JP4156152B2 - 生体適合性及び生体被吸収性を有する締結具 - Google Patents

生体適合性及び生体被吸収性を有する締結具 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は外科用デバイス、特に整形外科分野で使用される生体被吸収性の締結具に関する。とりわけ、形成外科的あるいは再建外科手術的処置において骨、特に頭蓋あるいは顔の硬質組織の固定に使用される生体被吸収性ポリマーからなるリベット及びピンからなる締結具に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとうする課題】
現在、骨折部位および外科的修復部位に骨接合板を結合させることが可能な様々な金属性締結具が知られている。例えば、脊椎、頭蓋、および顎顔面用接合板はすべて金属製のねじを用いて固定されている。しかし、金属製のデバイスは半永久的なものであることから外科手術的処置を再度実施してそれを取り去る必要性があるという問題点が存在する。もし金属製のデバイスを体内に放置した場合、組織萎縮が起こり、それに続いて固定されたデバイスが緩んでしまう可能性がある。
【0003】
生体適合性かつ生体被吸収性の合成ポリマーは当該技術分野においてよく知られている。そのようなポリマーは一般に医療機器を製造する際に使用されており、体内組織に移植され、時間とともに吸収される。生体適合生体被吸収性合成ポリマーとしては、グリコール酸、グリコリド、乳酸、ラクチド(d、l、メソ及びそれらの混合物)、ε−カプロラクトン、トリメチレンカーボネート及びp−ジオキサノン等のモノマーのホモポリマー、コポリマー(ランダム、ブロック、セグメント化及びグラフト)が挙げられる。これらのポリマーは、米国特許第5,431,679号、同第5,403,347号、同第5,314,989号、同第5,431,679号、同第5,403,347号及び同第5,502,159号等、数多くの米国特許に記載されている。
【0004】
生体被吸収性ポリマーの出現によって、機能的効用が減少するのに伴って体内で徐々に吸収されていくように設計された締結具(ねじ、ピン等)の新しい世代が現れた。生体被吸収性材料からなるデバイスは、治癒のために必要とされる一定の期間だけ残留するという利点を持っている。
【0005】
従来技術では多くの整形外科用リベットが開示されている。
米国特許第5,167,665号は、近位端に頭部(head)を有するブラインドリベットとこのリベットの頭部から離れた位置にビードまたは頭部を有する中心マンドレルとを記述している。このような組み合わせは、事前に開けられた骨の穴に挿入され、中心マンドレルが近位方向に引っ張られることによりビードがつぶれて皮層の下に残る第2の頭部が形成され、皮層の下に固定される。
【0006】
米国特許第5,268,001号および同第5,725,529号は、可撓性スリーブ部材および延伸部材を開示しており、該延伸部材の外径はスリーブ部材の内径よりも大きい。骨に事前に開けられた穴に対してスリーブ部材を挿入し、つづいて該スリーブ部材を骨に固定するために延伸部材をスリーブ部材に挿入してスリーブ部材の内壁を外側方向に押圧する。
【0007】
米国特許第5,326,205号および同第5,501,695号は骨の中で膨張させるのに適応した締結具を開示している。締結具は、近位側に頭部を持ち、かつ長手方向に沿った開口部を有する円筒状の本体と、該本体に沿って遠位側に沿って延びる部材とを有する。遠位側に頭部を持つプーラーを円筒状の本体に挿入する。このアセンブリを事前に骨に開口された穴に挿入する。プーラーが近位側に移動すると、円筒状の本体上で上記部材を圧縮し、該部材が骨に係合するようにそれらをクリッピングする。その後、プーラーが円筒状本体の頭部のところで折られ、骨に固定されたデバイスを残す。
【0008】
米国特許第5,480,403号は縫合アンカーを記述している。この縫合アンカーは、半径方向に可撓性を持つ脚部を近位側に有するリベットと、該リベットに対して遠位方向にある鋭い先端を持つ遠位端と縫合糸が結ばれた近位端とを持つセッティングピンとを含む。リベットおよびピンは事前に骨に開けられた穴に挿入されるからである。この穴は、ピンが収容できるようにリベット/ピンの深さよりも深く掘られている。なぜなら、ピンは最初にリベットの遠位端を越えて挿入される。つぎに、ピンは近位側に引っ張られ、リベットの近位側にある脚部が広がって骨に係合する。
【0009】
米国特許第5,480,403号の別の実施態様では、縫合アンカーはリベットとピンを有し、リベットは遠位方向に延びる脚部を有する。リベットおよびピンは、事前に骨に開口された穴に挿入される。ピンが近位側に引かれると、ピンがリベットの頭部に向けて近位側に動くので、リベットの内径が小さくなるように先細りしているリベットの脚部は、ピンが近位側に引かれると同時に骨表面に縫合アンカーを固定するために半径方向に広がる。
【0010】
米国特許第5,713,903号及び同第5,720,753号は、遠位端で広がった複数の脚部と、該脚部の長さよりも大きい深さで中央内腔(bore)に挿入されたフレア型遠位端を持つピンとを有する締結具を開示している。ピンが近位側に動くと、ピンのフレア型遠位端は締結具の脚部を広げて骨に固定させる。続いて、締結具のヘッド部にあるノッチのところでピンが取り外される。この締結具は、特に柔らかい組織を骨に固定するためのものとしてある。
【0011】
これらの特許は、デバイスを穴に挿入し、つぎに該デバイスの半径方向に可撓性を持つ部分に対して、部材を上方向あるいは近位方向に通す、あるいは入れることによって配置されるデバイスに関する。このことは、デバイスを配置する前に該デバイスを完全に挿入するのに十分な空間が残るようにするために、配置されたデバイスの深さよりも深く上記穴が形成されている必要がある。そのような設計は、取り付けに際して薄い層からなる骨のみが利用可能であるような場合、あるいは、頭蓋および顎顔面等の外科手術的処置に際して骨の下にある柔組織を損傷する危険性のために、そのような薄い層からなる骨の厚みを超えて穴を掘ることが不可能である場合において、外科的に適用するのが好ましくない。そのような場合、適当な締結強度を得る上で求められる締結具の長さは、骨の全厚さにかなり近いものとなる。
【0012】
米国特許第4,590,928号は、同軸的に形成されたテーパ状の通路部および半径方向に広がる可撓性を持つ複数の脚部を有する長尺状の円筒体と、頭部を持つ端部、近位端部に挿入可能なピンとから構成されるアンカーを開示している。円筒体を骨に形成された穴の中に設置し、この円筒体の通路部にピンを挿入することによって脚部を取り囲む骨の中に脚部が半径方向に広がる。円筒体およびピンは生体適合性材料からなるもので、さらに円筒体はその内部に設けられ、かつ該内部に沿って長手方向に延びる炭素繊維を含む。炭素繊維は身体によって吸収されたり、あるいは身体の中に再吸収されたりすることがないので、そのような締結具は部分的に生体被吸収性であるにすぎない。
【0013】
この特許、米国特許第4,590,928号は、固い中実のピンを持つ締結具を開示している。骨組織の材料特性、例えばヤング弾性率および材料降伏応力は年齢によって著しく変化し、また年齢や性別が同じ場合でも個人差が著しい。したがって、固いピンを持つことはデバイスの締結機能を限定することになる。なぜなら、脚部が半径方向に外側に向けて広がることができないほど周囲の骨が堅い場合に、そのようなピンは変形することができないからである。
【0014】
デバイスを設計する際に想定された堅さよりも周囲の骨が堅く、かつピンが中実のものである場合、テーパ状の穴に剛性のピンを押し込む際に求められる大きな力によって脚部が変形して役に立たなくなるか、あるいはピンが破壊されるかのいずれかがもたらされよう。半径方向に圧縮性または可撓性を示すピンは、挿入の際にかかる負荷が大きい条件下で内側通路に適合するように半径方向内側に向けて変形することができるので、骨の材料特性の幅広い範囲に渡ってより良い締結具性能を提供するであろう。
【0015】
したがって、従来から求められていることは、頭蓋、顎顔面等の再建外科的用途のための新規な生体被吸収性締結具を提供することである。この新規な生体被吸収性締結具の設置は、該締結具の深さと同じ深さを有する穴に締結具を挿入し、締結具の可撓性本体の中に、半径方向に圧縮可能な部材を下方向に、あるいは遠位方向に、上から押し込むことによってなされる。この発明はそのような新規な生体被吸収性締結具を開示するものである。
【0016】
【課題を解決するための手段および発明の実施の形態】
この発明は、生体適合性かつ生体被吸収性のリベットおよびピンからなる締結具を開示するもので、該締結具は、(1)近位端、遠位端及び中心軸を有する頭部と、該頭部の近位端から遠位端に延び、かつ頭部の中心軸に対して実質的に平行な内側通路と、頭部の遠位端に機械的に接続し、内面が頭部の中心軸に面し、頭部から概略遠位方向に延びる少なくとも2本の脚部とを持つ生体適合性のリベットと、(2)リベットの脚部よりもコンプライアンスが低く半径方向に圧縮可能な断面を有し、かつリベットの内側通路への挿入に適するピンとを備え、さらにリベットの近位端から遠位端に向けてピンが送られることで、リベットの脚部の内面にピンが接触し、リベットの中心軸に対して実質的に垂直方向に力が与えられる。
【0017】
ピンは、該ピンの側面(外周面)上に円周方向に沿って形成された切欠部(notch)または突出部(rib)を有するものであってもよい。ピンの側面(外周面)上のノッチおよびリブは、リベット本体を貫通する内側通路の内面に円周方向に沿って形成されたリブまたはノッチと嵌合する。これによって、ピンが完全に挿入された後でピンが軸方向に沿って動くのを防ぐためにピンを所定位置に係止(locking)する手段が提供されよう。
【0018】
ピンは、(1)リベット本体とは独立したもの、あるいは(2)下方向の押圧によって本体から外されて遠位方向に本体の中に押し込まれるように、壊れやすい連結部を介してリベット本体と一体化したものであってもよい。
【0019】
開示された設計の別の利点は、リベット本体の可撓性脚部よりもコンプライアンスが低く、あるいは剛性の可撓性部材をピンが有することである。したがって、ピンは、デバイス設計の際に想定した平均的な材料特性を持つ骨の中にデバイスが配置された際に本体の脚部を外側半径方向に広げるのに十分な剛性を持っているだけではなく、ピンはリベット本体の脚部が外側方向に広がることができないほど非常に硬い骨の中にデバイスが配置された場合に、内側に折り畳まれるのに十分なコンプライアンスを持っている。
【0020】
この発明の前述及びその他の特徴及び利点は、以下の記載及び付随する実施例からより一層明らかになろう。
【0021】
この発明のリベットおよびピンからなる締結具の一実施形態例を図1に示す。リベットおよびピンからなる締結具2は、リベット3とピン5とからなる。リベット3は、頭部4と該頭部4の遠位端8に取り付けられた少なくとも2本の脚部12とから構成される。頭部4の近位端6は、該頭部4の中心軸10に対して実質的に平行な内側通路14を有する。頭部4は、好ましくは遠位端から近位端に向けて径が広がることで、締結具の配置と同時に整形外科用デバイスを骨に固定するための面が提供される。ピン5は半径方向に圧縮可能であり、もし半径方向の力がピン5に与えられるとピン5の少なくとも一部の断面径を減少させることができる。ピン5の一態様は、遠位かつ半径方向に可撓性を持つ少なくとも2つの部材16を有する。これらの部材16は接合部18で互いに接合している。リベットとピンから成る締結具を形成するために、まずピン5の挿入端20をリベット3の近位端6に形成された内側通路14に挿入する。続いて、ピン5の挿入端20が頭部4の遠位端8に向けて前方に送られる。ピン5が前方に送られると、ピン5の挿入端20はリベット3の脚部12に接触し、リベット3の中心軸10に対して概略垂直方向に圧力を生ずる。ピン5の可撓性部材16は、リベット3の可撓性の脚部12が外側方向に広がることによって隣接した骨に対して摩擦的に係合するように、リベット3の可撓性脚部2を破壊したり頭部4から分離させるのではなく、リベット3の可撓性脚部12を撓曲させるように設計されている。
【0022】
リベット3の可撓性の脚部12は、好ましくは頭部4との接続部分から遠ざかるにつれて脚部12の厚さが大きくなるという幾何学的形態を備える。この特徴は、まっすぐなピン5が内側通路14に押し込まれる場合に、脚部12が強制的に外側に広がるのを可能とする。このように頭部4との接続部分から遠ざかるにつれて脚部12の厚さが大きくなる構成の場合では、脚部12の遠位位置におけるリベット3の外径は脚部12が取り付けられた頭部の遠位端におけるリベット3の外径よりも大きいため、配置の際に締結具は強化された固着(anchoring)特性を持つ。したがって、脚部12は骨(頭蓋)の密な表面層である皮質に形成された穴の当初の径を越えて外側に広がる。脚部12は、本体を穴に挿入するのを容易にするために、面取した、あるいは角を丸めた先端縁(leading edge)24を有するものであってもよい。同様に、ピン5がリベット3の内側通路14に対してより一層容易に挿入されるように、ピン5は面取した、あるいは角を丸めた先端縁部26を有するものであってもよい。リベットはまた、もし必要ならば、所定の位置に置かれた後適用具を用いてデバイスから取り外しを可能とするために面取された内面を有するものであってもよい。
【0023】
ピン5は、遠位端に半径方向に可撓性を持つ部材16を有する。好ましい実施形態例では、ピン5の可撓性部材16は、リベット3の可撓性脚部12よりもコンプライアンスが低く、あるいはより一層剛性である。これによって、デバイスの遠位端におけるリベット3の構造的コンプライアンスあるいは構造的剛性と比較して、ピン5は構造的コンプライアンスが低いか、あるいは構造的剛性が大きくなり、リベット3の内側通路14へのピン5の挿入によって、リベット3の脚部12が半径方向に広がり、ピン5の部材16が半径方向に圧縮されることになる。ピン5の部材16の全体的な剛性はリベット3の脚部12の全体的な剛性よりも大きいので、結果として生ずる半径方向の力はいつも外側を向きリベット3の脚部12を周囲の骨に摩擦的に係合させる。しかし、脚部12と周囲の骨との間の有効な摩擦的係合が無効になる剪断または変形からピン5を守るために、脚部12に対して実質的に損傷を与える力よりも低い閾値の力で、ピン5の少なくとも一部分が半径方向に圧縮することになる。
【0024】
この発明の別の実施形態例では、通路14の面28は円周方向に沿うノッチ30を有する。このノッチ30は、ピン5の外周面31上に形成された円周方向に沿うリブ32と嵌合する。逆に言えば、この発明の別の実施形態例として、通路14の面28はピン5の外周面に形成された周方向に沿うノッチと嵌合するリブを該面の周方向に沿って有するものであってもよい。どちらの実施形態例も、挿入後の軸方向に沿う移動を防ぐために、挿入されたピン5を係止する手段(locking means)を提供する。さらに、この実施形態例は、ピン5がリベット3内の所定の位置に係止されたことを外科医に知らせるために、触覚及び(または)聴覚的なフィードバックを容易に提供することができる。
【0025】
図3に示すこの発明の別の実施形態例では、リベット3及びピン5は、一体化デバイスを形成するために、頭部4の中の薄い材料連結部36によって接続されている。ひとたびデバイスが骨の穴に挿入されると、ピンに与えられた押し込み力が材料連結部を破断するので、ピンを本体の中に押し込んで締結具を配置することができよう。
【0026】
図4に示すこの発明の別の実施形態例では、脚部12の外周面42は、締結強度を増加させるために締結具の配置の際に隣接する骨の中に埋め込まれる1本または多数のリブ44および(または)隆起を有する。
【0027】
図5に示すこの発明の別の実施形態例では、ピン5は、複数のピン5からなる連続ロッド50の一部分としてもよく、ピン5の先端縁部に形成された丸みを帯びた、あるいは面取りされた面52によって分離される。ピン5の挿入端が完全にリベット3と嵌合するまで、押し込む力を連続的に連続ロッド50に与えて該ロッドの遠位端54をリベット3の中へ押し込む。続いて、ロッドに対して十分な曲げ力を与えることで、あるいはピン5同士の連結部分を切断することによって、遠位端側のピン5をロッド50から取り外す。それによって新たな遠位端52Aが生ずる。したがって、連続ロッドは多数のリベットを配置するのに使われよう。
【0028】
図6に示すように、締結具2を適用する方法も開示される。プレート60または他のデバイスが締結される位置で外科医が骨に穴61を開けた後、リベット3およびピン5はアプライヤー(適用具)62に充填されている。リベット3をプレートの穴64を介して穴61に挿入する。ピン5はアプライヤー62のプランジャー66をに下方向の力を与えることでリベットの中に押し込まれる。このようなプロセスは、必要に応じて、プレート60に対して適当な保持力が得られるまで繰り返される。
【0029】
締結具を形成し得る適当な材料としては、脂肪族ポリエステル、ポリオルトエステル、ポリアンヒドリド(polyanhydrides)、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリアミド、ポリアルキレンオキシド、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される生体適合性ポリマーが挙げられる。この発明の整形外科用締結具は、リン酸カルシウム及び他の生体適合性金属酸化物(すなわち、CaO)を含む生体被吸収性ガラスまたはセラミックからも形成することができる。この発明の締結具はさらに生体被吸収性セラミック、ガラス及びポリマーの組み合わせを含むことができる。
【0030】
好ましい実施形態例では、整形外科用締結具は、脂肪族ポリエステルのポリマー及びコポリマー及びそれらの配合物を含む。脂肪族ポリエステルは、一般に開環重合で合成される。適当なモノマーとしては、限定されるものではないが、乳酸、ラクチド(L、D−、メソ及びD、L混合物が含まれる)、グリコール酸、グリコリド、ε−カプロラクトン、p−ジオキサノン(1,4−ジオキサン−2−オン)、トリメチレンカーボネート(1,3−ジオキサン−2−オン)、δ−バレロラクトン、β−ブチロラクトン、ε−デカラクトン、2,5−ジケトモルホリン、ピバロラクトン、α、α−ジエチルプロピオラクトン、エチレンカーボネート、エチレンオキサラート、3−メチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン、3,3−ジエチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン、γ−ブチロラクトン、1,4−ジオキセパン−2−オン、1,5−ジオキセパン−2−オン、6,6−ジメチル−ジオキセパン−2−オン、6,8−ジオキサビシクロクタン−7−オン及びそれらの組み合わせが挙げられる。これらのモノマーは、有機金属触媒及び開始剤の存在下、昇温して重合される。有機金属触媒は、好ましくは錫を主体とする触媒(例えば、オクタン酸第一錫)であり、モノマーと触媒のモル比が約10,000/1乃至約100,000/1の範囲でモノマー混合物に存在する。開始剤は、一般にアルカノール(ジオール及びポリオールが含まれる)、グリコール、ヒドロキシ酸、またはアミンであり、モノマーと開始剤のモル比が約100/1から約5,000/1の範囲でモノマー混合物に存在する。重合は、一般に約80℃乃至約240℃、好ましくは約100℃乃至約220℃の範囲の温度で、所望の分子量及び粘度が達成されるまで実行される。
【0031】
この発明のポリマー配合物は、従来の方法で製造される。上記のようにして調製されたホモポリマーとコポリマーとを配合する一つの方法は以下のような工程を有する。すなわち、はじめに、従来の混合手段(例えば、インペラあるいはその等価物)が備え付けられた従来の混合容器または反応容器にポリマーを投入する。つぎに、ポリマーおよびコポリマーを約100℃乃至約230℃、より好ましくは約160℃乃至約200℃の温度で、約5分乃至約90分、より好ましくは約10分乃至約45分、均一に分散したポリマー配合物が得られるまで混合する。続いて、従来の器具及びプロセスを使用して、ポリマー配合物を混合手段から取り出し、室温まで冷やし、粉砕し、さらに一定時間、昇温して大気圧よりも低い圧力下で乾燥させることによって、処理が施される。ホモポリマーまたはコポリマーを配合する他の適当な方法は、一つまたは複数の適当な混合領域を持つツインスクリュー押出機にポリマーを通す工程を有する。
【0032】
上記の条件下で、グリコリド、ε−カプロラクトン、p−ジオキサノン、ラクチド及びトリメチレンカーボネートからなるポリマー及び配合物は、一般に重量平均分子量が約20,000グラム/モル乃至約300,000グラム/モル、通常は約40,000グラム/モル乃至約260,000グラム/モル、そして好ましくは約60,000グラム/モル乃至約225,000グラム/モルである。これらの分子量は、25℃でヘキサフルオロイソプロパノール(HFIP)の0.1グラム/デシリットル溶液で測定して、約0.5デシリットル/グラム乃至約4.0デシリットル/グラム、通常は約0.7デシリットル/グラム乃至約3.5デシリットル/グラム、そして最も好ましくは約1.0デシリットル/グラム乃至3.0デシリットル/グラムのインヘレント粘度(対数粘度数)を与える。また、注目すべきことは上記した条件下で、残留モノマー含有量は約5重量パーセント未満となることである。
【0033】
この発明の生体被吸収性締結具医療用デバイス等の製品は、乾燥窒素雰囲気チャンバーが備えられた様々な射出成形機及び押し出し成形機を用いて、約100℃乃至約230℃、より好ましくは約140℃乃至約200℃の温度範囲、かつ約1分乃至約20分、より好ましくは約2分乃至約10分の平均滞留時間で、この発明のポリマー及び配合物から成形される。好ましいデバイスは、整形外科用リベット締結具である。好ましいデバイスは、広がった位置(ピンが定位置にある場合に脚部が広がる位置)に配向した脚部12を持つリベットに成形されるべきである。広がった脚部12を持つリベットに成形することは、脚部12が広がった時に頭部4と脚部12との接続部分における応力を減少させるであろう。この接続部分における応力を減少させることは、埋め込み後のリベット及びピンからなる締結具の有効寿命を延ばすはずである。
【0034】
この発明のリベットに係わる別の実施形態例では、ポリマーおよび配合物を薬物送達マトリックスとして使用することができる。このマトリックスを形成するために、ポリマーを治療薬と混合することができよう。この発明のポリマーと一緒に使用することが可能な治療薬は多種多様であり、その数は膨大である。一般に、この発明の医薬組成物を介して投与可能と思われる治療薬としては、限定されるものではないが、抗生物質及び抗ウィルス物質等の抗感染剤、鎮痛剤及び鎮痛性配合薬、抗炎症剤、ステロイド等のホルモン、骨再生成長因子、及び天然タンパク質または遺伝子工学的に作られたタンパク質、多糖、糖タンパク、またはリポタンパクが挙げられる。マトリックス配合物は、1種類以上の治療薬をポリマーと混合することによって処方することができよう。治療薬は、液体、微粉固体、または他の適当な物理的形状のいずれかとして存在することができよう。一般に、マトリックスは、希釈剤、担体、賦形剤、安定剤等の1種類以上の添加剤を含むであろうが、必ずしも必要的ではない。
【0035】
治療薬の量は、使用している特定の薬物及び処置している医療条件に応じるであろう。一般に、薬物の量は、マトリックスの重量で約0.001%乃至約70%、通常は約0.001%乃至約50%、最も通常には約0.001%乃至約20%を示す。薬物送達マトリックスに取り込まれるポリマーの量及び種類は、薬物の放出または遊離に関するプロフィールや使用した薬物の量に応じて変化する。
【0036】
体液と接触すると、ある持続時間または長期に亘って分散薬物の放出を伴ってポリマーは徐々に分解(主に加水分解による)しはじめる。このことは、有効量(約0.0001mg/kg/時間乃至約10mg/kg/時間)の薬物を長期に亘って(約1時間乃至約5,000時間、好ましくは約2時間乃至約800時間に亘って)送達することを可能とする。この用法は、処置すべき被験者、病気の重さ、処方する医師の判断等により必要に応じて施すことができる。このような用法及び類似の方法に従って、当業者は様々な処方を調製することが可能であろう。
【0037】
この発明のリベットに係わる別の実施形態例では、処理の際に外科手術野でデバイスがより一層見やすくなるように、デバイスを構成するポリマーに生体適合性色素を添加することができよう。あるいは、ピン及びリベットにカラーコードを付けることで、ピンがリベットに挿入されたことを外科医に知らせる視覚的フィードバックを提供することができよう。リベット及びピンの組み合わせは、ピンがリベット内の所定の位置に挿入されていることを外科医に知らせるために、触覚及び(または)聴覚的フィードバックを取り込むものであってもよい。
【0038】
さらに、埋め込んだ後にリベット及びピンからなる締結具のイメージング(画像化)を可能とするために、放射線不透過性マーカーをリベットまたはピンに加えてもよい。
【0039】
以下の非限定的な実施例は、この発明の原理及び実施について説明するためのものである。当業者は、この発明の範囲及び意図から逸脱することなく容易に数多くのその他の実施形態例を想到することができよう。
【0040】
【実施例】
以下の実施例では、生体被吸収性ポリマーまたはポリマー配合物から製造され、かつ可撓性を有する脚部を持つ本体と脚部を広げるために該本体に挿入されるピンとを備える締結具システムを説明する。
【0041】
合成プロセスでは、この発明のデバイスの高分子量の脂肪族ポリエステルは、所望の分子量及び粘度が達成されるまで、不活性窒素雰囲気下、100℃乃至230℃の温度で2時間乃至24時間に亘り開環重合によってラクトンモノマーを反応させる工程を有する方法によって調製される。
【0042】
この発明のポリマー配合物は、合成脂肪族ホモ及びコポリエステルを別々に通常の混合容器に投入することによって調製される。ホモポリマー及びコポリマーは、均一に分散したポリマー配合物が得られるまで、100℃乃至230℃で5分乃至90分に亘り混合する。
【0043】
以下の実施例では、配合物、ポリマー及びモノマーは、化学組成及び純度(核磁気共鳴(NMR)、フーリエ変換赤外線スペクトル(FT−IR))、熱分析(示差走査熱分析(DSC))、溶融レオロジー(溶融安定性及び粘性)、分子量(インヘレント粘度)、さらに基準機械的特性(応力/ひずみ)に関して特徴づけられる。
【0044】
配合物及びポリマーのインヘレント粘度(Inherent Viscosities, IV、単位:デシリットル/グラム)は、0.1グラム/デシリットルの濃度で溶媒としてクロロホルムまたはHFIPを利用して、サーモスタットで25℃に温度制御された水槽に浸した50口径Cannon-Ubbelhode希釈粘度計を使用して測定した。
【0045】
以下、いくつかの実施例を具体的に説明する。これらの実施例で使用される部及びパーセントは重量またはモルとして規定されている部及びパーセントである。
【0046】
実施例1
85:15(モル/モル)ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)コポリマーの合成
【0047】
以下に記載され、この実施例で使用される方法は、米国特許第4,643,191号、同第4,653,497号、同第5,007,923号及び同第5,047,048号に記載された方法と類似しており、当業者に周知である。本明細書ではこれらの米国特許に記載された内容を本明細書の記載の一部として援用する。
【0048】
オーバーヘッドメカニカルスターラー及び窒素吸入口を備え、炎乾燥させた500mlの1首丸底フラスコに、268グラム(1.86モル)のL(−)ラクチド、38.4グラム(0.330モル)のグリコリド、0.53グラム(7×10-3モル)のグリコール酸開始剤、及び131マイクロリットルの0.33Mオクタン酸第一錫触媒溶液を添加する。
【0049】
つぎに、この混合物を185℃の高温オイル浴槽の中に置く。攪拌されたモノマーは直ちに溶融し始める。低粘性溶融液の粘度はすぐさま増加し、この高粘性溶融体の機械的攪拌を全反応所要時間である4時間に亘って続ける。
【0050】
85:15(モル/モル)ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)コポリマーを浴槽から回収し、窒素流下で室温まで冷やし、単離及び粉砕する。つぎに、未反応のモノマーを取り除くために、ポリマーを110℃、24時間に亘って真空乾燥する。溶媒としてHFIPを用いるインヘレント粘度は、1.90デシリットル/グラムである。
【0051】
実施例2
85:15(モル/モル)ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)コポリマーからなるリベット及びピンの射出成形
【0052】
図1に示すようなリベットまたはピンを形成するために、実施例1と同様に形成した1.5kgのコポリマーを18mm径バレルを備えた28トンEngel射出成形機の窒素パージホッパーに加える。ポリマーをバレルに入れると200℃,190℃及び185℃の3通りの加熱領域を用いてポリマーを溶融する。バレルに溶融材料を供給するために、ノズル温度を185℃、射出圧力を700psi(49.23kg/cm2 )、さらに速度を5.08cm/秒(2インチ/秒)とする。各射出は、シングルキャビティモールドで単一成型品を製造する。成型品における応力のレベルを最適化するために、モールドでは温度を45℃とする。このプロセスを用いることで、1分あたり2つの成型品が形成される。
【0053】
実施例3
動物モデルで使用される締結具またはヒトで使用される締結具の段階プロセス図6を参照しながら説明する。プレート60または他のデバイスが固定されるべき骨の位置に外科医が穴61を開けた後に、アプライヤー62の受け部68にリベット3及びピン5を装填する。つぎに、リベット3をプレート60の穴64に挿入し、アプライヤー62のプランジャー66に下方向の力を与えることによってリベット3の中にピン5を押し込む。外科医が穴開けして形成される穴61の寸法は、骨の種類及びリベット(ピンが定位置にある)の断面径に基づいて変更されるべきである。骨に形成される穴は、ピンが定位置にあるリベットの直径よりも小さいことが必要であろう。しかし、柔らかい性質の骨(実質的に海綿状の骨)に関しては、穴の直径をより小さくして、リベット及びピンからなる締結具と柔らかい骨との摩擦的係合を高めるようにしてもよい。硬い性質の骨(実質的に皮質状の骨)に関しては、穴の直径をリベット(ピンが定位置ある)の直径に近づけるべきであり、それによってリベット及びピンからなる締結具の適用を容易にする。
【0054】
好ましい実施態様は以下の通りである。
(1)前記締結具は、生体適合性脂肪族ポリエステルからなる請求項1に記載の生体被吸収性及び生体適合性を有するリベットとピンとからなる締結具。
(2)前記生体適合性脂肪族ポリエステルは、乳酸、ラクチド(L、D−、メソ及びD、L混合物が含まれる)、グリコール酸、グリコリド、ε−カプロラクトン、p−ジオキサノン(1,4−ジオキサン−2−オン)、トリメチレンカーボネート、1,3−ジオキサン−2−オン、p−ジオキサン、δ−バレロラクトン。β−ブチロラクトン、ε−デカラクトン、2,5−ジケトモルホリン、ピバロラクトン、α、α−ジエチルプロピオラクトン、エチレンカーボネート、エチレンオキサラート、3−メチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン、3,3−ジエチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン、γ−ブチロラクトン、1,4−ジオキセパン−2−オン、1,5−ジオキセパン−2−オン、6,6−ジメチル−ジオキセパン−2−オン、6,8−ジオキサビシクロクタン−7−オン及びそれらの組み合わせから選択されるモノマーから形成される実施態様(1)に記載の生体被吸収性及び生体適合性を有するリベットとピンとからなる締結具。(3)被吸収性ポリマーマトリックスは、ポリラクチド、ポリグリコリド、ポリ−1,4−ジオキサン−2−オン、ポリトリメチレンカーボネート及びポリ(ε−カプロラクトン)、それらのコポリマー及びそれらの配合物からなる群から選択される脂肪族ポリエステルを含む実施態様(1)に記載の生体被吸収性及び生体適合性を有するリベットとピンとからなる締結具。
(4)前記ピンは、結合した2以上の部材を有する請求項1に記載の生体被吸収性及び生体適合性を有するリベットとピンとからなる締結具。
(5)前記ピンは円周方向に沿うノッチを有し、また前記リベットは内面に円周方向に沿うリブを有し、さらに前記ノッチと前記リブとが嵌合し、前記リベットに前記ピンを係止する請求項1に記載の生体被吸収性及び生体適合性を有するリベットとピンとからなる締結具。
【0055】
(6)前記リベットの少なくとも1本の脚部は内周面側面を有し、1つ以上のリブが前記内周面または側面に設けられる請求項1に記載の生体被吸収性及び生体適合性を有するリベットとピンとからなる締結具。
(7)前記リベットと前記ピンは、着脱自在の連結部によって結合している請求項1に記載の生体被吸収性及び生体適合性を有するリベットとピンとからなる締結具。
(8)前記リベットは、抗感染剤、抗炎症剤、タンパク質、多糖及びそれらの組み合わせからなる群から選択される治療薬を治療上有効な量含む実施態様(1)に記載の生体被吸収性及び生体適合性を有するリベットとピンとからなる締結具。
(9)前記リベットは、鎮痛剤、ホルモン、骨再生成長因子、糖タンパク、リポタンパク及びそれらの組み合わせからなる群から選択される治療薬を治療上有効な量含む実施態様(1)に記載の生体被吸収性及び生体適合性を有するリベットとピンとからなる締結具。
(10)前記ピンは、抗感染剤、抗炎症剤、タンパク質、多糖及びそれらの組み合わせからなる群から選択される治療薬を治療上有効な量含む実施態様(1)に記載の生体被吸収性及び生体適合性を有するリベットとピンとからなる締結具。
(11)前記ピンは、鎮痛剤、ホルモン、骨再生成長因子、糖タンパク、リポタンパク及びそれらの組み合わせからなる群から選択される治療薬を治療上有効な量含む実施態様(1)に記載の生体被吸収性及び生体適合性を有するリベットとピンとからなる締結具。
【0056】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、外科手術的処置に用いられる生体適合性かつ生体被吸収性のリベットおよびピンからなる締結具を提供できるという効果がある。また、本発明のリベット及びピンから成る締結具はピンが挿入の際にかかる負荷の大きい条件下でもリベットの内側通路に適合するように半径方向に変形することができるので、堅さ、硬さ、厚さ等の骨の種々の材料特性のそれぞれについて幅広い範囲に渡って良好な締結具性能を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく生体適合性かつ生体被吸収性のリベットおよびピンからなる締結具の一実施形態例を示す斜視図である。
【図2】ヘッドの内側通路に挿入されたピンを持つリベットの斜視図である。
【図3】固定機構が存在する本発明に基づく別の実施形態例の斜視図である。
【図4】リベットが配置された際に、該リベットと周囲の組織との間の係合を保証するために、リベットの脚部にリブが設けられている本発明に基づく別の実施形態例の斜視図である。
【図5】本発明に適用されるピンの別の実施形態例を示す斜視図である。
【図6】本発明に基づくリベット及びピンからなる締結具に適用されるアプライヤーの斜視図である。
【符号の説明】
2 締結具
3 リベット
4 ヘッド部
5 ピン
6 近位端
8 遠位端
10 中心軸
12 脚部
14 内側通路
16 可撓性部材
18 接合部
24,26 先端縁部
28 内側通路の面
30 ノッチ
31 外周面(側面)
32,44 リブ
36 材料連結部
42 外周面(側面)
50 ロッド
52 遠位端
60 プレート
61,63 穴
62 アプライヤー
66 プランジャー
68 受け部

Claims (15)

  1. 生体被吸収性及び生体適合性を有するリベットとピンとからなる締結具であって、
    (1)近位端、遠位端及び中心軸を有する頭部と、該頭部の近位端から遠位端に延び、かつ前記頭部の中心軸に対して実質的に平行な内側通路と、前記頭部の遠位端に機械的に接続し、内面が前記頭部の中心軸に面し、前記頭部から概略遠位方向に延びる少なくとも2本の脚部とを持つ生体適合性のリベットと、
    (2)前記リベットの脚部よりもコンプライアンスが低く半径方向に圧縮可能であり、かつ前記リベットの内側通路への挿入に適するピンとを備え、
    さらに、前記リベットの近位端から遠位端に向けて前記ピンが送られることで、前記リベットの脚部の内面に前記ピンが接触し、前記リベットの中心軸に対して実質的に垂直方向に力が与えられる締結具。
  2. 生体被吸収性及び生体適合性を有するリベットとピンとからなる締結具であって、
    (1)近位端、遠位端及び中心軸を有する頭部と、該頭部の近位端から遠位端に延び、かつ前記頭部の中心軸に対して実質的に平行な内側通路と、前記頭部の遠位端に機械的に接続し、内面が前記頭部の中心軸に面し、前記頭部から概略遠位方向に延びる少なくとも2本の脚部とを持つ生体適合性のリベットと、
    (2)前記リベットの脚部よりも柔さが少なく半径方向に圧縮可能であり、かつ前記リベットの内側通路への挿入に適するピンとを備え、
    さらに、前記リベットの近位端から遠位端に向けて前記ピンが送られることで、前記リベットの脚部の内面に前記ピンが接触し、前記リベットの中心軸に対して実質的に垂直方向に力が与えられ、
    さらに、前記リベットは、前記脚部と一緒に成形される締結具。
  3. 生体被吸収性及び生体適合性を有するリベットとピンとからなる、請求項1または2に記載の締結具であって、
    前記脚部に対して損傷を与える力よりも低い閾値の力で、前記ピンの少なくとも一部分が半径方向に圧縮する締結具。
  4. 生体被吸収性及び生体適合性を有するリベットとピンとからなる、請求項1または2に記載の締結具であって、
    前記脚部の厚さは、前記頭部との接続部分から遠ざかるにつれて大きくなる締結具。
  5. 生体被吸収性及び生体適合性を有するリベットとピンとからなる、請求項1または2に記載の締結具であって、
    前記リベットおよび前記ピンは、連結部により接続されている。
  6. 生体被吸収性及び生体適合性を有するリベットとピンとからなる、請求項5に記載の締結具であって、
    前記連結部は、前記ピンの移動に応じて、破断される締結具。
  7. 生体被吸収性及び生体適合性を有するリベットとピンとからなる、請求項1または2に記載の締結具であって、
    前記締結具は、生体適合性脂肪族ポリエステルからなる締結具。
  8. 生体被吸収性及び生体適合性を有するリベットとピンとからなる、請求項7に記載の締結具であって、
    前記生体適合性脂肪族ポリエステルは、乳酸、ラクチド(L、D−、メソ及びD、L混合物が含まれる)、グリコール酸、グリコリド、ε−カプロラクトン、p−ジオキサノン(1,4−ジオキサン−2−オン)、トリメチレンカーボネート、1,3−ジオキサン−2−オン、p−ジオキサン、δ−バレロラクトン。β−ブチロラクトン、ε−デカラクトン、2,5−ジケトモルホリン、ピバロラクトン、α、α−ジエチルプロピオラクトン、エチレンカーボネート、エチレンオキサラート、3−メチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン、3,3−ジエチル−1,4−ジオキサン−2,5−ジオン、γ−ブチロラクトン、1,4−ジオキセパン−2−オン、1,5−ジオキセパン−2−オン、6,6−ジ メチル−ジオキセパン−2−オン、6,8−ジオキサビシクロクタン−7−オン及びそれらの組み合わせから選択されるモノマーから形成される。
  9. 生体被吸収性及び生体適合性を有するリベットとピンとからなる、請求項1または2に記載の締結具であって、
    前記ピンは、結合した2以上の部材を有する締結具。
  10. 生体被吸収性及び生体適合性を有するリベットとピンとからなる、請求項1または2に記載の締結具であって、
    前記ピンは円周方向に沿うノッチを有し、また前記リベットは内面に円周方向に沿うリブを有し、さらに前記ノッチと前記リブとが嵌合し、前記リベットに前記ピンを係止する締結具。
  11. 生体被吸収性及び生体適合性を有するリベットとピンとからなる、請求項1または2に記載の締結具であって、
    前記リベットの少なくとも1本の脚部は内周面側面を有し、1つ以上のリブが前記内周面または側面に設けられる締結具。
  12. 生体被吸収性及び生体適合性を有するリベットとピンとからなる、請求項1または2に記載の締結具であって、
    前記リベットは、抗感染剤、抗炎症剤、タンパク質、多糖及びそれらの組み合わせからなる群から選択される治療薬を治療上有効な量含む締結具。
  13. 生体被吸収性及び生体適合性を有するリベットとピンとからなる、請求項1または2に記載の締結具であって、
    前記リベットは、鎮痛剤、ホルモン、骨再生成長因子、糖タンパク、リポタンパク及びそれらの組み合わせからなる群から選択される治療薬を治療上有効な量含む締結具。
  14. 生体被吸収性及び生体適合性を有するリベットとピンとからなる、請求項1または2に記載の締結具であって、
    前記ピンは、抗感染剤、抗炎症剤、タンパク質、多糖及びそれらの組み合わせからなる群から選択される治療薬を治療上有効な量含む締結具。
  15. 生体被吸収性及び生体適合性を有するリベットとピンとからなる、請求項1または2に記載の締結具であって、
    前記ピンは、鎮痛剤、ホルモン、骨再生成長因子、糖タンパク、リポタンパク及びそれらの組み合わせからなる群から選択される治療薬を治療上有効な量含む締結具。
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