JP4150434B2 - アスファルトプラントのバーナ燃焼制御方法 - Google Patents

アスファルトプラントのバーナ燃焼制御方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、道路舗装材であるアスファルト混合物を製造するアスファルトプラント、リサイクルプラント、ドラムミキシングプラント等の骨材加熱装置であるドライヤに使用されるバーナの燃焼制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ドライヤにより骨材を加熱する場合のバーナ燃焼制御は、通常、ドライヤ出口から加熱排出される骨材の温度を検出し、該骨材温度と予め設定された骨材温度設定値とを比較し、その差値量に応じてバーナの燃焼量を調整するようにしているが、単にその差値量に比例させてバーナの燃焼量を調整する方法では画一的な燃焼量制御しかできないことから、本出願人は、例えば、特開平4−7401号公報に示すように、骨材温度の変化量に加えてドライヤ内を通過する速度が速くドライヤ内の温度変化を捕らえやすい排ガス温度の変化量をも加味するようにしたバーナの燃焼制御方法を提案し、精度の高い燃焼制御を実現している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の排ガス温度を加味したバーナの燃焼制御方法によっても、予め用意されたルールに基づいてそれらの測定値を単純に燃焼量にフィードバックする制御方法では、骨材を供給してから排出されるまでに3〜5分のタイムラグがあるようなドライヤにあっては、骨材の供給量や含水率等の性状が変動した場合に、ドライヤ出口より排出される骨材の温度がしばらく安定せず、設定温度に落ち着かせるにはそれなりの時間を要していた。
【0004】
本発明は上記の点に鑑み、ドライヤに供給する骨材量や含水率等が変化した場合でもそれに対応してバーナの燃焼量を的確にかつ迅速に制御させて骨材温度を常に安定化させることができるアスファルトプラントのバーナ燃焼制御方法を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、ドライヤへの骨材供給量と、骨材温度設定値と、冷骨材温度と、骨材の合成含水率と、ドライヤ効率とから骨材加熱に要する必要燃焼量を算出する所定の理論燃焼式を設定しておき、ドライヤへの骨材供給量と、加熱排出される骨材の温度とを所定時間毎に検出する一方、予め入力設定された骨材温度設定値と、冷骨材温度と、骨材の合成含水率と、ドライヤ効率とを読み出し、前記理論燃焼式に基づいて骨材加熱に要する必要燃焼量を逐次算出すると共に、検出される骨材温度とその温度変化量から骨材温度の動向を予測して予測骨材温度を算出し、該予測骨材温度と骨材温度設定値との誤差を求め、該誤差と前記必要燃焼量を基に補正燃焼量を算出し、必要燃焼量に対して前記補正燃焼量分だけ補正して実燃焼量を決定し、該実燃焼量に基づいてバーナの燃焼量を制御するようにしたことを特徴としている。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明のバーナ燃焼制御方法によれば、ドライヤでの骨材加熱時に、ドライヤへの骨材供給量と、加熱排出される骨材の温度とを所定時間毎に検出する一方、予め入力設定された骨材温度設定値と、冷骨材温度と、骨材の合成含水率と、ドライヤ効率とを読み出す。そして、先ず、この検出した骨材供給量と、読み出した骨材温度設定値と、冷骨材温度と、骨材の合成含水率と、ドライヤ効率とから理論燃焼式に基づいて必要燃焼量を算出する。
【0007】
また、ドライヤ出口にて逐次検出される骨材温度からその温度変化量を演算し、その温度の変化量から骨材温度の動向を予測する。そして、その予測値と骨材温度設定値の誤差を求め、この誤差をなくすようにバーナの必要燃焼量を補正する。したがって予測値が骨材温度設定値より高い時には燃焼量を減少させる方向に、予測値が骨材温度設定値より低い時には燃焼量を増加させる方向に補正する。この補正燃焼量は前記誤差量と必要燃焼量を基に算出する。この必要燃焼量は骨材供給量や含水率等から決定されるので、骨材供給量や含水率等が変化すればそれらが速やかに燃焼量に反映されることになる。そして算出した補正燃焼量分だけバーナの必要燃焼量を補正するのである。
【0008】
このように、バーナの燃焼量補正は、骨材温度の動向と、骨材供給量や含水率等から算出される必要燃焼量とによって決定されるので、骨材供給量や含水率等が変化してもその変化に対応してバーナの燃焼量が的確にかつ迅速に制御され、加熱骨材温度を常に安定化させることができる。
【0009】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0010】
図1は本発明を適用したドライヤの全体構成を示すものである。
【0011】
ドライヤ1は円筒状のドラム2を機台3上に回転自在に傾斜支持し、ドラム駆動用モータ(図示せず)により所定の速度で回転させている。ドラム2内部には多数の掻き上げ羽根4が配設してあり、骨材供給用ベルコン5によって送り込まれる骨材を掻き上げ羽根4で掻き上げ、カーテン状に落下させながらドラム2内を転動流下させる間にバーナ6より送り込まれる熱風と接触させて骨材を所望の温度まで加熱昇温させている。
【0012】
ドライヤ1にはドラム2より排出される加熱骨材の温度を検出する骨材用温度センサ7を配設すると共に、排ガスの温度を検出する排ガス用温度センサ8を配設している。
【0013】
また、骨材供給用ベルコン5の末端部には粒径別に骨材を貯留する骨材ホッパ9a、9b、9cを配設すると共に、骨材ホッパ9a、9b、9cの下部には骨材を所定量ずつ切り出す切り出しフィーダ10a、10b、10cを配設している。そして、ドラム2の骨材供給口付近にはドラム2への供給確認用の骨材検出用センサ11を配設している。
【0014】
これらセンサからの信号はバーナ燃焼制御装置12に入力されている。このバーナ燃焼制御装置12は各骨材ホッパ9a、9b、9cよりの骨材切り出し量を設定入力するデータ入力部13を接続し、更に、後述するように、各種信号やデータに基づいて燃焼量を推論し、バーナ制御信号をドライバ14を介して燃焼量を制御する燃料バルブ15を駆動するコントロールモータ16に出力するようになっている。
【0015】
17はコントロールモータ16と連動するようにした燃焼空気用ダンパーであり、また18は燃料の流量を計量する燃料計である。
【0016】
次に、本発明のバーナの燃焼制御方法について説明する。
【0017】
バーナの燃焼制御は、図2に示すように、運転開始からバーナの着火、低燃焼、骨材の供給、骨材の検出、初期燃焼待ち、初期燃焼といった過程を経て、本格的に骨材の加熱を行う高燃焼制御へと移行していく。本発明の燃焼制御方法はこの高燃焼制御の部分を対象としたものであり、実施例ではファジィ理論を応用した推論方法を採用している。
【0018】
先ず、ドライヤを運転するに先立って、予め、骨材ホッパ9a、9b、9cの切り出しフィーダ10a、10b、10cを駆動してキャリブレーションを行い、切り出しフィーダ10a、10b、10cの回転数と切り出し速度との関係を求めておく。
【0019】
次いで、バーナ燃焼制御装置12のデータ入力部13を介して各骨材の含水率や配合種別及び出荷量等の諸データを入力すると、バーナ燃焼制御装置12では配合種別や出荷量及び含水率より各骨材ホッパ9a、9b、9cから切り出す骨材量が演算され、切り出しフィーダ10a、10b、10cの切り出し速度(ton/h)がそれぞれ設定される。また、ドライヤ出口における加熱骨材の所望温度を骨材温度設定値として入力設定する。
【0020】
そして運転開始操作により、バーナ6に点火して低燃焼を開始させる。所定時間経過した後に切り出しフィーダ10a、10b、10cを駆動して先に設定された切り出し速度に基づいて各骨材ホッパ9a、9b、9cより各種骨材を切り出す。
【0021】
骨材ホッパ9a、9b、9cより切り出した骨材を骨材供給用ベルコン5によってドラム2の骨材供給口まで運搬すると、ドラム2の骨材供給口の近傍に配設した骨材検出用センサ11が骨材を検出する。骨材検出用センサ11により骨材が検出されるとバーナ燃焼制御装置12では所定時間毎、例えば5秒毎に各骨材ホッパ9a、9b、9cよりの切り出し速度から骨材の供給量を演算し、それを5秒毎の骨材供給量として時系列的に記憶していく。
【0022】
なお、骨材供給量は、前記のように各骨材ホッパ9a、9b、9cよりの切り出し速度から算出しても良いが、骨材供給の途中に計量コンベヤを設置して骨材供給量を計測しても良いし、また骨材供給用ベルコン上に現に乗っている骨材量を算出して骨材供給量としても良い。
【0023】
こうしてドラム2への骨材の供給が開始されると、骨材供給量に応じて演算した初期燃焼待ち時間の後に初期燃焼が開始される。そしてドラム2内を転動流下する間に所定の温度に加熱された骨材がドラム2より排出されるようになり、骨材用温度センサ7が予め入力設定した骨材温度設定値に対してプラス・マイナス30℃を検出し、骨材が安定した状態で排出されるようになったと判断すると、バーナの燃焼制御を初期燃焼制御から高燃焼制御に切り替える。
【0024】
バーナの燃焼制御がこの高燃焼制御に移ると、ドライヤへの骨材供給量と、ドライヤから加熱排出される骨材の温度とを所定時間毎に検出していく。そして検出した骨材供給量と骨材温度設定値から骨材加熱に必要とする燃焼量を算出する。
【0025】
この必要燃焼量は、例えば次式で示される。
【0026】
【数1】
Figure 0004150434
【0027】
この式は、理論燃焼量にドライヤ効率τを乗算したものであり、このドライヤ効率τはドライヤの熱効率を考慮した値であって過去の実測データを基に適宜数値を決定すれば良いのであるが、ドライヤ効率τは骨材供給量や含水率等によって変化するものであるので変数として取り扱うことが好ましい。
【0028】
そこで、ドライヤ効率τを変数として取り扱う例として、ドライヤ効率τを骨材温度設定値と骨材供給量とからファジィ推論により求める方法を説明すると、図3は、骨材温度設定値Tsを定性的に評価するためのメンバーシップ関数であり、図中Ts(i)(i=1〜5)はメンバーシップ関数の形を規定する定数であって適宜決定する。PB、PM、PS、ZR、NS、NM、NBは骨材温度設定値Tsのランクを定性的に評価するためにメンバーシップ関数に与えた名称であり、それぞれ下記の意味を持つ。
【0029】
PB:Positive Big
PM:Positive Medium
PS:Positive Small
ZR:Zero
NS:Negative Small
NM:Negative Medium
NB:Negative Big
また、図3の縦軸はメンバーシップ値であって骨材温度設定値Tsを定性的に評価する。
【0030】
図4は、前記骨材供給量Mを定性的に評価するためのメンバーシップ関数であり、図中のM(i)(i=1〜5)はメンバーシップ関数の形を規定する定数であって適宜決定する。PB、PM、PS、ZR、NS、NM、NBは骨材供給量Mのランクを定性的に評価するためにメンバーシップ関数に与えた名称であって前述のような意味を持ち、また図中の縦軸はメンバーシップ値である。
【0031】
図5は、骨材温度設定値Tsと骨材供給量Mとの定性的関係からドライヤ効率τを定性的に決定するためのファジィ推論規則である。
【0032】
例えば、右上の推論規則は、
Figure 0004150434
という意味を表わす。
【0033】
これは「もし骨材温度設定値Tsが非常に低く、かつ骨材供給量Mが非常に多いならば」(前件部)、「ドライヤ効率τを中程度の値にせよ」(後件部)というルールを示している。なお、このルール表では骨材温度設定値に対するランク付けはしていない。
【0034】
図6は、定性的に決定されたドライヤ効率τを定量的な値に変換するためのメンバーシップ関数である。図中のτ(i)(i=1〜5)はメンバーシップ関数の形を規定する定数であってドライヤ効率τを示すもので適宜決定する。PB、PM、PS、ZR、NS、NM、NBはドライヤ効率τを定性的に表わすためのメンバーシップ関数に与えた名称であり、前述と同様の意味を表わしている。また、ここでは、前記メンバーシップ関数の間にPO、PW、PF、NF、NW、NOと名付けたメンバーシップ関数を設けてドライヤ効率τを細かくランク付けが可能なようにしている。また、図中の縦軸はメンバーシップ値である。
【0035】
このメンバーシップ関数を用いて先に推論されたドライヤ効率τが定性的にどのメンバーシップ関数に属するかが決定される。ドライヤ効率τが複数の推論規則により規定された場合には各メンバーシップ値に応じた加重平均をもってドライヤ効率τとする。
【0036】
このようにして高燃焼の開始に伴い、骨材温度設定値と骨材供給量とを把握し、それらからファジィ推論により前記燃焼理論式のドライヤ効率τを推論し、この燃焼理論式より必要燃焼量Uを決定する。
【0037】
次に、この必要燃焼量と加熱骨材温度の動向よりバーナの燃焼量を制御する方法について説明する。
【0038】
前記必要燃焼量Uを求めている間にドライヤ出口の骨材温度を所定時間毎、例えば、一秒毎に測定し、測定した骨材温度データを逐次記憶すると共に、骨材温度(例えば、5秒毎の平均値)の変化速度、加速度、加速度変化等を演算して記憶する。そして、その温度変化量から骨材温度の動向を適宜予測するのであるが、例えば、図7に示すような予測骨材温度演算ルールに基づき予測骨材温度を演算する。この予測骨材温度は何秒後の骨材温度を予測したものというような温度ではなく、制御すべきポイントを見付けるために算出している。
【0039】
例えば、図7の右上のルールでは、骨材温度の加速度変化がマイナス(−)で速度変化が大きい(+)場合、演算式は図中のAが選択され、
予測骨材温度=5秒間の平均骨材温度+(速度+加速度/3)×5
の式により予測骨材温度を演算する。なお、この予測骨材温度演算ルールや予測骨材温度式は一例であって適宜決めたものであり、予測骨材温度は前記したように制御すべきポイントを見付けるために算出しているものであって、骨材の温度変化から燃焼量をどの程度補正するかの目安とするものであって骨材の温度変化量と関連付けて骨材温度の動向を数値的に適宜予測すれば良い。
【0040】
次に、前記求めた骨材温度の動向予測から必要燃焼量を補正するための補正燃焼量を求めるのであるが、その一例を説明すると、先ず、前記求めた予測骨材温度と骨材温度設定値とを比較し、骨材温度設定値との骨材温度誤差(予測骨材温度−骨材温度設定値)を求める。この骨材温度誤差と前記必要燃焼量とからファジィ推論により補正燃焼量を求める。
【0041】
図8は、必要燃焼量Uを定性的に評価するためのメンバーシップ関数であり、図中U(i)(i=1〜5)はメンバーシップ関数の形を規定する定数であって適宜決定する。PB、PS、ZR、NS、NBは必要燃焼量Uのランクを定性的に評価するためにメンバーシップ関数に与えた名称であり、それぞれ下記の意味を持つ。
【0042】
PB:Positive Big
PS:Positive Small
ZR:Zero
NS:Negative Small
NB:Negative Big
また、図中の縦軸はメンバーシップ値であって設定した必要燃焼量Uを定性的に評価する。
【0043】
図9は、前記骨材温度誤差△taを定性的に評価するためのメンバーシップ関数であり、図中△ta(i)(i=1〜5)はメンバーシップ関数の形を規定する定数であって適宜決定する。PB、PS、ZR、NS、NBは骨材温度誤差△taのランクを定性的に評価するためにメンバーシップ関数に与えた名称であって前述のような意味を持ち、また縦軸はメンバーシップ値である。
【0044】
図10は、必要燃焼量Uと骨材温度誤差△taとの定性的関係から補正燃焼量Ufを定性的に決定するためのファジィ推論規則である。
【0045】
例えば、右上に示す推論規則は、
Figure 0004150434
という意味を表わす。
【0046】
これは「もし骨材温度誤差△taがマイナス側に非常に大きく(予想骨材温度が骨材温度設定値より非常に小さく)、かつ必要燃焼量Uが非常に多いならば」(前件部)、「補正燃焼量Ufを非常に多くせよ」(後件部)というルールを示している。このルール表では、予測骨材温度が骨材温度設定値より高い時には燃焼量を減少させる方向に、予測骨材温度が骨材温度設定値より低い時には燃焼量を増加させる方向に補正する一方、必要燃焼量が大であれば補正量も大きく、必要燃焼量が少であれば補正量も少なくする方向に補正するように決めている。
【0047】
そして、図11は、定性的に決定された補正燃焼量Ufを定量的な値に変換するためのメンバーシップ関数である。図中のUf(i)(i=1〜5)はメンバーシップ関数の形を規定する定数であって補正燃焼量Ufを示すもので適宜決定する。PB、PM、PS、ZR、NS、NM、NBは補正燃焼量Ufを定性的に表わすためのメンバーシップ関数に与えた名称であり、前述と同様の意味を表わしている。また、ここではこれらの主要なメンバシップ関数の間に更にPO、PF、NF、NOという名称を付したメンバーシップ関数を設けて細かくランク付けをしている。また、図中の縦軸はメンバーシップ値である。
【0048】
このメンバーシップ関数を用いて先に推論された補正燃焼量Ufが定性的にどのメンバーシップ関数に属するかが決定される。補正燃焼量Ufが複数の推論規則により規定された場合には各メンバーシップ値に応じた加重平均をもって補正燃焼量Ufとする。
【0049】
こうして求めた補正燃焼量Ufを必要燃焼量に加えて実燃焼量Uwを決定し、この実燃焼量Uwに基づいてバーナ6の燃料バルブ15を駆動するコントロールモータ16を作動させて最適な燃焼量制御を行うようにしている。
【0050】
このように、本発明のバーナ燃焼制御方法においては、骨材の温度変化量から骨材温度の動向を予測し、骨材温度が骨材設定値より高くなっていくと予測される時には燃焼量を減少させる方向に、また骨材温度が骨材温度設定値より低くなっていく時には燃焼量を増加させる方向に補正するようになっており、更に、骨材供給量や含水率等の変化に対応すべく、ドライヤへの骨材供給量から必要燃焼量を理論的に算出してこれを補正燃焼量に反映させるようにもしており、これによって骨材供給量や含水率等が変化してもその変化に対応してバーナの燃焼量が的確にかつ迅速に制御され、加熱骨材温度を常に安定化させることができる。
【0051】
なお、本発明は上述の実施例に限定されるものではなく、例えば、燃焼制御をファジィー理論を応用した例により説明したが、何らファジィー理論に限定するものではなく種々の制御理論を応用できなど、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることができることは勿論である。
【0052】
【発明の効果】
以上のように、本発明に係るアスファルトプラントのバーナ燃焼制御方法にあっては、ドライヤへの骨材供給量と、骨材温度設定値と、冷骨材温度と、骨材の合成含水率と、ドライヤ効率とから骨材加熱に要する必要燃焼量を算出する所定の理論燃焼式を設定しておき、ドライヤへの骨材供給量と、加熱排出される骨材の温度とを所定時間毎に検出する一方、予め入力設定された骨材温度設定値と、冷骨材温度と、骨材の合成含水率と、ドライヤ効率とを読み出し、前記理論燃焼式に基づいて骨材加熱に要する必要燃焼量を逐次算出すると共に、検出される骨材温度とその温度変化量から骨材温度の動向を予測して予測骨材温度を算出し、該予測骨材温度と骨材温度設定値との誤差を求め、該誤差と前記必要燃焼量を基に補正燃焼量を算出し、必要燃焼量に対して前記補正燃焼量分だけ補正して実燃焼量を決定し、該実燃焼量に基づいてバーナの燃焼量を制御するようにしたので、骨材供給量や含水率等が変化してもその変化に対応してバーナの燃焼量が的確にかつ迅速に制御され、加熱骨材温度を常に安定化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に適用されるドライヤの全体構成を示す図である。
【図2】燃焼過程を示す図である。
【図3】骨材温度設定値のランク評価用メンバーシップ関数を示す図である。
【図4】骨材供給量のランク評価用メンバーシップ関数を示す図である。
【図5】ドライヤ効率の推論ルールの一例を示す図である。
【図6】ドライヤ効率のランク評価用メンバーシップ関数を示す図である。
【図7】予測骨材温度演算ルールの一例を示す図である。
【図8】必要燃焼量Uのランク評価用メンバーシップ関数を示す図である。
【図9】前記骨材温度誤差の評価用メンバーシップ関数を示す図である。
【図10】補正燃焼量の推論ルールの一例を示す図である。
【図11】補正燃焼量のランク評価用メンバーシップ関数を示す図である。
【符号の説明】
1…ドライヤ 2…ドラム
5…骨材供給用ベルコン 6…バーナ
7…骨材用温度センサ 8…排ガス用温度センサ
9a、9b、9c…骨材ホッパ
10a、10b、10c…切り出しフィーダ
11…骨材検出用センサ 12…バーナ燃焼制御装置
13…データ入力部 15…燃料バルブ
16…コントロールモータ

Claims (1)

  1. ドライヤへの骨材供給量と、骨材温度設定値と、冷骨材温度と、骨材の合成含水率と、ドライヤ効率とから骨材加熱に要する必要燃焼量を算出する所定の理論燃焼式を設定しておき、ドライヤへの骨材供給量と、加熱排出される骨材の温度とを所定時間毎に検出する一方、予め入力設定された骨材温度設定値と、冷骨材温度と、骨材の合成含水率と、ドライヤ効率とを読み出し、前記理論燃焼式に基づいて骨材加熱に要する必要燃焼量を逐次算出すると共に、検出される骨材温度とその温度変化量から骨材温度の動向を予測して予測骨材温度を算出し、該予測骨材温度と骨材温度設定値との誤差を求め、該誤差と前記必要燃焼量を基に補正燃焼量を算出し、必要燃焼量に対して前記補正燃焼量分だけ補正して実燃焼量を決定し、該実燃焼量に基づいてバーナの燃焼量を制御するようにしたことを特徴とするアスファルトプラントのバーナ燃焼制御方法。
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