JP4155063B2 - 画像符号化装置と画像復号装置および画像符号化方法と画像復号方法 - Google Patents

画像符号化装置と画像復号装置および画像符号化方法と画像復号方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は画像符号化装置と画像復号装置および画像符号化方法と画像復号方法に関し、特に画像全体を所定のマクロブロックに分割し、マクロブロックごとに予測処理を行なって符号化する画像符号化装置とその画像符号化方法と、符号化された符号化画像信号を復号する画像復号装置およびその画像復号方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、関係機関によって動画音声符号化方式の規格標準化作業が行なわれており、制定された規格に沿って順次実用化が進められている。
【0003】
このうち、ISO/IEC動画圧縮標準化グループ、MPEG(Moving Picture Experts Group)によってMPEG4が制定されている。MPEG4の規格は、規格書「ISO/IEC14496 Information Technology−Generic Coding of Audio−Visual Object」において定められ、標準化されている。しかし、上記の説明のMPEG4規格書は、規格自体が復号方法を規定するものであり、符号化の実装方法に関しての規定はない。また、書籍「MPEG−4のすべて (三木 弼一編著 1998、(株)工業調査会発行)」では、符号化の原理的な説明はなされているものの、実装方法についての説明はない。
【0004】
このように、規格書および参考書籍において、予測処理に使用するメモリ管理方法は規定されていないため、メモリ領域を自由に実装することができる。そこで、画像サイズ分のメモリ領域を確保する方法が考えられる。
【0005】
しかし、予測処理、逆予測処理を実現する画像符号化装置および画像復号装置では、無制限にメモリを搭載することはできない。さらに、装置として回路規模が小さく、消費電力が少ないものが望まれるため、メモリ容量を少なくすることが要求される。このため、離散コサイン変換(DCT;Discrete Cosine Transform)、量子化および可変長符号化により符号化されている符号化画像信号を復号する際の予測処理に用いられるメモリ容量を少なくする画像復号装置および画像復号方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
このような画像復号装置では、1ライン分の予測処理が終了するごとに、次の注目マクロブロックの予測処理に用いる参照値を格納する格納部にコピーしていくことにより、画像サイズ全体の直流(DC)成分および交流(AC)成分を格納する領域を削減し、メモリ容量を少なくしている。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−118853号公報(第11頁〜第15頁、第7図〜第12図)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の画像符号化装置および画像復号装置では、上記手法を行なってもまだメモリ容量が大きいという問題がある。
【0009】
MPEG4では、従来のマクロブロック単位の動き補償に加えて、マクロブロックを構成する4つの輝度成分(Y0、Y1、Y2、Y3)のブロックに対し、それぞれの動きベクトルを用いて予測信号を動き補償することができる。以下、このような動き補償で行なわれる予測処理および逆予測処理を、通常のインター(Inter)に対して、インターで4本のベクトル(Vector)があるINTER4V予測処理、INTER4V逆予測処理と呼ぶ。
【0010】
INTER4V予測処理および逆予測処理に必要なメモリ構成について説明する。図16は、INTER4V予測処理で用いるメモリ構成を示した図である。INTER4V予測処理では、予測対象となる注目マクロブロック100の動きベクトルが、マクロブロックを構成する4つの輝度成分に対して用意される。図の例では、輝度成分ごとにブロックB0(101)、ブロックB1(102)、ブロックB2(103)およびブロックB3(104)の動作ベクトルがメモリに格納されている。この注目マクロブロック100の予測動作ベクトルは、注目マクロブロック100と隣接する参照マクロブロック110、120、130に含まれる3つの参照動きベクトルの中央値を求める。このとき参照される動きベクトルは、予測対象となる注目マクロブロック100の輝度成分ブロック(B0(101)、B1(102)、B2(103)、B3(104))に応じて規定され、それぞれの輝度成分ブロックによって異なる。従って、予測動きベクトルを算出するため、隣接する参照マクロブロック110、120、130の動きベクトルを保持しておく必要がある。
【0011】
ところが、MPEG4の規格書には、INTER4V予測処理におけるメモリ管理方法は規定されていない。また、上記の説明の従来の画像復号装置は、DC/AC予測処理において用いられるメモリ容量を小さくする方法が述べられており、INTER4V予測に用いるメモリ容量については言及されていない。このため、必要なメモリ領域は、フレームに存在するマクロブロック数分実装することが考えられる。
【0012】
従って、INTER4V予測に使用する予測動きベクトルを記憶するメモリ領域は、フレームメモリ200として、フレームを構成するマクロブロック数分が実装される。
【0013】
なお、INTER4V予測処理では、参照マクロブロックの動きベクトルを用いて算出される予測動きベクトルと注目ブロックの動きベクトルとの差分動きベクトルを算出する。そして、この差分動きベクトルが、可変長符号化され、画像符号化信号が生成される。
【0014】
一方、INTER4V逆予測処理では、INTERV4予測処理と同じ参照マクロブロックの動きベクトルを用いて算出される予測動きベクトルと可変長復号された差分動きベクトルとから注目ブロックの動きベクトルを復元する。すなわち、参照するマクロブロックは、INTER4V予測処理およびINTER4V逆予測処理も同じになる。従って、INTER4V逆予測処理に用いるメモリ領域も、INTER4V予測処理と同様に実装される。
【0015】
しかしながら、従来の注目マクロブロックに隣接する参照マクロブロックの予測動きベクトルを記憶するメモリ領域を、フレームに存在するマクロブロック数分実装し、予測処理、逆予測処理を行なう方法では、符号化、復号するフレームが大きくなるほど、処理に必要とするメモリ容量が増大していく。メモリ容量が増大すれば、搭載するメモリを増加しなければならず、消費電力の増加やチップサイズが増加するという問題が生じる。この結果、画像符号化装置および画像復号装置のコストが増大するという問題が発生する。
【0016】
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、予測処理および逆予測処理に用いるメモリ容量を少なくすることが可能な画像符号化装置と画像復号装置および画像符号化方法と画像復号方法を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明では上記課題を解決するために、画像全体を所定のマクロブロックに分割し、前記マクロブロックごとに予測処理を施して符号化を行なう画像符号化装置において、前記マクロブロックの4つの輝度成分ブロックごとに、前記輝度成分ブロックに対して算出される予測動きベクトルを前記マクロブロックの1水平列分格納する予測値記憶手段と、予測対象となる注目マクロブロックの前記輝度成分ブロックごとに規定される参照対象の前記輝度成分ブロックについて算出されている前記予測動きベクトルを前記予測値記憶手段から抽出し、抽出された前記予測動きベクトルに基づいて前記注目マクロブロックの前記輝度成分ブロックの予測動きベクトルを算出して前記輝度成分ブロックに対応する前記予測値記憶手段の領域に格納する予測手段と、を具備することを特徴とする画像符号化装置、が提供される。
【0018】
このような構成の画像符号化装置では、予測値記憶手段には、マクロブロックの4つの輝度成分ブロックごとに、輝度成分ブロックに対して算出される予測動きベクトルをマクロブロックの1水平列分格納する。予測手段は、予測処理に用いる参照値として、予測対象の注目マクロブロックの輝度成分ブロックごとに規定される参照対象の輝度成分ブロックについて予測値記憶手段に格納されている予測動きベクトルを抽出し、抽出された予測動きベクトルに基づいて予測対象の輝度成分ブロックの予測動きベクトルを算出する。算出された予測動きベクトルは、予測値記憶手段の輝度成分ブロックに対応する領域に格納する。
【0019】
また、上記課題を解決するために、上記の説明の画像符号化装置により符号化された画像符号化信号を復号する画像復号装置が提供される。この画像復号装置では、上記の画像符号化装置と同様、逆予測値記憶手段には、マクロブロックの4つの輝度成分ブロックごとに、輝度成分ブロックに対して算出される逆予測動きベクトルが、マクロブロックの1水平列分格納される。逆予測手段では、逆予測値記憶手段に格納される逆予測動きベクトルに基づいて逆予測処理を行う。
【0020】
また、上記課題を解決するために、画像全体を所定のマクロブロックに分割し、前記マクロブロックごとに予測処理を施して符号化を行なう画像符号化方法において、前記マクロブロックの4つの輝度成分ブロックごとに、前記輝度成分ブロックに対して算出される予測動きベクトルを前記マクロブロックの1水平列分格納する予測値記憶手段から、規定に従って対象となる参照対象の前記輝度成分ブロックの前記予測動きベクトルを抽出するステップと、抽出された参対象の前記輝度成分ブロックの前記予測動きベクトルに基づいて注マクロブロックの前記輝度成分ブロックについての前記予測動きベクトルを算出するステップと、算出された前記注目マクロブロックの前記輝度成分ブロックの前記予測動きベクトルを前記注目マクロブロックの前記輝度成分ブロックに対応する前記予測値記憶手段の記憶領域に格納するステップと、を有し、前記輝度成分ブロックの値と算出された前記予測動きベクトルとの差分に基づいて符号化処理を行なうことを特徴とする画像符号化方法、が提供される。
【0021】
このような手順の画像符号化方法では、予測処理に用いる予測記憶手段には、マクロブロックの4つの輝度成分ブロックごとに、輝度成分ブロックに対して算出される予測動きベクトルを格納する領域がマクロブロックの1水平列分確保されている。予測処理では、規定に応じて参照される参照対象の輝度成分ブロックの予測動きベクトルを予測値記憶手段より抽出し、抽出された予測動きベクトルに基づいて注目マクロブロックの輝度成分ブロックの予測動きベクトルを算出する。算出された予測動きベクトルは、輝度成分ブロックに対応する予測値記憶手段の記憶領域に格納される。こうして算出されて格納された予測値動きベクトルが、続く輝度成分ブロックの予測処理で参照される。なお、このようにして算出された輝度成分ブロックの予測動きベクトルと、輝度成分ブロックの動きベクトルとの差分を取ることにより、符号化を行なうことができる。
【0022】
また、上記課題を解決するために、上記の説明の画像符号化方法により符号化された画像符号化信号を復号する画像復号方法が提供される。
この画像復号方法では、画像符号化方法と同様の規定に基づいて逆予測対象の注目マクロブロックの輝度成分ブロックに応じて規定される参照ブロックの逆予測動きベクトルが格納された予測値記憶手段から逆予測動きベクトルを抽出し、逆予測動きベクトルに基づいて対象の輝度成分ブロックの逆予測動きベクトルを算出する。算出された逆予測動きベクトルは、輝度成分ブロックに対応する予測値記憶手段の記憶領域に格納され、続く逆予測処理で参照される。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。以下、実施の形態として、MPEG4の動き補償に用いられるINTER4V予測処理、逆予測処理の場合を例にとり、画像符号化装置について説明し、続いて画像復号装置について説明する。
【0024】
INTER4V予測処理を実現する画像符号化装置について説明する。図1は、本発明の実施の形態の画像符号化装置の構成図である。
本発明に係る画像符号化装置は、減算器1、離散コサイン変換(DCT)ブロック2、量子化器3、DC/AC予測器4、可変長符号化器5、逆量子化器6、逆離散コサイン変換(逆DCT)ブロック7、加算器8、ビデオメモリ9、動き検出ブロック10、動き補償ブロック11、動きベクトルを予測する予測手段である動きベクトル予測器12および動きベクトル予測時に参照される予測値を記憶する予測値記憶手段である動きベクトルメモリ13の各処理部を有する。
【0025】
減算器1は、外部から入力される外部入力信号(図の例では、輝度信号、色差信号)を第1の入力とし、動き補償ブロック11の出力信号を第2の入力信号とし、外部入力信号、または外部入力信号と動き補償ブロック11との差分をDCTブロック2へ出力する。DCTブロック2は、減算器1より入力された信号に対して離散コサイン変換を施し、量子化器3へ出力する。量子化器3は、DCT変換によって得られたDCT係数を量子化し、DC/AC予測器4および逆量子化器6に出力する。DC/AC予測器4は、量子化された信号に基づいて、直流(DC)成分、交流(AC)成分の量子化値を算出し、可変長符号化器5の第1入力に与える。ここで、可変長符号化器5は、量子化されたDCT係数と量子化幅を可変長符号化する。これが、イントラ(Intra)符号化であり、符号化されたVOP(Video Object Plane)をI−VOPと呼ぶ。なお、I−VOP処理では、減算器1の第2の入力は、ゼロが供給されている。
【0026】
一方、量子化器3の出力信号を逆量子化器6および逆DCTブロック7を通過させることにより、DCTブロック2入力前の信号が得られる。この信号は、加算器8の第1の入力に与えられる。加算器8によって元の画像信号が得られ、動き検出ブロック10および動き補償ブロック11の参照用画像信号としてビデオメモリ9に格納される。動き検出ブロック10は、画像の動き部分を検出し、動きベクトル情報を生成する。動きベクトル情報は、動き補償ブロック11および動きベクトル予測器12に送られる。動き補償ブロック11は、動きベクトル情報を使用して、動き補償した参照画像信号を生成し、減算器1および加算器8に出力する。減算器1では、画像信号と参照画像信号との差分(予測誤差信号)が算出される。この差分信号は、DCTブロック2、量子化器3、およびDC/AC予測器4を経て、可変長符号化器5に送られる。
【0027】
さらに、動きベクトル予測器12は、予測動きベクトルを記憶する動きベクトルメモリ13と接続し、動き検出ブロック10で検出された動きベクトル情報を使用してINTER4V予測処理を行なう。動きベクトルメモリ13は、8×8のマクロブロックの4つの輝度成分に対する予測動作ベクトルを、規格に応じて決まる参照ブロック分を記憶する領域を有している。動きベクトル予測器12によるINTER4V予測処理では、注目の輝度成分ブロックについて、MPEG4により規定される参照とする予測動きベクトルを動きベクトルメモリ13より抽出し、抽出された参照予測動きベクトルを用いて注目の輝度成分ブロックについての予測動きベクトルを算出する。算出された予測動きベクトルは、動きベクトルメモリ13の対応する領域に格納され、以降の注目ブロックの予測動きベクトル算出時に参照される。このように、算出された予測動きベクトルを順次動きベクトルメモリ13に格納し、次の参照値とすることにより、動きベクトルメモリ13の記憶容量を予測に必要な容量、例えば、1水平列マクロブロック分とすることが可能となる。処理の詳細については、後述する。
【0028】
最後に、注目輝度成分ブロックと予測動きベクトルとの差分動きベクトルが算出され、可変長符号化器5へ出力される。可変長符号化器5では、差分信号の量子化DCT係数を動きベクトルや量子化幅とともに可変長符号化する。これは、VOP間符号化またはインター(Inter)符号化と呼ばれる。
【0029】
上記の説明のように、本発明に係る画像符号化装置では、動きベクトル予測器12で使用する動きベクトルメモリ13の予測動きベクトル格納量は、従来の画像全体の予測動きベクトルを格納していた場合の格納量に比べて、ずっと小さくすることが可能となっている。
【0030】
次に、画像復号装置について説明する。図2は、本発明の実施の形態の画像復号装置の構成図である。
本発明に係る画像復号装置は、可変長復号器20、DC/AC逆予測器21、逆量子化器22、逆離散コサイン変換(逆DCT)ブロック23、加算器24、ビデオメモリ25、動き補償ブロック26、動きベクトルを逆予測する逆予測手段である動きベクトル逆予測器27および動きベクトル逆予測時に参照される逆予測値を記憶する動きベクトルメモリ28の各処理部を有する。
【0031】
可変長復号器20は、図1に示した画像符号化装置により符号化されたビデオビットストリームを入力とし、可変長復号を行なう。可変長復号器20により復号された信号は、DC/AC逆予測器21および動きベクトル逆予測器27へ出力される。
【0032】
DC/AC逆予測器21は、可変長復号器20により復号された信号の直流(DC)成分、交流(AC)成分について量子化値を逆予測し、逆量子化器22へ出力する。逆量子化器22は、算出された量子化値に対して逆量子化処理を施し、逆離散コサイン変換を行なう逆DCTブロック23に出力する。逆DCTブロック23、加算器24を経て復号された輝度信号および色差信号は、参照画像信号としてビデオメモリ25に格納される。
【0033】
動きベクトル逆予測器27は、逆予測された逆予測動きベクトルを記憶する動きベクトルメモリ28と接続し、可変長復号された信号に対してINTER4V逆予測を行なって、動きベクトルを復元する。動きベクトルメモリ28は、画像符号化装置の動きベクトルメモリ13と同様、8×8のマクロブロックの4つの輝度成分に対する予測動作ベクトルを、規格に応じて決まる参照ブロック分記憶している。動きベクトル逆予測器27によるINTER4V逆予測処理では、注目の輝度成分ブロックについて、MPEG4により規定される参照とする逆予測動きベクトルを動きベクトルメモリ28より抽出し、抽出された参照逆予測動きベクトルを用いて注目の輝度成分ブロックについての逆予測動きベクトルを算出する。算出された逆予測動きベクトルは、動きベクトルメモリ28の対応する領域に格納され、以降の注目ブロックの逆予測動きベクトル算出時に参照される。このように、算出された逆予測動きベクトルを順次動きベクトルメモリ28に格納し、次の参照値とすることにより、動きベクトルメモリ28の記憶容量を予測に必要な容量、例えば、1水平列マクロブロック分とすることが可能となる。処理の詳細については、後述する。
【0034】
そして、可変長復号された差分動きベクトルと逆予測動きベクトルとに基づいて、注目輝度成分ブロックの動きベクトルを復号し、動き補償ブロック26へ出力する。動き補償ブロック26は、動きベクトル情報に基づいて逆予測マクロブロックを取得し、加算器24へ出力する。この信号は、加算器24で、差分信号と加算されることにより、元の画像信号となる。
【0035】
図1に示した画像符号化装置の場合と同様に、動きベクトル逆予測器27で使用する動きベクトルメモリ28は、従来の画像全体の逆予測動きベクトルを格納していた場合の格納量に比べて、メモリ容量をずっと小さくすることが可能となっている。
【0036】
ここで、動きベクトル予測器12および動きベクトル逆予測器27によって参照されるマクロブロックについて説明する。なお、参照されるブロックは、どちらの場合も同じであるので、以降は動きベクトル予測処理の場合で説明する。図3は、動きベクトル予測処理で参照するマクロブロックを示した図である。
【0037】
注目ブロックの動きベクトルを予測するINTER4V予測処理では、1マクロブロック100を構成する4つの輝度成分に対応するブロック(B0、B1、B2、B3)に対する動きベクトルの予測動きベクトルを算出する。対象となる注目ブロックの予測動きベクトルとして、この動きベクトルを含むブロックに隣接するマクロブロック(左、上、右上)の動きベクトル(V0、V1、V2)を参照し、その中央値を求める。このとき参照する動きベクトルは、対象となる注目動きベクトルによって異なる。図に示したように、ブロック0(B0)の注目動きベクトル(101)が対象の場合、左に隣接するマクロブロックの動きベクトルV0(111)、上に隣接するマクロブロックの動きベクトルV1(112)、および右上に隣接するマクロブロックの動きベクトルV2(113)が参照される。また、ブロック1(B1)の注目動きベクトル(102)が対象の場合、動きベクトルV0(114)、動きベクトルV1(115)および動きベクトルV2(116)が参照される。同様に、ブロック2(B2)の注目動きベクトル103では、動きベクトルV0(117)、動きベクトルV1(118)および動きベクトルV2(119)が参照され、ブロック3(B3)の注目動きベクトル104では、動きベクトルV0(120)、動きベクトルV1(121)および動きベクトルV2(122)が参照される。
【0038】
本発明の第1の実施の形態では、上記説明の注目ブロックと注目ブロックに応じて規定される参照ブロックとの関係に着目し、動きベクトル予測器12および動きベクトル逆予測器27で参照する動きベクトルメモリ13、28のメモリ容量をマクロブロックの1水平列分とした。
【0039】
図4は、本発明の第1の実施の形態の動きベクトル記憶領域の構成図である。動きベクトルメモリ13aは、マクロブロック100を構成する4つの輝度成分に対応する予測動きベクトルを格納する4つの領域、ブロックB0(101)、ブロックB1(102)、ブロックB2(103)、およびブロックB3(104)について、マクロブロックの1水平列分の予測動きベクトルを格納することが可能なメモリ領域を備える。すなわち、動きベクトルメモリ13aは、1水平列分のマクロブロック数をNとすると、ブロックごとにN個分の予測動きベクトルを格納するメモリ領域から構成される。図に示したように、ブロックB0に関するB0[0]、B0[1]、・・・、B0[n]、・・・、B0[N−1]のメモリ領域を有するブロックB0の水平列メモリ131、ブロックB1に関するB1[0]、B1[1]、・・・、B1[n]、・・・、B1[N−1]のメモリ領域を有するブロックB1の水平列メモリ132、ブロックB2に関するB2[0]、B2[1]、・・・、B2[n]、B2[N−1]のメモリ領域を有するブロックB2の水平列メモリ133、およびブロックB3に関するB3[0]、B3[1]、・・・、B3[n]、B3[N−1]のメモリ領域を有するブロックB3の水平列メモリ134から構成される。ここで、nは、任意の1ブロックを指す。
【0040】
次に、このような構成の動きベクトルメモリ13aのメモリ管理について説明する。図5は、本発明の第1の実施の形態の動きベクトルメモリの管理方法を示した図である。(A)は現在の注目マクロブロックとその参照マクロブロックを示しており、(B)は次の注目マクロブロックとその参照マクロブロックを示している。上記の説明のように、画像は所定のマクロブロック(以下、MB)に分割されている。図の例では、MBの水平列を0、1、・・・、n、・・・とし、垂直方向を0、1、・・・、m、・・・としている。
【0041】
(A)に示した現在の注目MB[n]301(水平列m+1のn番目のMB)についての予測動きベクトル処理を行なう場合、1水平列設けられた動作ベクトルメモリ13の記憶領域には、水平列mのMB[n]から順に、1水平列MB分の予測動きベクトルが格納されている。また、ブロックMB[n−1]に対応する領域には、前の処理における注目ブロックである水平列m+1のブロックMB[n−1]の予測動きベクトルが格納されている。図の例では、注目MB[n]を除く参照MBの予測動きベクトルが、参照MB[n−1]302、参照MB[n]303、参照MB[n+1]304、の順に格納されている。予測処理開始の際には、動作ベクトルメモリ13のメモリポインタは、nを指している。
【0042】
注目MB[n]301の予測動きベクトルを算出するため、注目MB[n]301に隣接する参照MB[n−1]302、参照MB[n]303、および参照MB[n+1]304の予測動きベクトルが参照予測動きベクトルとして選ばれる。こうして参照MBに存在する規定の予測動きベクトルを抽出し、その中央値を算出する。算出された中央値は、注目MB[n]301の予測動きベクトルとして、ポインタの示すブロック[n]の記憶領域に保存される。
【0043】
これが(B)の状態である。動きベクトルメモリ13のメモリポインタが1進み、nは次の注目MB[n]305を指す。前回の注目MB[n]301は、参照MB[n−1]301となる。また、MB304は、(A)では参照MB[n+1]であったが、ポインタが1進んだことにより、参照MB[n]となる。同様に、参照MB[n+1]は、隣のMB306を指す。
【0044】
このように、動きベクトル予測器12がマクロブロックの1水平列分設けられた予測動きベクトルの記憶領域(動きベクトルメモリ13a)を参照して予測動きベクトルを算出し、算出された予測動きベクトルを動きベクトルメモリ13aに格納し、次の注目ブロックで参照することにより、動きベクトルメモリ13aのメモリ容量を小さくすることができる。
【0045】
次に、動きベクトル予測器12の行なうINTER4V予測処理について説明する。図6および図7は、本発明の第1の実施の形態の画像符号化装置における動きベクトル予測処理の動作を示した図である。図6(A)はブロックB0、図6(B)はブロックB1、図7(C)はブロックB2、図7(D)はブロックB3の動きベクトル予測処理の動作を示している。なお、使用する動きベクトルメモリ13aのメモリ構造は、図4に示したものであるとする。
【0046】
動きベクトル予測器12における処理は、(A)、(B)、(C)、(D)の順に実行されるので、実行順に従って説明する。
(A)ブロックB0の動き予測処理12−1では、参照予測動きベクトルとして、ブロックB0の左隣のB1[n−1]、上のB2[n]、右上のB2[n+1]が選択されるので、これらの予測動きベクトルをブロックB1の水平列メモリ132およびブロックB2の水平列メモリ133から読み出し、中央値を算出する。算出されたブロックB0の予測動きベクトルは、ブロックB0の水平列メモリ131のB0[n]の位置に書き込まれる。
【0047】
続く(B)ブロックB1の動き予測処理12−2では、参照予測動きベクトルとして、ブロックB1の左隣であって、(A)の処理で算出されたB0[n]、上のB3[n]、右上のB2[n+1]が選択され、これらの予測動きベクトルがブロックB0の水平列メモリ131、ブロックB3の水平列メモリ134およびブロックB2の水平列メモリ133から読み出される。そして、予測動きベクトルとして中央値が算出され、算出された予測動きベクトルは、ブロックB1の水平列メモリ132のB1[n]の位置に書き込まれる。
【0048】
次の(C)ブロックB2の動き予測処理12−3では、参照予測動きベクトルとして、ブロックB2の左隣のB3[n−1]、上のB0[n]、右上であって(B)の処理で算出されたB1[n]の予測動きベクトルが、ブロックB3の水平列メモリ134、ブロックB0の水平列メモリ131およびブロックB1の水平列メモリ132より読み出される。これらの中央値が算出され、ブロックB2の予測動きベクトルとしてブロックB2の水平列メモリ133のB2[n]の位置に書き込まれる。
【0049】
最後の(D)ブロックB3の動き予測処理12−4では、参照予測動きベクトルとして、これまでの処理で算出された左隣のB2[n]、左上のB0[n]、上のB1[n]の予測動きベクトルが、ブロックB2の水平列メモリ133、ブロックB0の水平列メモリ131およびブロックB1の水平列メモリ132から読み出される。これらの中央値が算出され、ブロックB3の予測動きベクトルとして、ブロックB3の水平列メモリ134のB3[n]の位置に書き込まれる。
【0050】
以上のように、本発明の第1の実施の形態の画像符号化装置および画像復号装置によれば、INTER4V予測処理、逆予測処理において使用するメモリ容量を、マクロブロックの1水平列分とすることができ、メモリ容量を格段に小さくすることが可能となる。この結果、回路規模が小さく、消費電力の少ない装置を提供することができる。
【0051】
次に、本発明の第1の実施の形態の画像符号化方法および画像復号方法で用いるINTER4V予測処理、逆予測処理の処理手順について説明する。図8および図9は、本発明の第1の実施の形態の画像符号化装置における動きベクトル予測方法の処理手順を示したフローチャートである。図8は、ブロックB0およびブロックB1についての処理手順、図9は、ブロックB2およびブロックB3についての処理手順を示している。
【0052】
それぞれの動きベクトルが検出されて、処理が開始される。
[ステップS01] ブロックB0の処理が開始される。注目ブロックB0の参照ベクトルとして、B1[n−1]、B2[n]、B2[n+1]の3つの参照ブロックの予測動きベクトルをそれぞれのブロックの水平列メモリより読み出す。[ステップS02] 注目ブロックB0の動き予測処理を行ない、読み出された参照ベクトルの中央値を算出し、ブロックB0の予測動きベクトルを得る。
[ステップS03] 以降の処理において参照ベクトルとなるブロックB0の予測動きベクトルをブロックB0の水平列メモリのB0[n]に書き込む。
[ステップS04] ブロックB1の処理が開始される。注目ブロックB1の参照ベクトルとして、B0[n]、B3[n]、B2[n+1]の3つの参照ブロックの予測動きベクトルをそれぞれのブロックの水平列メモリより読み出す。
[ステップS05] 注目ブロックB1の動き予測処理を行ない、読み出された参照ベクトルの中央値を算出し、ブロックB1の予測動きベクトルを得る。
[ステップS06] 以降の処理において参照ベクトルとなるブロックB1の予測動きベクトルをブロックB1の水平列メモリのB1[n]に書き込む。
【0053】
A点を経由して、図9の処理へ進む。
[ステップS07] ブロックB2の処理が開始される。注目ブロックB2の参照ベクトルとして、B3[n−1]、B0[n]、B1[n]の3つの参照ブロックの予測動きベクトルをそれぞれのブロックの水平列メモリより読み出す。
[ステップS08] 注目ブロックB2の動き予測処理を行ない、読み出された参照ベクトルの中央値を算出し、ブロックB2の予測動きベクトルを得る。
[ステップS09] 以降の処理において参照ベクトルとなるブロックB2の予測動きベクトルをブロックB2の水平列メモリのB2[n]に書き込む。
[ステップS10] ブロックB3の処理が開始される。注目ブロックB3の参照ベクトルとして、B2[n]、B0[n]、B1[n]の3つの参照ブロックの予測動きベクトルをそれぞれのブロックの水平列メモリより読み出す。
[ステップS11] 注目ブロックB3の動き予測処理を行ない、読み出された参照ベクトルの中央値を算出し、ブロックB3の予測動きベクトルを得る。
[ステップS12] 以降の処理において参照ベクトルとなるブロックB3の予測動きベクトルをブロックB3の水平列メモリのB3[n]に書き込む。
【0054】
なお、INTER4V逆予測の場合は、上記手順の動き予測処理が動き逆予測処理となる以外はINTER4V予測処理の場合と同じであるので、説明は省略する。
【0055】
以上のように、本発明の第1の実施の形態の画像符号化方法および画像復号方法によれば、INTER4V予測処理、逆予測処理において使用するメモリ容量を、マクロブロックの1水平列分とすることができる。
【0056】
ここで、注目ブロックと参照ブロックとの関係をさらに詳しく調べる。図10は、本発明の実施の形態における注目ブロックと参照ブロックとの関係を示した図である。
【0057】
予測対象を注目MB[n]301とすると、参照されるMBは、参照MB[n−1]302、参照MB[n]303、および参照MB[n+1]304が選択される。これを輝度成分ブロック単位で示すと、注目MB[n]301の8×8ブロックB0、B1、B2、B3についての予測動作ベクトルを算出するために、参照MB[n−1]302のB1[n−1]とB3[n−1]、参照MB[n]303のB2[n]とB3[n]、参照MB[n+1]304のB2[n+1]、および注目MB[n]301のB0、B1、B2とが用いられる。
【0058】
このことから、1つのMBについて参照される輝度成分ブロックは、ブロックB0ではB0、ブロックB1ではB1[n−1]であり、それぞれ1ブロック分の予測動きベクトルを記憶するメモリ領域が必要であることがわかる。また、ブロックB2ではB2とB2[n+1]、ブロックB3ではB3[n−1]とB3[n]、が参照されるため、それぞれ1水平列メモリの予測動きベクトルを記憶するメモリ領域が必要であることがわかる。
【0059】
以上のことから、本発明の第2の実施の形態では、INTER4V予測処理および逆予測処理に用いるメモリ構成を、1ブロック分の予測動きベクトルを記憶するメモリ2つと、1水平列分のブロックの予測動きベクトルを記憶するメモリ2つとする。
【0060】
図11は、本発明の第2の実施の形態の動きベクトル記憶領域の構成図である。図4と同じものには同じ番号を付し、説明は省略する。
第2の実施の形態の動きベクトルメモリ13bは、MB100を構成する4つのブロックB0(101)、B1(102)、B2(103)、B3(104)ごとに、予測動きベクトルを格納するメモリ領域を備える。具体的には、動きベクトルメモリ13bは、ブロックB0については、1ブロック分の予測動きベクトルを格納するB0の1ブロックメモリ135を備える。同様に、ブロックB1についても、1ブロック分の予測動きベクトルを格納するB1の1ブロックメモリ136を備える。一方、ブロックB2およびブロックB3については、第1の実施の形態と同様に、1水平列分のメモリ、B2の水平列メモリ133およびB3の水平列メモリ134を備える。
【0061】
このように、ブロックB0およびブロックB1については、1ブロックメモリ分のみを確保することにより、第1の実施の形態のメモリ容量をさらに半分程度まで削減することができる。
【0062】
次に、このような構成の動きベクトル記憶領域を用いた動きベクトル予測器12によるINTER4V予測処理について説明する。
図12および図13は、本発明の第2の実施の形態の画像符号化装置における動きベクトル予測処理の動作を示した図である。図12(A)はブロックB0、図12(B)はブロックB1、図13(C)はブロックB2、図13(D)はブロックB3の動きベクトル予測処理の動作を示している。また、処理は、(A)、(B)、(C)、(D)の順に実行される。
【0063】
(A)ブロックB0の動き予測処理12−5では、参照予測動きベクトルとして、ブロックB0の左隣のB1[n−1]、上のB2[n]、右上のB2[n+1]が選択されるので、これらの予測動きベクトルをブロックB1の1ブロックメモリ136(注目ブロックのB1処理前であるので、ブロックB1の1ブロックメモリ136には、前の注目MB[n−1]の予測動きベクトルが格納されている)およびブロックB2の水平列メモリ133から読み出し、中央値を算出する。算出されたブロックB0の予測動きベクトルは、ブロックB0の1ブロックメモリ135に書き込まれる。
【0064】
続く(B)ブロックB1の動き予測処理12−6では、参照予測動きベクトルとして、ブロックB1の左隣であって、(A)の処理で算出されたB0、上のB3[n]、右上のB2[n+1]が選択され、これらの予測動きベクトルがブロックB0の1ブロックメモリ135、ブロックB3の水平列メモリ134およびブロックB2の水平列メモリ133から読み出される。そして、予測動きベクトルとして中央値が算出され、算出された予測動きベクトルは、ブロックB1の1ブロックメモリ136に書き込まれる。
【0065】
次の(C)ブロックB2の動き予測処理12−7では、参照予測動きベクトルとして、ブロックB2の左隣のB3[n−1]、上のB0、右上であって(B)の処理で算出されたB1の予測動きベクトルが、ブロックB3の水平列メモリ134、ブロックB0の1ブロックメモリ135およびブロックB1の1ブロックメモリ136より読み出される。これらの中央値が算出され、ブロックB2の予測動きベクトルとしてブロックB2の水平列メモリ133のB2[n]の位置に書き込まれる。
【0066】
最後の(D)ブロックB3の動き予測処理12−8では、参照予測動きベクトルとして、これまでの処理で算出された左隣のB2[n]、左上のB0、上のB1の予測動きベクトルが、ブロックB2の水平列メモリ133、ブロックB0の1ブロックメモリ135およびブロックB1の1ブロックメモリ136から読み出される。これらの中央値が算出され、ブロックB3の予測動きベクトルとして、ブロックB3の水平列メモリ134のB3[n]の位置に書き込まれる。
【0067】
なお、INTER4V逆予測処理では、予測値の算出が逆予測値の算出となるのみで、参照するブロックの動作については同じであるので、説明は省略する。以上のように、本発明の第2の実施の形態の画像符号化装置および画像復号装置によれば、INTER4V予測処理、逆予測処理において使用されるメモリを2つのブロックメモリと、2つの水平列メモリとから構成することができ、第1の実施の形態に比べて、メモリ容量をさらに削減することができる。この結果、回路規模が小さく、消費電力の少ない装置を提供することができる。
【0068】
次に、本発明の第2の実施の形態の画像符号化方法および画像復号方法で用いるINTER4V予測処理、逆予測処理の処理手順について説明する。図14および図15は、本発明の第2の実施の形態の画像符号化装置における動きベクトル予測方法の処理手順を示したフローチャートである。図14は、ブロックB0およびブロックB1についての処理手順、図15は、ブロックB2およびブロックB3についての処理手順を示している。
【0069】
それぞれの動きベクトルが検出されて、処理が開始される。
[ステップS21] ブロックB0の処理が開始される。注目ブロックB0の参照ベクトルとして、B1[n−1]、B2[n]、B2[n+1]の3つの参照ブロックの予測動きベクトルをそれぞれのブロックのブロックメモリおよび水平列メモリより読み出す。
[ステップS22] 注目ブロックB0の動き予測処理を行ない、読み出された参照ベクトルの中央値を算出し、ブロックB0の予測動きベクトルを得る。
[ステップS23] 以降の処理において参照ベクトルとなるブロックB0の予測動きベクトルをブロックB0の1ブロックメモリB0に書き込む。
[ステップS24] ブロックB1の処理が開始される。注目ブロックB1の参照ベクトルとして、B0、B3[n]、B2[n+1]の3つの参照ブロックの予測動きベクトルをそれぞれのブロックのブロックメモリおよび水平列メモリより読み出す。
[ステップS25] 注目ブロックB1の動き予測処理を行ない、読み出された参照ベクトルの中央値を算出し、ブロックB1の予測動きベクトルを得る。
[ステップS26] 以降の処理において参照ベクトルとなるブロックB1の予測動きベクトルをブロックB1の1ブロックメモリB1に書き込む。
【0070】
B点を経由して、図15の処理へ進む。
[ステップS27] ブロックB2の処理が開始される。注目ブロックB2の参照ベクトルとして、B3[n−1]、B0、B1の3つの参照ブロックの予測動きベクトルをそれぞれのブロックのブロックメモリおよび水平列メモリより読み出す。
[ステップS28] 注目ブロックB2の動き予測処理を行ない、読み出された参照ベクトルの中央値を算出し、ブロックB2の予測動きベクトルを得る。
[ステップS29] 以降の処理において参照ベクトルとなるブロックB2の予測動きベクトルをブロックB2の水平列メモリのB2[n]に書き込む。
[ステップS30] ブロックB3の処理が開始される。注目ブロックB3の参照ベクトルとして、B2[n]、B0、B1の3つの参照ブロックの予測動きベクトルをそれぞれのブロックのブロックメモリおよび水平列メモリより読み出す。
[ステップS31] 注目ブロックB3の動き予測処理を行ない、読み出された参照ベクトルの中央値を算出し、ブロックB3の予測動きベクトルを得る。
[ステップS32] 以降の処理において参照ベクトルとなるブロックB3の予測動きベクトルをブロックB3の水平列メモリのB3[n]に書き込む。
【0071】
なお、INTER4V逆予測の場合は、上記手順の動き予測処理が動き逆予測処理となる以外はINTER4V予測処理の場合と同じであるので、説明は省略する。
【0072】
以上のように、本発明の第2の実施の形態の画像符号化方法および画像復号方法によれば、INTER4V予測処理、逆予測処理において使用するメモリ容量を、第1の実施の形態よりさらに削減することができる。
【0073】
上記の説明では、MPEG4のINTER4V予測、逆予測を例にとり説明したが、本発明は、これに限定されることなく、前の処理で算出した予測値を参照して次の予測値を生成する画像信号処理において適用することができる。
【0074】
なお、上記の処理機能は、コンピュータによって実現することができる。その場合、画像符号化装置および画像復号装置が有すべき機能の処理内容を記述したプログラムが提供される。そのプログラムをコンピュータで実行することにより、上記処理機能がコンピュータ上で実現される。処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。プログラムを実行するコンピュータは、たとえば、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、自己の記憶装置に格納する。そして、コンピュータは、自己の記憶装置からプログラムを読み取り、プログラムに従った処理を実行する。
【0075】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の画像符号化装置および画像符号化方法では、予測対象の注目マクロブロックの輝度成分ブロックに応じて規定される参照ブロックについて算出された予測動きベクトルを用いて予測を行なう。このとき、参照される予測動きベクトルを保持する記憶手段として、マクロブロックの4つの輝度成分ブロックごとに、マクロブロックの1水平列分の予測動きベクトルを格納することが可能な領域が確保される。このように、マクロブロックの1水平列分の予測動きベクトルを格納する領域のみが確保されればよいことから、予測処理に必要な記憶領域を削減することができる。さらに、記憶領域が削減できるため、回路規模が小さく、消費電力の少ない画像符号化装置を実現することができる。
【0076】
また、本発明の画像復号装置および画像復号方法では、上記の画像符号化装置により生成された画像符号化信号を同じように規定される参照ブロックの逆予測動きベクトルを用いて逆予測を行なう。このため、参照される逆予測動きベクトルを含む参照ブロックの記憶領域は、画像符号化装置と同じように、マクロブロックの4つの輝度成分ブロックごとに、マクロブロックの1水平列分の領域が確保される。この結果、逆予測処理に必要な記憶領域を削減することができ、回路規模が小さく、消費電力の少ない画像復号装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の画像符号化装置の構成図である。
【図2】本発明の実施の形態の画像復号装置の構成図である。
【図3】INTER4V予測処理で参照する動きベクトルを示した図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態の動きベクトル記憶領域の構成図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態の動きベクトルメモリの管理方法を示した図である。
【図6】本発明の第1の実施の形態の画像符号化装置における動きベクトル予測処理(ブロック0、ブロック1)の動作を示した図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態の画像符号化装置における動きベクトル予測処理(ブロック2、ブロック3)の動作を示した図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態の画像符号化装置における動きベクトル予測方法(ブロック0、ブロック1)の処理手順を示したフローチャートである。
【図9】本発明の第1の実施の形態の画像符号化装置における動きベクトル予測方法(ブロック2、ブロック3)の処理手順を示したフローチャートである。
【図10】本発明の実施の形態における注目ブロックと参照ブロックとの関係を示した図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態の動きベクトル記憶領域の構成図である
【図12】本発明の第2の実施の形態の画像符号化装置における動きベクトル予測処理(ブロック0、ブロック1)の動作を示した図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態の画像符号化装置における動きベクトル予測処理(ブロック2、ブロック3)の動作を示した図である。
【図14】本発明の第2の実施の形態の画像符号化装置における動きベクトル予測方法(ブロック0、ブロック1)の処理手順を示したフローチャートである。
【図15】本発明の第2の実施の形態の画像符号化装置における動きベクトル予測方法(ブロック2、ブロック3)の処理手順を示したフローチャートである。
【図16】INTER4V予測処理で用いるメモリ構成を示した図である。
【符号の説明】
1・・・減算器、2・・・離散コサイン変換(DCT)ブロック、3・・・量子化器、4・・・DC/AC予測器、5・・・可変長符号化器、6・・・逆量子化器、7・・・逆離散コサイン変換(逆DCT)ブロック、8・・・加算器、9・・・ビデオメモリ、10・・・動き検出ブロック、11・・・動き補償ブロック、12・・・動きベクトル予測器、13・・・動きベクトルメモリ、20・・・可変長復号器、21・・・DC/AC逆予測器、22・・・逆量子化器、23・・・逆離散コサイン変換(逆DCT)ブロック、24・・・加算器、25・・・ビデオメモリ、26・・・動き補償ブロック、27・・・動きベクトル逆予測器、28・・・動きベクトルメモリ

Claims (6)

  1. 画像全体を所定のマクロブロックに分割し、前記マクロブロックごとに予測処理を施して符号化を行なう画像符号化装置において、
    前記マクロブロックの4つの輝度成分ブロックごとに、前記輝度成分ブロックに対して算出される予測動きベクトルを前記マクロブロックの1水平列分格納する予測値記憶手段と、
    予測対象となる注目マクロブロックの前記輝度成分ブロックごとに規定される参照対象の前記輝度成分ブロックについて算出されている前記予測動きベクトルを前記予測値記憶手段から抽出し、抽出された前記予測動きベクトルに基づいて前記注目マクロブロックの前記輝度成分ブロックの予測動きベクトルを算出して前記輝度成分ブロックに対応する前記予測値記憶手段の領域に格納する予測手段と、
    具備することを特徴とする画像符号化装置。
  2. 前記予測値記憶手段では、前記予測手段において前記注目マクロブロックの前記輝度成分ブロックおよび隣接する1つの前記輝度成分ブロックのみが参照される前記輝度成分ブロックについて前記予測動きベクトルが格納される領域は、1つの前記輝度成分ブロック分の領域のみであることを特徴とする請求項1記載の画像符号化装置。
  3. 所定のマクロブロックに分割され、前記マクロブロックごとに予測処理が施されて符号化された符号化画像信号を復号する画像復号装置において、
    前記マクロブロックの4つの輝度成分ブロックごとに、前記輝度成分ブロックに対して算出される逆予測動きベクトルを前記マクロブロックの1水平列分格納する逆予測値記憶手段と、
    逆予測対象となる注目マクロブロックの前記輝度成分ブロックごとに規定される参照対象の前記輝度成分ブロックについて算出されている前記逆予測動きベクトルを前記逆予測値記憶手段から抽出し、抽出された前記逆予測動きベクトルに基づいて前記注目マクロブロックの前記輝度成分ブロックの逆予測動きベクトルを算出して前記輝度成分ブロックに対応する前記逆予測値記憶手段の領域に格納する逆予測手段と、
    を具備することを特徴とする画像復号装置。
  4. 前記逆予測値記憶手段では、前記逆予測手段において前記注目マクロブロックの前記輝度成分ブロックおよび隣接する1つの前記輝度成分ブロックのみが参照される前記輝度成分ブロックについて前記逆予測動きベクトルが格納される領域は、1つの前記輝度成分ブロック分の領域のみであることを特徴とする請求項3記載の画像復号装置。
  5. 画像全体を所定のマクロブロックに分割し、前記マクロブロックごとに予測処理を施して符号化を行なう画像符号化方法において、
    前記マクロブロックの4つの輝度成分ブロックごとに、前記輝度成分ブロックに対して算出される予測動きベクトルを前記マクロブロックの1水平列分格納する予測値記憶手段から、規定に従って対象となる参照対象の前記輝度成分ブロックの前記予測動きベクトルを抽出するステップと、
    抽出された前記参照対象の前記輝度成分ブロックの前記予測動きベクトルに基づいて注目マクロブロックの前記輝度成分ブロックについての予測動きベクトルを算出するステップと、
    算出された前記注目マクロブロックの前記輝度成分ブロックの前記予測動きベクトルを前記注目マクロブロックの前記輝度成分ブロックに対応する前記予測値記憶手段の記憶領域に格納するステップと、
    を有し、前記輝度成分ブロックの値と算出された前記予測動きベクトルとの差分に基づいて符号化処理を行なうことを特徴とする画像符号化方法。
  6. 所定のマクロブロックに分割され、前記マクロブロックごとに予測処理が施されて符号化された符号化画像信号を復号する画像復号方法において、
    前記マクロブロックの4つの輝度成分ブロックごとに、前記輝度成分ブロックに対して算出されている逆予測動きベクトルを前記マクロブロックの1水平列分格納する予測値記 憶手段から、規定に従って対象となる参照対象の前記輝度成分ブロックの前記逆予測動きベクトルを抽出するステップと、
    抽出された前記参照対象の前記輝度成分ブロックの前記逆予測動きベクトルに基づいて注目マクロブロックの前記輝度成分ブロックの逆予測動きベクトルを算出するステップと、
    算出された前記注目マクロブロックの前記輝度成分ブロックの前記逆予測動きベクトルを前記注目マクロブロックの前記輝度成分ブロックに対応する前記予測値記憶手段の記憶領域に格納するステップと、
    を有し、前記符号化画像信号より得られる前記注目マクロブロックの前記輝度成分ブロックの動きベクトルと予測動きベクトルとの差分と、前記注目マクロブロックの前記輝度成分ブロックの前記逆予測動きベクトルとに基づいて復号処理を行なうことを特徴とする画像復号方法。
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