JP4155934B2 - 塗工用ロッド - Google Patents

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Description

本発明は塗工用ロッドに係り、特に、中間位置を境として右ねじれ溝および左ねじれ溝が設けられ、塗工剤を両端側へ流動させながら塗布する塗工用ロッドの改良に関するものである。
円柱形状のロッド素材の外周面に螺旋状の塗工用溝が設けられ、被塗工部材の表面近傍に略平行に配設されて軸心まわりに回転させられるとともに、その被塗工部材の表面に沿って相対移動させられることにより、所定の塗工剤を前記塗工用溝により順次供給して被塗工部材の表面に塗布する塗工用ロッドが知られている。
図4は、上記塗工用ロッドの使用態様の一例を説明する図で、塗工用ロッド100により合成樹脂製のフィルムやシート、或いは紙などの被塗工部材102の表面に所定の塗工剤104を塗布する場合であり、略水平に配設された送りローラ106の上方に略平行に塗工用ロッド100が配設され、長手形状の被塗工部材102が送りローラ106によって図の右方向へ走行させられるとともに、その送り速度に応じて定められた一定の回転速度で塗工用ロッド100が矢印で示すように送り方向へ回転させられることにより、被塗工部材102の上面に供給された塗工剤104を定量送りして被塗工部材102の表面に塗布し、所定厚さの塗膜108を形成する。塗工用ロッド100は、図5に示すように外周部にねじ山114を備えており、そのねじ山114の間の塗工用溝(ねじ溝)116内に保持される塗工剤104の量によって供給量が規定され、前記塗膜108の厚さが定められる。塗工用溝116は、図5では1条のねじ溝であるが、リードがピッチの整数倍の2条以上の複数条のねじ溝であっても良い。
ところで、このような塗工装置において、塗工剤104の中に異物が混入し、図4において塗工用ロッド100よりも左側の液溜まりに滞留していると、図6に示すように塗工用ロッド100の回転により矢印Aで示すように塗工用溝116に沿って軸方向へ送られるとともに、その異物の存在で塗膜108に斜めにすじ状の疵118が生じることがある。その場合に、塗工用溝116が塗工用ロッド100の全長に亘って同じねじれ方向で設けられていると、異物の混入位置によっては塗工用ロッド100の一端から他端まで移動させられ、被塗工部材102の長手方向の広範囲に亘って疵118が付いて歩留りが低下する。
これに対し、図7に示す塗工用ロッド120のように、中間位置(例えば中央)を境として左右反対に同じねじれ角でねじれた同じピッチの右ねじれ溝122および左ねじれ溝124を、前記塗工用溝として設けることが、例えば特許文献1、2などに記載されている。このような塗工用ロッド120によれば、図7の右側から見て右まわりに回転駆動されることにより、塗工用ロッド120の手前(図の上方)に滞留している塗工剤104は、右ねじれ溝122が設けられた右半分では矢印Aで示すように右方向へ流動させられ、左ねじれ溝124が設けられた左半分では矢印Bで示すように左方向へ流動させられる。このため、塗工剤104に異物が混入した場合でも、近い側の端部へ向かって流動させられ、疵118が付く範囲が短くなって歩留りが向上する。異物だけでなく、塗工剤104内に存在する比較的大きな所定の粒子を排除する場合にも好適に用いられる。また、塗工剤104の流動に起因する軸方向のスラスト力が相殺される一方、被塗工部材102には幅方向の両側へ引っ張る張力が発生するため、被塗工部材102として薄膜のフィルムやシートを用いる場合でも皺の発生が抑制されるなど、種々の利点が得られる。
特許第2850155号公報 特開平11−151459号公報
ところで、長尺の塗工用ロッドを製造する場合、上記右ねじれ溝や左ねじれ溝は、それぞれ通し転造によりロッド素材の端部から中央に向かって転造加工することが望まれるが、その先端には転造工具の食付き部に対応する不完全転造部が存在するため、その不完全転造部に起因して塗工品質が損なわれることがあった。前記塗工用ロッド120について具体的に説明すると、図8に示すように右ねじれ溝122および左ねじれ溝124の先端が位置する中央部分には、転造工具の食付き部に対応して径寸法が小さくなる不完全転造部126が存在し、その小径の不完全転造部126から塗工剤104が大量に供給されて塗膜108の中央部分の膜厚が厚くなってしまうのである。
本発明は以上の事情を背景として為されたもので、その目的とするところは、右ねじれ溝および左ねじれ溝を塗工用溝として備えている塗工用ロッドにおいて、各ねじれ溝の先端の不完全転造部の存在に拘らず良好な塗工品質が得られるようにすることにある。
かかる目的を達成するために、第1発明は、塗工用溝として、ロッド素材の中間位置を境として左右反対に同じねじれ角でねじれた同じピッチの右ねじれ溝および左ねじれ溝が設けられている塗工用ロッドにおいて、前記右ねじれ溝および左ねじれ溝は、それぞれ前記ロッド素材の端部から中央に向かって通し転造により形成されているとともに、その通し転造が前記中間位置を越えて行われることにより、その中間位置には右ねじれ溝と左ねじれ溝とが交差して設けられた交差部が存在することを特徴とする。
第2発明は、円柱形状のロッド素材の外周面に螺旋状の塗工用溝が設けられ、被塗工部材の表面近傍に略平行に配設されて軸心まわりに回転させられるとともに、その被塗工部材の表面に沿って相対移動させられることにより、所定の塗工剤を前記塗工用溝により順次供給してその被塗工部材の表面に塗布する塗工用ロッドにおいて、(a) その塗工用ロッドが軸心まわりに回転駆動されることにより前記塗工剤が両端側へ流動させられるように、前記塗工用溝は、前記ロッド素材の中間位置を境として左右反対に同じねじれ角でねじれた同じピッチの右ねじれ溝および左ねじれ溝を有する一方、(b) それらの右ねじれ溝および左ねじれ溝は、それぞれ前記ロッド素材の端部から中央に向かって通し転造により形成されているとともに、その通し転造が前記中間位置を越えて行われることにより、その中間位置には右ねじれ溝と左ねじれ溝とが交差して設けられた交差部が存在することを特徴とする。
第3発明は、第1発明または第2発明の塗工用ロッドにおいて、前記右ねじれ溝および前記左ねじれ溝の先端には、それぞれ転造工具の食付き部に対応して径寸法が小さくなる不完全転造部が存在するが、前記交差部は、その不完全転造部に続く径寸法が一定の完全転造部同士が交差している完全交差部を有することを特徴とする。
第4発明は、第3発明の塗工用ロッドにおいて、前記完全交差部における前記右ねじれ溝および前記左ねじれ溝の各溝数は10〜30の範囲内であることを特徴とする。
第5発明は、第3発明の塗工用ロッドにおいて、前記完全交差部の軸方向寸法は2〜6mmの範囲内であることを特徴とする。
第1発明、第2発明の塗工用ロッドにおいては、右ねじれ溝および左ねじれ溝を転造加工する通し転造が中間位置を越えて行われ、その中間位置に右ねじれ溝と左ねじれ溝とが交差して設けられた交差部が存在するため、径寸法が小さい不完全転造部のみの領域が小さくなるか或いは解消し、その小径の不完全転造部に起因する塗工剤の供給過多が抑制されて塗工品質が向上する。
第3発明では、不完全転造部に続く完全転造部同士が交差している完全交差部を有するため、不完全転造部のみの範囲が無くなるとともに径寸法が全長に亘って略一定になり、塗工品質が一層向上する。完全転造部同士の完全交差部や完全転造部と不完全転造部との不完全交差部における溝そのものの容積は、交差部以外の単一の完全転造部が設けられた部分と同じであるため、塗工剤の供給量も同じで、均一な膜厚の塗膜を形成することができる。
上記完全交差部では、塗工用ロッドの軸方向への塗工剤の流動が阻害され、排除すべき異物や所定の粒子が滞留する可能性があるため、完全交差部の範囲はできるだけ小さいことが望ましい一方、完全交差部の範囲が小さくなると、通し転造の加工誤差などで不完全転造部のみの領域を生じる可能性がある。この点で、完全交差部の溝数が10〜30の第4発明や、完全交差部の軸方向寸法が2〜6mmの第5発明では、完全交差部をできるだけ小さくして異物等の滞留を抑制しつつ、通し転造の加工誤差等に起因して不完全転造部のみの領域が生じることを回避し、その不完全転造部に起因する塗工剤の供給過多を防止して塗工品質を向上させることができる。
本発明の塗工用ロッドは、合成樹脂製のフィルムやシート、紙などの被塗工部材の表面に所定の塗工剤を薄く塗布する場合に好適に用いられる。塗工剤としては、例えば所定の流動性、粘性を有する液状物質が好適に用いられるが、粉状物などを塗工剤として塗布することもできる。
螺旋状の塗工用溝は、1条のねじ溝でもリードがピッチの整数倍である2条以上の複数条のねじ溝でも良い。通し転造を行う転造工具は、例えば外周面にリードの無い多数の成形凸部が設けられた転造ローラが好適に用いられ、その転造ローラを所定角度傾斜させて軸心まわりに回転させつつ転造加工を行うことにより、ロッド素材を軸方向へ送りつつ外周面に塗工用溝を形成する通し転造を行うことができる。
右ねじれ溝と左ねじれ溝とが交差して設けられた交差部は、第3発明のように完全転造部同士が交差している完全交差部を有することが望ましいが、第1発明、第2発明の実施に際しては、不完全転造部同士が交差しているだけで、完全転造部よりも径寸法が小さい領域が存在しても差し支えない。その場合でも、不完全転造部同士が交差している分だけ、小径の不完全転造部のみの領域が短くなるため、塗工剤の供給量のばらつきが抑制される。
第4発明では完全交差部の溝数が10〜30の範囲内とされ、第5発明では完全交差部の軸方向寸法が2〜6mmの範囲内とされているが、これ等は製造する際の目標値とすることが望ましい範囲で、実際の塗工用ロッドの完全交差部は、これ等の範囲を外れていても良い。すなわち、第3発明の塗工用ロッドは、少なくとも完全交差部を備えておれば良く、その完全交差部における溝数は1や2など10より少なくても良いし、軸方向寸法は2mmより短くても差し支えない。
右ねじれ溝や左ねじれ溝の塗工用溝の溝深さDやピッチPは、塗工の目的や種類、塗工剤の種類などに応じて適宜設定されるが、例えば溝深さD≒0.021mm、ピッチP≒0.2mmとされる。前記完全交差部の溝数が10〜30の範囲と、軸方向寸法が2〜6mmの範囲は、ピッチP=0.2mmの時には互いに同じ範囲になる。
上記交差部が設けられる中間位置は、塗工用ロッドの軸方向の中央が望ましいが、中央からずれた位置に設定することも可能である。
ロッド素材としては、SUS304等のステンレス鋼が好適に用いられるが、他の金属材料を使用することも可能で、必要に応じてTiN、TiCN、TiAlN、CrN等の硬質被膜をコーティングしたり、表面硬化処理を施したりすることもできる。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例である塗工用ロッド10を示す図で、(a) は軸心と直角な方向から見た概略正面図、(b) は中央の交差部12を拡大して示した正面図である。この塗工用ロッド10は、例えば全長が5mで、直径が12.7mmであり、前記図7の塗工用ロッド120と同様に、中央から右半分には右ねじれ溝14が設けられ、左半分には左ねじれ溝16が設けられており、軸心まわりに回転駆動されることにより、塗工用ロッド10の手前に滞留している塗工剤104を中央から左右の端部へ向かって流動させるようになっている。右ねじれ溝14および左ねじれ溝16は、ねじれ方向が左右反対であるだけで、ねじれ角やピッチP、溝深さD、断面形状等の諸元は互いに等しく、溝深さD≒0.021mmで、ピッチP≒0.2mmである。これ等の右ねじれ溝14および左ねじれ溝16は、何れも塗工用溝として機能するもので、本実施例ではリードがピッチPの整数倍の多条のねじ溝とされている。なお、図1は説明のための概略図で、各部の寸法や傾斜角度、間隔、各部の寸法割合などは正確ではない。他の図についても同様である。
塗工用ロッド10は、図2に示すようにSUS304ステンレス鋼等の棒状のロッド素材24に、転造加工装置40を用いて通し転造により右ねじれ溝14および左ねじれ溝16をそれぞれ転造加工したもので、表面には必要に応じて硬質被膜を設けたり表面硬化処理が施される。転造加工装置40は、一対の転造ローラ42、44で円柱形状のロッド素材24を両側から挟圧して転造加工を行うもので、ロッド素材24は支持部材48によって支持されるようになっている。図2の(a) は、ロッド素材24の軸心方向から見た正面図で、(b) および(c) はそれぞれ(a) の右側面図であり、(b) は右ねじれ溝14を転造加工する状態で、(c) は左ねじれ溝16を転造加工する状態である。一対の転造ローラ42、44は転造工具に相当する。
図3は、一方の転造ローラ42を単独で示す図で、その外周面には、ねじれ溝14、16に対応する断面形状の成形凸部50が、それ等のねじれ溝14、16と同じピッチである0.2mm間隔で軸方向に離間して複数平行、すなわちリードが0の状態で設けられており、軸方向の両端部にはそれぞれ径寸法が漸減する食付き部52、逃げ部54が設けられ、それ等の間に径寸法が一定の仕上げ部56が設けられている。この転造ローラ42は、直径が約110mmで、食付き部52の軸方向寸法は6.20mm、仕上げ部56の軸方向寸法は5.6mm、逃げ部54の軸方向寸法は2.8mmであり、それ等の食付き部52、仕上げ部56、逃げ部54には、成形凸部50がそれぞれ30山、27山、13山設けられている。なお、他方の転造ローラ42も、上記転造ローラ42と同一形状を成しているが、成形凸部50が無い円筒面のものを用いて、転造ローラ42との間で転造加工を行うこともできる。
そして、右ねじれ溝14を転造加工する際には、図2の(b) に示すように、一方(手前側)の転造ローラ42については、食付き部52が右側に位置するとともに、成形凸部50がロッド素材24の軸心に対して直角な方向から右ねじれ溝14のリード角と同じ角度θだけ左方向へ傾斜する姿勢で配設する一方、反対側の転造ローラ44については、食付き部52が右側に位置するとともに、転造ローラ42と反対方向へ傾斜させた姿勢で配設し、その状態で両転造ローラ42、44を図2(a) に矢印で示すように回転駆動する。これにより、ロッド素材24の外周面には傾斜角度θと同じリード角で右ねじれ溝14が転造加工されるとともに、そのロッド素材24は軸心まわりに回転しつつ図2(b) の右側から左方向へ送られ、連続して転造加工が行われる。ロッド素材24は、一端部から一対の転造ローラ42、44の間に送り込まれて転造加工が行われ、中央部分まで右ねじれ溝14が転造加工された状態で終了する。
また、左ねじれ溝16を転造加工する際には、図2の(c) に示すように、一方(手前側)の転造ローラ42については、食付き部52が左側に位置するとともに、成形凸部50がロッド素材24の軸心に対して直角な方向から左ねじれ溝16のリード角と同じ角度θだけ右方向へ傾斜する姿勢で配設する一方、反対側の転造ローラ44については、食付き部52が左側に位置するとともに、転造ローラ42と反対方向へ傾斜させた姿勢で配設し、その状態で両転造ローラ42、44を図2(a) に矢印で示すように回転駆動する。これにより、ロッド素材24の外周面には傾斜角度θと同じリード角で左ねじれ溝16が転造加工されるとともに、そのロッド素材24は軸心まわりに回転しつつ図2(c) の左側から右方向へ送られ、連続して転造加工が行われる。ロッド素材24は、前記右ねじれ溝14が形成された一端部側と反対の他端部から一対の転造ローラ42、44の間に送り込まれて転造加工が行われ、中央部分まで左ねじれ溝16が転造加工された状態で終了する。
ここで、上記のように通し転造により右ねじれ溝14、左ねじれ溝16が形成されると、それ等の右ねじれ溝14、左ねじれ溝16の先端には前記食付き部52の径寸法変化に対応して径寸法が変化している不完全転造部14a、16aが存在するが、本実施例では、ねじれ溝14および16の通し転造がそれぞれ中央位置を越えて行われることにより、図1(b) に示すように、それ等の右ねじれ溝14と左ねじれ溝16とが交差する交差部12が設けられている。交差部12は、不完全転造部14a、16aに続く径寸法が一定の完全転造部14b、16b同士が交差している完全交差部18を備えており、その両側にはそれぞれ不完全転造部14a、16aと完全転造部16b、14aとが交差している不完全交差部20、22が存在する。本実施例では、完全交差部18の軸方向寸法が約3.6mmとなるように前記通し転造が行われ、完全交差部18における右ねじれ溝14、左ねじれ溝16の各溝数は約18である。また、不完全交差部20、22の軸方向寸法は、前記食付き部52と同じ6.2mmで、その不完全交差部20、22における右ねじれ溝14、左ねじれ溝16の各溝数はそれぞれ30である。
そして、以上のように構成された塗工用ロッド10は、例えば前記図4において塗工用ロッド100の代わりに用いられ、被塗工部材102の表面近傍に略平行に配設されて軸心まわりに回転させられるとともに、被塗工部材102の表面に沿って相対移動させられることにより、所定の塗工剤104を前記右ねじれ溝14および左ねじれ溝16により順次供給して被塗工部材102の表面に所定の厚さで略均一に塗布する。その場合に、塗工用ロッド10の手前(図4における左側)に溜まっている塗工剤104は、上記右ねじれ溝14および左ねじれ溝16により、塗工用ロッド10の中央を境として左右方向へ分離して流動させられるため、塗工剤104に異物が混入した場合でも、近い側の端部へ向かって流動させられ、前記疵118が付く範囲が短くなって歩留りが向上する。異物だけでなく、塗工剤104内に存在する比較的大きな所定の粒子を排除する場合にも好適に用いられる。また、塗工剤104の流動に起因する軸方向のスラスト力が相殺される一方、被塗工部材102には幅方向の両側へ引っ張る張力が発生するため、被塗工部材102として薄膜のフィルムやシートを用いる場合でも皺の発生が抑制されるなど、種々の利点が得られる。
一方、本実施例の塗工用ロッド10は、右ねじれ溝14および左ねじれ溝16を転造加工する通し転造が軸方向の中央位置を越えて行われ、その中央部分に右ねじれ溝14と左ねじれ溝16とが交差している交差部12が設けられているため、前記図8に示すように径寸法が小さい不完全転造部126に起因する塗工剤104の供給過多が抑制されて塗工品質が向上する。特に、本実施例では不完全転造部14a、16aに続く完全転造部14b、16b同士が交差している完全交差部18を有するため、不完全転造部14aまたは16aのみの範囲が無くなるとともに径寸法が全長に亘って略一定になり、塗工品質が一層向上する。すなわち、完全転造部14b、16b同士の完全交差部18や完全転造部16b、14bと不完全転造部14a、16aとが交差する不完全交差部20、22における溝そのものの容積は、交差部12以外の単一の完全転造部14b、16bが設けられた部分と同じであるため、塗工剤104の供給量も同じで、均一な膜厚の塗膜108を形成することができるのである。
また、上記完全交差部18では、塗工用ロッド10の軸方向への塗工剤104の流動が阻害され、排除すべき異物や所定の粒子が滞留する可能性があるが、本実施例では完全交差部18の軸方向寸法が約3.6mmで溝数が約18であるため、完全交差部18をできるだけ小さくして異物等の滞留を抑制しつつ、通し転造の加工誤差等に起因して不完全転造部14aまたは16aのみの領域が生じることを回避し、その不完全転造部14a、16aに起因する塗工剤104の供給過多を防止して塗工品質を向上させることができる。
不完全交差部20、22においても、塗工用ロッド10の軸方向への塗工剤104の流動が阻害されるが、右ねじれ溝14の完全転造部14bが存在する不完全交差部22では、その右ねじれ溝14による送り作用が強いため、塗工剤104は図1における右方向へ流動させられる一方、左ねじれ溝16の完全転造部16bが存在する不完全交差部20では、その左ねじれ溝16による送り作用が強いため、塗工剤104は図1における左方向へ流動させられ、異物等が排除される。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、これはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実施することができる。
本発明の一実施例である塗工用ロッドを示す図で、(a) は概略正面図、(b) は交差部を拡大して示す正面図である。 図1の塗工用ロッドの右ねじれ溝および左ねじれ溝を加工するための転造加工装置を説明する概略図で、(a) は正面図、(b) および(c) はそれぞれ(a) の右側面図である。 図2の転造加工装置の転造ローラを単独で示す正面図である。 塗工用ロッドを用いて塗工剤を塗布する装置の一例を説明する概略図である。 図4の塗工用ロッドの一部を拡大して示す正面図である。 塗工剤に混入した異物によって塗膜に斜めの疵が付く場合を説明する平面図である。 塗工用溝として右ねじれ溝および左ねじれ溝が設けられている従来の塗工用ロッドの一例を示す正面図である。 図7の塗工用ロッドの右ねじれ溝と左ねじれ溝との境界部分を拡大して示す正面図である。
符号の説明
10:塗工用ロッド 12:交差部 14:右ねじれ溝 14a:不完全転造部 14b:完全転造部 16:左ねじれ溝 16a:不完全転造部 16b:完全転造部 18:完全交差部 24:ロッド素材 42、44:転造ローラ(転造工具)

Claims (5)

  1. 塗工用溝として、ロッド素材の中間位置を境として左右反対に同じねじれ角でねじれた同じピッチの右ねじれ溝および左ねじれ溝が設けられている塗工用ロッドにおいて、
    前記右ねじれ溝および左ねじれ溝は、それぞれ前記ロッド素材の端部から中央に向かって通し転造により形成されているとともに、該通し転造が前記中間位置を越えて行われることにより、該中間位置には該右ねじれ溝と該左ねじれ溝とが交差して設けられた交差部が存在する
    ことを特徴とする塗工用ロッド。
  2. 円柱形状のロッド素材の外周面に螺旋状の塗工用溝が設けられ、被塗工部材の表面近傍に略平行に配設されて軸心まわりに回転させられるとともに、該被塗工部材の表面に沿って相対移動させられることにより、所定の塗工剤を前記塗工用溝により順次供給して該被塗工部材の表面に塗布する塗工用ロッドにおいて、
    該塗工用ロッドが軸心まわりに回転駆動されることにより前記塗工剤が両端側へ流動させられるように、前記塗工用溝は、前記ロッド素材の中間位置を境として左右反対に同じねじれ角でねじれた同じピッチの右ねじれ溝および左ねじれ溝を有する一方、
    該右ねじれ溝および左ねじれ溝は、それぞれ前記ロッド素材の端部から中央に向かって通し転造により形成されているとともに、該通し転造が前記中間位置を越えて行われることにより、該中間位置には該右ねじれ溝と該左ねじれ溝とが交差して設けられた交差部が存在する
    ことを特徴とする塗工用ロッド。
  3. 前記右ねじれ溝および前記左ねじれ溝の先端には、それぞれ転造工具の食付き部に対応して径寸法が小さくなる不完全転造部が存在するが、前記交差部は、該不完全転造部に続く径寸法が一定の完全転造部同士が交差している完全交差部を有する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の塗工用ロッド。
  4. 前記完全交差部における前記右ねじれ溝および前記左ねじれ溝の各溝数は10〜30の範囲内である
    ことを特徴とする請求項3に記載の塗工用ロッド。
  5. 前記完全交差部の軸方向寸法は2〜6mmの範囲内である
    ことを特徴とする請求項3に記載の塗工用ロッド。
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