JP4153262B2 - バスパワー装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、USB(Universal Serial Bus)やIEEE(Institute of Electronic and Electronics Engineers)1394等のインタフェース規格に準拠するバスパワー装置に関するものであり、特に、電圧降下による動作不能を回避し、動作状態に応じた電池残量を把握することができ、さらに、急速充電することができるバスパワー装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、パーソナルコンピュータに周辺機器を接続するためのインタフェースとしてUSBインタフェース規格が注目されている。このUSBインタフェース規格は、最大127台のUSB機器をツリー状に接続することができるという特徴を備えている。
【0003】
図7は、従来のバスパワー装置20の構成を示すブロック図である。この図において、USB対応装置10は、上述したUSBインタフェース規格に対応するパーソナルコンピュータであり、ハイパワーUSBポート11を備えている。ハブ13は、バスパワーで駆動されるローパワーUSBポート12を備えている。
【0004】
ハイパワーUSBポート11は、USBコネクタ(同図では、USBコネクタ30)が接続されるハイパワーを供給できるポートであり、データの入出力ポートとしての基本機能の他に、2.5W(500mA/5V)の定格電力をUSB機器(同図では、バスパワー装置20)へ供給する機能を備えている。
【0005】
ローパワーUSBポート12は、USBコネクタが接続されるローパワーのポートであり、データの入出力ポートとしての機能の他に、0.5W(100mA/5V)の定格電力をUSB機器へ供給する機能を備えている。但し、ローパワーUSBポート12に接続されるUSB機器は、0.5Wというローパワーでは駆動されないため、別電源から電力の供給を受け駆動されるセルフパワー装置である。
【0006】
バスパワー装置20は、USB機器の一つとしてのハードディスクドライブ装置であり、ハイパワーUSBポート11に接続されたUSBコネクタ30を介してUSB対応装置10側より供給されるハイパワー(2.5W(500mA/5V))により駆動される。
【0007】
USBコネクタ30は、USBインタフェース規格に準拠するコネクタであり、バスパワー装置20の使用時にハイパワーUSBポート11に接続される。また、USBコネクタ30は、電力を各部へ供給するためのバスパワーライン31、データライン32、GND(グランド)ライン、シールドライン等に接続されている。
【0008】
USB/ATA(USB/AT Attachment)変換部21は、データライン32を介して入力されたUSBインタフェース規格のデータをATAインタフェース規格のデータへ変換し、該データをATAインタフェース22を介して、ハードディスク23へ出力する機能を備えている。
【0009】
ハードディスク23は、大容量の記録媒体であり、バスパワーライン31を介して供給される電力により回転駆動されつつ、データがリード/ライトされる。
【0010】
また、USB/ATA変換部21は、ハードディスク23からリードされ、ATAインタフェース22を介して入力されたATAインタフェース規格のデータを、USBインタフェース規格のデータに変換し、該データをデータライン32へ出力する機能を備えている。
【0011】
電圧調整部24は、バスパワーライン31から供給される5Vの電圧を3.3Vの電圧に調整し、この3.3Vの電圧をUSB/ATA変換部21へ供給する。
【0012】
つぎに、図8に示したフローチャートを参照して、バスパワー装置20の動作について説明する。同図に示したステップSA1でUSBコネクタ30がハイパワーUSBポート11に接続され、プラグインになると、ステップSA2では、バスパワー装置20は、USB対応装置10に装置として認識される。
【0013】
ステップSA3では、ハイパワーUSBポート11にUSBコネクタ30が接続されたか否かが判断され、この場合、判断結果が「Yes」とされる。ステップSA4では、USB対応装置10側からのハイパワー(500mA/5V)がバスパワーライン31を介して、電圧調整部24およびハードディスク23へ供給される。
【0014】
これにより、ステップSA5では、電圧調整部24からの3.3Vの電圧がUSB/ATA変換部21へ供給され、USB/ATA変換部21が動作を開始するとともに、ハードディスク23も動作を開始する。
【0015】
一方、ステップSA3の判断結果が「No」である場合、すなわち、USBコネクタ30がローパワーUSBポート12に接続された場合には、USB対応装置10側からバスパワー装置20の各部に、ローパワー(100mA/5V)しか供給されないため、ステップSA6では、バスパワー装置20が使用不可となる。
【0016】
ここで、図7に示したバスパワー装置20では、動作条件によっては、USBコネクタ30をUSB対応装置10に接続した直後に、ハードディスク23の初期回転で突入電流がバスパワーライン31を流れる場合があり、USB対応装置10からバスパワー装置20へ供給される電流が所定値(500mA)を超え、誤動作や動作不良を招くという問題があった。
【0017】
そこで、従来のバスパワー装置では、二次電池を設け、バスパワーライン31を流れる電流が所定値を超えた場合、超えた分の電流を上記二次電池で補償、すなわちアシストすることにより、ハイパワーUSBポート11からバスパワー装置20へ供給される電流を低減させるという、電流アシスト方式が採られている。
【0018】
図9は、上記電流アシスト方式による従来のバスパワー装置40の構成を示すブロック図である。この図において、図7の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。
【0019】
同図に示したバスパワー装置40において、二次電池41は、繰り返しの充電/放電が可能なリチウムイオン電池、アルカリ電池、ニッケルカドミウム電池等であり、バスパワーライン31を流れる電流が所定値を超えた場合、超えた分の電流をバスパワーライン31を介して、各部へ供給する。
【0020】
電流検出部42は、バスパワーライン31を流れる電流を検出する。MPU(Micro Processing Unit)43は、電流検出部42からの電流検出結果に基づいて、電流アシストを制御する機能、二次電池41への充電を制御する機能、ハードディスク23への電力供給を制御する機能、電池残量の表示を制御する機能、USB/ATA変換部21のステータスを監視する機能等を備えている。
【0021】
ハードディスク電源スイッチ44は、バスパワーライン31とハードディスク23との間に介挿されており、MPU43の制御の下で、ハードディスク23への電力供給をオン/オフする機能を備えている。充電部45は、バスパワーライン31と二次電池41との間に介挿されており、MPU43の制御の下で、バスパワーライン31を流れる電流を二次電池41へ充電させる機能を備えている。
【0022】
電流アシスト部46は、二次電池41とバスパワーライン31との間に介挿されており、MPU43の制御の下で、バスパワーライン31に所定値を超えた電流が流れた場合に二次電池41からバスパワーライン31へ供給させるという電流アシストを行わせる機能を備えている。
【0023】
電池残量表示部47は、MPU43の制御の下で、LED(Light Emitting Diode )の点灯/点滅状態により、二次電池41の電池残量を表示する。具体的には、二次電池41の電池電圧がしきい値を超えている場合、LEDが点灯し、電池残量に余裕があることがユーザに報知される。一方、二次電池41の電池電圧がしきい値以下になった場合には、LEDが点滅し、電池残量が残り僅かであることがユーザに報知される。
【0024】
上記構成において、USBコネクタ30がハイパワーUSBポート11に接続され、プラグインになると、バスパワー装置40は、USB対応装置10に装置として認識される。
【0025】
これにより、USB対応装置10側からのハイパワー(500mA/5V)がバスパワーライン31を介して、各部へ供給され、各部が起動される。具体的には、電圧調整部24からの3.3Vの電圧がUSB/ATA変換部21へ供給され、USB/ATA変換部21が動作を開始する。また、MPU43の制御により、ハードディスク電源スイッチ44がオンにされると、バスパワーライン31よりハードディスク23へ電力が供給されハードディスク23が動作を開始する。
【0026】
このとき、ハードディスク23の初期回転の影響により、バスパワーライン31に突入電流が流れ、電流が所定値を超えると、電流アシストが行われる。すなわち、MPU43は、電流検出部42からの電流検出結果が所定値を超えると、電流アシスト部46へ電流アシストを指示する。
【0027】
これにより、電流アシスト部46は、二次電池41を放電させ、バスパワーライン31へ二次電池41からの電流を供給する。これにより、電流検出部42による電流検出結果が、上記二次電池41からの電流分だけ少なくなることにより、所定値以下となる。
【0028】
また、電流検出部42の電流検出結果が所定値以下である場合、電流アシスト部46による電流アシストが不要であるため、MPU43は、充電部45へ充電パルスを出力する。
【0029】
これにより、充電部45は、バスパワーライン31の電流の一部を二次電池41へ供給し、二次電池41を充電する。また、MPU43は、二次電池41の電池電圧の監視結果に基づいて、電池残量表示部47に電池残量を表示させる。
【0030】
なお、USBコネクタ30がローパワーUSBポート12に接続された場合には、USB対応装置10側からバスパワー装置40の各部にローパワー(100mA/5V)しか供給されないため、バスパワー装置40が使用不可となる。
【0031】
図10は、従来のバスパワー装置50の構成を示すブロック図である。この図において、図9の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。同図に示したバスパワー装置50は、USBコネクタ30がローパワーUSBポート12に接続された場合に、別電源からハイパワーの電力の供給を受け駆動される装置である。
【0032】
このバスパワー装置50においては、DCジャック51および切替器52が新たに設けられている。DCジャック51は、別電源としてのAC/DC(Alternating Current/Direct Current)アダプタ(図示略)を接続するための端子である。このDCジャック51は、切替器52を介して、バスパワーライン31に接続される。
【0033】
AC/DCアダプタは、交流を直流に変換し、直流の電圧/電流を生成するためのアダプタである。切替器52は、バスパワーライン31の接続先をUSBコネクタ30またはDCジャック51のいずれか一方へ切り替える機能を備えている。
【0034】
つぎに、上述したバスパワー装置50の動作について、図11に示したフローチャートを参照しつつ説明する。上記構成において、切替器52がDCジャック51側に切り替えられた状態でDCジャック51にAC/DCアダプタ(図示略)が接続されると、図11に示したステップSB1では、AC/DCアダプタからのハイパワー(500mA/5V)がDCジャック51、切替器52およびバスパワーライン31を介して、各部へ供給され、各部が起動される。
【0035】
具体的には、電圧調整部24からの3.3Vの電圧がUSB/ATA変換部21へ供給され、USB/ATA変換部21が動作を開始する。また、MPU43の制御により、ハードディスク電源スイッチ44がオンにされると、バスパワーライン31よりハードディスク23へ電力が供給されハードディスク23がパワーオンとされる。
【0036】
ステップSB2でUSBコネクタ30がローパワーUSBポート12に接続され、プラグインになると、ステップSB3では、バスパワー装置50は、USB対応装置10に装置として認識される。ステップSB4では、バスパワー装置50は、動作を開始する。
【0037】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述したように、図9に示したバスパワー装置40においては、電流検出部42によりバスパワーライン31を流れる電流を検出し、電流が所定値を超えた場合に二次電池41から電流をアシストする電流アシスト方式が採られている旨を述べた。
【0038】
ここで、図9において、ハイパワーUSBポート11から駆動対象(ハードディスク23等)までの間でコネクタ接触抵抗が大きい場合や、ケーブルが長い場合には、大きな電圧降下が生じる。
【0039】
例えば、ハイパワーUSBポート11の電圧が5Vであり、ハードディスク23の動作保証電圧が4.75〜5.25Vである場合には、上記電圧降下が0.25Vを超えると、ハードディスク23へ供給される電圧が動作保証電圧である4.75(5−0.25)V未満となり、ハードディスク23が動作しなくなる。
【0040】
しかしながら、バスパワー装置40における電流アシスト方式では、バスパワーライン31を流れる電流のみを検出対象としているため、電圧降下による動作不能を回避することができないという問題があった。
【0041】
また、従来のバスパワー装置40では、バスパワー装置40の動作状態(充電、ハードディスク23へのアクセス、データ転送)に応じて、二次電池41の負荷(電池電圧)が変動するにもかかわらず、二次電池41の電池電圧と一つのしきい値とを比較し、この比較結果に基づいて電池残量を電池残量表示部47に表示させているため、正確な電池残量を把握することができないという問題があった。
【0042】
また、従来のバスパワー装置40では、充電部45から二次電池41への充電電流が一定であるため、短時間での充電が必要な場合であっても、急速充電することができないという問題があった。
【0043】
また、図10に示した従来のバスパワー装置50では、ローパワーUSBポート12に接続された場合、別電源(AC/DCアダプタ)が必須とされており、別電源が無い状態で使用ができないという問題があった。
【0044】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、電圧降下による動作不能を回避し、動作状態に応じた電池残量を把握することができ、さらに、急速充電することができるバスパワー装置を提供することを目的とする。
【0045】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、所定のインタフェース規格に対応した上位装置のポートに接続されるコネクタと、前記上位装置から前記ポートおよび前記コネクタを介してバスパワーラインに供給される電流を検出する電流検出手段と、前記上位装置から前記ポートおよび前記コネクタを介してバスパワーラインに供給される電圧を検出する電圧検出手段と、前記電流検出手段における電流検出結果と電流しきい値との比較結果に基づいて前記バスパワーラインへ電流をアシストするとともに、前記電圧検出手段における電圧検出結果と電圧しきい値との比較結果に基づいて前記バスパワーラインへ不足分の電圧をアシストする電力アシスト手段とを備え、前記電力アシスト手段は、前記電流検出結果が前記電流しきい値を超えた場合、超えた分の電流を前記バスパワーラインへアシストするとともに、前記電圧検出結果が前記電圧しきい値未満である場合、前記上位装置から前記バスパワーラインまでの間における電圧降下を補償するための電圧を前記バスパワーラインへアシストすることを特徴とする。
【0046】
この発明によれば、上位装置からポートおよびコネクタを介してバスパワーラインに供給される電流/電圧を検出し、電流検出結果と電流しきい値との比較結果に基づいてバスパワーラインへ電流をアシストし、また電圧検出結果と電圧しきい値との比較結果に基づいて、バスパワーラインへ不足分の電圧をアシストすることとしたので、電流増加による上位装置の過負荷や、電圧降下による動作不能を回避することができる。
【0047】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明にかかるバスパワー装置の実施の形態1および2について詳細に説明する。
【0048】
(実施の形態1)
図1は、本発明にかかる実施の形態1の構成を示すブロック図である。この図において、図9の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。同図においては、図9に示したバスパワー装置40に代えて、バスパワー装置100が設けられている。
【0049】
バスパワー装置100は、USB機器の一つとしてのハードディスクドライブ装置であり、ハイパワーUSBポート11に接続されたUSBコネクタ150を介してUSB対応装置10側、または後述するAC/DCアダプタ111より供給されるハイパワー(2.5W(500mA/5V))により駆動される。
【0050】
USBコネクタ150は、USBインタフェース規格に準拠するコネクタであり、バスパワー装置100の通常使用時にハイパワーUSBポート11に接続される。ここで、USBコネクタ150がローパワーUSBポート12に接続され、AC/DCアダプタ111が無い場合であっても、バスパワー装置100は、二次電池105により動作可能である。
【0051】
また、USBコネクタ150は、電力を各部へ供給するためのバスパワーライン151、データライン152、GND(グランド)ライン、シールドライン等に接続されている。
【0052】
USB/ATA変換部101は、データライン152を介して入力されたUSBインタフェース規格のデータをATAインタフェース規格のデータへ変換し、該データをATAインタフェース102を介して、ハードディスク103へ出力する機能を備えている。
【0053】
ハードディスク103は、大容量の記録媒体であり、バスパワーライン151を介して供給される電力により回転駆動されつつ、データがリード/ライトされる。
【0054】
また、USB/ATA変換部101は、ハードディスク103からリードされ、ATAインタフェース102を介して入力されたATAインタフェース規格のデータを、USBインタフェース規格のデータに変換し、該データをデータライン152へ出力する機能を備えている。
【0055】
DC/DCコンバータ104は、バスパワーライン151から供給される5Vの電圧を3.3Vの電圧に変換し、この3.3Vの電圧をUSB/ATA変換部101へ供給する。
【0056】
二次電池105は、繰り返しの充電/放電が可能なリチウムイオン電池、アルカリ電池、ニッケルカドミウム電池等であり、バスパワーライン151を流れる電流が所定値を超えた場合、超えた分の電流や、バスパワーライン151の電圧が所定値以下である場合、不足分の電圧をバスパワーライン151へ供給する。
【0057】
また、二次電池105は、USBコネクタ150がローパワーUSBポート12に接続された場合であって、後述するAC/DCアダプタ111が接続されていない場合に、メイン電源として機能し、各部に電力を供給する。この二次電池105の電池電圧(定格値)は、4.2〜3Vである。DC/DCコンバータ106は、二次電池105の電池電圧を5Vに昇圧する機能を備えている。
【0058】
電流/電圧検出部107は、バスパワーライン151を流れる電流を検出するとともに、バスパワーライン151の電圧も検出し、電流/電圧検出部107の電流検出結果が電流しきい値(例えば、100mA、500mA)を超えた場合、超えた分の電流を、二次電池105(後述するAC/DCアダプタ111)からバスパワーライン151へ供給させるという電流アシストを電力アシスト部108に行わせる機能を備えている。
【0059】
また、電流/電圧検出部107は、電圧検出結果が電圧しきい値(例えば、4.75V)未満である場合、DC/DCコンバータ106(二次電池105)や後述するAC/DCアダプタ111からバスパワーライン151へ電圧を供給させ、バスパワーライン151の電圧を高めるという電圧アシストを電力アシスト部108に行わせる機能を備えている。
【0060】
電力アシスト部108は、上述した電流アシストおよび電圧アシストの双方により電力をアシストする機能を備えている。
【0061】
ハードディスク電源スイッチ109は、バスパワーライン151とハードディスク103との間に介挿されており、ハードディスク103への電力供給をオン/オフする機能を備えている。DCジャック110は、別電源としてのAC/DCアダプタ111を接続するための端子である。このDCジャック110は、電力アシスト部108等に接続されている。
【0062】
AC/DCアダプタ111は、交流を直流に変換し、直流の電圧/電流を生成するためのアダプタである。充電タイミング選択部112は、二次電池105への充電タイミングを選択する機能を備えている。
【0063】
充電モード選択部113は、DCジャック110にAC/DCアダプタ111が接続されている場合に急速充電モードを選択し、DCジャック110にAC/DCアダプタ111が接続されていない場合に通常充電モードを選択する。急速充電モードでは、通常充電モードに比べて充電電流が大きいため、充電開始から満充電になるまでの充電時間が短縮され、急速な充電が可能となる。
【0064】
充電制御部114は、充電タイミング選択部112からの充電タイミング、充電モード選択部113からの充電モードに基づいて、二次電池105への充電を制御する。ここで、充電制御部114においては、第1の充電電流で充電を行う通常充電モードと、第2の充電電流(>第1の充電電流)で急速に充電を行う急速充電モードとがある。
【0065】
電池残量表示部120は、バスパワー装置100の動作状態に応じて三段階に電圧しきい値を変化させ、電圧しきい値と二次電池105の電池電圧との比較結果に基づいて、電池残量を表示する。
【0066】
図2は、図1に示した電池残量表示部120の構成を示す図である。この図において、青LED121、緑LED122および橙LED123は、バスパワー装置100のつぎの(1)〜(3)の三つの動作状態における二次電池105の電池残量を各色(青、緑、橙)で表示するためのLEDである。
【0067】
(1)二次電池105(図1参照)を充電(以下、充電状態と称する)
(2)ハードディスク103にアクセス(以下、アクセス状態と称する)
(3)USB/ATA変換部101がデータを転送(以下、データ転送状態と称する)
【0068】
スイッチング素子124、スイッチング素子125およびスイッチング素子126は、青LED121、緑LED122および橙LED123に対応させて並列的に設けられている。
【0069】
スイッチング素子124は、バスパワー装置100が上記(1)の充電状態にあることを意味する充電信号によりオン/オフ制御され、充電制御部114(図1参照)より充電信号が入力された場合にオンとされる。
【0070】
スイッチング素子125は、バスパワー装置100が上記(2)のアクセス状態にあることを意味するアクセス信号によりオン/オフ制御され、ATAインタフェース102(図1参照)よりアクセス信号が入力された場合にオンとされる。
【0071】
スイッチング素子126は、バスパワー装置100が上記(3)のデータ転送状態にあることを意味するデータ転送信号によりオン/オフ制御され、ATAインタフェース102(図1参照)よりデータ転送信号が入力された場合にオンとされる。
【0072】
二次電池105とスイッチング素子124との間には、抵抗127および抵抗128が介挿されている。また、二次電池105には、抵抗127および抵抗129が接続されている。なお、同図では、抵抗129の電圧を二次電池105の電池電圧VBとしている。抵抗130の一端は、スイッチング素子125に接続されている。
【0073】
抵抗131、抵抗132、抵抗133および抵抗134は、直列接続されており、電池電圧VBと比較されるしきい値電圧VT1 、しきい値電圧VT2 (<しきい値電圧VT1 )、しきい値電圧VT3 (<しきい値電圧VT2 :但し、スイッチング素子126がオンの場合)という三段階のしきい値電圧を生成するための分圧抵抗である。これらの抵抗131、抵抗132、抵抗133および抵抗134には、3.3Vの電圧が印加されている。
【0074】
コンパレータ135は、電池電圧VBとしきい値電圧VT1 とを比較し、電池電圧VBがしきい値電圧VT1 を超えた場合、抵抗138を介して青LED121を点灯させるとともに、満充電信号をハードディスク電源スイッチ109(図1参照)へ出力する。
【0075】
コンパレータ136は、電池電圧VBとしきい値電圧VT2 とを比較し、電池電圧VBがしきい値電圧VT2 を超えた場合、抵抗139を介して、緑LED122を点灯させる。コンパレータ137は、電池電圧VBとしきい値電圧VT3 とを比較し、電池電圧VBがしきい値電圧VT3 を下まわる場合、抵抗140を介して、橙LED123を点灯させる。
【0076】
つぎに、実施の形態1の動作について、図3および図4に示したフローチャートを参照しつつ説明する。図3は、図1に示したバスパワー装置100の電力アシスト動作を説明するフローチャートである。図4は、同バスパワー装置100の充電動作を説明するフローチャートである。
【0077】
図3に示したステップSC1でUSBコネクタ150がハイパワーUSBポート11に接続され、プラグインになると、USB対応装置10側からローパワー(100mA/5V)がバスパワーライン151を介して、各部へ供給される。また、バスパワーライン151の電流/電圧は、電流/電圧検出部107により検出される。
【0078】
ここで、USBインタフェース規格では、プラグインされてからUSB対応装置10がバスパワー装置100を認識するまでの間にローパワー(100mA/5V)がハイパワーUSBポート11からバスパワー装置100へ供給され、認識以後に、ハイパワー(500mA/5V)がハイパワーUSBポート11からバスパワー装置100へ供給される。
【0079】
ステップSC2では、電流/電圧検出部107は、バスパワーライン151を流れる電流がしきい値電流(=100mA)を超えたか否かを判断し、この場合、判断結果を「No」とする。
【0080】
ステップSC3では、電流/電圧検出部107は、バスパワーライン151の電圧がしきい値電圧(=4.75V)未満であるか否かを判断し、この場合、判断結果を「No」とする。ステップSC4では、バスパワー装置100がUSB対応装置10に認識されたか否かが判断され、この場合、判断結果を「No」とする。
【0081】
ここで、バスパワーライン151を流れる電流が電流しきい値(=100mA)を超えると、電流/電圧検出部107は、ステップSC2の判断結果を「Yes」とする。ステップSC5では、電流/電圧検出部107は、電力アシスト部108へ電流アシストを指示する。
【0082】
これにより、電力アシスト部108は、DC/DCコンバータ106(二次電池105)からの電流をバスパワーライン151へ供給する。これにより、電流/電圧検出部107による電流検出結果が、上記DC/DCコンバータ106(二次電池105)からの電流分だけ少なくなることにより、電流しきい値(=100mA)以下となる。
【0083】
また、バスパワーライン151の電圧が電圧しきい値(=4.75V)未満になると、電流/電圧検出部107は、ステップSC3の判断結果を「Yes」とする。ステップSC5では、電流/電圧検出部107は、電力アシスト部108へ電圧アシストを指示する。
【0084】
これにより、電力アシスト部108は、DC/DCコンバータ106(二次電池105)からの電圧をバスパワーライン151へ供給する。これにより、電流/電圧検出部107による電圧検出結果が、上記DC/DCコンバータ106(二次電池105)からの電圧により上昇し、電圧しきい値(=4.75V)以上となる。
【0085】
そして、バスパワー装置100がUSB対応装置10に認識されると、ステップSC4の判断結果が「Yes」となる。
【0086】
これにより、ステップSC6では、USB対応装置10側からのハイパワー(500mA/5V)がバスパワーライン151を介して各部へ供給され、ハードディスク103がパワーオンとされる。
【0087】
具体的には、DC/DCコンバータ104からの3.3Vの電圧がUSB/ATA変換部101へ供給され、USB/ATA変換部101が動作を開始する。また、USB/ATA変換部101により、ハードディスク電源スイッチ109がオンにされると、バスパワーライン151よりハードディスク103へ電力が供給されハードディスク103が動作を開始する。
【0088】
ステップSC7では、USBコネクタ150がハイパワーUSBポート11に接続されているか否かが判断され、この場合、判断結果が「Yes」とされる。ステップSC8では、電流/電圧検出部107は、バスパワーライン151を流れる電流がしきい値電流(=500mA)を超えたか否かを判断し、この場合、判断結果を「No」とする。
【0089】
ステップSC9では、電流/電圧検出部107は、バスパワーライン151の電圧がしきい値電圧(=4.75V)未満であるか否かを判断し、この場合、判断結果を「No」とする。以後、ステップSC7〜ステップSC9が繰り返される。
【0090】
ここで、ハードディスク103の初期回転の影響により、バスパワーライン151に突入電流が流れ、電流が電流しきい値(=500mA)を超えると、電流/電圧検出部107は、ステップSC8の判断結果を「Yes」とする。ステップSC12では、電流/電圧検出部107は、電力アシスト部108へ電流アシストを指示する。
【0091】
これにより、電力アシスト部108は、DC/DCコンバータ106(二次電池105)からの電流をバスパワーライン151へ供給する。これにより、電流/電圧検出部107による電流検出結果が、上記DC/DCコンバータ106(二次電池105)からの電流分だけ少なくなることにより、電流しきい値(=500mA)以下となる。
【0092】
また、ハイパワーUSBポート11から駆動対象(ハードディスク103等)までの間で接触抵抗やケーブル長等の影響により電圧降下が大きい場合、バスパワーライン151の電圧が電圧しきい値(=4.75V)未満になるため、電流/電圧検出部107は、ステップSC9の判断結果を「Yes」とする。ステップSC12では、電流/電圧検出部107は、電力アシスト部108へ電圧アシストを指示する。
【0093】
これにより、電力アシスト部108は、DC/DCコンバータ106(二次電池105)からの電圧をバスパワーライン151へ供給する。これにより、電流/電圧検出部107による電圧検出結果が、上記DC/DCコンバータ106(二次電池105)からの電圧により上昇し、電圧しきい値(=4.75V)以上となる。
【0094】
また、USBコネクタ150がローパワーUSBポート12に接続されている場合には、ステップSC7の判断結果が「No」とされる。この場合、USB対応装置10側からローパワー(100mA/5V)がバスパワーライン151を介して、各部へ供給される。
【0095】
ここで、USBコネクタ150がローパワーUSBポート12に接続されており、かつ、AC/DCアダプタ111がDCジャック110に接続されている場合には、AC/DCアダプタ111から電力アシスト部108を介してバスパワーライン151に動作可能な電力が供給される。
【0096】
一方、USBコネクタ150がローパワーUSBポート12に接続されており、AC/DCアダプタ111がDCジャック110に接続されていない場合には、二次電池105の放電により、DC/DCコンバータ106、電力アシスト部108を介してバスパワーライン151に動作可能な電力が供給される。
【0097】
ステップSC10では、電流/電圧検出部107は、バスパワーライン151を流れる電流がしきい値電流(=100mA)を超えたか否かを判断し、この場合、判断結果を「No」とする。
【0098】
ステップSC11では、電流/電圧検出部107は、バスパワーライン151の電圧がしきい値電圧(=4.75V)未満であるか否かを判断し、この場合、判断結果を「No」とする。以後、ステップSC7、ステップSC10およびステップSC11が繰り返される。
【0099】
ここで、ハードディスク103の初期回転の影響により、バスパワーライン151に突入電流が流れ、電流が電流しきい値(=100mA)を超えると、電流/電圧検出部107は、ステップSC10の判断結果を「Yes」とする。ステップSC12では、電流/電圧検出部107は、前述した動作と同様にして、電力アシスト部108へ電流アシストを指示する。
【0100】
また、ローパワーUSBポート12から駆動対象(ハードディスク103等)までの間で接触抵抗やケーブル長等の影響により電圧降下が大きい場合、バスパワーライン151の電圧が電圧しきい値(=4.75V)未満になるため、電流/電圧検出部107は、ステップSC11の判断結果を「Yes」とする。ステップSC12では、電流/電圧検出部107は、前述した動作と同様にして、電力アシスト部108へ電圧アシストを指示する。
【0101】
つぎに、バスパワー装置100の充電動作について、図4に示したフローチャートを参照しつつ説明する。同図に示したステップSD1でUSBコネクタ150がハイパワーUSBポート11(またはローパワーUSBポート12)に接続され、プラグインになると、ステップSD2では、充電制御部114は、二次電池105の電池電圧が4.2V(満充電)未満であるか否かを判断する。
【0102】
この場合、ステップSD2の判断結果が「Yes」であるとすると、ステップSD3では、充電モード選択部113は、DCジャック110にAC/DCアダプタ111が接続されているか否かを判断する。
【0103】
ステップSD3の判断結果が「No」であるとすると、ステップSD6では、充電モード選択部113は、通常充電モードを選択する。ステップSD7では、充電タイミング選択部112は、ハードディスク103がアクセスされているか否か、すなわち、アクセスに伴い消費電流が大きいか否かを判断する。
【0104】
ステップSD7の判断結果が「No」であるとすると、充電タイミング選択部112から充電制御部114へ充電指示が出され、ステップSD8では、充電制御部114は、充電モード選択部113により選択された通常充電モードに対応させて、第1の充電電流を二次電池105へ供給し、通常充電を実行する。この第1の充電電流は、USB対応装置10からバスパワーライン151へ供給され、バスパワーライン151を流れる電流の一部である。
【0105】
一方、ステップSD7の判断結果が「Yes」であるとすると、充電タイミング選択部112から充電制御部114へ充電停止指示が出され、ステップSD9では、充電制御部114は、二次電池105への充電を停止する。
【0106】
また、DCジャック110にAC/DCアダプタ111が接続されている場合、ステップSD3の判断結果が「Yes」とされる。ステップSD4では、充電モード選択部113は、急速充電モードを選択する。ステップSD5では、充電制御部114は、上記急速充電モードに対応させて、第2の充電電流(>第1の充電電流)を二次電池105へ供給し、急速充電を実行する。なお、ステップSD2の判断結果が「No」である場合には、ステップSD9で充電が停止される。
【0107】
この第2の充電電流は、USB対応装置10およびAC/DCアダプタ111の双方からバスパワーライン151へ供給され、バスパワーライン151を流れる電流の一部であり、上述した通常充電における第1の充電電流よりも大きい。従って、急速充電は、通常充電よりも短時間で二次電池105を満充電状態とすることができる。
【0108】
つぎに、図2に示した電池残量表示部120における電池残量の表示動作について説明する。図2において、二次電池105が充電されている状態で、充電制御部114(図1参照)から充電信号がスイッチング素子124に入力されると、スイッチング素子124がオンとされ、抵抗128が抵抗129に並列接続されるため、電池電圧VBが変化する。
【0109】
ここで、電池電圧VBがしきい値電圧VT1 を超えると、コンパレータ135は、青LED121を点灯させるとともに、二次電池105が満充電状態にあることを示す満充電信号をハードディスク電源スイッチ109(図1参照)へ出力する。ユーザは、この青LED121の点灯により、二次電池105の充電状態が満充電とされていることを認識する。
【0110】
また、前述したアクセス状態で、ATAインタフェース102(図1参照)からアクセス信号がスイッチング素子125に入力されると、スイッチング素子125がオンとされ、抵抗130が抵抗133および抵抗134に並列接続される。このとき、しきい値電圧VT2 は、しきい値電圧VT1 よりも低い。ここで、電池電圧VBがしきい値電圧VT2 を超えると、コンパレータ136は、緑LED122を点灯させる。
【0111】
また、前述したデータ転送状態で、ATAインタフェース102(図1参照)からデータ転送信号がスイッチング素子126に入力されると、スイッチング素子126がオンとされ、抵抗134がショートされる。ここで、電池電圧VBがしきい値電圧VT3 を下まわると、コンパレータ137は、橙LED123を点灯させる。
【0112】
以上説明したように、実施の形態1によれば、USB対応装置10からハイパワーUSBポート11(またはローパワーUSBポート12)およびUSBコネクタ150を介してバスパワーラインに供給される電流/電圧を電流/電圧検出部107で検出し、電力アシスト部108で電流検出結果と電流しきい値との比較結果に基づいてバスパワーライン151へ電流をアシストし、また電圧検出結果と電圧しきい値との比較結果に基づいて、バスパワーライン151へ不足分の電圧をアシストすることとしたので、電流増加によるUSB対応装置10の過負荷や、電圧降下による動作不能を回避することができる。
【0113】
また、実施の形態1によれば、電流/電圧検出部107の電圧検出結果が電圧しきい値未満である場合、USB対応装置10からバスパワーライン151までの間における電圧降下を補償するための電圧を電力アシスト部108でバスパワーライン151へアシストすることとしたので、ケーブルの長さや接触抵抗に起因する電圧降下による動作不能を回避することができる。
【0114】
また、実施の形態1によれば、バスパワーライン151に別電源としてのAC/DCアダプタ111が接続されていない場合、第1の充電電流で二次電池105へ通常充電を行い、AC/DCアダプタ111が接続されている場合、第1の充電電流よりも大きい第2の充電電流で二次電池105へ急速充電を行うこととしたので、短時間で充電を完了させたいという急速充電のニーズを満たすことができる。
【0115】
また、実施の形態1によれば、USBコネクタ150がローパワーUSBポート12に接続され、DCジャック110にAC/DCアダプタ111が接続されていない場合、二次電池105がメイン電源としてバスパワーライン151を介して各部へ電力を供給することとしたので、AC/DCアダプタ111が無くてもローパワーUSBポート12でバスパワー装置100を動作させることができる。
【0116】
また、実施の形態1によれば、図2に示したように、各部の動作状態(充電状態、アクセス状態、データ転送状態)に応じて段階的にしきい値電圧VT1 、しきい値電圧VT2 、しきい値電圧VT3 を設定し、二次電池105の電池電圧VBとしきい値電圧との比較結果に基づいて、動作状態に応じた電池残量を青LED121、緑LED122、橙LED123に表示することとしたので、動作状態に応じた電池残量を把握することができる。
【0117】
(実施の形態2)
さて、前述した実施の形態1では、二次電池105を急速充電する構成例について説明したが、急速充電よりも急を要する場合に、各部への電力供給を停止させたり、機能を停止させたりすることにより、二次電池105への充電を最優先させるという強制充電を行うように構成してもよい。以下では、この構成例を実施の形態2として説明する。
【0118】
図5は、本発明にかかる実施の形態2の構成を示すブロック図である。この図において、図1の各部に対応する部分には同一の符号を付け、その説明を省略する。同図に示したバスパワー装置200においては、強制充電スイッチ201が新たに設けられているとともに、図1に示した充電制御部114に代えて、充電制御部202が設けられている。
【0119】
強制充電スイッチ201は、上述した強制充電を行わせるためのスイッチであり、ユーザにより操作される。充電制御部202は、充電制御部114(図1参照)での通常充電および急速充電を行う機能と、強制充電スイッチ201がオンとされた場合に、強制充電を行う機能とを備えている。
【0120】
つぎに、図5に示したバスパワー装置200の充電動作について、図6に示したフローチャートを参照しつつ説明する。同図に示したステップSE1では、USBコネクタ150がハイパワーUSBポート11に接続され、プラグインとされる。
【0121】
ステップSE2では、充電制御部202は、強制充電スイッチ201がオンとされているか否かを判断する。この判断結果が「No」である場合には、図4に示したステップSD2以降で、二次電池105に対する通常充電または急速充電が行われる。
【0122】
この場合、強制充電スイッチ201がオンにされていると、充電制御部202は、ステップSE2の判断結果を「Yes」とする。ステップSE3では、USB/ATA変換部101は、強制充電スイッチ201がオンにされていることにより、リセット信号が入力されているため、変換機能を停止する。これにより、USB/ATA変換部101での消費電力が低減される。
【0123】
ステップSE4では、USB/ATA変換部101は、ハードディスク電源スイッチ109へオフ信号を出力する。これにより、ハードディスク電源スイッチ109がオフとされ、ハードディスク103への電力供給が停止する。
【0124】
ステップSE5では、充電制御部202は、二次電池105の電池電圧が4.2V未満(満充電)であるか否かを判断し、この場合、判断結果を「Yes」とする。
【0125】
ステップSE6では、充電制御部202は、強制充電スイッチ201からの強制充電モードに対応させて、第3の充電電流を二次電池105へ供給し、強制充電を実行する。この第3の充電電流は、USB対応装置10(AC/DCアダプタ111)からバスパワーライン151へ供給され、バスパワーライン151を流れる電流である。
【0126】
ここで、USB/ATA変換部101での消費電力の低減分およびハードディスク103の電力停止分が、上記第3の充電電流として二次電池105への強制充電にあてられる。従って、実施の形態1の通常充電、急速充電、上述した強制充電においては、強制充電が最も短時間で二次電池105が満充電となる。
【0127】
そして、強制充電によりステップSE5の判断結果が「Yes」になると、ステップSE7では、充電制御部202は、二次電池105への充電を停止する。
【0128】
以上説明したように、実施の形態2によれば、バスパワーライン151に接続されている負荷(ハードディスク103、USB/ATA変換部101等)への電力供給を停止(低減)させ強制充電を指示し、第2の充電電流よりも大きい第3の充電電流で二次電池105へ強制充電を行うこととしたので、さらに短時間で充電を完了させたいという強制充電のニーズを満たすことができる。
【0129】
以上本発明にかかる実施の形態1および2について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成例はこれらの実施の形態1および2に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
【0130】
(付記1)所定のインタフェース規格に対応した上位装置のポートに接続されるコネクタと、
前記上位装置から前記ポートおよび前記コネクタを介してバスパワーラインに供給される電流/電圧を検出する電流/電圧検出手段と、
前記電流/電圧検出手段における電流検出結果と電流しきい値との比較結果に基づいて前記バスパワーラインへ電流をアシストし、また電圧検出結果と電圧しきい値との比較結果に基づいて、前記バスパワーラインへ不足分の電圧をアシストする電力アシスト手段と、
を備えたことを特徴とするバスパワー装置。
【0131】
(付記2)前記電力アシスト手段は、前記電流検出結果が前記電流しきい値を超えた場合、超えた分の電流を前記バスパワーラインへアシストすることを特徴とする付記1に記載のバスパワー装置。
【0132】
(付記3)前記電力アシスト手段は、前記電圧検出結果が前記電圧しきい値未満である場合、前記上位装置から前記バスパワーラインまでの間における電圧降下を補償するための電圧を前記バスパワーラインへアシストすることを特徴とする付記1または2に記載のバスパワー装置。
【0133】
(付記4)前記電力アシスト手段により電流/電圧のアシスト時に電源として用いられる二次電池と、前記バスパワーラインに別電源が接続されていない場合、第1の充電電流で前記二次電池へ通常充電を行い、前記別電源が接続されている場合、前記第1の充電電流よりも大きい第2の充電電流で前記二次電池へ急速充電を行う充電制御手段と、を備えたことを特徴とする付記1〜3のいずれか一つに記載のバスパワー装置。
【0134】
(付記5)前記バスパワーラインに接続されている負荷への電力供給を停止させ強制充電を指示する強制充電指示手段を備え、前記強制充電が指示された場合、前記充電制御手段は、前記第2の充電電流よりも大きい第3の充電電流で前記二次電池へ強制充電を行うことを特徴とする付記4に記載のバスパワー装置。
【0135】
(付記6)前記ポートは、ローパワーを出力するローパワーポートであり、前記コネクタが前記ローパワーポートに接続され、前記バスパワーラインに別電源が接続されていない場合、前記二次電池は、メイン電源として前記バスパワーラインを介して各部へ電力を供給することを特徴とする付記4または5に記載のバスパワー装置。
【0136】
(付記7)各部の動作状態に応じて段階的にしきい値電圧を設定するしきい値電圧設定手段と、前記二次電池の電池電圧と前記しきい値電圧との比較結果に基づいて、動作状態に応じた電池残量を表示する電池残量表示手段と、を備えたことを特徴とする付記4〜6のいずれか一つに記載のバスパワー装置。
【0137】
(付記8)前記動作状態は、前記二次電池への充電状態、前記バスパワーラインに接続されたハードディスクへのアクセス状態、データ転送状態であることを特徴とする付記7に記載のバスパワー装置。
【0138】
(付記9)所定のインタフェース規格に対応した上位装置のポートに接続されるコネクタを備えたバスパワー装置に適用される電源制御方法であって、
前記上位装置から前記ポートおよび前記コネクタを介してバスパワーラインに供給される電流/電圧を検出する電流/電圧検出工程と、
前記電流/電圧検出工程における電流検出結果と電流しきい値との比較結果に基づいて前記バスパワーラインへ電流をアシストし、また電圧検出結果と電圧しきい値との比較結果に基づいて、前記バスパワーラインへ不足分の電圧をアシストする電力アシスト工程と、
を含むことを特徴とする電源制御方法。
【0139】
(付記10)前記電力アシスト工程では、前記電流検出結果が前記電流しきい値を超えた場合、超えた分の電流を前記バスパワーラインへアシストすることを特徴とする付記9に記載の電源制御方法。
【0140】
(付記11)前記電力アシスト工程では、前記電圧検出結果が前記電圧しきい値未満である場合、前記上位装置から前記バスパワーラインまでの間における電圧降下を補償するための電圧を前記バスパワーラインへアシストすることを特徴とする付記9または10に記載の電源制御方法。
【0141】
(付記12)前記バスパワーラインに別電源が接続されていない場合、第1の充電電流で、前記電力アシスト工程により電流/電圧のアシスト時に電源として用いられる二次電池へ通常充電を行い、前記別電源が接続されている場合、前記第1の充電電流よりも大きい第2の充電電流で前記二次電池へ急速充電を行う充電制御工程を含むことを特徴とする付記9〜11のいずれか一つに記載の電源制御方法。
【0142】
(付記13)前記バスパワーラインに接続されている負荷への電力供給を停止させ強制充電を指示する強制充電指示工程を含み、前記強制充電が指示された場合、前記充電制御工程では、前記第2の充電電流よりも大きい第3の充電電流で前記二次電池へ強制充電を行うことを特徴とする付記12に記載の電源制御方法。
【0143】
(付記14)前記ポートは、ローパワーを出力するローパワーポートであり、前記コネクタが前記ローパワーポートに接続され、前記バスパワーラインに別電源が接続されていない場合、前記二次電池は、メイン電源として前記バスパワーラインを介して各部へ電力を供給することを特徴とする付記12または13に記載の電源制御方法。
【0144】
(付記15)各部の動作状態に応じて段階的にしきい値電圧を設定するしきい値電圧設定工程と、前記二次電池の電池電圧と前記しきい値電圧との比較結果に基づいて、動作状態に応じた電池残量を表示する電池残量表示工程と、を含むことを特徴とする付記12〜14のいずれか一つに記載の電源制御方法。
【0145】
(付記16)前記動作状態は、前記二次電池への充電状態、前記バスパワーラインに接続されたハードディスクへのアクセス状態、データ転送状態であることを特徴とする付記15に記載の電源制御方法。
【0146】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、上位装置からポートおよびコネクタを介してバスパワーラインに供給される電流/電圧を検出し、電流検出結果と電流しきい値との比較結果に基づいてバスパワーラインへ電流をアシストし、また電圧検出結果と電圧しきい値との比較結果に基づいて、バスパワーラインへ不足分の電圧をアシストすることとしたので、電流増加による上位装置の過負荷や、電圧降下による動作不能を回避することができるという効果を奏する。
【0147】
また、本発明によれば、電圧検出結果が電圧しきい値未満である場合、上位装置からバスパワーラインまでの間における電圧降下を補償するための電圧をバスパワーラインへアシストすることとしたので、ケーブルの長さや接触抵抗に起因する電圧降下による動作不能を回避することができるという効果を奏する。
【0148】
また、本発明によれば、バスパワーラインに別電源が接続されていない場合、第1の充電電流で二次電池へ通常充電を行い、別電源が接続されている場合、第1の充電電流よりも大きい第2の充電電流で二次電池へ急速充電を行うこととしたので、短時間で充電を完了させたいという急速充電のニーズを満たすことができるという効果を奏する。
【0149】
また、本発明によれば、バスパワーラインに接続されている負荷への電力供給を停止させ強制充電を指示し、第2の充電電流よりも大きい第3の充電電流で二次電池へ強制充電を行うこととしたので、さらに短時間で充電を完了させたいという強制充電のニーズを満たすことができるという効果を奏する。
【0150】
また、本発明によれば、各部の動作状態に応じて段階的にしきい値電圧を設定し、二次電池の電池電圧としきい値電圧との比較結果に基づいて、動作状態に応じた電池残量を表示することとしたので、動作状態に応じた電池残量を把握することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる実施の形態1の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した電池残量表示部120の構成を示す図である。
【図3】図1に示したバスパワー装置100の電力アシスト動作を説明するフローチャートである。
【図4】図1に示したバスパワー装置100の充電動作を説明するフローチャートである。
【図5】本発明にかかる実施の形態2の構成を示すブロック図である。
【図6】図5に示したバスパワー装置200の充電動作を説明するフローチャートである。
【図7】従来のバスパワー装置20の構成を示すブロック図である。
【図8】図7に示したバスパワー装置20の動作を説明するフローチャートである。
【図9】従来のバスパワー装置40の構成を示すブロック図である。
【図10】従来のバスパワー装置50の構成を示すブロック図である。
【図11】図10に示したバスパワー装置50の動作を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
10 USB対応装置
11 ハイパワーUSBポート
12 ローパワーUSBポート
100 バスパワー装置
101 USB/ATA変換部
103 ハードディスク
105 二次電池
107 電流/電圧検出部
108 電力アシスト部
111 AC/DCアダプタ
112 充電タイミング選択部
113 充電モード選択部
114 充電制御部
120 電池残量表示部
150 USBコネクタ
151 バスパワーライン
200 バスパワー装置
201 強制充電スイッチ
202 充電制御部

Claims (5)

  1. 所定のインタフェース規格に対応した上位装置のポートに接続されるコネクタと、
    前記上位装置から前記ポートおよび前記コネクタを介してバスパワーラインに供給される電流を検出する電流検出手段と、
    前記上位装置から前記ポートおよび前記コネクタを介してバスパワーラインに供給される電圧を検出する電圧検出手段と、
    前記電流検出手段における電流検出結果と電流しきい値との比較結果に基づいて前記バスパワーラインへ電流をアシストするとともに、前記電圧検出手段における電圧検出結果と電圧しきい値との比較結果に基づいて前記バスパワーラインへ不足分の電圧をアシストする電力アシスト手段とを備え、
    前記電力アシスト手段は、前記電流検出結果が前記電流しきい値を超えた場合、超えた分の電流を前記バスパワーラインへアシストするとともに、前記電圧検出結果が前記電圧しきい値未満である場合、前記上位装置から前記バスパワーラインまでの間における電圧降下を補償するための電圧を前記バスパワーラインへアシストすること
    を特徴とするバスパワー装置。
  2. 前記電力アシスト手段により、アシスト時に電源として用いられる二次電池と、前記バスパワーラインに別電源が接続されていない場合、第1の充電電流で前記二次電池へ通常充電を行い、前記別電源が接続されている場合、前記第1の充電電流よりも大きい第2の充電電流で前記二次電池へ急速充電を行う充電制御手段と、を備えたことを特徴とする請求項に記載のバスパワー装置。
  3. 前記バスパワーラインに接続されている負荷への電力供給を停止させ強制充電を指示する強制充電指示手段を備え、前記強制充電が指示された場合、前記充電制御手段は、前記第2の充電電流よりも大きい第3の充電電流で前記二次電池へ強制充電を行うことを特徴とする請求項に記載のバスパワー装置。
  4. 各部の動作状態に応じて段階的にしきい値電圧を設定するしきい値電圧設定手段と、前記二次電池の電池電圧と前記しきい値電圧との比較結果に基づいて、動作状態に応じた電池残量を表示する電池残量表示手段と、を備えたことを特徴とする請求項2または3に記載のバスパワー装置。
  5. 前記ポートが、前記バスパワーラインに接続されたデバイスを駆動するために必要な電力よりも少ない電力を出力するポートであり、前記コネクタが前記ポートに接続され、前記バスパワーラインに別電源が接続されていない場合、前記二次電池は、メイン電源として前記バスパワーラインを介して各部へ電力を供給することを特徴とする請求項に記載のバスパワー装置。
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