JP4144001B2 - マルチメディアコンテンツの配信方法、配信装置、配信プログラム及び配信プログラムの記憶媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、マルチメディアコンテンツの配信方法、配信装置、配信プログラム及び配信プログラムの記憶媒体に関し、特に、ライブ放送等の広告の挿入を嫌うマルチメディアコンテンツの配信に際する広告の配信に好適なマルチメディアコンテンツの配信方法、配信装置、配信プログラム及び配信プログラムの記憶媒体に関する。
【0002】
なお、本明細書において、マルチメディアコンテンツという場合は、視聴者の要求に応じて配信業者が配信する動画、静止画、音楽等のデータ又はこれらのデータが混在したデータのことをいう。データの形態としては広告もマルチメディアのコンテンツの一種であるが、広告は視聴者が積極的に配信を要求するものでないので、本明細書では広告であるマルチメディアコンテンツを単に広告と略称する。また、前後の関係から明らかな場合には、マルチメディアコンテンツを単にコンテンツと略称する。
【0003】
【従来の技術】
近年の高速インタネット通信回線の普及により、主として映画などのビデオコンテンツを家庭のパソコンへ配信する事業者が現れてきた。しかし、そのようなビデオコンテンツを視聴するときの現状の視聴料金は個人にとって必ずしも安価な料金とは言えない。そこで、視聴者が視聴しようとするビデオコンテンツに広告を挿入することによって、広告のスポンサに視聴料金の一部又は全部を負担してもらうことが行われている。これによって、視聴者は広告を見る不便さはあるものの、視聴したいビデオコンテンツを安価に又は無料で視聴することができる。
【0004】
広告を挿入したビデオコンテンツを配信する方法の一例として特許文献1がある。この例によれば、ビデオサーバは、視聴者に配信するビデオコンテンツ及び広告メッセージを予めビデオサーバに格納しておき、視聴者から視聴を希望するビデオコンテンツの視聴要求があった際に、原ビデオコンテンツに広告メッセージを挿入して配信する。さらに、この例においては、広告メッセージの量や間隔等の挿入条件を視聴者に指定させ、その指定条件に従って、広告メッセージを挿入することを可能にする構成が示されている。これによって、視聴料金のフレキシブルな設定が可能になるとしている。
【0005】
【特許文献1】
特開2003−78897号公報(第5−8頁、第1−8図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、広告を挿入したビデオコンテンツ配信が普及するとともに、配信されるコンテンツの種類にも急速な広がりを見せている。過去に製作した映画や教養番組のビデオだけでなく、リアルタイムで伝達されるニュース、スポーツ試合の実況中継、ライブコンサート等のコンテンツについても配信の対象となってきている。まさに、今、配信されるコンテンツのマルチメディアの広範化が進行している。
【0007】
そして、特許文献1の例においては、配信しようとするビデオコンテンツは、広告挿入による中断があり、また、その分の時間遅れはあるものの、そのコンテンツはディスクに格納されているために、すべて欠落することなく配信することができる。しかしながら、この方法では、ニュース、スポーツ試合の実況中継、ライブコンサート等のリアルタイムストリームデータのコンテンツはディスクに格納されたものでないために、それを配信することができない。仮にこの例の構成において、リアルタイムストリームデータのコンテンツの配信をしようとすると、広告を挿入したときに、配信するコンテンツ自体に欠落部分が生じることになる。たとえば、サッカーの試合のゴール場面が広告挿入のため欠落し、視聴者が大事な場面を視聴できないようなことも起こり得る。これでは、たとえ視聴料金が安価になろうとも、視聴者にとって不満が残るものとなる。
【0008】
本発明は、このような課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、ニュース、スポーツ試合の実況中継、ライブコンサート等のリアルタイムストリームデータのコンテンツの配信においても、配信するコンテンツ自体に欠落を生ずることがない広告配信を行うことができ、また、視聴者が視聴する広告の量によって視聴料金をフレキシブルに変えることができ、さらには視聴者の広告の視聴をより確実にする手段を備えたマルチメディアコンテンツの配信方法、装置、プログラム及びプログラム媒体を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、視聴者の要求に応じてネットワークを介して視聴者端末にマルチメディアコンテンツを配信するコンテンツ配信サーバが前記マルチメディアコンテンツを配信する方法であって、前記コンテンツ配信サーバが、前記視聴者端末から入力される前記視聴者が視聴しようとするマルチメディアコンテンツの名称のデータを、前記ネットワークを介して取り込むステップ、前記取り込んだデータの名称を持つマルチメディアコンテンツを、前記ネットワークを介して前記視聴者端末に配信するステップ、前記視聴者に対し視聴を求める1以上の広告の広告名を決定するステップ、前記マルチメディアコンテンツの配信終了後に、前記広告名を決定するステップにおいて決定された前記1以上の広告の広告名のデータ及びその広告の視聴期限のデータを含んだ広告視聴督促データを、前記視聴者端末に前記ネットワークを介して配信するステップ、前記広告視聴督促データの配信終了後に、前記広告視聴督促データに含まれる前記1以上の広告の広告名のデータのうち、前記視聴者端末から入力される前記視聴者が視聴しようとする広告の広告名のデータを、前記ネットワークを介して取り込むステップ、前記取り込んだ広告名のデータの名称を持つ広告のデータを、前記ネットワークを介して前記視聴者端末に配信するステップ、前記広告視聴督促データの配信終了後に、前記広告視聴督促データに含まれる前記1以上の広告の広告名のデータによって指定されるすべての広告のデータの配信が前記広告視聴督促データに含まれる前記視聴期限までに完了したか否かを判定する広告配信完了判定ステップ、及び、前記広告配信完了判定ステップにおいて、前記広告視聴督促データに含まれる前記1以上の広告の広告名のデータによって指定されるすべての広告のデータの配信が前記広告視聴督促データに含まれる前記視聴期限までに完了していないと判定された場合に、前記広告配信ステップにより未だ配信されていない広告の名称のデータ及びその広告の前記視聴期限を延長した新たな視聴期限のデータを含む新たな広告視聴督促データを、前記視聴者端末に前記ネットワークを介して配信するステップを備えることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、視聴者に視聴を求める広告は、視聴者が視聴しようとするコンテンツと時間的に全く分離して配信されるので、視聴者が視聴しようとするコンテンツは、たとえそれがリアルタイムで配信されるコンテンツであっても、そのコンテンツには欠落が生じることはない。また、視聴者端末には広告視聴督促データが配信され、視聴者がその広告視聴督促データの指示に従って広告を視聴しないときには、さらに、新たな広告視聴督促データが配信されるので、広告の視聴率を向上させることができる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のマルチメディアコンテンツの配信方法であって、前記コンテンツ配信サーバが、さらに、前記マルチメディアコンテンツの配信前に、前記視聴者端末から入力されるそのマルチメディアコンテンツの視聴料金の請求先データを、前記ネットワークを介して取り込むステップ、前記マルチメディアコンテンツの配信終了後に、前記マルチメディアコンテンツの視聴料金のデータを、前記視聴者端末に前記ネットワークを介して配信するステップ、及び、前記広告配信完了判定ステップにおいて、前記広告視聴督促データに含まれる前記1以上の広告の広告名のデータによって指定されるすべての広告のデータの配信が前記広告視聴督促データに含まれる前記視聴期限までに完了していないと判定された場合に、前記マルチメディアコンテンツの視聴料金を請求する旨の通知を前記視聴者端末に前記ネットワークを介して配信するステップ、を備えることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、視聴者は視聴しようとしたコンテンツを視聴すると、視聴すべき広告名と視聴料金の通知を受けることになるので、広告の視聴が強く督促されることになり、視聴者の広告の視聴をより確実なものにすることができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載のマルチメディアコンテンツの配信方法であって、前記コンテンツ配信サーバが、さらに、前記マルチメディアコンテンツの配信前に、前記視聴者端末から入力される視聴者の属性データを、前記ネットワークを介して取り込むステップを備え、前記広告名を決定するステップは、前記取り込んだ視聴者の属性データが各広告についてあらかじめ定められた属性データに適合するか否かをチェックし、その視聴者の属性データに適合する広告の中から、前記視聴者に対し視聴を求める1以上の広告を選択して決定するステップであることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、視聴者に視聴を求める広告は視聴者の属性に適ったものになるので、配信される広告は視聴者にとってより見易い広告となり、また、広告が宣伝として果たす効果も大きくなる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、視聴者の要求に応じてネットワークを介して視聴者端末にマルチメディアコンテンツを配信するコンテンツ配信サーバを有するマルチメディアコンテンツの配信装置であって、前記コンテンツ配信サーバが、前記視聴者端末から入力される前記視聴者が視聴しようとするマルチメディアコンテンツの名称のデータを、前記ネットワークを介して取り込む手段、前記取り込んだデータの名称を持つマルチメディアコンテンツを、前記ネットワークを介して前記視聴者端末に配信する手段、前記視聴者に対し視聴を求める1以上の広告の広告名を決定する手段、前記マルチメディアコンテンツの配信終了後に、前記広告名を決定する手段により決定された前記1以上の広告の広告名のデータ及びその広告の視聴期限のデータを含んだ広告視聴督促データを、前記視聴者端末に前記ネットワークを介して配信する手段、前記広告視聴督促データを配信した後に、前記広告視聴督促データに含まれる前記1以上の広告の広告名のデータのうち、前記視聴者端末から入力される前記視聴者が視聴しようとする広告の広告名のデータを、前記ネットワークを介して取り込む手段、前記取り込んだ広告名のデータの名称を持つ広告のデータを、前記ネットワークを介して前記視聴者端末に配信する手段、前記広告視聴督促データの配信終了後に、前記広告視聴督促データに含まれる前記1以上の広告の広告名のデータによって指定されるすべての広告のデータの配信が前記広告視聴督促データに含まれる前記視聴期限までに完了したか否かを判定する広告配信完了判定手段、及び、前記広告配信完了判定手段により、前記広告視聴督促データに含まれる前記1以上の広告の広告名のデータによって指定されるすべての広告のデータの配信が前記広告視聴督促データに含まれる前記視聴期限までに完了していないと判定された場合に、前記広告配信手段により未だ配信されていない広告の名称のデータ及びその広告の前記視聴期限を延長した新たな視聴期限のデータを含む新たな広告視聴督促データを、前記ネットワークを介して前記視聴者端末に配信する手段を備えることを特徴とする。また、請求項7に記載の発明は、サーバコンピュータを請求項4に記載の配信装置として機能させるためのプログラムである。
請求項4又は請求項7に記載の発明によれば、視聴者が視聴すべき広告は視聴者が視聴しようとするコンテンツと時間的に全く分離して配信されるので、視聴者が視聴しようとするコンテンツは、たとえそれがリアルタイムで配信されるコンテンツであっても、そのコンテンツには欠落が生じることはない。また、視聴者端末には広告視聴督促データが配信され、視聴者がその広告視聴督促データの指示に従って広告を視聴しないときには、さらに、新たな広告視聴督促データが配信されるので、広告の視聴率を向上させることができる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のマルチメディアコンテンツの配信装置であって、前記コンテンツ配信サーバが、さらに、前記マルチメディアコンテンツの配信前に、前記視聴者端末から入力される前記マルチメディアコンテンツの視聴料金の請求先データを、前記ネットワークを介して取り込む手段、前記マルチメディアコンテンツの配信終了後に、前記マルチメディアコンテンツの視聴料金のデータを、前記視聴者端末に前記ネットワークを介して配信する手段、及び、前記広告配信完了判定手段により、前記広告視聴督促データに含まれる前記1以上の広告の広告名のデータによって指定されるすべての広告のデータの配信が前記広告視聴督促データに含まれる前記視聴期限までに完了していないと判定された場合に、前記マルチメディアコンテンツの視聴料金を請求する旨の通知を前記視聴者端末に前記ネットワークを介して配信する手段、を備えることを特徴とする。また、請求項8に記載の発明は、サーバコンピュータを請求項5に記載の配信装置として機能させるためのプログラムである。
請求項5又は請求項8に記載の発明によれば、視聴者は視聴しようとしたコンテンツを視聴すると、視聴すべき広告名と視聴料金の通知を受けることになるので、広告の視聴が強く督促されることになり、視聴者の広告の視聴をより確実なものにすることができる。
【0016】
請求項6に記載の発明は、請求項4または請求項5に記載のマルチメディアコンテンツの配信装置であって、前記コンテンツ配信サーバが、さらに、前記マルチメディアコンテンツの配信前に、前記視聴者端末から入力される視聴者の属性データを、前記ネットワークを介して取り込む手段を備え、前記広告名を決定する手段は、前記取り込んだ視聴者の属性データが各広告についてあらかじめ定められた属性データに適合するか否かをチェックし、その視聴者の属性データに適合する広告の中から、前記視聴者に対し視聴を求める1以上の広告を選択して決定する手段であることを特徴とする。また、請求項9に記載の発明は、サーバコンピュータを請求項6に記載の配信装置として機能させるためのプログラムである。
請求項6又は請求項9に記載の発明によれば、視聴者に視聴を求める広告は視聴者の属性に適ったものになるので、配信される広告は視聴者にとってより見易い広告となり、また、広告が宣伝として果たす効果も大きくなる。
【0017】
請求項10の発明のマルチメディアコンテンツの配信プログラム記憶媒体によれば、請求項7ないし請求項9に記載のマルチメディアコンテンツの配信プログラムの保管性を向上させることができ、また、可搬性の特徴を付与することができる。そのため、汎用のサーバコンピュータを容易にコンテンツ配信サーバにすることができるようになる。
【0018】
【発明の実施の形態】
≪第1実施形態≫ 以下、本発明の第1実施形態について図1ないし図9を参照して詳細に説明する。
【0019】
まず、図1は、本発明が適用されるシステム全体の構成を示したものである。視聴者端末1は、コンテンツ配信サーバ4から配信されるマルチメディアのコンテンツを再生、表示する装置であり、また、視聴者に対し各種のメッセージを伝えるとともに視聴者の意思を取り込む入出力装置である。このような視聴者端末1として、市販されているパソコンを利用することができる。市販パソコンには通常HTTP(Hyper-Text Transfer Protocol)に従うブラウザプログラムが標準装備されており、それを利用すれば、サーバ側から送信される情報を表示することも、パソコン側からの入力データをサーバに送付することも容易にできる。さらには、MPEG(Moving Picture Experts Group)規格等の動画データの再生プログラムが提供されており、映画や野球中継等の再生もすることができる。
【0020】
ISP(Internet Service Provider)サーバ2は、視聴者端末1とADSL(Asymmetric Digital Scriber Line)や光ファイバーケーブルを介してつながり、視聴者端末をインタネット通信回線網3に接続する役割を担う。また、インタネット通信回線網3はいくつものLAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)により構成され、その一つの端にISPサーバ2が、また、他端に、コンテンツ配信サーバ4、コンテンツ提供サーバ5及び広告提供サーバ6がつながる。
【0021】
ここで、コンテンツ配信サーバ4は、視聴者端末1とインタフェースしてコンテンツの配信についての種々の制御を行うサーバである。一方、コンテンツ提供サーバ5はコンテンツそのものを管理し、提供するサーバであり、必ずしもコンテンツ配信サーバ4のそばにある必要はなく、例えば、映画会社やテレビ放映会社にあってもよい。また、コンテンツ提供サーバ5は複数あっても構わない。同様に、広告提供サーバ6は、広告コンテンツを管理し、提供するサーバであり、この場合もコンテンツ配信サーバ4のそばにある必要はなく、例えば、広告会社や広告を提供する会社にあってもよく、複数あってもよい。また、さらに、これらのサーバ4ないし6は、相互に2つが又は全部が物理的に1つのサーバであっても構わない。
【0022】
次に、図2は、本実施形態におけるコンテンツ配信サーバ4の制御ブロックの構成を示す図である。また、図3及び図4は、コンテンツ配信サーバ4を中心とした処理の流れを示した図であり、図3はコンテンツ配信後すぐに視聴者が広告を視聴する場合の処理の流れを、図4はコンテンツ配信後ある時間をおいた後に視聴者が広告を視聴する場合、又は、視聴期限後に視聴督促通知の配信を受けた時に視聴者が広告を視聴する場合の処理の流れを示す図である。ここで、これらの図において、矢印はデータの流れ又は処理の流れの方向を示し、そのそばに記載した四角囲み文字はそのデータの名称を意味する。
【0023】
本発明の配信方法及び配信装置は、図2の制御ブロックの構成に示すように、コンテンツ配信サーバ4にプログラムとして組み込まれる手段21ないし28によって実現される。以下に、図2ないし図4を参照しながら、また、図6ないし図9も適宜参照しながら、配信処理の流れ及びこれらの手段の機能について説明する。
【0024】
まず、視聴者がコンテンツの視聴をするときには、視聴者端末1からコンテンツ配信サーバ4をアクセスする。これにより、コンテンツ視聴要求処理手段21が起動されて、コンテンツ視聴要求処理手段21は視聴者端末1に対し視聴者名及びその視聴者の電子メールアドレスの入力を求める。そして、視聴者は電子メールアドレスを含む視聴者名のデータを入力し、コンテンツ視聴要求処理手段21はこれを取り込む(S101)。
このとき、電子メールアドレスの入力まで求めるのは、視聴者名と電子メールアドレスとを合わせていわゆるID番号の役割を担わせようとするためである。もちろん、ID番号を発行するようにしても構わない。
なお、本明細書において、視聴者名、コンテンツ名、広告名等の名称は、単にその呼び名だけではなく、数字や記号又はその組み合わせなどでそれを他から識別できるものをすべて含んだ意味とする。
【0025】
次に、コンテンツ視聴要求処理手段21は、コンテンツ管理手段22に、そのとき配信可能なコンテンツ名のデータの提供を求め、それによって視聴者端末1に表示すべきコンテンツ一覧表を作成し(S102)、そのデータを視聴者端末1に配信する(S103)。視聴者端末1は、その配信されたコンテンツ一覧表のデータを表示する(S104)。
【0026】
図5は、視聴者端末1に配信されたコンテンツ一覧表を表示した例を示す図である。ここには、コンテンツの例えばジャンルごとにコンテンツ名及びコンテンツの視聴所要時間が表示され、各コンテンツにはチェックボックス51が設けられている。また、図示されていないが、野球中継等のリアルタイムで提供されるコンテンツに対しては開始時刻、終了時刻等のデータも表示される。
【0027】
視聴者端末1における図5の表示において、視聴者は視聴したいコンテンツのチェックボックスをチェックし、視聴者端末1はそのチェックされたコンテンツのコンテンツ名のデータをコンテンツ配信サーバ4へ送付する(S105)。コンテンツ視聴要求処理手段21は、そのコンテンツ名を取り込み、その取り込んだコンテンツ名をコンテンツ管理手段22へ渡す。
【0028】
図6は、コンテンツ管理手段が配信可能なコンテンツを管理するためのテーブルの例を示す図である。そのテーブルの各フィールドには、あらかじめ各コンテンツについてそのコンテンツが所在するURL(Universal Resource Locator)、視聴所要時間、そのコンテンツのスポンサの広告名等が記入される。ここで、広告名は複数あっても構わない。これは、そのコンテンツの視聴に対して複数のスポンサがついていることを意味する。
【0029】
コンテンツ管理手段22は、このテーブルをコンテンツ名をキーとして検索し、コンテンツURLと広告名を求める(コンテンツURL検索、S106)。そして、得られたコンテンツURLと広告名のデータをコンテンツ視聴要求処理手段21に返す。コンテンツ視聴要求処理手段21は、このコンテンツURLをコンテンツ配信処理手段23に渡すとともに、視聴者名と広告名のデータを広告視聴督促処理手段24に渡す。
【0030】
コンテンツ配信処理手段23は、渡されたコンテンツURLによりそのコンテンツが所在するコンテンツ提供サーバ5にアクセスし(S107)、目的のコンテンツを取得し(S108)、それを視聴者端末1に配信する(S109)。視聴者端末1は配信を受けたコンテンツのデータをその画面に表示し(S110)、視聴者はそれを視聴する。
なお、ここで、コンテンツの配信のやり方としてはコンテンツ提供サーバ5から視聴者端末1へ直接配信することも可能である。その場合は、コンテンツ配信処理手段23は視聴者端末1にコンテンツURLとそのアクセスキーを送付し、視聴者端末1はそのコンテンツURL及びアクセスキーによりコンテンツが所在するコンテンツ提供サーバ5にアクセスし、そのコンテンツの配信を受ける。
【0031】
一方、広告視聴督促処理手段24は、その広告の視聴期限をあらかじめ定められた規則としてコンテンツを視聴した日から例えば7日後を設定する。そして、その視聴期限のデータと先に受け取った視聴者名と広告名のデータを広告視聴状況管理手段25に渡す。また、一方では、コンテンツ配信処理手段23におけるコンテンツの配信の終了を待って(S111でYES)、その視聴期限と広告名のデータを視聴者端末1へ配信する(S112)。視聴者端末1は、これらのデータを受け取り、その画面に表示する(S113)。
【0032】
図7は、視聴者端末の表示画面に広告視聴期限と広告名を表示した例を示す図である。これによって、視聴者はいつまでにどの広告を視聴すべきかを知ることができる。
【0033】
図8は、広告視聴状況管理手段25が管理する各視聴者についての広告期限と広告名を格納するためのテーブルの例を示す図である。広告視聴状況管理手段25は広告視聴督促処理手段24から受け取った視聴期限、視聴者名及び広告名のデータをこのテーブルに格納し、各視聴者名についてその視聴期限切れがないかを監視する。
【0034】
ところで、本実施形態においては、視聴者が広告を視聴する時の選択は視聴者に任される。そのため、視聴者が広告を視聴するタイミングとしては、以下の3つの場合がある。
【0035】
視聴者が広告を視聴する第1の場合は、視聴者が視聴したコンテンツの配信終了直後である(S115でYES)。この場合には、視聴者端末1には図7に示す画面表示がされている(S113)状態なので、その画面表示を利用する。すなわち、図7の表示画面においてその表示される広告名にいわゆるハイパーリンクを設けておく。そうすれば、視聴者がその画面上で視聴しようとする広告名をクリックすると、その広告名のデータを伴って広告視聴要求処理手段26を起動することができる(S116)。
【0036】
図9は、広告管理手段27が管理するテーブルで、各広告についてその広告が所在する場所を示すURLを格納するテーブルの例を示す図である。広告視聴要求処理手段26は視聴者端末1から広告名を受け取ると、それを広告管理手段27に渡す。広告管理手段27は、図9に示すテーブルにおいて、広告名をキーとして検索し、その広告が所在する場所を示すURLを引き出すことができる(広告URL検索、S117)。
広告視聴要求処理手段26はこうして得られたURLを広告配信処理手段28へ渡す。また、広告配信処理手段28による広告配信の終了を待って、その広告の配信が終了したことを広告視聴状況管理手段25へ通報する。
【0037】
広告配信処理手段28はその渡されたURLにより広告提供サーバ6にアクセスし(S118)、目的の広告のデータを取得し(S119)、それを視聴者端末1に配信する(S120)。視聴者端末1は、配信された広告のデータを画面に表示し(S121)、視聴者はそれを視聴する。
なお、視聴者が視聴するコンテンツの配信のときと同様に、広告配信処理手段28が広告提供サーバ6に対するアクセスキーを視聴者端末1へ配信し、そのアクセスキーが視聴者端末1から広告提供サーバへ送付されることにより、広告を広告提供サーバ6から視聴者端末1へ直接配信することもできる。
【0038】
広告視聴状況管理手段25は、視聴状況管理手段25から広告配信終了の通報を受けるとき、視聴者名と広告名のデータを受け取る。広告視聴状況管理手段25は、図8のテーブルにおいてその視聴者名についてのその広告名を削除する。そして、その視聴者名についての広告名フィールドのすべての広告名がなくなったときには(未視聴広告なし、S122でYES)、その視聴者名についてのコンテンツ及び広告の配信処理は完了したものとして、そのテーブルにおいて視聴者名も含めてその行すべてを削除する。
【0039】
視聴者が広告を視聴する第2の場合は、視聴を督促するメッセージが視聴者端末1に配信されたときである。
前記したように、広告視聴状況管理手段25は、図8のテーブルにより各視聴者名について広告の視聴期限切れがないかを監視する(S114)。期限切れがあった場合には(S114でYES)、コンテンツ配信サーバ4での処理は、図3の丸で囲んだ2から図4の丸で囲んだ2へ進行し、広告視聴状況管理手段25は図8のテーブルで視聴期限を例えば3日延長したものに更新して(S128)、その視聴者名、広告名および視聴期限の各データを広告視聴督促処理手段24へ渡す。
【0040】
広告視聴督促処理手段24は、それらのデータを視聴者端末1へ配信し(S129)、視聴者端末1はその画面に表示する(S130)。これによって、視聴者は未視聴の広告名とその広告の視聴期限を知る。
なお、この場合の広告名及び聴期限のデータの配信は、電子メールによって行うが、それが視聴者端末1において表示されるときの視聴督促のメッセージ内容は図7とほぼ同じである。
【0041】
また、この場合にも視聴者端末1に表示される広告名にはハイパーリンクが設けてあり、これによってその広告名のデータを伴って広告視聴要求処理手段26を起動することができる(S116)。以下、前記したS117ないしS122の処理と同じ処理によって、その広告名の広告を視聴者端末へ配信することができる。
【0042】
視聴者が広告を視聴する第3の場合は、図7の表示も既に消失し、また、視聴期限切れに際し配信される督促のメッセージを受ける前か、その配信を受けた後であってそれを消失した場合に広告を視聴する場合である。
この場合に備えて、図4において丸で囲んだ1の入り口を設けている。この場合は、視聴者端末1とコンテンツ配信サーバ4との接続は途切れた状態であるので、まず、視聴者端末1から電子メールアドレスを含む視聴者名のデータの入力を行い、その接続を確立する。その接続が確立すると、広告視聴要求処理手段26は、視聴者名データを受け取り(S124)、それを広告管理手段27へ渡し、広告管理手段27は図8のテーブルの検索を行い、その視聴者についての広告名とその視聴期限のデータを求め(未視聴広告検索、S125)、それらのデータを広告視聴要求処理手段26へ渡す。
【0043】
広告視聴要求処理手段26は、これら広告名とその視聴期限のデータを視聴者端末1へ配信し(S126)、視聴者端末1は図7と同様の画面表示を行う(S127)。また、その画面表示において、その広告名にハイパーリンクが設けてあり、これによってその広告名のデータを伴って広告視聴要求処理手段26を起動することができる(S116)。以下、前記したS117ないしS122の処理と同じ処理によって、その広告名の広告を視聴者端末へ配信することができる。
【0044】
以上のように、本実施形態においては、視聴者が視聴するマルチメディアのコンテンツと、その一部又は全部の視聴料の代わりとして視聴者が視聴する広告を、時間的に全く分離して配信する。従って、配信されるコンテンツが野球中継やライブコンサートのようなリアルタイムストリームデータのコンテンツであっても、その配信されるデータに欠落が生じることはない。また、視聴者に視聴を求める広告については、その広告視聴を督促するメッセージを配信するようにしたので、広告が視聴されないことを防止し、広告の視聴率の向上を図ることができるようになった。
【0045】
本実施形態において、手段21ないし28は、コンテンツ配信サーバ4に組み込まれかつ実行可能なプログラムであり、また、そのプログラムを保管または運搬する時には、それをCDやDVD等の記憶媒体に記憶させることができる。そのため、汎用のサーバコンピュータを用いて本発明のコンテンツ配信サーバを容易にかつどこにおいてでも実現することができる。
【0046】
≪第2実施形態≫ 以下、本発明の第2実施形態について図10ないし図13を参照して詳細に説明する。ここで、図10は、第2実施形態におけるコンテンツ配信サーバの制御ブロック図を示す図である。また、図11及び図12は、第2実施形態におけるコンテンツ配信サーバを中心とした処理の流れを示した図であり、図11はコンテンツ配信後すぐに視聴者が広告を視聴する場合の処理の流れを、図12はコンテンツ配信後ある時間をおいた後に視聴者が広告を視聴する場合の処理の流れ、及び、視聴期限後に視聴料金請求の通知を配信する場合の処理の流れを示す図である。なお、第1実施形態と共通する要素については同じ符号を付してその説明を省略するものとする。
【0047】
本実施形態が適用されるシステムの全体構成は、図1に示した第1実施形態の場合の構成と全く同じであるが、コンテンツ配信サーバ4の内部には、図10に示すように、一部に相違点がある。それは、コンテンツ配信サーバ4に料金請求処理手段101が備えられている点である。それに伴い、処理の流れ等に相違する点がいくつか生じるので、ここでは、その相違する点について図10ないし図12を参照しながら説明する。
【0048】
第2実施形態においては、視聴者が視聴すべき広告を視聴しない場合は、視聴料金を請求することを特徴とする。そのため、コンテンツ視聴要求処理手段21が視聴者の視聴要求を受け付ける際に、電子メールアドレスを含む視聴者名だけでなく料金請求先の入力も求める(S201)。ここで、料金請求先は単なる請求書の送付先(住所と氏名)であってもいいし、あるいはクレジットカードの会員番号であってもよい。ともかく、ここではその入力がなければ、視聴者が視聴しようとするコンテンツの配信はされないものとする。
コンテンツ視聴要求処理手段21は、この料金請求先を視聴者名及び広告名とともに広告視聴督促処理手段24に渡す。
【0049】
広告視聴督促処理手段24は、これらのデータをさらに視聴状況管理手段25に渡すとともに、コンテンツ配信処理手段23による視聴者が視聴するコンテンツの配信が終了し次第(S111でYES)、視聴者に視聴を求める広告名とその広告視聴期限と視聴料金とを視聴者端末1に配信する(S202)。
図13は、そのとき視聴者端末1に表示される広告視聴期限、広告名及び視聴料金の例を示す図である。ここで、視聴料金としては広告視聴期限までに広告を視聴しなかった場合の金額と広告を1つ見るごとの視聴料金の割引額が示される。視聴者はこの表示を見て、その金額を考慮した上で、一部若しくは全部の広告を見るかあるいは全く見ないかを決めることになる。
【0050】
視聴状況管理手段25は、図6に示すようなテーブルによって視聴期限の監視を行い、視聴期限が切れたものについては(S114の丸で囲んだ2)、図12の丸で囲んだ2の入り口以下の処理を行う。まず、視聴状況管理手段25は、視聴者名、未視聴の広告数及び料金請求先を料金請求処理手段101に通知し、料金請求処理手段101は、これに基づき視聴者に対し視聴料金の請求書を作成し(S207)、電子メールによってこれを視聴者端末1へ配信する(S208)。視聴者端末1はその内容を画面に表示し(S209)、視聴者は視聴料金の通知を知る。
【0051】
以上の手段により、視聴者は広告を視聴しない場合は、視聴料金という一種のペナルティを課せられることになるので、広告の視聴をより確実なものにすることができる。あるいは、視聴者は自分が視聴したコンテンツに対する視聴料金を自主的に選択することができるようになるとも言える。
【0052】
≪第3実施形態≫ 以下、本発明の第3実施形態について図14ないし図16を参照して詳細に説明する。ここで、図14は、第3実施形態におけるコンテンツ配信サーバの制御ブロック図を示す図である。
本実施形態が適用されるシステムの全体構成は、図1に示した第1実施形態の場合の構成と全く同じであるが、コンテンツ配信サーバ4の内部には、図14に示すように、一部に相違点がある。それは、コンテンツ配信サーバ4に視聴者属性管理手段141及び広告選択処理手段142が備えられている点である。それに伴い、処理の流れに相違する点が生じるが、その相違は一部に限られるので処理の流れについては、図3及び図4によって説明する。
【0053】
第1実施形態においては、第6図に示すように広告を視聴者が視聴するコンテンツに付随的なものとしてあらかじめ決定したものであるが、第3実施形態においては、視聴者の性別、年齢、居住地、職業、趣味、嗜好品等にふさわしい広告をコンテンツ配信サーバ4が選択して配信することを特徴とする。そのために、コンテンツ視聴要求処理手段21は、視聴者のコンテンツ視聴要求を受け付ける際に、視聴者名だけでなく性別、年齢、居住地、職業、趣味、嗜好品等のデータの入力も求める(図3、S101、ただし、属性データの記載はない)。コンテンツ視聴要求処理手段21は、これらのデータを視聴者属性のデータとして視聴者属性管理手段141に渡す。
【0054】
図15は、本実施形態において視聴者属性管理手段141が管理する各視聴者についての属性データを格納するテーブルの例を示す図である。各視聴者名について性別、年齢、居住地、職業、趣味、嗜好品等の属性データのフィールドを備えている。視聴者属性管理手段141は、コンテンツ視聴要求処理手段21から渡された視聴者属性のデータをこのテーブルに格納し、管理する。
【0055】
広告選択処理手段142においては、視聴者の属性にふさわしい広告を選択する。そのためには、各広告についても属性を付与し、それを広告管理手段27においてテーブル(図示せず)として管理する。その属性の項目としては、各視聴者に付与したものと同じ属性の項目、この実施形態の場合は、性別、年齢、居住地、職業、趣味、嗜好品等を付与する。視聴者と同じ項目の属性をつけることによって、視聴者と広告の相性が求め易くなる。
なお、この広告に付与する属性は、その広告をどんな範囲の視聴者に見て欲しいかを示すデータと定めることができる。従って、広告の各属性はポイントデータ(例えば年齢41歳)である必要はなく、ある範囲のデータ(例えば年齢30歳から50歳)であってもよい。また、その属性のデータを指定しないことも許される。
【0056】
本実施形態においては、視聴者へ配信するコンテンツの属性によって視聴者に視聴を求める広告の数及びその視聴期限を定める。そのために、視聴者へ配信するコンテンツにも属性を付与する。
図16は、コンテンツ管理手段27が管理する各コンテンツについての属性データを格納するテーブルの例を示す図である。その属性データとしては、ジャンル、出演者、製作者、製作年月日、画質、プレミア度等があり、このテーブルは、第1実施形態における図8のテーブルにこれらの属性データが追加された形となっている。
【0057】
以上の準備のもと、コンテンツ視聴要求処理手段21は、視聴者端末1より視聴者名、視聴者属性及びコンテンツ名の入力を受けると、これらのデータにコンテンツ属性のデータを追加して広告選択処理手段142に渡す。
【0058】
まず、広告選択処理手段142は、図16のコンテンツの属性のテーブルを参照して、今、配信しようとしているコンテンツに付与する広告の数を求める。この広告数の算出は、例えば、次のルールに従う。
(1)コンテンツが古いもの(例えば、製作年月日が1月以前のもの)についてはコンテンツ長15分あたり1つの広告とする。
(2)コンテンツが新しいもの(例えば、製作年月日が1月以内のもの)についてはコンテンツ長10分あたり1つの広告とする。
(3)高画質のもの、高プレミア度のものの広告は上記で得られた広告数の倍とする。
【0059】
次に、広告選択処理手段142は、広告管理手段27が管理するテーブルにアクセスして、各広告について設定されている属性のデータに視聴者の属性が含まれるか否かをチェックし、その視聴者の属性データを含む属性データを持つ広告を選択する。例えば、視聴者の属性として性別男性、年齢35歳とある場合は、広告の属性として単に年齢30〜50歳とあれば、その広告は選ばれ、また、広告の属性が性別女性、年齢30〜40歳とあれば、その広告は選ばれない。
多くの場合、コンテンツの属性によりそのコンテンツに付すべき広告の数よりここで求めた広告の数のほうが多いので、ここで選ばれた広告は、さらに選択される。その選択のルールは、その広告がある一定期間内に選ばれる回数が他の広告が選ばれる回数とほぼ同じになるように、その一定期間内に選ばれた回数が少ない広告から順に選ぶ。
【0060】
さらに、広告選択処理手段142は、広告視聴期限を例えば次のルールにより定める。(1)高プレミア度のコンテンツを視聴した場合は、広告視聴期限を3日とする。(2)高プレミア度でないコンテンツを視聴した場合は、広告視聴期限を7日とする。
【0061】
以上のようにして、広告選択処理手段142は、視聴者に視聴を求める広告及びその視聴期限を求め、その広告名と広告視聴期限のデータをその視聴者名に付して広告視聴督促処理手段24に渡す。広告視聴督促処理24はその広告視聴期限と広告名を視聴者端末1に配信する(図3、S112)。
これ以降の処理の流れ、すなわち、図3のS113及びS114以降の処理の流れについては、図4の処理の流れも含み第1実施形態と同じになる。
【0062】
以上の説明したように、本実施形態においては、視聴者に視聴を求める広告として、視聴者の性別、年齢、居住地、職業、趣味、嗜好品等にふさわしい広告を選んで配信することができるようになるので、広告の効果をより高めることができる。
【0063】
【発明の効果】
以上説明した本発明によれば、以下のような優れた効果を奏する。
請求項1、請求項4及び請求項7の発明によれば、視聴者が視聴しようとするマルチメディアコンテンツと視聴者に視聴を求める広告とを時間的に分離して配信することができるので、スポーツの実況中継やライブコンサートのようなリアルタイムストリームデータのコンテンツであっても一部に欠落を生ずることなく配信することができる。これは視聴者にとって大きな魅力となる効果である。
さらに、請求項1、請求項4及び請求項7の発明によれば、広告を視聴していない視聴者に対して、視聴の督促のメッセージを配信することになるので、広告の視聴率を向上させることができ、広告の視聴漏れを防止することができる。
請求項2、請求項5及び請求項8の発明によれば、広告を視聴していない視聴者に対して、視聴料金を明示するメッセージ又は視聴の督促のメッセージを配信することになるので、広告の視聴率をさらに向上させることができる。また、視聴者が見た広告の数に応じて割り引かれる視聴料金も表示するので、視聴者は見る広告の数を自身の都合で決めることによって自主的に視聴料金を選ぶことができる。コンテンツの配信業者にとっては、視聴料金のフレキシブルな設定が可能になることを意味する。
請求項3、請求項6及び請求項9の発明によれば、視聴者に配信する広告を視聴者の属性(性別、年齢、職業、趣味等)に適合したものにすることができるので、広告の効果をより高めることができる。
また、請求項10の発明によれば、請求項7ないし9のプログラムに可搬性を付与することができ、そのため、汎用のサーバコンピュータを容易にコンテンツ配信サーバにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明が適用されるシステムの全体構成を示す図である。
【図2】 第1実施形態におけるコンテンツ配信サーバの制御ブロック図を示す図である。
【図3】 第1実施形態におけるコンテンツ配信サーバを中心とした処理の流れを示す図で、コンテンツ配信後すぐに視聴者が広告を視聴する場合の処理の流れを示す図である。
【図4】 第1実施形態におけるコンテンツ配信サーバを中心とした処理の流れを示す図で、コンテンツ配信後ある時間をおいた後に視聴者が広告を視聴する場合、又は、視聴期限後に視聴督促通知の配信を受けた時に視聴者が広告を視聴する場合の処理の流れを示す図である。
【図5】 視聴者端末に表示されるコンテンツ一覧表の例を示す図である。
【図6】 コンテンツ管理手段が管理する配信可能なコンテンツのテーブルの例を示す図である。
【図7】 視聴者端末に表示される広告視聴期限と広告名の例を示す図である。
【図8】 広告視聴状況管理手段が管理する各視聴者についての広告視聴期限と広告名を格納するためのテーブルの例を示す図である。
【図9】 広告管理手段が管理する各広告についてその広告が所在する場所を示すURLを格納するテーブルの例を示す図である。
【図10】 第2実施形態におけるコンテンツ配信サーバの制御ブロック図を示す図である。
【図11】 第2実施形態におけるコンテンツ配信サーバを中心とした処理の流れを示す図で、コンテンツ配信後すぐに視聴者が広告を視聴する場合の処理の流れを示す図である。
【図12】 第2実施形態におけるコンテンツ配信サーバを中心とした処理の流れを示す図で、コンテンツ配信後ある時間をおいた後に視聴者が広告を視聴する場合、又は、視聴期限後に視聴料金請求通知の配信を受けた場合の処理の流れを示す図である。
【図13】 第2実施形態において視聴者端末に表示される広告視聴期限、広告名及び視聴料金の例を示す図である。
【図14】 第3実施形態におけるコンテンツ配信サーバの制御ブロック図を示す図である。
【図15】 第3実施形態において視聴者属性管理手段が管理する各視聴者についての属性データを格納するテーブルの例を示す図である。
【図16】 第3実施形態においてコンテンツ管理手段が管理する各コンテンツについての属性データを格納するテーブルの例を示す図である。
【符号の説明】
1 … 視聴者端末
2 … ISPサーバ
3 … インタネット通信回線網
4 … コンテンツ配信サーバ
5 … コンテンツ提供サーバ
6 … 広告提供サーバ
21 … コンテンツ視聴要求処理手段
22 … コンテンツ管理手段
23 … コンテンツ配信処理手段
24 … 広告視聴督促処理手段
25 … 広告視聴状況管理手段
26 … 広告視聴要求処理手段
27 … 広告管理手段
28 … 広告配信処理手段
101… 料金請求処理手段
141… 視聴者属性管理手段
142… 広告選択処理手段
Claims (10)
- 視聴者の要求に応じてネットワークを介して視聴者端末にマルチメディアコンテンツを配信するコンテンツ配信サーバが前記マルチメディアコンテンツを配信する方法であって、
前記コンテンツ配信サーバが、
前記視聴者端末から入力される前記視聴者が視聴しようとするマルチメディアコンテンツの名称のデータを、前記ネットワークを介して取り込むステップ、
前記取り込んだデータの名称を持つマルチメディアコンテンツを、前記ネットワークを介して前記視聴者端末に配信するステップ、
前記視聴者に対し視聴を求める1以上の広告の広告名を決定するステップ、
前記マルチメディアコンテンツの配信終了後に、前記広告名を決定するステップにおいて決定された前記1以上の広告の広告名のデータ及びその広告の視聴期限のデータを含んだ広告視聴督促データを、前記視聴者端末に前記ネットワークを介して配信するステップ、
前記広告視聴督促データの配信終了後に、前記広告視聴督促データに含まれる前記1以上の広告の広告名のデータのうち、前記視聴者端末から入力される前記視聴者が視聴しようとする広告の広告名のデータを、前記ネットワークを介して取り込むステップ、
前記取り込んだ広告名のデータの名称を持つ広告のデータを、前記ネットワークを介して前記視聴者端末に配信するステップ、
前記広告視聴督促データの配信終了後に、前記広告視聴督促データに含まれる前記1以上の広告の広告名のデータによって指定されるすべての広告のデータの配信が前記広告視聴督促データに含まれる前記視聴期限までに完了したか否かを判定する広告配信完了判定ステップ、及び、
前記広告配信完了判定ステップにおいて、前記広告視聴督促データに含まれる前記1以上の広告の広告名のデータによって指定されるすべての広告のデータの配信が前記広告視聴督促データに含まれる前記視聴期限までに完了していないと判定された場合に、前記広告配信ステップにより未だ配信されていない広告の名称のデータ及びその広告の前記視聴期限を延長した新たな視聴期限のデータを含む新たな広告視聴督促データを、前記視聴者端末に前記ネットワークを介して配信するステップ
を備えることを特徴とするマルチメディアコンテンツの配信方法。 - 請求項1に記載のマルチメディアコンテンツの配信方法であって、前記コンテンツ配信サーバが、さらに、
前記マルチメディアコンテンツの配信前に、前記視聴者端末から入力されるそのマルチメディアコンテンツの視聴料金の請求先データを、前記ネットワークを介して取り込むステップ、
前記マルチメディアコンテンツの配信終了後に、前記マルチメディアコンテンツの視聴料金のデータを、前記視聴者端末に前記ネットワークを介して配信するステップ、及び、
前記広告配信完了判定ステップにおいて、前記広告視聴督促データに含まれる前記1以上の広告の広告名のデータによって指定されるすべての広告のデータの配信が前記広告視聴督促データに含まれる前記視聴期限までに完了していないと判定された場合に、前記マルチメディアコンテンツの視聴料金を請求する旨の通知を前記視聴者端末に前記ネットワークを介して配信するステップ、
を備えることを特徴とするマルチメディアコンテンツの配信方法。 - 請求項1または請求項2に記載のマルチメディアコンテンツの配信方法であって、前記コンテンツ配信サーバが、さらに、
前記マルチメディアコンテンツの配信前に、前記視聴者端末から入力される視聴者の属性データを、前記ネットワークを介して取り込むステップを備え、
前記広告名を決定するステップは、前記取り込んだ視聴者の属性データが各広告についてあらかじめ定められた属性データに適合するか否かをチェックし、その視聴者の属性データに適合する広告の中から、前記視聴者に対し視聴を求める1以上の広告を選択して決定するステップであること
を特徴とするマルチメディアコンテンツの配信方法。 - 視聴者の要求に応じてネットワークを介して視聴者端末にマルチメディアコンテンツを配信するコンテンツ配信サーバを有するマルチメディアコンテンツの配信装置であって、
前記コンテンツ配信サーバが、
前記視聴者端末から入力される前記視聴者が視聴しようとするマルチメディアコンテンツの名称のデータを、前記ネットワークを介して取り込む手段、
前記取り込んだデータの名称を持つマルチメディアコンテンツを、前記ネットワークを介して前記視聴者端末に配信する手段、
前記視聴者に対し視聴を求める1以上の広告の広告名を決定する手段、
前記マルチメディアコンテンツの配信終了後に、前記広告名を決定する手段により決定された前記1以上の広告の広告名のデータ及びその広告の視聴期限のデータを含んだ広告視聴督促データを、前記視聴者端末に前記ネットワークを介して配信する手段、
前記広告視聴督促データを配信した後に、前記広告視聴督促データに含まれる前記1以上の広告の広告名のデータのうち、前記視聴者端末から入力される前記視聴者が視聴しようとする広告の広告名のデータを、前記ネットワークを介して取り込む手段、
前記取り込んだ広告名のデータの名称を持つ広告のデータを、前記ネットワークを介して前記視聴者端末に配信する手段、
前記広告視聴督促データの配信終了後に、前記広告視聴督促データに含まれる前記1以上の広告の広告名のデータによって指定されるすべての広告のデータの配信が前記広告視聴督促データに含まれる前記視聴期限までに完了したか否かを判定する広告配信完了判定手段、及び、
前記広告配信完了判定手段により、前記広告視聴督促データに含まれる前記1以上の広告の広告名のデータによって指定されるすべての広告のデータの配信が前記広告視聴督促データに含まれる前記視聴期限までに完了していないと判定された場合に、前記広告配信手段により未だ配信されていない広告の名称のデータ及びその広告の前記視聴期限を延長した新たな視聴期限のデータを含む新たな広告視聴督促データを、前記ネットワークを介して前記視聴者端末に配信する手段
を備えることを特徴とするマルチメディアコンテンツの配信装置。 - 請求項4に記載のマルチメディアコンテンツの配信装置であって、前記コンテンツ配信サーバが、さらに、
前記マルチメディアコンテンツの配信前に、前記視聴者端末から入力される前記マルチメディアコンテンツの視聴料金の請求先データを、前記ネットワークを介して取り込む手段、
前記マルチメディアコンテンツの配信終了後に、前記マルチメディアコンテンツの視聴料金のデータを、前記視聴者端末に前記ネットワークを介して配信する手段、及び、
前記広告配信完了判定手段により、前記広告視聴督促データに含まれる前記1以上の広告の広告名のデータによって指定されるすべての広告のデータの配信が前記広告視聴督促データに含まれる前記視聴期限までに完了していないと判定された場合に、前記マルチメディアコンテンツの視聴料金を請求する旨の通知を、前記視聴者端末に前記ネットワークを介して配信する手段、
を備えることを特徴とするマルチメディアコンテンツの配信装置。 - 請求項4または請求項5に記載のマルチメディアコンテンツの配信装置であって、前記コンテンツ配信サーバが、さらに、
前記マルチメディアコンテンツの配信前に、前記視聴者端末から入力される視聴者の属性データを、前記ネットワークを介して取り込む手段を備え、
前記広告名を決定する手段は、前記取り込んだ視聴者の属性データが各広告についてあらかじめ定められた属性データに適合するか否かをチェックし、その視聴者の属性データに適合する広告の中から、前記視聴者に対し視聴を求める1以上の広告を選択して決定する手段であること
を特徴とするマルチメディアコンテンツの配信装置。 - 視聴者の要求に応じてネットワークを介して視聴者端末にマルチメディアコンテンツを配信するコンテンツ配信装置におけるサーバコンピュータをコンテンツ配信サーバとするために、前記サーバコンピュータを、
前記視聴者端末から入力される前記視聴者が視聴しようとするマルチメディアコンテンツの名称のデータを、前記ネットワークを介して取り込む手段、
前記取り込んだデータの名称を持つマルチメディアコンテンツを、前記ネットワークを介して前記視聴者端末に配信する手段、
前記視聴者に対し視聴を求める1以上の広告の広告名を決定する手段、
前記マルチメディアコンテンツの配信終了後に、前記広告名を決定する手段により決定された前記1以上の広告の広告名のデータ及びその広告の視聴期限のデータを含んだ広告視聴督促データを、前記視聴者端末に前記ネットワークを介して配信する手段、
前記広告視聴督促データを配信した後に、前記広告視聴督促データに含まれる前記1以上の広告の広告名のデータのうち、前記視聴者端末から入力される前記視聴者が視聴しようとする広告の広告名のデータを、前記ネットワークを介して取り込む手段、
前記取り込んだ広告名のデータの名称を持つ広告のデータを、前記ネットワークを介して前記視聴者端末に配信する手段、
前記広告視聴督促データの配信終了後に、前記広告視聴督促データに含まれる前記1以上の広告の広告名のデータによって指定されるすべての広告のデータの配信が前記広告視聴督促データに含まれる前記視聴期限までに完了したか否かを判定する広告配信完了判定手段、及び、
前記広告配信完了判定手段により、前記広告視聴督促データに含まれる前記1以上の広告の広告名のデータによって指定されるすべての広告のデータの配信が前記広告視聴督促データに含まれる前記視聴期限までに完了していないと判定された場合に、前記広告配信手段により未だ配信されていない広告の名称のデータ及びその広告の前記視聴期限を延長した新たな視聴期限のデータを含む新たな広告視聴督促データを、前記ネットワークを介して前記視聴者端末に配信する手段
として機能させることを特徴とするマルチメディアコンテンツの配信プログラム。 - 請求項7に記載のマルチメディアコンテンツの配信プログラムであって、前記サーバコンピュータを、さらに、
前記マルチメディアコンテンツの配信前に、前記視聴者端末から入力される前記マルチメディアコンテンツの視聴料金の請求先データを、前記ネットワークを介して取り込む手段、
前記マルチメディアコンテンツの配信終了後に、前記マルチメディアコンテンツの視聴料金のデータを、前記視聴者端末に前記ネットワークを介して配信する手段、及び、
前記広告配信完了判定手段により、前記広告視聴督促データに含まれる前記1以上の広告の広告名のデータによって指定されるすべての広告のデータの配信が前記広告視聴督促データに含まれる前記視聴期限までに完了していないと判定された場合に、前記マルチメディアコンテンツの視聴料金を請求する旨の通知を、前記視聴者端末に前記ネットワークを介して配信する手段、
として機能させることを特徴とするマルチメディアコンテンツの配信プログラム。 - 請求項7または請求項8に記載のマルチメディアコンテンツの配信プログラムであって、前記サーバコンピュータを、さらに、
前記マルチメディアコンテンツの配信前に、前記視聴者端末から入力される前記視聴者の属性データを、前記ネットワークを介して取り込む手段として機能させ、
前記広告名を決定する手段は、前記取り込んだ視聴者の属性データが各広告についてあらかじめ定められた属性データに適合するか否かをチェックし、その視聴者の属性データに適合する広告の中から、前記視聴者に対し視聴を求める1以上の広告を選択して決定する手段であること
を特徴とするマルチメディアコンテンツの配信プログラム。 - 請求項7ないし請求項9のいずれか一項に記載のマルチメディアコンテンツの配信プログラムを記憶したことを特徴とするマルチメディアコンテンツの配信プログラム記憶媒体。
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