JP4142902B2 - 除電装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高電圧を発生する高圧電源回路と、高電圧が印加されてコロナ放電によるイオンを発生する針電極と、発生したイオンの一部を吸収する接地電極と、高圧電源回路のオン・オフ制御を行うと共に接地電極に流れる電流をオン・オフ制御に同期したタイミングでサンプリングし、そのサンプリング値に基づいてイオン発生量に相当する値を求める制御部とを備えた除電装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
除電装置はイオナイザとも呼称され、半導体装置や電子装置の製造工程等において空気中のイオンバランスをとるために、あるいは帯電した機器や部品を除電するために使用される。空気清浄機と併用されることも多い。
【0003】
一般的な除電装置は針電極と接地電極を備え、針電極に高電圧を印加することによってコロナ放電を生じさせる。このコロナ放電によって空気中の気体分子がイオン化する。つまり、イオンが発生する。例えば、正負の高電圧を一定周期で交互に針電極に印加することにより、正イオンの発生量と負イオンの発生量とのバランスを制御することができる。この場合、正負の高圧電源回路のオン・オフ制御(デューティ制御)を実行する制御部が備えられる。
【0004】
また、発生したイオンの電荷の一部が接地電極に吸収されることによって接地電極に流れる電流を検出し、イオン発生量に相当する値を求めてLED(発光ダイオード)で表示する除電装置が開発されている(例えば特願2001−010237号)。接地電極に流れる電流は、接地電極とグランド(GND)との間に挿入した電流検出用抵抗によって検出される。高圧電源回路のオン・オフ制御によって電流検出用抵抗にはパルス状の電圧が発生するので、オン・オフ制御に同期したタイミングでそのパルス状の電圧をサンプリングし、制御部がそのサンプリング値に基づいて(例えば所定時間の平均値として)イオン発生量に相当する値を求める。
【0005】
この除電装置では更に、イオン発生量(接地電極に流れる電流)が所定の値より小さくなった場合に警報表示を行う。例えば、針電極の表面に汚れが付着すると、針電極に高電圧が正常に印加されていてもイオン発生量が低下する。このような場合に警報表示を行うことにより、針電極の汚れを取り除くクリーニングの実行を促すことができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のようなイオン発生量の検出と表示又は警報を行う従来の除電装置において、針電極の表面に汚れが付着していない状態であるにもかかわらず、あるいは、クリーニングを実行したにもかかわらず、イオン発生量が少なく示され、又は警報表示が行われる現象がまれに発生することがあった。
【0007】
発明者らがその原因について調査した結果、次のことが分かった。つまり、針電極に高電圧を供給する高圧配線路と接地電極との間の浮遊容量が存在し、この浮遊容量と上記の電流検出用抵抗とによってハイパスフィルタ回路(微分回路)が形成されている。また、前述のように、高圧電源回路のオン・オフ制御に同期して電流検出用抵抗にはパルス状の電圧が発生するが、上記の微分回路の影響によってパルス状の電圧が矩形波から微分波形に向かって歪む。
【0008】
接地電極に流れる電流(電流検出用抵抗に発生する電圧)のサンプリングをできるだけ安定した期間に行うために、矩形波パルスの立下りに近いタイミングでサンプリングを行っている。ところが、上記の浮遊容量が温度によって変動するために微分回路の特性が変化し、サンプリング値が変化する。その結果、イオン発生量に相当する値の検出精度が低下する。特に、サンプリング値が小さくなる方向に変化すると、前述のようにイオン発生量が少なく表示され、又は警報表示が行われる現象が発生し得る。逆に、実際のイオン発生量が少ないにもかかわらず、警報表示が行われない現象が発生し得る。
【0009】
本発明は、上記のような従来の課題に鑑みてなされたものであり、接地電極に流れる電流からイオン発生量を検出する機能を有する除電装置において、温度の変動に起因するイオン発生量の検出精度の低下を抑えることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明による除電装置は、高電圧を発生する高圧電源回路と、該高圧電源回路から供給される高電圧が印加されてコロナ放電によるイオンを発生する針電極と、該針電極の近傍に設けられた接地電極と、前記高圧電源回路のオン・オフ制御を行うと共に、前記接地電極に流れる電流を前記オン・オフ制御に同期したタイミングでサンプリングし、該サンプリング値に基づいてイオン発生量に相当する値を求める制御部とを備えた除電装置であって、前記針電極に高電圧を供給する高圧配線路と前記接地電極との間の浮遊容量の温度に対する変化によって生ずる前記サンプリング値の変動を補償するために、サーミスタを用いて前記高圧電源回路の入力側の電圧を変えるサーミスタ温度補正回路を備えていることを特徴とする。
【0011】
このような構成によれば、サーミスタ温度補正回路の働きによって高圧電源回路の入力側の電圧が変化し、その結果、高圧電源回路から供給される高電圧が変化する。例えば温度上昇によって前述の微分回路の特性が変化しサンプリング値が低下し得る場合であっても、サーミスタ温度補正回路の働きによって高圧電源回路から供給される高電圧が上昇するので、サンプリング値の低下が補償され、イオン発生量に相当する値の低下が補償される。なお、高電圧の変化によって、接地電極に流れる電流のサンプリング値が補正されるだけでなく、実際のイオン発生量も補正されると考えられる。
【0012】
好ましい実施形態において、除電装置は、制御部が求めたイオン発生量に相当する値に基づいてイオン発生量の表示又は警報を行う手段を備えている。例えば、LED(発行ダーオード)を用いてイオン発生量のレベル表示又は警報表示を行う。このような構成において、上記の例のように温度の変化によってサンプリング値が低下し得る場合であっても、サーミスタ温度補正回路の働きによって高圧電源回路から供給される高電圧が上昇するので、サンプリング値の低下が補償され、イオン発生量の表示レベルの低下が補償される。あるいは警報表示が回避される。
【0013】
別の好ましい実施形態において、高圧電源回路は、正の高電圧を発生する正側高圧電源回路と負の高電圧を発生する負側高圧電源回路とを備え、サーミスタ温度補正回路が正側高圧電源回路及び負側高圧電源回路の入力側に個別に設けられている。このような構成によれば、正負の高電圧を一定周期で交互に針電極に印加することにより、正イオンの発生量と負イオンの発生量とのバランスを制御する除電装置において、正イオン発生期間及び負イオン発生期間の温度変化に伴うサンプリング値の変動を個別に抑制し、正負のイオン発生量を正しく求めることができる。
【0014】
更に好ましくは、正側高圧電源回路及び負側高圧電源回路の入力側の電圧を制御部からの信号にしたがってオン・オフするスイッチング回路がそれぞれ設けられ、サーミスタ温度補正回路がスイッチング回路の出力側に設けられている。このような構成によれば、制御部からの信号にしたがってオン・オフ制御された後の電圧が補正されて高圧電源回路の入力電圧となるので、温度補正(温度補償)をより正確に調整することが可能になる。
【0015】
別の好ましい実施形態において、除電装置は筒状のケースを有する一体型の除電装置であり、筒状のケースの長手方向に沿って複数の針電極が所定ピッチで設けられ、ケース内に高圧電源回路及び制御部が収容され、高圧配線路及び接地電極がケースの長手方向に沿って略平行に延びている。このような一体型のコンパクトな除電装置において特に、前述のような高圧配線路と接地電極との間の浮遊容量の温度に対する変化が大きくなりやすく、したがってサーミスタ温度補正回路による補償が有効に作用する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0017】
図1は本発明の実施形態に係る除電装置の内部構造を示す断面図である。また、図2は、除電装置の長手方向に沿う要部断面の一部を示している。この除電装置は、一対のケース部材11,12で構成された筒状のケースを備えている。ケース部材11,12は、樹脂等の押し出し成形によって作製された長尺成形品を所定の長さで切断したものであり、それぞれ筒状ケースの側壁部から天井部へ至る湾曲断面形状を有する。
【0018】
第1ケース部材11の上部端には係合突起部11aが設けられ、その先端部に円柱状(断面円形)係合部11bが形成されている。また、第2ケース部材12の上部端には、第1ケース部材11の円柱状係合部11bを包むように受ける円筒状係合部12aが形成されている。
【0019】
第1ケース部材11の側壁部の内面から略水平方向に延びる隔壁部11cが設けられ、その先端部には上方に曲がった下側係合部11dが形成されている。また、第2ケース部材12の側壁部の内面には、第1ケース部材11の隔壁部11cの先端部に形成された下側係合部11dを包むように係合する下側係合部12bが形成されている。
【0020】
図2から分かるように、押し出し成形品である第1ケース部材11及び第2ケース部材12の長手方向反対側の端部同士を合わせて、第2ケース部材12の円筒状係合部12aに第1ケース部材11の円柱状係合部11bを挿入するように係合させると共に、第2ケース部材12の下側係合部12bに第1ケース部材11の下側係合部11dを係合させた状態で、第1ケース部材11及び第2ケース部材12を互いに長手方向にスライドさせることにより、第1ケース部材11と第2ケース部材12が互いに結合されて筒状のケースとなる。なお、筒状のケース11,12の長手方向両端部には樹脂製の端部カバーが被せられる。
【0021】
第1ケース部材11及び第2ケース部材12で構成された筒状ケースの内部空間は、第1ケース部材11に形成された隔壁部11cによって上側の空間と下側の空間に分けられている。上側の空間は閉空間であり、後述する高圧電源回路及び制御部がこの空間に収容される。隔壁部11cの下側の空間には、高電圧が印加される針電極14やエアユニット15が収容される。
【0022】
図2に示すように、筒状ケース11,12の長手方向に沿って一定間隔で複数の針電極14とそれを囲むエアユニット15が取り付けられている。エアユニット15は、一本の針電極14を囲む略筒状の下ケース15aと、その上側に嵌合し、筒状ケース11,12の長手方向に沿って延びる上ケース15b及び蓋部15cを有する。蓋部15cの下面に沿って長手方向に延びるレール状の高圧配線金具(高圧配線路)16が取り付けられている。
【0023】
高圧配線金具16には、高圧接続芯17の上端部が接触するように保持されている。高圧接続芯17の下端部は針電極14の上端に接触している。このような構造により、高圧電源回路から供給される高電圧が高圧配線金具16から複数の高圧接続芯17を介して複数の針電極14に印加される。
【0024】
また、針電極14及び高圧接続芯17を包むように保持する針キャップ18が設けられている。針キャップ18は、針電極14及び高圧接続芯17を包む内筒部18aとエアユニット15の下ケース15aに外嵌する外筒部18bと、内筒部18a及び外筒部18bをつなぐキャップ部18cを有する。キャップ部18cの中心孔18dから針電極14の先端部が露出し、針電極14のそれ以外の部分及び高圧接続芯17は内筒部18aに内嵌するように保持されている。
【0025】
キャップ部18cの中心孔18dの周囲に複数の空気孔18eが形成されている。針キャップ18の内筒部18aとエアユニット15の下ケース15aとの間に内部空間SPが形成されており、この内部空間SPとキャップ部18cの外部空間とが複数の空気孔18eで連通している。エアユニット15の下ケース15aの下端面と針キャップ18のキャップ部18cの内面がオーリング19で封止され、針キャップ18の内筒部18aの上端部とエアユニット15の上ケース15bの下端部がゴムパッキン21によって封止されている。
【0026】
エアユニット15の内部空間SPに供給される空気は、キャップ部18cの中心孔18dの周囲に形成された複数の空気孔18eを通って外部に噴出する。その結果、針電極14の先端部の周辺で発生するイオンが下方に送り出される。
【0027】
また、ケース部材11,12の下端面からエアユニット15の下ケース15aの上下方向中央部へ湾曲する断面形状を有するグランド板22が設けられている。このグランド板22は接地電極に相当し、高圧電源回路の接地側電位に接続される。
【0028】
図3は、本実施形態の除電装置の回路構成を示している。正の高電圧(約16kV)を発生する正側高圧電源回路31と負の高電圧(約−16kV)を発生する負側高圧電源回路32とが設けられ、それらを交互に駆動するための正側スイッチング回路33及び負側スイッチング回路34が備えられている。また、後述する働きを有する正側サーミスタ温度補正回路35と負側サーミスタ温度補正回路36がそれぞれのスイッチング回路33,34と高圧電源回路31,32との間に挿入されている。
【0029】
DC24V電源から供給される定電圧はスイッチング回路33,34及びサーミスタ温度補正回路35,36を経て矩形波状のパルス電圧として高圧電源回路31,32に供給される。高圧電源回路31,32は、それぞれ自励発振回路、トランス及び倍整流回路を有し、約16kVの高電圧を発生する。正側高圧電源回路31及び負側高圧電源回路32の出力端子は過電圧保護用半導体素子37,38及び過電流保護用抵抗39を介して針電極14に接続されている。
【0030】
また、前述のグランド板(接地電極)22が電流検出用抵抗41を介して接地されている。針電極14の周囲に発生したイオンの電荷の一部が接地電極22に吸収されることによって接地電極22から接地電位への電流が流れ、この電流に比例する電圧が電流検出用抵抗41の両端に発生する。この電圧はADコンバータ42でディジタル値に変換され、制御部43に入力される。制御部43は、接地電極22に流れる電流に相当するディジタル値に基づいてイオン発生量に相当する値を求め、正負のイオンバランスをとるようにスイッチング回路33,34を制御する。つまり、正側スイッチング回路33のオン期間を増加すれば正イオンの発生量が増加し、逆に負側スイッチング回路34のオン期間を増加すれば負イオンの発生量が増加する。
【0031】
また、制御部43は、上記のようにして求められたイオン発生量に相当する値にしたがって、LED表示器44にイオン発生量のレベル表示を行う。LED表示器44は、例えば複数のLEDセグメントが直線状に並べられたものであり、点灯セグメントの移動によってイオン発生量のレベルを表示する。あるいは、バーグラフとしてイオン発生量のレベルを表示してもよい。また、イオン発生量に相当する値があらかじめ定めた値より小さくなったときに、別の表示セグメントによって警報表示を行う。
【0032】
図4は、スイッチング回路33,34によるオン・オフ制御のタイミングと、そのときの電流検出用抵抗41の両端に発生する電圧波形の例を示している。図4(a)は正側スイッチング回路33及び負側スイッチング回路34のオン・オフのタイミング例を示しており、この例では1:1の割合で正側スイッチング回路33及び負側スイッチング回路34が交互にオンになっている。何らかの要因で正負のイオン発生量のバランスが崩れたときは、それを補正する方向に正側スイッチング回路33のオン期間と負側スイッチング回路34のオン期間との比率を変えるように、制御部43が制御を行う。
【0033】
図4(b)に示すように、電流検出用抵抗41の両端に発生する電圧波形は、矩形波から微分波形に向かって歪んだ波形となる。このような電圧波形からできるだけ正確な電圧(接地電極22に流れる電流)をサンプリングするために、制御部43は電圧波形の立下りエッジに近いタイミングt1,t2,t3,t4,...(オン・オフ制御に同期したタイミング)でサンプリングを行っている。
【0034】
図4(b)において、正側のサンプリング値V1,V3,...は、各タイミングでの接地電極22に流れる正方向の電流、すなわち正イオンの発生量に相当する。同様に、負側のサンプリング値V2,V4,...は、各タイミングでの接地電極22に流れる負方向の電流、すなわち負イオンの発生量に相当する。制御部43は、例えば一定期間のサンプリング値(例えば10回分のサンプリング値)の平均値を正側及び負側についてそれぞれ計算することによって、正イオンの発生量に相当する値及び負イオンの発生量に相当する値を求める。
【0035】
図4(b)に示したように電流検出用抵抗41の両端に発生する電圧波形が矩形波から微分波形に向かって歪んだ波形となる要因は、図3に示すように、針電極14に高電圧を供給する高圧配線金具(高圧配線路)16とグランド板(接地電極)22との間に主として発生する浮遊容量45の影響であると考えられる。すなわち、この浮遊容量45と電流検出用抵抗41とによってハイパスフィルタ回路(微分回路)が形成されることになるので、矩形波から微分波形に向かって歪んだ波形となる。
【0036】
上記の浮遊容量45は、除電装置の筒状ケース11,12の長手方向に沿って平行に延びる高圧配線金具16とグランド板22との間に主として形成され、除電装置(筒状ケース11,12)の長さが長くなるほど大きくなる。なお、筒状ケース11,12の長さが長い除電装置ほど、長手方向に沿って一定間隔で配設された針電極14の数が多くなる。
【0037】
上記の浮遊容量45が温度変化に起因して変動することにより、浮遊容量45と電流検出用抵抗41とによって形成される微分回路の特性が変化する。その結果、図4(b)に示したサンプリングタイミングt1,t2,t3,t4,...でのサンプリング値V1,V2,V3,V4,...が変化し、イオン発生量に相当する値を正確に求めることができなくなる。この温度変化に起因するサンプリング値の変化を補償して、温度変化にかかわらず正確なイオン発生量に相当する値を求めることができるようにするために、図3に示したサーミスタ温度補正回路35,36が設けられている。正側スイッチング回路33と正側高圧電源回路31との間に正側サーミスタ温度補正回路35が挿入され、負側スイッチング回路34と負側高圧電源回路32との間に負側サーミスタ温度補正回路36が挿入されている。
【0038】
図5は、サーミスタ温度補正回路35,36の働きを説明するための波形図である。この波形図は電流検出用抵抗41の両端に発生する電圧波形を示す図4(b)の一部分を抜き出したものである。サーミスタ温度補正回路35,36は、DC24V電源からスイッチング回路33,34を介して供給された矩形波電圧のHレベル電圧(24Vより少し低い電圧)を温度に応じて増減したのち高圧電源回路31,32に供給する働きを有する。
【0039】
例えば、図5(a)に示すように、温度の上昇によって電圧波形が実線で示すものから二点鎖線で示すものに変化し、その結果、サンプリング値がVからV'に低下したとする。この場合、正側サーミスタ温度補正回路35の働きによって正側高圧電源回路31に供給される矩形波電圧のHレベルが増加するので正側高圧電源回路31の出力電圧(約16kV)が増加する。その結果、電流検出用抵抗41の両端に発生する電圧波形は、図5(a)に二点鎖線で示すものから破線で示すものに変化するので、サンプリング値がV'からVに戻される。負側のサーミスタ温度補正回路36についても同様に働く。
【0040】
また、図5(b)に示すように、温度の低下によって電圧波形が実線で示すものから二点鎖線で示すものに変化し、その結果、サンプリング値がVからV"に上昇したとする。この場合、正側サーミスタ温度補正回路35の働きによって正側高圧電源回路31に供給される矩形波電圧のHレベルが減少するので正側高圧電源回路31の出力電圧(約16kV)が減少する。その結果、電流検出用抵抗41の両端に発生する電圧波形は、図5(b)に二点鎖線で示すものから破線で示すものに変化するので、サンプリング値がV"からVに戻される。負側のサーミスタ温度補正回路36についても同様に働く。
【0041】
図6は、スイッチング回路33,34及びサーミスタ温度補正回路35,36の実際の構成例を示す回路図である。スイッチング回路33,34は、制御部43からの制御信号によってオン・オフ制御されるNPNトランジスタ51と、そのコレクタにゲートが接続されたスイッチング素子(FET)52とを有する。
【0042】
サーミスタ温度補正回路35,36は、温度に応じて抵抗値が変化するサーミスタ素子55と、定電圧回路を構成するシャントレギュレータ56及びダーリントントランジスタ57を有する。高圧電源回路31,32への出力電圧Voutを半固定抵抗58とサーミスタ素子55とで分圧した電圧がシャントレギュレータ56のゲートに与えられている。温度に応じてサーミスタ素子55の抵抗値が変化すると、シャントレギュレータ56に流れる電流が変化し、その結果、ダーリントントランジスタ57のベース電位が変化する。こうして、高圧電源回路31,32へ供給される電圧Vout、正確には矩形波電圧のHレベルが増減される。
【0043】
サーミスタ素子55の温度・抵抗値特性を適切に選択することにより、図5を用いて説明したように、温度変化に起因するサンプリング値の変動を適切に補償し、温度にかかわらずイオン発生量に相当する値を正確に求めることができる。その結果、イオン発生量の表示や警報表示の精度が高くなる。
【0044】
なお、本発明は上記の実施形態に限らず、種々の形態で実施することができる。図示した各部材の形状、構造及び材質の記述、そしてサーミスタ温度補正回路の具体的な回路構成は一例に過ぎず、必要に応じて変更可能である。
【0045】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明の除電装置は、針電極に高電圧を供給する高圧配線路と接地電極との間の浮遊容量の温度に対する変化によって生ずるサンプリング値の変動を補償するために、サーミスタを用いて高圧電源回路の入力側の電圧を変えるサーミスタ温度補正回路を備えているので、温度変化にかかわらずイオン発生量に相当する値をサンプリング値から正確に求めることができる。その結果、イオン発生量の表示や警報を精度良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る除電装置の内部構造を示す断面図である。
【図2】除電装置の長手方向に沿う要部断面の一部を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る除電装置の回路構成を示す図である。
【図4】スイッチング回路によるオン・オフ制御のタイミングと、そのときの電流検出用抵抗の両端に発生する電圧波形の例を示す図である。
【図5】サーミスタ温度補正回路の働きを説明するための波形図である。
【図6】スイッチング回路及びサーミスタ温度補正回路の実際の構成例を示す回路図である。
【符号の説明】
11,12 筒状のケース(ケース部材)
14 針電極
16 高圧配線路(高圧配線金具)
22 接地電極(グランド板)
31,32 高圧電源回路
33,34 スイッチング回路
35,36 サーミスタ温度補正回路
43 制御部
44 イオン発生量の表示又は警報を行う手段(LED表示器)

Claims (5)

  1. 高電圧を発生する高圧電源回路と、該高圧電源回路から供給される高電圧が印加されてコロナ放電によるイオンを発生する針電極と、該針電極の近傍に設けられた接地電極と、前記高圧電源回路のオン・オフ制御を行うと共に、前記接地電極に流れる電流を前記オン・オフ制御に同期したタイミングでサンプリングし、該サンプリング値に基づいてイオン発生量に相当する値を求める制御部とを備えた除電装置であって、
    前記針電極に高電圧を供給する高圧配線路と前記接地電極との間の浮遊容量の温度に対する変化によって生ずる前記サンプリング値の変動を補償するために、サーミスタを用いて前記高圧電源回路の入力側の電圧を変えるサーミスタ温度補正回路を備えていることを特徴とする除電装置。
  2. 前記制御部が求めたイオン発生量に相当する値に基づいてイオン発生量の表示又は警報を行う手段を備えていることを特徴とする
    請求項1記載の除電装置。
  3. 前記高圧電源回路は、正の高電圧を発生する正側高圧電源回路と負の高電圧を発生する負側高圧電源回路とを備え、前記サーミスタ温度補正回路が前記正側高圧電源回路及び前記負側高圧電源回路の入力側に個別に設けられていることを特徴とする
    請求項1又は2記載の除電装置。
  4. 前記正側高圧電源回路及び前記負側高圧電源回路の入力側の電圧を前記制御部からの信号にしたがってオン・オフするスイッチング回路がそれぞれ設けられ、前記サーミスタ温度補正回路が前記スイッチング回路の出力側に設けられていることを特徴とする
    請求項3記載の除電装置。
  5. 筒状のケースの長手方向に沿って複数の前記針電極が所定ピッチで設けられ、前記ケース内に前記高圧電源回路及び前記制御部が収容され、前記高圧配線路及び前記接地電極が前記ケースの長手方向に沿って略平行に延びていることを特徴とする
    請求項1、2、3又は4記載の除電装置。
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