏成分として使用する際、石膏ボードにはボード原紙が貼付されていたり、容積調整剤として界面活性剤が配合されており、これを石膏成分として多量に使用した場合、具体的には、石膏成分の30重量%以上の割合で使用した場合、セメントの強度発現に悪影響をもたらすことが懸念される。
【0005】
そのため、石膏ボード廃材は、ボード原紙や界面活性剤を除去する処理を施した後、セメント用石膏として使用する方法が採られていた。かかる除去処理としては、例えば、石膏ボード廃材を粉砕してボード原紙を除去し、次いで水洗することにより、界面活性剤を除去する方法、石膏ボード廃材を600℃以上の温度に加熱し、ボード原紙及び界面活性剤を燃焼除去する方法(特開平10−36149号公報)、石膏ボード廃材に硫酸を添加して加熱することにより界面活性剤を分解除去する方法(特開平10−45446号公報)、石膏ボード廃材に界面活性剤を吸着する吸着剤を添加する方法(特開平10−45442号公報)などが提案されている。
【0006】
しかしながら、上記方法によれば、石膏ボード廃材をセメントの石膏成分として使用するために、別途処理工程を必要とし、多大の労力と処理設備を必要とするという問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、セメントの石膏成分として石膏ボード廃材を多量に使用することが可能であり、しかも、該石膏ボード廃材を別途処理する工程を設けることなく、簡易な方法で、効率よくセメントの石膏原料として使用することが可能なセメントの製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた。その結果、石膏ボード廃材を粗砕した後、セメント製造工程においてセメント焼成炉より取り出されて余熱を有するセメントクリンカー上に添加することにより、界面活性剤や、ボード原紙が付着している場合は該ボード原紙等のセメント品質に障害を及ぼす有機物を効率的に熱分解(燃焼)せしめて除去することができ、その後、これをセメントクリンカーと共に粉砕することにより、石膏ボード廃材を多量に添加した場合でも品質の低下無く、良好なセメントが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
即ち、本発明は、焼成炉より取り出され、クーラー中を冷却されながら移動するセメントクリンカー上に、石膏ボード廃材の破砕物を投入して含有される有機物を熱分解せしめた後、セメントクリンカーと共に粉砕することを特徴とするセメントの製造方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明において、石膏ボード廃材は特に制限されない。一般には、石膏ボード生産時や新築内装工事において発生する石膏ボード端材、建築物の解体、改装工事で廃棄される石膏ボードなどが挙げられる。
【0011】
本発明において、石膏ボード廃材は、焼成炉より取り出されたセメントクリンカー上に供給した際、セメントクリンカーによる加熱が効果的に行われるように、破砕することが必要である。かかる破砕の程度は、長径が300mm以下、好ましくは200mm以下となるように行うことが好ましい。また、上記破砕により廃石膏ボードをあまり小さくすると、クーラー内のガス流によって飛散し易くなるばかりでなく、後述するセメントクリンカーとの共粉砕において石膏の過粉砕が起こり、得られるセメントの凝結時間を不安定にするため、長径が5mm以上、好ましくは10mm以上となるように調整することが好ましい。
【0012】
また、上記粉砕後の石膏ボード廃材は、ボード原紙が存在したままでもよいし、一部又は全部のボード原紙を除去された状態であってもよい。
【0013】
石膏ボード廃材の破砕方法は特に制限されるものではないが、ジョークラッシャー、ロールクラッシャー等の破砕機が好適に使用される。
【0014】
本発明において、上記方法によって得られた石膏ボード廃材の破砕物は、焼成炉より取り出され、クーラー中を冷却されながら移動するセメントクリンカー上に投入される。一般に、セメント製造工程において、ロータリーキルンに代表される焼成炉より取り出されるセメントクリンカーは、温度1350℃程度の高温であり、グレートクーラーに代表されるクーラーにおいて、下部から冷却用の空気を供給しながら、クーラー内を移動し、150℃付近の温度間で冷却されて取り出される。
【0015】
本発明にあっては、上記クーラー内を移動するセメントクリンカー内に石膏ボード廃材の破砕物を投入し、該クリンカーの有する熱と供給される空気とによって廃石膏ボード中の界面活性剤、更には、必要に応じて共存する石膏ボード原紙を熱分解(燃焼)せしめて除去する。
【0016】
従って、石膏ボード廃材の破砕物の投入位置は、上記熱分解が起こり得る温度領域に供給される。かかる温度領域としては、セメントクリンカーの温度が300〜1200℃である領域が好ましく、投入後の低温領域への移動時間を勘案すれば、上記温度の下限は、350℃が好ましく、特に、400℃が好ましい。即ち、投入する位置のセメントクリンカーの温度が300℃より低い場合、廃石膏ボード中に含有される界面活性剤の除去が不十分となるおそれがある。また、上記温度の上限は石膏の分解を勘案すれば1000℃が好ましい。即ち、投入する位置のセメントクリンカーの温度が1000℃を超える場合は、石膏の分解が起こり易くなり、SOxの発生等による問題が生じる場合がある。
【0017】
本発明において、石膏ボード廃材の投入は、クーラーのフード上面の任意の位置に投入口を設けて実施することができる。また、投入個所は、一箇所でもよいし、数箇所に分割されていてもよい。
【0018】
また、石膏ボード廃材の破砕物を投入する態様は、クーラーのフードの上面にダブルホッパーを設けて、クーラー内の密閉性を保ちながら、ベルトコンベアー等の輸送手段により投入する態様、該フードの上面に配管を取り付け、空気輸送により強制的に投入する態様等が推奨される。
【0019】
本発明において、石膏ボード廃材の投入量は、セメント成分として必要な量の全部であってもよいし、一部であってもよい。本発明の方法によれば石膏ボード廃材中の界面活性剤等はほぼ完全に除去されるため、石膏成分の全量を石膏ボード廃材によって補っても、得られるセメントの品質に全く影響が無く、石膏ボード廃材の利用率を向上せしめることができる。
【0020】
本発明において、クーラーより得られたセメントクリンカーと熱処理後の石膏ボード廃材との混合物は、粉砕機によって所望の粒度まで共粉砕される。上記粉砕の程度は、ブレーン値で2500〜4000cm/g程度、特に、2700〜3500cm/g程度が一般的である。
【0021】
図1は本発明の実施に好適に使用される装置の概略図を示すものである。図1において、バーナー2を備えた焼成炉1より取り出されたセメントクリンカー10は、クーラー3内を図面右方向に移動しながら、冷却空気4によって冷却されて、クーラー端部より取り出される。上記セメントクリンカーの移動は、公知の移動機構、例えば、振動コンベアーによって行われる。
【0022】
一方、石膏ボード廃材5は、破砕機6に供給され、適当な大きさに破砕された破砕物を上記クーラー3のフード上面より、その内部を移動するセメントクリンカー表面に投入する。投入された廃石膏ボードの破砕物は、セメントクリンカーの熱により、含有される界面活性剤、場合によっては、ボード原紙が熱分解せしめられて除去された後、セメントクリンカーと共に、粉砕機8に供給されて共粉砕される。上記粉砕機8は、ボールミル、縦型ミル等の公知の粉砕機が使用され、該粉砕機内で共粉砕されたセメントクリンカーと石膏ボード廃材由来の石膏はセメント9として取り出される。
【0023】
尚、上記共粉砕時、或いは共粉砕後、必要に応じて、石膏成分として排煙脱硫石膏等の従来の石膏成分を添加してもよい。
【0024】
【発明の効果】
以上の説明より理解されるように、本発明によれば、セメントの石膏成分として石膏ボード廃材を多量に使用することが可能であり、しかも、該石膏ボード廃材を別途処理する工程を設けることなく、簡易な方法で、効率よくセメントの石膏原料として使用することが可能なセメントの製造方法が提供される。
【0025】
【実施例】
実施例1
図1に記載の装置を用いて以下のような条件でセメントを製造した。
【0026】
即ち、焼成炉1より取り出され、クーラー3内を図面右方向に移動するセメントクリンカー10の温度が表1に示す温度である領域に、石膏ボード廃材5をジョークラッシャーよりなる粉砕機6によって平均粒径10mmに粉砕した粉砕物を、セメント中のSO量が2.0重量%となるように、空気輸送により該クーラーのフード上面より投入した。
【0027】
次いで、石膏ボード廃材は、セメントクリンカーと共に、ボールミルよりなる粉砕機8に供給し、ブレーン値3000±50cm/gに粉砕してセメントを得た。得られたセメントについて、JIS R5201により圧縮強さを測定した。表1にその結果を示す。
【0028】
比較例1
セメント中のSO量が2.0重量%となるように、加熱処理を加えていない石膏ボード廃材を添加し、ブレーン値3000±50cm/gに粉砕してセメントを得た。得られたセメントについて実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示した。
【0029】
参考例
セメント中のSO量が2.0重量%となるように、排煙脱硫石膏を添加して普通ポルトランドセメントを製造し、得られたセメントについて実施例1と同様の評価を行った。その結果を表1に示した。
【0030】
表1に示すように、本発明で製造されたセメントは、排煙脱硫石膏を使用したセメントとほぼ同等の物性を示した。また、石膏ボード廃材を加熱せずに添加した場合に比べて、遥かに高い圧縮強さを示していることから、該石膏ボード廃材中に含まれる界面活性剤が熱分解していることを示したものと考えられる。
【0031】
【表1】
Figure 0004156272

【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の方法において好適に使用される装置の一態様を示す概略図
【符号の説明】
1 焼成炉
2 バーナー
3 クーラー
4 冷却空気
5 石膏ボード廃材
6 粉砕機
7 排ガスダクト
8 粉砕機
9 セメント
10 セメントクリンカー

Claims (3)

  1. 焼成炉より取り出され、クーラー中を冷却されながら移動するセメントクリンカー上に、石膏ボード廃材の破砕物を投入して含有される有機物を熱分解せしめた後、セメントクリンカーと共に粉砕することを特徴とするセメントの製造方法。
  2. 石膏ボード廃材の破砕物の投入を、セメントクリンカーの温度が300〜1200℃である範囲にて行う請求項1記載のセメントの製造方法。
  3. 石膏ボード廃材の破砕物の長径が300mm以下の大きさに破砕されたものである請求項1又は2記載のセメントの製造方法。
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