JP4143755B2 - 往復ピストン式原動機およびそれを備えた摺動型歯面清掃器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、歯面を清掃・研磨するための歯面清掃器に係り、特に、歯面清掃具の摺動運動により歯面を清掃・研磨する摺動型の歯面清掃器に関する。本発明は、また、摺動型歯面清掃器その他の機械装置の動力源として使用可能な往復ピストン式原動機に関する。
【0002】
【従来の技術】
予防医学の見地から、“プロフィー”アングル・ハンドピースと呼ばれる、プロフェッショナル・メカニカル・トゥース・クリーニング(PMTC)用の歯面清掃器が使用されている。
従来の歯面清掃器には回転型とツィスト型があり、“プロフィーカップ”と呼ばれるゴムカップ或いはブラシからなる歯面清掃具にペースト状研磨材を充填し、この歯面清掃具を回転運動又は往復ツィスト運動させながら歯面に押し当てることにより歯面を清掃・研磨するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、従来の歯面清掃器の問題点は、回転運動或いは往復ツィスト運動の遠心力により、プロフィーカップ或いはブラシに充填した研磨材が飛び散るということである。
【0004】
そこで、本発明の目的は、プロフィーカップやブラシに充填したペーストが飛散することの少ない歯面清掃器を提供することにある。
本発明の他の目的は、タービンハンドピースなどを駆動するために歯科用ユニットに設けてある既存の歯科用ホースに接続するだけで使用することの可能な圧縮空気駆動の歯面清掃器を提供することにある。
本発明の他の目的は、歯面清掃器その他の機械装置の動力源として使用可能な構造簡素な往復ピストン式原動機を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は、摺動可能な歯面清掃具取付部を先端に備え歯科用ホースへの接続部を基端に備えたハンドピース本体と、前記歯面清掃具取付部を往復運動させるべく前記ハンドピース本体に設けた圧縮空気駆動の往復ピストン式原動機とを備えた摺動型歯面清掃器を提供する。
この往復ピストン式原動機は:シリンダと;前記シリンダに摺動自在かつ気密に嵌合されシリンダ内に第1および第2の可変容積室を画成するピストンと;前記ピストンに連結され、シリンダの前端壁を摺動自在かつ気密に貫通するピストン出力軸と;前記第2可変容積室に開口するべくシリンダに形成された給気ポートを備え、前記歯科用ホースへの接続部へ供給された圧縮空気を第2可変容積室へ供給するための給気回路と;前記第1可変容積室に開口する一端と、出力軸の外周に開口する他端とを備え、ピストンの変位に応じて前記第1可変容積室を選択的に第2可変容積室又は大気に連通するべくピストンおよび出力軸に形成された給排気通路;とを備えている。
【0006】
このように、本発明の歯面清掃器には往復ピストン式原動機が用いてあり、歯面清掃具を摺動運動させることにより歯面を清掃・研磨するようになっているので、プロフィーカップやブラシのような歯面清掃具に遠心力が作用することがない。従って、従来の回転型およびツィスト型歯面清掃器に較べて、プロフィーカップやブラシに充填した研磨材の飛散が少ない。
【0007】
好ましい実施態様においては、歯面清掃器には、使用者の操作に応じて前記給気回路を遮断すると共に前記第2可変容積室を大気に開放する手動弁装置を設ける。
このように構成すれば、給気回路を遮断することにより原動機を随時一時的に停止させることができると共に、ピストンが死点にある位置で原動機が停止した時に原動機を簡単に再始動させることができる。
【0008】
他の実施態様においては、歯面清掃器には、使用者の操作に応じて前記第1可変容積室を大気に開放する手動排気手段を設ける。
この実施態様においても、手動排気手段を作動させることにより、原動機の一時的停止と再始動が可能になる。
【0009】
簡素な実施態様においては、ピストンと歯面清掃具取付部とは一体に形成されている。
好ましい実施態様においては、ピストンと歯面清掃具取付部とは別体に形成され、歯面清掃具取付部はばねによりピストンに向かって付勢されている。
好ましくは、この歯面清掃器には歯面清掃具に洗浄水を供給する水供給回路を更に設ける。
このように構成すれば、注水のためにシリンジを併用する必要がなくなる。
好適な実施態様においては、歯面清掃具に代えて歯面清掃具取付部に装着可能なクラウンリムーバを備える。
【0010】
他の観点においては、本発明は往復ピストン式原動機を提供するもので、この往復ピストン式原動機は:シリンダと;前記シリンダに摺動自在かつ気密に嵌合されシリンダ内に第1および第2の可変容積室を画成するピストンと;前記ピストンに連結され、シリンダの端壁を摺動自在かつ気密に貫通するピストン出力軸と;前記第2可変容積室に圧縮空気を供給するべくシリンダに形成された給気ポートと;前記第1可変容積室に開口する一端と、出力軸の外周に開口する他端とを備え、ピストンの変位に応じて前記第1可変容積室を選択的に第2可変容積室又は大気に連通するべくピストンおよび出力軸に形成された給排気通路;とを備えている。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1を参照するに、歯面清掃器10は、歯科用ホース12を介して歯科用ユニット(図示せず)から圧縮空気と洗浄水の供給を受けて作動するハンドピースとして構成されている。
歯面清掃器10は、手で把持するようになった細長いハンドピース本体14を備えている。概略的には、このハンドピース本体14の先端に歯面清掃具16が着脱自在に装着され、ハンドピース本体14の中央には歯面清掃具16を往復摺動運動させるための本発明の圧縮空気駆動の往復ピストン式原動機18が組み込んであり、本体14の基端にはこの原動機18に駆動用圧縮空気を供給するための歯科用ホース12のホース継手20を接続できるようになっている。
【0012】
より詳しくは、図示した実施例では、ハンドピース本体14は、筒状の外ケース22と、外ケース22内に嵌合されたインサート部材24と、外ケース22の先端に螺合された先端部材26とを備え、インサート部材24は外ケース22に螺合したねじ付きリング28によって外ケース22に固定されている。勿論、ハンドピース本体14の構成部品はこれに限定されるものではなく、異なる構成にすることができる。
【0013】
図2の拡大図から良く分かるように、本発明の往復ピストン式原動機18は外ケース22内に配置されたシリンダ30を備え、このシリンダ30のシリンダ孔にはピストン32が摺動自在かつ気密に嵌合されている。シリンダ30に嵌合したピストン32により、シリンダ30の内側には第1の可変容積室34と第2の可変容積室36が画成されている。シリンダ30内にピストン32を装着するのを可能にするため、シリンダ30は図示したように互いに螺合された前部30Aと後部30Bとで構成することができる。
【0014】
図示した実施例では、ピストン32はその出力軸38と一体に形成されており、この出力軸38はシリンダ30の前端壁40に設けた軸孔42を摺動自在かつ気密に貫通している。出力軸38は、また、先端部材26に設けた軸方向貫通孔44を摺動自在に貫通している。
出力軸38の先端には歯面清掃具取付部として作用する雌ねじ穴46が設けてあり、歯面清掃具16の雄ねじ部48を螺合することにより歯面清掃具16を出力軸38の先端に着脱自在に装着できるようになっている。
【0015】
ピストン出力軸38は第2可変容積室36内のみを延長しており、第2可変容積室36は環状になっている。従って、ピストン32の受圧面積は、第2可変容積室36内における受圧面積の方が、第1可変容積室34内における受圧面積よりも小さい。
ピストン32は、第1可変容積室34内の圧力によりピストン32が受ける力と第2可変容積室36内の圧力によりピストン32が受ける力との差により駆動される。
【0016】
シリンダ30には、第2可変容積室36に常時連通する入口ポート50が形成してあり、歯科用ユニットからホース継手20を介して供給された圧縮空気が先ず第2可変容積室36に導入されるようになっている。
圧縮空気供給系統を簡単に説明するに、本体14のインサート部材24には従来型のソケット部52が形成してあり、歯科用ホース12に取付けたホース継手20を抜き差しできるようになっている。ホース継手20は例えばボールロック機構54を備えた従来型のもので、圧縮空気供給孔56と水供給孔58を備えている。
【0017】
インサート部材24にはホース継手20の圧縮空気供給孔56に連通する給気通路60が形成してあり、この給気通路60は、シリンダ30の後部30Bに設けた半径方向通路62と、例えば外ケース22の内周に設けた溝からなる環状通路64を介して、入口ポート50に連通している。
給気通路60の途中には、ばね65で付勢された押ボタン66で操作される可動弁体68と、入口ポート70および出口ポート72を備えた手動弁74が設けてある。後述するように、この手動弁74は、給気通路60および入口ポート50を介して第2可変容積室36へ送られる圧縮空気を遮断する遮断弁として作用すると共に、第2可変容積室36内の空気を排出する排気弁として作用する。
【0018】
次に、第1可変容積室34の給排気系統について説明する。
ピストン32およびそれと一体の出力軸38には、軸方向通路76と半径方向ポート78が形成してある。軸方向通路76は第1可変容積室34に開口し、半径方向ポート78は出力軸38の外周に開口している。
軸方向通路76と半径方向ポート78は、ピストン32の変位に応じて第1可変容積室34を選択的に第2可変容積室36又は大気に連通する給排気通路として作用する。
【0019】
このため、半径方向ポート78は、ピストン32が図2(C)に示した後退位置にある時には第2可変容積室36に開口するが、ピストン32が図2(A)に示した前進位置へと変位した時にはシリンダ30の前端壁40の軸孔42から外れてシリンダ30前部の大気圧室80に連通するような軸方向位置に配置してある。大気圧室80は破線で示した通路82により大気に開放されている。
【0020】
図示した実施例では、歯面清掃器10には歯面清掃具16に洗浄水を供給するための給水回路が設けてある。この給水回路は、ホース継手20の水供給孔58に連通する長手方向通路84と、先端部材26に設けた半径方向通路85と、ピストン出力軸38に設けた半径方向通路86と、ピストン出力軸38に設けた長手方向通路87などからなり、夫々の歯面清掃具16にも長手方向に延長する給水通路88が形成してある。ピストン出力軸38の変位にも拘わらず半径方向通路85と86とが互いに連通するのを可能にするため、先端部材26とピストン出力軸38との間に隙間を設け、半径方向通路86の両側でこの隙間を2つのOリングでシールしてある。
なお、圧縮空気供給通路や給水通路は図示したようにOリングにより適宜シールされている。
【0021】
次に、この歯面清掃器10の使用の態様と作動を説明する。
歯面清掃具16としては、例えば、図1に示したものを使用することができる。図1では、歯面清掃具は、上から、ブラシ、スポンジ、およびゴムカップを備えている。
歯面清掃に際しては、任意のいづれかの歯面清掃具16をピストン出力軸38の先端に装着し、ホース継手20をソケット部52に差し込むことにより歯面清掃器10を歯科用ホース12に接続し、歯科用ユニットのフットペダル(図示せず)を操作して歯面清掃器10への圧縮空気の供給を開始する。
【0022】
歯科用ユニットからの圧縮空気は、給気通路60、手動弁74、環状通路64、入口ポート50を介してシリンダ30の第2可変容積室36へ送られる。
圧縮空気供給開始時にピストン32が図2(A)に示した前進位置にある場合には、第1可変容積室34は軸方向通路76および半径方向ポート78を介して大気圧室80に連通しているので、第1可変容積室34は大気圧下にある。
従って、第2可変容積室36内の圧縮空気圧力の作用により、ピストン32は右方に駆動され、図2(B)に示した中立位置に持ち来される。この位置では、ピストン出力軸38の半径方向ポート78はシリンダ30の前端壁40の軸孔42によって閉鎖され、第1可変容積室34は大気圧から遮断されるが、第2可変容積室36内の圧縮空気圧力の作用によりピストン32は右方に後退し続ける。
【0023】
ピストン32の後退に伴い、図2(C)に示したように半径方向ポート78が前端壁40の軸孔42から後方へ外れると、第2可変容積室36内に導入された圧縮空気圧力は半径方向ポート78および軸方向通路76を介して第1可変容積室34にも印加され、第1可変容積室34および第2可変容積室36には等しい圧縮空気圧力が作用する。
前述したように、ピストン32の受圧面積は第1可変容積室34内における方が第2可変容積室36内におけるよりも大きいので、第1可変容積室34内の圧力によりピストン32が受ける力は第2可変容積室36内の圧力によりピストン32が受ける力に打ち勝つ。その結果、ピストン32は図2(B)に示した位置へと左方に駆動される。
【0024】
ピストンが図2(B)の位置まで前進すると、ピストン出力軸38の半径方向ポート78はシリンダ30の前端壁40の軸孔42によって閉鎖されるが、第1可変容積室34内には圧力をもった空気が閉じ込められているので、ピストン32はなお前進ストロークを続ける。
【0025】
ピストン32が更に前進し、図2(A)に示したように半径方向ポート78が前端壁40の軸孔42から前方へ外れると、第1可変容積室34は軸方向通路76および半径方向ポート78を介して大気圧室80に連通するので、第1可変容積室34内の圧縮空気は大気開放され、第1可変容積室34内の圧力は大気圧になる。
【0026】
しかし、入口ポート50は第2可変容積室36に常時連通しているので、第2可変容積室36には依然として歯科用ユニットからの供給圧力が印加されている。
従って、第2可変容積室36内の圧力によりピストン32が受ける力は第1可変容積室34内の圧力によりピストン32が受ける力に打ち勝ち、ピストン32は右方へ駆動される。
以上の繰り返しにより、ピストン32およびその出力軸38は往復運動し、歯牙に押し当てた歯面清掃具16を往復摺動運動させることにより歯面を清掃・研磨する。
【0027】
本発明の歯面清掃器10では歯面清掃具16はこのように往復運動するので、歯面清掃具16に充填した研磨材が遠心力の作用によって飛散することがない。
【0028】
歯面の研磨中には、フットペダルの操作により給水回路84、86、88に給水し、歯面を洗浄することができる。
このようにすれば、注水のためにシリンジを併用する必要がなくなる。
【0029】
歯面研磨中に一時的に作業を中止したい場合には、手動弁74の押ボタン66を押し下げることにより、歯面清掃器10の作動を停止させることができる。
即ち、押ボタン66を押し下げると、可動弁体68が下降して手動弁74の入口ポート70を閉鎖し、第2可変容積室36へ送られる圧縮空気を遮断する。また、可動弁体68の下降により、可動弁体68の弁軸周りの隙間を介して出口ポート72は外部に連通するので、第2可変容積室36内の圧縮空気は大気に開放される。その結果、ピストン32は停止する。
押ボタン66を釈放して圧縮空気の供給を再開すると、原動機18は再始動される。
【0030】
手動弁74は、また、ピストン32が中立位置で停止していた場合に原動機18を再始動するために使用することができる。
即ち、圧縮空気供給開始時に、第1可変容積室34内に残圧がある状態でピストン32が図2(B)に示した中立位置に停止していた場合には、原動機18が再始動しないことが起こり得る。
この場合には、先ず押ボタン66を押し下げることにより第2可変容積室36内の圧力を大気開放すると、第1可変容積室34内の残圧の作用によりピストン32は中立位置から前進せられ、図2(A)に示した位置に持ち来されるので、第2可変容積室36への圧縮空気の供給が開始され、原動機18は再始動される。
【0031】
この歯面清掃器10は、また、セメントその他の接着剤によって歯牙に仮着又は恒久接着したインレー又はクラウンを取り外すためにも使用することができる。その場合には、出力軸38の先端の雌ねじ穴46には、歯面清掃具16に代えて、図1に示した鉤型のクラウンリムーバー17を装着する。
クラウンリムーバー17の先端をインレー又はクラウンに引っかけるか接触させて原動機18を作動させると、振動と衝撃により接着剤が弛められ又は破壊されるので、インレー又はクラウンを容易に取り外すことができる。
【0032】
図示しない第2実施例においては、第1実施例の手動弁74の入口ポート70を廃止し、給気通路60を直接に環状通路64に接続すると共に、手動弁74のポート72を直接に第1可変容積室34に連通させる。
この実施例においても、手動弁74の押ボタン66を押し下げて、第1可変容積室34を大気に開放することにより、歯面清掃器10の作動を一時的に停止させることができると共に、ピストン32が中立位置で停止していた場合の原動機18を再始動を可能にすることができる。
【0033】
図3には、本発明の第3実施例に係る歯面清掃器10を示す。図3においては、図1および図2に示した第1実施例の構成要素と共通する構成要素は同じ参照番号で示し、重複する説明は省略する。
相違点のみ説明するに、この第3実施例は、ピストン出力軸38と歯面清掃具取付部とを別体に形成したことを特徴としている。
【0034】
より詳しくは、図3を参照するに、先端部材26の軸方向貫通孔44には、ピストン出力軸38と同径の摺動シャフト90が摺動自在に嵌合してある。摺動シャフト90の先端には歯面清掃具16を螺着するための雌ねじ孔46が設けてあり、シャフト90の後端にはばね受け用フランジ92が設けてある。
先端部材26には軸方向貫通孔44より大径のばね室94が形成してあり、そこに配置されたばね96により摺動シャフト90は後方に向かって付勢されている。
摺動シャフト90のストロークはフランジ92がシリンダ30の前端に突き当たることによって規制される。
【0035】
この第3実施例においても、往復ピストン式原動機18は第1実施例と同様に作動する。
しかし、ピストン32の後退位置を示す図3(A)と前進位置を示す図3(B)とを対比すれば分かるように、この実施例では、ピストン出力軸38が摺動シャフト90に衝突する前にピストン32がある程度助走できるようになっている。
この助走区間があるので、より大きな衝撃が歯面清掃具16に伝えられる。
【0036】
以上には本発明の特定の実施例を記載したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の修正や変更を施すことができる。例えば、ピストン32とその出力軸38とは別体に形成し、互いに連結してもよい。また、歯面清掃具の往復摺動運動の周期を可変調節するため、圧縮空気供給回路に流調弁を設けてもよい。また、第2可変容積室36に開口する入口ポート50は、シリンダ30の前端壁40から軸方向に第2可変容積室36に開口するように配置してもよい。
【0037】
【発明の効果】
本発明によれば、歯面清掃具は往復摺動運動せられるので、従来の回転型およびツィスト型歯面清掃器に較べて研磨材の飛散が少ない。
また、本発明の歯面清掃器の往復ピストン式原動機は、簡素かつコンパクトな構造を備え、簡単な構成部品で構成されているので、作動の信頼性に優れ、低コストで製造することができる。
更に、本発明の歯面清掃器は、歯科用ユニットの既存の歯科用ホースに接続するだけで簡便に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係る歯面清掃器の長手方向断面図で、歯面清掃具やクラウンリムーバとホース継手を取付けるところが示してある。
【図2】図1に示した歯面清掃器の往復ピストン式原動機の行程を示す拡大断面図で、(A)はピストンが前進位置に、(B)はピストンが中間位置に、(C)はピストンが後退位置にあるところを示す。
【図3】本発明の第3実施例に係る歯面清掃器の長手方向断面図で、(A)はピストンが後退位置に、(B)はピストンが前進位置にあるところを示す。
【符号の説明】
10: 歯面清掃器
12: 歯科用ホース
14: ハンドピース本体
16: 歯面清掃具
17: クラウンリムーバ
18: 往復ピストン式原動機
20: ホース継手
22: ハンドピース本体の外ケース
26: ハンドピース本体の先端部材
30: シリンダ
32: ピストン
34: 第1可変容積室
36: 第2可変容積室
38: ピストンの出力軸
40: シリンダの前端壁
42: 前端壁の軸孔
46: 雌ねじ穴(歯面清掃具取付部)
50: シリンダの給気ポート
60/62/64:給気回路
74: 手動弁
76/78: 給排気通路
84/85/86/87:給水回路
90: 摺動シャフト(歯面清掃具取付部)
Claims (7)
- 摺動可能な歯面清掃具取付部を先端に備え歯科用ホースへの接続部を基端に備えたハンドピース本体と、前記歯面清掃具取付部を往復運動させるべく前記ハンドピース本体に設けた圧縮空気駆動の往復ピストン式原動機とを備え、
前記往復ピストン式原動機は、
シリンダと、
前記シリンダに摺動自在かつ気密に嵌合されシリンダ内に第1および第2の可変容積室を画成するピストンと、
前記ピストンに連結され、シリンダの前端壁を摺動自在かつ気密に貫通するピストン出力軸と、
前記第2可変容積室に開口するべくシリンダに形成された給気ポートを備え、前記歯科用ホースへの接続部へ供給された圧縮空気を第2可変容積室へ供給するための給気回路と、
前記第1可変容積室に開口する一端と、出力軸の外周に開口する他端とを備え、ピストンの変位に応じて前記第1可変容積室を選択的に第2可変容積室又は大気に連通するべくピストンおよび出力軸に形成された給排気通路、
とを備えていることを特徴とする摺動型歯面清掃器。 - 使用者の操作に応じて前記給気回路を遮断すると共に前記第2可変容積室を大気に開放する手動弁装置を更に備えていることを特徴とする請求項1に基づく摺動型歯面清掃器。
- 使用者の操作に応じて前記第1可変容積室を大気に開放する手動排気手段を更に備えていることを特徴とする請求項1に基づく摺動型歯面清掃器。
- 前記ピストン出力軸と歯面清掃具取付部とは別体に形成され、歯面清掃具取付部はばねによりピストン出力軸に向かって付勢されていることを特徴とする請求項1から3のいづれかに基づく摺動型歯面清掃器。
- 歯面清掃具に洗浄水を供給する給水回路を更に備えていることを特徴とする請求項1から4のいづれかに基づく摺動型歯面清掃器。
- 歯面清掃具に代えて前記歯面清掃具取付部に装着可能なクラウンリムーバを更に備えていることを特徴とする請求項1から4のいづれかに基づく摺動型歯面清掃器。
- シリンダと、
前記シリンダに摺動自在かつ気密に嵌合されシリンダ内に第1および第2の可変容積室を画成するピストンと、
前記ピストンに連結され、シリンダの端壁を摺動自在かつ気密に貫通するピストン出力軸と、
前記第2可変容積室に圧縮空気を供給するべくシリンダに形成された給気ポートと、
前記第1可変容積室に開口する一端と、出力軸の外周に開口する他端とを備え、ピストンの変位に応じて前記第1可変容積室を選択的に第2可変容積室又は大気に連通するべくピストンおよび出力軸に形成された給排気通路、
とを備えていることを特徴とする往復ピストン式原動機。
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