JP4142600B2 - 動きベクトル推定方法,動きベクトル推定装置,動きベクトル推定プログラムおよび動きベクトル推定プログラム記録媒体 - Google Patents

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Description

本発明は,高能率画像信号符号化の技術に関し,特に,動き補償における動きベクトルの探索を高速に行うための技術に関するものである。
動画像符号化における重要な技術の一つに,ブロックマッチングに基づく動き補償(以下,MCともいう)がある。
図4は,一般的な動画像符号化装置の構成例を示す図である。図4に示す動画像符号化装置は,ブロックマッチングに基づく動き補償を用いて動画像のフレーム間予測を行い,予測誤差信号を符号化する。符号化は,入力した符号化対象フレームをいくつかに分割した領域(以下,ブロックともいう)ごとに,以下のように行われる。ここで,フレームメモリ2には,過去に符号化処理された参照フレームが蓄えられているものとする。
動き探索部1は,符号化対象フレームのブロックごとに,フレームメモリ2に蓄積された参照フレームとのブロックマッチングにより動きベクトルを探索する。探索により得られた動きベクトルの情報は,動き補償部3と符号化部7へ送られる。
動き補償部3は,フレームメモリ2に蓄積された参照フレームと動き探索部1から送られた動きベクトルの情報とから,予測画像を生成する。生成された予測画像は,減算器4と加算器10へ送られる。
減算器4は,動き補償部3から送られた予測画像と入力された符号化対象フレームとの間の予測誤差を算出する。DCT部5は,算出された予測誤差に対して離散コサイン変換を行う。量子化部6は,離散コサイン変換された予測誤差を量子化する。量子化された予測誤差は,符号化部7と逆量子化部8へ送られる。
符号化部7は,量子化部6から送られた量子化された予測誤差を可変長符号化し,また,動き探索部1から送られたブロックごとの動きベクトルの情報を符号化して,ビットストリームとして出力する。
逆量子化部8は,量子化部6から送られた量子化された予測誤差を逆量子化する。逆DCT部9は,逆量子化された予測誤差に対して逆離散コサイン変換を行う。加算器10は,逆離散コサイン変換された予測誤差と動き補償部3から送られた予測画像とから次の符号化対象フレームに対する参照フレームを生成し,フレームメモリ2に蓄える。
以上のように,ブロックマッチングに基づく動き補償では,符号化対象フレームft (p),p∈{(x,y)|x=0,1,…,X−1,y=0,1,…,Y−1}をいくつかの領域に分割する。分割した領域ごとに,参照フレームft-1 (p),p∈{(x,y)|x=0,1,…,X−1,y=0,1,…,Y−1}との間の動きベクトルvを探索する。
予測フレームをf’t (p),p∈{(x,y)|x=0,1,…,X−1,y=0,1,…,Y−1}と表すものとすると,分割された領域ごとに,次の式(1)に示すような動き補償(MC)を用いたフレーム間予測が行われる。
f’t (p)=ft-1 (p−vi ),p∈Bi (1)
式(1)において,Bi は,符号化対象フレームの第i番目の領域を示す。vi は,次の式(2)を満たす動きベクトルである。
Figure 0004142600
なお,式(2)において,Ri はBi に対応する探索領域であり,v∈Ri を添字とするarg minは,次に続く関数を最小化するvを返す。すなわち,式(2)では,探索範囲Ri において,領域Bi 内での予測誤差を最小化するvが動きベクトルvi として選ばれる。
予測誤差の最小性を保証した動きベクトル探索の高速化手法として,代表的なものにSEAと呼ばれる手法がある(例えば,非特許文献1参照)。同手法は,フレーム間予測誤差(以下,MC誤差ともいう)E(v)の下限値をあらかじめ見積もり,その下限値をもとに探索点を絞り込む手法である。同手法では,MC誤差E(v)に対して,次の式(3)の下限値を用いる。
E(v)≧C−S(v) (3)
ここで,Cは符号化ブロックの画素値和,S(v)は参照ブロックの画素値和であり,各々,次の式(4),式(5)で表すことができる。
Figure 0004142600
式(3)の証明は,以下の通りである。
Figure 0004142600
予測誤差の低減を目的として,動きベクトルを小数画素精度で表現する動き補償が検討されている。1/m画素精度の動き補償の場合,動きベクトルvi は,次の式(7)を満たすベクトルとして求める。
Figure 0004142600
ここで,f* t-1 (p)はft-1 (p)から生成される補間画像であり,1/m画素間隔で画素値をもつ。例えば,ISO/IEC 13818−2 MPEG−2における1/2画素精度の動き補償の場合,次のような補間画像を用いる。
Figure 0004142600
ここで,δx =(1,0),δy =(0,1)であり,pは整数値を要素とするベクトルである。つまり,予測時の参照フレームの位置が2画素の中心なら,2つの画素値の丸め付き平均を予測値として使用し(式(8b),式(8c)),予測時の参照フレームの位置が正方形の頂点に並んだ4画素の中心なら,4つの画素値の丸め付き平均を予測値として使用することになる(式(8d))。
以下,式(2)から求めた動きベクトルを用いる動き補償を整数MCと呼び,式(7)から求めた動きベクトルを用いる動き補償を小数MCと呼ぶ。また,以下ではi番目の領域に注目して議論するので,Bi はBと表し,vi はvと表す。
"Successive elimination algorithm for motion estimation"W.Li and E.Salari ,IEEE Transactions on Image Processing Volume 4,Issue 1 ,Jan.,pp.105-107,1995
小数MCの場合,整数MCに比較して動きベクトル探索の計算量が増大する。これは,探索領域内に含まれる探索点の数が増加するためである。探索領域がw×h点の画素を含む場合,整数MCにおける探索点がw×h点であるのに対し,1/m画素精度の小数MCにおける探索点は,{m(w−1)+1}×{m(h−1)+1}点となる。
小数MCの動きベクトル探索において計算量を低減させる場合,最適解である式(7)の動きベクトルを求めることをあきらめ,式(7)の準最適解に相当する動きベクトルを求める方法が多く検討されている。この場合,計算量の低減とひきかえに,予測誤差は増加してしまう。しかし,予測誤差を減少させるために導入された小数MCにおいて,こうした予測誤差の増加は望ましくない。このため,予測誤差を増加させることなく計算量を低減させる動きベクトル探索法が必要となる。
本発明は,以上のような事情に鑑みてなされたものであって,小数MCにおける動きベクトル探索の高速な計算法を確立することを目的とする。
本発明は,上記の課題を解決するため,小数MCにおける動きベクトル探索において,二つの動きベクトルu,vのMC誤差を比較する場合に,両動きベクトルに対するMC誤差の大小を直接比較するのではなく,動きベクトルuのMC誤差E(u)と,動きベクトルvのMC誤差E(v)の下限値L(v)との大小を比較することを特徴とする。
この時,
E(u)≦L(v) (9)
であれば,L(v)がMC誤差E(v)の下限値であるため,
E(u)≦E(v) (10)
となり,E(v)を算出して比較する必要はない。つまり,E(v)の算出は,
L(v)<E(u) (11)
となる場合にのみ行えば十分である。
後述するように,MC誤差の下限値は,MC誤差に比べて少ない計算量での算出が可能である。このため,MC誤差の下限値との比較を行って不要なMC誤差の算出を省くことにより,予測誤差の最小化を保証した上での計算量の低減を図ることができる。前述のSEAも,同様の原理に基づく手法であるが,SEAは整数MCへの適用にとどまっており,小数MCへの適用は,おそらく探索点数の増加に伴う計算量増加の問題から検討されていない。
本発明はこの問題を解決し,特に小数MC誤差の下限値を求める際に,符号化対象ブロックの画素値和および整数動きベクトルの指す参照ブロックの画素値和を事前に求めて再利用することにより計算量の低減を図り,少ない計算量で小数MCのもつ高い予測性能を実現するものである。
具体的には,本発明は,小数画素精度動き補償を用いてフレーム間予測を行う画像符号化方式における動きベクトル推定方法であって,符号化対象フレームにおける符号化対象領域の画素値の和を算出し記憶する第1の過程と,参照フレームにおける整数画素位置の参照領域における画素値の和を算出し記憶する第2の過程と,動きベクトルを小数画素精度で探索する際に,小数画素精度の動きベクトルごとに,動き補償後のフレーム間予測誤差に対する下限値を,前記第1の過程で算出された符号化対象領域の画素値の和と,前記第2の過程で算出された整数画素位置の参照領域における画素値の和とを用いて算出する第の過程と,前記第3の過程で算出された下限値と,動きベクトルの探索範囲内においてそれまでに算出されたフレーム間予測誤差の最小値とを比較する第の過程と,前記下限値のほうが前記最小値よりも小さい場合にのみ,前記動きベクトルに対するフレーム間予測誤差を算出する第の過程と,前記第5の過程で算出されたフレーム間予測誤差と前記最小値とを比較する第の過程と,前記フレーム間予測誤差のほうが前記最小値よりも小さい場合に,当該フレーム間予測誤差を,新たなフレーム間予測誤差の最小値として設定し,そのときの動きベクトルを記憶する第の過程とを有し,前記第の過程から前記第の過程を,探索範囲内のすべての小数画素精度の動きベクトルについて繰り返し,最終的に前記第の過程で記憶した動きベクトルを,動き補償に用いる動きベクトルとすることを特徴とする。
また,前記参照フレームにおける整数画素位置の参照領域における画素値の和を算出し記憶する過程では,当該参照領域の近傍の参照領域に対して,以前に算出され記憶された画素値の和と,当該参照領域と前記近傍の参照領域との差分の領域の画素値の和とから,当該参照領域における画素値の和を算出することを特徴とする。
本発明を用いることにより,小数MCにおける予測誤差の最小化を完全に保証しつつ,動きベクトル探索における計算量の低減が可能となる。このため,小数MCにおいて問題とされてきた計算量の増加を解消でき,少ない計算量で,小数MCのもつ高い予測性能を享受することができる。
以下,本発明の実施の形態について,図を用いて説明する。
図1は,本発明の実施の形態に係る動きベクトル推定装置の構成例を示す図である。動きベクトル推定装置100は,例えば図4に示す動画像符号化装置の動き探索部1に用いられるものである。この動きベクトル推定装置100は,ハードウェアやファームウェアによって実現することができ,また,コンピュータとソフトウェアプログラムとによっても実現することができる。
最小値記憶部105は,動き探索においてフレーム間予測誤差の最小値Mを記憶しておくものであり,ブロックごとの動きベクトルの探索開始時には,初期値として十分に大きな値を設定しておく。
符号化対象ブロック画素値和算出部101は,符号化対象フレーム120において,これから符号化しようとするブロックの画素値和を算出し,算出した画素値和Cを画素値和記憶部103に記憶する。一方,整数画素位置の参照ブロック画素値和算出部102は,参照フレーム121における整数動きベクトルの指す参照ブロックの画素値和を算出し,算出した画素値和Sxyを画素値和記憶部104に記憶する。この画素値和Sxyの算出では,後に詳述するように既に算出済みの画素値和Sxy’を利用して演算数を削減することができる。
下限値算出部106は,画素値和記憶部103の画素値和Cと,画素値和記憶部104の画素値和Sxyとを利用して,小数画素精度の動きベクトルv* に対するMC誤差の下限値Lを算出する。
下限値比較部107は,算出された下限値Lとそれまでで最小のMC誤差である最小値記憶部105の最小値Mとを比較する。フレーム間予測誤差算出部108は,下限値比較部107での比較の結果,下限値LがMC誤差の最小値Mより小さかった場合にのみ,動きベクトルv* に対するMC誤差E(v* )を算出する。誤差比較部109は,算出されたMC誤差E(v* )とMC誤差の最小値Mとを比較し,MC誤差E(v* )のほうが小さければ,最小値更新部110にMC誤差E(v* )を渡す。最小値更新部110は,そのMC誤差E(v* )をMC誤差の最小値Mとして最小値記憶部105に格納する。また,動きベクトル記憶部111に,そのときの動きベクトルv* をその時点で最も相応しい動きベクトルとして記憶する。
下限値比較部107による比較の結果,下限値LがMC誤差の最小値M以上の場合,また,誤差比較部109による比較の結果,算出されたMC誤差E(v* )がMC誤差の最小値M以上の場合,または最小値更新部110による更新処理の終了後に,動きベクトル更新部112により,探索範囲内の次の参照ブロックを定める動きベクトルv* を小数画素精度で更新し,下限値算出部106によりその動きベクトルv* に対するMC誤差の下限値Lを算出し,同様に処理を繰り返す。探索範囲に含まれるすべての動きベクトルに対する処理が終了したならば,最終的に動きベクトル記憶部111に記憶している動きベクトルv* を,動きベクトル推定装置100の出力とする。
〔下限値の導出〕
以下,本実施の形態におけるMC誤差の下限値の導出について説明する。本実施の形態では,小数画素精度の動きベクトルv* に対するMC誤差(以下,小数MC誤差という)の下限値を導出する。以下では,式(8a)〜(8d)の補間画像を用いた1/2画素精度MCを例として説明する。このとき,動きベクトルv* のとり得る値は,次の4通りである。
Figure 0004142600
ここで,δx =(1,0),δy =(0,1)であり,vは整数値を要素とするベクトルである。なお,動きベクトルv* が,v* =vとして整数値を要素とする場合には整数動きベクトルと呼び,それ以外の場合には小数動きベクトルと呼ぶものとする。以下,v* の値に応じてE(v* )を4通りに場合分けし,各下限値を求める。
(i)v* =vの場合:
動きベクトルv* は参照フレーム中の画素位置を指すため,整数MCにおけるSEAの場合と同様に,MC誤差E(v* )は次の下限値を持つ。
E(v* )≧C−S(v) (13)
ここで,C,S(v)は,各々上記の式(4),式(5)で表されるものとする。
(ii)v* =v+δx /2の場合:
動きベクトルv* の指す参照フレームの位置は2画素の中心となり,MC誤差E(v* )は次の下限値を持つ。
E(v* )≧C−S(v)/2−S(v+δx )/2 (14)
式(14)の証明は以下の通りである。なお,以下の証明において,式(15a)から式(15b)への展開では,動きベクトルv* の指す参照フレームの位置は2画素の中心となることから,式(8b)を用いた。
Figure 0004142600
(iii )v* =v+δy /2の場合:
上述の(ii)の場合と同様に,動きベクトルv* の指す参照フレームの位置は2画素の中心となり,MC誤差E(v* )は次の下限値を持つ。
E(v* )≧C−S(v)/2−S(v+δy )/2 (16)
証明は(ii)の場合と同様に行うことができる。
(iv)v* =v+(δx +δy )/2の場合:
動きベクトルv* の指す参照フレームの位置は4画素の中央となり,MC誤差E(v* )は次の下限値を持つ。
E(v* )≧C−S(v)/4−S(v+δx )/4
−S(v+δy )/4−S(v+δx +δy )/4 (17)
式(17)の証明は以下の通りである。なお,以下の証明において,式(18a)から式(18b)への展開では,動きベクトルv* の指す参照フレームの位置は4画素の中央となることから,式(8d)を用いた。
Figure 0004142600
以上(i)〜(iv)をまとめると,MC誤差の下限値L(v* )は,次の式(19)に示す通りとなる。
Figure 0004142600
〔下限値の高速な計算法〕
以下,本実施の形態における小数MC誤差の下限値の高速な計算法について説明する。ここでは,上述の下限値L(v* )が少ない計算量で算出できることを示す。
式(19)に示す下限値L(v* )の計算は,式(4)と式(5)との2要素からなる。つまり,小数画素位置でのMC誤差の下限値L(v* )が,整数画素位置の画素値から定まるということである。したがって,上述の(i)の整数動きベクトルの場合にS(v)を計算しておけば,残る(ii)〜(iv)の場合には,その計算結果を再利用して大幅に計算量を削減できる。なお,Cについては,動きベクトルvによらず一定であるので,一度計算しておけば,再計算の必要はない。
さらに,S(v)の計算では,すでに計算済みの整数動きベクトルuに対する計算結果S(u)を利用することにより,計算量を少なく抑えることができる。以下,図2を用いて説明する。
図2は,本実施の形態におけるS(v)の高速な計算法を説明する図である。図2において,A(v)は,参照フレーム中で動きベクトルvが指す領域であり,ft-1 (p−v),p∈Bを含んでいる。このとき,q=p−vとすると,上記の式(5)は,次の式(20)のように表すことができる。
Figure 0004142600
動きベクトルvの指す領域A(v)と動きベクトルuの指す領域A(u)とが,図2(a)に示す関係にあるものとし,領域A(v)と領域A(u)とに共通する領域(図2においてハッチングされた部分)を領域C(u,v)とする。このとき,図2(b)に示す関係を用いて,次のような式展開が可能である。なお,領域A(v)から領域C(u,v)を除いた領域をA(v)/C(u,v)と表し,領域A(u)から領域C(u,v)を除いた領域をA(u)/C(u,v)と表すものとする。
Figure 0004142600
このように,S(v)の計算において,すでに計算済のS(u)を利用すれば,新たに計算するのはS(v)とS(u)との差分のみとなり,計算量を少なく抑えることができる。
〔動きベクトル推定処理〕
図3は,本実施の形態における動きベクトル推定処理フローチャートである。ここでは,符号化対象フレームft (p)および参照フレームft-1 (p)を入力とし,探索範囲Ri に含まれる動きベクトルv∈Ri からフレーム間予測誤差E(v)を最小化する動きベクトルを探索し,それを出力とする。なお,図3に示す動きベクトルの探索は,符号化対象フレームの各領域Bi ごとに行われる。
まず,フレーム間予測誤差の最小値を格納するレジスタMに,十分に大きな値を入れ,初期化する(ステップS10)。次に,動きベクトルv=(x,y)に対するフレーム間予測誤差の下限値を求めるのに先立ち,符号化ブロックの画素値和Cを算出し,それをレジスタcに格納する(ステップS11)。また,整数動きベクトルの指す参照ブロックの画素値和S(v)を算出し,レジスタs[x,y]に格納する(ステップS12)。ここで,参照ブロックの画素値和S(v)は,上記の式(21)に示すように,すでにレジスタに格納された近傍の参照ブロックの画素値和S(u)を利用して求める。
なお,この参照ブロックの画素値和S(v)は,図1に示す整数画素位置の参照ブロック画素値和算出部102において,参照フレーム121における全ての整数画素位置の参照ブロックについて事前に算出するようにすれば,各符号化対象ブロックの符号化処理ごとに求める必要はない。
次に,上記の式(19)により動きベクトルvに対するフレーム間予測誤差の下限値L(v* )を算出し,レジスタLに格納する(ステップS13)。このとき,小数画素位置の動きベクトルに対するフレーム間予測誤差の下限値の計算では,上記の下限値の高速な計算法で説明したように,レジスタcに格納された符号化ブロックの画素値和C,およびレジスタs[x,y]に格納された整数画素位置の動きベクトルに対する参照ブロック画素値和S(v)の値を参照することにより,重複する計算を省略することができる。
レジスタLの値とレジスタMの値とを比較し(ステップS14),M≦Lが満たされる場合には,動きベクトルvに対するフレーム間予測誤差E(v)がM≦E(v)となるので,この動きベクトルvは最適解の候補から外れる。したがって,ステップS18へ進む。
一方,M>Lの場合には,フレーム間予測誤差E(v)がレジスタMの値よりも小さくなる可能性があるので,フレーム間予測誤差E(v)を算出する(ステップS15)。続いて,フレーム間予測誤差E(v)とレジスタMの値との大小比較を行い(ステップS16),M≦E(v)が満たされる場合には,この動きベクトルvは最適解の候補から外れるので,ステップS18へ進む。
ステップS16において,M>E(v)の場合(フレーム間予測誤差E(v)のほうが小さい場合)には,レジスタMの値を,ステップS15で算出したフレーム間予測誤差E(v)に更新し,このときの動きベクトルvを最適な動きベクトルの候補としてレジスタUに格納する(ステップS17)。
ステップS13〜S17の処理を,動きベクトルを更新しながら探索範囲Ri に含まれるすべての動きベクトルについて行い(ステップS18,S19),最終的なレジスタUの値を最適な動きベクトルとして出力する(ステップS20)。
本発明の実施の形態に係る動きベクトル推定装置の構成例を示す図である。 本実施の形態におけるS(v)の高速な計算法を説明する図である。 本実施の形態における動きベクトル推定処理フローチャートである。 一般的な動画像符号化装置の構成例を示す図である。
符号の説明
1 動き探索部
2 フレームメモリ
3 動き補償部
4 減算器
5 DCT部
6 量子化部
7 符号化部
8 逆量子化部
9 逆DCT部
10 加算器
100 動きベクトル推定装置
101 符号化対象ブロック画素値和算出部
102 整数画素位置の参照ブロック画素値和算出部
103,104 画素値和記憶部
105 最小値記憶部
106 下限値算出部
107 下限値比較部
108 フレーム間予測誤差算出部
109 誤差比較部
110 最小値更新部
111 動きベクトル記憶部
112 動きベクトル更新部
120 符号化対象フレーム
121 参照フレーム

Claims (6)

  1. 小数画素精度動き補償を用いてフレーム間予測を行う画像符号化方式における動きベクトル推定方法であって,
    符号化対象フレームにおける符号化対象領域の画素値の和を算出し記憶する第1の過程と,
    参照フレームにおける整数画素位置の参照領域における画素値の和を算出し記憶する第2の過程と,
    動きベクトルを小数画素精度で探索する際に,小数画素精度の動きベクトルごとに,動き補償後のフレーム間予測誤差に対する下限値を,前記第1の過程で算出された符号化対象領域の画素値の和と,前記第2の過程で算出された整数画素位置の参照領域における画素値の和とを用いて算出する第の過程と,
    前記第3の過程で算出された下限値と,動きベクトルの探索範囲内においてそれまでに算出されたフレーム間予測誤差の最小値とを比較する第の過程と,
    前記下限値のほうが前記最小値よりも小さい場合にのみ,前記動きベクトルに対するフレーム間予測誤差を算出する第の過程と,
    前記第5の過程で算出されたフレーム間予測誤差と前記最小値とを比較する第の過程と,
    記フレーム間予測誤差のほうが前記最小値よりも小さい場合に,当該フレーム間予測誤差を,新たなフレーム間予測誤差の最小値として設定し,そのときの動きベクトルを記憶する第の過程とを有し,
    前記第の過程から前記第の過程を,探索範囲内のすべての小数画素精度の動きベクトルについて繰り返し,最終的に前記第の過程で記憶した動きベクトルを,動き補償に用いる動きベクトルとする
    ことを特徴とする動きベクトル推定方法。
  2. 請求項に記載の動きベクトル推定方法において,
    前記第2の過程では,当該参照領域の近傍の参照領域に対して,以前に算出され記憶された画素値の和と,当該参照領域と前記近傍の参照領域との差分の領域の画素値の和とから,当該参照領域における画素値の和を算出する
    ことを特徴とする動きベクトル推定方法。
  3. 小数画素精度動き補償を用いてフレーム間予測を行う画像符号化方式における動きベクトル推定装置であって,
    符号化対象フレームにおける符号化対象領域の画素値の和を算出し記憶する第1の手段と,
    参照フレームにおける整数画素位置の参照領域における画素値の和を算出し記憶する第2の手段と,
    動きベクトルを小数画素精度で探索する際に,小数画素精度の動きベクトルごとに,動き補償後のフレーム間予測誤差に対する下限値を,前記第1の手段で算出された符号化対象領域の画素値の和と,前記第2の手段で算出された整数画素位置の参照領域における画素値の和とを用いて算出する第の手段と,
    前記第3の手段で算出された下限値と,動きベクトルの探索範囲内においてそれまでに算出されたフレーム間予測誤差の最小値とを比較する第の手段と,
    前記下限値のほうが前記最小値よりも小さい場合にのみ,前記動きベクトルに対するフレーム間予測誤差を算出する第の手段と,
    前記第5の手段で算出されたフレーム間予測誤差と前記最小値とを比較する第の手段と,
    記フレーム間予測誤差のほうが前記最小値よりも小さい場合に,当該フレーム間予測誤差を,新たなフレーム間予測誤差の最小値として設定し,そのときの動きベクトルを記憶する第の手段とを備え,
    前記第の手段による処理から前記第7手段による処理を,探索範囲内のすべての小数画素精度の動きベクトルについて繰り返し,最終的に前記第の手段で記憶した動きベクトルを,動き補償に用いる動きベクトルとする
    ことを特徴とする動きベクトル推定装置。
  4. 請求項に記載の動きベクトル推定装置において,
    前記第2の手段では,当該参照領域の近傍の参照領域に対して,以前に算出され記憶された画素値の和と,当該参照領域と前記近傍の参照領域との差分の領域の画素値の和とから,当該参照領域における画素値の和を算出する
    ことを特徴とする動きベクトル推定装置。
  5. 請求項1または請求項2に記載の動きベクトル推定方法をコンピュータに実行させるための動きベクトル推定プログラム。
  6. 請求項1または請求項2に記載の動きベクトル推定方法をコンピュータに実行させるためのプログラムを,コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録した
    ことを特徴とする動きベクトル推定プログラム記録媒体。
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