JP4145692B2 - 吸収性物品 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、経血やおりものなどの体液を吸収するための生理用ナプキン、パンティライナー、失禁パッド等の吸収性物品に係り、詳しくは臀部を覆うヒップホールド用フラップを備える吸収性物品に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、生理用ナプキン、パンティライナー、失禁パッドなどの吸収性物品として、ポリエチレンシートまたはポリエチレンシートラミネート不織布などの不透液性バックシートと、不織布または透液性プラスチックシートなどの透液性トップシートとの間に綿状パルプ等からなる吸収体を介在させたものが知られている。
近年においては、体液の量や装着時間帯に応じた各種吸収性物品が提案されている。例えば、夜用生理用ナプキンでは、後漏れを防止するために、ナプキンの長手方向の後部両側部に、側方に延在するヒップホールド用フラップを設け、そのヒップホールド用フラップにより臀部を覆うものが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
【特許文献1】
特開2003−52743号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特許文献1の場合、ヒップホールド用フラップに覆われた肌部分に生じた汗が、ヒップホールド用フラップと肌との間でこもる熱によって蒸れることにより、着用者に不快感を与えることがあった。また、蒸れた状態が続くことにより、かぶれ、かゆみ等の肌トラブルを起こす場合があった。
【0005】
本発明の課題は、吸収性物品のヒップホールド用フラップにおける蒸れを低減して肌トラブルを防止することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
以上の課題を解決するため、請求項1記載の発明は、
人体との接触面側に設けられるトップシート(3)と、人体との接触面と反対面側に設けられるバックシート(2)と、前記トップシートと前記バックシートとの間に介装される吸収体(4)とを備え、前記吸収体の長手方向後部側の両側縁部(44)から側方に延在するヒップホールド用フラップ(HF)を有する吸収性物品(例えば、ナプキン1)であって、
複数の開孔部(77)が形成された撥水性シート(71)と、親水性シート(72)とが積層されてなるシート部材(7)が、前記撥水性シートが人体との接触面側に配置されるように、前記ヒップホールド用フラップに設けられ、
前記親水性シートの前記撥水性シート側の面は、前記開孔部よりも小さく且つ前記開孔部ピッチよりも小さいピッチの凹凸形状(22)を有し、
前記親水性シートが前記開孔部において前記撥水性シート側に隆起するように、前記シート部材に複数のエンボス(10)が形成されていることを特徴とする。
【0007】
請求項1記載の発明によれば、吸収性物品の後部側において側方に延在するヒップホールド用フラップに、複数の開孔部が形成された撥水性シートと親水性シートとが積層されてなるシート部材が、その撥水性シートが人体との接触面側に配置されるように設けられている。
よって、ヒップホールド用フラップが接触する人体の肌から生じる汗を、シート部材の撥水性シートの開孔部を通じて親水性シートへ吸収することができる。そして、ヒップホールド用フラップが直接人体の肌に接触する面は撥水性シートであるので、その肌の表面にはドライ感を付与することができる。
従って、吸収性物品のヒップホールド用フラップにおいて、汗を吸収し、蒸れることを低減して肌トラブルを防止することができる。
また、親水性シートの撥水性シート側の面は、開孔部よりも小さく且つ開孔部ピッチよりも小さいピッチの凹凸形状となっており、その親水性シートが開孔部において撥水性シート側である人体側に隆起するように、シート部材に複数のエンボスが形成されているので、親水性シートにおける凹凸形状を有する面は、開孔部に侵入しやすい。よって、親水性シートがより肌側に近づきやすくなり、より汗を吸収しやすくなる。
また、シート部材には、複数のエンボスが形成されているので、ヒップホールド用フラップが直接人体の肌に接触するシート部材の表面には、凹凸状の加工が施されている。よって、ヒップホールド用フラップが直接人体の肌に接触する面積をより少なくすることができるので、吸収性物品のヒップホールド用フラップにおける蒸れをより低減することができる。また、エンボスが形成されることにより、撥水性シートと親水性シートの密着性が向上する。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の吸収性物品において、
前記撥水性シートと前記親水性シートとは接着されていることを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明と同様の作用を奏するとともに、撥水性シートと親水性シートとは接着されているので、撥水性シートと親水性シートとはより密着することにより、ヒップホールド用フラップにおいて、汗を吸収し、蒸れることを低減して肌トラブルを防止することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図1から図4に基づいて説明する。
図1は本発明を適用した生理用ナプキンの斜視図であり、図2は同生理用ナプキンの展開図である。図3は、図2のIII−III線における断面図である。
【0015】
吸収性物品としての生理用ナプキン(以下、ナプキンという。)1は、ポリエチレンシートなどからなる不透液性のバックシート2と、経血やおりものなどの体液を速やかに透過させる透液性のトップシート3と、これらバックシート2とトップシート3との間に介装される綿状パルプまたは合成パルプなどからなる吸収体4と、この吸収体4を囲繞するクレープ紙5と、吸収体4の略側縁部を起立基端とし、少なくとも排血口対応部(例えば、図1、図2に示されるポイントP)から前後方向に所定の区間において人体との接触面側に起立するように設けられた左右一対のギャザーシート6、6等により構成されている。
【0016】
ナプキン1の吸収体4の周囲において、ナプキン1の長手方向の両端部(前端部11a、後端部11b)では、バックシート2とトップシート3の外縁部がホットメルトなどの接着剤やヒートシール等の接着手段によって接着されている。また、ナプキン1の両側縁部では、吸収体4よりも側方に延出しているバックシート2と、ギャザーシート6の一部分とがホットメルトなどの接着剤やヒートシール等の接着手段によって接着されている。このバックシート2とギャザーシート6とが接着されてなる積層シート部分が、ナプキン1の長手方向の中央部からやや前側において側方に突出するようにウイング状フラップW、Wが形成されている。
また、ウイング状フラップW、Wよりも後部側に位置する部分においては、吸収体4の両側縁部44から側方に延出しているバックシート2に、シート部材7がホットメルトなどの接着剤やヒートシール等の接着手段によって接着されたヒップホールド用フラップHF、HFが形成されている。
【0017】
バックシート2は、ポリエチレン等の少なくとも遮水性を有するシート材により形成されている。また、ムレ防止の観点から透湿性を有するシート材であることが好ましく、この遮水性と透湿性とを具備するシート材としては、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系樹脂中に無機充填剤を溶融混練してシートを成形した後、一軸または二軸方向に延伸することにより得られる微多孔性シート材が好適に用いられる。
また、バックシート2の外面には一又は複数条の粘着剤層(図示せず)が形成されており、身体への装着時にナプキン1を下着に固定するようになっている。
【0018】
トップシート3は、有孔または無孔の不織布や、多孔性プラスチックシートなどにより形成されている。不織布を構成する素材繊維としては、ポリエチレンまたはポリプロピレン等のオレフィン系、ポリエステル系、ポリアミド系等の合成繊維の他、レーヨンやキュプラ等の再生繊維、綿等の天然繊維を用いることができる。また、不織布を製造する方法としては、公知の方法を適宜用いることができ、例えば、スパンレース法、スパンボンド法、サーマルボンド法、メルトブロー法、ニードルパンチ法、或いはこれらを組み合わせた方法等によって不織布を製造することができる。
トップシート3に多数の透孔を形成した場合には、経血やおりもの等の体液がより速やかに吸収されるようになり、ドライタッチ性に優れたものとなる。
【0019】
吸収体4は、体液を吸収するものであり、通常はフラッフ状パルプ中に吸水性ポリマー粉末を混入したものが吸収機能およびコストの点から好適に使用されるが、体液を吸収・保持し得るものであれば良い。吸収体4は、形状保持等のためにクレープ紙5によって囲繞することが望ましい。
また、吸収体4をナプキン1の所定の位置に保持するため、また表面側(人体側)に吸収体4を膨出させるため、また吸収した体液を封じ込める等のために、トップシート3を介して吸収体4に複数のエンボス8a、8bが形成されている。
【0020】
ギャザーシート6、6は、吸収体4の略側縁部において、ナプキン1の前端部11aから後端部11bにわたって備えられている。ギャザーシート6は、不透液性の不織布のシートを二つ折りにし、折り合わされた面を、例えば、ホットメルトや、ヒートシール等により接着することにより形成されている。
この不織布シートを二つ折りにした折り返し部分側の端部を自由端部61、ナプキン本体側に固定される端部を固定端部62とする。その固定端部62が、バックシート2に固着されることにより、ギャザーシート6、6がナプキン本体側に固定されている。そして、その不織布が折り合わされた面間に、複数本の糸状の弾性部材9・・・が挟み込まれて固着されて備えられている。
このギャザーシート6、6がナプキン1(バックシート2)に固着されて備えられた状態において、自由端部61が起立することにより、立体ギャザーが形成される。そして、この弾性部材9・・・によりギャザーシート6は、着用者の体型に合わせて伸縮自在に変形し、着用者にフィットしやすい構造となっている。
【0021】
ウイング状フラップWは、排血口対応部であるポイントPに相当する箇所に対応するように、ナプキン1の側方に突出している。このウイング状フラップWの外面側(バックシート2の外面)には、粘着材層(図示せず)が備えられており、ナプキン1を装着する際に、ウイング状フラップWを人体との反対側に折り返し、ショーツのクロッチ部分に巻き付けて、止着するようになっている。
【0022】
ヒップホールド用フラップHFは、ナプキン1の着用者の臀部をより広く覆うために形成されたフラップ部であり、ナプキン1から体液が後漏れすることを防ぐように設けられている。このヒップホールド用フラップHFの人体との接触面側にはシート部材7が接着されて備えられている。
【0023】
シート部材7は、図3、図4に示されるように、撥水性シート71と親水性シート72とが積層されたシート材であり、撥水性シート71が人体との接触面側に配置されるように、親水性シート72がバックシート2に接着されている。
撥水性シート71は、表層に撥水性不織布71a、裏層に樹脂フィルム71bが積層された撥水性を有するシート材であり、この撥水性シート71には複数の微小な開孔部77・・・が形成されている。
【0024】
開孔部77の幅は、3mm以上10mm以下であり、好ましくは5mm以上8mm以下である。開孔部77が3mm未満であると、その開孔の凹凸がつぶれてしまい、その効果が低減してしまう。
【0025】
親水性シート72は、親水性不織布により形成されたシート材である。親水性シート72の表面(撥水性シート71側の面)には、開孔部77のピッチよりも小さいピッチの凹凸形状22を有するように凹凸加工が施されており、その凹凸加工された表面における凹凸形状22は、開孔部77に侵入しやすくなっている。
シート部材7には、撥水性シート71側から押し付けた複数のエンボス10・・・が形成されており、撥水性シート71と親水性シート72とは、このエンボス10により接着されている。
【0026】
前述のように構成されたナプキン1を着用者が装着することにより、ヒップホールド用フラップHFは着用者の臀部を覆う。
このナプキン1の装着中に、臀部とヒップホールド用フラップHFとの間に生じた汗は、シート部材7の撥水性シート71の開孔部77を通じて親水性シート72に吸い取られ吸収される。
そして、着用者の臀部の肌に直接触れるヒップホールド用フラップHFの面の素材は、シート部材7の撥水性を有する撥水性シート71であるので、着用者にサラッとしたドライ感を与えることができる。また、撥水性シート71は、親水性シート72に吸収した汗が肌側に戻ることを妨げる。
【0027】
特に、シート部材7の表面にはエンボス10が形成されており、人体との接触面側が凹凸状に加工されているので、肌との接触面積はより少なくて済み、臀部とヒップホールド用フラップHFとの間のムレを低減することができる。また、形成されたエンボス10に基づくシート部材7表面の凹凸状の加工により柔らかい肌触り感が得られる。
【0028】
また、シート部材7に形成されたエンボス10によって親水性シート72に押圧力が付与されることにより、親水性シート72が開孔部77において撥水性シート71側である人体側に若干隆起し、人体の肌側に近づくことにより汗を吸収しやすくなっている。また、親水性シート72を形成する親水性不織布表面の毛羽が開孔部77から人体側へ立つことにより、その毛羽の毛細管作用によっても親水性シート72は汗を吸収しやすくなっている。
また、親水性シート72の表面に、親水性シート72に形成された開孔部77の大きさやピッチ、間隔に応じて波形状の突起加工のような凹凸加工を施し凹凸形状22を設けておくことにより、その開孔部77において親水性シート72が人体側に近づきやすくなり、汗の吸収性を向上させることができる。
【0029】
このように、本発明に係るナプキン1によれば、ヒップホールド用フラップHFにおける汗を吸収することによって、蒸れを低減することができる。さらに、肌トラブルを防止できる。また、ヒップホールド用フラップHFの肌触り感をより柔らかい、風合いのよいものとすることができる。
【0030】
なお、以上の実施の形態においては、シート部材7の撥水性シート71は、撥水性不織布71aと樹脂フィルム71bとの2層構造としたが、本発明はこれに限定されるものではなく、1層或いは3層以上の何層構造であってもよい。
また、シート部材7も、表面の人体との接触面に撥水性シートが配され、その撥水性シートの開孔部を通じて汗などの水分を吸収する親水性シートが形成されていれば、そのシート層の数は任意である。
【0031】
また、シート部材7の表面に形成するエンボス10の形状や数は、特に限定されず任意である。
また、図5(a)、(b)に示されるように、エンボス10を形成しなくてもよい。
また、シート部材7の、撥水性シート71と親水性シート72は、ホットメルトなどの接着手段により接着されていてもよい。
【0032】
また、親水性シート72の表面の凹凸形状22は、凹凸加工を施さずに親水性シート72自体の凹凸や毛羽によるものであってもよい。
【0033】
また、その他、具体的な細部構造等についても適宜に変更可能であることは勿論である。
【0034】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、吸収性物品の後部側において側方に延在するヒップホールド用フラップに、複数の開孔部が形成された撥水性シートと親水性シートとが積層されてなるシート部材が、その撥水性シートが人体との接触面側に配置されるように設けられている。
よって、ヒップホールド用フラップが接触する人体の肌から生じる汗を、シート部材の撥水性シートの開孔部を通じて親水性シートへ吸収することができる。そして、ヒップホールド用フラップが直接人体の肌に接触する面は撥水性シートであるので、その肌の表面にはドライ感を付与することができる。
従って、吸収性物品のヒップホールド用フラップにおいて、汗を吸収し、蒸れることを低減して肌トラブルを防止することができる。
また、親水性シートの撥水性シート側の面は、開孔部よりも小さく且つ開孔部ピッチよりも小さいピッチの凹凸形状となっており、その親水性シートが開孔部において撥水性シート側である人体側に隆起するように、シート部材に複数のエンボスが形成されているので、親水性シートにおける凹凸形状を有する面は、開孔部に侵入しやすい。よって、親水性シートがより肌側に近づきやすくなり、より汗を吸収しやすくなる。
また、シート部材には、複数のエンボスが形成されているので、ヒップホールド用フラップが直接人体の肌に接触するシート部材の表面には、凹凸状の加工が施されている。よって、ヒップホールド用フラップが直接人体の肌に接触する面積をより少なくすることができるので、吸収性物品のヒップホールド用フラップにおける蒸れをより低減することができる。また、エンボスが形成されることにより、撥水性シートと親水性シートの密着性が向上する。
【0035】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明と同様の作用を奏するとともに、撥水性シートと親水性シートとは接着されているので、撥水性シートと親水性シートとはより密着することにより、ヒップホールド用フラップにおいて、汗を吸収し、蒸れることを低減して肌トラブルを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るナプキンの斜視図である。
【図2】本発明に係るナプキンを展開した平面図である。
【図3】図2のIII−III線における断面図である。
【図4】図3のIV部分の拡大図である。
【図5】本発明の変形例(a)、(b)における図3のIV部分の拡大図である。
【符号の説明】
1 ナプキン(吸収性物品)
2 バックシート
3 トップシート
4 吸収体
44 側縁部
5 クレープ紙
6 ギャザーシート
7 シート部材
71 撥水性シート
71a 撥水性不織布
71b 樹脂フィルム
72 親水性シート
22 凹凸形状
77 開孔部
8a、8b エンボス
9 弾性部材
10 エンボス
HF ヒップホールド用フラップ
W ウイング状フラップ
P ポイント(排血口対応部)
Claims (2)
- 人体との接触面側に設けられるトップシートと、人体との接触面と反対面側に設けられるバックシートと、前記トップシートと前記バックシートとの間に介装される吸収体とを備え、前記吸収体の長手方向後部側の両側縁部から側方に延在するヒップホールド用フラップを有する吸収性物品であって、
複数の開孔部が形成された撥水性シートと、親水性シートとが積層されてなるシート部材が、前記撥水性シートが人体との接触面側に配置されるように、前記ヒップホールド用フラップに設けられ、
前記親水性シートの前記撥水性シート側の面は、前記開孔部よりも小さく且つ前記開孔部ピッチよりも小さいピッチの凹凸形状を有し、
前記親水性シートが前記開孔部において前記撥水性シート側に隆起するように、前記シート部材に複数のエンボスが形成されていることを特徴とする吸収性物品。 - 前記撥水性シートと前記親水性シートとは接着されていることを特徴とする請求項1に記載の吸収性物品。
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