JP4144757B2 - 繊維系ボードの留付け方法 - Google Patents

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Description

本発明は、主としてスラグ石膏ボードやケイ酸カルシウム板といった繊維系ボードを室内側に取り付ける際に用いる繊維系ボードの留付け方法に関する。
従来、建物の内装下地材として石膏ボードが広く使用されており、取付けの際には、かかる石膏ボードを矩形状木造軸組の室内側に釘打ちして留め付けるのが一般的であったが、釘打ちの場合、施工不良や経年変化により、釘の頭が石膏ボードの表面から浮いてしまい、内装下地材のクロスを傷めたり、美観を損ねたりといった不具合を生じることがある。
そのため、最近では、釘ではなくビスを用いて石膏ボードを留め付けることが多くなってきた。
一方、建物の耐震性あるいは耐風性を確保するため、地震や風によって建物に作用する水平力に抵抗できるだけの耐力を持った耐力壁が必要となるが、かかる耐力壁は、存在壁量という形でその壁量を評価する。
そして、住宅に対する施主のニーズが多様化している昨今、必要な存在壁量を確保しながら、内装仕上げに何ら支障がない形で耐力壁を非耐力壁と組み合わせることも必要になってきた。
かかる耐力壁に用いる耐力面材としては、構造用合板、パーティクルボード、ハードボード 、硬質木片セメント板、フレキシブル板、石綿パーライト板、石綿けい酸カルシウム板、炭酸マグネシウム板、パルプセメント板、石膏ボードなど数多くの種類があるが、いずれもそれらの水平耐力が壁倍率という指標で予め評価されており、壁量設計の際には、壁倍率に壁長さを乗じた合計値で存在壁量が算出されることになる。
例えば、板厚等にもよるが、小片化された木材を樹脂系の接着剤を用いて成形したパーティクルボードは、構造用合板と同様に2.5、ハードボード(硬質繊維板)・硬質木片セメント板(木片セメント板)・フレキシブル板(石綿スレート板)・石綿パーライト板・石綿けい酸カルシウム板・炭酸マグネシウム板などは2と定められている。
セメント系板材が属するパルプセメント板や石膏ボードについても耐力面材として使用できないことはないが、1.5〜1と壁倍率が小さいため、使用するとしても他の耐力面材との併用が前提となる。
一方、石膏ボードは、難燃性に富むため、内装下地材として広く使用されていることは上述した通りであり、セメント系板材も同様に難燃性に富むことから、軒裏材や天井材といった外装建築仕上げ材として広く用いられている。
特開昭63−180709
このように、セメント系板材や石膏ボードは防火性能が優れいているものの耐力が低く、構造用合板やパーティクルボードは、優れた強度特性を有する反面、木質系であるがゆえに単独で防火性能を確保することは困難である。
また、石綿(アスベスト)を含むボードは、環境上の観点から使用が禁止されつつあり、建材として今後使用していくことは難しい。
また、セメント系板材の強度を上げすぎると、どうしても脆性破壊性状を呈し、ビス止め等の際に不測の亀裂が入ったり、それが原因で板材が剥落する懸念があるのみならず、事前の穴開け等で施工時の問題を解決できたとしても、地震時において脆性破壊する懸念は払拭できない。加えて、セメント系板材で耐力壁としての性能を発揮させようとすると、重量が大きくなって二人の作業員が必要となり、構造用合板に比べて作業性が悪くなるという問題を生じる。
また、内外装材として用いる場合には、耐湿性・耐水性は当然必要となるが、石膏ボードはかかる耐湿性や耐水性に劣るため、別途工夫が必要となる。
このように、耐力壁として使用可能な板材が数多く存在する一方、構造性能、作業性、防火性能、耐水性能といった要求をすべて満足する板材は実のところ存在せず、各々の短所を補うように複数の板材を組み合わせたり、コストをかけて表面処理することを余儀なくされているというのが現状である。
かかる現状に鑑み、本出願人は、あらたなスラグ石膏ボードの開発に成功した。かかるスラグ石膏ボードによれば、石膏ボードが持つ難燃性を有するのみならず、構造用合板に匹敵する強度があって耐水性も保持し、しかも軽量で作業性に優れるため、今後、内装下地材を兼ねた耐力面材として広く使用されていくであろうと期待されている。
しかしながら、あらたに開発されたスラグ石膏ボードを木造軸組にビス留めしようとすると、該スラグ石膏ボードに繊維が含まれていることが原因で、ビス回りにバリが生じ、これがボード表面から突出して内装仕上げ材を施工することが困難になるという不具合を生じることがわかった。
かかる問題は、耐力面材か非耐力面材であるかを問わず、スラグ石膏ボードやケイ酸カルシウム板をはじめとした繊維系ボードにも同様に生じる。
本発明は、上述した事情を考慮してなされたもので、繊維系ボードを木造軸組にビス留めする際、ビス回りにバリが生じるのを防止可能な繊維系ボードの留付け方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係る繊維系ボードの留付け方法は請求項1に記載したように、木質下地及び鋼製下地の用途切替機能を搭載したビス打ち機を用いて所定の繊維系ボードを矩形状木造軸組の室内側にビス留めする繊維系ボードの留付け方法であって、前記ビス打ち機を鋼製下地に切り替えて前記繊維系ボードを前記矩形状木造軸組にビス留めするものである。
また、本発明に係る繊維系ボードの留付け方法は、前記繊維系ボードを、所定のスラリーを抄造法で成型したスラグ石膏ボードで構成するとともに、前記スラリーの組成を、スラグ17〜22質量%、二水石膏15〜20質量%、軽量骨材14〜20質量%、マイカ8〜17質量%、セメント5〜6質量%、パルプ質5〜7質量%、補強繊維5〜8質量%、無機混和材1〜2質量%、リサイクル材11〜16質量%とするとともに、該リサイクル材を前記抄造法における乾燥後の裁断工程で生じた粉砕物で構成し、前記抄造法における乾燥工程後の含水率を2〜10%としたものである。
また、本発明に係る繊維系ボードの留付け方法は、前記マイカのアスペクト比を45〜80、フレーク径を80〜340μm、見かけ比重を0.25〜0.30としたものである。
また、本発明に係る繊維系ボードの留付け方法は、前記抄造法における生板切断工程において生板の幅方向両縁部を切断する際、生板搬送機構とその下方に直交配置された回収用傾斜コンベアとの間であって該コンベアの上流側に所定の制御ローラを配置するとともに、該制御ローラを前記生板の切断位置鉛直下方に位置決めし、前記生板から切断された切断片を前記制御ローラに掛けた上で前記回収用傾斜コンベアで搬送回収するものである。
また、本発明に係る繊維系ボードの留付け方法は、前記抄造法における養生工程を蒸気養生とするとともに、該蒸気養生において、50〜70゜Cまで2〜3゜C/hの昇温速度で昇温し、次いで、到達した温度を16時間以上保持するものである。
また、本発明に係る繊維系ボードの留付け方法は請求項6に記載したように、所定の繊維系ボードを矩形状木造軸組の室内側にビス留めする繊維系ボードの留付け方法であって、前記ビスを一条ねじとする繊維系ボードの留付け方法であって、前記繊維系ボードを、所定のスラリーを抄造法で成型したスラグ石膏ボードで構成するとともに、前記スラリーの組成を、スラグ17〜22質量%、二水石膏15〜20質量%、軽量骨材14〜20質量%、マイカ8〜17質量%、セメント5〜6質量%、パルプ質5〜7質量%、補強繊維5〜8質量%、無機混和材1〜2質量%、リサイクル材11〜16質量%とするとともに、該リサイクル材を前記抄造法における乾燥後の裁断工程で生じた粉砕物で構成し、前記抄造法における乾燥工程後の含水率を2〜10%とし、前記抄造法における生板切断工程において生板の幅方向両縁部を切断する際、生板搬送機構とその下方に直交配置された回収用傾斜コンベアとの間であって該コンベアの上流側に所定の制御ローラを配置するとともに、該制御ローラを前記生板の切断位置鉛直下方に位置決めし、前記生板から切断された切断片を前記制御ローラに掛けた上で前記回収用傾斜コンベアで搬送回収するものである。
また、本発明に係る繊維系ボードの留付け方法は、前記ビスを先端が先割れしたビスとするものである。
また、本発明に係る繊維系ボードの留付け方法は請求項8に記載したように、所定の繊維系ボードを矩形状木造軸組の室内側にビス留めする繊維系ボードの留付け方法であって、前記ビスを一条ねじとする繊維系ボードの留付け方法であって、前記繊維系ボードを、所定のスラリーを抄造法で成型したスラグ石膏ボードで構成するとともに、前記スラリーの組成を、スラグ17〜22質量%、二水石膏15〜20質量%、軽量骨材14〜20質量%、マイカ8〜17質量%、セメント5〜6質量%、パルプ質5〜7質量%、補強繊維5〜8質量%、無機混和材1〜2質量%、リサイクル材11〜16質量%とするとともに、該リサイクル材を前記抄造法における乾燥後の裁断工程で生じた粉砕物で構成し、前記抄造法における乾燥工程後の含水率を2〜10%とし、前記抄造法における養生工程を蒸気養生とするとともに、該蒸気養生において、50〜70゜Cまで2〜3゜C/hの昇温速度で昇温し、次いで、到達した温度を16時間以上保持するものである。
また、本発明に係る繊維系ボードの留付け方法は、前記ビスを先端が先割れしたビスとするものである。
従来のスラグ石膏ボードは、従来技術で述べた通り、軒裏材等の外装材として使用されるにすぎなかったため、すべて釘打ちであり、ビス留め時に生じる上述の問題が解決課題となることはなかったし、石膏ボードをビス留めする際、該石膏ボードには繊維が含まれていないため、やはりビス留め時に生じる上述の問題が解決課題となることはなかった。
それに対し、あらたに開発したスラグ石膏ボードをビス留めする際、上述した問題が従来にはなかった解決課題となることがわかり、これを解決すべく、本出願人は、開発されたスラグ石膏ボードを繊維系ボードの試験体とし、かかる試験体に対し、ビスの種類、打込み方法など諸条件を変えながらビス留めの試験を多数繰り返した結果、留付けの下地が木造軸組であっても、ビス打ち機の動作モードをあえて鋼製下地モードに切り替えてビス留めすることにより、課題となっていたバリの発生をほぼ完全に抑制することができるという新たな知見を得たものである。
一方、上述した打込み方法とは関係なく、ビスを一条ねじに限定してビス留めすることにより、課題となっていたバリの発生をほぼ完全に抑制することができるという新たな知見を得たものである。
一条ねじとしたビスについては、先端が先割れしたビスとするとさらに顕著な効果が得られることもわかった。
繊維系ボードが貼り付けられる矩形状木造軸組とは、土台、桁、梁などで構成される上段横架材及び下段横架材と一対の柱とで構成された矩形状フレームを意味するものであるが、繊維系ボードは、全体としてかかる矩形状木造軸組に貼り付けられれば足りるのであって、繊維系ボードの全周、言い換えれば左右側縁部、上縁及び下縁がすべて横架材や柱に留め付けられなければならないことを意味するものではない。
具体例としては、繊維系ボードは、その左右側縁部が柱に留め付けられ、下縁が下段横架材に留め付けられれば足りるのであり、上縁については必要に応じて受け材等に留め付ければよい。
上述した本発明に係る繊維系ボードの留付け方法は、繊維が含まれているためにビスのねじ込みに伴ってバリがボード表面に突出するすべての繊維系ボードに適用可能であり、少なくとも木質繊維ボード及びセメントファイバーボードが含まれ、該セメントファイバーボードには、少なくともスラグ石膏ボード、ケイ酸カルシウム板及びパルプセメント板が含まれ、特に、本出願人があらたに開発したスラグ石膏ボードに最適である。
すなわち、繊維系ボードを、所定のスラリーを抄造法で成型したスラグ石膏ボードで構成するとともに、前記スラリーの組成を、スラグ17〜22質量%、二水石膏15〜20質量%、軽量骨材14〜20質量%、マイカ8〜17質量%、セメント5〜6質量%、パルプ質5〜7質量%、補強繊維5〜8質量%、無機混和材1〜2質量%、リサイクル材11〜16質量%とするとともに、該リサイクル材を前記抄造法における乾燥後の裁断工程で生じた粉砕物で構成し、前記抄造法における乾燥工程後の含水率を2〜10%とすることができる。
従来、スラグ石膏ボードと言えば、防火性や経済性は優れるが重くて作業性が悪く、また強度が低いために屋根材や軒裏材などに用途が限定されており、耐力面材として用いることなどできなかった。
しかしながら、本出願人は、さまざまな試験を行い研究を重ねた結果、スラグ石膏ボードの長所を何ら失うことなく、軽量でしかも強度が高いスラグ石膏ボードを開発し、産業上きわめて有益な知見を得ることに成功した。
すなわち、本発明に係る繊維系ボードとしてのスラグ石膏ボードは、従来と同様、所定のスラリーを例えば丸網抄造法で成型するものであるが、上述したように構成することにより、嵩比重が0.8前後と軽量であるにもかかわらず、壁倍率が4前後ときわめて高い強度をもつスラグ石膏ボードを製造し、これを建物の耐力面材として用いることが可能となる。
ここで、スラグの配合割合を17〜22質量%の範囲としたのは、22質量%を越えると、寸法変化率、特に膨張率が大きくなるとともに、柔軟性(靭性)に欠けるため、脆性的性状を示して亀裂が発生しやすくなり、所望の壁倍率が得られないからであり、7質量%を下回ると、所望の強度を得られないからである。
スラグは、例えば高炉水砕スラグを用いることができる。粉末度を表す指標であるブレーン値が3500〜9000cm2/gであるのが好ましく、4000〜8000cm2/gであるのが更に好ましい。
ここで、ブレーン値を上述した範囲としたのは、3500cm2/g未満とすると反応性が低いため、強度が発現しにくく、9000cm2/g以上とすると表面が緻密化するため、施工時に割れや破損が生じやすくなるからである。
また、二水石膏の配合割合を15〜20質量%としたのは、この範囲外であると、反応性が低いため硬化が進まず、強度上の安定性が得られないからである。なお、25質量%を越えると寸法変化率、特に収縮率が大きくなってしまう。
二水石膏は、天然石膏、リン酸石膏、排煙脱硫石膏、焼石膏及び石膏ボード解体材からの石膏を用いることができる。なお、石膏のpHは5以上、粒径50μm以下とする。
また、軽量骨材の配合割合を14〜20質量%としたのは、20質量%を上回ると、成型時に浮いてしまい、成型物の剥離を助長したり性能が安定しないからであり、14質量%未満、特に12質量%未満であると、目標とする所定の低比重が得られないからである。
軽量骨材は、パーライト、シラスバルーン、珪藻土、ゾノトライト、トバモライト及び焼却灰等を用いることができる。見かけ比重が0.08〜0.13、篩目開き0.6mmパスのものが望ましい。
また、マイカの配合割合を8〜17質量%、さらに望ましくは10〜17質量%としたは、10質量%未満、特に8質量%未満であると、マイカによる耐力補強、寸法安定性、耐衝撃性向上等の効果が得られにくいからであり、17質量%、特に20質量%を上回ると、フレークが大きい場合、剥離現象を起こしやすく、耐力壁としての性能が不安定になるからである。
マイカは、マスコバイト(白色雲母)、フロコバイト(金色雲母)等を用いることができる。かかるマイカは、アスペクト比が45〜80,フレーク径が80〜340μm、見かけ比重が0.25〜0.30であるのが望ましい。
また、セメントの配合割合を5〜6質量%としたのは、6質量%、特に10質量%を越えると寸法変化率、特に膨張率が大きくなるとともに、柔軟性(靭性)に欠けるため、脆性的性状を示して亀裂が発生しやすくなり、所望の壁倍率が得られないからであり、5質量%未満では、所望の強度を得られないからである。
セメントは、普通ポルトランドセメント、早強セメント、白色セメント、高炉セメント、膨張セメント、フライアッシュセメント等を用いることができる。
また、パルプ質の配合割合を5〜7質量%としたのは、5質量%、特に4質量%未満であるとスラリー中の材料分離が起きやすく品質のバラツキが発生するからであり、7質量%を越えると収縮率が大きくなり、不燃性能が得られなくなるからである。
パルプは、例えば、新聞古紙、クラフトパルプ、亜硫酸パルプ、合成パルプ等を用いることができる。
また、補強繊維の配合割合を5〜8質量%としたのは、8質量%を上回ると、製造過程で積層剥離が生じ、所望の性能を得ることができないからであり、5質量%を下回ると、抄上げ工程における固形分の定着性が悪化するからである。
補強繊維は、耐アルカリガラス繊維、ガラス繊維、カーボン繊維、ロックウール、アクリル繊維、ビニロン繊維、ポリプロピレン繊維、アタパルジャイト、ワラストナイト等を用いることができる。繊維状態では、径が8〜12μmで且つ長さが3〜18mmが好ましく、粉体状態では、平均径が100μm以下が好ましい。
また、無機混和材の配合割合を1〜2質量%としたのは、2質量%、特に3質量%を上回っても、高アルカリによる反応促進効果が増大しないからであり、1質量%未満では、同効果が得られないからである。
無機混和材は、例えば、消石灰、生石灰、水酸化ナトリウム、シリカフラワー等のアルカリ助剤を用いることができる。平均粒径は、30μm以下が好ましい。
また、リサイクル材の配合割合を11〜16質量%としたのは、16質量%を越えると、積層剥離が生じるとともに、寸法安定性が悪くなるからであり、11質量%を下回ると、再利用効果が低下するからである。
また、乾燥工程後の含水率を2〜10%としたが、これは、10%を上回ると、耐力壁としての強度を確保するのが難しくなるとともに施工後において乾燥収縮し反りが生じるなどの不具合が発生するからであり、2%未満であると、施工時に割れが生じたり吸湿しやすくなるからである。
ここで、生板切断工程において生板の幅方向両縁部を切断する際、生板搬送機構とその下方に直交配置された回収用傾斜コンベアとの間であって該コンベアの上流側に所定の制御ローラを配置するとともに、該制御ローラを前記生板の切断位置鉛直下方に位置決めし、前記生板から切断された切断片を前記制御ローラに掛けた上で前記回収用傾斜コンベアで搬送回収するようにしてもよい。
このようにすると、生板から切断された切断片のうち、回収用傾斜コンベアの上流側に位置する切断片は、回収用傾斜コンベアに載せられて搬送回収される際、コンベアベルトと切断片との間に摩擦力が作用することによって回収用傾斜コンベアから引張力を受けるが、かかる引張力は、上述した制御ローラによって切断片に斜め下方に作用せず、鉛直下方に作用する。
従来においては、斜め下方への引張力によって、すでに切断された生板の見切り面に切断片が擦りつけられるように作用して層間剥離を引き起こし、それが原因で、スラグ石膏ボードの強度特性を低下させていたが、上述した構成によれば、すでに切断された生板の見切り面に外力が作用することがなくなり、生板の積層状態に悪影響が及ぶ懸念がなくなる。
また、養生は蒸気養生とし、50〜70゜Cまで2〜3゜C/hの昇温速度で昇温し、次いで、到達した温度を16時間以上保持するようにしてもよい。
かかる構成によれば、より品質の高いスラグ石膏ボードを製造することができる。なお、上述した数値範囲としたのは、50゜C未満では、反応が促進しないため強度発現が起こらず、75゜C以上では、板内温度が不安定となり冷却時に割れが発生し易くなるからである。また、保持時間が16時間未満では、硬化反応時間が不足し強度が不足するからである。
以下、本発明に係る耐力壁構造の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。なお、従来技術と実質的に同一の部品等については同一の符号を付してその説明を省略する。
(第1実施形態)
図1は、本実施形態に係る繊維系ボードの留付け方法を一階に適用した例で示した正面図である。同図でわかるように、本実施形態に係る繊維系ボードの留付け方法は、繊維系ボードとしてのスラグ石膏ボード12を矩形状木造軸組13の室内側にビス18で留め付ける。
ここで、ビス打ち機は、木質下地及び鋼製下地の用途切替機能を搭載したものとし、かかるビス打ち機の動作モードを鋼製下地モードに切り替え、かかる状態でスラグ石膏ボード12を矩形状木造軸組13にビス留めする。
矩形状木造軸組13は、下段横架材としての土台14、一対の柱15,15及び該柱に架け渡される上段横架材としての梁16で構成してあり、二枚のスラグ石膏ボード12,12を横に並べてビス留めしてある。
さらに詳細に説明すると、同図左側のスラグ石膏ボード12は、その左側縁部を左側の柱15の側面に、右側縁部を柱15,15間に立設された間柱17の側面に、下方縁部を土台14にそれぞれ留め付けてあり、同図右側のスラグ石膏ボード12は、その右側縁部を右側の柱15の側面に、左側縁部を間柱17の側面に、下方縁部を土台14にそれぞれ留め付けてある。
スラグ石膏ボード12は、所定のスラリーを抄造法で成型してなり、かかるスラリーは、その固形分をスラグ、二水石膏、軽量骨材、マイカ、セメント、パルプ質、補強繊維、無機混和材及びリサイクル材で構成とするとともに、抄造法における乾燥工程後の含水率を2〜10%とし、かかるスラリーを抄造法の一つである丸網抄造法で成型してある。
スラグは、例えば高炉水砕スラグを用いることが可能であり、そのブレーン値は、3500〜9000cm2/gであるのが好ましく、4000〜8000cm2/gであるのが更に好ましい。
なお、スラリー中の水については、固形分濃度が3.5〜5質量%となるようにその量を調整する。
ここで、ブレーン値を上述した範囲としたのは、3500cm2/g未満とすると反応性が低いため、強度が発現しにくく、9000cm2/g以上とすると表面が緻密化するため、施工時に割れや破損が生じやすくなるからである。
スラリーにおけるスラグの配合割合は、17〜22質量%、望ましくは17〜21質量%とする。これは、22質量%を越えると、寸法変化率、特に膨張率が大きくなるとともに、柔軟性(靭性)に欠けるため、脆性的性状を示して亀裂が発生しやすくなり、所望の壁倍率が得られないからであり、7質量%を下回ると、所望の強度を得られないからである。
二水石膏は、天然石膏、リン酸石膏、排煙脱硫石膏、焼石膏及び石膏ボード解体材からの石膏から適宜選択することが可能であり、例えば、リン酸石膏を用いることができる。なお、石膏のpHは5以上、粒径50μm以下とする。
スラリーにおける二水石膏の配合割合は、15〜20質量%とする。これは、かかる範囲外であると、反応性が低いため硬化が進まず、強度上の安定性が得られないからである。なお、25質量%を越えると寸法変化率、特に収縮率が大きくなってしまう。
軽量骨材は、パーライト、シラスバルーン、珪藻土、ゾノトライト、トバモライト及び焼却灰等から適宜選択することが可能であり、例えばパーライトを用いることができる。かかる軽量骨材は、見かけ比重が0.08〜0.13、篩目開き0.6mmパスのものが望ましい。
スラリーにおける軽量骨材の配合割合は、14〜20質量%とする。これは、20質量%を上回ると、成型時に浮いてしまい、成型物の剥離を助長したり性能が安定しないからであり、14質量%未満、特に12質量%未満であると、目標とする所定の低比重が得られないからである。
マイカは、マスコバイト(白色雲母)、フロコバイト(金色雲母)等から適宜選択することが可能であり、アスペクト比が45〜80、フレーク径が80〜340μm、見かけ比重が0.25〜0.30であるのが望ましい。かかるマイカは、例えばマスコバイト(アスペクト比65、フレーク径230μm)を用いることができる。
スラリーにおけるマイカの配合割合は、8〜17質量%、望ましくは10〜17質量%とする。これは、10質量%未満、特に8質量%未満であると、マイカによる耐力補強、寸法安定性、耐衝撃性向上等の効果が得られにくいからであり、17質量%、特に20質量%を上回ると、フレークが大きい場合、剥離現象を起こしやすく、耐力壁としての性能が不安定になるからである。
セメントは、普通ポルトランドセメント、早強セメント、白色セメント、高炉セメント、膨張セメント、フライアッシュセメント等から適宜選択することが可能であり、例えば普通ポルトランドセメントを用いることができる。
スラリーにおけるセメントの配合割合は、5〜6質量%とする。これは、6質量%、特に10質量%を越えると寸法変化率、特に膨張率が大きくなるとともに、柔軟性(靭性)に欠けるため、脆性的性状を示して亀裂が発生しやすくなり、所望の壁倍率が得られないからであり、5質量%未満では、所望の強度を得られないからである。
パルプは、新聞古紙、クラフトパルプ、亜硫酸パルプ、合成パルプ等から適宜選択することが可能であり、例えば、クラフトパルプを用いることができる。
スラリーにおけるパルプ質の配合割合は、5〜7質量%、望ましくは5〜6質量%とする。これは、5質量%、特に4質量%未満であるとスラリー中の材料分離が起きやすく品質のバラツキが発生するからであり、7質量%を越えると収縮率が大きくなり、不燃性能が得られなくなるからである。
補強繊維は、耐アルカリガラス繊維、ガラス繊維、カーボン繊維、ロックウール、アクリル繊維、ビニロン繊維、ポリプロピレン繊維、アタパルジャイト、ワラストナイト等から適宜選択することが可能であり、繊維状態では、径が8〜12μmで且つ長さが3〜18mmであるが好ましく、粉体状態では、平均径が100μm以下が好ましい。本実施形態にかかる補強繊維としては、たとえばガラス繊維(径10μm、長さ12mm)を用いることが可能である。
スラリーにおける補強繊維の配合割合は、5〜8質量%、望ましくは5〜6質量%とする。これは、8質量%を上回ると、製造過程で積層剥離が生じ、所望の性能を得ることができないからであり、5質量%を下回ると、抄上げ工程における固形分の定着性が悪化するからである。
無機混和材は、例えば、消石灰、生石灰、水酸化ナトリウム、シリカフラワー等のアルカリ助剤から適宜選択することが可能であり、平均粒径は、30μm以下が好ましい。かかる無機混和材としては消石灰を用いることができる。
スラリーにおける無機混和材の配合割合は、1〜2質量%とする。これは、2質量%、特に3質量%を上回っても、高アルカリによる反応促進効果が増大しないからであり、1質量%未満では、同効果が得られないからである。
リサイクル材は、丸網抄造法における乾燥後の裁断工程で生じた粉砕物で構成してある。
スラリーにおけるリサイクル材の配合割合は、11〜16質量%、望ましくは13〜16質量%とする。これは、16質量%を越えると、積層剥離が生じるとともに、寸法安定性が悪くなるからであり、11質量%を下回ると、再利用効果が低下するからである。
本実施形態に用いるスラグ石膏ボード12は、乾燥工程後の含水率を2〜10%としてある。これは、10%を上回ると、耐力壁としての強度を確保するのが難しくなるとともに施工後において乾燥収縮し反りが生じるなどの不具合が発生するからであり、2%未満であると、施工時に割れが生じたり吸湿しやすくなるからである。
次に、本実施形態に用いるスラグ石膏ボード12を丸網抄造法を用いて製造する手順を説明する。なお、抄造機を用いた丸網抄造方法の基本的手順についてはすでに広く知られているので、本実施形態では、公知に係る手順を随時省略しながら説明する。
図2は、かかる製造方法の手順を示したフローチャートである。
同図でわかるように、まず、上述した組成で混合されたスラリーをバット内に貯留し、次いで、バット内にその下方部分を横向きに沈められたシリンダを回転させることでバット内のスラリーを引き上げ、次いで、シリンダの回転にあわせて該シリンダに当接しつつ周回している無端状のフェルトベルトにスラリーを連続的に抄き上げる(ステップ101)。
ここで、スラリーの抄上げと並行して、ナッシュと呼ばれる吸引脱水装置を用いてフェルトベルトの裏側からスラリーを脱水し、後述するメーキングロールに巻回される程度に含水比を落とす。
次に、フェルトベルトの先端近傍にて該フェルトベルトに当接しながらその周回速度に合わせて回転しているメーキングロールにフェルトベルトに付着したスラリーを移し、該スラリーを所望の層数だけ該メーキングロールの周面に積層する(ステップ102)。
所望の層数だけスラリーを積層させたならば、メーキングロールに設置されたピアノ線で積層されたスラリーをロール軸線に沿って切開する(ステップ103)。
このようにすると、切開されたスラリーは、生板として生板搬送機構の上に平板状に拡がる。
次に、生板搬送機構で搬送中の生板を従来通り、長さ方向に切断するとともに、幅方向についてはウォータジェットで両側縁部を切断するが、本実施形態では、生板切断工程において生板の幅方向両縁部を切断する際、図3に示すように、生板搬送機構1とその下方に直交配置された回収用傾斜コンベア2との間であって該コンベアの上流側に制御ローラ3を配置するとともに、該制御ローラを生板4における切断位置5の鉛直下方に位置決めし、生板4から切断された切断片6aを制御ローラ3に掛けた上で回収用傾斜コンベア2で搬送回収する(ステップ104)。
このようにすると、生板4から切断される切断片6a,6bのうち、回収用傾斜コンベア2の上流側に位置する切断片6aは、回収用傾斜コンベア2に載せられて搬送回収される際、コンベアベルトと切断片6aとの間に摩擦力が作用することによって回収用傾斜コンベア2から引張力を受けるが、かかる引張力は、上述した制御ローラ3によって切断片6aに斜め下方に作用せず、鉛直下方に作用する。
従来においては、図4に示すように、斜め下方への引張力によって、すでに切断された生板の見切り面に切断片が擦りつけられるように作用して層間剥離を引き起こし、それが原因で、スラグ石膏ボードの強度特性を低下させていたが、本実施形態によれば、すでに切断された生板4の見切り面に外力が作用することがなくなり、生板4の積層状態に悪影響が及ぶ懸念がなくなる。
生板を長さ方向及び幅方向に切断したならば、次に、該生板を蒸気養生する(ステップ105)。かかる蒸気養生は、50〜70゜Cまで2〜3゜C/hの昇温速度で昇温し、次いで、到達した温度を16時間以上保持する。
これは、50゜C未満では、反応が促進しないため強度発現が起こらず、75゜C以上では、板内温度が不安定となり冷却時に割れが発生し易くなるからである。また、保持時間が16時間未満では、硬化反応時間が不足し強度が不足するからである。
蒸気養生が終了したならば、次に、乾燥工程後の含水率が2〜10%となるように乾燥室で乾燥させる(ステップ106)。
次に、製品としての寸法精度を確保すべく、乾燥処理が終わったスラグ石膏ボードを裁断する(ステップ107)。ここで、裁断工程で生じた粉砕物は、リサイクル材として、スラリーの原料として再利用する。
以上説明したように、本実施形態に係る繊維系ボードの留付け方法によれば、留付けの下地が木造軸組13であっても、ビス打ち機の動作モードをあえて鋼製下地モードに切り替えた上、ビス18を木造軸組13に留め付けることにより、バリの発生をほぼ完全に抑制することが可能となる。
そのため、クロス等の内装仕上げ材を貼り付けるにあたり、バリのために内装仕上げ材に凹凸が生じたり、バリを切除する手間をかけたりすることなく、内装仕上げ材を美観よく施工することが可能となる。
また、本実施形態に係る繊維系ボードの留付け方法によれば、強度特性に優れたスラグ石膏ボード12を用いるため、壁倍率が約4ときわめて高い強度をもつ耐力壁を構築することが可能となる。なお、嵩比重が0.8前後と軽量であるため、作業性にも優れる。
また、本実施形態に係る繊維系ボードの留付け方法によれば、それに用いるスラグ石膏ボード12を製造する際、生板4から切断される切断片6a,6bのうち、回収用傾斜コンベア2の上流側に位置する切断片6aは、回収用傾斜コンベア2に載せられて搬送回収される際、コンベアベルトと切断片6aとの間に摩擦力が作用することによって回収用傾斜コンベア2から引張力を受けるが、かかる引張力は、上述した制御ローラ3によって切断片6aに斜め下方に作用せず、鉛直下方に作用する。
そのため、すでに切断された生板4の見切り面に外力が作用することがなくなり、生板4の積層状態に悪影響が及ぶ懸念がなくなり、かくして強度特性に優れたスラグ石膏ボード12となる。
本実施形態では、矩形状木造軸組を一階を例として説明したが、かかる矩形状木造軸組を二階以上の上階に適用する場合には、該矩形状木造軸組は、下段横架材としての梁や胴差し、一対の柱及び該柱に架け渡される上段横架材としての梁、胴差しあるいは軒桁で構成されることになる。
また、本実施形態では、繊維系ボードとしてスラグ石膏ボード12を使用したが、本発明に係る繊維系ボードはこれに限定されるものではなく、けい酸カルシウム板などの繊維系ボードであればすべて適用することが可能である。
本実施形態に係る耐力壁構造の実証試験を行ったので、以下に説明する。なお、本実施形態で用いるスラグ石膏ボード自体の性能評価を説明する関係上、該スラグ石膏ボードを上段横架材まで貼り上げた実証試験について、まず説明を行い、 次に、本実施形態に係る耐力壁構造の実証試験について説明する。
スラグ石膏ボードの試験条件は以下の通りである。
(1)原材料
スラグ:高炉水砕スラグ( ブレーン値4000cm2/g)
二水石膏:リン酸石膏
軽量骨材:パーライト
マイカ:マスコバイト(アスペクト比65,フレーク径230m)
セメント:普通ポルトランドセメント
パルプ:クラフトパルプ
補強繊維:ガラス繊維(径10μm、長さ12ミリ)・アタパルジャイト
無機混和材:消石灰
リサイクル材:同質品の粉砕粉
(2)製造方法
製法を丸網抄造とし、メーキングロールへの積層(巻取り)により生産した。
(3)試験方法
(a)嵩比重、曲げ強度、寸法変化率(収縮率、膨張率)
JIS A 5430 繊維強化セメント板に準ずる。
但し、曲げ強度用サイズはスパン150mm、巾100mm、長さ200mm。
(b)防火材料試験
コーンカロリーメーターによる20分間の不燃性能試験。
判定基準は以下の通り。
総発熱量が8MJ/mを越えない。
200kW/mを越える発熱速度が10秒を超えて継続しない。
(c)釘の側面抵抗試験
ASTM D1037(LATERAL NAIL RESISTANCE TESTS)に準ずる。
倍率試験(壁面内せん断試験)は、水平方向から躯体に正負の荷重を掛け変形させ、耐力面材の変位に対する耐力と外観を観察し評価する。釘側面抵抗試験は、上記の水平力に対しどの程度耐えうるかを釘を貫通させ、この釘を引張する試験であり、耐力面材の木口に剥離や欠け等なければ、この釘側面抵抗試験と壁倍率試験には相関傾向がある。
(d)釘頭貫通試験
ASTM D1037(LATERAL NAILHEAD PULL-THROUGH TESTS)に準じる。
壁倍率試験(壁面内せん断試験)での耐力面材の破壊状況は、クラック・割れ、剥離、パンチアウト等あるが、釘頭貫通試験値が高いと、これらの固定物の頭部が抵抗し耐力面材の前に出ようとする反りを抑えられる。
(4)試験体の配合比率及び試験結果
試験体の配合比率及び試験結果を表1に示す。
Figure 0004144757
なお、同表中の判定基準に関し、嵩比重0.85以下を一次合格とし、更に軽量化を進めて嵩比重0.8以下を最終合格とした。これを判定1と呼び、一次合格、2次合格をそれぞれ一重丸、二重丸で示した。
次に、壁倍率(実験値)3.57倍以上を一次合格とし、更に耐力を向上させ、壁倍率4.0倍以上を最終合格とした。これを判定2と呼び、一次合格、2次合格をそれぞれ一重丸、二重丸で示した。
判定1,2とも一次合格である場合を総合判定欄で一重丸で、判定1,2とも最終合格である場合を二重丸で示した。
表1でわかるように、試験体No.1は、高炉水砕スラグ等が本実施形態の配合範囲から外れており、その結果、嵩比重が0.99と重くなっていることがわかる。また、試験体No.2は、セメントやパルプが本実施形態の配合範囲から外れているとともに、含水率が10%を越えた結果、嵩比重がまだ十分小さくなっていない。試験体No.6〜9は、配合比率は満たしているとともに、含水率を満たしているものもあるが、生板の幅方向両縁部を切断する際の不具合のため、耐力壁としての強度の指標である壁倍率は、2.9〜3.6程度と不十分であることがわかる。
それに対し、試験体No.3〜5は、配合比率及び含水率を満たしており、総合判定としても良好な結果を得た。ここで、これらの試験体では、生板の幅方向縁部を切断する際の改良がなされていないが、上述の条件を満足すれば、耐力壁として良好な結果が得られる可能性があることを示している。
一方、試験体No.10〜12は実施形態のステップ104で説明したように、生板切断工程において生板の幅方向両縁部を切断する際、生板から切断された切断片を制御ローラに掛けた上で回収用傾斜コンベアで搬送回収して製造されたものである。
このように、生板の幅方向縁部を切断する際の改良がなされた試験体No.10〜12は、配合比率及び含水率を満たしていることとも相まって、壁倍率が4を上回り、耐力面材としてきわめて良好な結果が得られることがわかる。
壁倍率を算出するにあたっては、建築基準法施工令第46条第4項表1の(八)に基づく木造軸組耐力壁の試験方法に準拠した。
図5は、スラグ石膏ボードを耐力面材として用いた場合の壁倍率を算出する加力試験装置を示した正面図であり、上述した各試験体は、幅910mm、高さ2,730mm、厚さ12.5mmにそれぞれ成型してあり、かかる試験体を二枚用意した上、これらを、105mm×105mmの土台とその上に1,820mmの柱心間隔で立設された105×105mmの一対の柱と該一対の柱に架け渡された105×180mmの梁とからなる矩形状木造軸組に横に並べてビス留めしてある。また、実施形態と同様、柱間には間柱を立設してあり、該間柱に右側のスラグ石膏ボードの左側縁部と左側のスラグ石膏ボードの右側縁部とをそれぞれビス留めしてある。
スラグ石膏ボード12に対してビス留め試験を行ったところ、ビス打ち機の動作モードを木質下地モードにした場合、すべてバリが突出し、そのままでは内装仕上げ材を貼り付けることができない状態であったが、動作モードを鋼製下地モードに切り替えてビス留めを行った場合、バリは全く生じなかった。
次に、繊維系ボードとしての抄造品に対するビス留め試験を行った結果を表2に示す。
Figure 0004144757
同表でわかるように、ケイ酸カルシウム板についても、ビス打ち機の動作モードを木質下地モードにした場合、すべてバリが突出し、そのままでは内装仕上げ材を貼り付けることができない状態であったが、動作モードを鋼製下地モードに切り替えてビス留めを行った場合、バリは全く生じなかった。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。なお、本実施形態はビスの種類のみ異なり、スラグ石膏ボード12及びその製造方法並びに実施例については、第1実施形態と同様であるので、ここではその詳細な説明を省略する。
本実施形態に係る繊維系ボードの留付け方法においては、繊維系ボードとしてのスラグ石膏ボード12を矩形状木造軸組13の室内側に図6(a)に示すビス61で留め付ける。
ビス61は、図6(a)でわかるように一条ねじであって、ディスゴ(登録商標)の商品名の金属処理被膜をその表面に施してある。
このようにすると、ビス61は、その回りにバリが発生することなく、ねじ込まれるとともに、金属処理被膜の作用によってスムーズにねじ込まれる。
以上説明したように、本実施形態に係る繊維系ボードの留付け方法によれば、一条ねじのビス61でスラグ石膏ボード12を木造軸組13に留め付けることにより、バリの発生をほぼ完全に抑制することが可能となる。
そのため、クロス等の内装仕上げ材を貼り付けるにあたり、バリのために内装仕上げ材に凹凸が生じたり、バリを切除する手間をかけたりすることなく、内装仕上げ材を美観よく施工することが可能となる。
本実施形態では特に言及しなかったが、第1実施形態と同様、スラグ石膏ボード12を矩形状木造軸組13の室内側にビス61で留め付ける際、ビス打ち機の動作モードを鋼製下地モードに切り替え、かかる状態でスラグ石膏ボード12を矩形状木造軸組13にビス留めするようにしてもよい。
かかる構成によれば、バリの発生をより確実に防止することが可能となる。
また、本実施形態では、通常の一条ねじのビス61を用いたが、これに代えて、図6(b)に示すように、先端が片割れした一条ねじのビス62を用いても良い。
かかるビス62を用いた場合、バリの発生を抑止する作用効果はさらに高まる。
また、本実施形態では、ディスゴの商品名で称されている金属処理被膜を表面に施したビスを用いたが、このような金属処理被膜を施すかどうかは任意であり、被膜なしでも良好な結果が得られることは実験で確認済みである。
本実施形態に係る繊維系ボードの留付け方法でスラグ石膏ボード12を木造軸組13に留め付けた様子を示した正面図。 本実施形態に用いるスラグ石膏ボードの製造方法の手順を示したフローチャート。 制御ローラを設けた場合の切断片の搬送回収の様子を示した図。 制御ローラを設けない場合の切断片の搬送回収の様子を示した図。 壁倍率を算出するための加力試験装置を示した正面図。 変形例に係る繊維系ボードの留付け方法で用いるビスを示した図。

Claims (9)

  1. 木質下地及び鋼製下地の用途切替機能を搭載したビス打ち機を用いて所定の繊維系ボードを矩形状木造軸組の室内側にビス留めする繊維系ボードの留付け方法であって、前記ビス打ち機を鋼製下地に切り替えて前記繊維系ボードを前記矩形状木造軸組にビス留めすることを特徴とする繊維系ボードの留付け方法。
  2. 前記繊維系ボードを、所定のスラリーを抄造法で成型したスラグ石膏ボードで構成するとともに、前記スラリーの組成を、スラグ17〜22質量%、二水石膏15〜20質量%、軽量骨材14〜20質量%、マイカ8〜17質量%、セメント5〜6質量%、パルプ質5〜7質量%、補強繊維5〜8質量%、無機混和材1〜2質量%、リサイクル材11〜16質量%とするとともに、該リサイクル材を前記抄造法における乾燥後の裁断工程で生じた粉砕物で構成し、前記抄造法における乾燥工程後の含水率を2〜10%とした請求項1記載の繊維系ボードの留付け方法。
  3. 前記マイカのアスペクト比を45〜80、フレーク径を80〜340μm、見かけ比重を0.25〜0.30とした請求項2記載の繊維系ボードの留付け方法。
  4. 前記抄造法における生板切断工程において生板の幅方向両縁部を切断する際、生板搬送機構とその下方に直交配置された回収用傾斜コンベアとの間であって該コンベアの上流側に所定の制御ローラを配置するとともに、該制御ローラを前記生板の切断位置鉛直下方に位置決めし、前記生板から切断された切断片を前記制御ローラに掛けた上で前記回収用傾斜コンベアで搬送回収する請求項2記載の繊維系ボードの留付け方法。
  5. 前記抄造法における養生工程を蒸気養生とするとともに、該蒸気養生において、50〜70゜Cまで2〜3゜C/hの昇温速度で昇温し、次いで、到達した温度を16時間以上保持する請求項2記載の繊維系ボードの留付け方法。
  6. 所定の繊維系ボードを矩形状木造軸組の室内側にビス留めする繊維系ボードの留付け方法であって、前記ビスを一条ねじとする繊維系ボードの留付け方法であって、前記繊維系ボードを、所定のスラリーを抄造法で成型したスラグ石膏ボードで構成するとともに、前記スラリーの組成を、スラグ17〜22質量%、二水石膏15〜20質量%、軽量骨材14〜20質量%、マイカ8〜17質量%、セメント5〜6質量%、パルプ質5〜7質量%、補強繊維5〜8質量%、無機混和材1〜2質量%、リサイクル材11〜16質量%とするとともに、該リサイクル材を前記抄造法における乾燥後の裁断工程で生じた粉砕物で構成し、前記抄造法における乾燥工程後の含水率を2〜10%とし、前記抄造法における生板切断工程において生板の幅方向両縁部を切断する際、生板搬送機構とその下方に直交配置された回収用傾斜コンベアとの間であって該コンベアの上流側に所定の制御ローラを配置するとともに、該制御ローラを前記生板の切断位置鉛直下方に位置決めし、前記生板から切断された切断片を前記制御ローラに掛けた上で前記回収用傾斜コンベアで搬送回収することを特徴とする繊維系ボードの留付け方法。
  7. 前記ビスを先端が先割れしたビスとする請求項6記載の繊維系ボードの留付け方法。
  8. 所定の繊維系ボードを矩形状木造軸組の室内側にビス留めする繊維系ボードの留付け方法であって、前記ビスを一条ねじとする繊維系ボードの留付け方法であって、前記繊維系ボードを、所定のスラリーを抄造法で成型したスラグ石膏ボードで構成するとともに、前記スラリーの組成を、スラグ17〜22質量%、二水石膏15〜20質量%、軽量骨材14〜20質量%、マイカ8〜17質量%、セメント5〜6質量%、パルプ質5〜7質量%、補強繊維5〜8質量%、無機混和材1〜2質量%、リサイクル材11〜16質量%とするとともに、該リサイクル材を前記抄造法における乾燥後の裁断工程で生じた粉砕物で構成し、前記抄造法における乾燥工程後の含水率を2〜10%とし、前記抄造法における養生工程を蒸気養生とするとともに、該蒸気養生において、50〜70゜Cまで2〜3゜C/hの昇温速度で昇温し、次いで、到達した温度を16時間以上保持することを特徴とする繊維系ボードの留付け方法。
  9. 前記ビスを先端が先割れしたビスとする請求項8記載の繊維系ボードの留付け方法。
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