JP4144408B2 - 打ち込み用ねじ釘 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、玄翁や動力釘打機等により木材に打ち込んで木材同志を接合する釘に関し、特に接合後の木材を解体する際に釘軸を回転させることによって木材に傷を付けることなく釘を容易に抜くことができる打ち込み用のねじ釘に関する。
【0002】
【従来の技術】
木材同志を接合するために軸部の一端側に拡径された頭部を形成し他端側に尖鋭な先端部が形成された通常の釘を玄翁や動力釘打機等によって木材に打ち込んで固着させることが一般に行われている。このように通常の釘によって固着された木材を解体する際には、木材の表面に沈んで打ち込まれている釘の拡径された頭部の下側に釘抜き工具の先端を係合させて、釘抜き工具を木材の表面を支点としてこの作用により釘を木材から引き抜いて行うものであるが、木材に打ち込まれている釘頭の周辺から釘抜き工具を木材に打ち込んで釘抜き工具の一部を釘頭の下に係合させるので、木材の表面に大きな傷を付けてしまう。また釘抜き工具による釘の引き抜きの際にてこの支点となる部分にも傷が付いてしまう。従って、解体後の木材を再利用することができなくなる場合が多く、省資源の点で好ましくない。
【0003】
そこで従来より、釘の軸部にネジ山を形成するとともに釘の頭部の端面にドライバビット等の回転工具と係合させるための係合溝を形成した打ち込み用のねじ釘が既に提案されている。このようなねじ釘では、玄翁や動力釘打機等によってねじ釘を木材に打ち込んで木材同志を接合し、そして接合された木材を解体するときには、頭部の端面に形成されている係合溝にドライバビット等の回転工具を係合させてねじ釘を木ねじのように回転させて木材から抜け出させるようにすることによって、木材に傷を付けることなく釘を抜くことができ解体後の木材を再利用ができるようにしている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】
実用新案登録第2574248号公報(図4)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の打ち込み用のねじ釘の頭部の端面に形成されている係合溝は、例えばプラスドライバ等の回転工の先端と係合できるようにプラス形状の凹溝によって形成されており、打ち込み用ねじ釘の頭部を玄翁や動力釘打機のドライバによって打撃して打ち込み用ねじ釘を木材へ打ち込む際に、端面に形成されているプラス形状の凹溝の周縁を潰してしまうことがある。このように係合溝を形成している凹溝の周縁が潰れてしまうとドライバビット等の回転工具との係合ができなくなって打ち込み用ねじ釘を回転させることができず、木材から抜くことができなくなってしまう。
【0006】
また、上記従来技術による打ち込み用ねじ釘では、打ち込み用ねじ釘の端面に頭部の表面よりも上方に突出させた突起を係合溝の近傍に形成しているが、この突起は打ち込み用ねじ釘の係合溝の方向を一定の方向に向けて整列させるためのものであり、打ち込み用ねじ釘を打ち込むために玄翁や自動釘打機によって釘頭が打撃される衝撃を耐えられるものではなく、打撃によって突起が潰されてしまい係合溝を玄翁等によって潰してしまい回転工具との係合ができなくなってしまう。
【0007】
本発明は、打ち込み用ねじ釘を木材へ打ち込む際に、頭部の端面に形成した係合溝を玄翁や自動釘打機等によって損傷させることが無く、打ち込んだ後の打ち込み用ねじ釘に回転工具を係合させて木材を損傷することなく木材から抜くことができる打ち込み用ねじ釘を提供することを課題する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため本発明の打ち込み用ねじ釘は、一端側に尖鋭な先端部を形成するとともに他端側の端部に拡径された頭部を形成した釘の、前記釘軸部にネジ山を形成するとともに前記頭部の端面に回転工具と係合可能な係合溝を形成した打ち込み用ねじ釘において、前記頭部の端面に前記係合溝を取り囲むように環状に形成された環状突起を前記係合溝を形成している端面から突出させて形成し、前記環状突起の内径を前記係合溝の外周径より大きく形成するととともに、該環状突起の上端面を、玄翁や自動釘打機による打撃力を受け止めることが可能な面積に形成したことを特徴とする。
【0009】
また、請求項2の発明は、前記係合溝が中心から放射状に延びている複数の溝によって構成されており、この係合溝を取り囲むように形成されている環状突起の周方向の前記溝と対向した部分に切除部を形成したことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、図に示す実施例に基づいて本発明の実施の形態を説明する。図1に示すように本発明の打ち込み用ねじ釘1は、一端側に拡径された頭部2が形成され、該頭部2から他端方向に向けて延びた軸部3が形成されており、該軸部3の他端に尖鋭に形成された先端部4が形成されている。前記軸部3の先端部4から頭部2側に向けてほぼ中央部までの軸部3の外周面には螺旋状に形成されたネジ山5が形成されてネジ部6を形成している。軸部3の前記ネジ部6から頭部2までの間の軸部3はネジ山が形成されていないスムース部7に形成されている。前記ネジ部6に形成されているネジ山5の外径はスムース部7の外径よりも僅かに小さくなるように形成されている。
【0011】
図2及び図3に示すように、前記頭部2の端面には、先端にプラス形状の係合部を形成したドライバビット等の回転工具が係合できるようにプラス形状の係合溝10が中心に形成されており、この係合溝10にプラスドライバ等の回転工具の係合部を係合させることにより打ち込み用ねじ釘1を回転させることができるようにされている。なお、この係合溝10の形状はプラス形状又はマイナス形状のドライバビットと適合させた係合溝10や、多角棒レンチ等と係合される角径の凹部等任意の形状の係合溝又は凹部が選択可能である。
【0012】
上記打ち込み用ねじ釘の頭部2の端面2aには、前記係合溝10を形成している頭部2の端面2aから上方に向けて突出させた環状突起11が前記係合溝10を取り囲んで環状に形成されている。該環状突起11の上端面11aは玄翁や自動釘打機のドライバによって釘頭部が打撃される際に玄翁やドライバと係合して打撃力を受け止める比較的大きな面積に形成されており、玄翁やドライバによる打撃力を充分大きな面で受けるようにして上端面11aの変形量が少なくなるようにしている。これによって係合溝10が形成されている頭部2の表面2aが玄翁やドライバによって変形されないようにしている。
【0013】
図4に示すように、前記環状突起11の外径は打ち込み用ねじ釘1の頭部2の外径と同一に形成されており、環状突起11の内径はプラスドライバ等の回転工具Tの先端部を係合溝10に係合させた状態で回転工具Tの先端部分が前記環状突起11と干渉しないように、前記係合溝10の外周径より僅か大きく形成されている。
【0014】
以下、上記実施例の打ち込み用ねじ釘1の木材Wへの打ち込みと、打ち込まれた打ち込み用ねじ釘1を木材Wから抜き出す状態を図5に基づいて説明する。図5(a)に示すように、打ち込み用ねじ釘1の頭部2を玄翁又は自動釘打機のドライバDによって打撃して木材W中に打ち込む。この際ドライバDの下端面が打ち込み用ねじ釘1の頭部2に形成された環状突起11の上端面11aを打撃して打ち込み用ねじ釘1を木材W中へ打ち込ませるので、係合溝10を形成している表面2aへはドライバDが当接することなく従って玄翁やドライバDによって係合溝10を潰してしまうことがない。又、玄翁やドライバDと打ち込み用ねじ釘の心がずれたとしてもドライバDが環状突起11の広い上端面11aを打撃するので環状突起11の変形量が少なくてすみ係合溝10を変形させてしまうことがない。木材W中に打ち込まれた打ち込み用ねじ釘1は、軸部3に形成されているネジ部6のネジ山5が木材Wに食い込むように作用して保持力を高めている。
【0015】
上記のように木材へ打ち込まれた打ち込み用ねじ釘1を木材Wから抜くには、打ち込み用ねじ釘1の頭部2に形成されている係合溝10にプラスドライバ等の回転工具Tを係合させて回転工具Tの回転力によって打ち込み用ねじ釘1を回転させる。図5(b)に示すように、打ち込み用ねじ釘1の回転に伴ってネジ部6のネジ山5に沿って打ち込み用ねじ釘1の頭部2が木材Wの上面に抜け出されてくる。打ち込み用ねじ釘1のネジ部6が該スムース部7が打ち込まれていた外径が大きい穴に達するとネジ山5が木材Wと係合しなくなって打ち込み用ねじ釘1を木材Wから抜き出すことができる。
【0016】
図6乃至図9は本発明の別の実施例による打ち込み用ねじ釘20を示すもので、この実施例の打ち込み用ねじ釘20では頭部2の端面2aに形成されている係合溝10がプラス形状又はマイナス形状等の中心から半径方向に延びている複数の溝10aによって構成されており、この係合溝10を取り囲むように打ち込み用ねじ釘1の頭部2の端面2aに環状突起21が形成されており、この環状突起21の円周上の前記係合溝10の前記半径方向に延びている複数の溝10aと対向した部分に切除部21aが形成されて構成されているものである。このように環状突起21の一部に切除部21aを形成させて構成することにより、頭部2の端面2aに形成する環状突起21の内径をより小さく形成しても回転工具Tと環状突起21とが干渉して回転工具Tが係合溝10に係合できなくなることが防止でき、環状突起21の上端面21bの面積を大きく形成形成することが可能であり、特に頭部2の外径が小さくなる小サイズの打ち込み用ねじ釘20に採用することにより効果がある。
【0017】
【発明の効果】
上記のように、本発明によれば、一端側に尖鋭にされた先端部を形成した軸部にネジ山を形成するとともに該軸部の他端側に拡径された頭部が形成され、該頭部の端面に回転工具と係合可能な係合溝を形成した打ち込み用ねじ釘において、前記頭部の端面に前記係合溝を取り囲むように環状に形成された環状突起を係合溝を形成している端面より他端方向に突出させて形成しているので、打ち込み時の玄翁や自動釘打機での打撃時に比較的広い面積の環状突起の上端面で打撃力を受けることが可能となり、打ち込み時の打撃によって係合溝が潰れてしまったり又は変形して回転工具が係合溝と係合できなくなってしまうことが防止できる。
【0018】
また、請求項2の発明によれば、係合溝がプラス形状又はマイナス形状等の中心から半径方向に延びている複数の溝によって構成されており、この係合溝を取り囲むように形成されている環状突起の周方向の前記溝と対向した部分に切除部を形成しているので、大きなサイズの回転工具を使用した場合でも回転工具と環状突起とが干渉することなく回転工具と係合溝の係合が妨げられてしまうことが防止できる。また、これによって環状突起の上端面の面積を大きく形成することができ、玄翁や自動釘打機での打撃時に係合溝が変形してしまうことが防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例にかかる打ち込み用ねじ釘を示す側面図
【図2】図1と同じ打ち込み用ねじ釘の平面図
【図3】図1と同じ打ち込み用ねじ釘の頭部の斜視図
【図4】図1と同じ打ち込み用ねじ釘の係合溝に回転工具を係合させた状態の断面図
【図5】図1の打ち込み用ねじ釘を、(a)自動釘打機により木材に打ち込んだ状態と、(b)回転工具により木材から抜き出している状態を示す断面図
【図6】本発明の別の実施例にかかる打ち込み用ねじ釘の頭部部分を示す側面図
【図7】図6と同じ打ち込み用ねじ釘の平面図
【図8】図6と同じ打ち込み用ねじ釘の頭部の斜視図
【図9】図6と同じ打ち込み用ねじ釘の係合溝に回転工具を係合させた状態の断面図
【符号の説明】
1、20 打ち込み用ねじ釘
2 頭部
2a 端面
3 軸部
4 先端部
5 ネジ山
6 ネジ部
7 スムース部
10 係合溝
10a 溝
11 環状突起
11a 上端面
21 環状突起
21a 切除部
21b 上端面
T 回転工具
W 木材
Claims (2)
- 一端側に尖鋭な先端部を形成するとともに他端側の端部に拡径された頭部を形成した釘の、前記釘軸部にネジ山を形成するとともに前記頭部の端面に回転工具と係合可能な係合溝を形成した打ち込み用ねじ釘において、前記頭部の端面に前記係合溝を取り囲むように環状に形成された環状突起を前記係合溝を形成している端面から突出させて形成し、前記環状突起の内径を前記係合溝の外周径より大きく形成するととともに、該環状突起の上端面を、玄翁や自動釘打機による打撃力を受け止めることが可能な面積に形成したことを特徴とする打ち込み用ねじ釘。
- 前記係合溝が中心から放射状に延びている複数の溝によって構成されており、この係合溝を取り囲むように形成されている環状突起の周方向の前記溝と対向した部分に切除部を形成したことを特徴とする請求項1に記載の打ち込み用ねじ釘。
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JP2003101083A JP4144408B2 (ja) | 2003-04-04 | 2003-04-04 | 打ち込み用ねじ釘 |
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EP4212742A1 (en) | 2022-01-13 | 2023-07-19 | Max Co., Ltd. | Screw nail |
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2003
- 2003-04-04 JP JP2003101083A patent/JP4144408B2/ja not_active Expired - Fee Related
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