JP4154065B2 - 流量監視計 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体の流量低下の確認に用いられる流量監視計に関する。
【0002】
【従来の技術】
濾過機において、例えば、スラッジが混入している処理液槽の被処理液を袋状の濾過部材内に供給し、該濾過部材によってスラッジを除去して、その清浄液を処理液槽に戻すタイプの濾過機にあっては、袋状の濾過部材内にスラッジがほぼ満杯に溜ると濾過部材が新規なものと取換えられる。ところで、被処理液の濾過によりスラッジが濾過部材内に溜るに従って、濾過抵抗が増大し、清浄液の流量が徐々に低下するため、この清浄液の流量低下が所定レベルに達したことを検知することができれば、濾過部材の交換時期を知ることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような流量低下を検知するには、濾過機の排出側流路に流量計や流量センサーを配設することが考えられるが、これらの計量機器は高価であるため濾過機の製造コストが高くなってしまう。このため、安価で簡易に流量低下を確認し得るものが求められていた。
【0004】
本発明は、構造が簡単で安価に製造でき、しかも流量低下を一目で確認し得る流量監視計の提供を目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上方に立上がる内部透視可能な指標管部と、該指標管部の上部から下方に垂下するオーバーフロー管部とを備えた略逆U字形の主管路と、該主管路の上部に配設されて、主管路から外部への液体流出を防止し、かつ指標管部内に負圧が生じた場合に、主管路の上部を開放して指標管部を大気と連通させる逆止弁と、一端に液体の流入口が開口され、他端に流出口が開口された副管路とからなり、前記指標管部の下部を副管路の流入口側に連通させるとともに、オーバーフロー管部の下部を副管路の流出口側に連通させてなることを特徴とする流量監視計である。
【0006】
この構成にあって、副管路の流入口と流出口との間に流量調整弁を配設し、副管路を流れる液体の最低必要流量を調整可能にしてもよい。
【0007】
前記構成にあって、副管路の許容流量を超える液体が流入口から流入すると、副管路の許容流量の液体が副管路を通って流出口に流れる一方、それ以外の液体は主管路の指標管部を上昇し、オーバーフロー管部を介して流出口へ流れる。ここで、指標管部が内部透視可能であるため、指標管部内を液体が流れていることを確認することができる。そして、流入口から流入する液体の流量が徐々に減少していくと、やがてオーバーフロー管部からの流出が止まり、副管路のみを通って液体が流出口に流れるようになる。ここで、主管路の指標管部及びオーバーフロー管部内に充満している液体に重力が作用することに起因して主管路内に負圧が生じると、主管路の上部に配設されている逆止弁が自動開放され、主管路に大気が導入される結果、指標管部及びオーバーフロー管部内の液面が副管路を流れる液体の圧力に応じた高さ位置まで下がることとなり、指標管部内の液面を目視することができる。これにより、指標管部内を液体が流れている間は流量が多く、指標管部内の流れが止まって液面を目視し得る状態となれば流量が所定レベルまで低下したことを確認することができる。従って、この流量監視計を前述の濾過機に適用すれば、濾過部材の交換時期を容易に知ることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明に係る流量監視計1は、図1に示すように、上方に立上がる内部透視可能な指標管部2と、該指標管部2の上部から下方に垂下するオーバーフロー管部3とを備えた略逆U字形の主管路4と、該主管路4の上部に配設されて、主管路4から外部への液体流出を防止し、かつ指標管部2内に負圧が生じた場合に、主管路4の上部を開放して指標管部2を大気と連通させる逆止弁5と、一端に液体の流入口6が開口され、他端に流出口7が開口された副管路8とからなり、前記指標管部2の下部を副管路8の流入口6側に連通させるとともに、オーバーフロー管部3の下部を副管路8の流出口7側に連通させてなることを特徴としている。
【0009】
以下に、上記流量監視計1の具体的な一実施例を、図1について説明する。
上方に立上げられた指標管部2は、透明な合成樹脂や強化ガラス等からなる適宜長さのパイプ材からなり、内部透視が可能となっている。該指標管部2の下部には液体の流入口6が側方突成されており、該流入口6と指標管部2の下部とが連通されている。また、指標管部2の上端近傍部からは、オーバーフロー管部3が下方に向けて垂下するように延成されており、該オーバーフロー管部3の下端には、液体の流出口7を備えた合流管部9が形成されている。そして、このオーバーフロー管部3と前記指標管部2とにより、略逆U字形の主管路4が構成されている。
【0010】
指標管部2の上端部には逆止弁5が配設されている。該逆止弁5は、常時は指標管部2の上端部を閉鎖して主管路4から外部への液体流出を防止し、また、主管路4に負圧が生じた場合には、自動的に開放作動して指標管部2及びオーバーフロー管部3内を大気と連通させるようになっている。
【0011】
さらに、指標管部2の下端からは、該指標管部2に連通されたバイパス管10が延出されており、該バイパス管10の先端は前記オーバーフロー管部3の下端に形成された前記合流管部9に連通されている。これにより流入口6から流出口7に至る副管路8が構成されている。また、バイパス管10には流量調整弁11が配設されており、該流量調整弁11によって副管路8を流れる液体の最低必要流量を調整し得るようになっている。
【0012】
図2に、本発明に係る流量監視計1が適用可能な濾過脱水装置のシステム構成図を示す。該濾過脱水装置は、被処理液を貯留する処理液槽12,濾過脱水機13,エアードポンプ14,図示しないコンプレッサ及びこれらに接続された所定の配管路15a〜15f等により構成されており、エアードポンプ14の液体吐出口16bから処理液槽12に液体を戻す配管路15cの途中に本発明に係る流量監視計1が配設されている。
【0013】
エアードポンプ14は、配管路15dを介してコンプレッサから供給される加圧エアーの給気口17a及びその排気口17bと、液体の吸引口16a及び吐出口16bとを備えており、給気口17aへの加圧エアーの供給により、吸引口16aから液体を吸入し、該液体を吐出口16bから吐出する。また、濾過脱水機13は、開閉可能な円筒容器18内に袋状の濾過部材19が着脱可能に収納されており、該濾過部材19内に上方から配管路15aを介して処理液槽12の被処理液が供給される。また、円筒容器18の底面及び側周面からは、該容器18の内部と連通された配管路15bが延出され、該配管路15bの先端が前記エアードポンプ14の吸引口16aに接続されている。
【0014】
前記配管路15aには、脱水時に濾過部材19内へ加圧エアーを供給する配管路15eが接続されており、さらに該配管路15eには、円筒容器18の開蓋時に使用するエアー抜きバルブ20を備えた配管路15fが分岐させて設けられている。また、前記各配管路15a,15b,15d,15eの所定位置には、必要に応じて各管路を閉鎖する開閉バルブ22が夫々配設されている。
【0015】
上記のように構成された濾過脱水装置にあって、エアードポンプ14の作動により、スラッジが混入している処理液槽12の被処理液が配管路15aを介して濾過脱水機13の濾過部材19内に供給されると、該濾過部材19によって被処理液が濾過されてスラッジが濾過部材19内に残留し、清浄化した液体が配管路15bを介してエアードポンプ14の吸引口16aから吸入される。そして、エアードポンプ14の吐出口16bから吐出された液体は、配管路15cを介して流量監視計1に送り込まれ、さらに該流量監視計1から処理液槽12に戻される。処理液槽12の被処理液は、このようなエアードポンプ14を駆動源とする循環操作が連続的に繰り返されることにより、スラッジが濾過部材19によって除去されて次第に清浄となる。
【0016】
そして、上記のような清浄化過程において、濾過部材19内に残留するスラッジが少ない間は、濾過作用が良好であるため、濾過脱水機13から出る液体の流量が多く、従って流量監視計1に多量の液体が流入する。ここで、流量監視計1の流入口6から多量の液体が流入すると、副管路8の許容流量の液体が該副管路8を通って流出口7に流れる一方、余剰の液体は主管路4の指標管部2を上昇し、オーバーフロー管部3を介して流出口7へ流れることとなる。そして、指標管部2が内部透視可能であるため、内部を流れる液体を目視することができ、これにより、濾過部材19の濾過作用が良好であることが確認できる。
【0017】
一方、濾過部材19内に残留するスラッジが多くなるに従って、濾過抵抗が増大するため、濾過脱水機13から出る液体の量が減少し、流量監視計1の流入口6から流入する液体の流量が徐々に低下してくる。そして、やがてオーバーフロー管部3からの流出が止まり、副管路8のみを通って液体が流出口7に流れるようになる。ここで、主管路4の指標管部2及びオーバーフロー管部3内に充満している液体に重力が作用することに起因して主管路4内に負圧が生じると、主管路4の上部に配設されている逆止弁5が自動開放し、主管路4に大気が導入されて前記負圧が消失する。そして、流入口6から流入する液体の流量が、副管路8の許容流量を若干上回る状態にあっては、副管路8を流れ切れない液体が指標管部2を上昇し、この液体を押し上げる圧力と、押し上げられた液体の水頭圧(重量)とが均衡する高さ位置で液面が停止することとなる。この状態にあって、流入口6から流入する液体の流量がさらに低下するに従って指標管部2内の液面も下がっていく。そしてこのように、指標管部2内に液面が位置し、これを目視できる状態となれば、流量が所定レベルまで低下したことが分かり、濾過部材19内にスラッジがほぼ満杯に溜ったことが察知される。これにより、濾過部材19が交換時期に達したことを容易に知ることができる。
【0018】
尚、上述のように、流入口6から流入する液体の流量が、副管路8の許容流量を若干上回る状態にあって、副管路8を流れ切れない液体が指標管部2を上昇するため、副管路8の許容流量を流量調整弁11によって調整することにより、指標管部2内の液面の高さ位置が変化する。従って、流量調整弁11によって副管路8の許容流量を最低必要流量に調整することにより、濾過部材19の交換時期をより正確に知ることができる。また、流量調整弁11の開度を一定とし、指標管部2内の液面の高さ位置と、そのときの流量との関係を実測または計算によって求め、その数値に基づいて指標管部2に流量を示す目盛を表示するようにすれば、流量低下時における液体の流量を数値的に知ることも可能である。
【0019】
【発明の効果】
本発明は上述のように、上方に立上がる内部透視可能な指標管部2の上部からオーバーフロー管部3を下方に垂下させて略逆U字形に形成した主管路4と、一端に液体の流入口6が開口され、他端に流出口7が開口された副管路8とを備え、主管路4の上部に、負圧発生時に自動開放する逆止弁5を設けるととともに、指標管部2の下部を副管路8の流入口7側に連通させ、かつ、オーバーフロー管部3の下部を副管路8の流出口7側に連通させて構成した流量監視計1であるから、構造が簡単で安価に製造でき、指標管部2内を液体が流れている間は流量が多いことが分かり、指標管部2内の流れが止まって液面を目視し得る状態となれば流量が低下したことが一目で分かる等の優れた効果がある。
【0020】
また、副管路8の流入口6と流出口7との間に流量調整弁11を配設すれば、副管路8の許容流量を最低必要流量に簡単に調整することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる流量監視計の一実施例を示す正面図である。
【図2】同上の流量監視計を配設した濾過脱水装置のシステム構成図である。
【符号の説明】
1 流量監視計
2 指標管部
3 オーバーフロー管部
4 主管路
5 逆止弁
6 流入口
7 流出口
8 副管路
11 流量調整弁
Claims (2)
- 上方に立上がる内部透視可能な指標管部と、該指標管部の上部から下方に垂下するオーバーフロー管部とを備えた略逆U字形の主管路と、
主管路の上部に配設されて、該主管路から外部への液体流出を防止し、かつ指標管部内に負圧が生じた場合に、主管路の上部を開放して指標管部を大気と連通させる逆止弁と、
一端に液体の流入口が開口され、他端に流出口が開口された副管路とからなり、
前記指標管部の下部を副管路の流入口側に連通させるとともに、オーバーフロー管部の下部を副管路の流出口側に連通させてなることを特徴とする流量監視計。 - 副管路の流入口と流出口との間に流量調整弁を配設したことを特徴とする請求項1に記載した流量監視計。
Priority Applications (1)
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JP09452799A Expired - Fee Related JP4154065B2 (ja) | 1999-04-01 | 1999-04-01 | 流量監視計 |
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JP (1) | JP4154065B2 (ja) |
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1999
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