JP4148749B2 - Pipe joint structure - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、管の継手構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
継手部に伸縮機能及び離脱防止機能、すなわち耐震機能を有する管の継手構造として、図7に示すようなものが知られている。
【0003】
図7に示す耐震継手1は、一方の管2における受口3内に他方の管4における挿口5が挿入されて構成されている。この受口3の内面には、受口3の開口側から管軸方向受口奥側に向けてシール材圧接面6及びロックリング収容溝7が形成されており、このロックリング収容溝7に周方向一つ割のロックリング8が収容された状態で、挿口5が、その先端部の外周に形成された挿口突部9がロックリング8内側を通過して受口3の奥側に達するまで挿入されている。
【0004】
挿口5の外周にはあらかじめ、樹脂製のバックアップリング10、ゴム製のシール材11、このシール材11に接触可能な割輪12及びこの割輪12を押圧可能な押輪13が配置されており、このシール材11をシール材圧接面6に接触させ、受口3の端面に植え込まれた複数のボルト14aを押輪13に形成された複数の丸孔13aに通し、そのうえでこのボルト14aにナット14bをねじ合わせて締め付けることによって、押輪13及び割輪12を受口3の奥側に向かって押圧して移動させ、シール材圧接面6と挿口5の外周との間でシール材11を圧縮する。このように、継手部にシール機能が付与された状態で受口3と挿口5とが互いに接合されている。
【0005】
上記のように構成された耐震継手1に地震などによる大きな引張力が作用したときには、挿口5が図中の仮想線にて示すように受口3の奥側に挿入されている状態から、実線にて示すように挿口突部9がロックリング8にかかり合う状態まで、すなわち所定の範囲だけ受口3に対して抜け出すことで伸縮機能を発揮することができ、また、挿口5における挿口突部9が受口3の奥側からロックリング8にかかり合うことで離脱防止機能を発揮することができる。
【0006】
ところで、上記のような耐震継手1において、継手部に引張力が作用した際のロックリング8には、図8に示すように、受口3から挿口5を引き抜こうとする引張力Rが挿口突部9から作用し、かつ受口3から挿口5が抜け出すのを阻止しようとする離脱阻止力Fがロックリング収容溝7における受口開口側の側面から作用する。
【0007】
このとき、離脱阻止力Fと引張力Rとの作用線が同一直線上に存在しないため、ロックリング8には、図示のように見て時計回り方向の回転力Tが発生し、この耐震継手1に作用する引張力が非常に大きな場合には、図中の仮想線にて示すように、周方向一つ割のロックリング8は、その受口奥側の側面と挿口の外周との接点を回転中心15として弾性変形しつつ挿口5の外周から浮き上がってしまうことがある。このように、ロックリング8が挿口5の外周から浮き上がってしまうと、健全な離脱防止機能を発揮できなくなる等の恐れがあった。
【0008】
これに対し、従来では、図9に示すように、ロックリング8の横断面形状を、挿口5の外周と接する辺を長辺とし、かつロックリング8における受口開口側及び受口奥側の側面にテーパ面8a及びテーパ面8bを有する等脚台形状に形成して、ロックリング8が挿口5の外周から浮き上がるのを防止している。
【0009】
すなわち、ロックリング収容溝7からロックリング8に作用する管軸方向の離脱阻止力Fにおけるテーパ面8aに垂直な方向の分力F1の作用線17が、図10に示すように、ロックリング8の回転中心15よりも受口奥側を、例えば距離dだけ離れて通過すると、ロックリング8には、このロックリング8を挿口5の外周から浮き上がらせようとする回転力T=F1・dが作用する。したがって、これを防止すべく、図9に示すように、ロックリング8における挿口5の外周と接する長辺を長く形成し、分力F1の作用線17がロックリングにおける回転中心15よりも受口開口側を通過するようにロックリング8を形成している。(例えば、特許文献1参照。)なお、このときの離脱阻止力Fにおけるテーパ面8aに沿った方向の分力F2は、ロックリング8の挿口5の外周からの浮き上がりに大きな影響を与えない。
【0010】
【特許文献1】
特開2002−5361号公報(第2−3頁、第1図)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図9及び図11に示すような横断面が等脚台形状のロックリング8は、図11の仮想線にて示すような横断面矩形状のリング状の部材16から得られるものであるが、図11に示すように、部材16に機械加工を施して不要部分16c、16cを除去し、部材16の外面16a側から内面16b側にかけてテーパ面8a及びテーパ面8bを形成しなければならず、この加工に手間がかかっていた。
【0012】
そこで本発明は、このような問題点を解決して、継手部に引張力が作用したときに、ロックリングが挿口の外周から浮き上がるのを確実に防止でき、かつこのロックリングに施される機械加工がより少なくて済むような管の継手構造を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために請求項1記載の発明は、一方の管の受口の内面に形成されたロックリング収容溝にロックリングが収容され、前記受口に挿入される他方の管の挿口の先端の外周に形成された外周突部が前記ロックリングにおける受口奥側部にかかり合い可能に構成され、かつ前記ロックリングにおける受口開口側部が前記ロックリング収容溝にかかり合い可能に構成されることで前記受口から前記挿口が離脱するのを防止可能な管の継手構造において、前記ロックリングにおける前記受口開口側部及び前記受口奥側部が前記挿口の外周に対して垂直に形成され、前記ロックリングにおける前記ロックリング収容溝と接触する部分または前記ロックリング収容溝における前記ロックリングと接触する部分のうちの少なくともいずれか一方に前記受口の開口側に対して先すぼまり状となるテーパ面が形成され、前記受口から前記挿口が離脱するのを阻止する管軸方向の離脱阻止力が前記ロックリング収容溝から前記テーパ面を介して前記ロックリングに伝達されるときに、前記離脱阻止力の前記テーパ面に垂直な方向の分力の作用線が前記ロックリングにおける前記受口奥側部と前記挿口の外周との接点よりも前記受口の開口側を通過するものである。
【0014】
このような構成によれば、ロックリングに作用する管軸方向の離脱阻止力におけるテーパ面に垂直な方向の分力の作用線が、前記ロックリングにおける受口奥側部と挿口の外周との接点よりも受口の開口側を通過するようにすることで、ロックリングが前記挿口の外周から浮き上がらない方向の回転力を前記接点を中心としてこのロックリングに作用させることができる。これにより、ロックリングが挿口の外周から浮き上がるのを確実に防止することができる。そのうえ、ロックリングにおける受口開口側部及び受口奥側部が挿口の外周に対して垂直に形成され、前記ロックリングにおけるロックリング収容溝と接触する部分または前記ロックリング収容溝における前記ロックリングと接触する部分のうちの少なくともいずれか一方に前記受口の開口側に対して先すぼまり状となるテーパ面が形成されていることにより、例えば、このテーパ面がロックリング収容溝にのみ形成され、ロックリングに形成されていない場合であれば、ロックリングの横断面が等脚台形状に形成されている場合に比べてロックリングに機械加工を施す必要がない。さらに、このテーパ面がロックリングに形成されている場合であっても、上記のような横断面が等脚台形状のロックリングに比べると、ロックリングに施す機械加工を大幅に少なくすることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の管の継手構造の実施の形態1〜3を説明する。なお、実施の形態1〜3において、従来の管の継手構造において既に説明したものと同様のものには、図7〜図11において使用した符号と同一の符号を付すことで、その詳細な説明を省略する。さらに、以下の説明において受口開口側とは、各図を見たときの左側を指し、受口奥側とは各図を見たときの右側を指す。
(実施の形態1)
図1に示すように、一方の管2における受口3には他方の管4における挿口5が挿入されており、挿口5の先端側の外周には外周突部である挿口突部9が形成されている。受口3の内面にはロックリング収容溝7が形成されており、このロックリング収容溝7における受口開口側の側面7aには、受口開口側に対して先すぼまり状となる溝側テーパ面7bが形成されている。
【0016】
ロックリング収容溝7には周方向一つ割のロックリング18が収容されており、このロックリング18における受口開口側部である開口側側面18aと受口奥側部である奥側側面18bとが挿口5の外周に対して垂直になるように形成されており、この奥側側面18bは挿口突部9の受口開口側の端面と面接触可能なように形成されている。また、このロックリング18の開口側側面18aにおけるロックリング収容溝7の溝側テーパ面7bに対応する部分には受口開口側に対して先すぼまり状となるリング側テーパ面18cが形成されている。この溝側テーパ面7bとリング側テーパ面18cとは面接触する。なお、奥側側面18bにもリング側テーパ面18cと同様のリング側テーパ面18dが逆向きに形成されているが、これは、ロックリング18の向きに前後の制約を無くすことでロックリング18をロックリング収容溝7内に収容するときに誤りが無いようにするためのものである。
【0017】
このロックリング18は、図4(a)の仮想線にて示すような横断面矩形状のリング状の部材16に機械加工を施して、不要部分16c、16cを除去することで得られるが、図9及び図11に示すような、ロックリングの横断面が等脚台形状に形成されている場合に比べてロックリング18に施す必要がある機械加工を大幅に少なくすることができる。
【0018】
このような構造の継手部において、地震等により大きな引張力が作用した場合には、ロックリング収容溝7における溝側テーパ面7bからロックリング18におけるリング側テーパ面18cに作用する離脱阻止力Fは、リング側テーパ面18cにおける受口開口側の端点であるこの離脱阻止力Fの作用点においてリング側テーパ面18c(溝側テーパ面7b)に垂直な方向の分力F1とリング側テーパ面18c(溝側テーパ面7b)に沿った方向の分力F2とに分解される。
【0019】
このとき、リング側テーパ面18c(溝側テーパ面7b)に垂直な方向の分力F1の作用線17が、ロックリング18における奥側側面18bと挿口5の外周との接点すなわち回転中心15よりも受口開口側を通過するようにするには、リング側テーパ面18c(溝側テーパ面7b)の管軸方向に対する傾斜角度をθ、このリング側テーパ面18cにおける溝側テーパ面7bと接触している部分の管径方向の長さ(以下、高さと記す)をf、ロックリング18の挿口5の外周からの高さをhとしたときに、ロックリング18の幅mが、
m>(h−f)tanθ…(A)
を満たすように、ロックリング18を形成する。
【0020】
このように、ロックリング18の幅mとリング側テーパ面18c自体の高さfとロックリング18の高さhとを上記の不等式(A)を満たす寸法に形成することによって、分力F1の作用線17がロックリング18における回転中心15よりも受口開口側を確実に通過するようにできる。
【0021】
これにより、例えば、図5に示すように、回転中心15よりも受口開口側を通過する分力F1の作用線17が、ロックリング18の回転中心15から距離dだけ離れていれば、ロックリング18には、このロックリング18が挿口5の外周から浮き上がらない方向、すなわち反対にロックリング18が挿口5の外周に押し付けられる方向の回転力T=F1・dが回転中心15を基準として作用する。
【0022】
したがって、ロックリング収容溝7における受口開口側の側面7aに溝側テーパ面7bが形成され、かつロックリング18の開口側側面18aにもリング側テーパ面18cが形成されている場合には、上記の不等式(A)に基づいてロックリング18の幅mとリング側テーパ面18c自体の高さfとロックリング18の高さhとを定めることで、このロックリング18が挿口5の外周から浮き上がるのを確実に防止することができる。
(実施の形態2)
実施の形態2において説明する管の継手構造は、実施の形態1において説明した管の継手構造におけるロックリング18の替わりに、図2に示すような、横断面矩形状のロックリング19を用いたものであり、その他の部分の構成は、実施の形態1において説明した管の継手構造と同様である。なお、この場合、ロックリング収容溝7における溝側テーパ面7bは、ロックリング19における開口側側面19aの最も管径方向外側の位置においてこのロックリング19と接触可能である。
【0023】
図2に示すような横断面矩形状のロックリング19を用いることで、図9及び図11に示すような、ロックリングの横断面が等脚台形状に形成されている場合に比べてロックリング19に、例えば図11に示す不要部分16c、16cを除去するための機械加工を施す必要が無い。
【0024】
このような構造の継手部において、地震等により大きな引張力が作用した場合には、ロックリング収容溝7における溝側テーパ面7bからロックリング19における開口側側面19aの最も管径方向外周側の位置に作用する離脱阻止力Fは、前記位置において溝側テーパ面7bに垂直な方向の分力F1と溝側テーパ面7bに沿った方向の分力F2とに分解される。
【0025】
このとき、分力F1の作用線17が、ロックリング19における奥側側面19bと挿口5の外周との接点すなわち回転中心15よりも受口開口側を通過するようにするには、溝側テーパ面7bの管軸方向に対する傾斜角度をθ、ロックリング19における挿口5の外周からの高さをhとしたときに、ロックリング19の幅mが、
m>h・tanθ…(B)
を満たすように、ロックリング19を形成する。
【0026】
このように、ロックリング19の幅mとロックリング19の高さhとを上記の不等式(B)を満たす寸法に形成することによって、分力F1の作用線17がロックリング19における回転中心15よりも受口開口側を確実に通過するようにできる。
【0027】
これにより、実施の形態1において図5を参照して説明した場合と同様に、ロックリング19が挿口5の外周から浮き上がるのを防止することができる。
したがって、ロックリング19の横断面が矩形状で、かつロックリング収容溝7における受口開口側の側面7aに溝側テーパ面7bが形成されている場合には、上記の不等式(B)に基づいてロックリング19の幅mとロックリング19の高さhとを定めることで、ロックリング19が挿口5の外周から浮き上がるのを確実に防止することができる。
(実施の形態3)
実施の形態3において説明する管の継手構造は、実施の形態2において説明した管の継手構造におけるロックリング19の替わりに、図3に示すような、開口側側面20aに形成されたリング側テーパ面20cの一部が受口3の内周3aと挿口5の外周5aとの間に入り込み可能なロックリング20を用い、かつロックリング収容溝7の受口開口側の側面7aに溝側テーパ面が形成されていないものであって、その他の部分の構成は、実施の形態2において説明した管の継手構造と同様である。なお、この場合、ロックリング収容溝7は、受口開口側の側面7aにおける最も管径方向内側の位置においてロックリング20と接触可能である。
【0028】
ロックリング20は、図4(b)の仮想線にて示すような横断面矩形状のリング状の部材16に機械加工を施して、不要部分16cを除去することで得られるが、図9及び図11に示すような、ロックリングの横断面が等脚台形状に形成されている場合に比べてロックリング20に施す必要がある機械加工を大幅に少なくすることができる。
【0029】
このような構造の継手部において、地震等により大きな引張力が作用した場合には、ロックリング収容溝7の受口開口側の側面7aにおける最も管径方向内側の位置からロックリング20におけるリング側テーパ面20cに作用する離脱阻止力Fは、前記位置においてリング側テーパ面20cに垂直な方向の分力F1とリング側テーパ面20cに沿った方向の分力F2とに分解される。
【0030】
このとき、リング側テーパ面20cに垂直な方向の分力F1の作用線17が、ロックリング20における奥側側面20bと挿口5の外周との接点すなわち回転中心15よりも受口開口側を通過するようにするには、リング側テーパ面20cの管軸方向に対する傾斜角度をθ、受口3の内径をD1、挿口5の外径をD2、ロックリング20の高さからリング側テーパ面20c自体の高さを差し引いた高さ、すなわちリング側テーパ面20cの挿口5の外周からの高さをfとしたときに、ロックリング20の幅mが、
m>{(D1−D2)/2}tanθ
+[{(D1−D2)/2}−f]cotθ…(C)
を満たすように、ロックリング20を形成する。
【0031】
このように、ロックリング20の幅mとリング側テーパ面20cの挿口5の外周からの高さfとを上記の不等式(C)を満たす寸法に形成することによって、分力F1の作用線17がロックリング20における回転中心15よりも受口開口側を確実に通過するようにできる。
【0032】
これにより、実施の形態1及び実施の形態2において図5を参照して説明した場合と同様に、ロックリング20が挿口5の外周から浮き上がるのを防止することができる。
【0033】
したがって、ロックリング20の開口側側面20aにリング側テーパ面20cが形成され、かつロックリング収容溝7の受口開口側の側面7aに溝側テーパ面が形成されていない場合には、上記の不等式(C)に基づいてロックリング20の幅mとリング側テーパ面20cの挿口5の外周からの高さfとを定めることで、ロックリング20が挿口5の外周から浮き上がるのを確実に防止することができる。
【0034】
なお、図6(a)には実施の形態1におけるロックリング収容溝7とロックリング18との管軸方向の隙間δ1を示しており、図6(b)には実施の形態2におけるロックリング収容溝7とロックリング19との管軸方向の隙間δ2を示しており、図6(c)には実施の形態3におけるロックリング収容溝7とロックリング20との管軸方向の隙間δ3を示しているが、実施の形態1〜3において、ロックリング収容溝とロックリングとの隙間が最も大きくなるのは、図6(a)に示すように、ロックリング収容溝7に溝側テーパ面7bが形成され、かつロックリング18にもリング側テーパ面18cが形成されている実施の形態1のような場合である。このようにロックリング収容溝7とロックリング18との隙間δ1が大きいと、管の継手部に曲げモーメントが作用したときの継手の屈曲角度が大きくなってしまい、したがって、曲げモーメントに対する性能としては、実施の形態1の管の継手構造よりも他の実施の形態の継手構造の方が好ましくなる。
【0035】
さらに、図6(b)に示すような実施の形態2における管の継手構造と図6(c)に示すような実施の形態3における管の継手構造とを比較すると、図6(b)におけるロックリング収容溝7とロックリング19との接触位置の管径方向の高さすなわち挿口の外周からの高さs1が、図6(c)におけるロックリング収容溝7とロックリング20との接触位置の管径方向の高さすなわち挿口の外周からの高さs2よりも高くなっている。図6(b)に示す場合のように、ロックリング収容溝とロックリングとの接触位置が挿口の外周から高くなってしまうと、これに伴って分力F1の作用線の位置も高くなり、結果として作用線が受口開口側から受口奥側にずれてしまうことになる。作用線が受口開口側から受口奥側にずれてしまうと、図6(c)に示す継手構造の場合に比べてロックリングの幅を大きくする必要が生じる。しかし、逆に、図6(c)に示すように、ロックリング収容溝7とロックリング20との接触位置の高さs2が低いと、分力F1の作用線を受口奥側から受口開口側にずらすことができ、結果として、図6(b)に示す継手構造の場合に比べてロックリング20の幅をより小さくすることができる。したがって、実施の形態1〜3に示した管の継手構造のうち、実施の形態3に示した管の継手構造が実施には最も好適である。
【0036】
なお、上記の実施の形態1〜3においては、ロックリングの幅などを変化させてロックリングが挿口の外周から浮き上がらないようにしているが、これに限らず、例えば、リング側テーパ面(溝側テーパ面)の傾斜角度などを変化させてロックリングが挿口の外周から浮き上がらないようにすることもできる。
【0037】
【発明の効果】
以上のように本発明によると、ロックリングに作用する管軸方向の離脱阻止力におけるテーパ面に垂直な方向の分力の作用線が、前記ロックリングにおける受口奥側部と挿口の外周との接点よりも受口の開口側を通過するようにすることで、ロックリングが前記挿口の外周から浮き上がらない方向の回転力を前記接点を中心としてこのロックリングに作用させることができる。これにより、ロックリングが挿口の外周から浮き上がるのを確実に防止することができる。そのうえ、ロックリングにおける受口開口側部及び受口奥側部が挿口の外周に対して垂直に形成され、前記ロックリングにおけるロックリング収容溝と接触する部分または前記ロックリング収容溝における前記ロックリングと接触する部分のうちの少なくともいずれか一方に前記受口の開口側に対して先すぼまり状となるテーパ面が形成されていることにより、例えば、このテーパ面がロックリング収容溝にのみ形成され、ロックリングに形成されていない場合であれば、ロックリングの横断面が等脚台形状に形成されている場合に比べてロックリングに機械加工を施す必要がない。さらに、このテーパ面がロックリングに形成されている場合であっても、上記のような横断面が等脚台形状のロックリングに比べると、ロックリングに施す機械加工を大幅に少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の管の継手構造を示す断面図である。
【図2】本発明の実施の形態2の管の継手構造を示す断面図である。
【図3】本発明の実施の形態3の管の継手構造を示す断面図である。
【図4】横断面矩形状の部材に機械加工を施して、本発明の実施の形態におけるロックリングを得るようすを示す図である。
【図5】本発明の実施の形態の管の継手構造により、挿口の外周からの浮き上がりを防止する回転力がロックリングに作用している状態を示す図である。
【図6】各実施の形態においてロックリング収容溝とロックリングとの間に生じる隙間を示す図である。
【図7】耐震機能を有する管の継手部を示す断面図である。
【図8】従来の管の継手構造におけるロックリングに、このロックリングを挿口の外周から浮き上がらせる回転力が作用している状態を示す図である。
【図9】従来の技術において、図8に示した回転力の発生を防止するための管の継手構造を示す図である。
【図10】従来の技術における管の継手構造において、挿口の外周からロックリングを浮き上がらせる回転力がロックリングに作用している状態を示す図である。
【図11】横断面矩形状の部材に機械加工を施して、図9に示した形状のロックリングを得るようすを示す図である。
【符号の説明】
2 一方の管
3 受口
4 他方の管
5 挿口
7 ロックリング収容溝
7b 溝側テーパ面
9 挿口突部
15 回転中心
17 作用線
18 ロックリング
18a 開口側側面
18b 奥側側面
18c リング側テーパ面
F 離脱阻止力[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a pipe joint structure.
[0002]
[Prior art]
As a joint structure of a pipe having an expansion / contraction function and a detachment preventing function, that is, a seismic resistance function, a structure as shown in FIG. 7 is known.
[0003]
The
[0004]
A
[0005]
When a large tensile force due to an earthquake or the like acts on the earthquake-
[0006]
By the way, in the
[0007]
At this time, since the lines of action of the separation preventing force F and the tensile force R do not exist on the same straight line, the
[0008]
On the other hand, conventionally, as shown in FIG. 9, the cross-sectional shape of the
[0009]
That is, the
[0010]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Laid-Open No. 2002-5361 (page 2-3, FIG. 1)
[0011]
[Problems to be solved by the invention]
However, the
[0012]
Therefore, the present invention solves such problems and can reliably prevent the lock ring from floating from the outer periphery of the insertion slot when a tensile force is applied to the joint, and is applied to the lock ring. It is an object of the present invention to provide a pipe joint structure that requires less machining.
[0013]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-mentioned problems, the invention according to
[0014]
According to such a configuration, the action line of the component force in the direction perpendicular to the taper surface in the tube shaft direction detachment preventing force acting on the lock ring is such that the receiving port back side portion in the lock ring and the outer periphery of the insertion port are By passing through the opening side of the receiving port from the contact point, a rotational force in a direction in which the lock ring does not lift from the outer periphery of the insertion port can be applied to the lock ring around the contact point. Thereby, it can prevent reliably that a lock ring lifts from the outer periphery of an insertion port. In addition, the receiving opening opening side portion and receiving port back side portion of the lock ring are formed perpendicular to the outer periphery of the insertion port, and the lock ring receiving groove or the lock in the lock ring receiving groove is in contact with the lock ring receiving groove. A tapered surface that is tapered toward the opening side of the receiving port is formed in at least one of the portions that come into contact with the ring. For example, this tapered surface is formed in the lock ring receiving groove. However, it is not necessary to machine the lock ring as compared with the case where the cross section of the lock ring is formed in an isosceles trapezoidal shape. Furthermore, even when this tapered surface is formed in the lock ring, the machining applied to the lock ring can be greatly reduced compared to a lock ring having an isosceles trapezoidal cross section as described above. it can.
[0015]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
(Embodiment 1)
As shown in FIG. 1, an
[0016]
The lock
[0017]
The
[0018]
In the joint portion having such a structure, when a large tensile force is applied due to an earthquake or the like, the disengagement preventing force F acting on the ring
[0019]
At this time, the acting
m> (h−f) tan θ (A)
The
[0020]
Thus, by forming the width m of the
[0021]
Thus, for example, as shown in FIG. 5, if the acting
[0022]
Therefore, when the groove-side tapered
(Embodiment 2)
In the pipe joint structure described in the second embodiment, a
[0023]
By using a
[0024]
In the joint portion having such a structure, when a large tensile force is applied due to an earthquake or the like, the groove
[0025]
At this time, in order for the line of action F1 of the component force F1 to pass through the contact opening between the
m> h · tan θ (B)
The
[0026]
Thus, by forming the width m of the
[0027]
Thereby, similarly to the case described with reference to FIG. 5 in the first embodiment, it is possible to prevent the
Therefore, when the cross section of the
(Embodiment 3)
The pipe joint structure described in the third embodiment has a ring-side taper formed on the
[0028]
The
[0029]
In the joint portion having such a structure, when a large tensile force is applied due to an earthquake or the like, the ring side of the
[0030]
At this time, the line of action F1 of the component force F1 in the direction perpendicular to the ring-side tapered
m> {(D1-D2) / 2} tan θ
+ [{(D1-D2) / 2} -f] cot θ (C)
The
[0031]
In this way, by forming the width m of the
[0032]
Thereby, similarly to the case described with reference to FIG. 5 in the first and second embodiments, it is possible to prevent the
[0033]
Therefore, when the ring-side tapered
[0034]
FIG. 6A shows the gap δ1 in the tube axis direction between the lock
[0035]
Furthermore, when the pipe joint structure in the second embodiment as shown in FIG. 6B is compared with the pipe joint structure in the third embodiment as shown in FIG. 6C, the pipe joint structure in FIG. The height of the contact position between the lock
[0036]
In the first to third embodiments, the width of the lock ring or the like is changed so that the lock ring does not rise from the outer periphery of the insertion slot. It is also possible to prevent the lock ring from rising from the outer periphery of the insertion slot by changing the inclination angle of the groove side taper surface.
[0037]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, the acting line of the component force in the direction perpendicular to the taper surface in the tube shaft direction detachment preventing force acting on the lock ring is the outer periphery of the receiving port back side portion and the insertion port in the lock ring. By passing through the opening side of the receiving port with respect to the contact point, a rotational force in a direction in which the lock ring does not lift from the outer periphery of the insertion port can be applied to the lock ring around the contact point. Thereby, it can prevent reliably that a lock ring lifts from the outer periphery of an insertion port. In addition, the receiving opening opening side portion and receiving port back side portion of the lock ring are formed perpendicular to the outer periphery of the insertion port, and the lock ring receiving groove or the lock in the lock ring receiving groove is in contact with the lock ring receiving groove. A tapered surface that is tapered toward the opening side of the receiving port is formed in at least one of the portions that come into contact with the ring. For example, this tapered surface is formed in the lock ring receiving groove. However, it is not necessary to machine the lock ring as compared with the case where the cross section of the lock ring is formed in an isosceles trapezoidal shape. Furthermore, even when this tapered surface is formed in the lock ring, the machining applied to the lock ring can be greatly reduced compared to a lock ring having an isosceles trapezoidal cross section as described above. it can.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view showing a pipe joint structure according to a first embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a cross-sectional view showing a pipe joint structure according to a second embodiment of the present invention.
FIG. 3 is a cross-sectional view showing a pipe joint structure according to a third embodiment of the present invention.
FIG. 4 is a diagram showing how a lock ring according to an embodiment of the present invention is obtained by machining a member having a rectangular cross section.
FIG. 5 is a view showing a state in which a rotational force that prevents lifting from the outer periphery of the insertion slot is acting on the lock ring by the pipe joint structure of the embodiment of the present invention.
FIG. 6 is a diagram showing a gap generated between the lock ring housing groove and the lock ring in each embodiment.
FIG. 7 is a cross-sectional view showing a joint portion of a pipe having an earthquake resistance function.
FIG. 8 is a diagram showing a state in which a rotational force that lifts the lock ring from the outer periphery of the insertion slot is acting on the lock ring in the conventional pipe joint structure.
9 is a view showing a pipe joint structure for preventing the generation of the rotational force shown in FIG. 8 in the prior art.
FIG. 10 is a view showing a state in which a rotational force that lifts the lock ring from the outer periphery of the insertion slot acts on the lock ring in the conventional joint structure of a pipe.
FIG. 11 is a view showing that a member having a rectangular cross section is machined to obtain the lock ring having the shape shown in FIG. 9;
[Explanation of symbols]
2 One
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