JP4144761B1 - 泥状汚泥処理方法、及び泥状汚泥処理装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】水中で攪拌・破断された古紙等は、柔らかなかたまりとなり、水中で膨潤することから、泥状汚泥と水槽内で混合すれば、土砂分と古紙の粒状物が絡み合って圧密沈降を防止でき、また保水力が強いため成形性がよく、堆肥原料に必要な有機物の供給源ともなる。これを団子にして堆肥場に仕込むと、丸い団子を積み重ねることで隙間ができ、通気性が確保され、また栄養塩、発酵促進剤や種堆肥等を混合させることで、堆肥化するための条件が整い、また堆肥場を砂が露出する壁で覆うことにより保温がされ、発酵に伴って昇温する高含水の団子の水分は蒸発し、蒸発水分は結露することなく砂に吸収されて大気へ放出される。
【選択図】図1
Description
下水道から排出される沈砂池等の前処理汚泥についても、混入する土砂分は分離した後、洗浄され、有機質分は脱水・焼却処理がされる。しかし洗浄土砂には悪臭成分が付着しているため、そのままでは再利用が難しく、埋め立て等による最終処分となる。
また、良質な堆肥を効率よく製造する方法として、解繊して綿状にした髪を、陸上生物の収穫物、排泄物または枯死体と混合し、その混合物を堆肥化する堆肥の製造方法が提案されている(特許文献2参照)。
また、古紙および生ゴミの有効な処理方法として、古紙を切断して紙片とし、該紙片を生ゴミと攪拌混合して混合物を得、その際該生ゴミに含まれる水分は該紙片に吸水され、次いで、該混合物を微生物の増殖基質として用いて、該微生物を加温下に増殖させることにより該混合物を分解して有機質堆肥化させ、これにより、古紙および生ゴミが同時処理できる方法が提案されている(特許文献3参照)。
これら土砂混じりの泥状汚泥の処理物を無害な自然な土とすることができれば、逼迫している最終処分場へ埋め立て処分をする必要がなくなる。
しかし堆肥原料とならない土砂混じりの泥状汚泥を堆肥原料とするためには、以下の課題を解決していく必要がある。
粒状物と混合されていない泥状汚泥は圧密堆積しやすいため、粒状物は水槽上部から水槽全体に万遍なく投入できるように、水槽上部が広く、浅い、下部断面が半円形の容器である攪拌混合槽11には、パドルミキサー12を取り付ける。あらかじめ注水し、パドルミキサー12は50〜100rpm程度のゆるやかな回転をする。攪拌混合槽11に古紙からの粒状物を先に投入する。粒状物の投入量は、泥状汚泥に含まれる固形分の量にもよるが、投入泥状汚泥の10%〜20%程度を目安とすれば、泥状汚泥は圧密沈降しないで、水中で膨潤している粒状物に取り込まれる。続いて泥状汚泥を投入する。投入順序は、泥状汚泥に古紙の粒状物を投入しても、効果は変わらない。泥状汚泥の水分が少ない場合、小型のユンボ等により、攪拌混合槽11の上部から、直接投入する。水分が多い場合は、ポンプ等により投入する。泥状汚泥と粒状物をよく攪拌・混合させてから、袋等で保管していた窒素やりん等の栄養塩である農業用肥料や、ぬか等も攪拌混合槽11の上部デッキ11aから投入する。大規模な装置となる場合は、自動投入とするが、小規模の場合は、人力作業で行えばよい。
泥状汚泥にある有機物等は古紙の粒状物に絡めとられているため、複数の孔22周辺の砂と直接、接触することで、水分だけが砂層内に浸透し、更に上記の受入容器21の上に、底に砂留めのための不織布23を張り、砂が詰められた枠体である上段枠24を被せることにより、孔22に流し込まれた混合物の上部の水分は不織布23を通して、上段枠24の砂に吸収される。また下段の枠体である受入容器21の砂が透水性の悪い砂質土の場合、孔22の下面では、水が流動することにより、砂中の粘土も随伴して、浮かび上がってき、孔22の下面に薄い粘土の膜を生じ、透水性を悪くしてしまう。この透水しなく、滞水してしまう水は、不織布23、及び上部に上段枠24の砂があることにより、上部の砂に湿潤し、拡散していく。また団子を回収する時、粘土膜は団子に付着したままで回収されるので、下段の受入容器21の砂に残らないため、次の団子成形の作業には、粘土膜を除去する必要はない。団子は上段枠24と砂、及び不織布23を取り払い、受入容器21の砂を掘り起こすことで、重ねても潰れない程度の強度がある水切りされた団子を得る。水切りされた排水は、受入容器21の底の排水パイプ25から排出する。
2・・団子状に成形する装置、21・・受入容器、22・・孔、23・・不織布、
24・・上段枠、25・・排水パイプ
3・・堆肥化装置、30・・堆肥場、31・・側壁、31a・・枠、31b・・外側板、31c・・不織布、31d・・金属製の帯材、32・・前壁、32a・・移動用レール、32b・・・車輪、33・・枠体、34・・有孔板、35・・散水パイプ、
35a・・受入口、35b・・ドレン口、35c・・散水孔、35d・・蓋、35e・・不織布、36・・・受入槽、36a・・多孔板、36b・・ネット、36c・・排水管、37・・支持材、37a・・メッシュ缶、37b・・メッシュ缶を支える柱
Claims (7)
- ヘドロや下水道から排出される沈砂池からの土砂と水が混合された泥状汚泥に含まれる有機物を、堆肥化によって処理をする方法であって、
古紙を水に浸し、湿潤させてから攪拌することによってできる粒状物となった古紙を水槽に投入し、
上記泥状汚泥は土砂を含んだ状態で、上記水槽に投入して、攪拌装置により古紙の粒状物と混合することで、上記泥状汚泥の土砂が、古紙の粒状物内に絡めとられ、上記水槽底に、圧密沈降することなく、流動状態となり、
上記流動状態となった混合物に、堆肥化をするための必要な資材としての発酵促進材であるぬか、栄養塩となる窒素肥料やリン酸肥料、被堆肥化物で嫌気性のセルロース分解菌がある種堆肥を添加・混合し、
上記水槽から、砂が詰められ、その砂に下が半球状の孔が複数形成された受入容器の孔に上記混合物を流し込み、静置することで、水分を砂に吸収させ、
上記混合物から水分が減じることにより成形された団子を取り出し、
上記団子を、堆肥装置内に積み重ねて仕込むことで、団子間に隙間を形成して通気性を確保するとともに、
上記団子に重ねて枝葉剪定材からなる植物発生材を重ねて配置し、
上記植物発生材が先に発酵することにより、その発酵熱により堆肥装置内を昇温させ、上記団子の温度も上昇させることで、上記団子内のセルロース分解菌により古紙のセルロースを分解させ、このセルロース分解菌の代謝による発酵熱により、上記団子から水分を蒸発させ、団子内を好気性雰囲気とすることで、好気性菌により泥状汚泥に残る有機物や悪臭成分を分解させる、
ことを特徴とする泥状汚泥処理及び堆肥化方法。 - 上記堆肥装置の側面を砂が露出する砂壁で囲うとともに、砂壁の上面は堆肥化された後の団子を詰めた枠体で覆うことにより、堆肥装置を保温し、受入容器から取り出された団子を堆肥装置内で発酵させることにより、
その発酵熱で、団子から蒸発した水分を、上記砂が露出する砂壁の内側の砂に吸収させるとともに、
上記上面の覆いとなっている枠体にある堆肥化された後の団子は、上記発酵熱で温度が上昇し、かつ湿潤することで、上記堆肥化された後の団子にある好気性菌が水蒸気に付随する悪臭を分解する
請求項1記載の泥状汚泥の堆肥化方法。 - 注水された水槽と、
ヘドロや下水道から排出される沈砂池からの土砂を含んだ泥状汚泥と、水に浸し湿潤させ粒状物となった古紙と、堆肥化をするための必要な資材である被堆肥化物から得る種堆肥、栄養塩となる窒素肥料やリン酸肥料、発酵促進材であるぬかからなる混合物を上記水槽内で攪拌・混合する攪拌混合装置と、
砂が詰められ、その砂に下が半球状の孔が複数形成され、この孔に水槽内から取り出された混合物を流し込み、静置することで、水分を砂に吸収して団子に成形する受入容器と、
上記団子を積み重ねて仕込むことで、団子間に隙間を形成して通気性を確保して配置するとともに、上記団子に重ねて植物発生材を配置した堆肥装置とを有する、
ことを特徴とする泥状汚泥処理装置。 - 上記受入容器は、
上部が開放するとともに、底に排水管、排水のための砂利が敷かれ、その砂利の上に砂が詰められ、この砂の表層に半球状の孔を周囲に砂層が残るように複数の孔が形成された下段枠と、
上記下段枠の上に敷かれた不織布と、
上記不織布上に被せて配置され、上下が開放されるとともに、中に砂が詰められた上段枠とを有し、
上記下段枠の孔に流し込まれた混合物は、上記不織布により砂が混入することなく、中に砂が詰められた上記上段枠を被せて、静置させることで、上記混合物は、下段枠の孔の回りの砂と直接接触して、水分だけが下段枠の砂層内に吸収され、上記孔にある上記混合物の上部の水分は、上記不織布を通して、上記上段枠の砂に浸透することで団子を成形する、
請求項3記載の泥状汚泥の処理装置。 - 上記堆肥装置は、
その側面四方は、砂が露出した砂壁で囲われており、
その上面は、底に金網を敷き、堆肥化処理をした後の団子を詰めた枠体で覆われており、
その下面は、堆肥装置への通気をするために開放され、
上記砂壁及び枠体で囲われて形成された堆肥装置に、上記受入容器から取り出した泥状汚泥、古紙の粒状物、堆肥化をするための必要資材が混合された団子と、植物発生材が重ねて積層させており、
上記植物発生材が、先に発酵した発酵熱により堆肥場内を昇温することで、上記団子から蒸発する水分が、上記砂壁内に吸収され、上昇する蒸発水分は、上面の覆いとなる枠体に詰められた堆肥化処理をした後の団子を湿潤させる、
請求項3又は4記載の泥状汚泥の処理装置。 - 前方を除いた3方の砂壁内の上層部には、散水するためのパイプが埋設されており、
上記パイプの上部には、複数の孔があけられており、
上記孔の上には上部からの砂の重圧で孔が塞がれないように、透水性のあるメッシュ板が重ねて置かれており、
上記メッシュ板の上に、不織布が被せられ、上記パイプから、上記混合物を団子に成形するための受入容器の底の排水パイプからの混合物の余剰水を流すことにより、上記混合物の余剰水は砂壁内に浸透し、堆肥場内を囲む壁が湿潤し、壁の砂が露出していることにより、堆肥場内が乾燥することを防止する
請求項5記載の泥状汚泥の堆肥化装置。 - 網目の板を丸めて形成した円筒短管の上下を網目の板で蓋をし、この円筒短管下部に下方に広がるように接着された柱を有する多孔缶が、所定の間隔をもって、堆肥装置内の全面に配置されており、
上記団子を上記多孔缶の回りに積み重ねて配置し、その上に上記植物発生材を敷き詰めた際、上記植物発生材の下にある上記多孔缶が支持材となり、
さらに上記敷き詰められた植物発生材の上に、上記多孔缶を複数を配置させ、上記団子を積み重ね、その上に植物発生材を敷き詰めて、団子と植物発生材を層状に仕込むことで、団子間には隙間があり、また多孔缶に空洞部があることにより、通気性のある堆肥装置を形成する
請求項5又は6に記載の泥状汚泥の堆肥化装置。
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