JP4142036B2 - 誘導路 - Google Patents

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本発明は、測定対象の気体からちり、ほこり、霧状の水分、油分などの不要物を取り除くなど、測定に適した状態で気体をセンサに導くための誘導路に関する。
近年、給湯機などの燃焼装置では、適正な空気量を供給するために、燃焼ファンから送り込む空気の流速を熱線式流速センサ等で実測し、これに基づいて燃焼ファンの回転数等を制御している。
このように気体の流速を測定するセンサの一つである熱線式流速センサは、ヒーターとして作用する抵抗素子を中心にしてその近傍に2つの温度検出用の薄膜抵抗素子を、測定対象となる気体の流れの上流側と下流側とに分けて配置した構造を成しており、温度検出用の2つの薄膜抵抗素子の検出する温度差に基づいて気体の流速を検知するものである。
かかるセンサでは、センサの表面にゴミなどが付着すると的確な測定ができなくなるので、測定対象の気体からちりやほこりなどの微少なゴミのほか、霧状になっている水分や油分などの不要物を除去するための対策が施される。
たとえば、図14に示すように、ある程度の容量を備えた堆積室1400の一の側壁面1401に気体の入口1402を一方の隅に片寄せて設け、対面する側壁面1403の反対側の隅に気体の出口1404を設けるとともに、先の入口1402に狭い流路から流速を高めて気体を送り込むように構成したゴミトラップ用の気体誘導路を、センサの前段に配置する。
このような気体誘導路では、高い流速で堆積室1400内に流入した気体に含まれる不要物は、気体の分子に比べて質量が大きいので、その分、慣性が強く作用し、堆積室1400の対面する側壁面1403に衝突して堆積する。一方慣性の小さい気体自身は、入口1402から出口1404に向かって堆積室1400の中を斜めに流れて通過する。
かかる従来の気体誘導路では、気体の入口と出口とを対面する側壁面の相反する隅寄りに設けているので、気体中の不要物が図14の斜線で示すような入口の正面部分だけに堆積する。このため堆積室の入口が目詰まりを起こしやすいとともに、不要物が堆積室の一部分にしか堆積しないので、堆積室が有効利用されていないという問題があった。また堆積室のみでは、不要物を完全に除去することは困難であった。
このほか、熱線式流速センサを高流速域で用いた場合には、流路内の屈曲等によって気体が振動したり脈動し、安定したセンサ出力を得ることができないという問題もあった。
本発明は、このような従来の技術が有する問題点に着目してなされたもので、測定対象の気体を、ちりやほこりなどの不要物が適切に除去された状態でセンサに導くとともに、高流速域でもセンサ出力に脈動の生じない気体誘導路を提供することを目的としている。
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、次の各項の発明に存する。
]所定のセンサ(70)に測定対象となる気体を導くための気体誘導路において、
測定対象となる気体の流速を高める加速用流路部(102、202)と、該加速用流路部(102、202)よりも小さい流路断面積を有し、前段の流路の側壁面に入口部が開口されたバイパス流路(301〜303)であって前記前段の流路内の気体の一部を分流するものを前記加速用流路部(102、202)の側壁面に入口部が開口したものを1段目として複数段設けたものと、を備え、
前記バイパス流路(301〜303)の最終段を除く各段は、流路断面積を小さくした加速用流路としての機能を果たす部分を有し、前記バイパス流路(301〜303)の1段目を除く各段は、前記入口部が前記前段の加速用流路としての機能を果たす部分の側壁面に開口され、
最終段のバイパス流路(303)の途中に前記センサ(70)を配置するように構成したことを特徴とする気体誘導路。
]前記センサ(70)の上流側に均圧室としてのチャンバ(401)を設けたことを特徴とする[]記載の気体誘導路。
]前記均圧室としてのチャンバ(401)の容積を、前記センサ(70)に到達する気体の最大流速に応じて設定したことを特徴とする[]記載の気体誘導路。
]前記バイパス流路(110、210)のうち少なくとも前記センサ(70)の配置される個所の流路断面積を当該バイパス流路(110、210)の他の部分よりも小さくしたことを特徴とする[1]、[2]または[]記載の気体誘導路。
前記本発明は次のように作用する。
測定対象となる気体の流速を高める加速用流路部(102、202)と、加速用流路部(102、202)の側壁面に入口部が開口されかつ加速用流路部(102、202)で加速された気体の一部を分流するバイパス流路(110、210)とを備えた構成の気体誘導路では、質量の大きな不要物は、加速用流路部(102、202)で加速されてその流速が高まっているので、慣性の作用が強く現れ、バイパス流路(110、210)の入口部の前を通過し、バイパス流路(110、210)へは不要物の取り除かれた気体成分だけが流れ込む。したがって、このパイパス流路の途中にセンサ(70)を配置することで、不要物がセンサ(70)に到達することを回避することができる。
また、前段のバイパス流路(110、210)から気体の一部を分流するようにバイパス流路(110、210)を複数段設け、最終段のバイパス流路(110、210)内にセンサ(70)を配置したものでは、不要物がセンサ(70)に到達することを、より効果的に防止することができる。また、不要物を堆積させないので、不要物の堆積による圧損が変化してしまうことを避けることができる。
なお、分流することでバイパス流路(110、210)内での気体の流量が元の気体の流量に比べて少なくなるので、バイパス流路(110、210)のうち少なくともセンサ(70)の配置される個所の流路断面積を当該バイパス流路(110、210)の他の部分よりも小さくする。これにより、センサ(70)のすぐ前を通過する気体の流量(流速)が増え、感度の低下が防止される。
このほか、センサ(70)の上流側に均圧室としてのチャンバ(401)を設ける。また均圧室としてのチャンバ(401)の容積を、センサ(70)に到達する気体の最大流速に応じて設定する。このようにある程度の容積を持ったチャンバ(401)をセンサ(70)の上流側に設けることで、気体の流速を高めた場合にも熱線式流速センサ(70)の出力に脈動が現れることを防止できる。なお、流速が高まるほど脈動を防止するために必要とされる、チャンバ(401)の容量が増加するので、チャンバ(401)の容量は予測される最大流速に応じて設定される。
気体をセンサまで導く気体誘導路を、気体の流速を高める加速用流路部と、加速用流路部で加速された気体の一部を分流するバイパス流路で構成したものでは、加速することによって、質量の大きな不要物の慣性が高まり、バイパス流路の入口部の前を不要物が通過して、バイパス流路には不要物の取り除かれた気体成分だけが流れ込む。したがって、このパイパス流路の途中にセンサを配置することで、不要物がセンサに到達することを効果的に回避することができる。
さらにセンサの上流側に均圧室としてのチャンバを設けた気体誘導路では、熱線式流速センサ等のセンサ出力に高い流速域で脈動が現れることを防止することができる。
以下、図面に基づき本発明の各種実施の形態を説明する。
図1から図5は、本発明の第1の実施の形態にかかる気体誘導路10を示している。各図は、上蓋および底蓋を外した状態の気体誘導路本体部10aを示している。図1は、気体誘導路本体部10aを上から見た様子を、図2は、図1のA−A断面を、図3は、気体誘導路本体部10aを下から見た様子を、図4は、図3のB−B断面をそれぞれ示している。
気体誘導路10は、気体に含まれるちりやほこり、あるいは霧状の水分や油分などの不要物を熱線式流速センサ70等のセンサに送る前に除去する機能を果たすものである。
熱線式流速センサ70は、ヒーターとして作用する抵抗素子を中心にしてその近傍に2つの温度検出用の薄膜抵抗素子を、測定対象となる気体の流れの上流側と下流側とに分けて配置した構造を成しており、温度検出用の2つの薄膜抵抗素子の検出する温度差に基づいて気体の流速を検知するものである。
熱線式流速センサ70は、給湯機などの燃焼装置において、適正な空気比を確保するために燃焼ファンから実際に送り込んでいる空気の流速を測定する等の目的で使用される。
気体誘導路10は、各図に示す気体誘導路本体部10aと、図示省略した上蓋および底蓋で構成される。気体誘導路本体部10aは、気体流入口11と、気体流出口12と、不要物を除去するための複数の堆積室21〜25と、隣り合う堆積室を接続するとともに気体の流速を高めるための狭通路部31〜35と、前室40と、最終段の堆積室25と前室40とを結ぶ挟通路部36と、センサ取付け通路部50と、後室60とから構成されている。なお挟通路部31〜36の流路断面積は、堆積室21〜25に比べて十分小さくなっている。
気体流入口11から流入した気体は、第1の狭通路部31〜第1の堆積室21〜第2の狭通路部32〜第2の堆積室22〜第3の狭通路部33〜第3の堆積室23〜第4の狭通路部34〜第4の堆積室24〜第5の狭通路部35〜第5の堆積室25〜第6の狭通路部36を順に通過して前室40に到達するようになっている。
前室40には、センサ取付け通路部50への入口51が開口している。前室40内の気体は、入口51から気体誘導路10の裏面側へ抜け、図3、図4に示すように中央部のくびれたセンサ取付け通路部50を通り、出口52から後室60に流れ出て、気体流出口12を通じて気体誘導路10から排出されるようになっている。なお、センサ取付け通路部50自体は溝の形を成しており、図4に示すように熱線式流速センサ70を取り付けた平板71でセンサ取付け通路部50を裏面側から覆うことで流路が形成されるようになっている。
図2に示すように各堆積室21〜25は、狭通路部31〜36の断面高さよりも深く形成され、各狭通路部31〜36は、図示省略した上蓋寄りの位置にて各堆積室21〜25および前室40をつないでいる。なお、狭通路部31〜36および堆積室21〜25は、上蓋を閉じることで、それぞれ通路および室としての形を成すようになっている。
第1の堆積室21、第4の堆積室24、第5の堆積室25においては、気体の入口は、一の側壁面のうち左右いずれかの隅に片寄せた箇所に開口し、気体の出口は、入口の開口している側壁面と垂直な2つの側壁面のうち入口から遠い方の側壁面であって、入口の対向している側壁面から最も遠い角寄りの位置に開口している。
また第2の堆積室22では、入口は上述と同様に開口し、気体の出口は、入口の開口している側壁面と垂直な2つの側壁面のうち入口から遠い方の側壁面の中央上部に開口している。第3の堆積室23の入口は、第2の堆積室22の出口に連通しているので、これまた側壁面の中央上部部分に開口している。第3の堆積室23の気体出口は、入口の開口している側壁面と垂直ないずれか一方の側壁面であって、入口の対向している側壁面から最も遠い角寄りの位置に開口している。ここでは、各堆積室21〜25は一辺が6ミリで深さ8ミリの中空直方体形状を成し、各狭通路部31〜36は、略2ミリ四方の断面を備えている。
次に作用を説明する。
図5は、第1の狭通路部31、第1の堆積室21、第2の狭通路部32を上方から見た様子を示している。第1の狭通路部31から流入する気体は、第1の狭通路部31の流路断面積が小さいことからその流速を増した状態で第1の堆積室21の中へ流れ込む。ちりやほこり、あるいは霧状になった水分や油分等の不要物は、気体自身に比べて質量密度が大きいので、慣性の影響で第1の狭通路部31から流入した方向にそのまま直進し、対向する側壁面81に衝突し、下方に落下して堆積する。一方、慣性の小さい気体自身は、堆積室内で方向を変えて、第2の狭通路部32から次の堆積室へと流れ込む。
ここで、堆積室からの気体の出口32が、入口31に対して図示するような位置関係にあるので、気体が堆積室の中で90度以上方向を変えて堆積室内を広範囲に通過するので、不要物の堆積可能な場所が、図14に示す従来のものに比して広がり、堆積室を不要物の堆積場所として有効利用することができる。
なお、第2の堆積室22のように気体の出口が側壁面の中央上部に位置するものや第3の堆積室23のように気体の入口が側壁面の中央上部に位置する場合であっても、入口と対向する面に出口が存在する場合に比べると、不要物の堆積場所を多く確保することができる。
さらに側壁面に衝突した不要物が堆積室の底から順に堆積することから、堆積室21〜25の深さを狭通路部31〜36の断面高さよりも大きくし、狭通路部31〜35の出口および堆積室21〜25からの気体の出口部を堆積室の上面寄りに設けることで、入口や出口が目詰まりするまでにより多くの不要物を堆積室内に溜めることが可能になっている。
なお、複数の堆積室21〜25を狭通路部31〜36を介して直列接続することで、不要物の除去効果が高められている。また第3の堆積室23のように側壁面の中央に気体の出入口を備えたものを含むことで、多数の堆積室を密集配置でき、気体誘導路10の小型化に貢献している。
また図1等で示したものでは、熱線式流速センサ70の上流側にのみ堆積室21〜25を設けているので、センサの上流側と下流側の双方に堆積室等を設ける場合に比べて圧損が低減され、センサに気体を高速で流す必要のある場合(低圧損用のセンサを用いる場合)等に好適である。
図6は、本発明の第2の実施の形態にかかる気体誘導路100を示している。気体誘導路100は、気体導入口101と、流入した気体の流速を高める加速用流路部102と、バイパス流路110と、気体導出口104とから構成されている。バイパス流路110の入口は、加速用流路部102の側壁に開口し、出口は、気体導出口104の側壁に開口している。
加速用流路部102の流路断面積は、流速を高めるために気体導入口101より小さくなっており、バイパス流路110の流路断面積は、加速用流路部102よりもさらに小さくなっている。またバイパス流路110の途中に、熱線式流速センサ70が配置されている。
次に作用を説明する。
気体導入口101から流入した気体は、流路断面積の小さい加速用流路部102に入ることで流速が高められる。またバイパス流路110の出口が加速用流路部102の中に比して低圧の気体導出口104に開口しているので、加速用流路部102中の流速の高まった気体の一部はバイパス流路110側へと分流し、残りはそのまま直進して気体導出口104に到達する。
気体導入口101から流入した気体に含まれるちりやほこり、あるいは霧状の水分、油分等の不要物は、加速用流路部102に入ることで流速が高められて慣性が増す。このため、気体中の不要物121は、バイパス流路110の入口正面をそのまま直進して通過して、ほとんどバイパス流路110の中に侵入しなくなる。したがって、熱線式流速センサ70には、不要物の除去された気体が到達することになる。
このように気体誘導路100では、不要物を堆積させることなく、熱線式流速センサ70への不要物の到達を防止することができる。その結果、不要物の堆積によって堆積室が目詰まりを起こしたり、多量の不要物が堆積したために圧損が増加して流速の測定結果に誤差が生じる等の問題が生じない。
図7は、本発明の第3の実施の形態にかかる気体誘導路200を示している。気体誘導路200は、気体導入口201と、流入した気体の流速を高める加速用流路部202と、バイパス流路210と、気体導出口204とから構成されている。加速用流路部202は、その途中に流路断面積を小さくした絞り部203を有している。
バイパス流路210の入口は、絞り部203の上流側で加速用流路部202の側壁に開口し、バイパス流路210の出口は、絞り部203の直ぐ下流側で加速用流路部202の側壁に開口している。加速用流路部202の流路断面積は、流速を高めるために気体導入口201よりも小さくなっており、バイパス流路210の流路断面積は、加速用流路部202よりもさらに小さくなっている。またバイパス流路210の途中に、熱線式流速センサ70が配置されている。
次に作用を説明する。
気体導入口201から流入した気体は、流路断面積の小さい加速用流路部202に入る際に流速が高められる。また加速用流路部202の出口が加速用流路部202の途中に設けた絞り部203の直ぐ下流側の低圧な領域に開口しているので、バイパス流路210の出口から加速用流路部202へと気体が吸い出される。その結果、気体導入口201から加速用流路部202に流入した気体の一部が、バイパス流路210側に分流する。
気体導入口201から加速用流路部202へ流入することで流速の高まった気体の中の不要物は、その慣性のためにバイパス流路210の入口正面をそのまま直進して通過して、ほとんどバイパス流路210内に侵入せず、図6に示したものと同様の効果を得ることができる。
分流することでバイパス流路110、210の中での気体の流量は、気体導入口101、201に流入した気体の元の流量に比べて少なくなる。そこで、図8に示すようにバイパス流路110、210のうち、熱線式流速センサ70の近傍を、他の部分よりさらに流路断面積を小さくすることで、熱線式流速センサ70の前を通過する気体の流速を高め、流量不足を補うことができる。すなわち、バイパス流路の中でセンサの近傍を他の箇所よりも細くして流路幅をセンサの接触面の大きさに近づけることで、センサの前を実際に通過する気体の流量(流速)を増やすことができ、感度の低下を補うことができる。
また、図9に示すように、最終段を除くバイパス流路に加速用流路としての機能を具備させ、バイパス流路301〜303を複数段接続し、最終段のバイパス流路303に熱線式流速センサ70を設けるようにしてもよい。これにより熱線式流速センサ70に到達する不要物の量をさらに低減することができる。なお、気体導入口に続く加速用流路部で気体の流速を十分に高めてある場合には、各バイパス流路に気体の流速を加速する機能を具備させる必要はない。ただし、バイパス流路側に気体を分流させるためには、たとえば、図7で示した絞り部を最終段以外のバイパス流路に設ける等を行う必要がある。
次に、本発明の第4の実施の形態にかかる気体誘導路400について説明する。図10に示すものは、高い流速域で使用しても熱線式流速センサ70の出力値が脈動しないような対策を施した気体誘導路400を示している。
気体誘導路400は、熱線式流速センサ70の上流側に均圧室として機能するチャンバ401を備えている。図11は、チャンバ401を設けない場合における気体の流速と熱線式流速センサ70の出力との関係を示したものである。この図で、縦軸は、センサ出力を、横軸は時間を示し、所定時間ごとに流速を段階的に高めた様子を示している。この例では、流速が4m/sを越えるあたりから、熱線式流速センサ70の出力値が安定せず、脈動501が現れている。これは送り込む流速が4m/sを越えたあたりから、センサの前を通過する気体の流速が実際に脈打つように変動していることを示している。
図12は、熱線式流速センサ70の上流側にチャンバ401を設けた場合における図11と同様の測定結果を示している。このように、チャンバ401を配置することで、流速が4m/sあたりでの脈動は抑えられ、流速7m/s付近において、はじめて脈動が観測されている。
図13は、チャンバ401の容量と、気体の流速と、センサ出力との関係を示している。点線で示す部分は脈動が生じた流速域である。
この図から、流速が増すほど、その脈動を抑えるために必要なチャンバの容量が大きくなることがわかる。したがって、センサの前を流れる気体の最大流速に応じてチャンバ401の容量を設定することで、必要な流速域において脈動が生じることを的確に防止することができる。なお、第1の実施の形態で示したものの前室40は、本実施の形態のチャンバとしての機能を果たしている。
以上説明した実施の形態では、気体誘導路に設けるセンサとして熱線式流速センサを用いたが、不要物の除去が必要とされるセンサであれば、他の種類のセンサであってもかまわない。また第1の実施の形態にかかる気体誘導路では、狭通路部は、その長さが堆積室の壁面厚さに等しい短いものであったが、より長いダクトを狭通路部としてもよい。この場合には、入口から堆積室に流入した不要物の進む方向性がより強まり、堆積室内で気体の流れる方向を大きく変えても、入口と対向する壁面に不要物を的確に衝突させて堆積させることができる。
また、発明を実施するための最良の形態には、次の各項の発明も含まれている。
[1]気体中の不要物を取り除くための気体誘導路において、
前記気体の流速を高めるための狭通路部(31〜35)と、前記気体中の不要物を堆積させるための中空直方体を成した堆積室(21〜25)であってその通路断面積が前記狭通路部(31〜35)より大きいものとを備え、
前記狭通路部(31〜35)の出口を前記堆積室(21〜25)の一の側壁面に開口させ、
前記堆積室(21〜25)からの気体の出口部を、前記堆積室(21〜25)の側壁面のうち前記狭通路部(31〜35)の出口が開口している前記一の側壁面と垂直な側壁面の中で前記一の側壁面と対面する側壁面から離した位置に設けたことを特徴とする気体誘導路。
[2]気体中の不要物を取り除くための気体誘導路において、
前記気体の流速を高めるための狭通路部(31〜35)と、前記気体中の不要物を堆積させるための中空直方体を成した堆積室(21〜25)であってその通路断面積が前記狭通路部(31〜35)より大きいものとを備え、
前記狭通路部(31〜35)の出口を前記堆積室(21〜25)の一の側壁面にその左右のいずれかに片寄せて開口させ、
前記堆積室(21〜25)からの気体の出口部を、前記堆積室(21〜25)の側壁面のうち前記狭通路部(31〜35)の出口が開口している前記一の側壁面に垂直であって前記狭通路部(31〜35)の出口から遠い方の側壁面の中で前記一の側壁面と対面する側壁面から離した位置に設けたことを特徴とする気体誘導路。
[3]前記堆積室(21〜25)からの気体の出口部を、前記狭通路部(31〜35)の出口が開口している前記一の側壁面寄りに設けたことを特徴する[1]または[2]記載の気体誘導路。
[4]前記堆積室(21〜25)の高さを前記狭通路部(31〜35)の断面高さよりも大きくし、前記狭通路部(31〜35)の出口および前記堆積室(21〜25)からの気体の出口部を堆積室(21〜25)の天上面寄りに設けたことを特徴とする[1]、[2]または[3]記載の気体誘導路。
[5]複数の堆積室(21〜25)を前記狭通路部(31〜35)を介して直列に接続したことを特徴とする[1]、[2]、[3]または[4]記載の気体誘導路。
[6]前記堆積室(21〜25)および前記狭通路部(31〜35)を前記気体を測定対象とする所定のセンサの前記気体の流れで上流側にのみ配置したことを特徴とする[1]、[2]、[3]、[4]または[5]記載の気体誘導路。
前記本発明は次のように作用する。
堆積室(21〜25)からの気体の出口部を、狭通路部(31〜35)の出口が開口している一の側壁面と垂直な側壁面の中で先の一の側壁面と対面する側壁面から離した位置に設けてあるので、狭通路部(31〜35)から堆積室(21〜25)内に流入した気体が、堆積室(21〜25)を出るまでに流れの向きを90度以上変えて堆積室(21〜25)内を広範囲に通過する。そのため、不要物の堆積する場所が広がり、堆積室(21〜25)を不要物の堆積場所として有効利用することができる。
また狭通路部(31〜35)の出口を堆積室(21〜25)の一の側壁面の左右いずれかに片寄せて開口させ、堆積室(21〜25)からの気体の出口部を、狭通路部(31〜35)の出口の開口箇所から遠い方の側壁面に設けたり、堆積室(21〜25)からの気体の出口部を、狭通路部(31〜35)の出口が開口している一の側壁面側に寄せて設けたものでは、堆積室(21〜25)に入ってから出るまでに気体が堆積室(21〜25)内をより広範囲に通過するようになり、不要物の堆積場所をさらに広げることができる。
さらに堆積室(21〜25)の高さを狭通路部(31〜35)の断面高さよりも大きくし、狭通路部(31〜35)の出口および堆積室(21〜25)からの気体の出口部を堆積室(21〜25)の天上面寄りに設けたものでは、慣性の作用で側壁面に衝突した不要物が堆積室(21〜25)の底から順に堆積するので、上部に設けた入口や出口が目詰まりするまでにより多くの不要物を堆積室(21〜25)内に溜めることができる。
なお、複数の堆積室(21〜25)を狭通路部(31〜35)を介して直列に接続するものでは、不要物の除去効果をより一層高めることができる。また堆積室(21〜25)および狭通路部(31〜35)を、気体を測定対象とする所定のセンサ(70)の上流側にのみ配置するよう構成したものでは、センサ(70)の上流側と下流側の双方に堆積室(21〜25)を設ける場合に比べて、圧損が低減され、センサ(70)の前に気体を高速で流す必要のある場合、すなわち低圧損用のセンサを用いる場合等に好適である。
本発明にかかる気体誘導路によれば、狭通路部で加速した気体が堆積室に流入してから当該堆積室を出るまでに流れの向きを90度以上変えて堆積室内を広範囲に通過するように入口と出口との配置を定めたので、不要物の堆積する場所が広がり、不要物の堆積場所として堆積室を有効利用することができる。これにより、堆積室の目詰まりが起こりにくく、長い寿命を得ることができる。
本発明の第1の実施の形態に係る気体誘導路本体部を示す上面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る気体誘導路本体部のうち堆積室の存する箇所における断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る気体誘導路本体部を示す底面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る気体誘導路本体部の中心位置における断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る気体誘導路内での気体の軌跡および不要物の堆積場所を示す説明図である。 本発明の第2の実施の形態に係る気体誘導路を示す断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る気体誘導路を示す断面図である。 センサの周辺で流路断面積をさらに狭くしたものの一例を示す説明図である。 バイパス流路を複数段構成としたものの一例を示す説明図である。 本発明の第4の実施の形態に係る気体誘導路を示す断面図である。 チャンバが無い場合におけるセンサ出力と流速との関係の一例を示す説明図である。 チャンバを設けた場合におけるセンサ出力と流速との関係の一例を示す説明図である。 流速とセンサ出力とチャンバの容積との関係を示す説明図である。 従来から使用されている気体誘導路内での気体の軌跡および不要物の堆積箇所を示す説明図である。
符号の説明
10…気体誘導路
10a…気体誘導路本体部
11…気体流入口
12…気体流出口
21〜25…堆積室
31〜36…狭通路部
40…前室
50…センサ取付け通路部
51…入口
52…出口
60…後室
70…熱線式流速センサ
71…平板
100、200…気体誘導路
101、201…気体導入口
102、202…加速用流路部
104、204…気体導出口
110、210…バイパス流路
203…絞り部
400…気体誘導路
401…チャンバ

Claims (4)

  1. 所定のセンサに測定対象となる気体を導くための気体誘導路において、
    測定対象となる気体の流速を高める加速用流路部と、該加速用流路部よりも小さい流路断面積を有し、前段の流路の側壁面に入口部が開口されたバイパス流路であって前記前段の流路内の気体の一部を分流するものを前記加速用流路部の側壁面に入口部が開口したものを1段目として複数段設けたものと、を備え、
    前記バイパス流路の最終段を除く各段は、流路断面積を小さくした加速用流路としての機能を果たす部分を有し、前記バイパス流路の1段目を除く各段は、前記入口部が前記前段の加速用流路としての機能を果たす部分の側壁面に開口され、
    最終段のバイパス流路の途中に前記センサを配置するように構成したことを特徴とする気体誘導路。
  2. 前記センサの上流側に均圧室としてのチャンバを設けたことを特徴とする請求項記載の気体誘導路。
  3. 前記均圧室としてのチャンバの容積を、前記センサに到達する気体の最大流速に応じて設定したことを特徴とする請求項記載の気体誘導路。
  4. 前記バイパス流路のうち少なくとも前記センサの配置される個所の流路断面積を当該バイパス流路の他の部分よりも小さくしたことを特徴とする請求項1、2または記載の気体誘導路。
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