JP4149654B2 - 分解油中の全極性化合物を測定するための方法及び装置 - Google Patents
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Description
技術分野
本発明は、使用または貯蔵による油の分解により生じる油中の極性化合物の存在を同定し、その量を定量化するための方法及び装置に関する。
【0002】
背景技術
油(本願明細書中、油、脂肪、ショートニング及びそれらの組み合わせを指すものとして用いる)は酸素及び水の存在下で加熱されるとき、熱分解及び酸化反応が、油の分解をもたらす。大部分の食用油は脂肪酸及びグリセリンの反応から形成されたトリグリセライドである。油は概して、それらの純粋な形では無極性であると思われる。しかしながら、油には、約0.5%〜約2%の遊離脂肪酸を含有するものもある。これらの脂肪酸の存在はいくらかの極性を新しい油に付与する。しかしながら、これらの油が高温で加熱されるとき(例えば、油揚げ条件下でまたは若干の合成油に見いだすことができるような高剪断及び高圧条件下で)、油は酸化、重合、及び/または加水分解する。酸化は、トリグリセライドの炭化水素鎖中に新しい官能基を生成することがあり、加水分解が遊離脂肪酸、モノグリセリド及びジグリセリドを生成することがある。これらのプロセスは、油の極性を増大させることがある。
【0003】
油中の分解生成物を検出するための多くの方法が文献中に存在する。同方法の大部分は、特定の化学変化のための特定の分解経路または分析に固有である。例えば、油中の遊離脂肪酸の測定法を用いて加水分解経路による油の分解レベルを推定することができる。この方法は、油中の全極性化合物を定量化するわけではない。油の分解を評価する他の方法は、ヒドロキシル数、ヨウ素価、カルボニル価、不飽和の減少、煙点及び粘度の変化の確認などであるがこれらに限定されない。使用に伴って起こる油の1つ以上の変化を検出する商用装置があるが、これらの方法のそれぞれが、それ自身の欠点を有する。例えば、FOODOIL−SENSOR(ミネソタ州、サークルパインのノーザンインストルメント製)は、フライ用油の誘電率の変化をモニターするが、この計測器は、毎日新しい油に検定されなくてはならない。異なった油は異なった誘電率を有するため、別のデータがそれぞれの種類の油に提供され、特定の油の誘電率の変化から、油を廃棄するかどうかを決めなくてはならない。これらの種類の計測器は、その試験が空気の流れなどの環境要因に敏感であり、または油自体の中の食品の粒子の存在に敏感であるため、長時間にわたりばらつきのない結果を提供しないことがある。計測器は、空気を循環させる換気システム付近の位置で生じるような通気中では十分に動作しない。多くの煮立て油揚器が強い空気吸い上げ流下にまたはその近くに置かれ、若干のレストランで使用するのには不向きな試験となる。リブララボ(ニュージャージー州、メッチェン)、ブラメンタールに付与された米国特許第4,349,353号は、使用済みフライ用油に蓄積するアルカリ性化合物の存在を検出する試験を開示する。ハヤツらに付与された米国特許4,623,638号には、溶液中の多環式有機物質を吸収及び脱着させ、環境及び食料から突然変異の発生率を高める物質を検出及び除去するシリカゲルが開示されている。
【0004】
油のpHに基づいた比色試験が利用できる。例えば、OXIFIT試験(E.メルク、ドイツ、ダルムシュタット)は、油中の酸化化合物の全量と反応する酸化還元指示薬を備えた比色試験キットである。3Mショートニングモニター(ミネソタ州、セントポールのミネソタマイニングアンドマニュファクチュアリング)は、塩基が油中の脂肪酸と反応する時に色を変化させる指示薬としての塩基を含有する紙細片である。FRITEST(E.メルク)が利用可能であり、カルボニル化合物に感受性の比色の試験キットである。 ロバーン及びグレイは、油のpHに基づいて油の遊離脂肪酸含有量をモニターする比色試験である染み試験(Can.Inst.Food Sci.Technol.J.、14:150、1981年)を教示している。pH指示薬の分析に用いる色は青、緑及び黄色である。アルカリ性の不純物材料も油中に検出されることがある。他の比色試験は、米国特許第2,770,530号、3,030,190号、3,615,226号及び2,953,439号の比色試験などである。
【0005】
比色試験は、色指示薬を試験の背景色から容易に目に見えるようにするのが好ましいため、問題が多いことがある。黄、薄赤または薄緑などの色は、分解油もまた有色であることがあるため、読み取るのが難しいことがある。
【0006】
使用済みフライ用油の調理の品質を決定する要因の1つは、油中の分解生成物の量である。油中の極性化合物の量は、例えば、極性化合物の量が増加することが味及び油の粘度に有害な影響を及ぼすため、重要である。例えば、極性化合物の増加量は、より粘性が低い油を生じる傾向があり、この特徴は、例えば、フライ用器具中で、食品への油の浸透性に影響を与える。概して、食品への油の染み込みが低減することは、見え、味及び健康上の理由から好ましい。
【0007】
多くの欧州国は、フライ用油に対して固有の規制を有する。欧州国の一部は、油中の極性材料の量を制限する規制を有する。例えば、オーストリア 、ベルギー、フランス、ドイツ、ハンガリー、イタリア、スペイン及びスイスは、国により、食品と共に用いた油中の極性化合物が21%〜27%以下であることを必要とする。ドイツ政府は、27%の極性化合物の存在が、石油エーテル中に不溶解性の酸化脂肪酸の0.7%に対応する(ファイヤーストーンら著、「Regulataon of Frying Fats and Oils」、フードテクノロジー、1991年2月、90〜93ページ)としたが、この量より多いレベルは許容範囲内ではない。他の政府の政府機関もまた油の定期的交換を必要とする規制及び品質保証ガイドラインを制定する可能性が高い。
【0008】
酸化−感受性及び加水分解−感受性の油の多くのユーザーは、油が有用な味覚及び稠度を維持することを確実にする日常定期交換プログラムを使用する。レストランまたはファーストフードチェーンについては、ただその色を見て、油の臭いを嗅ぎ、及び/または揚げ特性を観察することだけによる以外にレストラン敷地では使用済み調理用油の質を評価することは難しい。大量の揚げ物が必要で、より高品質基準を有するレストランのなかには、比較的短時間経過後、味または稠度に関係なくそれらの油を廃棄または取り替えるレストランもある。日常の廃棄処置は費用がかかることがある。素早い及び使いやすい油の評価方法により、レストランは定期的に及びやみくもにそれらの油を取り替えるのに必要とされる時間及び費用を節約することができる。
【0009】
薄層クロマトグラフィー(TLC)は元来、脂質を分離するための方法として開発された。TLCは、裏材料またはガラスなどの固体表面上に塗被された吸着材(例えば、シリカゲル)の薄層の使用を伴う。分析される試料を吸着材上に置き、薄層の端縁を薄層の上方へ移動する溶剤に接触させ、前述の化合物を前記試料中の溶剤及び吸着材に対するそれらの相対的な結合性に基づいて分離させる。前述の化合物を、分離された試料を周知の標準液と比較することによって同定することができる。
【0010】
概して、前述の技術はすぐれた分解能を有し、試験試料中のいろいろな化学成分を測定することができる。TLCを用いて油中の極性化合物の量を確認する場合、試験試料をTLCプレート上につけ、同プレートを石油エーテル、ジエチルエーテルまたは氷酢酸などの溶剤に接触させる。同溶剤は、試験試料の方へ吸着材を吸い上げる。試験試料は、吸着材塗膜上の反応性基のために溶剤及び試験試料の相対的な親和力に基づいて分離する。より極性の低い化合物は、高極性化合物より速くTLCプレートに沿って移動する。このようにしてTLCを用いて試験試料中の極性成分を検出する。TLCは、研究所環境で科学者によって一般に使用されている比較的高度な技術である。
【0011】
アメリカのオイルケミストソサエティーには、油中の極性化合物の量を含めて、精製されたばかりの調理用油の質を評価するための標準的な方法がある。この方法は、国際標準化機構によって発表され、「Determination of Polar Compounds Content in Animal and Vegetable Fats and Oils」と題された公開ISO8420:1990年(E)(以下、「ISO8420」と称する)として提供されている。油中の極性化合物の量を定量化するための他の方法は、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)、液体クロマトグラフィー(LC)、ガスクロマトグラフィ(GC)などである。ISO8420及び油中の極性化合物の量を定量化する現在の他の手続きは食堂の調理スタッフにとっては複雑であり、非実用的である。
現在市販されている試験は、問題が多いことがある。油の品質を試験するための現在のところ利用可能な方法の多くが、適切な基準に対して検定されなくてはならない高価な設備を必要とする。これらの試験は、間接的に油中の極性化合物を測定する。例えば、pHの変化は、油中の極性化合物の量の間接的な評価基準である。多数のこれらの試験は特殊な技能、及び2〜3時間を超える時間を必要とする。
【0012】
従って、油中の極性化合物の量を確認するための信頼でき、且つ容易に行われる手っ取り早い試験方法に対する需要が依然から存在する。このような方法の遂行を容易にするための装置に対する需要も存在する。
発明の開示
【0013】
この発明は、油の試料中の極性化合物を確認するための素早い方法を提供する。同方法は、空気の流れまたは油中の粒子の存在などの環境因子に左右される傾向がない。試験の結果が速く、且つ首尾一貫して得られる。操作が容易であると共に、加熱油が用いられる何れの環境でも用いることができる装置が提供される。
【0014】
本発明は、裏材料上の吸着材及び前記吸着材上の第1の位置に配置した極性指示薬を含む試験表面を提供する工程と、前記試験表面の一部分を極性化合物を含む油の試料と接触させる工程と、前記油の前部を前記第1の位置を通過して移行させ、それによって前記極性指示薬を可動化する工程と、を含む油中の極性化合物の存在を確認するための方法に関する。この発明はまた、前記極性指示薬が前記吸着材上で移動した距離と前記油の前部が前記吸着材上の固定点に対して移動した距離との比を求めて前記油のRf値を出す工程と、前記Rf値を用いて前記油中の極性化合物の存在を確認する工程と、を更に含む。前記固定点は好ましくは、試験表面の一部分である。
【0015】
この方法において、吸着材は好ましくは、シリカ、酸化アルミニウム、及びセルロースからなる群から選択され、裏材料は好ましくは、ガラス、紙、アルミニウム及び耐熱性プラスチックからなる群から選択される。油は好ましくは、ラード、トウモロコシ油、ラッカセイ油、カノラ油、オリーブ油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、赤パーム油、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。1つの実施態様において、極性指示薬は極性着色染料であり、好ましくは極性染料はESTOFIL−BLUE S−RLS(サンドズケミカルエクスポート、ノースカロライナ州、シャーロットのクラリアントコーポレーション製)であり、好ましくは、前記極性指示薬は、前記油中の前記極性化合物より前記吸着材に対する親和力が小さく未使用油より前記吸着材に対する親和力が大きい染料である。
【0016】
本発明はまた、基部と、前記基部に隣接した少なくとも1つの側面と、少なくとも1つの試料リザーバと、少なくとも1つの試験表面を支持するための少なくとも1つの熱伝導性支持表面と、を備える油中の極性化合物を確認するための装置に関し、その装置において、前記試験表面は、油が前記試料リザーバ中にあるときに少なくとも1つの試料リザーバと流体連通状態であり、前記支持表面は、前記試料リザーバに対して高い支持表面を提供するように装置の前記基部を含有する平面に対して傾斜され、前記試料リザーバが油試料及び前記試験表面の一部分を受容するようになっている。前述の装置は更にカバーを備え、カバーが好ましくは、装置上に取付けられるようになっている。1つの実施態様において、カバーは透明な部分を備え、カバーはまた、ハンドルを備えてもよい。
【0017】
前述の装置は、単一の油試料または複数の油試料を試験することができる。好ましくは基部に対する支持表面の角度は約10°〜約80°であり、1つの実施態様において、基部に対する支持表面の角度は約20°〜約70°である。1つの実施態様において、前述の装置は熱伝導性材料を含み、熱伝導性材料の固体ブロックを含んでもよい。1つの実施態様において、前述の装置は、裏材料上に吸着材を含む試験表面を備える。好ましくは吸着材は更に、極性指示薬を含む。前述の装置はまた温度指示計を備え、1つの実施態様において、前述の装置は装置内に収容された熱源を有する。
【0018】
本発明はまた、基部と、極性化合物を含む油の試料を保有するようになっている少なくとも1つの試料リザーバと、少なくとも1つの試験表面を支持するための少なくとも1つの支持表面と、を備える熱伝導性装置であって、前記支持表面が、装置の該基部を含有する平面に対して傾斜され、前記試料リザーバが、油が前記試料リザーバ中にあるときに前記試験表面と流体連通状態である熱伝導性装置と、裏材料上に配置された、極性指示薬を含む吸着材を含む少なくとも1つの試験表面と、を備える油中の極性化合物を確認するためのシステムに関する。前述のシステムはまた、熱伝導性装置を覆うためのカバーを備えてもよい。1つの実施態様において、カバーは透明な部分を備え、カバーはまた、ハンドルを備えてもよい。同システムの装置は、複数の試料リザーバを備えてもよい。
【0019】
前述のシステムの1つの実施態様において、前述の装置は、装置の基部を含有する平面に対する角度が約10°〜約80°である支持体面を有する。好ましくは、前述の装置の基部に対する支持表面の角度は、約20°〜約70°である。前述の装置は、熱伝導性材料を含んでもよく、1つの実施態様において、前述の装置は、熱伝導性材料の固体ブロックを含んでもよい。前述の装置は更に温度指示計を備えてもよく、温度指示計はカバー内に含まれてもよい。1つの実施態様において、熱伝導性装置は、アルミニウム、銅、ステンレススチール、鉄、亜鉛及び錫からなる群から選択される材料から作製される。
【0020】
試験表面で用いられた吸着材は好ましくは、シリカ、酸化アルミニウム、及びセルロースからなる群から選択され、裏材料は好ましくは、ガラス、紙、アルミニウム及び耐熱性プラスチックからなる群から選択される。油は好ましくは、ラード、トウモロコシ油、ラッカセイ油、カノラ油、オリーブ油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、赤パーム油、及びそれらの組合せからなる群から選択される。1つの実施態様において、前述の装置は更に、装置内に収容された熱源を備える。極性指示薬は極性着色染料であってもよく、好ましくは前述の染料は、油中の極性化合物より吸着材に対する親和力が小さく未使用油より吸着材に対する親和力が大きい。1つの実施態様において、染料はESTOFIL BLUE S−RLSである。
【0021】
本発明はまた、裏材料上に配置された、極性指示薬を含む吸着材と流体連通状態である試料リザーバ中に油の試料を投入する工程と、油試料を前記吸着材上に移行させ、前記極性指示薬を可動化させる工程と、を含む、極性化合物を含有する油を廃棄すべきかどうか決定するための方法であり、油の前部が移行する距離に対する前記極性指示薬が移行する距離の比が、油中の極性化合物の量に比例している方法に関する。1つの実施態様において、前述の方法は更に、裏材料を加熱する工程を含む。前述の方法はまた、吸着材をカバーで覆う工程を含んでもよい。この方法において、吸着材は好ましくは、シリカ、酸化アルミニウム及びセルロースからなる群から選択され、裏材料は好ましくは、ガラス、紙、アルミニウム、ガラス繊維及び耐熱性プラスチックからなる群から選択される。1つの実施態様において、油はラード、トウモロコシ油、ラッカセイ油、カノラ油、オリーブ油、パーム油、パーム核油、ヤシ油、赤パーム油、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される。1つの実施態様において、極性指示薬は極性着色染料であり、好ましくは極性指示薬は、前記油中の前記極性化合物より前記吸着材に対する親和力が小さく未使用油より前記吸着材に対する親和力が大きい染料である。1つの実施態様において、極性染料はESTOFIL BLUE S−RLSである。
【0022】
この発明の別の態様において、本発明は、裏材料上に試料リザーバを配置している前記裏材料を覆っている吸着材、および、前記吸着材上に配置された極性指示薬の試料、並びに、試料リザーバ及び極性指示薬の試料上に取付けるようになっているカバー、を備える油中の極性化合物を確認するための装置に関する。好ましくは、吸着材はシリカ、酸化アルミニウム及びセルロースからなる群から選択される。好ましくは、裏材料は、ガラス、紙、アルミニウム、ガラス繊維及び耐熱性プラスチックからなる群から選択される。極性指示薬は極性着色染料であり、好ましくは極性指示薬は、前記油中の前記極性化合物より前記吸着材に対する親和力が小さい染料であり、極性指示薬は未使用油より前記吸着材に対する親和力が大きい。
【0023】
本発明は更に、基部と、極性指示薬を上に配置した吸着材、及び裏材料を含む少なくとも1つの試験表面であって、該基部を含有する平面に対して傾斜されている試験表面と、油が試料リザーバ中に存在している時にそれと流体連通状態となるように該試験表面に隣接して配置された少なくとも1つの試料リザーバと、を含む油中の極性化合物を確認するための装置に関する。1つの実施態様において前述の装置は更にカバーを備える。好ましくは、基部に対する試験表面の角度は約10°〜約80°である。
好ましい実施態様の詳細な説明
【0024】
本願明細書中で用いた用語「油中の極性化合物」は、ISO8420:1990(E)(上記に説明)で指定された条件下でカラムクロマトグラフィーによって確認することができる油、脂肪、ショートニング及びそれらの組み合わせの成分を指す。極性化合物は、モノグリセリド、ジグリセリド、アルコール、及び遊離脂肪酸などの未使用脂肪中に生じる極性物質、並びに油中で食品を揚げる間に普通に生じる温度及び条件下で加熱中に形成された極性転移生成物などである。
【0025】
本願明細書中で用いた用語「油」は、油、脂肪及びショートニングなどである。好ましくは、油はこの発明の試験条件下で液体である。この方法で極性基の存在について試験することができる油は、天然並びに製造された合成油の両方を含む。合成油は、多官能性アルコール及び脂肪酸のトリグリセライドまたはエステルなどである。合成油を多官能性カルボン酸及び脂肪族アルコールから作製することもできる。大部分の天然油(野菜及び動物の供給源)は、多官能性アルコール(例えば、グリセリン)及び脂肪酸によるトリグリセライドである。
【0026】
この発明の1つの態様において、本発明は、油が吸着材上の極性指示薬を動かす能力に基づいた油中の極性化合物の存在を確認するための方法に関する。 吸着材は、それが極性指示薬と結合する能力及び極性指示薬が油中の極性化合物によって動かされて吸着材上に結合部位を得る能力に基づいて選択される。この実施態様において、極性指示薬が、固体表面上に配置された吸着材に添加される。油が吸着材上に導入され、極性指示薬が吸着材に添加された地点を通過して油が移行するのに十分な時間、好ましくは油の前進する前部が吸着材の長さ全体を移行する時間より短い時間、吸収剤上を移行させられる。極性指示薬は好ましくは、油中の極性化合物と比較して吸着材に対する親和力がより小さくその最も新鮮な形の油(すなわち、油が高熱にかけられる前の、ユーザーが購入しそうな高品質の油)と比較して吸着材に対する親和力がより大きい染料である。前述の試料において試験される油の量は、少なくとも、吸着材を飽和させるのに十分な量である。すなわち、固体表面上の吸着材を飽和させるのに必要とされる油の体積より多い油が試験試料中に存在している。
【0027】
極性指示薬が油によって可動化された後、吸着材上の測定を2回、行なってもよい。1回の測定は、極性指示薬の前部が、極性指示薬が吸収剤または裏材料に初めに添加される場所もしくは油が裏材料の基部などの吸着材または裏材料上に導入される地点などの裏材料または吸収剤上の固定点に対して移動する距離である。もう1回の測定は、油の前部が吸着材または裏材料上の同じ固定点に対して移動する距離である。極性指示薬が吸着材または裏材料上の固定点から移動した距離と前記油が吸着材または裏材料上の同じ固定点から移動した距離との比を用いて、本明細書中「Rf」と称される値を求める。Rf読み取り値は、基準Rf値と比較するとき、特定の油試料が廃棄されるべきであるかどうか決定するために用いられる値である。用語「基準Rf値」は、油の分解状態を指す予め決めた値を指すために本明細書中で用いられる。この値は、政府の規制に基づいて設定してもよく、または特定のレストランまたはレストランチェーンのための品質保証値として設定されてもよい。
【0028】
特定の油試料が廃棄されるべきかどうか決定する基準Rf値は、特定の油用途について、ユーザーにより、及び/または政府が課す規制によって、国により、変化することがある。若干の欧州国については、25%より大きい動物及び植物油中の極性化合物のパーセンテージは、消費者の安全に関する特定の法律及び規制により認可されていない。この値は、所与の装置についてのRfの範囲、選ばれたRf値、この発明による所与の吸収剤と相関していることがある。他の国については、油中の極性化合物の存在は味及び/または色に影響を及ぼすことができることは周知である。それ故、規制政府機関は或るしきい値を設定することができるが、若干のレストランは、法律または規制によって必要とされるよりも実質的に低いRfしきい値を用いることを選択することがある。油中の全極性化合物のパーセンテージに対応する基準Rf値は、政府によって、ユーザーの好みによってまたは両方によって設定されてもよい。
【0029】
いろいろな合成及び天然油をこの発明の方法を用いて試験した。例えば調理に用いた油をこれらの方法を用いて試験することができる。これらの油は、食品を揚げるために用いた油の特許及び特許でない混合物、並びにラード、トウモロコシ油、ラッカセイ油、カノラ、オリーブ、パーム、パーム核油、ココナッツ、赤パーム油などであるが、これらに制限されない。好ましくはこの発明において試験された油は、それらの未使用の形で、概してそれらの最も新鮮な形で約0.2〜約0.9のRfを有する。すなわち、前述の油は、本発明の分析で使用するために選択された極性指示薬が広範囲の油の分解について可動化されることを確実にするためにその適用点から同適用点から測定可能な距離にまで極性指示薬を可動化するのに十分な量の極性化合物を含むのがよい。
【0030】
油が室温で固体であるかまたは室温で適当な長さの時間(好ましくは、約1時間未満、より好ましくは約30分未満、更により好ましくは約25分未満)、基部の全体にわたり移動するには粘着性がありすぎる場合、油を加熱してもよい。好ましくは、油で揚げるのに推奨される温度より高い温度に加熱されない。一般にこれは約180℃以下であり、概してそれは約160℃〜約170℃である。
【0031】
この発明に用いた吸着材は概して、薄層クロマトグラフによる分離で用いた種類である。許容範囲内の吸着材には、好ましくは試験される油と反応しないいろいろな吸着材が挙げられる。すなわち、前述の油は均一に吸着材表面上を移行して極性指示薬を動かし、未使用油、概して、新鮮な油についてはより低く、使用済油についてはより高いRf値を出す。典型的な吸着材は、シリカ、酸化アルミニウム、セルロース、及び砂糖などであるが、これらに制限されない。吸着材は好ましくは、固体表面または裏材料上に配置され、塗被され、または覆う。用語「固体表面」及び「裏材料」は、この開示内容の全体で交換可能に用いられる。吸着材は好ましくは固体表面上で乾燥している。好ましくは固体表面は平らであり、好ましい固体表面は、ガラス、紙、アルミニウムまたは他の好適な金属、ガラス繊維、または耐熱性合成樹脂などであるが、これらに制限されない。プラスチック固体表面または他の潜在的感熱性表面が用いられる場合、可塑性の固体表面が変形または測定可能な軟化を伴わずに前述の試験方法の温度に耐えることができる材料から作製される。この発明の固体表面上の吸着材を従来技術に周知の方法を用いて作製することができ、またはそれを商業的に購入することができる。固体表面または裏材料上の他の好適な吸着材は、逆相シリカなどである。裏材料上の好ましい吸着材はシリカ塗被ガラスプレート(デラウェア州、ニューアークのアナルテックカンパニー製)である。これら及び、ガラスプレートなどの他の市販の吸着材被覆または塗被裏材料を円または細片などのいろいろな大きさ及び形に切り分けてもよく、またはそれらの市販品の形で用いることができる。例えば、いろいろな薄層クロマトグラフィーのプレートを用いることができる。用語「試験細片」または「試験表面」は、本明細書中で交換可能に用いられ、吸着材を塗被された固体表面を指す。好ましくは試験細片は、吸着材上に極性指示薬の試料を置くことによって生じる極性指示薬の染みを含む。
【0032】
この発明の好ましい実施態様において極性指示薬はヒドロキシ基、カルボン酸基、ケトン基、アルデヒド基などを有する染料など、極性染料である。極性指示薬は好ましくは極性染料であり、極性指示薬は好ましくは、前記油中の前記極性化合物と比較して前記吸着材に対する親和力が小さくその未使用の、概して最も新鮮な形の油と比較して前記吸着材に対する親和力が大きい。この発明に使用するために選択された極性指示薬は、本発明を実施するために用いた温度で耐熱性である。
【0033】
この発明に使用するために試験することができるいろいろな染料があり、これらの染料をそれらの周知の形で、及び/またはスルホン化、アミド化、特定の染料の極性を増大させる酸化及び/または加水分解などを含むがこれらに限定されない化学改質など、化学改質された形で用いることができる。それらの現在の形または化学的に改質された形で有用であり得る染料の実施例には、以下の商品名または名称で入手できる染料が挙げられる。DISPERSE BLUE染料番号23、28、34、60、79、79:1、148、それぞれ、CI番号(色指数)61545、62065、61510、61104、11345、11344.11124に対応するDISPERSE BLUE染料、DISPERSERED2の他、染料番号3、19及び92、それぞれ、対応するCI番号60507、11130、及び60752の他のDISPERSE RED染料、DISPERSE VIOLET染料番号4、6、17、26及び33、それぞれ、CI番号61105、61140、60712、62015及び11218に対応するDISPERSE VIOLET染料、REACTIVE BLUE 6(CI番号61549)、SOLVENT BLUE染料番号14(CI番号61555)、35(CI番号61554)、59(CI番号61552)、45(ESTOFIL BLUE S−RLS、サンドズケミカルエクスポート、ノースカロライナ州、シャーロットのクラリアントコーポレーション製)及び104(ESTOFILBLUE S−RBL、ノースカロライナ州、シャーロットのクラリアントコーポレーション製)などであるがこれらに限定されないSOLVENT BLUE染料、SOLVENT BLUE97、SOLVENT GREEN3(CI番号61565)、SOLVENT YELLOW43、SOLVENT RED番号44、45及び72、それぞれ、CI番号45385、45386及び45370.1に対応するSOLVENT RED染料などであるがこれらに制限されない。この発明の好ましい極性指示薬は、ESTOFIL BLUE S−RLS(C44H52N4O6S2、SOLVENT BLUE45としても周知、または3,3’−[(9,10−ジヒドロ−9,10−ジオキソ−1,4−アントラセンジイル)ジルイミノ]ビス[N−シクロヘキシル−2,4,6−トリメチル−スルホンアミド)、CAS登録番号23552−74−1である。
【0034】
目視による決定を容易にするために、極性指示薬は試験される油の色とコントラストを呈する色であるのがよい。マゼンタまたは赤などのより鮮やかな色とより暗い階調の青色または緑が概して好ましい。極性指示薬は少なくとも分析の温度まで熱安定性であり(すなわち、吸着材に結合されている時に目に見える状態であり、油中の極性化合物によって動かされ得る)、例えば、少なくとも約180℃まで熱安定性であるのがよい。
【0035】
極めて少しの極性指示薬しか既定の試験に使用するために必要とされない。例えば、吸着材上に約0.2%のESTOFIL BLUE S−RLSの約1マイクロリットル(μl)の染みが、約7cm2の試験細片に十分である。極性指示薬の量が非常に多くて固体表面上に厚く塗り付けられた移行する極性指示薬の前部を生じ、可動化された極性指示薬の前部と吸着材表面の基部または極性指示薬の適用点などの固定点との間の距離の測定が不正確にならないようにすべきであることを、当業者は理解するであろう。極性指示薬の量はまた、極性指示薬が、その適用点から可動化されたときに検出され得ないほど少なくないのがよい。
【0036】
着色極性染料の代わりに用いることができる他の化合物があることは当業者によって理解されている。油試料中の極性化合物の存在下で吸着材表面から可動化され得る他の極性指示薬は、紫外光を用い可視化することができる好適な螢光染料、銀または他のアミン反応性化合物を用いて可視化され、可視的な反応生成物を生じることができる極性アミン含有化合物、または、例えば、ニンヒドリンによって可視化され得る極性蛋白質材料などであるがこれらに制限されない。
【0037】
いろいろな分解条件下の油のRf値を特定の吸着材表面について及び任意に特定の装置設計についてプロットし、ISO8420を用いて確認した油中の全極性化合物のパーセンテージと比較することができる。このようなグラフの結果は、例えば、政府による規制などの予め決められた基準に基づいて油を廃棄するためのしきい値を提供する極性化合物の特定のパーセンテージと相関する広範囲のRf値を提供する。図1は、実施例1に提供されるように吸着材表面を用いていろいろな油についてのRf値を ISO8420によって確認した油中の極性化合物のパーセンテージと相関させたグラフである。同グラフは、Rf値と油中の極性化合物の量との間に直接の相関関係があることを示す。
【0038】
本発明はまた、油中の極性化合物の量を確認するための装置に関する。同装置は好ましくは、熱伝導性支持体を試験表面に提供する。 図2に示された好ましい装置10において、熱伝導性支持体は、試験表面に対する支持体を提供すると共に試験表面の長さ全体に好ましくは熱を伝導することができる、好ましくは固体熱伝導性物質から作製されたブロックである。図2の装置10は、基部12、側面14、上面15及び端部20及び22を含む。少なくとも1つの支持表面18は、試料リザーバ24から装置10の上面15に沿って延在する。図2の実施態様において、上面15が支持表面18を形成し、支持表面18は好ましくは、支持表面18の角度が基部12を含有する水平面から好ましくは約10°〜約80°であるように、基部12に対して傾斜される。より好ましくは、基部に対する支持表面18の角度は、約20°〜約70°であり、特に好ましい実施態様においては角度は約30°である。支持表面の角度は、試料リザーバ24内に油試料を維持するのを補助し、試験細片27に沿って油の均一な移行を容易にし、装置の熱伝導性度を改善し、油が吸着材上で移行するときに、油及び極性指示薬の前部の視覚化を容易にする。支持表面18の傾斜した性質の結果として、試料リザーバ24に最も近い端部20は、端部22に対して高さがより低い。試料リザーバ24はいろいろな形状の何れをとることもでき、図2に示す実施態様において、試料リザーバ24は端部20から及び側面14の少なくとも一部分から延在する1つ以上のリップ25から形成される。好ましい実施態様において、支持表面18は、支持表面18から形成された平面に対して平行であると共に凹んだ凹面部分26を含む(図3の断面図を参照)。
【0039】
本発明はまた、この発明による装置、及び試験表面を含むシステムに関する。使用に当たり、固体表面または裏材料29及び固体表面29上に被覆された吸着材28を含む、上端縁31及び下端縁33を有する試験表面、ここでは試験細片27(図2)が、装置10の支持表面18上に配置される。好ましい実施態様において、極性指示薬30の染みが、下端縁33の近くに配置される(好ましくは試験細片27の4分の1の下側の中央に置かれる)。好ましくは、極性指示薬は少容積で吸着材に適用され、乾燥させられる。極性指示薬30はまた、吸着材内に分散されてもよい。極性指示薬30は好ましくは、少なくとも試験細片27の低い方の面に適用され、極性指示薬が吸着材上につけられる場合、極性指示薬は試料リザーバ24の近くの試験細片上に配置される。支持表面18は、幅がいろいろな大きさのいずれであってもよく、少なくとも試験細片27の幅と同じであるか、好ましくは少なくとも吸着材28の幅と同じ幅である。試験細片27は何れの長さであってもよいが、好ましくは上面15の長さ以下である。試験細片27は上面15より長くてもよいが、支持表面18と試験細片27とが直接接触しているときに提供される熱伝導性の利点を得られないことがある。装置10は好ましくは、熱プレート、フライ鉄板などの熱源上で或る時間、加熱される。加熱は、油が室温で吸着材上で移行することができる時、必要ではない。しかしながら、加熱は油の粘度を低減させ、固形分及び粘性油を油中の極性化合物の存在について評価することができる。試料リザーバの大きさによって、好ましくは約0.5ミリリットル〜約10ミリリットル、より好ましくは約1ミリリットルの油の試料が、試料リザーバ24に添加される。油の量は、吸着材28を飽和させるのに十分であるのがよい。油を試料リザーバ24中に高温または低温で添加することができる。好ましくは、しかし絶対必要なわけではないが、試験細片27は油が添加される前に装置上に配置される。前述の装置は、十分な極性化合物が油試料中に存在している場合に油の前部を極性指示薬を通過して試験細片上で移行させ、極性指示薬を吸着材表面上で可動化させるのに十分な時間、温置される。温置は、上に論じたように、室温でまたは高温で行なってもよい。
【0040】
装置10は、加熱面32上に配置された図3の断面図に提供される。カバー34が装置10上に配置され、油が吸着材28上で移行するときに油に均一な熱を提供する。カバー34は何れの三次元形状もとることができ、鉄板、オーブンの表面などの加熱面32上に支えられて装置10上にドーム状カバーを提供する。図3に示す装置において、カバー34は側面36及び上部38を有する実質的に矩形のカバーである。図4において、カバー39は、側面40及び円形上部42を有する実質的に横断面が円形である。ハンドル44が好ましくは含まれ、加熱面32上でカバーの簡単な操作を容易にする。好ましい実施態様において、この発明のカバーの側面は、テフロン、ガラス繊維、セラミックなどの破損抵抗がある材料から作製され、この発明のカバーの上部の少なくとも一部分は、ポリエステル、アクリル、ポリカーボネートなどを含むがこれらに制限されない耐熱性プラスチックなど、耐熱性の実質的に透明な物質から作製される。
【0041】
図2に提供される装置はいろいろな大きさであってもよいと理解されよう。上記の通り、支持表面18の幅は、吸着材を含む少なくとも1つの試験細片を支持するのに十分な幅である。前述の装置は、いろいろな試験細片の寸法と幾何学的形状を可能にするいろいろな大きさであってもよいと理解されよう。固体表面29上の吸着材は、極性指示薬30を極性指示薬の適用点から油試料の存在下で移行させ、2つの容易に測定される地点:極性指示薬が固定点(例えば、吸着材または裏材料の下方の面、または極性指示薬の適用点)に対して移行した距離、及び油の前部が移行した距離、を提供するのに十分な長さである。
【0042】
試験表面27は固体表面または裏材料29を含み、吸着材28は長さ約5cm〜約15cm、好ましくは長さ約7cm〜約10cmである。吸着材を有する裏材料は、好ましくは幅約7ミリメートル(mm)〜幅約15mm、好ましくは幅約10mmである。装置10は、裏材料上の吸着材の長さと好ましくは少なくとも同じ長さである支持表面18を有する。試料リザーバは好ましくは少なくとも0.5mlの試料を有する。試料リザーバ中の油の量は、極性指示薬の染み30より下にある。好ましい装置10において、装置の基部12は好ましくは長さ約72mm、幅約60mm、端部20の高さ15mm、端部22の高さ約43mmである。好ましい装置において、基部に対する面18の角度は好ましくは約30°、概して約20°〜約70°でにある。これらの寸法を有する装置において、試験は、油の前部が吸着材料の下方の端縁に対して約50mm、固体表面上の吸着材料上で移行した時に完了したと考えられる。当業者は、装置の寸法が必要以上の実験をせずに変化させることができ、異なった大きさの装置の校正(すなわち、油のしきいRf値の決定)もまた、必要以上の実験をせずに行なうことができることを理解するであろう。
【0043】
好ましくは、支持表面18はよく熱を伝導する材料から作製される。このような材料の実施例は、アルミニウム、銅、ステンレススチール、鉄、亜鉛、錫及び他の熱伝導性材料などであるが、これらに制限されない。好ましくは熱伝導性材料はアルミニウムである。 好ましい実施態様において、装置10は、アルミニウムなどの熱伝導性材料から作製される。
【0044】
図2の装置において、及びシリカから作製された吸着材を有する試験細片を用いて、若干の欧州国によって必要とされるように、脂肪及び油中の全極性化合物のパーセンテージについて25%のしきい値が、約0.52〜約0.54のRf値に相関する。油中に25%の全極性化合物を有する油の廃棄処分を義務化している国のレストランは好ましくは、少なくとも約0.52〜少なくとも約0.54のRf値を有する油を廃棄する。
【0045】
装置10及びこの発明による他の装置は、いろいろなセンサーまたはマーカを有してもよい。例えば、少なくとも1つの温度センサを試験期間中に温度をモニターするために装置10の表面に付けてもよい。接着剤温度センサ装置並びにパシフィックトランスデューサコーポレーション(カリフォルニア州、ロサンゼルス)製のセンサ装置などいろいろな熱センサ装置などを含むがこれらに制限されないこの装置に好適ないろいろな温度センサがある。同様に、竪穴が、温度計、または電子装置などの他の熱センサ装置を取付ける装置の端部に設けられてもよい。当業者は、温度センサがこの発明の装置上、または、この装置のカバー上のいろいろな位置に配置されてもよいことを理解するであろう。
【0046】
試験の完了時を、例えば、油の前部の移行に基づいて示す装置内のマークなどのマーカが装置に含まれてもよい。他の実施例において、前述の装置が油中の極性化合物のしきい値を規制する国で販売されている場合、装置は、油中の許容範囲内の量の極性化合物を有する油の範囲を示すために油の前部のマーキングに対して極性指示薬の前部の移動度の範囲を提供するマーキングを含んでもよい。油リザーバ中の油の量のためのマーキングも含まれてもよい。マーキングは、蝕刻マーキング、接着剤マーキング、着色マーキングなどであるがこれらに制限されないいろいろな形をとってもよい。
【0047】
更に、この発明の装置はまた、支持表面が内部熱源から加熱されるように加熱源または熱要素を組み入れることができる。
【0048】
図2〜4は単一竪穴装置を示すが、この装置の他の形状が可能である。1つの実施態様において、装置10による複数の装置を組み合わせて2つ以上の試料の同時または連続的な測定のために多竪穴装置を形成するように組み合わせ部材を含むように装置10を改良することが可能である。図5は、複数の試料リザーバを有するこの発明による多竪穴装置47を示す。図5において、装置は図2の装置に実質的に似ている。装置47は基部(図示せず)、側面48の他、複数の支持表面52、端部54及び56、複数の試料リザーバ58及び複数の凹面60を含む上面50を有する。リップ60、または同等の手段を用いて、油の試料が単独の試験細片を汚染し合うことのないように、試料リザーバ58を分離する。この実施態様において、油の1つ以上の試料を同時に、または連続的に試験することができる。図5の装置は、それぞれの支持表面52に沿って配置した3つの試験細片27を含む。任意に、温度センサが含まれてもよい。
【0049】
使用に当たり、図6に提供されるように、装置47は、加熱面66上に配置され、適所に少なくとも1つの試験細片27を有する。油の1つ以上の試料が、試料リザーバ58内に一つ一つ置かれる。カバー68は装置47上に取付けられる。カバー68は、側面70、上面72及びハンドル74を備える。好ましくはカバー68の、上面72などの少なくとも一部分が透明である。
【0050】
この発明の装置をいろいろな形状で作製することができる。例えば、図7に示すこの発明の装置の別の実施態様において、装置76は試験表面78及びカバー80を備える。この実施態様において、カバー80は試験表面78上に直接支えられてもよい。試験表面78は、この発明に従って、固体表面84上に吸着材82を含み、同様にこの発明に従って、極性指示薬の試料が、試料リザーバ88からカバー80と試験表面78との間の接触点までの距離の好ましくは少なくとも約4分の1以内に、吸着材82の上に配置された複数の染み83にまたは極性指示薬のリングとしてつけられる。試験表面78は加熱面86上に水平に配置される。
【0051】
試料リザーバ88は、試験表面78と流体連通で提供される。試料リザーバ88は、吸着材を上に被覆しない固体表面84の一部分を含んでもよい。別の実施態様において、試料リザーバ88は固体表面84内のくぼみを構成してもよい。リザーバ88のための他の形状は、当業者に明白である。カバー80は好ましくはドーム形装置であるが、当業者はカバー80が本発明の範囲を狭めることなくいろいろな幾何学的形状をとることができることを理解するであろう。図7の実施態様において、カバー80は実質的に円形の断面を有し、側面90及び上面92を含む。カバー80はまた任意に、試験される油試料を試料リザーバ88中に投入する試験試料供給システムを含む。図7の実施態様において、試験試料供給システムは、少なくとも1つの油試料を保持するためのハウジングと、ドロッパ装具94など、試料リザーバ88中にゆっくりと油を供給する手段とを含む。試料リザーバ88が固体表面84にくぼみを含む場合、ドロッパ器具94または他の試料供給システムは、油試料を試料リザーバ88に直接に添加することができるので、カバー80に必要とされないことがある。
【0052】
装置76を図8の断面図に示す。固体表面84上の吸着材82を含む試験表面78が、鉄板、熱プレートなどの加熱面86上に、またはオーブン内に配置される。カバー80は、ドロッパ器具94が試料リザーバ88上の中央にくるように真中に位置合わせされる。図7及び8の実施態様のドロッパ器具は、試料リザーバ88上の適所にドロッパ98を着脱自在に保持するための支持体96を含む。図7及び図8において、試料供給システムは油試料を試料リザーバ88にゆっくりと添加するための手段を含む。図7の実施態様において、この手段はバルブ100である。
【0053】
当業者は、油試料をカバー80を通って試料リザーバ88にゆっくりと投入するためのいろいろな試料供給システム及び手段があることを理解するであろう。例えば、蠕動ポンプなどのポンプでカバーを通って油試料リザーバに接続された毛管を用いて、油を試料にゆっくりと投入することができる。油をこれらの試料リザーバ88中に投入するためのこれらの方法は従来技術に周知の技術であり、この発明の精神を損なわない。先に記載した実施態様のように、試験表面78は好ましくは、約170℃まで耐熱性(すなわち、変形性でない)である。図7及び8の実施態様において、油は試料リザーバ88から大きくなっていく円として移行する。Rf値は、極性指示薬が固定点から移行した距離の油の前部が同じ固定点から移行した距離に対する比として計算される。好ましくは、前述の固定点は、極性指示薬試料の適用点または試料リザーバ88の端縁である。必要ならば、複数回の測定を複数の極性指示薬の染みに基づいてまたは極性指示薬の周リングからの多数の測定に基づいて行ない、これを用いて平均Rf値を出してもよい。
【0054】
図示してはいないが、油中の極性化合物の存在を試験するようになっている装置の別の形状において、装置は、吸着材料の下端縁から少し離れて、その近くに配置した極性指示薬を有する固体表面上の吸着材を含む試験表面または細片を有する。試験表面は、チャンバ内に実質的に垂直位置で配置される。チャンバは好ましくは、基部、側面及びカバーを有する。チャンバは好ましくは、固体表面を完全に含有するのに十分に大きい。しかしながら、試験細片が図2〜6に示す実施態様の支持表面より外に延在することができるのと同様に、固体表面がチャンバから延在することができると理解されよう。好ましくは、試験表面は、チャンバの基部に沿ってチャンバ内にあり、チャンバの内部側面によって少なくとも2点で支えられる。すなわち、チャンバは円筒状、矩形の形状など、いろいろな形であってもよい。同様に、好ましくは、チャンバの基部に対する固体表面の角度は、好ましくは45°より大きい。油の試験試料を、吸着材表面と接触及び飽和させるのに十分であるが極性指示薬の染みの量より少ない初期量にまで増加させる量でチャンバの下部に置く。チャンバは好ましくは密閉され、オーブン、熱プレート、鉄板または他の熱供給源など、好ましくは加熱環境内に、移行している油の前部が極性指示薬を可動化するのに十分な時間、及び油の前部が極性指示薬の前部よりも外に測定可能な距離を移行するのに十分な時間、置いた。実際には、この発明の油の試料は、極性指示薬のための溶剤である。また、Rf値は上に記載したように計算される。
【0055】
この発明の別の態様は、極性化合物を含有する油の品質を評価することを必要としている個人、会社、サービスプロバイダなどに供給されるキットに関する。同キットは好ましくは、本発明による装置、少なくとも1つの試験細片または固体表面上に予め被覆した吸着材を含み各々の試験細片または試験表面の吸着材上に予めつけた極性指示薬を有する少なくとも1つの試験細片または試験表面を備える。同キットは任意に、本発明によるカバー、対照標準として用いる純粋油の試料、試験細片または試験表面に添加される極性指示薬の試料、油の試料を除去するのを容易にすると共にそれをこの発明の装置の油リザーバに適用する試料抽出装置の他、装置及び特定の装置によって測定される油試料中の極性化合物のパーセント範囲に相関するRf値のガイドライン及び使用説明書を備える。加熱できる表面を有する熱供給源もまた、必要ならば、供給されてもよい。しかしながら、好ましい操作モードにおいて、この発明の装置は大部分のレストラン調理室に適切であり、鉄板上及び/またはオーブン内で用いることができ、あるいは熱源を装置内に直接取り入れることができる。
【0056】
この発明の装置は再利用可能であり、容易にきれいにすることができる。例えば、前述の装置は冷却させてもよく、きれいに拭くことができる。有利には、分析は、濾過または他の油試料の作製工程を伴わずにできる。
本願明細書に引用したすべての参考文献及び出版物を本開示内容に特に取り入れたものとする。
【0057】
【実施例】
実施例1
油中の極性化合物の存在を確認するための試験及びISO8420に対する試験の相互関係
【0058】
試料をこの発明の方法を用いて試験し、ISO8420を用いて測定した結果と比較した。
【0059】
油試料:新鮮な油の試料(すなわち、未使用油)、使用状態とみなされるがまだフライ用に許容範囲内である油、使用状態とみなされるが許容範囲内でない油(廃棄されるか、または廃棄予定であった油)が表1に示すように地元ののファーストフードレストランから得られた。未使用油は以下、「新鮮」とされ、使用済みだがまだ許容範囲内の油は「使用中」、もう許容範囲でない油は「廃棄」とされる。
【0060】
米国内及び米国外(OUS)のファーストフードチェーン(試験場所A−D)から採取されたフライ用油の試料を当研究に用いた。これらの油を魚、チキン、フレンチフライ、パイ、オニオンリング及び他の種類の食品のために用いた。試料は、新鮮な油及びいろいろな時間、用いた油から採取され、従って分解レベルがいろいろである油を表す。
【0061】
プレートの作製:ワットマンカンパニー(ニュージャージー州、クリフトン)製のダイアモンドシリーズK6Fプレート(被膜厚さ250ミクロン、ポアサイズ60オングストローム、粒度10〜12マイクロメートル)であるガラス支持シリカゲル薄層クロマトグラフィープレートを、幅10mm、長さ67mmの小さい細片に切り分けた。
【0062】
0.2%の染料溶液を、100gのトルエン中にクラリアントコーポレーション(ノースカロライナ州、シャーロット)製のESTOFIL S−RLS染料粉200ミリグラムを溶解して作製した。染料溶液1マイクロリットルを、染みが細片の幅の中央に一方の端部(細片の基部、すなわち、試料リザーバと接触している細片の一部分)から約5mmに置かれるように、シリカゲル細片上につけた。染みは周囲条件で乾燥させた。
【0063】
装置を図2−4の説明に従って作製した。同装置はアルミニウムから作製され、高さ43mm、長さ72mm、幅60mmであり、装置の基部に対して支持表面は約30°傾斜された。
【0064】
アルミニウムブロックは、約170℃に設定した研究室用熱板上に約30分間、それを置いて予熱された。極性指示薬の染みをつけた細片を、細片の基部はブロックの油リザーバに隣接させ、極性指示薬の染みはリザーバの方向から離して、前述のブロック上に置いた。2分後に、1ミリリットルの試験油をリザーバ中に好ましくは滴下し、油が極性指示薬に直接触れないことを確実にした。油が添加された後、ブロックは覆われた。油の前部が試験細片の基部から約50mmの距離に達したとき(概して約25〜約35分間)、試験細片を取り除いた。極性指示薬が移動した距離は試験細片の基部から測定され、試験細片の基部から油の前部が移動した距離も測定された。この極性指示薬が移動した距離/油の前部が移動した距離の比はRfと呼ばれ、油中の極性化合物のレベルを表す。
【0065】
特定の実施例において、地元のファーストフードレストラン(場所B)から得られた油の試料5を、油のレベルが細片上の極性指示薬の染みのちょうど下になるまで、リザーバに滴下した。約1ミリリットルの油を用いた。油レベルは極性指示薬の染みに接触または覆わなかった。これは、極性指示薬が油で溶けるのを妨げる。透明な耐熱性カバーをブロック上に置き、油の前部が細片の基部から約50mmの移動距離を示すブロック上のマークに達するまで(概して約25〜約35分の温置時間)、油を細片の上方に移行させた。次に、細片をブロックから取り除いた。定規を用いて、極性指示薬前部が移動した基部からの距離を測定すると、約22mmであった。油の前部が移動した基部からの距離を測定すると、約50mmであった。Rfまたは前部の比は、極性指示薬の前部が移動した距離を油の前部が移動した距離で割って計算された。この実施例において、Rfの計算値は0.44であった。
【0066】
【数1】
式中、d1は、極性指示薬の前部が固定点d0に対して移行する距離であり、d2は、油の前部が同じ固定点d0に対して移行する距離である。好ましくは固定点d0は、試験細片の基部または極性指示薬の適用点である。
【0067】
ISO8420、極性化合物のパーセントの確認:油中の極性化合物の全パーセンテージを確認するために、方法ISO8420:1990(E)、「Determination of Polar Compounds Contentin Animal and Vegetable Fats and Oils」を用いた。この方法はカラムクロマトグラフィーを使用し、極性化合物を分解または使用済みフライ用油から分離して油中の極性化合物を定量化する工業標準方法である。
【0068】
簡単にいえば、この方法において1束の脱脂綿を含有するガラスロッドをカラムの下部分内に置いた。空気をロッドで下方に脱脂綿を押圧することによって取り除いた。約30ミリリットルの溶離溶剤(クロマトグラフ高品質軽質石油の87容積(沸点範囲40℃〜60℃)及び安定化ジエチルエーテル13容積の混合)をカラムに添加した。
【0069】
シリカゲルのスラリーを、約80ミリリットルの溶離溶剤を用いて100mlのビーカー内で作製した。同スラリーを漏斗を用いてカラム中に注いだ。シリカゲルをカラム中に移し終えると、溶離溶剤でビーカーをすすぎ洗いをした。クロマトグラフィー装置の栓を開け、溶離溶剤のレベルがシリカゲルより約100mm多くなるまで、溶離溶剤を流した。シリカゲルはカラムを軽くたたいて平にされ、砂層をシリカゲルの上部に配置した。上澄み溶離溶剤を砂層10mm以内まで流した。
【0070】
試験試料を1ミリグラムにできる限り近く秤量し、試験試料2.5g+/−0.1gを50ミリリットル容量のフラスコに添加した。試験試料をわずかに昇温して約20ミリリットルの溶離溶剤に溶解した。溶離溶剤を室温に冷却させ、溶離溶剤で50ミリリットルに希釈した。
【0071】
250ミリリットルのフラスコを乾燥させ、フラスコを秤量し、試料を採取するためにカラムの下に置いた。20ミリリットルの試験溶液を準備したカラムに移した。栓を開け、溶剤を砂層の上部のレベルまで流して下げた。溶離液(無極化合物を含有する)を、250ミリリットルのフラスコ内で採取した。前述の無極化合物を、滴下漏斗によって150ミリリットルの溶離溶剤を添加して溶出させた。流動度は、150ミリリットルの容積が約60分〜約70分でカラムを通過することができるように調節された。溶離の完了後に、カラムの出口に付着している物質を溶離溶剤を用いて洗った。溶剤を真空下で、一般に回転式蒸発器及び60℃以下の温度に制御した水槽の補助によりフラスコから取り除いた。窒素をその系に添加して蒸発プロセスを完了した。極性化合物の含有量を以下の式によって与えられる質量パーセンテージとして確認した。
【0072】
【数2】
上式中、m1が試験試料のグラム単位の質量、m2が無極性部分のグラム単位の質量であり、m3が溶離ブランクのグラム単位の質量である。
【0073】
結果の分析は、前述のカラムクロマトグラフ方法によって確認した極性化合物%と比較してこの発明の方法を用いて得られたRf値間に十分な相関関係を示した。Rf値がより高くなると、フライ用油中に生じる極性化合物の%がより高くなる。その結果は、Rf値を予め決め、油中の極性化合物のパーセンテージを知ることができ、同様に、油中の極性化合物の%を知ることにより、試料のRf値を求めることができることを示した。
【0074】
【表1】
【0075】
図1は、表1のRfデータとISO8420:1990(E)、「Determination of Polar Compounds Content in Animal and Vegetable Fats and Oils」を用いて求めた極性化合物の%とをプロットするグラフである。
【0076】
相関グラフ(図1)は、この研究の結果を明らかにする。25%の極性化合物のレベルで、対応するRfは0.53である。それ故に、ブロック上で、極性指示薬が50mm(固定)油の前部に対して移動した距離は26.5mmである。この実施例による装置内の26.5mmマークから外に極性指示薬を動かすこの発明によるいろいろな油は、廃棄されるべきである。25%極性化合物カットオフを用いて、極性指示薬の高さが26.5mm未満である場合、この油は依然として有用である。
本発明は特定の実施態様及び実施例と関連させて記載されているが、本発明は必ずしもそのように限定されず、多数の他の実施態様、実施例、使用、実施態様、実施例及び使用からの修正及び逸脱がこの出願の発明の範囲から外れることなく作製できることは、当業者には理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【図1】試験方法 ISO8420によって測定した極性化合物のパーセンテージを本発明に従って求めたRfと相関させたグラフである。Rfは、極性指示薬が吸着材または裏材料上の固定点から移動した距離と油が(すなわち、油の前部)吸着材または裏材料上の同じ固定点から移動した距離との比を指す。
【図2】この発明による第1の装置の斜視図である。
【図3】図2の装置の横断面を部分的に示したこの発明第1のカバーで覆われた側面図である。
【図4】この発明による第2のカバーで覆われた図2の装置の斜視図である。
【図5】この発明による第2の装置の斜視図である。
【図6】この発明によるカバーで覆われた図5の装置の斜視図である。
【図7】この発明による第3の装置の斜視図である。
【図8】図7の装置の横断面の側立面図である。
Claims (7)
- 裏材料上の吸着材及び該吸着材上の第1の位置に配置した極性指示薬を含む試験表面を提供する工程と、
該試験表面の一部分を極性化合物を含む油の試料と接触させる工程と、
該油の前部を該第1の位置を通過して移行させ、それによって該極性指示薬を可動化する工程と、を含む油中の極性化合物の存在を確認するための方法。 - 基部と、
該基部に隣接した少なくとも1つの側面と、
該側面に隣接した少なくとも1つの熱伝導性支持表面と、
該支持表面上の少なくとも1つの試料リザーバと、を備える油中の極性化合物を確認するための装置であり、該支持表面が少なくとも1つの試験表面を支持するようになっており、該試験表面が、油が該試料リザーバ中にあるときに少なくとも1つの試料リザーバと流体連通状態であり、該支持表面が、該試料リザーバに対して高い支持表面を提供するように装置の該基部を含有する平面に対して傾斜され、該試料リザーバが油試料及び該試験表面の一部分を受容するようになっている装置。 - 前記装置上に適合するようになっているカバーを更に含む請求項2に記載の装置。
- 複数の油試料を試験するようになっている請求項3に記載の装置。
- 前記基部に対する支持表面の角度が約10°〜約80°である請求項3に記載の装置。
- 吸着材を裏材料上に含む試験表面を更に備え、前記吸着材が極性指示薬を更に含む請求項3記載の装置。
- 裏材料上に配置された、極性指示薬を含む吸着材と流体連通状態である試料リザーバ中に油の試料を投入する工程と、
油試料を該吸着材上に移行させ、該極性指示薬を可動化させる工程と、を含む、極性化合物を含有する油を廃棄すべきかどうか決定するための方法であり、油の前部が移行する距離に対する該極性指示薬が移行する距離の比が、油中の極性化合物の量に比例している方法。
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