JP4155691B2 - ３次元インタラクティブゲームシステムおよびそれを用いた広告システム - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、インターネットやデジタルテレビなどデジタル画像を送受信できるメディアを介して、利用者が利用するデジタル画像送受信装置上にダウンロードしたデータに含めた複数の３次元ポリゴンデータが割り付けられた３次元キャラクタを用いてインタラクティブに操作させてゲームを実行させる３次元インタラクティブゲームシステムに関する。特に、３次元キャラクタに広告対象物の３次元ポリゴンデータが割り付けた３次元広告用キャラクタを用いて広告する広告システムに適用することができるものに関する。
【０００２】
【従来の技術】
インターネットやデジタルテレビなどデジタルデータを送受信するネットワークシステムの普及、マルチメディア処理技術の進展に伴い、ワールドワイドウェブシステムのように、利用者がネットワークからデジタルデータを取り込んで表示装置上に表示するコンピュータ利用技術が盛んに開発されている。インターネットの利用者数が増えるに従い、当該ネットワークメディアの持つ訴求力に注目して広告媒体としての利用が始まっている。
【０００３】
図１３は、従来技術における、インターネットで利用されるサーチエンジンの画面上に広告を表示する概念を説明する図である。インターネットを利用する際、多くの利用者が最初に接続する入り口（ポータル）として良く利用されているものである。５００が本来のサーチエンジンとしての利用画面である。５１０がキーワード入力欄であり、利用者は接続したいサイトなどを見つけるためのキーワードや自分の興味のある内容に関するキーワードを入力する。５２０が広告部分である。この例では表示画面上部に設けられているが、表示画面下部に設けられる場合もある。これら広告は利用者が利用しようとするサーチエンジン本来の利用目的とは異なるため概して小さなボタン形状の小エリアに広告文字が表示されるものとなっている。このような表示画面上の一部に表示される広告はバナー広告と呼ばれている。
【０００４】
従来技術におけるバナー広告は、主にボタン形状の小エリアに広告文字が表示されるものであり、表示時間も１０秒など所定時間表示され、その後次の広告文字に更新されるものが多い。また、従来技術では、静止テキストのほか、注意を惹くため、文字の回転や移動などの簡単な動画処理、グラデーションやフラッシングなどの表示効果付けが試行されている。さらに、バナー広告は単に人目の注目を惹いて文字による広告に止まらず、当該表示小エリアがボタンとなっており、当該ボタンが広告主体のホームページにリンクされており、利用者が広告を見て興味を持った場合などにこのボタンをマウスなどのポインティングデバイスによって押下することにより広告主体の持つホームページに接続される仕組となっている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術のバナー広告は、インターネットのサーチエンジン画面など、多くの利用者が眺める画面であることに注目して設けたものであるが、実は広告主体自体を宣伝する広告としての機能よりも、広告主体のホームページにリンクするボタンを利用者に対して提示するというホームページへの接続機能が主であると言える。それゆえバナー広告はアイキャッチャーとして目立つものの、ホームページのリンク先を知らせる文字のみが表示されているだけであった。
【０００６】
第１の問題は、従来のバナー広告では、広告しようとする商品の優位点や機能など訴求したい内容の広告ができなかった問題点がある。バナー広告はホームページのリンク先を知らせる文字のみが表示されているだけであり、広告主体はバナー広告を用いるだけでは広告対象商品などの広告を直接利用者に提供できるものではない。利用者がバナー広告のアイコンをクリックしてホームページに接続しない限り、商品自体の広告は行なえない。
【０００７】
第２の問題は、従来のバナー広告では、利用者が広告対象商品などに興味を示してもバナー広告のアイコンをクリックしてホームページに接続しなければ、広告対象商品に関する情報を閲覧することができなかった。また、サーチエンジンを用いて別の接続サイトを見つけようとする利用者にとり、わき道に逸れてバナー広告主体のホームページに接続することは、その間ネットワークに接続しているので余分な時間と費用を必要とするものであり、利用者がバナー広告主体のホームページに接続する頻度は余り高くならないことが予想される。
【０００８】
第３の問題は、従来のバナー広告では、ホームページのリンク先を知らせる２次元的な文字のみが表示されているだけであり、広告対象物そのものを３次元でディスプレイできるものではなく、それ自体の広告情報量は極めて小さいものであるという問題である。テレビジョンによる広告やパンフレットによる宣伝によれば、広告対象商品の属性の優位点などを積極的に訴求することが可能であるが、従来のバナー広告では接続サイトを表示するもので商品自体の広告ができない。また、実際の店舗などの店頭での商品陳列の場合であれば、実物を手にとって商品、商品の機能・性能などの属性を確かめることができる。以上を勘案すれば、広告対象商品を３次元で表示し、仮想現実に近いインタラクティブ操作が可能なものが理想的であると言える。
【０００９】
本発明の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムは、広告対象商品を３次元で表示し、仮想現実に近いインタラクティブ操作を可能とし、広告対象物の広告情報量が多い３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムを提供することを目的とする。広告対象物を３次元仮想空間内でインタラクティブに体感でき、広告対象物を体感することに対するインセンティブを与えることができ、利用者の性向に応じて動的に広告提供方法を調整することができるものとする。
【００１０】
また、本発明の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムは、利用者のデジタル画像送受信装置の主目的である利用を阻害せず、かつ、利用者が自然に広告対象物を認知し、広告対象物を見聞きすることとなる３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムを提供することを目的とする。
【００１１】
また、本発明の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムは、従来のバナー広告を介したホームページ接続とは異なり、ネットワークへの接続を継続する必要のない広告提供手段となる３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムを提供することを目的とする。
【００１２】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の３次元インタラクティブゲームシステムは、インタラクティブゲームのキャラクタとして表示されるオブジェクトを代替するようあらかじめ設定された属性を持つ複数の３次元ポリゴンデータが割り付けられた３次元キャラクタを備え、利用者インタフェースを介してオブジェクト毎に選択された１つのキャラクタを前記オブジェクトとして用いてインタラクティブに操作させてゲームを実行させることを特徴とする。
【００１３】
上記構成により、インタラクティブゲームキャラクタとして表示されるオブジェクトを代替するようあらかじめ設定された属性を持つ複数の３次元ポリゴンデータが割り付けられた３次元キャラクタを３次元で表示し、仮想現実に近いインタラクティブ操作を可能とし、ゲーム操作を通じて当該属性を持つ３次元キャラクタを３次元仮想空間内でインタラクティブに体感できる。オブジェクトはインタラクティブゲームに登場するキャラクタを表現するものと捉えることができ、具体的な３次元ポリゴンデータやキャラクタの属性を割り付けることで具体的な外観、属性を持つゲームのキャラクタとすることができる。
【００１４】
上記目的を達成するために、本発明の第１の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムは、インタラクティブゲームのキャラクタであって、設定された属性を持ち、広告対象物の３次元ポリゴンデータが割り付けられた３次元広告用キャラクタを、舞台セットとなる３次元仮想空間内にゲームのキャラクタとして設定する手段と、利用者インタフェースを介して前記３次元広告用キャラクタをインタラクティブに操作させてゲームを実行させる手段を備え、３次元仮想空間内で広告対象物を擬似体感させることを通じて、広告対象物の体感広告を行なうことを特徴とする。
【００１５】
上記構成により、広告対象商品を３次元で表示し、仮想現実に近いインタラクティブ操作を可能とし、ゲーム操作を通じて広告対象物の広告情報量を高め、広告対象物を３次元仮想空間内でインタラクティブに体感できる。本発明のシステムを店頭などに設置すれば、広告対象商品の効果的な広告ができると同時に来客者に対するサービス向上にもつながる。
【００１６】
次に、本発明の第２の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムは、あるシーンから次に展開するシーンが複数ある場合、当該あるシーンが持っている次にどのシーンへ展開するかを評価する評価値に従って、次に展開するシーンが決まるインタラクティブゲームストーリーを提供するゲームストーリー提供部と、前記ゲームに登場するキャラクタを管理する登場キャラクタ管理部と、広告対象物の３次元ポリゴンデータを入力する３次元ポリゴンデータ入力部と、前記広告対象物の３次元ポリゴンデータを前記登場キャラクタのうちから選ばれたキャラクタに割り付けるポリゴン割付部を備えた３次元広告用キャラクタを生成する３次元広告用キャラクタ生成部と、ゲームストーリーの展開において、動的に各シーンに割り付ける評価値を設定するストーリー展開制御部と、利用者インタフェースを介してゲームを実行するゲーム実行部を備え、前記ストーリー展開制御部が、動的に、前記３次元広告用キャラクタが登場するシーンの評価値を登場しないシーンの評価に比べて大きく設定し、ゲーム利用者に対して広告対象物を含むシーンを優先的に表示・広告することを特徴とする。
【００１７】
上記構成により、利用者は主目的としてインタラクティブゲームを楽しみつつ、かつ、ゲームの登場キャラクタとして自然に広告対象物を認知し、広告対象物を見聞きすることができ、また、ゲームストーリーの展開が当該広告対象物のセールスポイントが協調されるシーンとなるように動的に誘導することができ、広告対象物を効果的に表示・広告することができる。
【００１８】
広告対象物が複数ある場合において、本発明の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムは、それぞれの広告対象物の広告比率を入力する広告比率入力部と、それぞれの広告対象物に対して行なった広告量を検知して広告量の比較を行なう広告量比較部を備え、前記３次元ポリゴンデータ入力部が、当該複数の広告対象物の３次元ポリゴンデータを入力し、前記３次元広告用キャラクタ生成部により、各広告対象物の３次元ポリゴンデータを選択された各登場キャラクタに割り付けて各３次元広告用キャラクタを生成し、前記広告量比較部により、前記各３次元広告用キャラクタが登場する各シーンの広告量を比較し、前記ストーリー展開制御部が、動的に、前記各３次元広告用キャラクタが登場する各シーンの評価値を、前記比較されたそれぞれの広告対象物の広告量が前記広告比率となるように調整することが好ましい。
【００１９】
上記構成により、複数の広告対象物がある場合には、それぞれの広告対象物の広告量が設定した広告比率に漸近するように、バランス良く各広告対象物を広告することができる。
【００２０】
また、本発明の第２の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムにおいて、広告対象物の属性を入力する属性入力部と、前記３次元広告用キャラクタ生成部が、前記入力された広告対象物の属性を前記３次元広告用キャラクタの持つ属性に反映させる属性反映部を備えることにより、利用者が広告対象物を３次元インタラクティブに体感することができ、広告対象物の優位点などを訴求することができる。
【００２１】
さらに、本発明の第２の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムにおいて、前記ゲームストーリー提供部が提供するゲームストーリーが、同じカテゴリに属するキャラクタ同士である３次元広告用キャラクタと比較用キャラクタが登場するものであって、３次元広告用キャラクタと比較用キャラクタの差異であって３次元広告用キャラクタの優位点を表わす比較広告シーンを含み、前記３次元ポリゴンデータ入力部が、広告対象物の３次元ポリゴンデータと比較対象物の３次元ポリゴンデータを入力し、前記属性入力部が、広告対象物の属性と、比較対象物の属性を入力し、前記キャラクタ生成部が、前記ポリゴン割付部により広告対象物の３次元ポリゴンデータを３次元広告用キャラクタとするキャラクタに割り付け、比較対象物の３次元ポリゴンデータを３次元比較広告用キャラクタとするキャラクタに割り付け、前記属性反映部により、前記入力された広告対象物の属性を前記３次元広告用キャラクタの持つ属性に反映させ、前記入力された比較対象物の属性を前記３次元比較広告用キャラクタの持つ属性に反映させ、前記ストーリー展開制御部が、動的に、前記比較広告シーンの評価値を大きく設定し、ゲーム利用者に対して広告対象物の優位点を表示・広告することが好ましい。
【００２２】
上記構成により、比較対象を通じて広告対象物を３次元インタラクティブに体感することができ、広告対象物の優位点などを訴求することができる。
【００２３】
また、前記３次元広告用キャラクタに実行させる広告のためのアクションをナレッジとして蓄積する広告アクションナレッジ蓄積部を備え、前記広告アクションナレッジ蓄積部のナレッジを利用して、広告対象物を広告するシーンを自律的に生成すれば、細かい設定・指示を与えることが必要なくなり、広告システム構築を効率的に行なうことができる。
【００２４】
さらに、前記３次元広告用キャラクタを用いた所定操作行為を広告協調行為として設定する広告協調行為設定部と、前記設定された広告協調行為の実行状況に応じて提供する褒賞の量を定めて与える褒賞提供部と、前記褒賞をインセンティブとして、利用者に前記３次元広告用キャラクタの操作を介して前記広告協調行為を行なわせれば、前記３次元広告用キャラクタに割り付けられた広告対象物を体感することが可能となる。
【００２５】
さらに、利用者の性向を検知する利用者性向検知部と、前記ストーリー展開制御部が、動的に、前記検知された利用者性向に基づいてストーリー展開を変更すれば、利用者の性格を加味した広告を行うことができる。
【００２６】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の３次元インタラクティブゲームシステムおよび３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムの実施形態について説明する。説明の便宜上、インタラクティブゲームのキャラクタとして、表示されるオブジェクトを代替するようあらかじめ設定された属性を持つ複数の広告用のオブジェクトについての３次元ポリゴンデータを用意して割り付け、広告用の３次元キャラクタをインタラクティブゲームシステムのゲーム操作において体感させる広告システムを例として説明する。もちろん３次元広告用キャラクタに限定されず、教育システムに用いられるオブジェクト（例えば医療教育用の人体模型、運転教習用の車）など利用者にオブジェクトの仮想体感を提供するシステムであれば適用できる。
【００２７】
なお、ここで、キャラクタとは、広く有体物一般を含む概念であり、車、テレビ、ジュースなど様々な物をその概念に含むものとする。
【００２８】
（実施形態１）
実施形態１の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムは、広告対象商品を３次元で表示し、仮想現実に近いインタラクティブ操作を可能とし、広告対象物の広告情報量を高めたもので、利用者に対してインタラクティブゲームを提供し、利用者はゲームを楽しみつつ、かつ、ゲームの登場キャラクタとして自然に広告対象物を認知でき、また、ゲームストーリーの展開が当該広告対象物のキャラクタに出会うシーンが多くなるように動的に誘導することができ、広告対象物を効果的に表示・広告するものである。例えば、設置場所として商品販売店の店頭などに設置すれば、販売商品の効果的な広告ができると同時に来客者へのサービス向上にもつながるものである。
【００２９】
ここでは例として、広告対象物が広告主体の特定車種ｂであるとして説明する。
【００３０】
図１は、本発明の実施形態１の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムの概略構成を示すブロック図である。実際の実装にあたっては、これら構成要素を専用のデバイスで構成してもよく、また、処理内容をコンピュータのソフトウェアとして記述してＣＰＵ、メモリなどにより構成しても良い。
【００３１】
図１において、１０はゲームストーリー提供部、２０は登場キャラクタ管理部、３０はデータ入力部、３１は３次元ポリゴンデータ入力部、３２は属性入力部、４０は、３次元広告用キャラクタ生成部、４１はポリゴン割付部、４２は属性反映部、５０はゲーム実行部、５１は利用者インタフェース、６０はストーリー展開制御部、７０は表示部、８０は通信インタフェース、９０はネットワークである。図１では、コンピュータシステム制御に必要なＣＰＵ、メモリ、各種デバイスについては図示を省略している。なお、３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムの各構成要素は専用デバイスでも良く、ソフトウェアとして当該処理内容を記述したライブラリでも良い。
【００３２】
ゲームストーリー提供部１０は、あるシーンから次に展開するシーンが複数ある場合、当該あるシーンが持っている次にどのシーンへ展開するかを評価する評価値に従って、次に展開するシーンが決まるインタラクティブゲームストーリーを提供する部分である。ゲームストーリー提供部１０は、ゲームメモリを含んでいる。ゲームストーリー提供部１０が提供するゲームは特に限定されることはないが、利用者が興味を示すゲームとした方が、利用者が本発明の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システム利用の動機付けとなる。複数のゲームを用意しておくことも可能であり、ゲームメニューなどを提示して利用者に遊びたいゲームを選択させても良い。ゲームストーリー提供部１０は、あらかじめゲームをゲームメモリに格納しておいても良く、また、利用者によるゲームメニューからの選択に応じ、通信インタフェース８０を介してネットワーク９０からゲームをダウンロードする構成でも良い。
【００３３】
登場キャラクタ管理部２０は、ゲームに登場するキャラクタを管理する部分である。この登場キャラクタ管理部２０により管理されているキャラクタはゲームにおいて当初設定されているキャラクタである。複数のキャラクタが存在しても良いことは言うまでもない。このキャラクタのうち選ばれたものに対して、後述するように、ポリゴン割付部４１と属性反映部４２を用いて、広告対象商品に関するデータを割り当てる。
【００３４】
データ入力部３０は、広告対象物に関するデータを入力する部分であり、広告対象物の３次元ポリゴンデータを入力する３次元ポリゴンデータ入力部３１と、広告対象物の属性を入力する属性入力部３２とを備えている。ここでいう３次元ポリゴンデータにはテクスチャデータも含む。またここでいう属性には、広告対象物の特性、機能、材質に基づく性質、色、重さなどの諸属性が含まれる。キャラクタが車であるとすると、３次元ポリゴンデータとしては、形状、色などのデータが入力され、属性の例としては、エンジンの燃費、ＡＢＳ（アンチロックブレーキシステム）搭載の有無を含むブレーキ性能、搭載オーディオの特性などが入力される。この広告対象物データもあらかじめ複数の広告対象物のデータを登録しておいても良い。例えば、車の広告であれば、複数の広告対象車種を用意しても良い。
【００３５】
３次元広告用キャラクタ生成部４０は、ポリゴン割付部４１と属性反映部４２を備え、登場キャラクタ管理部が管理するキャラクタから選ばれたものを用いて、３次元ポリゴンデータ割り付けによる形状調整と、属性情報の反映による属性調整を行って広告対象物を３次元仮想空間に再現した３次元広告用キャラクタを生成する部分である。ポリゴン割付部４１は、選ばれた登場キャラクタに対して、広告対象物のうちから選んだ３次元ポリゴンデータを割り付ける部分である。属性反映部４２は、ポリゴン割付部４１が割り付けた３次元キャラクタに対して、入力された広告対象物の属性を当該３次元キャラクタの属性として反映させる部分である。このキャラクタ割付処理と属性反映処理により、広告対象物が３次元仮想空間上で３次元広告用キャラクタとして再現される。このように、３次元広告用キャラクタを提供するので、従来技術における２次元のテキストベースのバナー広告より広告情報量が各段に大きいものとなっている。また、３次元広告用キャラクタとして再現されるので、利用者は３次元仮想空間内で３次元広告用キャラクタを通じて広告対象物を仮想的に体感することができる。
【００３６】
ゲーム実行部５０は、ゲーム実行部５０はゲームメモリからゲームを読み出して実行するコントローラ部分であり、ゲームストーリー提供部１０が提供するゲームを利用者からの操作を基に実行する部分である。ゲーム実行部５０は、利用者が操作する利用者インタフェース５１を備えている。例えば、マウス、キーボード、ジョイスティック、音声入力装置などである。
【００３７】
ストーリー展開制御部６０は、ゲームストーリーの展開において、動的に各シーンに割り付ける評価値を設定する部分である。図２は、ストーリー展開制御部６０による動的な各シーンに割り付ける評価値の設定の概念を説明する図である。図２において、各ノードはストーリー提供部１０が提供する各シーンであり、各枝分かれはストーリーが展開してゆく様子を示している。各ノードから出ている各枝は展開され得る次のシーンへのパスを示しており、各枝は利用者からの入力アクションごとに分類され、各枝の横に付されている数値は各シーンに割り付けられた評価値を示している。ストーリー展開制御部６０は動的にこの評価値を設定・変更する。ストーリーの展開は、あるノードから次のシーンとなるノードは利用者のアクションと各枝に付された評価値を基に選択される。このストーリーが展開して行く様子と動的に評価値が設定・変更されてストーリーが誘導されて行く様子は後述する。
【００３８】
表示部７０は、３次元インタラクティブゲームの仮想空間の舞台セットおよび登場キャラクタとその動きを表示する部分であり、表示に必要な各種デバイスと表示装置としてのモニタを含む。
【００３９】
通信インタフェース８０は、ネットワーク９０に対してデータ入出力を制御するために必要な各種デバイス、通信ソフトウェアを含むもので、ネットワーク９０上の定められたプロトコルに従ってデータ入出力が可能とする。
【００４０】
ネットワーク９０は、インターネットなどのネットワークである。
【００４１】
次に、図１に示した本発明の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムの動作を図３のフローチャートを参照しつつ説明する。以下の例では、システム設置場所を車のディーラ販売店とし、広告対象物を特定車種ｂの車とし、ゲームとしては車が登場するゲームを用意する。例えば、３次元仮想街中である舞台を特定車種ｂの車でドライブし、特定車種ｂの車のイメージキャラクタである人工生物を追いかけて捕まえるというゲームとする。
【００４２】
まず、ゲームストーリー提供部１０は、ゲームを用意する（ステップＳ３０１）。例えば、表示部７０に表示されたゲームメニューから、利用者が遊びたいゲームを選択する。利用者の選択により、通信インタフェース８０を介してネットワーク９０から選択されたゲームをダウンロードする。この例ではいずれも車が登場するゲームをメニューに用意しておき、利用者の選択によりあるゲームが選択され、ネットワーク９０からダウンロードされたとする。ゲームストーリー提供部１０は、ダウンロードされたゲームをゲームメモリに格納し、ゲームメモリと後述するゲーム実行部５０を用いてゲームを提供する。
【００４３】
次に、登場キャラクタ管理部２０は、ゲームストーリー提供部１０が提供するゲームに登場するキャラクタを検知し、各キャラクタを管理する（ステップＳ３０２）。この例では、ゲームストーリー提供部１０が提供するゲームに登場するキャラクタとして、車のキャラクタＡ，Ｂが管理されるものとする。
【００４４】
次に、広告主体は、データ入力部３０の３次元ポリゴンデータ入力部３１と、広告対象物の属性を入力する属性入力部３２を介して、広告対象物に関するデータを入力する（ステップＳ３０３）。この例では、３次元ポリゴンデータ入力部３１を介して広告対象物となる複数の広告対象車種ａ〜ｃの３次元ポリゴンデータ（テクスチャデータを含む）が入力され、それぞれの広告対象車種ａ〜ｃの形状、色などのデータが入力される。また、属性入力部３２を介して広告対象車種ａ〜ｃの属性情報が入力され、エンジンの燃費、ブレーキ性能、搭載オーディオの特性などが入力される。なお、ここでは特定車種ｂは、ＡＢＳを搭載しており、ブレーキ性能が高いものとする。
【００４５】
次に、３次元広告用キャラクタ生成部４０のポリゴン割付部４１により、選ばれた登場キャラクタに対して、割り付ける広告対象車種を決め、当該広告対象車種の３次元ポリゴンデータを登場キャラクタに割り付ける（ステップＳ３０４）。このステップＳ３０４により、選ばれた登場キャラクタの外観が選ばれた広告対象物の外観となる。この例では、選ばれた登場キャラクタが車キャラクタＡとし、選ればれた広告対象車種がｂとする。つまり車キャラクタＡに特定車種ｂの形状の３次元ポリゴンデータ、テクスチャデータなどが割り付けられ、車キャラクタＡの外観が、広告対象物が特定車種ｂの外観になる。図４は上記ステップＳ３０４によって広告対象車種ｂの広告用３次元キャラクタが生成される様子を簡単に示したものである。インタラクティブゲーム仮想空間にデフォルトとして存在する広告対象車種を割り当てる前の車のキャラクタがあり、この例では広告対象物３次元ポリゴンデータとして３つの広告対象車種ａ〜ｃがあり、広告対象物３次元ポリゴンデータｂが広告対象車種として選択されて、インタラクティブゲーム仮想空間の車のキャラクタに割り当てられた様子を示している。
【００４６】
次に、属性反映部４２により、広告対象物の属性を当該３次元キャラクタの属性として反映させる（ステップＳ３０５）。このステップＳ３０５により、選ばれた登場キャラクタの属性が広告対象物の属性となり、登場キャラクタは外観および属性が広告対象物のものとなり、広告対象物が３次元仮想空間上で再現されることとなる。ここでは、車キャラクタＡに対して特定車種ｂの属性情報が割り付けられ、特定車種ｂのエンジンの燃費、ブレーキ性能、搭載オーディオの特性などの属性情報が割り付られる。特定車種ｂは、ＡＢＳが搭載されているものとし、ブレーキ性能が高いものとし、特定車種ｂが３次元仮想空間上で３次元広告用キャラクタとして再現される。このように、３次元広告用キャラクタとして再現されるので、利用者は３次元仮想空間内で３次元広告用キャラクタを通じて広告対象物である特定車種ｂを仮想的に体感することができる。
【００４７】
次に、利用者は、ゲーム実行部５０の利用者インタフェース５１を介してゲームの実行を開始し、ゲームを実行して行く（ステップＳ３０６）。選ばれたゲームが開始され、利用者はマウスなどの利用者インタフェース５１を用いて操作する。表示部７０上にゲームの舞台セットとなる３次元仮想空間が表示され、ゲームの進行に伴って各種キャラクタが登場し、動作する。
【００４８】
次に、ストーリー展開制御部６０により、ゲームストーリーの展開において、動的に各シーンに割り付ける評価値を設定する（ステップＳ３０７）。広告媒体が割り付けられたキャラクタが登場するシーンに展開するようにストーリーを誘導して行く。この様子を図２において説明する。例えば、現在のストーリー進行がノード２０３にある状況とする。なお、図２に示されたノードうち、２０５が人工生物が急に交差点を横切るシーンとし、他のノードは人工生物が現れないシーンとする。ここではストーリー展開制御部６０は、次のシーンとして人工生物が表れるシーンを挿入するように制御するものとし、動的にノード２０５に対する枝の評価値を大きくする（例えば０.７）。ここで、ノード２０３において利用者のアクションがｎ１であった場合、続くシーン２０４、２０５、２０６それぞれに付された評価値はそれぞれ０.２、０.７、０.１なのでノード２０５のシーンに展開されるように制御されることとなる。
【００４９】
シーン２０５では、利用者は人工生物を追いかけるため、交差点を急に曲がろうとして急ブレーキを踏む可能性が高い。もし急ブレーキを踏めば、３次元仮想空間での仮想のドライブ操作過程において、特定車種ｂのブレーキ性能の一つであるＡＢＳ機能を体感することができる。
【００５０】
このステップＳ３０７に示したストーリー展開制御部６０により、ゲームのストーリー展開を制御して行く。
【００５１】
以上、本発明の実施形態１の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムによれば、広告対象商品を３次元で表示し、仮想現実に近いインタラクティブ操作を可能とし、広告対象物の広告情報量を高めることができ、利用者に対してインタラクティブゲームを提供し、利用者はゲームを楽しみつつ、かつ、ゲームの登場キャラクタとして自然に広告対象物を認知でき、また、ゲームストーリーの展開が当該３次元広告用キャラクタの優位点を体感できるシーンが多くなるように動的に誘導することができ、広告対象物を効果的に表示・広告することができる。
【００５２】
（実施形態２）
実施形態２は、本発明の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムにおいて、広告対象物が複数ある場合を説明したものである。それぞれの広告対象物の広告比率を入力する広告比率入力部を備え、３次元ポリゴンデータ入力部が、当該複数の広告対象物の３次元ポリゴンデータを入力し、３次元広告用キャラクタ生成部がそれぞれの広告対象物を３次元仮想空間上で再現した３次元広告用キャラクタとし、ストーリー展開制御部が、動的に、前記それぞれの広告対象物が割り付けられた登場キャラクタが登場する各シーンの評価値を、それぞれの広告対象物の実際の広告量が広告比率となるように調整し、ゲーム利用者に対してそれぞれの広告対象物を効果的に表示・広告するものとなっている。
【００５３】
図５は、本発明の実施形態２の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムの概略構成を示すブロック図である。実際の実装にあたっては、これら構成要素を専用のデバイスで構成してもよく、また、処理内容をコンピュータのソフトウェアとして記述してＣＰＵ、メモリなどにより構成しても良い。
【００５４】
図５に示すように、ゲームストーリー提供部１０、登場キャラクタ管理部２０、データ入力部３０、３次元ポリゴンデータ入力部３１、属性入力部３２、３次元広告用キャラクタ生成部４０、ポリゴン割付部４１、属性反映部４２、ゲーム実行部５０、ストーリー展開制御部６０、表示部７０、通信インタフェース８０、ネットワーク９０に加え、広告比率入力部１１０、広告量比較部１２０を備えている。図５では、コンピュータシステム制御に必要なＣＰＵ、メモリ、各種デバイスについては図示を省略している。これらは専用デバイスでも良く、ソフトウェアとして当該処理内容を記述したライブラリでも良い。
【００５５】
広告比率入力部１１０は、広告対象物が複数ある場合にそれぞれの広告対象物の広告比率を入力する部分である。広告比率とは、それぞれの広告対象物が利用者の目に触れる度合いを示す数値であり、広告比率が高い広告対象物ほど利用者の目に触れる度合いが高くなるように制御される。広告比率を設定することにより、例えば、複数の広告対象物のうち、特に重点的に広告したいものが存在する場合にその広告対象物の広告量の比率を高めたり、広告主体が複数存在する場合に互いの広告量の比率を定めたりすることが可能となる。また、広告比率に応じて各広告対象物の広告量をバランス良く設定できるという利点もある。単に広告する優劣のみを設定した場合、最も優先度が高い広告対象物が常に優先され、他の広告対象物がまったく表示されなくなるという問題が生じる。本実施形態２の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムでは、各広告対象物をバランス良く広告するため、それぞれの広告量の比率を設定する。
【００５６】
広告量比較部１２０は、ゲームのストーリー展開において、それぞれの広告対象物が表示されるシーンがどのぐらい表示され、広告されているかという広告量を検知し、比較する部分である。ここで広告量の検知は、広告対象物が表示されたシーンの回数で検知することもでき、広告対象物が表示されたシーンの表示時間で検知することもできる。また、利用者への訴求度合いを検知する一つの方法として、表示画面上の表示面積と表示時間の積を広告量とすることもできる。
【００５７】
また、本実施形態２では、広告対象物が複数あるので、各要素が複数の広告対象物を扱えるように工夫されている。データ入力部３０はそれら広告対象物を含む複数の広告対象物のデータの入力を受け付ける。
【００５８】
３次元広告用キャラクタ生成部は、それぞれの３次元広告用キャラクタを生成する。つまり、ポリゴン割付部４１によりそれぞれの広告対象物に対して選択される登場キャラクタに対して３次元ポリゴンデータを割り付ける。また、属性反映部４２によりそれぞれの広告対象物の属性データを対応する登場キャラクタの属性として反映させる。このように、複数の３次元広告用キャラクタが再現されるので、利用者は３次元仮想空間内で３次元広告用キャラクタを通じて複数の広告対象物を１つのゲームにおいてまとめて仮想的に体感することができる。
【００５９】
ストーリー展開制御部６０は、動的に、それぞれの広告対象物が割り付けられた３次元広告用キャラクタが登場する各シーンの評価値を、それぞれの広告対象物の広告量が前記広告比率に漸近するように設定し、ストーリーを展開して行く。
【００６０】
動的に評価値が、それぞれの広告対象物の広告量が前記広告比率に漸近するように設定・変更されてストーリーが誘導されて行く様子を図６を参照しつつ説明する。
【００６１】
広告対象物が特定車種ａの車と特定車種ｂの車とし、ゲームとして仮想街中を歩く利用者が車に出会うシーンが含まれているゲームが実行されているものとする。特定車種ａの広告比率が０．７、特定車種ｂの広告比率が０．３とする。
【００６２】
いま、ノード５０３の下には、ノード５０４からノード５０６の３つのノードがあり、シーン５０５は、ストーリー展開において利用者が広告対象物である特定車種ａの車に出会うというシーンとし、シーン５０６は、ストーリー展開において利用者が広告対象物である特定車種ｂの車に出会うというシーンとする。デフォルトのゲームストーリーにおけるノード５０４の評価値が０．１、ノード５０５の評価値が０．７、ノード５０６の評価値が０．２であったとする。
【００６３】
利用者がゲームを実行して、ストーリー進行がノード５０１からノード５０３に進んだとする。広告比率を考慮しない場合は、そのまま評価値の大きさに従ってノード５０６に進み、ストーリー展開において利用者が広告対象物である特定車種ａの車の３次元広告用キャラクタに出会うというシーンになる。しかし、実施形態２の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムでは、ゲームのストーリー展開において、過去、広告対象物である特定車種ａと特定車種ｂがどのぐらい表示され、広告されているかという広告量を検知し、比較する。この例では広告量の検知は、広告対象物が表示されたシーンの回数で検知することとする。ここでは、検知された特定車種ａの広告量が０．８、特定車種ｂの広告量が０．２であったとする。
【００６４】
特定車種ａの広告比率が０．７、特定車種ｂの広告比率が０．３であり、実際の特定車種ａの広告量が０．８、特定車種ｂの広告量が０．２であったため、過去のゲームストーリー展開では、特定車種ａの広告回数が少々過剰であることが分かる。そこで、ストーリー展開制御部６０は、実際の特定車種ａの広告量と特定車種ｂの広告量が広告比率に漸近するように、つまり、ここでは、特定車種ｂの３次元広告用キャラクタが登場するシーンとすべく、ノード５０６の評価値を高く設定する。例えば、ノード５０４の評価値を０．１、ノード５０５の評価値を０．２、ノード５０６の評価値を０．７とする。
【００６５】
広告比率を考慮したストーリー展開制御部６０の評価値の動的な設定・変更の結果、評価値の大きさに従ってノード５０６に進み、ストーリー展開において利用者が広告対象物である特定車種ｂの車の３次元広告用キャラクタに出会うというシーンになる。
【００６６】
ノード５０６に進んだため、特定車種ａの広告量０．８、特定車種ｂの広告量０．２だったものが、広告比率である特定車種ａの広告比率０．７、特定車種ｂの広告比率０．３に漸近する方向に改善される。
【００６７】
以上、本実施形態２の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムによれば、広告対象物が複数ある場合、それぞれの広告対象物の広告比率を設定し、ストーリー展開制御部により、動的に、それぞれの広告対象物が割り付けられた登場キャラクタが登場する各シーンの評価値を、それぞれの広告対象物の実際の広告量が広告比率に漸近するように設定し、ゲーム利用者に対してそれぞれの広告対象物を効果的に表示・広告することができる。
【００６８】
（実施形態３）
実施形態３の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムは、広告対象物に対する３次元広告用キャラクタに加えて、比較広告するための３次元比較広告用キャラクタを用意し、利用者に対する比較広告を通じて、広告対象物の性能などの優位点を仮想的に体感することができ、効果的に表示・広告できるシステムである。
【００６９】
図７は、本発明の実施形態３の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムの概略構成を示すブロック図である。実際の実装にあたっては、これら構成要素を専用のデバイスで構成してもよく、また、処理内容をコンピュータのソフトウェアとして記述してＣＰＵ、メモリなどにより構成しても良い。
【００７０】
図７に示すように、ゲームストーリー提供部１０ａ、登場キャラクタ管理部２０ａ、データ入力部３０ａ、３次元ポリゴンデータ入力部３１ａ、属性入力部３２ａ、３次元広告用キャラクタ生成部４０ａ、ポリゴン割付部４１ａ、属性反映部４２ａ、ゲーム実行部５０ａ、ストーリー展開制御部６０ａ、表示部７０ａ、通信インタフェース８０、ネットワーク９０を備えている。図７では、コンピュータシステム制御に必要なＣＰＵ、メモリ、各種デバイスについては図示を省略している。これらは専用デバイスでも良く、ソフトウェアとして当該処理内容を記述したライブラリでも良い。
【００７１】
本実施形態３では、広告対象物と比較広告用の対象物があるので、各要素がそれらを扱えるように工夫されている。
【００７２】
ゲームストーリー提供部１０ａが提供するゲームストーリーが、同じカテゴリに属するキャラクタ同士である３次元広告用キャラクタと３次元比較広告用キャラクタが登場するものであって、３次元広告用キャラクタと３次元比較広告用キャラクタの差異であって３次元広告用キャラクタの優位点を表わす比較広告シーンを含むものとする。
【００７３】
また、登場キャラクタ管理部２０ａが管理するキャラクタとして前記３次元広告用キャラクタと比較用キャラクタを含むものとする。
【００７４】
データ入力部３０ａは広告対象物と比較広告用対象物を含む複数のデータの入力を受け付ける。つまり、３次元ポリゴンデータ入力部３１により、広告対象物と比較広告用対象物の３次元ポリゴンデータを含むデータを入力し、属性入力部３２により、広告対象物と比較広告用対象物の属性データを含むデータを入力する。広告対象物の属性データとして広告対象物が持つセールスポイントとなる機能や性能などのデータを入力することができるものとする。
【００７５】
３次元広告用キャラクタ生成部４０ａは、３次元広告用キャラクタと３次元比較広告用キャラクタを生成する。ポリゴン割付部４１ａにより広告対象物に対して選択された３次元広告用キャラクタと、比較広告用の対象物に対して選択された３次元比較広告用キャラクタに対して３次元ポリゴンデータを割り付け、また、属性反映部４２ａによりそれぞれの属性データを反映させる。つまり、広告対象物が３次元仮想空間上の３次元広告用キャラクタとして再現され、比較広告用対象物が３次元仮想空間上の３次元比較広告用キャラクタとして再現される。再現された３次元広告用キャラクタは広告対象物の持つ機能や性能などのセールスポイントが体感できるものとなっており、また逆に、３次元比較広告用キャラクタは、広告対象物の持つ機能や性能などのセールスポイントを持たないものとなっており、両者の違いを通じて広告対象物の持つ優位点を強くアピールできるものとなっている。
【００７６】
利用者は３次元仮想空間内で３次元広告用キャラクタと３次元比較広告用キャラクタとの比較を通じて広告対象物の優位点を仮想的に体感することができる。
【００７７】
ストーリー展開制御部６０ａは、動的に、ゲームストーリー提供部１０ａが提供する比較広告シーンの評価値を大きく設定する。それゆえ、利用者はゲームを通じて広告対象物の優位点を体感することができ、広告対象物を効果的に表示・広告することが可能となる。
【００７８】
以下に本実施形態３の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムによる比較広告の具体例を図８のフローチャートを参照しつつ示す。この例では、広告対象物を特定車種の車ａとし、比較広告用対象物を特定車種の車ｃとし、特定車種の車ａはブレーキ性能としてＡＢＳ（アンチロックブレーキシステム）を持ち、特定車種の車ｃはブレーキ性能としてＡＢＳを持たない者とする。
【００７９】
ゲームストーリー提供部１０ａが３次元広告用キャラクタの車と３次元比較広告用キャラクタの車の比較広告シーンが含まれているゲームを選択して提供する（ステップＳ８０１）。この例では提供されるゲームストーリーは、３次元広告用キャラクタの車と３次元比較広告用キャラクタの車がレースを行なうものとする。また、ゲームストーリーの中で、両者が急にブレーキを踏む必要が生じ、急ブレーキを踏みつつハンドルを切って操縦する比較広告シーンを含むものとする。
【００８０】
登場キャラクタ管理部２０ａは、３次元広告用キャラクタＡと比較用キャラクタＣを含むゲーム中のキャラクタを管理する（ステップＳ８０２）。
【００８１】
３次元ポリゴンデータ入力部３１ａから、広告対象物となる特定車種ａの３次元ポリゴンデータと比較用対象物となる特定車種ｃの３次元ポリゴンデータを入力し、属性入力部３２ａから、広告対象物の属性と比較対象物の属性を入力する（ステップＳ８０３）。ここでは、広告対象物の属性情報としてＡＢＳに関する属性データが含まれ、比較対象物の属性情報にはＡＢＳに関する属性データが含まれず、標準的なブレーキに関する属性データが含まれている。
【００８２】
次に、３次元広告用キャラクタ生成部４０のポリゴン割付部４１ａが、広告対象物の３次元ポリゴンデータを３次元広告用キャラクタに割り付け、３次元広告用キャラクタの外観が特定車種ａとなり、比較広告用対象物の３次元ポリゴンデータを３次元比較広告用キャラクタに割り付け、３次元比較広告用キャラクタの外観が特定車種ｃとなる（ステップ８０４）。さらに、属性反映部４２ａが、広告対象物の属性を３次元広告用キャラクタの属性に反映させることにより３次元広告用キャラクタのブレーキ性能がＡＢＳが搭載された特定車種ａの性能となり、比較対象物の属性を３次元比較広告用キャラクタの属性に反映させることにより３次元比較広告用キャラクタのブレーキ性能が標準ブレーキ性能である特定車種ｃの性能となる（ステップＳ８０５）。このように広告対象物である特定車種ａと比較広告対象物である特定車種ｃが３次元仮想空間内に再現される。
【００８３】
利用者がゲームを開始し、ゲーム実行部５０ａによりゲームが実行される（ステップＳ８０６）。例えば、利用者が３次元広告用キャラクタの車を操縦し、自動走行する３次元比較広告用キャラクタの車とレースを行なう。
【００８４】
ストーリー展開制御部６０ａが、動的に、比較広告シーンの評価値を大きく設定する（ステップＳ８０７）。つまり、何か障害物などがあり、両者が急ブレーキを踏むこととなる比較広告シーンの評価値を大きくなるように設定・変更する。
【００８５】
ゲーム実行部５０ａは、ストーリー展開制御部６０ａが設定・変更した評価値に基づき、比較広告シーンに遷移し、利用者に比較広告シーンを体感させる（ステップＳ８０８）。３次元広告用キャラクタの車と３次元比較広告用キャラクタの車は双方とも急ブレーキを踏むこととなる。３次元広告用キャラクタの車は仮想的にＡＢＳ機能を搭載しているので、利用者は急ブレーキを踏みつつも、ハンドルによる車の操縦がある程度可能となることが仮想的に体感できる。一方、レース相手の車は、ＡＢＳ機能を搭載していないので、急ブレーキを踏むとハンドルがロックされてハンドルによる車の操縦が不能になる様子も併せて見て体感することができる。
【００８６】
以上、本発明の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムによれば、広告対象物に対する３次元広告用キャラクタに加えて、比較広告するための３次元比較広告用キャラクタを用意し、ゲームにおける両者の比較広告シーンを通じて、利用者が広告対象物の性能などの優位点を仮想的に体感することができ、利用者に対して広告対象物を効果的に広告できる。
【００８７】
（実施形態４）
実施形態４の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムは、３次元広告用キャラクタに実行させる広告のためのアクションをナレッジとして蓄積して行き、当該ナレッジを利用して、広告対象物を広告するシーンを自律的に生成するものである。
【００８８】
図９は、実施形態４の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムの概略構成を示すブロック図である。実際の実装にあたっては、これら構成要素を専用のデバイスで構成してもよく、また、処理内容をコンピュータのソフトウェアとして記述してＣＰＵ、メモリなどにより構成しても良い。
【００８９】
図９に示すように、ゲームストーリー提供部１０、登場キャラクタ管理部２０、データ入力部３０、３次元ポリゴンデータ入力部３１、属性入力部３２、３次元広告用キャラクタ生成部４０、ポリゴン割付部４１、属性反映部４２、ゲーム実行部５０、ストーリー展開制御部６０、表示部７０、通信インタフェース８０、ネットワーク９０に加え、広告アクションナレッジ蓄積部１３０とプログラム生成部１４０を備えている。図９では、コンピュータシステム制御に必要なＣＰＵ、メモリ、各種デバイスについては図示を省略している。これらは専用デバイスでも良く、ソフトウェアとして当該処理内容を記述したライブラリでも良い。
【００９０】
広告アクションナレッジ蓄積部１３０は、３次元広告用キャラクタに実行させる広告のためのアクションをナレッジとして蓄積する部分である。過去に与えられた広告用アクションに関する知識や、あらかじめ与えられた広告用アクションに関する知識などを蓄積して行く。このように、本実施形態４の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムは、広告に関する自らのアクションを学習し、そのパターン化を行うことができる。
【００９１】
プログラム生成部１４０は、システム管理者などから、広告に関するアクション指示内容の入力を受け、広告アクションナレッジ蓄積部１３０に蓄積された広告に関するアクションの知識を基に、自律的に広告に関するアクションのためのプログラムを自動生成する部分である。プログラムの自動生成を容易とするために、各種ライブラリを備え、例えばオブジェクト指向プログラミングによりプログラムモジュールを組み立てる。
【００９２】
本発明の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムは、上記実施形態に示してきたように、登場キャラクタ管理部２０により登場キャラクタを管理し、さらに、データ入力部３０、３次元広告用キャラクタ生成部４０、ポリゴン割付部４１、属性反映部４２により、広告対象物などを３次元キャラクタとして生成することができるものであり、舞台セットと登場キャラクタが分離されて生成されているので、舞台セット、登場キャラクタの組み替え、アクションの組み替えが容易に行うことができ、プログラムの自律的生成には適した構成となっている。
【００９３】
また、広告プロモータやシステム管理者などが本発明の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムに与える指示は、広告アクションナレッジ蓄積部１３０の蓄積知識やプログラム生成部１４０のライブラリが充実するにつれ、簡単な内容で済むようになる。
【００９４】
以上、実施形態４の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムによれば、３次元広告用キャラクタに実行させる広告のためのアクションをナレッジとして蓄積して行き、当該ナレッジを利用して、広告対象物を広告するシーンを自律的に生成することができる。
【００９５】
（実施形態５）
実施形態５の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムは、利用者に対してゲームを通じて所定の操作をさせ、褒賞をインセンティブとして３次元広告用キャラクタを用いて長く遊ばせたりし、利用者に３次元広告用キャラクタを体感させるように誘導するシステムである。
【００９６】
図１０は、本発明の実施形態５の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムの概略構成を示すブロック図である。実際の実装にあたっては、これら構成要素を専用のデバイスで構成してもよく、また、処理内容をコンピュータのソフトウェアとして記述してＣＰＵ、メモリなどにより構成しても良い。
【００９７】
図１０に示すように、ゲームストーリー提供部１０、登場キャラクタ管理部２０、データ入力部３０、３次元ポリゴンデータ入力部３１、属性入力部３２、３次元広告用キャラクタ生成部４０、ポリゴン割付部４１、属性反映部４２、ゲーム実行部５０、ストーリー展開制御部６０、表示部７０、通信インタフェース８０、ネットワーク９０に加え、広告協調行為設定部１５０と褒賞提供部１６０を備えている。図１０では、コンピュータシステム制御に必要なＣＰＵ、メモリ、各種デバイスについては図示を省略している。これらは専用デバイスでも良く、ソフトウェアとして当該処理内容を記述したライブラリでも良い。
【００９８】
広告協調行為設定部１５０は、利用者の３次元広告用キャラクタを用いた所定操作行為を広告協調行為として設定するものである。所定操作行為としては、広告主体がアピールしたい広告対象物の性能を用いるような操作であっても良いし、利用者に長く遊んでもらえるように手間のかかる操作行為や興味のある操作行為であっても良い。また、利用者に関する情報を集めるため、趣味や家族構成など利用者に関する質問に答えさせるものであっても良い。
【００９９】
褒賞提供部１６０は、設定された広告協調行為の実行状況に応じて利用者に対して提供する褒賞の量を定めて与える部分である。利用者に広告協調行為を行わせるためのインセンティブを与えるものである。褒賞の内容は特に限定されないが、例えば、広告対象物に関する割引チケットの提供、広告対象物とは関係の薄い別の商品の割引チケットの提供、小口商品の提供などである。
【０１００】
ストーリー展開制御部６０が広告協調行為の難易度を動的に調整して、利用者に広告協調行為を長く続けてもらう工夫をすることも可能である。
【０１０１】
具体例を示す。システム設置場所を車のディーラ販売店とし、広告対象物を特定車種ａの車とし、広告協調行為設定部１５０により設定した広告協調行為を、３次元仮想街中である舞台を特定車種ａの車でドライブし、特定車種ａの車のイメージキャラクタである人工生物を追いかけて捕まえるという行為とする。褒賞提供部１６０が与える褒賞を当該人工生物の人形とする。
【０１０２】
車のディーラ販売店店頭に置かれたゲームには、軽快な音楽と人工生物の可愛い動作が盛り込まれている。休止画面には、当該ゲームの内容説明とゲームの褒賞の紹介が行われている。興味を示した来客者がゲームを開始し、広告協調行為を行う。つまり、３次元仮想街中を特定車種ａの車でドライブし、特定車種ａの車のイメージキャラクタである人工生物を追いかける。
【０１０３】
ストーリー展開制御部６０は、利用者のゲーム操作時間などを考慮して、ストーリー展開を制御して行く。また、捕まえられそうで捕まえられないという一種の「じらし」もゲーム操作者の関心を持続させるためには有効である。
【０１０４】
利用者がイメージキャラクタである人工生物を捕まえることができた場合、広告協調行為が達成されたとして褒賞提供部１６０が褒賞であるイメージキャラクタ人形を利用者に差し出す。交換チケットの発券などでも良く、後方にいる販売支援店員に対して、利用者に褒賞を与える旨を通知する構成としても良い。
【０１０５】
以上、実施形態５の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムによれば、褒賞をインセンティブとして利用者に対してゲームを通じて所定の操作をさせ、利用者に３次元広告用キャラクタを体感させるように誘導することができる。
【０１０６】
（実施形態６）
実施形態６の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムは、利用者の性向を検知して利用者の性向に合わせてゲームストーリー展開を動的に調整して行き、利用者にカスタマイズした効果的な広告を行うシステムである。
【０１０７】
図１１は、本発明の実施形態６の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムの概略構成を示すブロック図である。図１１に示したように、ゲームストーリー提供部１０、登場キャラクタ管理部２０、データ入力部３０、３次元ポリゴンデータ入力部３１、属性入力部３２、３次元広告用キャラクタ生成部４０、ポリゴン割付部４１、属性反映部４２、ゲーム実行部５０、ストーリー展開制御部６０、表示部７０、通信インタフェース８０、ネットワーク９０に加え、利用者の性向を検知する利用者性向検知部１７０が加えられている。
【０１０８】
利用者性向検知部１７０は、利用者の性向を検知する部分である。利用者の性向を検知する方法は限定されないが、例えば、利用者のゲーム中における行為、マウスのクリック回数の多寡により利用者の積極性を推定して検知することができ、また、ゲーム操作の巧拙などを検知することができる。
【０１０９】
ストーリー展開制御部６０は、利用者性向検知部１７０が検知した利用者性向に基づいてストーリー展開を変更する。
【０１１０】
また、利用者自身が自らの性向を入力することも可能である。ゲームの登場キャラクタの形状の好き嫌い、色の好き嫌い、背景音楽の好き嫌いなど、利用者の性向を自ら入力させれば、利用者の性向に合う登場キャラクタに関するデータをデータ入力部３０から入力し、３次元広告用キャラクタ４０のポリゴン割付部４１、属性反映部４２により、登場キャラクタの再生成を行ってカスタマイズすることができる。
【０１１１】
また、利用者自身が自らが、ゲームの内容のレベルを入力することも可能である。ゲーム内容のレベル入力に合わせて、ストーリー展開制御部６０が、ストーリー展開を変更してゲーム内容のレベルを調整する。
【０１１２】
以上、実施形態６の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムによれば、利用者の性向を検知して利用者の性向に合わせてゲームストーリー展開を動的に調整して行き、利用者にカスタマイズした効果的な広告を行うことができる。
【０１１３】
（実施形態７）
本発明の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムは、インタラクティブゲームストーリーと、３次元広告用キャラクタに関するデータを、ネットワークメディアを介してダウンロードして取り込むことができる。そのため、ネットワークメディアに対応したデジタル画像送受信装置を備える。ネットワークメディアの例としては、３次元データが送受信される次世代デジタルテレビジョンネットワーク、インターネットなどを含み、有線、無線を問わない。
【０１１４】
（実施形態８）
本発明の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムは、上記に説明した構成を実現する処理ステップを記述したプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して提供することにより、各種ＣＡＤコンピュータなどを用いて構築することができる。本発明の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムを実現する処理ステップを備えたプログラムを記録した記録媒体は、図１２に図示した記録媒体の例に示すように、ＣＤ−ＲＯＭ２０２やフレキシブルディスク２０３等の可搬型記録媒体２０１だけでなく、ネットワーク上にある記録装置内の記録媒体２００や、コンピュータのハードディスクやＲＡＭ等の記録媒体２０５のいずれであっても良く、プログラム実行時には、プログラムはコンピュータ２０４上にローディングされ、主メモリ上で実行される。
【０１１５】
【発明の効果】
本発明の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムによれば、広告対象商品を３次元で表示し、仮想現実に近いインタラクティブ操作を可能とし、ゲーム操作を通じて広告対象物の広告情報量を高め、広告対象物を３次元仮想空間内でインタラクティブに体感できる。本発明のシステムを店頭などに設置すれば、広告対象商品の効果的な広告ができると同時に来客者に対するサービス向上にもつながる。
【０１１６】
本発明の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムによれば、利用者は主目的としてインタラクティブゲームを楽しみつつ、かつ、ゲームの登場キャラクタとして自然に広告対象物を認知し、広告対象物を見聞きすることができ、また、ゲームストーリーの展開が当該広告対象物のセールスポイントが協調されるシーンとなるように動的に誘導することができ、広告対象物を効果的に表示・広告することができる。
【０１１７】
また、複数の広告対象物がある場合には、それぞれの広告対象物の広告量を広告比率として設定でき、バランス良く各広告対象物を広告することができる。
【０１１８】
また、本発明の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムによれば、比較対象を通じた比較広告により、広告対象物の優位点を３次元インタラクティブに体感することができる。また、ナレッジを利用して、広告対象物を広告するシーンを自律的に生成すれば、細かい設定・指示を与えることが必要なくなり、広告システム構築を効率的に行なうことができる。さらに、褒賞をインセンティブとして、利用者に前記３次元広告用キャラクタの操作を介して前記広告協調行為を行なわせれば、前記３次元広告用キャラクタに割り付けられた広告対象物を体感することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の実施形態１の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムの概略構成を示すブロック図
【図２】 ストーリー展開制御部６０による動的な各シーンに割り付ける評価値の設定の概念とシーンが展開されて行く様子を説明する図
【図３】 実施形態１の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムの動作を示すフローチャート
【図４】 広告対象車種ｂの広告用３次元キャラクタが生成される様子を簡単に示した図
【図５】 実施形態２の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムの概略構成を示すブロック図
【図６】 広告対象物の広告量が広告比率に漸近するように設定・変更されてストーリーが誘導されて行く様子を示す図
【図７】 実施形態３の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムの概略構成を示すブロック図
【図８】 実施形態３の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムによる比較広告の処理例を示すフローチャート
【図９】 実施形態４の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムの概略構成を示すブロック図
【図１０】 実施形態５の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムの概略構成を示すブロック図
【図１１】 実施形態６の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムの概略構成を示すブロック図
【図１２】 本発明の実施形態８の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムの処理プログラムを記録した記録媒体の例を示す図
【図１３】 従来技術における、インターネットで利用されるサーチエンジンの画面上に広告を表示する概念を説明する図
【符号の説明】
１０，１０ａ ゲームストーリー提供部
２０，２０ａ 登場キャラクタ管理部
３０，３０ａ データ入力部
３１，３１ａ ３次元ポリゴンデータ入力部
３２，３２ａ 属性入力部
４１，４１ａ ポリゴン割付部
４２，４２ａ 属性反映部
５０，５０ａ ゲーム実行部
５１ 利用者インタフェース
６０，６０ａ ストーリー展開制御部
７０，７０ａ 表示部
８０ 通信インタフェース
９０ ネットワーク
１１０ 広告比率入力部
１２０ 広告量比較部
１３０ 広告アクションナレッジ蓄積部
１４０ プログラム生成部
１５０ 広告協調行為設定部
１６０ 褒賞提供部
１７０ 利用者性向検知部
２００ ネットワーク上にある記録装置内の記録媒体
２０１ 可搬型記録媒体
２０２ ＣＤ−ＲＯＭ
２０３ フレキシブルディスク
２０４ コンピュータ
２０５ コンピュータのハードディスクやＲＡＭ等の記録媒体
【発明の属する技術分野】
本発明は、インターネットやデジタルテレビなどデジタル画像を送受信できるメディアを介して、利用者が利用するデジタル画像送受信装置上にダウンロードしたデータに含めた複数の３次元ポリゴンデータが割り付けられた３次元キャラクタを用いてインタラクティブに操作させてゲームを実行させる３次元インタラクティブゲームシステムに関する。特に、３次元キャラクタに広告対象物の３次元ポリゴンデータが割り付けた３次元広告用キャラクタを用いて広告する広告システムに適用することができるものに関する。
【０００２】
【従来の技術】
インターネットやデジタルテレビなどデジタルデータを送受信するネットワークシステムの普及、マルチメディア処理技術の進展に伴い、ワールドワイドウェブシステムのように、利用者がネットワークからデジタルデータを取り込んで表示装置上に表示するコンピュータ利用技術が盛んに開発されている。インターネットの利用者数が増えるに従い、当該ネットワークメディアの持つ訴求力に注目して広告媒体としての利用が始まっている。
【０００３】
図１３は、従来技術における、インターネットで利用されるサーチエンジンの画面上に広告を表示する概念を説明する図である。インターネットを利用する際、多くの利用者が最初に接続する入り口（ポータル）として良く利用されているものである。５００が本来のサーチエンジンとしての利用画面である。５１０がキーワード入力欄であり、利用者は接続したいサイトなどを見つけるためのキーワードや自分の興味のある内容に関するキーワードを入力する。５２０が広告部分である。この例では表示画面上部に設けられているが、表示画面下部に設けられる場合もある。これら広告は利用者が利用しようとするサーチエンジン本来の利用目的とは異なるため概して小さなボタン形状の小エリアに広告文字が表示されるものとなっている。このような表示画面上の一部に表示される広告はバナー広告と呼ばれている。
【０００４】
従来技術におけるバナー広告は、主にボタン形状の小エリアに広告文字が表示されるものであり、表示時間も１０秒など所定時間表示され、その後次の広告文字に更新されるものが多い。また、従来技術では、静止テキストのほか、注意を惹くため、文字の回転や移動などの簡単な動画処理、グラデーションやフラッシングなどの表示効果付けが試行されている。さらに、バナー広告は単に人目の注目を惹いて文字による広告に止まらず、当該表示小エリアがボタンとなっており、当該ボタンが広告主体のホームページにリンクされており、利用者が広告を見て興味を持った場合などにこのボタンをマウスなどのポインティングデバイスによって押下することにより広告主体の持つホームページに接続される仕組となっている。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術のバナー広告は、インターネットのサーチエンジン画面など、多くの利用者が眺める画面であることに注目して設けたものであるが、実は広告主体自体を宣伝する広告としての機能よりも、広告主体のホームページにリンクするボタンを利用者に対して提示するというホームページへの接続機能が主であると言える。それゆえバナー広告はアイキャッチャーとして目立つものの、ホームページのリンク先を知らせる文字のみが表示されているだけであった。
【０００６】
第１の問題は、従来のバナー広告では、広告しようとする商品の優位点や機能など訴求したい内容の広告ができなかった問題点がある。バナー広告はホームページのリンク先を知らせる文字のみが表示されているだけであり、広告主体はバナー広告を用いるだけでは広告対象商品などの広告を直接利用者に提供できるものではない。利用者がバナー広告のアイコンをクリックしてホームページに接続しない限り、商品自体の広告は行なえない。
【０００７】
第２の問題は、従来のバナー広告では、利用者が広告対象商品などに興味を示してもバナー広告のアイコンをクリックしてホームページに接続しなければ、広告対象商品に関する情報を閲覧することができなかった。また、サーチエンジンを用いて別の接続サイトを見つけようとする利用者にとり、わき道に逸れてバナー広告主体のホームページに接続することは、その間ネットワークに接続しているので余分な時間と費用を必要とするものであり、利用者がバナー広告主体のホームページに接続する頻度は余り高くならないことが予想される。
【０００８】
第３の問題は、従来のバナー広告では、ホームページのリンク先を知らせる２次元的な文字のみが表示されているだけであり、広告対象物そのものを３次元でディスプレイできるものではなく、それ自体の広告情報量は極めて小さいものであるという問題である。テレビジョンによる広告やパンフレットによる宣伝によれば、広告対象商品の属性の優位点などを積極的に訴求することが可能であるが、従来のバナー広告では接続サイトを表示するもので商品自体の広告ができない。また、実際の店舗などの店頭での商品陳列の場合であれば、実物を手にとって商品、商品の機能・性能などの属性を確かめることができる。以上を勘案すれば、広告対象商品を３次元で表示し、仮想現実に近いインタラクティブ操作が可能なものが理想的であると言える。
【０００９】
本発明の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムは、広告対象商品を３次元で表示し、仮想現実に近いインタラクティブ操作を可能とし、広告対象物の広告情報量が多い３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムを提供することを目的とする。広告対象物を３次元仮想空間内でインタラクティブに体感でき、広告対象物を体感することに対するインセンティブを与えることができ、利用者の性向に応じて動的に広告提供方法を調整することができるものとする。
【００１０】
また、本発明の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムは、利用者のデジタル画像送受信装置の主目的である利用を阻害せず、かつ、利用者が自然に広告対象物を認知し、広告対象物を見聞きすることとなる３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムを提供することを目的とする。
【００１１】
また、本発明の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムは、従来のバナー広告を介したホームページ接続とは異なり、ネットワークへの接続を継続する必要のない広告提供手段となる３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムを提供することを目的とする。
【００１２】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の３次元インタラクティブゲームシステムは、インタラクティブゲームのキャラクタとして表示されるオブジェクトを代替するようあらかじめ設定された属性を持つ複数の３次元ポリゴンデータが割り付けられた３次元キャラクタを備え、利用者インタフェースを介してオブジェクト毎に選択された１つのキャラクタを前記オブジェクトとして用いてインタラクティブに操作させてゲームを実行させることを特徴とする。
【００１３】
上記構成により、インタラクティブゲームキャラクタとして表示されるオブジェクトを代替するようあらかじめ設定された属性を持つ複数の３次元ポリゴンデータが割り付けられた３次元キャラクタを３次元で表示し、仮想現実に近いインタラクティブ操作を可能とし、ゲーム操作を通じて当該属性を持つ３次元キャラクタを３次元仮想空間内でインタラクティブに体感できる。オブジェクトはインタラクティブゲームに登場するキャラクタを表現するものと捉えることができ、具体的な３次元ポリゴンデータやキャラクタの属性を割り付けることで具体的な外観、属性を持つゲームのキャラクタとすることができる。
【００１４】
上記目的を達成するために、本発明の第１の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムは、インタラクティブゲームのキャラクタであって、設定された属性を持ち、広告対象物の３次元ポリゴンデータが割り付けられた３次元広告用キャラクタを、舞台セットとなる３次元仮想空間内にゲームのキャラクタとして設定する手段と、利用者インタフェースを介して前記３次元広告用キャラクタをインタラクティブに操作させてゲームを実行させる手段を備え、３次元仮想空間内で広告対象物を擬似体感させることを通じて、広告対象物の体感広告を行なうことを特徴とする。
【００１５】
上記構成により、広告対象商品を３次元で表示し、仮想現実に近いインタラクティブ操作を可能とし、ゲーム操作を通じて広告対象物の広告情報量を高め、広告対象物を３次元仮想空間内でインタラクティブに体感できる。本発明のシステムを店頭などに設置すれば、広告対象商品の効果的な広告ができると同時に来客者に対するサービス向上にもつながる。
【００１６】
次に、本発明の第２の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムは、あるシーンから次に展開するシーンが複数ある場合、当該あるシーンが持っている次にどのシーンへ展開するかを評価する評価値に従って、次に展開するシーンが決まるインタラクティブゲームストーリーを提供するゲームストーリー提供部と、前記ゲームに登場するキャラクタを管理する登場キャラクタ管理部と、広告対象物の３次元ポリゴンデータを入力する３次元ポリゴンデータ入力部と、前記広告対象物の３次元ポリゴンデータを前記登場キャラクタのうちから選ばれたキャラクタに割り付けるポリゴン割付部を備えた３次元広告用キャラクタを生成する３次元広告用キャラクタ生成部と、ゲームストーリーの展開において、動的に各シーンに割り付ける評価値を設定するストーリー展開制御部と、利用者インタフェースを介してゲームを実行するゲーム実行部を備え、前記ストーリー展開制御部が、動的に、前記３次元広告用キャラクタが登場するシーンの評価値を登場しないシーンの評価に比べて大きく設定し、ゲーム利用者に対して広告対象物を含むシーンを優先的に表示・広告することを特徴とする。
【００１７】
上記構成により、利用者は主目的としてインタラクティブゲームを楽しみつつ、かつ、ゲームの登場キャラクタとして自然に広告対象物を認知し、広告対象物を見聞きすることができ、また、ゲームストーリーの展開が当該広告対象物のセールスポイントが協調されるシーンとなるように動的に誘導することができ、広告対象物を効果的に表示・広告することができる。
【００１８】
広告対象物が複数ある場合において、本発明の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムは、それぞれの広告対象物の広告比率を入力する広告比率入力部と、それぞれの広告対象物に対して行なった広告量を検知して広告量の比較を行なう広告量比較部を備え、前記３次元ポリゴンデータ入力部が、当該複数の広告対象物の３次元ポリゴンデータを入力し、前記３次元広告用キャラクタ生成部により、各広告対象物の３次元ポリゴンデータを選択された各登場キャラクタに割り付けて各３次元広告用キャラクタを生成し、前記広告量比較部により、前記各３次元広告用キャラクタが登場する各シーンの広告量を比較し、前記ストーリー展開制御部が、動的に、前記各３次元広告用キャラクタが登場する各シーンの評価値を、前記比較されたそれぞれの広告対象物の広告量が前記広告比率となるように調整することが好ましい。
【００１９】
上記構成により、複数の広告対象物がある場合には、それぞれの広告対象物の広告量が設定した広告比率に漸近するように、バランス良く各広告対象物を広告することができる。
【００２０】
また、本発明の第２の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムにおいて、広告対象物の属性を入力する属性入力部と、前記３次元広告用キャラクタ生成部が、前記入力された広告対象物の属性を前記３次元広告用キャラクタの持つ属性に反映させる属性反映部を備えることにより、利用者が広告対象物を３次元インタラクティブに体感することができ、広告対象物の優位点などを訴求することができる。
【００２１】
さらに、本発明の第２の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムにおいて、前記ゲームストーリー提供部が提供するゲームストーリーが、同じカテゴリに属するキャラクタ同士である３次元広告用キャラクタと比較用キャラクタが登場するものであって、３次元広告用キャラクタと比較用キャラクタの差異であって３次元広告用キャラクタの優位点を表わす比較広告シーンを含み、前記３次元ポリゴンデータ入力部が、広告対象物の３次元ポリゴンデータと比較対象物の３次元ポリゴンデータを入力し、前記属性入力部が、広告対象物の属性と、比較対象物の属性を入力し、前記キャラクタ生成部が、前記ポリゴン割付部により広告対象物の３次元ポリゴンデータを３次元広告用キャラクタとするキャラクタに割り付け、比較対象物の３次元ポリゴンデータを３次元比較広告用キャラクタとするキャラクタに割り付け、前記属性反映部により、前記入力された広告対象物の属性を前記３次元広告用キャラクタの持つ属性に反映させ、前記入力された比較対象物の属性を前記３次元比較広告用キャラクタの持つ属性に反映させ、前記ストーリー展開制御部が、動的に、前記比較広告シーンの評価値を大きく設定し、ゲーム利用者に対して広告対象物の優位点を表示・広告することが好ましい。
【００２２】
上記構成により、比較対象を通じて広告対象物を３次元インタラクティブに体感することができ、広告対象物の優位点などを訴求することができる。
【００２３】
また、前記３次元広告用キャラクタに実行させる広告のためのアクションをナレッジとして蓄積する広告アクションナレッジ蓄積部を備え、前記広告アクションナレッジ蓄積部のナレッジを利用して、広告対象物を広告するシーンを自律的に生成すれば、細かい設定・指示を与えることが必要なくなり、広告システム構築を効率的に行なうことができる。
【００２４】
さらに、前記３次元広告用キャラクタを用いた所定操作行為を広告協調行為として設定する広告協調行為設定部と、前記設定された広告協調行為の実行状況に応じて提供する褒賞の量を定めて与える褒賞提供部と、前記褒賞をインセンティブとして、利用者に前記３次元広告用キャラクタの操作を介して前記広告協調行為を行なわせれば、前記３次元広告用キャラクタに割り付けられた広告対象物を体感することが可能となる。
【００２５】
さらに、利用者の性向を検知する利用者性向検知部と、前記ストーリー展開制御部が、動的に、前記検知された利用者性向に基づいてストーリー展開を変更すれば、利用者の性格を加味した広告を行うことができる。
【００２６】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の３次元インタラクティブゲームシステムおよび３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムの実施形態について説明する。説明の便宜上、インタラクティブゲームのキャラクタとして、表示されるオブジェクトを代替するようあらかじめ設定された属性を持つ複数の広告用のオブジェクトについての３次元ポリゴンデータを用意して割り付け、広告用の３次元キャラクタをインタラクティブゲームシステムのゲーム操作において体感させる広告システムを例として説明する。もちろん３次元広告用キャラクタに限定されず、教育システムに用いられるオブジェクト（例えば医療教育用の人体模型、運転教習用の車）など利用者にオブジェクトの仮想体感を提供するシステムであれば適用できる。
【００２７】
なお、ここで、キャラクタとは、広く有体物一般を含む概念であり、車、テレビ、ジュースなど様々な物をその概念に含むものとする。
【００２８】
（実施形態１）
実施形態１の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムは、広告対象商品を３次元で表示し、仮想現実に近いインタラクティブ操作を可能とし、広告対象物の広告情報量を高めたもので、利用者に対してインタラクティブゲームを提供し、利用者はゲームを楽しみつつ、かつ、ゲームの登場キャラクタとして自然に広告対象物を認知でき、また、ゲームストーリーの展開が当該広告対象物のキャラクタに出会うシーンが多くなるように動的に誘導することができ、広告対象物を効果的に表示・広告するものである。例えば、設置場所として商品販売店の店頭などに設置すれば、販売商品の効果的な広告ができると同時に来客者へのサービス向上にもつながるものである。
【００２９】
ここでは例として、広告対象物が広告主体の特定車種ｂであるとして説明する。
【００３０】
図１は、本発明の実施形態１の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムの概略構成を示すブロック図である。実際の実装にあたっては、これら構成要素を専用のデバイスで構成してもよく、また、処理内容をコンピュータのソフトウェアとして記述してＣＰＵ、メモリなどにより構成しても良い。
【００３１】
図１において、１０はゲームストーリー提供部、２０は登場キャラクタ管理部、３０はデータ入力部、３１は３次元ポリゴンデータ入力部、３２は属性入力部、４０は、３次元広告用キャラクタ生成部、４１はポリゴン割付部、４２は属性反映部、５０はゲーム実行部、５１は利用者インタフェース、６０はストーリー展開制御部、７０は表示部、８０は通信インタフェース、９０はネットワークである。図１では、コンピュータシステム制御に必要なＣＰＵ、メモリ、各種デバイスについては図示を省略している。なお、３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムの各構成要素は専用デバイスでも良く、ソフトウェアとして当該処理内容を記述したライブラリでも良い。
【００３２】
ゲームストーリー提供部１０は、あるシーンから次に展開するシーンが複数ある場合、当該あるシーンが持っている次にどのシーンへ展開するかを評価する評価値に従って、次に展開するシーンが決まるインタラクティブゲームストーリーを提供する部分である。ゲームストーリー提供部１０は、ゲームメモリを含んでいる。ゲームストーリー提供部１０が提供するゲームは特に限定されることはないが、利用者が興味を示すゲームとした方が、利用者が本発明の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システム利用の動機付けとなる。複数のゲームを用意しておくことも可能であり、ゲームメニューなどを提示して利用者に遊びたいゲームを選択させても良い。ゲームストーリー提供部１０は、あらかじめゲームをゲームメモリに格納しておいても良く、また、利用者によるゲームメニューからの選択に応じ、通信インタフェース８０を介してネットワーク９０からゲームをダウンロードする構成でも良い。
【００３３】
登場キャラクタ管理部２０は、ゲームに登場するキャラクタを管理する部分である。この登場キャラクタ管理部２０により管理されているキャラクタはゲームにおいて当初設定されているキャラクタである。複数のキャラクタが存在しても良いことは言うまでもない。このキャラクタのうち選ばれたものに対して、後述するように、ポリゴン割付部４１と属性反映部４２を用いて、広告対象商品に関するデータを割り当てる。
【００３４】
データ入力部３０は、広告対象物に関するデータを入力する部分であり、広告対象物の３次元ポリゴンデータを入力する３次元ポリゴンデータ入力部３１と、広告対象物の属性を入力する属性入力部３２とを備えている。ここでいう３次元ポリゴンデータにはテクスチャデータも含む。またここでいう属性には、広告対象物の特性、機能、材質に基づく性質、色、重さなどの諸属性が含まれる。キャラクタが車であるとすると、３次元ポリゴンデータとしては、形状、色などのデータが入力され、属性の例としては、エンジンの燃費、ＡＢＳ（アンチロックブレーキシステム）搭載の有無を含むブレーキ性能、搭載オーディオの特性などが入力される。この広告対象物データもあらかじめ複数の広告対象物のデータを登録しておいても良い。例えば、車の広告であれば、複数の広告対象車種を用意しても良い。
【００３５】
３次元広告用キャラクタ生成部４０は、ポリゴン割付部４１と属性反映部４２を備え、登場キャラクタ管理部が管理するキャラクタから選ばれたものを用いて、３次元ポリゴンデータ割り付けによる形状調整と、属性情報の反映による属性調整を行って広告対象物を３次元仮想空間に再現した３次元広告用キャラクタを生成する部分である。ポリゴン割付部４１は、選ばれた登場キャラクタに対して、広告対象物のうちから選んだ３次元ポリゴンデータを割り付ける部分である。属性反映部４２は、ポリゴン割付部４１が割り付けた３次元キャラクタに対して、入力された広告対象物の属性を当該３次元キャラクタの属性として反映させる部分である。このキャラクタ割付処理と属性反映処理により、広告対象物が３次元仮想空間上で３次元広告用キャラクタとして再現される。このように、３次元広告用キャラクタを提供するので、従来技術における２次元のテキストベースのバナー広告より広告情報量が各段に大きいものとなっている。また、３次元広告用キャラクタとして再現されるので、利用者は３次元仮想空間内で３次元広告用キャラクタを通じて広告対象物を仮想的に体感することができる。
【００３６】
ゲーム実行部５０は、ゲーム実行部５０はゲームメモリからゲームを読み出して実行するコントローラ部分であり、ゲームストーリー提供部１０が提供するゲームを利用者からの操作を基に実行する部分である。ゲーム実行部５０は、利用者が操作する利用者インタフェース５１を備えている。例えば、マウス、キーボード、ジョイスティック、音声入力装置などである。
【００３７】
ストーリー展開制御部６０は、ゲームストーリーの展開において、動的に各シーンに割り付ける評価値を設定する部分である。図２は、ストーリー展開制御部６０による動的な各シーンに割り付ける評価値の設定の概念を説明する図である。図２において、各ノードはストーリー提供部１０が提供する各シーンであり、各枝分かれはストーリーが展開してゆく様子を示している。各ノードから出ている各枝は展開され得る次のシーンへのパスを示しており、各枝は利用者からの入力アクションごとに分類され、各枝の横に付されている数値は各シーンに割り付けられた評価値を示している。ストーリー展開制御部６０は動的にこの評価値を設定・変更する。ストーリーの展開は、あるノードから次のシーンとなるノードは利用者のアクションと各枝に付された評価値を基に選択される。このストーリーが展開して行く様子と動的に評価値が設定・変更されてストーリーが誘導されて行く様子は後述する。
【００３８】
表示部７０は、３次元インタラクティブゲームの仮想空間の舞台セットおよび登場キャラクタとその動きを表示する部分であり、表示に必要な各種デバイスと表示装置としてのモニタを含む。
【００３９】
通信インタフェース８０は、ネットワーク９０に対してデータ入出力を制御するために必要な各種デバイス、通信ソフトウェアを含むもので、ネットワーク９０上の定められたプロトコルに従ってデータ入出力が可能とする。
【００４０】
ネットワーク９０は、インターネットなどのネットワークである。
【００４１】
次に、図１に示した本発明の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムの動作を図３のフローチャートを参照しつつ説明する。以下の例では、システム設置場所を車のディーラ販売店とし、広告対象物を特定車種ｂの車とし、ゲームとしては車が登場するゲームを用意する。例えば、３次元仮想街中である舞台を特定車種ｂの車でドライブし、特定車種ｂの車のイメージキャラクタである人工生物を追いかけて捕まえるというゲームとする。
【００４２】
まず、ゲームストーリー提供部１０は、ゲームを用意する（ステップＳ３０１）。例えば、表示部７０に表示されたゲームメニューから、利用者が遊びたいゲームを選択する。利用者の選択により、通信インタフェース８０を介してネットワーク９０から選択されたゲームをダウンロードする。この例ではいずれも車が登場するゲームをメニューに用意しておき、利用者の選択によりあるゲームが選択され、ネットワーク９０からダウンロードされたとする。ゲームストーリー提供部１０は、ダウンロードされたゲームをゲームメモリに格納し、ゲームメモリと後述するゲーム実行部５０を用いてゲームを提供する。
【００４３】
次に、登場キャラクタ管理部２０は、ゲームストーリー提供部１０が提供するゲームに登場するキャラクタを検知し、各キャラクタを管理する（ステップＳ３０２）。この例では、ゲームストーリー提供部１０が提供するゲームに登場するキャラクタとして、車のキャラクタＡ，Ｂが管理されるものとする。
【００４４】
次に、広告主体は、データ入力部３０の３次元ポリゴンデータ入力部３１と、広告対象物の属性を入力する属性入力部３２を介して、広告対象物に関するデータを入力する（ステップＳ３０３）。この例では、３次元ポリゴンデータ入力部３１を介して広告対象物となる複数の広告対象車種ａ〜ｃの３次元ポリゴンデータ（テクスチャデータを含む）が入力され、それぞれの広告対象車種ａ〜ｃの形状、色などのデータが入力される。また、属性入力部３２を介して広告対象車種ａ〜ｃの属性情報が入力され、エンジンの燃費、ブレーキ性能、搭載オーディオの特性などが入力される。なお、ここでは特定車種ｂは、ＡＢＳを搭載しており、ブレーキ性能が高いものとする。
【００４５】
次に、３次元広告用キャラクタ生成部４０のポリゴン割付部４１により、選ばれた登場キャラクタに対して、割り付ける広告対象車種を決め、当該広告対象車種の３次元ポリゴンデータを登場キャラクタに割り付ける（ステップＳ３０４）。このステップＳ３０４により、選ばれた登場キャラクタの外観が選ばれた広告対象物の外観となる。この例では、選ばれた登場キャラクタが車キャラクタＡとし、選ればれた広告対象車種がｂとする。つまり車キャラクタＡに特定車種ｂの形状の３次元ポリゴンデータ、テクスチャデータなどが割り付けられ、車キャラクタＡの外観が、広告対象物が特定車種ｂの外観になる。図４は上記ステップＳ３０４によって広告対象車種ｂの広告用３次元キャラクタが生成される様子を簡単に示したものである。インタラクティブゲーム仮想空間にデフォルトとして存在する広告対象車種を割り当てる前の車のキャラクタがあり、この例では広告対象物３次元ポリゴンデータとして３つの広告対象車種ａ〜ｃがあり、広告対象物３次元ポリゴンデータｂが広告対象車種として選択されて、インタラクティブゲーム仮想空間の車のキャラクタに割り当てられた様子を示している。
【００４６】
次に、属性反映部４２により、広告対象物の属性を当該３次元キャラクタの属性として反映させる（ステップＳ３０５）。このステップＳ３０５により、選ばれた登場キャラクタの属性が広告対象物の属性となり、登場キャラクタは外観および属性が広告対象物のものとなり、広告対象物が３次元仮想空間上で再現されることとなる。ここでは、車キャラクタＡに対して特定車種ｂの属性情報が割り付けられ、特定車種ｂのエンジンの燃費、ブレーキ性能、搭載オーディオの特性などの属性情報が割り付られる。特定車種ｂは、ＡＢＳが搭載されているものとし、ブレーキ性能が高いものとし、特定車種ｂが３次元仮想空間上で３次元広告用キャラクタとして再現される。このように、３次元広告用キャラクタとして再現されるので、利用者は３次元仮想空間内で３次元広告用キャラクタを通じて広告対象物である特定車種ｂを仮想的に体感することができる。
【００４７】
次に、利用者は、ゲーム実行部５０の利用者インタフェース５１を介してゲームの実行を開始し、ゲームを実行して行く（ステップＳ３０６）。選ばれたゲームが開始され、利用者はマウスなどの利用者インタフェース５１を用いて操作する。表示部７０上にゲームの舞台セットとなる３次元仮想空間が表示され、ゲームの進行に伴って各種キャラクタが登場し、動作する。
【００４８】
次に、ストーリー展開制御部６０により、ゲームストーリーの展開において、動的に各シーンに割り付ける評価値を設定する（ステップＳ３０７）。広告媒体が割り付けられたキャラクタが登場するシーンに展開するようにストーリーを誘導して行く。この様子を図２において説明する。例えば、現在のストーリー進行がノード２０３にある状況とする。なお、図２に示されたノードうち、２０５が人工生物が急に交差点を横切るシーンとし、他のノードは人工生物が現れないシーンとする。ここではストーリー展開制御部６０は、次のシーンとして人工生物が表れるシーンを挿入するように制御するものとし、動的にノード２０５に対する枝の評価値を大きくする（例えば０.７）。ここで、ノード２０３において利用者のアクションがｎ１であった場合、続くシーン２０４、２０５、２０６それぞれに付された評価値はそれぞれ０.２、０.７、０.１なのでノード２０５のシーンに展開されるように制御されることとなる。
【００４９】
シーン２０５では、利用者は人工生物を追いかけるため、交差点を急に曲がろうとして急ブレーキを踏む可能性が高い。もし急ブレーキを踏めば、３次元仮想空間での仮想のドライブ操作過程において、特定車種ｂのブレーキ性能の一つであるＡＢＳ機能を体感することができる。
【００５０】
このステップＳ３０７に示したストーリー展開制御部６０により、ゲームのストーリー展開を制御して行く。
【００５１】
以上、本発明の実施形態１の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムによれば、広告対象商品を３次元で表示し、仮想現実に近いインタラクティブ操作を可能とし、広告対象物の広告情報量を高めることができ、利用者に対してインタラクティブゲームを提供し、利用者はゲームを楽しみつつ、かつ、ゲームの登場キャラクタとして自然に広告対象物を認知でき、また、ゲームストーリーの展開が当該３次元広告用キャラクタの優位点を体感できるシーンが多くなるように動的に誘導することができ、広告対象物を効果的に表示・広告することができる。
【００５２】
（実施形態２）
実施形態２は、本発明の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムにおいて、広告対象物が複数ある場合を説明したものである。それぞれの広告対象物の広告比率を入力する広告比率入力部を備え、３次元ポリゴンデータ入力部が、当該複数の広告対象物の３次元ポリゴンデータを入力し、３次元広告用キャラクタ生成部がそれぞれの広告対象物を３次元仮想空間上で再現した３次元広告用キャラクタとし、ストーリー展開制御部が、動的に、前記それぞれの広告対象物が割り付けられた登場キャラクタが登場する各シーンの評価値を、それぞれの広告対象物の実際の広告量が広告比率となるように調整し、ゲーム利用者に対してそれぞれの広告対象物を効果的に表示・広告するものとなっている。
【００５３】
図５は、本発明の実施形態２の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムの概略構成を示すブロック図である。実際の実装にあたっては、これら構成要素を専用のデバイスで構成してもよく、また、処理内容をコンピュータのソフトウェアとして記述してＣＰＵ、メモリなどにより構成しても良い。
【００５４】
図５に示すように、ゲームストーリー提供部１０、登場キャラクタ管理部２０、データ入力部３０、３次元ポリゴンデータ入力部３１、属性入力部３２、３次元広告用キャラクタ生成部４０、ポリゴン割付部４１、属性反映部４２、ゲーム実行部５０、ストーリー展開制御部６０、表示部７０、通信インタフェース８０、ネットワーク９０に加え、広告比率入力部１１０、広告量比較部１２０を備えている。図５では、コンピュータシステム制御に必要なＣＰＵ、メモリ、各種デバイスについては図示を省略している。これらは専用デバイスでも良く、ソフトウェアとして当該処理内容を記述したライブラリでも良い。
【００５５】
広告比率入力部１１０は、広告対象物が複数ある場合にそれぞれの広告対象物の広告比率を入力する部分である。広告比率とは、それぞれの広告対象物が利用者の目に触れる度合いを示す数値であり、広告比率が高い広告対象物ほど利用者の目に触れる度合いが高くなるように制御される。広告比率を設定することにより、例えば、複数の広告対象物のうち、特に重点的に広告したいものが存在する場合にその広告対象物の広告量の比率を高めたり、広告主体が複数存在する場合に互いの広告量の比率を定めたりすることが可能となる。また、広告比率に応じて各広告対象物の広告量をバランス良く設定できるという利点もある。単に広告する優劣のみを設定した場合、最も優先度が高い広告対象物が常に優先され、他の広告対象物がまったく表示されなくなるという問題が生じる。本実施形態２の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムでは、各広告対象物をバランス良く広告するため、それぞれの広告量の比率を設定する。
【００５６】
広告量比較部１２０は、ゲームのストーリー展開において、それぞれの広告対象物が表示されるシーンがどのぐらい表示され、広告されているかという広告量を検知し、比較する部分である。ここで広告量の検知は、広告対象物が表示されたシーンの回数で検知することもでき、広告対象物が表示されたシーンの表示時間で検知することもできる。また、利用者への訴求度合いを検知する一つの方法として、表示画面上の表示面積と表示時間の積を広告量とすることもできる。
【００５７】
また、本実施形態２では、広告対象物が複数あるので、各要素が複数の広告対象物を扱えるように工夫されている。データ入力部３０はそれら広告対象物を含む複数の広告対象物のデータの入力を受け付ける。
【００５８】
３次元広告用キャラクタ生成部は、それぞれの３次元広告用キャラクタを生成する。つまり、ポリゴン割付部４１によりそれぞれの広告対象物に対して選択される登場キャラクタに対して３次元ポリゴンデータを割り付ける。また、属性反映部４２によりそれぞれの広告対象物の属性データを対応する登場キャラクタの属性として反映させる。このように、複数の３次元広告用キャラクタが再現されるので、利用者は３次元仮想空間内で３次元広告用キャラクタを通じて複数の広告対象物を１つのゲームにおいてまとめて仮想的に体感することができる。
【００５９】
ストーリー展開制御部６０は、動的に、それぞれの広告対象物が割り付けられた３次元広告用キャラクタが登場する各シーンの評価値を、それぞれの広告対象物の広告量が前記広告比率に漸近するように設定し、ストーリーを展開して行く。
【００６０】
動的に評価値が、それぞれの広告対象物の広告量が前記広告比率に漸近するように設定・変更されてストーリーが誘導されて行く様子を図６を参照しつつ説明する。
【００６１】
広告対象物が特定車種ａの車と特定車種ｂの車とし、ゲームとして仮想街中を歩く利用者が車に出会うシーンが含まれているゲームが実行されているものとする。特定車種ａの広告比率が０．７、特定車種ｂの広告比率が０．３とする。
【００６２】
いま、ノード５０３の下には、ノード５０４からノード５０６の３つのノードがあり、シーン５０５は、ストーリー展開において利用者が広告対象物である特定車種ａの車に出会うというシーンとし、シーン５０６は、ストーリー展開において利用者が広告対象物である特定車種ｂの車に出会うというシーンとする。デフォルトのゲームストーリーにおけるノード５０４の評価値が０．１、ノード５０５の評価値が０．７、ノード５０６の評価値が０．２であったとする。
【００６３】
利用者がゲームを実行して、ストーリー進行がノード５０１からノード５０３に進んだとする。広告比率を考慮しない場合は、そのまま評価値の大きさに従ってノード５０６に進み、ストーリー展開において利用者が広告対象物である特定車種ａの車の３次元広告用キャラクタに出会うというシーンになる。しかし、実施形態２の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムでは、ゲームのストーリー展開において、過去、広告対象物である特定車種ａと特定車種ｂがどのぐらい表示され、広告されているかという広告量を検知し、比較する。この例では広告量の検知は、広告対象物が表示されたシーンの回数で検知することとする。ここでは、検知された特定車種ａの広告量が０．８、特定車種ｂの広告量が０．２であったとする。
【００６４】
特定車種ａの広告比率が０．７、特定車種ｂの広告比率が０．３であり、実際の特定車種ａの広告量が０．８、特定車種ｂの広告量が０．２であったため、過去のゲームストーリー展開では、特定車種ａの広告回数が少々過剰であることが分かる。そこで、ストーリー展開制御部６０は、実際の特定車種ａの広告量と特定車種ｂの広告量が広告比率に漸近するように、つまり、ここでは、特定車種ｂの３次元広告用キャラクタが登場するシーンとすべく、ノード５０６の評価値を高く設定する。例えば、ノード５０４の評価値を０．１、ノード５０５の評価値を０．２、ノード５０６の評価値を０．７とする。
【００６５】
広告比率を考慮したストーリー展開制御部６０の評価値の動的な設定・変更の結果、評価値の大きさに従ってノード５０６に進み、ストーリー展開において利用者が広告対象物である特定車種ｂの車の３次元広告用キャラクタに出会うというシーンになる。
【００６６】
ノード５０６に進んだため、特定車種ａの広告量０．８、特定車種ｂの広告量０．２だったものが、広告比率である特定車種ａの広告比率０．７、特定車種ｂの広告比率０．３に漸近する方向に改善される。
【００６７】
以上、本実施形態２の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムによれば、広告対象物が複数ある場合、それぞれの広告対象物の広告比率を設定し、ストーリー展開制御部により、動的に、それぞれの広告対象物が割り付けられた登場キャラクタが登場する各シーンの評価値を、それぞれの広告対象物の実際の広告量が広告比率に漸近するように設定し、ゲーム利用者に対してそれぞれの広告対象物を効果的に表示・広告することができる。
【００６８】
（実施形態３）
実施形態３の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムは、広告対象物に対する３次元広告用キャラクタに加えて、比較広告するための３次元比較広告用キャラクタを用意し、利用者に対する比較広告を通じて、広告対象物の性能などの優位点を仮想的に体感することができ、効果的に表示・広告できるシステムである。
【００６９】
図７は、本発明の実施形態３の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムの概略構成を示すブロック図である。実際の実装にあたっては、これら構成要素を専用のデバイスで構成してもよく、また、処理内容をコンピュータのソフトウェアとして記述してＣＰＵ、メモリなどにより構成しても良い。
【００７０】
図７に示すように、ゲームストーリー提供部１０ａ、登場キャラクタ管理部２０ａ、データ入力部３０ａ、３次元ポリゴンデータ入力部３１ａ、属性入力部３２ａ、３次元広告用キャラクタ生成部４０ａ、ポリゴン割付部４１ａ、属性反映部４２ａ、ゲーム実行部５０ａ、ストーリー展開制御部６０ａ、表示部７０ａ、通信インタフェース８０、ネットワーク９０を備えている。図７では、コンピュータシステム制御に必要なＣＰＵ、メモリ、各種デバイスについては図示を省略している。これらは専用デバイスでも良く、ソフトウェアとして当該処理内容を記述したライブラリでも良い。
【００７１】
本実施形態３では、広告対象物と比較広告用の対象物があるので、各要素がそれらを扱えるように工夫されている。
【００７２】
ゲームストーリー提供部１０ａが提供するゲームストーリーが、同じカテゴリに属するキャラクタ同士である３次元広告用キャラクタと３次元比較広告用キャラクタが登場するものであって、３次元広告用キャラクタと３次元比較広告用キャラクタの差異であって３次元広告用キャラクタの優位点を表わす比較広告シーンを含むものとする。
【００７３】
また、登場キャラクタ管理部２０ａが管理するキャラクタとして前記３次元広告用キャラクタと比較用キャラクタを含むものとする。
【００７４】
データ入力部３０ａは広告対象物と比較広告用対象物を含む複数のデータの入力を受け付ける。つまり、３次元ポリゴンデータ入力部３１により、広告対象物と比較広告用対象物の３次元ポリゴンデータを含むデータを入力し、属性入力部３２により、広告対象物と比較広告用対象物の属性データを含むデータを入力する。広告対象物の属性データとして広告対象物が持つセールスポイントとなる機能や性能などのデータを入力することができるものとする。
【００７５】
３次元広告用キャラクタ生成部４０ａは、３次元広告用キャラクタと３次元比較広告用キャラクタを生成する。ポリゴン割付部４１ａにより広告対象物に対して選択された３次元広告用キャラクタと、比較広告用の対象物に対して選択された３次元比較広告用キャラクタに対して３次元ポリゴンデータを割り付け、また、属性反映部４２ａによりそれぞれの属性データを反映させる。つまり、広告対象物が３次元仮想空間上の３次元広告用キャラクタとして再現され、比較広告用対象物が３次元仮想空間上の３次元比較広告用キャラクタとして再現される。再現された３次元広告用キャラクタは広告対象物の持つ機能や性能などのセールスポイントが体感できるものとなっており、また逆に、３次元比較広告用キャラクタは、広告対象物の持つ機能や性能などのセールスポイントを持たないものとなっており、両者の違いを通じて広告対象物の持つ優位点を強くアピールできるものとなっている。
【００７６】
利用者は３次元仮想空間内で３次元広告用キャラクタと３次元比較広告用キャラクタとの比較を通じて広告対象物の優位点を仮想的に体感することができる。
【００７７】
ストーリー展開制御部６０ａは、動的に、ゲームストーリー提供部１０ａが提供する比較広告シーンの評価値を大きく設定する。それゆえ、利用者はゲームを通じて広告対象物の優位点を体感することができ、広告対象物を効果的に表示・広告することが可能となる。
【００７８】
以下に本実施形態３の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムによる比較広告の具体例を図８のフローチャートを参照しつつ示す。この例では、広告対象物を特定車種の車ａとし、比較広告用対象物を特定車種の車ｃとし、特定車種の車ａはブレーキ性能としてＡＢＳ（アンチロックブレーキシステム）を持ち、特定車種の車ｃはブレーキ性能としてＡＢＳを持たない者とする。
【００７９】
ゲームストーリー提供部１０ａが３次元広告用キャラクタの車と３次元比較広告用キャラクタの車の比較広告シーンが含まれているゲームを選択して提供する（ステップＳ８０１）。この例では提供されるゲームストーリーは、３次元広告用キャラクタの車と３次元比較広告用キャラクタの車がレースを行なうものとする。また、ゲームストーリーの中で、両者が急にブレーキを踏む必要が生じ、急ブレーキを踏みつつハンドルを切って操縦する比較広告シーンを含むものとする。
【００８０】
登場キャラクタ管理部２０ａは、３次元広告用キャラクタＡと比較用キャラクタＣを含むゲーム中のキャラクタを管理する（ステップＳ８０２）。
【００８１】
３次元ポリゴンデータ入力部３１ａから、広告対象物となる特定車種ａの３次元ポリゴンデータと比較用対象物となる特定車種ｃの３次元ポリゴンデータを入力し、属性入力部３２ａから、広告対象物の属性と比較対象物の属性を入力する（ステップＳ８０３）。ここでは、広告対象物の属性情報としてＡＢＳに関する属性データが含まれ、比較対象物の属性情報にはＡＢＳに関する属性データが含まれず、標準的なブレーキに関する属性データが含まれている。
【００８２】
次に、３次元広告用キャラクタ生成部４０のポリゴン割付部４１ａが、広告対象物の３次元ポリゴンデータを３次元広告用キャラクタに割り付け、３次元広告用キャラクタの外観が特定車種ａとなり、比較広告用対象物の３次元ポリゴンデータを３次元比較広告用キャラクタに割り付け、３次元比較広告用キャラクタの外観が特定車種ｃとなる（ステップ８０４）。さらに、属性反映部４２ａが、広告対象物の属性を３次元広告用キャラクタの属性に反映させることにより３次元広告用キャラクタのブレーキ性能がＡＢＳが搭載された特定車種ａの性能となり、比較対象物の属性を３次元比較広告用キャラクタの属性に反映させることにより３次元比較広告用キャラクタのブレーキ性能が標準ブレーキ性能である特定車種ｃの性能となる（ステップＳ８０５）。このように広告対象物である特定車種ａと比較広告対象物である特定車種ｃが３次元仮想空間内に再現される。
【００８３】
利用者がゲームを開始し、ゲーム実行部５０ａによりゲームが実行される（ステップＳ８０６）。例えば、利用者が３次元広告用キャラクタの車を操縦し、自動走行する３次元比較広告用キャラクタの車とレースを行なう。
【００８４】
ストーリー展開制御部６０ａが、動的に、比較広告シーンの評価値を大きく設定する（ステップＳ８０７）。つまり、何か障害物などがあり、両者が急ブレーキを踏むこととなる比較広告シーンの評価値を大きくなるように設定・変更する。
【００８５】
ゲーム実行部５０ａは、ストーリー展開制御部６０ａが設定・変更した評価値に基づき、比較広告シーンに遷移し、利用者に比較広告シーンを体感させる（ステップＳ８０８）。３次元広告用キャラクタの車と３次元比較広告用キャラクタの車は双方とも急ブレーキを踏むこととなる。３次元広告用キャラクタの車は仮想的にＡＢＳ機能を搭載しているので、利用者は急ブレーキを踏みつつも、ハンドルによる車の操縦がある程度可能となることが仮想的に体感できる。一方、レース相手の車は、ＡＢＳ機能を搭載していないので、急ブレーキを踏むとハンドルがロックされてハンドルによる車の操縦が不能になる様子も併せて見て体感することができる。
【００８６】
以上、本発明の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムによれば、広告対象物に対する３次元広告用キャラクタに加えて、比較広告するための３次元比較広告用キャラクタを用意し、ゲームにおける両者の比較広告シーンを通じて、利用者が広告対象物の性能などの優位点を仮想的に体感することができ、利用者に対して広告対象物を効果的に広告できる。
【００８７】
（実施形態４）
実施形態４の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムは、３次元広告用キャラクタに実行させる広告のためのアクションをナレッジとして蓄積して行き、当該ナレッジを利用して、広告対象物を広告するシーンを自律的に生成するものである。
【００８８】
図９は、実施形態４の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムの概略構成を示すブロック図である。実際の実装にあたっては、これら構成要素を専用のデバイスで構成してもよく、また、処理内容をコンピュータのソフトウェアとして記述してＣＰＵ、メモリなどにより構成しても良い。
【００８９】
図９に示すように、ゲームストーリー提供部１０、登場キャラクタ管理部２０、データ入力部３０、３次元ポリゴンデータ入力部３１、属性入力部３２、３次元広告用キャラクタ生成部４０、ポリゴン割付部４１、属性反映部４２、ゲーム実行部５０、ストーリー展開制御部６０、表示部７０、通信インタフェース８０、ネットワーク９０に加え、広告アクションナレッジ蓄積部１３０とプログラム生成部１４０を備えている。図９では、コンピュータシステム制御に必要なＣＰＵ、メモリ、各種デバイスについては図示を省略している。これらは専用デバイスでも良く、ソフトウェアとして当該処理内容を記述したライブラリでも良い。
【００９０】
広告アクションナレッジ蓄積部１３０は、３次元広告用キャラクタに実行させる広告のためのアクションをナレッジとして蓄積する部分である。過去に与えられた広告用アクションに関する知識や、あらかじめ与えられた広告用アクションに関する知識などを蓄積して行く。このように、本実施形態４の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムは、広告に関する自らのアクションを学習し、そのパターン化を行うことができる。
【００９１】
プログラム生成部１４０は、システム管理者などから、広告に関するアクション指示内容の入力を受け、広告アクションナレッジ蓄積部１３０に蓄積された広告に関するアクションの知識を基に、自律的に広告に関するアクションのためのプログラムを自動生成する部分である。プログラムの自動生成を容易とするために、各種ライブラリを備え、例えばオブジェクト指向プログラミングによりプログラムモジュールを組み立てる。
【００９２】
本発明の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムは、上記実施形態に示してきたように、登場キャラクタ管理部２０により登場キャラクタを管理し、さらに、データ入力部３０、３次元広告用キャラクタ生成部４０、ポリゴン割付部４１、属性反映部４２により、広告対象物などを３次元キャラクタとして生成することができるものであり、舞台セットと登場キャラクタが分離されて生成されているので、舞台セット、登場キャラクタの組み替え、アクションの組み替えが容易に行うことができ、プログラムの自律的生成には適した構成となっている。
【００９３】
また、広告プロモータやシステム管理者などが本発明の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムに与える指示は、広告アクションナレッジ蓄積部１３０の蓄積知識やプログラム生成部１４０のライブラリが充実するにつれ、簡単な内容で済むようになる。
【００９４】
以上、実施形態４の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムによれば、３次元広告用キャラクタに実行させる広告のためのアクションをナレッジとして蓄積して行き、当該ナレッジを利用して、広告対象物を広告するシーンを自律的に生成することができる。
【００９５】
（実施形態５）
実施形態５の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムは、利用者に対してゲームを通じて所定の操作をさせ、褒賞をインセンティブとして３次元広告用キャラクタを用いて長く遊ばせたりし、利用者に３次元広告用キャラクタを体感させるように誘導するシステムである。
【００９６】
図１０は、本発明の実施形態５の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムの概略構成を示すブロック図である。実際の実装にあたっては、これら構成要素を専用のデバイスで構成してもよく、また、処理内容をコンピュータのソフトウェアとして記述してＣＰＵ、メモリなどにより構成しても良い。
【００９７】
図１０に示すように、ゲームストーリー提供部１０、登場キャラクタ管理部２０、データ入力部３０、３次元ポリゴンデータ入力部３１、属性入力部３２、３次元広告用キャラクタ生成部４０、ポリゴン割付部４１、属性反映部４２、ゲーム実行部５０、ストーリー展開制御部６０、表示部７０、通信インタフェース８０、ネットワーク９０に加え、広告協調行為設定部１５０と褒賞提供部１６０を備えている。図１０では、コンピュータシステム制御に必要なＣＰＵ、メモリ、各種デバイスについては図示を省略している。これらは専用デバイスでも良く、ソフトウェアとして当該処理内容を記述したライブラリでも良い。
【００９８】
広告協調行為設定部１５０は、利用者の３次元広告用キャラクタを用いた所定操作行為を広告協調行為として設定するものである。所定操作行為としては、広告主体がアピールしたい広告対象物の性能を用いるような操作であっても良いし、利用者に長く遊んでもらえるように手間のかかる操作行為や興味のある操作行為であっても良い。また、利用者に関する情報を集めるため、趣味や家族構成など利用者に関する質問に答えさせるものであっても良い。
【００９９】
褒賞提供部１６０は、設定された広告協調行為の実行状況に応じて利用者に対して提供する褒賞の量を定めて与える部分である。利用者に広告協調行為を行わせるためのインセンティブを与えるものである。褒賞の内容は特に限定されないが、例えば、広告対象物に関する割引チケットの提供、広告対象物とは関係の薄い別の商品の割引チケットの提供、小口商品の提供などである。
【０１００】
ストーリー展開制御部６０が広告協調行為の難易度を動的に調整して、利用者に広告協調行為を長く続けてもらう工夫をすることも可能である。
【０１０１】
具体例を示す。システム設置場所を車のディーラ販売店とし、広告対象物を特定車種ａの車とし、広告協調行為設定部１５０により設定した広告協調行為を、３次元仮想街中である舞台を特定車種ａの車でドライブし、特定車種ａの車のイメージキャラクタである人工生物を追いかけて捕まえるという行為とする。褒賞提供部１６０が与える褒賞を当該人工生物の人形とする。
【０１０２】
車のディーラ販売店店頭に置かれたゲームには、軽快な音楽と人工生物の可愛い動作が盛り込まれている。休止画面には、当該ゲームの内容説明とゲームの褒賞の紹介が行われている。興味を示した来客者がゲームを開始し、広告協調行為を行う。つまり、３次元仮想街中を特定車種ａの車でドライブし、特定車種ａの車のイメージキャラクタである人工生物を追いかける。
【０１０３】
ストーリー展開制御部６０は、利用者のゲーム操作時間などを考慮して、ストーリー展開を制御して行く。また、捕まえられそうで捕まえられないという一種の「じらし」もゲーム操作者の関心を持続させるためには有効である。
【０１０４】
利用者がイメージキャラクタである人工生物を捕まえることができた場合、広告協調行為が達成されたとして褒賞提供部１６０が褒賞であるイメージキャラクタ人形を利用者に差し出す。交換チケットの発券などでも良く、後方にいる販売支援店員に対して、利用者に褒賞を与える旨を通知する構成としても良い。
【０１０５】
以上、実施形態５の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムによれば、褒賞をインセンティブとして利用者に対してゲームを通じて所定の操作をさせ、利用者に３次元広告用キャラクタを体感させるように誘導することができる。
【０１０６】
（実施形態６）
実施形態６の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムは、利用者の性向を検知して利用者の性向に合わせてゲームストーリー展開を動的に調整して行き、利用者にカスタマイズした効果的な広告を行うシステムである。
【０１０７】
図１１は、本発明の実施形態６の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムの概略構成を示すブロック図である。図１１に示したように、ゲームストーリー提供部１０、登場キャラクタ管理部２０、データ入力部３０、３次元ポリゴンデータ入力部３１、属性入力部３２、３次元広告用キャラクタ生成部４０、ポリゴン割付部４１、属性反映部４２、ゲーム実行部５０、ストーリー展開制御部６０、表示部７０、通信インタフェース８０、ネットワーク９０に加え、利用者の性向を検知する利用者性向検知部１７０が加えられている。
【０１０８】
利用者性向検知部１７０は、利用者の性向を検知する部分である。利用者の性向を検知する方法は限定されないが、例えば、利用者のゲーム中における行為、マウスのクリック回数の多寡により利用者の積極性を推定して検知することができ、また、ゲーム操作の巧拙などを検知することができる。
【０１０９】
ストーリー展開制御部６０は、利用者性向検知部１７０が検知した利用者性向に基づいてストーリー展開を変更する。
【０１１０】
また、利用者自身が自らの性向を入力することも可能である。ゲームの登場キャラクタの形状の好き嫌い、色の好き嫌い、背景音楽の好き嫌いなど、利用者の性向を自ら入力させれば、利用者の性向に合う登場キャラクタに関するデータをデータ入力部３０から入力し、３次元広告用キャラクタ４０のポリゴン割付部４１、属性反映部４２により、登場キャラクタの再生成を行ってカスタマイズすることができる。
【０１１１】
また、利用者自身が自らが、ゲームの内容のレベルを入力することも可能である。ゲーム内容のレベル入力に合わせて、ストーリー展開制御部６０が、ストーリー展開を変更してゲーム内容のレベルを調整する。
【０１１２】
以上、実施形態６の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムによれば、利用者の性向を検知して利用者の性向に合わせてゲームストーリー展開を動的に調整して行き、利用者にカスタマイズした効果的な広告を行うことができる。
【０１１３】
（実施形態７）
本発明の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムは、インタラクティブゲームストーリーと、３次元広告用キャラクタに関するデータを、ネットワークメディアを介してダウンロードして取り込むことができる。そのため、ネットワークメディアに対応したデジタル画像送受信装置を備える。ネットワークメディアの例としては、３次元データが送受信される次世代デジタルテレビジョンネットワーク、インターネットなどを含み、有線、無線を問わない。
【０１１４】
（実施形態８）
本発明の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムは、上記に説明した構成を実現する処理ステップを記述したプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して提供することにより、各種ＣＡＤコンピュータなどを用いて構築することができる。本発明の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムを実現する処理ステップを備えたプログラムを記録した記録媒体は、図１２に図示した記録媒体の例に示すように、ＣＤ−ＲＯＭ２０２やフレキシブルディスク２０３等の可搬型記録媒体２０１だけでなく、ネットワーク上にある記録装置内の記録媒体２００や、コンピュータのハードディスクやＲＡＭ等の記録媒体２０５のいずれであっても良く、プログラム実行時には、プログラムはコンピュータ２０４上にローディングされ、主メモリ上で実行される。
【０１１５】
【発明の効果】
本発明の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムによれば、広告対象商品を３次元で表示し、仮想現実に近いインタラクティブ操作を可能とし、ゲーム操作を通じて広告対象物の広告情報量を高め、広告対象物を３次元仮想空間内でインタラクティブに体感できる。本発明のシステムを店頭などに設置すれば、広告対象商品の効果的な広告ができると同時に来客者に対するサービス向上にもつながる。
【０１１６】
本発明の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムによれば、利用者は主目的としてインタラクティブゲームを楽しみつつ、かつ、ゲームの登場キャラクタとして自然に広告対象物を認知し、広告対象物を見聞きすることができ、また、ゲームストーリーの展開が当該広告対象物のセールスポイントが協調されるシーンとなるように動的に誘導することができ、広告対象物を効果的に表示・広告することができる。
【０１１７】
また、複数の広告対象物がある場合には、それぞれの広告対象物の広告量を広告比率として設定でき、バランス良く各広告対象物を広告することができる。
【０１１８】
また、本発明の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムによれば、比較対象を通じた比較広告により、広告対象物の優位点を３次元インタラクティブに体感することができる。また、ナレッジを利用して、広告対象物を広告するシーンを自律的に生成すれば、細かい設定・指示を与えることが必要なくなり、広告システム構築を効率的に行なうことができる。さらに、褒賞をインセンティブとして、利用者に前記３次元広告用キャラクタの操作を介して前記広告協調行為を行なわせれば、前記３次元広告用キャラクタに割り付けられた広告対象物を体感することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の実施形態１の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムの概略構成を示すブロック図
【図２】 ストーリー展開制御部６０による動的な各シーンに割り付ける評価値の設定の概念とシーンが展開されて行く様子を説明する図
【図３】 実施形態１の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムの動作を示すフローチャート
【図４】 広告対象車種ｂの広告用３次元キャラクタが生成される様子を簡単に示した図
【図５】 実施形態２の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムの概略構成を示すブロック図
【図６】 広告対象物の広告量が広告比率に漸近するように設定・変更されてストーリーが誘導されて行く様子を示す図
【図７】 実施形態３の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムの概略構成を示すブロック図
【図８】 実施形態３の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムによる比較広告の処理例を示すフローチャート
【図９】 実施形態４の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムの概略構成を示すブロック図
【図１０】 実施形態５の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムの概略構成を示すブロック図
【図１１】 実施形態６の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムの概略構成を示すブロック図
【図１２】 本発明の実施形態８の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システムの処理プログラムを記録した記録媒体の例を示す図
【図１３】 従来技術における、インターネットで利用されるサーチエンジンの画面上に広告を表示する概念を説明する図
【符号の説明】
１０，１０ａ ゲームストーリー提供部
２０，２０ａ 登場キャラクタ管理部
３０，３０ａ データ入力部
３１，３１ａ ３次元ポリゴンデータ入力部
３２，３２ａ 属性入力部
４１，４１ａ ポリゴン割付部
４２，４２ａ 属性反映部
５０，５０ａ ゲーム実行部
５１ 利用者インタフェース
６０，６０ａ ストーリー展開制御部
７０，７０ａ 表示部
８０ 通信インタフェース
９０ ネットワーク
１１０ 広告比率入力部
１２０ 広告量比較部
１３０ 広告アクションナレッジ蓄積部
１４０ プログラム生成部
１５０ 広告協調行為設定部
１６０ 褒賞提供部
１７０ 利用者性向検知部
２００ ネットワーク上にある記録装置内の記録媒体
２０１ 可搬型記録媒体
２０２ ＣＤ−ＲＯＭ
２０３ フレキシブルディスク
２０４ コンピュータ
２０５ コンピュータのハードディスクやＲＡＭ等の記録媒体
Claims (9)
- ゲームに関するデータを記録するゲームメモリを含む、ゲームストーリー提供部と、
前記ゲームメモリに記録されたゲームに登場するキャラクタを検知するキャラクタ管理部と、
キャラクタ管理部に検知されたキャラクタのうち少なくとも１つの広告対象キャラクタに割り当てるための３次元ポリゴンデータの入力および前記キャラクタの属性の入力を、広告主体から受け付けるデータ入力部と、
前記広告対象キャラクタに対して、前記データ入力部で入力された３次元ポリゴンデータを割り付け、前記属性を当該広告対象キャラクタの属性として反映させることによって、３次元広告用キャラクタを生成する３次元広告用キャラクタ生成部と、
前記３次元広告用キャラクタ生成部により生成された前記３次元広告用キャラクタを含むゲームに関するデータを、前記ゲームメモリから読み出して、利用者からの操作を基に実行するゲーム実行部と、
ストーリー展開制御部とを備え、
前記ゲームメモリには、前記ゲームにおいて、ある１つのシーンから次に展開しうるシーンが複数ある場合において当該複数のシーンそれぞれに割り付けられた評価値が記録され、
前記ゲーム実行部は、前記評価値に従って、前記１つのシーンの次に展開するシーンを決定し、
前記ストーリー展開制御部は、前記３次元広告用キャラクタが登場するシーンの評価値を、前記３次元広告用キャラクタが登場しないシーンの評価値に比べて大きく設定する、３次元インタラクティブゲームシステム。 - 前記データ入力部は、キャラクタ管理部に検知されたキャラクタのうち複数の広告対象キャラクタにそれぞれ割り当てるための３次元ポリゴンデータの入力および前記キャラクタの属性の入力を、広告主体から受け付け、
３次元広告用キャラクタ生成部は、前記複数の広告対象キャラクタに対して、前記データ入力部で入力された３次元ポリゴンデータをそれぞれ割り付け、前記属性を当該広告対象キャラクタの属性としてそれぞれ反映させることによって、複数の３次元広告用キャラクタを生成し、
前記ゲーム実行部がゲームを実行しているときに、複数の３次元広告用キャラクタの各キャラクタが表示されるシーンの回数または表示時間を検出することで、前記複数の広告対象キャラクタ各々の広告量を検知する広告量比較部を更に備え、
前記ストーリー展開制御部は、前記広告量に基づいて前記評価値を変更する、請求項１に記載の３次元インタラクティブゲームシステム。 - 前記データ入力部は、比較対象キャラクタの３次元ポリゴンデータの入力および前記キャラクタの属性の入力をさらに受け付け、
３次元広告用キャラクタ生成部は、さらに、前記比較対象キャラクタに対して、前記データ入力部で入力された３次元ポリゴンデータを割り付け、前記属性を当該比較対象キャラクタの属性として反映させることによって、３次元比較用キャラクタをさらに生成し、
前記ゲーム実行部は、前記３次元広告用キャラクタ生成部により生成された前記３次元広告用キャラクタおよび前記３次元比較用キャラクタを含むゲームを、前記ゲームメモリから読み出して、利用者からの操作を基に実行する、請求項１または２に記載の３次元インタラクティブゲームシステム。 - 前記３次元広告用キャラクタに実行させる広告のためのアクションをナレッジとして蓄積する広告アクションナレッジ蓄積部を備え、
前記広告アクションナレッジ蓄積部のナレッジを利用して、前記広告対象物を広告するシーンを自律的に生成する請求項１〜３のいずれか１項に記載の３次元インタラクティブゲームシステム。 - 前記３次元広告用キャラクタを用いた前記利用者による所定操作行為を、広告協調行為として設定する広告協調行為設定部と、
前記ゲーム実行部における前記ゲームの中における前記設定された広告協調行為の実行状況に応じて提供する褒賞の量を定めて前記利用者に与える褒賞提供部とを備える、請求項１〜４のいずれか１項に記載の３次元インタラクティブゲームシステム。 - 前記ゲーム実行部における前記ゲームの中における前記利用者の操作に基づいて、利用者の性向を検知する利用者性向検知部をさらに備え、
前記ストーリー展開制御部が、前記検知された利用者の性向に基づいてストーリー展開を変更する請求項１〜５のいずれか１項に記載の３次元インタラクティブゲームシステム。 - 前記ゲームおよび前記３次元広告用キャラクタに関するデータを、ネットワークメディアを介してダウンロードするデジタル画像送受信装置を備え、
ゲームストーリー提供部は、前記デジタル画像送受信装置がダウンロードした前記データを、前記ゲームメモリに記録する、請求項１〜６のいずれか１項に記載の３次元インタラクティブゲームシステム。 - 請求項１〜７のいずれか 1 項に記載の３次元インタラクティブゲームシステムを用いた広告システム。
- ゲームに関するデータを記録するゲームメモリにアクセス可能なコンピュータを、３次元インタラクティブゲームシステムとして機能させるプログラムを記録した記録媒体であって、
前記ゲームメモリには、前記ゲームにおいて、ある１つのシーンから次に展開しうるシーンが複数ある場合において当該複数のシーンそれぞれに割り付けられた評価値が記録されており、
前記プログラムは、
前記ゲームメモリに記録されたゲームに登場するキャラクタを検知するキャラクタ管理処理と、
キャラクタ管理処理で検知されたキャラクタのうち少なくとも１つの広告対象キャラクタに割り当てるための３次元ポリゴンデータの入力および前記キャラクタの属性の入力を、広告主体から受け付けるデータ入力処理と、
前記広告対象キャラクタに対して、前記データ入力部で入力された３次元ポリゴンデータを割り付け、前記属性を当該広告対象キャラクタの属性として反映させることによって、３次元広告用キャラクタを生成する３次元広告用キャラクタ生成処理と、
前記３次元広告用キャラクタ生成処理より生成された前記３次元広告用キャラクタを含むゲームに関するデータを、前記ゲームメモリから読み出して、利用者からの操作を基に実行するゲーム実行処理と、
ストーリー展開制御処理とを前記コンピュータに実行させ、
前記ゲーム実行処理では、前記評価値に従って、前記１つのシーンの次に展開するシーンが決定され、
前記ストーリー展開制御処理は、前記３次元広告用キャラクタが登場するシーンの評価値を、前記３次元広告用キャラクタが登場しないシーンの評価値に比べて大きく設定する処理である、プログラムを記録した記録媒体。
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