JP4144302B2 - 液滴生成方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、微小流路を有する微小流路構造体において、微小流路内の液体の液滴化によって、カラム充填剤などの微小なゲル粒子や、医薬品、含酵素カプセル、化粧品、香料、表示材料、接着剤、農薬等に好適に用いられる微小流路構造体、この微小流路構造体を用いた微小な液滴の生成方法、及びこれにより得られる生成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、数cm角のガラス基板あるいは樹脂製基板上に長さが数cm程度で、幅及び深さがサブμmから数百μmの微小流路を有する微小流路構造体を用いて、液体の送液による微小液滴の生成を行う研究が注目されている。
【0003】
この微小流路内における液滴生成技術において、分散相と連続相の流れの速さを制御(コントロール)して送液を行うと、分散相と連続相が流路を通じて合流する地点(合流部)において極めて均一な微小液滴の生成が可能となる。また、分散相及び連続相の流量をコントロールすることで生成粒子径をコントロールすることも可能となる。(例えば、非特許文献1がある。)しかし、分散相及び連続相が、その合流部以降の流れにおいて層流となってしまうことがあり、結果として合流部において液滴生成が出来なくなってしまうという課題があった。
【0004】
この課題を解決し微小な液滴を生成させるためには、連続相を過剰に供給する必要があるが、微小な液滴を生成させてゲルやカプセル等を作成する場合には、分散相の使用量に対し連続相の使用量を過剰にすることが必要であること、また、複合カプセルや多重カプセルの作成は困難であり、その改善が求められていた。
【0005】
【非特許文献1】
西迫貴志ら、「マイクロチャネルにおける液中微小液滴生成」(第4回化学とマイクロシステム研究会講演予稿集、59頁、2001年)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように従来の微小流路内における液滴生成技術は、微小流路において連続相と分散相の合流部で均一な液滴の生成が可能となるが、分散相及び連続相は層流を形成してしまうことがあり、合流部において液滴生成ができなくなることがあった。合流部で液滴を生成させるためには連続相を過剰に供給する必要があり、連続相の低コスト化、あるいは作成自体困難であるなどの課題があり、改善が求められていた。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、微小流路内での液滴生成、複合カプセルや多重カプセルの作成を容易にすると共に、工業的な量産にも対応できる液滴生成方法及びそのための微小流路構造体、さらにはこの方法により得られるマイクロカプセルやゲルという生成物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決するものとして、あらかじめ連続相と分散相とを合流させてこれらの相からなる層流を形成させておき、次いでこの層流を流路の一部が大きくなった流路増大部と呼ぶべき部分で分散相を含む液滴を形成させることにより、上記従来技術による課題を解決することができ、遂に本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち本発明は、連続相流体を導入するための連続相導入口及び連続相導入流路と、分散相流体を導入するための分散相導入口及び分散相導入流路と、分散相流体と連続相流体により生成された液滴を排出させるための排出流路及び排出口とを備えた微小流路を有する構造体であって、前記排出流路はその途中に流路径が大きい流路増大部を有し、前記連続相流体と前記分散相流体とが合流して形成される層流が前記流路増大部にて液滴となる構造である液滴生成用微小流路構造体である。
【0010】
さらに本発明は、連続相流体を導入するための連続相導入口及び連続相導入流路と、分散相流体を導入するための分散相導入口及び分散相導入流路と、分散相流体と連続相流体により生成された液滴を排出させるための排出流路及び排出口とを備えた微小流路を有し、かつ前記排出流路はその途中に流路径が大きい流路増大部を有する構造体を用いて液滴を生成させる方法であって、連続相導入口より連続相流体を送液すると共に分散相導入流路より分散相流体を送液し、前記連続相流体と前記分散相流体とが合流して層流を形成させた後に、前記流路増大部にて該層流より液滴を形成させる液滴生成方法である。
【0011】
また、上記の液滴生成方法により得られる生成物であるマイクロカプセルあるいはゲルも本発明の範囲に含まれる。
【0012】
以下、本発明を詳細に説明する。
<液滴生成用微小流路構造体>
本発明の液滴生成用微小流路構造体は、連続相流体を導入するための連続相導入口及び連続相導入流路と、分散相流体を導入するための分散相導入口及び分散相導入流路と、分散相流体と連続相流体により生成された液滴を排出させるための排出流路及び排出口とを備えた微小流路を有する構造体であって、前記排出流路はその途中に流路径が大きい流路増大部を有し、前記連続相流体と前記分散相流体とが合流して形成される層流が前記流路増大部にて液滴となる構造となっている。
【0013】
ここで、本発明に用いられる連続相流体及び分散相流体とは、本発明の液滴生成用微小流路構造体により、連続相流体と分散相流体とを合流させて層流を形成でき、その後に流路増大部において液滴が生成できる液状物である。
【0014】
これら連続相流体と分散相流体とは、水と油のような、互いに実質的に相溶性がない流体である液状物であり、微小流路構造体中の流路を送液できるものであれば特に制限されず、さらに液滴を形成させることができればその成分は特に制限されず、例えば、連続相流体が水あるいは水を含んだ液状物であれば、分散相流体は油あるいは油を含んだ液状物であり、その逆の態様も可能である。また、連続相流体及び/又は分散相流体の中に微小な粉末を含むようなスラリー状のものであっても差し支えない。さらに、生成する液滴組成の観点からは、液滴の最外液が有機相(油相)の場合は水相、最外液が水相であれば、有機相(油相)を指す。単に実質的に相溶性のない液体同士、例えば、水とブタノールの組み合わせのどちらか一方や、また、実際にマイクロカプセルを作成する物理化学的または化学的方法、たとえば、界面重合法やin situ重合法、コンプレックスコアセルベーション法等で用いられる水相と有機相(油相)の組み合わせのどちらか一方を指す。
【0015】
本発明が微小な液滴を生成させることを目的としており、この目的を達成させるためであれば微小流路構造体中の流路を送液できるものであれば特に制限されない。また、層流を成す層は、2つ以上の相であって、連続相と相溶する相を相溶しない相で挟み込む層流にすることにより、連続相合流部で液滴化し、多重カプセルや複合カプセルの作成も可能となる。
【0016】
このような流体を使い、微小流路を有した構造体により液滴を生成させるわけであるが、図1及び図2には本発明の液滴生成用微小流路構造体の一例を示す。図1では、微小流路基板(1)上に、連続相流体を導入するための連続相導入口(2)と連続相導入流路(23)、分散相流体を導入するためのする分散相導入口(3)と分散相導入流路(5)、層流流路始点(4)より流路増大部(9)までの層流流路(6)、流路増大部(9)で連続相流体と分散相流体とで形成される層流より液滴が生成され、層流流路(6)と流路増大部(9)からなる液滴を送液するための排出流路(9)と、排出口(10)が形成されている。層流流路(6)と流路増大部(9)の流路径については、図1のA−A’断面(層流流路断面)とB−B’断面(流路増大部断面)とを比較すれば分かるように、流路増大部の流路径が大きくなっている。
【0017】
これらの流路形成は、一般的なフォトリソグラフィーとウエットエッチングにより行うことができる。さらに図2には、図1の基板(1)にカバー体(11)を熱融着等により接合して得られた微小流路構造体(12)が示されている。
【0018】
図1、2で示されるような液滴生成用微小流路構造体においては、分散相導入流路が流体の流れ方向に対して連続相導入流路の下流に配置するとよく、分散相導入流路と連続相導入流路とが合流して層流が形成された後、流路増大部で液滴が形成されることとなる。
【0019】
本発明に用いられる連続相流体、分散相流体はそれぞれ1つのみ用いることもできるが、複数用いることもできる。複数用いる場合には、上記の液滴生成用微小流路構造体において、複数の連続相流体を導入するための連続相導入口及び連続相導入流路と、複数の分散相流体を導入するための分散相導入口及び分散相導入流路とを備えたものとし、連続相導入流路と分散相導入流路とが流体の流れ方向に対して交互に配置されている構造とすればよい。
【0020】
さらに、連続相流体と分散相流体とが合流して層流を形成し送液する流路部位にレールまたは壁構造が施すとよく、生成する液滴の特性等を制御することが可能となり、また、生成する液滴を均一にすることができる。
【0021】
本発明においてはこれらの層流と連続相とを下記に説明する微小流路構造体へその導入流路より導入し、あらかじめ液滴を生成する前に連続相流体と分散相流体との層流を形成し、流路増大部で液滴を生成させるものであるが、層流を形成するための連続相流体と分散相流体の導入流路と、連続相を導入するための導入流路、層流形成部の連続相流体や分散相流体の合流する流路の角度や幅、流路を形成する材質は、カプセル化、液滴化できれば特に限定されない。
【0022】
流路増大部の形状、大きさについては特に限定されないが、平面の有効利用のために、層流流路の10倍程度以下、好ましくは、1.5〜10倍の範囲とするとよい。
【0023】
各流体を導入するための導入口は流体を入れるための開口部を意味し、さらに、この導入口に適当なアタッチメントを備えて流体を連続的に導入する機構としてもよい。
【0024】
排出流路は上記の3つ以上の導入流路及び排出口と連通しており、層流が連続相との合流後、この排出流路に沿って送液され、排出口より排出される。排出口は、生成された液滴粒子を排出させるための開口部を意味し、さらにこの排出口に適当なアタッチメントを備えて生成された液滴粒子を含む相を連続的に排出する機構としてもよい。
【0025】
尚、これら流路は本明細書においては微小流路ということがある。
【0026】
本発明の液滴生成用微小流路構造体は、以上に述べた構造、性能を有しているが、連続相を導入するための1つの導入口及び導入流路と、層流を形成する流路に連続相流体や分散相流体の流体を導入するための2つ以上の導入口及び導入流路が交わる部分と、液滴を生成する連続相合流部と、流体を排出させるための排出流路及び排出口を備えた微小流路構造体が、少なくとも一方の面に微小流路が形成された基板と、微小流路が形成された基板面を覆うように、微小流路の所定の位置に、微小流路と微小流路構造体外部とを連通するための少なくとも4つの小穴が配置されたカバー体とが積層一体化されていてもよい。これにより、微小流路構造体外部から微小流路へ流体を導入し、再び微小流路構造体外部へ流体を排出することができ、流体が微小量であったとしても、流体を安定して微小流路内を通過させる事が可能となる。流体の送液は、マイクロポンプなどの機械的手段によって可能となる。
【0027】
微小流路が形成された基板及びカバー体の材質としては、微小流路の形成加工が可能であって、耐薬品性に優れ、適度な剛性を備えたものが望ましい。例えば、ガラス、石英、セラミック、シリコン、あるいは金属や樹脂等であっても良い。基板やカバー体の大きさや形状については特に限定はないが、厚みは数mm以下程度とすることが望ましい。カバー体に配置された小穴は、微小流路と微小流路構造体外部とを連通し、流体の導入口または排出口として用いる場合には、その径が例えば数mm以下であることが望ましい。カバー体の小穴の加工には、化学的に、機械的に、あるいはレーザー照射やイオンエッチングなどの各種の手段によって可能とされる。
【0028】
また本発明の液滴生成用微小流路構造体は、微小流路が形成された基板とカバー体は、熱処理接合あるいは光硬化樹脂や熱硬化樹脂などの接着剤を用いた接着、または圧着等の手段により積層一体化することができる。
【0029】
さらに、本発明の液滴生成用微小流路構造体においては、液滴を生成させるのみならず、生成した液滴に対し、可視光線、紫外線などの光を液滴に照射する光照射手段や、ヒーター等の加熱手段といった、硬化させる手段により液滴を硬化させ、マイクロカプセルやゲルを生成させることもできる。
【0030】
図4及び図5にはこのような液滴を硬化させる手段を備えた液滴生成用微小流路構造体の例を示す。図4では、上記のような微小流路を有した構造体にホルダー(13)を設置し、構造体の排出流路よりジョイント(16)を介し、チューブ(15)等の送液用部材を通じて液滴が排出容器(ビーカー(14)等)に送液される構造となっている。ここで、送液用部材の途中にはヒーター(20)等の加熱手段が設けられており、送液された液滴はこの加熱部で硬化することになる。また、図5は加熱手段の代わりに光照射装置(21)等の光照射手段を備えたものである。
【0031】
図6では、上記のような微小流路を有した構造体にホルダー(13)を設置し、構造体に直接ヒーター(20)等の加熱手段が設けられたものであり、生成された液滴は排出流路においてこの加熱部で硬化することになる。また、図7には加熱手段の代わりに光照射装置(21)等の光照射手段を備えたものであり、この場合には光が構造体全体に照射するのを抑制するため、光遮蔽カバー(22)を設け、光照射すべき部分にのみに光が照射される構成とするとよい。
【0032】
これらの光照射手段や加熱遮断は、連続相流体と分散相流体より生成する液滴の組成等に応じて適宜公知の方法を採用すればよい。
【0033】
これらの光照射手段や加熱遮断は、連続相流体と分散相流体より生成する液滴の組成等に応じて適宜公知の方法を採用すればよい。
<液滴生成方法>
本発明の液滴生成方法は、連続相流体を導入するための連続相導入口及び連続相導入流路と、分散相流体を導入するための分散相導入口及び分散相導入流路と、分散相流体と連続相流体により生成された液滴を排出させるための排出流路及び排出口とを備えた微小流路を有し、かつ前記排出流路はその途中に流路径が大きい流路増大部を有する構造体を用いて液滴を生成させる方法であって、連続相導入口より連続相流体を送液すると共に分散相導入流路より分散相流体を送液し、前記連続相流体と前記分散相流体とが合流して層流を形成させた後に、前記流路増大部にて該層流より液滴を形成させるものである。
【0034】
本発明の液滴生成方法において用いられる微小流路を有する構造体の構成としては、上記した液滴生成用微小流路構造体と同様であり、また、用いられる連続相流体、分散相流体についても同様である。
【0035】
このようにして得られる液滴は、例えば分散度が20%以下というような分散度が極めて良好なものが得られる。
【0036】
さらに、本発明で用いられる微小流路構造体の流路表面の濡れ性を考慮し、表面に樹脂を用いたり、シリカススパッタ法やゾルゲル法で表面に無機物皮膜を形成したり、シランカップ剤で親水化、フッ素系の皮膜をつけて疎水化するなどにより、得られる液滴の分散性等の特性を向上させることができる。これは、液滴を構成する分散相と流路の壁面との接触面積が減ることから、より均一なものができるものと推定される。
【0037】
また、このような本発明の液滴生成方法により、マイクロカプセルあるいはゲルが得られる。本発明のマイクロカプセルやゲルの用途としては、圧力測定フィルム、ノーカーボン(感圧複写)紙、トナー、シールロック剤などの接着剤、金属粒子の絶縁粒子、熱膨張剤、熱媒体、調光ガラス、ギャップ剤(スペーサ)、サーモクロミック(感温液晶、感温染料)、磁気泳動カプセル、農薬、人工飼料、人工種子、芳香剤、マッサージクリーム、口紅、ビタミン類カプセル、活性炭、含酵素カプセル、DDS(ドラッグデリバリーシステム)などが挙げられる。
【0038】
【発明の実施の形態】
以下では、本発明の実施例を示し、更に詳しく発明の実施の形態について説明する。なお、本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意に変更可能であることは言うまでもない。
【0039】
また、実施例においては1枚の基板上に1本の微小流路を形成したが、1枚の基板上に多数の微小流路を形成する、あるいは多数形成した1枚の基板を積層することも可能である。
【0040】
(実施例1)
図1に示す、流路を持つ樹脂製の微小流路構造体を製作した。微小流路6の幅は230μm、深さは100μmであった。微小流路9の幅は1.0mm、深さは100μmであった。これを、図8のように予め所定の位置に1.0mm径の貫通穴を作成した厚さ1.2mmのPC樹脂製カバー体を145℃雰囲気下において加圧溶着した。分散相導入口(2)、連続相導入口(3)とつながる3本の微小流路は、22°の角度で合流させた。この微小流路の分散相導入口(2)から分散相流体として、蒸留水を送液し、連続相導入口(3)からブタノールを送液した。送液は図9に示すように、マイクロシリンジ(17),(18)に注入し、マイクロシリンジポンプ(19)で送液を行った。送液流速は全て2μl/minであった。送液流速が共に安定した状態で、(2)(3)の合流部から、(8)の流路増大部まで層流であった。また流路増大部(8)で液滴生成を確認した。生成された直後の粒子は240μmの均一な粒子であった。
【0041】
【発明の効果】
本発明によれば以下の効果を奏することができる。
【0042】
本発明の液滴生成用微小流路構造体は微小流路内での液滴生成、複合カプセルや多重カプセルの作成を容易にすると共に、工業的な量産にも対応できるものであり、流路構造のバリエーションを変えることで好適な液滴を得ることができる。また、多層流を送液することもできるため、種々の組成を有した液滴の生成も可能となる。
【0043】
本発明の液滴生成方法は、上記のように構成された液滴生成用微小流路構造体の流路増大部で均一な液滴生成が可能となる。また、流路増大部では、微小流路内壁面と分散相との接触面積を減らすことにより、より均一な粒子生成が可能で、送液速度による液滴生成範囲が広くできるため、液滴粒径のコントロールも容易となる。
【0044】
本発明の液滴生成方法は、連続相が少量とすることができ経済的であり、また、液滴化と導入量を別に制御することで液量調整が容易となる。
【0045】
本発明の液滴生成方法は、種々の流体を同時に送液することで、異なる物質(固体、液体)を内包した複合カプセル化が可能である。
【0046】
本発明の液滴生成方法は、生成した液滴に光照射したり加熱することで皮膜やゲルができるため、溶出しやすいものの場合は連続相を変えるなどの手段を講じることで、異比重物質、溶出し易いもののカプセル化が容易となる。
【0047】
本発明の方法により得られるマイクロカプセル、ゲルといった生成物は、均一な分散度を有しており、また、目的に応じた強度、徐放性を付与するために皮膜厚さを調整でき、種々用途に利用できる。
【0048】
【発明の効果】
本発明の液滴生成方法は、上記のように構成された液滴生成用微小流路構造体の液滴生成部で均一な液滴生成が可能となる。また、液滴生成部で、微小流路内壁面と分散相との接触面積を減らすことにより、より均一な粒子生成が可能で、送液速度による液滴生成範囲が広く出来るため、液滴粒径のコントロールも容易となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液滴生成用微小流路を示す概略図であり、実施例1にても使用している。
【図2】本発明の液滴生成用微小流路構造体を示す概略図であり、実施例1にても使用している。
【図3】本発明の液滴生成状況を示す図であり、実施例1にても使用している。
【図4】液滴を硬化させる加熱手段を備えた液滴生成用微小流路構造体の概略図である。
【図5】液滴を硬化させる光照射手段を備えた液滴生成用微小流路構造体の概略図である。
【図6】液滴を硬化させる加熱手段を備えた液滴生成用微小流路構造体の概略図である。
【図7】液滴を硬化させる光照射手段を備えた液滴生成用微小流路構造体の概略図である。
【符号の説明】
1:微小流路基板
2:連続相導入口
3:分散相導入口
4:層流流路始点
5:分散相導入流路
6:層流流路
7:連続相導入流路
8:流路増大部
9:排出流路
10:排出口
11:流路カバー体
12:微小流路構造体
13:ホルダー
14:ビーカー
15:テフロン(登録商標)チューブ
16:フィレットジョイント
17:マイクロシリンジポンプ(層流形成用)
18:マイクロシリンジポンプ(連続相)
19:マイクロシリンジ
20:加熱手段(ヒーター)
21:光照射手段(装置)
22:光遮蔽カバー
Claims (8)
- 連続相流体を導入するための連続相導入口及び連続相導入流路と、分散相流体を導入するための分散相導入口及び分散相導入流路と、分散相流体と連続相流体により生成された液滴を排出させるための排出流路及び排出口とを備えた微小流路を有し、かつ前記排出流路はその途中に流路径が大きい流路増大部を有する構造体を用いて液滴を生成させる方法であって、連続相導入口より連続相流体を送液すると共に分散相導入流路より分散相流体を送液し、前記連続相流体と前記分散相流体とが合流して層流を形成させた後に、前記流路増大部にて該層流より液滴を形成させることを特徴とする液滴生成方法。
- 複数の連続相流体を導入するための連続相導入口及び連続相導入流路と、複数の分散相流体を導入するための分散相導入口及び分散相導入流路とを備えた微小流路を有する構造体であって、前記連続相導入流路と前記分散相導入流路とが流体の流れ方向に対して交互に配置されている構造体を用いることを特徴とする請求項1記載の液滴生成方法。
- 連続相流体と分散相流体とは実質的に相溶性がない流体であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の液滴生成方法。
- 連続相流体が水であり、分散相流体が油であることを特徴とする請求項3記載の液滴生成方法。
- 連続相流体が油であり、分散相流体が水であることを特徴とする請求項3記載の液滴生成方法。
- 連続相流体及び/又は分散相流体の中に微小な粉末を含むことを特徴とする請求項2〜5のいずれかに記載の液滴生成方法。
- 生成された液滴を、微小流路を有する構造体中の微小流路内において硬化させることを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の液滴生成方法。
- 液滴に光照射又は加熱して硬化させることを特徴とする請求項7記載の液滴生成方法。
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