JP4154163B2 - 画像処理装置、画像処理方法及びカラー複写機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像処理装置、画像処理方法及びカラー複写機に係り、特に、地肌除去機能を持つディジタルフルカラー複写機等に使用して好適な画像処理装置、画像処理方法及びカラー複写機に関する。
【0002】
【従来の技術】
地肌除去機能を持つ画像処理装置に関する従来技術として、例えば、1.特開平10−173874号公報、2.特開平11−298694号公報、3.特開平P11−144047号公報等に記載された技術が知られている。
【0003】
従来、一般に、カラー画像処理装置を有する複写機は、いろいろな側面から地肌除去を行っている。その1つは、ざら紙あるいは新聞紙等、白地でない原稿に対してその地肌濃度をカットするもので、もう1つは、裏写り防止と呼び、紙の両面に原稿が存在する場合、その紙が薄いと裏面であるにもかかわらずコピー結果に裏面の情報が写ってしまうものを飛ばすものである。前述の公報1に記載の技術が、色地原稿に対する地肌除去の例で、公報2に記載の技術が、裏写り防止の例である。色地原稿、裏写り原稿、どちらの場合も、ユーザーが、そのことを意識することなくきれいに地肌除去が行われることが望ましいが、実際には、制約やハードウェアの大幅な追加が必要となる。
【0004】
公報1に記載の従来技術は、ファーストスキャンであるBk(黒)作像時に、原稿の各画素の濃度を検出し、濃度のピークを検出することにより地肌濃度を検出し、セカンドスキャン以降、すなわち、C(シアン)、M(マナゼンタ)、Y(イエロー)の版作像時に地肌除去を行うというものである。この処理は、フルカラー画像を作成するために、地肌濃度のように濃度の薄い(以下、ハイライトと呼ぶ)部分に関しては、グレーであってもBk版1色の作像ではなく、CMY版3色重ねうちにより現像する(以下、UCRが低いと呼ぶ)ことを想定している処理である。しかし、この従来技術は、新聞原稿に対して、文字部周りに地肌濃度であるイエロー付きが目につく、文字部が写真処理されるためぼける等の問題が発生し、ハイライト側でもBk1色で現像する(以下、UCRの高いと呼ぶ)文字処理が望ましい。すなわち、Bk現像に対しても原稿地肌濃度除去を行いたいという要望が高く、現実には除去量を選択できるように何種類か持ち、一定濃度で地肌除去を行うことが多く見受けられる。
【0005】
また、公報2に記載の従来技術は、原稿を押さえる圧板に液晶シャッタを設け、原稿サイズを検知すると共に、原稿読み取り時には原稿部の透過光は反射しないようにすることにより、裏写りを防止するというものであり、圧板が非常に高価となってしまい、現実的ではないという問題点を有している。そのため、色地原稿と同じように除去量を選択できるように何種類か持ち、一定濃度で地肌除去を行うことにより裏写りを防止することが多く見受けられる。
【0006】
前述したように、公報1、2に記載された従来技術は、ある程度一定濃度での地肌除去を行っているが、近年、前述の公報3に記載されているようなローカルストレージと呼ばれるメモリに複数の原稿の画像データを蓄積し、ネットワークを系由してデータの共有を行うものが増加してきている。通常のコピーの場合、操作部上からコピー条件を入力し、その指示に従って画像処理を行えばよかったが、ローカルストレージを使用する場合、メモリには画像データを取り込むだけとなり、プリント条件は、プリント時に再度指定することとなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前述した公報3に記載の従来技術を使用して地肌除去を行う場合、メモリに画像データを取り込むときに地肌除去を行ってしまうと、後でプリントするときに地肌情報を取り出すことができず、また、プリンタの特性としてハイライト濃度の再現が異なった場合、それを補正することができないという問題点を生じる。
【0008】
本発明の目的は、前述した従来技術の問題点を解決し、ローカルストレージメモリ使用時に、プレスキャンすることなく、ハードウェアの追加がほとんど不要で、ユーザーの意図をできるだけ反映することが可能な地肌除去回路を有する画像処理装置、画像処理方法及びカラー複写機を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、第1の手段は、画像データのハイライト濃度を検出する手段と、読み取られた画像データのハイライト濃度を除去する第1の除去手段と、前記除去手段からの画像データを蓄積する蓄積メモリ手段と、蓄積された画像データを読み出し、その画像データのハイライト濃度を除去する第2の除去手段と、第2の除去手段からの画像データをプリントする手段とを持つ画像処理装置において、前記蓄積メモリ手段の先頭に付加情報として、地肌除去量指定キー情報と、ハイライト濃度検出手段の結果とを蓄積する手段と、前記蓄積メモリ手段の画像データを使用するか否かにより、前記第1の除去手段を無効にするか有効にするかを切り替える手段とを備え、前記蓄積メモリ手段を用いない処理の場合、前記第1の除去手段によりRGB側で前記画像データの地肌濃度除去、裏写り防止のための地肌除去処理を行い、前記第2の除去手段によるCMYK側で前記画像データの地肌濃度除去、裏写り防止のための地肌除去を行わず、前記蓄積メモリ手段を用いる処理の場合、前記第1の除去手段によるRGB側で前記画像データの地肌濃度除去、裏写り防止のための地肌除去処理を行わず、前記蓄積メモリ手段の先頭の付加情報を基に、前記第2の除去手段によりCMYK側で前記画像データの地肌濃度除去、裏写り防止のための地肌除去を行うことを特徴とする。
【0010】
第2の手段は、第1の手段において、前記地肌除去量指定キー情報として、地肌除去選択キーの情報を用い、該地肌除去選択キーがONの場合、前記第2の除去手段により、ハイライト側のデータをカットし、前記地肌除去選択キーがONでない場合、前記第2の除去手段による地肌除去処理を行わないことを特徴とする。
【0011】
第3の手段は、第1の手段において、前記地肌除去量指定キー情報として、裏写り防止選択キーの情報を用い、該裏写り防止選択キーがONの場合、前記第2の除去手段により、ハイライト側のデータをカットし、前記裏写り防止選択キーがONでない場合、前記第2の除去手段による地肌除去処理を行わないことを特徴とする。
【0012】
第4の手段は、画像データのハイライト濃度を検出する手段と、読み取られた画像データのハイライト濃度を除去する第1の除去手段と、前記除去手段からの画像データを蓄積する蓄積メモリ手段と、蓄積された画像データを読み出し、その画像データのハイライト濃度を除去する第2の除去手段と、第2の除去手段からの画像データをプリントする手段とを持つ画像処理装置における画像処理方法において、前記蓄積メモリ手段の先頭に付加情報として、地肌除去量指定キー情報と、ハイライト濃度検出手段の結果とを蓄積する手段と、前記蓄積メモリ手段の画像データを使用するか否かにより、前記第1の除去手段を無効にするか有効にするかを切り替える手段とを備え、前記蓄積メモリ手段を用いない処理の場合、前記第1の除去手段によりRGB側で前記画像データの地肌濃度除去、裏写り防止のための地肌除去処理を行い、前記第2の除去手段によるCMYK側で前記画像データの地肌濃度除去、裏写り防止のための地肌除去を行わず、前記蓄積メモリ手段を用いる処理の場合、前記第1の除去手段によるRGB側で前記画像データの地肌濃度除去、裏写り防止のための地肌除去処理を行わず、前記蓄積メモリ手段の先頭の付加情報を基に、前記第2の除去手段によりCMYK側で前記画像データの地肌濃度除去、裏写り防止のための地肌除去を行うことを特徴とする。
【0013】
第5の手段は、第4の手段において、前記地肌除去量指定キー情報として、地肌除去選択キーの情報、あるいは、裏写り防止選択キーの情報を用い、前記地肌除去選択キーの情報、あるいは、裏写り防止選択キーの情報がONの場合、前記第2の除去手段により、ハイライト側のデータをカットし、前記地肌除去選択キーの情報、及び、裏写り防止選択キーの情報がいずれもONでない場合、前記第2の除去手段による地肌除去処理を行わないことを特徴とする。
【0014】
第6の手段は、カラー複写機において、前述した第1、第2または第3の手段による画像処理装置を備えたことを特徴とする。
【0015】
前述した第1〜第5の手段によれば、蓄積メモリ手段の先頭に付加情報として地肌除去量指定キー情報とハイライト濃度検出手段の結果とを蓄積することができ、蓄積メモリの画像データを使用する場合にも前述の2つの情報を用いることができ、蓄積メモリを使用するか否かに拘らず、同じ画質のプリントを維持することができ、さらに、地肌除去をプリンタのハイライト特性にあわせて行うことができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による画像処理装置の実施形態を図面により詳細に説明する。
【0017】
図1は本発明による画像処理装置を使用したディジタルカラー複写機の一実施形態の構成を示すブロック図である。
【0018】
図1において、スキャナ101から読みこまれた画像データは、IPU(イメージ プロセッシング ユニット)102により画像処理が施され、プリンタ103に出力されるというのが画像パスの大まかな流れである。そして、スキャナ101、IPU102、プリンタ103に各種設定を通知する機能は、操作部104が受け持っている。図1に示す本発明の一実施形態は、IPU102にローカルストレージと呼ばれる1フレーム以上の画像を蓄積することができるメモリを持つ蓄積手段105が接続されている。
【0019】
図2は従来技術の場合の図1におけるIPU102の内部構成と処理の流れを説明する図である。まず、簡単に、画像パスの流れを説明する。
【0020】
スキャナ101から入力された画像データは、スキャナガンマ201と像域分離209とに入力される。像域分離209は、入力された画像データから画像の特徴量を算出し、原稿をリアルタイムに文字領域か写真領域か、あるいは、他の領域かを判定し、スキャナガンマ201以降の各画像処理ブロックにその判定結果を出力する機能を持つ。スキャナガンマ201は、スキャナ101からの反射率リニアのデータを濃度リニア特性に変換する機能を持つ。スキャナガンマ201での処理後、画像データは、フィルタ処理202、地肌検出&地肌除去203、色補正&UCR/UCA204、圧縮205の各処理が順次施され、これらの処理を受けた画像データが蓄積手段105に格納される。
【0021】
フィルタ処理202は、像域分離209による判定結果に従い、文字領域の場合、MTF補正用のエッジ強調処理を実行し、写真領域の場合、網点原稿モアレ防止用の平滑処理を実行する。地肌検出&地肌除去203は、本発明の基になる処理であり、スキャナ101で読み取られた1つの原稿に対して1つの原稿地肌濃度を検出し、その値に従って地肌除去を実行する。色補正&UCR/UCA204は、R(赤)、G(緑)、B(青)の各データをC、M、Yの各データに補色変換し、変換したCMYデータからBk量を算出し、プリントインクの基となるCMYBk4色分の画像データを作成する。このCMYBk4色分の画像データは、蓄積手段105に格納されるが、1つの原稿が、例えば、A3サイズ600dpiだったとすると、その画像データが280Mbyteと大容量となるため、圧縮205により画像圧縮を行うことによりメモリ容量の削減を行っている。例えば、1/4圧縮を行った場合、総容量として70Mbyteとなる。蓄積手段105から読み出された画像データは、伸張回路206、プリンタガンマ207、階調処理208へ流れていく。
【0022】
画像パスとしては、CMYK4色分を同時に読み出すケースと1色分のみを読み出すケースとの2つのケースがあり、CMYK4色分を同時に読み出すケースの場合、これらの4色を4ドラム機に並列に入力してプリントさせ、CMYK1色分ずつ読み出すケースの場合、これらの4色を1ドラム機にシリアルに入力してプリントさせる。
【0023】
伸張回路206は、圧縮回路205により圧縮されて蓄積手段105に蓄積され、その後読み出されたデータを伸張する回路、プリンタガンマ207は、出力サンプルを濃度リニアとするように、プリンタ本体の特性と階調処理のガンマ特性との逆補正を行う。階調処理208は、像域分離209による判定結果に従って、文字領域の場合、解像度重視の階調処理を行い、写真領域の場合、階調性重視の階調処理を実行する。スキャナガンマ201及び像域分離209の処理と並行して行われるACS210という処理があるが、この処理は、1ドラム機特有のもので、読み取られた原稿がカラー原稿か白黒原稿かを判定し、白黒原稿であった場合にBk現像のみを行ってプリント出力するためのものである。
【0024】
IPU102内の各処理は、1本のIPUバスにより接続され、CPU211により各種パラメータが設定されて制御されている。その際、RAM212はCPU211のワークメモリ等として、また、ROM213には各種の設定パラメータ等が格納されて使用される。実際のパラメータの設定は、操作部104にて各種設定が選択され、その値が操作部104内のCPUとIPU102のCPU211との間でシリアル通信を行うことにより実施される。
【0025】
図3は操作部104の構成とその周辺要素の構成とを説明する簡単なブロック図である。図3に示すように、操作部104は、オペレーションパネル300と、操作部104全体の制御を行うCPU301と、RAM302と、ROM303とが内部バスにより相互に接続されて構成されている。図3には、IPU102の一部も示しており、IPU102のCPU211及び操作部104のCPU301には、それぞれ、シリアルI/Fが設けられており、オペレーションパネル300の操作で選択設定された各種のパラメータがIPU102側に伝送される。また、図3には、前述した地肌検出&地肌除去203が、地肌検出部203aと地肌除去部203bとにより構成されていることが示されている。
【0026】
図4は本発明の基になる従来技術の場合の地肌検出&地肌除去203の詳細な構成を示すブロック図、図5は図4におけるステートマシンの構成を示す図、図6は図4における地肌濃度判定403の構成を示す図、図7は地肌濃度レジスタへの書き込みタイミングを説明するタイムチャートであり、次に、これらの図を参照して、地肌検出&地肌除去203について説明する。
【0027】
図3に示したように、地肌検出&地肌除去203は、地肌検出部203aと地肌除去部203bとにより構成され、地肌検出部203aは、図4に示すように、ステートマシン401、最小値検出402、地肌濃度判定403からなり、地肌濃度判定403内に地肌濃度レジスタを持ち、1つの原稿に対して1つの地肌濃度を検出する。
【0028】
ステートマシン401は、図5に示すような地肌濃度判定を行う有効領域を生成するもので、主走査方向の有効領域LGATEと副走査方向の有効領域FGATEとのアンド条件により有効領域を生成する。そして、生成した有効領域を示す情報は、地肌濃度判定403に入力される。また、図4に示す最小値検出402は、入力されるRGBデータから最小値を検出し出力する機能であり、RGBの3つのデータの単純なコンパレータにより構成される。
【0029】
地肌濃度判定403は、図6に示すように、2種の地肌濃度レジスタとしてのF/F4034と4035とを備えている。地肌濃度レジスタであるF/F4034は、tmpレジスタとして機能し、もう一方の地肌濃度レジスタであるF/F4034は、本レジスタとして機能する。地肌濃度判定403は、さらに、予め設定された地肌濃度初期値とtmpレジスタとしてのF/F4034が持つ値とが入力され、前述したステートマシン401が出力する有効領域を示す図7の信号ENが“1”となって有効領域であることを示しているときに、tmpレジスタとしてのF/F4034が持つ値を選択するセレクタ4031と、前述した最小値検出402が出力する地肌濃度の最小値と前述のセレクタ4301が出力する値とを比較して、どちらが小さいかを示す比較結果を出力するコンパレータ4032と、前述した最小値検出402が出力する地肌濃度の最小値と前述のセレクタ4301が出力する値とが入力され、前述のコンパレータ4032からの比較結果により、小さい方の値を出力してtmpレジスタとしてのF/F4034にラッチさせるセレクタ4033とを備えている。
【0030】
前述したような構成により、tmpレジスタとしてのF/F4034には、有効領域内で1番明るい(最小値)点が画素クロック単位に更新されてラッチされることになる。そして、本レジスタとしてのF/F4035は、有効領域内において、tmpレジスタと一緒に更新されるが、有効領域が閉じた(ネゲートした)点、すなわち、図7の信号ENが“0”となった点でのtmpレジスタの値を、求める地肌濃度としてラッチする。地肌検出は、この本レジスタとしてのF/F4035の値をIPUバスを系由にてCPUがリードすることにより実施される。
【0031】
図8、図9は地肌除去203bの処理手段とその入出力特性を説明する図、図10は蓄積手段105の内容を説明する図である。
【0032】
図8(a)、図8(b)に示す地肌除去203bは、従来技術によるものと、本発明の実施形態入力よるものとの例を示しており、何れもテーブル変換方式により実施されるものである。従来技術の場合の地肌除去203bは、図8(a)に示すように、RGBの各信号レベル値Ri、Gi、Biと地肌検出203aの検出結果値THが入力され、テーブル変換方式により、TH値に従いテーブルを選択してガンマ変換を行って、RGBの各信号レベル値Ro、Go、Boを出力する。この入出力の関係を図9(a)に示しており、ハイライト部のみの除去を行いシャドー部がそのまま再現されていることが判る。この従来技術の場合の蓄積手段105の内部構成を図10(a)に示しており、蓄積手段105内には、CMYKの画像データが面順次で格納されている。
【0033】
本発明の実施形態の場合の地肌除去203bは、図8(b)に示すように、RGBの各信号レベル値Ri、Gi、Bi、地肌検出203aの検出結果値TH及び信号LSが入力され、テーブル変換方式により、TH値に従いテーブルを選択してガンマ変換を行って、RGBの各信号レベル値Ro、Go、Boを出力する。この入出力の関係を図9(b)に示しており、これらは、図8(a)、図9(b)で説明した従来技術の場合と同様である。そして、本発明の実施形態の場合の蓄積手段105の内部には、図10(b)に示すように、CMYKの画像データが面順次で格納されると共に、画像データメモリのヘッダ部分に付加情報として、地肌除去ノッチ情報、裏写り防止ノッチ情報、原稿地肌濃度情報が添付さて格納されている。
【0034】
本発明の実施形態は、前述で説明したようなRGB側での地肌除去回路の他にCMYK処理側にも地肌除去手段を備えており、このCMYK処理側の地肌処理における入出力特性を図11に示している。地肌除去手段としてはRGB側での処理と同一でよく、図11に示す例では、ハイライトのみを除去することとしている。
【0035】
図12は従来技術の場合の地肌除去203bと蓄積手段105との全体の構成を示すブロック図、図13は本発明の実施形態の場合の地肌除去203bと蓄積手段105との全体の構成を示すブロック図である。
【0036】
図12、図13から判るように、図12に示す従来技術の場合、地肌除去は、データが蓄積手段105に格納される前の段階で、RGB側でのみ行われる。これに対して、本発明の実施形態では、図13に示すように、RGB側での地肌除去203b−1に加えて、蓄積手段105からの読み出しデータを伸張した後にCMYK処理側での地肌除去203b−2が追加される。このため、蓄積手段105のヘッダーに追加される前述したような各情報を持つCPUが必要となる。この地肌除去203b−2の処理内容は、図8(b)、図9(b)、図11により説明した通りであり、また、蓄積手段の内容は、図10(b)により説明した通りである。
【0037】
地肌除去203b−2の手段が設けられる位置としては、蓄積手段105からの読み出しデータを伸張した後、プリンタガンマ207、階調処理208の前に行うことを前提としている。但し、CMYK側の地肌除去回路のハード追加を無くすために、地肌除去機能をプリンタガンマテーブルにプラスすることが可能であるので、CMYK側の地肌除去回路の機能をプリンタガンマテーブルに備えることとしてもよい。
【0038】
図14は蓄積データの付加情報である原稿地肌濃度の書きこみタイミングを説明する図である。画像データの書きこみは、FGATE有効中に各プレーンに書き込みを行い、次のFGATE有効までのFGATEネゲート中に付加情報書き込み用のタイミング信号CDENを発生し、ヘッダー部に付加情報を書き込むことにより行われる。
【0039】
図15はヘッダー情報の例を説明する図である。地肌除去機能と裏写り防止機能とは、何段階からか選択可能となっている場合が多く、原稿の地肌濃度を使用するかしないかは、自動濃度キーが選択されているか否かで切り替えが行われる場合が多い。各ヘッダー情報について具体的に示すと、
地肌除去ノッチ情報・・・地肌除去選択キーON/OFF、地肌除去量選択ノッチ
裏写り防止ノッチ情報・・・裏写り防止選択キーON/OFF、裏写り防止選択ノッチ
自動濃度ノッチ情報・・・自動濃度選択キーON/OFF、原稿地肌濃度
となる。
【0040】
本発明の実施形態における地肌除去処理をまとめると、次のようになる。
【0041】
(1)ローカルストレージ(蓄積手段105)を用いない処理の場合、
従来までの方式と同じRGB側の地肌除去処理を行う。地肌除去選択キーがONの場合、ハイライト側のデータをカットするが、さらに裏写り防止選択キーがONの場合、地肌除去によるハイライト除去カーブと、裏写り防止によるハイライト除去カーブとのオアが実際のハイライト除去量となる。この場合、ヘッダーの付加情報は無効となり、CMYK側の地肌除去はオフとされる。
【0042】
(2)ローカルストレージ(蓄積手段105)を用いる処理の場合、
RGB側の地肌除去処理は強制的にオフされ、ヘッダーの付加情報を基にCMYK側の地肌除去処理を行う。
【0043】
前述した本発明の実施形態による各処理は、処理プログラムとして構成することができ、この処理プログラムは、HD、DAT、FD、MO、DVD−ROM、CD−ROM等の記録媒体に格納して提供することができる。
【0044】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、蓄積メモリ手段の先頭に付加情報として地肌除去キーの情報、裏写り防止キーの情報、原稿地肌濃度の結果を蓄積することにより、蓄積メモリを使用するか否かに拘らず、同じ画質のプリントを維持することができ、さらに、地肌除去をプリンタのハイライト特性にあわせて行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による画像処理装置を使用したディジタルカラー複写機の一実施形態の構成を示すブロック図である。
【図2】従来技術の場合の図1におけるIPU102の内部構成と処理の流れを説明する図である。
【図3】操作部104の構成とその周辺要素の構成とを説明する簡単なブロック図である。
【図4】本発明の基になる従来技術の場合の地肌検出&地肌除去203の詳細な構成を示すブロック図である。
【図5】図4におけるステートマシンの構成を示す図である。
【図6】図4における地肌濃度判定403の本発明の実施形態での構成を示す図である。
【図7】地肌濃度レジスタへの書き込みタイミングを説明するタイムチャートである。
【図8】地肌除去203bの処理手段を説明する図である。
【図9】地肌除去203bの入出力特性を説明する図である。
【図10】蓄積手段105の内容を説明する図である。
【図11】CMYK処理側の地肌処理における入出力特性を説明する図である。
【図12】従来技術の場合の地肌除去203bと蓄積手段105との全体の構成を示すブロック図である。
【図13】本発明の実施形態の場合の地肌除去203bと蓄積手段105との全体の構成を示すブロック図である。
【図14】蓄積データの付加情報である原稿地肌濃度の書きこみタイミングを説明する図である。
【図15】ヘッダー情報の例を説明する図である。
【符号の説明】
101 スキャナ
102 IPU
103 プリンタ
104 操作部
105 蓄積手段
201 スキャナガンマ
202 フィルタ処理
203 地肌検出、地肌除去
204 色補正、UCR/UCA
205 圧縮
206 伸張
207 プリンタガンマ
208 階調処理
209 像域分離
210 ACS
211 IPU側CPU
300 オペレーションパネル
301 操作部側CPU
401 ステートマシン
402 最小値検出
403 地肌濃度判定
Claims (6)
- 画像データのハイライト濃度を検出する手段と、読み取られた画像データのハイライト濃度を除去する第1の除去手段と、前記除去手段からの画像データを蓄積する蓄積メモリ手段と、蓄積された画像データを読み出し、その画像データのハイライト濃度を除去する第2の除去手段と、第2の除去手段からの画像データをプリントする手段とを持つ画像処理装置において、
前記蓄積メモリ手段の先頭に付加情報として、地肌除去量指定キー情報と、ハイライト濃度検出手段の結果とを蓄積する手段と、
前記蓄積メモリ手段の画像データを使用するか否かにより、前記第1の除去手段を無効にするか有効にするかを切り替える手段とを備え、
前記蓄積メモリ手段を用いない処理の場合、前記第1の除去手段によりRGB側で前記画像データの地肌濃度除去、裏写り防止のための地肌除去処理を行い、前記第2の除去手段によるCMYK側で前記画像データの地肌濃度除去、裏写り防止のための地肌除去を行わず、
前記蓄積メモリ手段を用いる処理の場合、前記第1の除去手段によるRGB側で前記画像データの地肌濃度除去、裏写り防止のための地肌除去処理を行わず、前記蓄積メモリ手段の先頭の付加情報を基に、前記第2の除去手段によりCMYK側で前記画像データの地肌濃度除去、裏写り防止のための地肌除去を行うことを特徴とする画像処理装置。 - 前記地肌除去量指定キー情報として、地肌除去選択キーの情報を用い、該地肌除去選択キーがONの場合、前記第2の除去手段により、ハイライト側のデータをカットし、前記地肌除去選択キーがONでない場合、前記第2の除去手段による地肌除去処理を行わないことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
- 前記地肌除去量指定キー情報として、裏写り防止選択キーの情報を用い、該裏写り防止選択キーがONの場合、前記第2の除去手段により、ハイライト側のデータをカットし、前記裏写り防止選択キーがONでない場合、前記第2の除去手段による地肌除去処理を行わないことを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
- 画像データのハイライト濃度を検出する手段と、読み取られた画像データのハイライト濃度を除去する第1の除去手段と、前記除去手段からの画像データを蓄積する蓄積メモリ手段と、蓄積された画像データを読み出し、その画像データのハイライト濃度を除去する第2の除去手段と、第2の除去手段からの画像データをプリントする手段とを持つ画像処理装置における画像処理方法において、
前記蓄積メモリ手段の先頭に付加情報として、地肌除去量指定キー情報と、ハイライト濃度検出手段の結果とを蓄積する手段と、
前記蓄積メモリ手段の画像データを使用するか否かにより、前記第1の除去手段を無効にするか有効にするかを切り替える手段とを備え、
前記蓄積メモリ手段を用いない処理の場合、前記第1の除去手段によりRGB側で前記画像データの地肌濃度除去、裏写り防止のための地肌除去処理を行い、前記第2の除去手段によるCMYK側で前記画像データの地肌濃度除去、裏写り防止のための地肌除去を行わず、
前記蓄積メモリ手段を用いる処理の場合、前記第1の除去手段によるRGB側で前記画像データの地肌濃度除去、裏写り防止のための地肌除去処理を行わず、前記蓄積メモリ手段の先頭の付加情報を基に、前記第2の除去手段によりCMYK側で前記画像データの地肌濃度除去、裏写り防止のための地肌除去を行うことを特徴とする画像処理方法。 - 前記地肌除去量指定キー情報として、地肌除去選択キーの情報、あるいは、裏写り防止選択キーの情報を用い、前記地肌除去選択キーの情報、あるいは、裏写り防止選択キーの情報がONの場合、前記第2の除去手段により、ハイライト側のデータをカットし、前記地肌除去選択キーの情報、及び、裏写り防止選択キーの情報がいずれもONでない場合、前記第2の除去手段による地肌除去処理を行わないことを特徴とする請求項4記載の画像処理方法。
- 請求項1、2または3記載の画像処理装置を備えて構成されたことを特徴とするカラー複写機。
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