JP4140965B2 - 吸光式分析計 - Google Patents

吸光式分析計 Download PDF

Info

Publication number
JP4140965B2
JP4140965B2 JP2003385453A JP2003385453A JP4140965B2 JP 4140965 B2 JP4140965 B2 JP 4140965B2 JP 2003385453 A JP2003385453 A JP 2003385453A JP 2003385453 A JP2003385453 A JP 2003385453A JP 4140965 B2 JP4140965 B2 JP 4140965B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
optical element
inclined surface
wavelength
detector
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003385453A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2005147839A (ja
Inventor
重之 秋山
哲志 井ノ上
卓司 生田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Horiba Ltd
Original Assignee
Horiba Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Horiba Ltd filed Critical Horiba Ltd
Priority to JP2003385453A priority Critical patent/JP4140965B2/ja
Publication of JP2005147839A publication Critical patent/JP2005147839A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4140965B2 publication Critical patent/JP4140965B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

本発明は、各種流体中の特定成分の濃度を測定する吸光式分析計に関するもので、特に試料中に共存する複数成分を測定する、高精度でコンパクトな流体濃度測定装置に有用である。
近年、各種製造プロセスにおいては、管理対象物質および各種の妨害物質の濃度管理が不可欠となり、多種多様な用途に対応できる精度の良い測定器が求められ、従来から、汎用性が高く、同一構成で多種の成分測定が可能で、多成分同時測定が可能な非分散赤外線分析計(以下、「NDIR」という。)や非分散紫外線分析計(以下「NDUV」という。)などの吸光式分析計が多く用いられている。こうした吸光式分析計は、基本的に試料に非接触であることから各種のプロセスのインラインモニターとしても有用である。
ここで、多成分の吸光式分析計として多用されている光断続方式NDIRについて、図10の構成例に基づいて説明する。光源用電源4からの電力を注入すると光源部1からの赤外線が試料セル部2を介して検出器3、3’、3”に導入されるが、モータ5によって駆動されるチョッパ6がその光学系の中間に設けられ、前記赤外線は断続光となって、検出器3、3’、3”に投入される。光源部1と検出器3、3’、3”の間には、通常測定対象成分に対応した波長域の赤外線を選択的に透過する光学フィルタ7、7’、7”が設けられ、試料セル部2に導入された試料流体中の測定成分による赤外線吸収の変化のみを検出している。検出器出力は前置増幅器等(図示せず)で増幅された後、信号処理部8に入力され整流等の信号処理の後、濃度演算されて表示部9に濃度表示され、通常変調周期は5〜100Hzが多く使用されている(例えば特許文献1参照)。
また、上記の機械的光断続方式におけるチョッパ6の代わりに、光源用電源4と光源1の間に光源電圧変調手段を設けて光源1に印加される電力をON−OFFさせて変調する方式や、さらに上記の光変調機構に代わり、流体切換機構を用いて試料流体と基準(比較)流体を一定周期で切換えて変調させ、試料セル部内での赤外線の吸収量の変化分のみを交流信号として取り出す流体変調式NDIRなどが知られている。
さらに、多成分で安定な吸光度分析計として、図11(A)および(B)に示すように、光源1と検出器3との中間に設けられた光学素子7、さらには7’を光路に対して所定の傾斜を有して配し、複数の検出器3、3’、さらには3”に対して光を分波し導入することで、試料セル部2における吸光度の変化を検出することができる方法が実用化されている(例えば特許文献2参照)。
また、こうした構成を有する測定方法は、上記のNDIRだけでなく、NDUVについてもほぼ同様に提案・実用化されている(例えば特許文献3参照)。
特開平10−185816号公報 特許第2903457号公報 特開平8−43302号公報
しかしながら、従来技術で述べた吸光式分析計では、以下のような課題が生じることがある。
つまり、測定成分を増加する場合において、図10のような構成例においては、検出器3の追加に合せて、試料セル2の径を大きくする、あるいは試料セル2と検出器3との中間の設ける分岐ユニットを追加する、などの光学系の大型化が必要となり、また各検出器ごとに利用できる光量が減少するため検出感度の低下を招くことになる。
また、図11(A)のような構成例において測定成分を増加する場合には図11(B)のような構成が挙げられるが、光学素子7’を追加する必要があり、光学系の大型化や部品の追加による光学的なロスによる検出感度の低下が課題となることがある。さらに場合によっては、試料セルを追加することがあり、この場合も同様である。
そこで、本発明の目的は、上記のような問題点を解決し、複数の測定対象に対し、汎用性が高く、高い測定精度を有する吸光式分析計を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、以下に示す吸光式分析計により上記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに到った。
本発明は、光源部、光学素子部、試料セル部および複数の検出器を構成要素として含み、該光源部と検出器との中間に、該光源部からの光束に対する傾斜角が異なる2以上の傾斜面を有し、その傾斜面の一部または全部に光学素子を配する光学素子部を配設し、該光学素子によって前記光源部からの光束を透過光と反射光に分配する吸光式分析計であって、
少なくとも1つの光学素子部において、少なくとも2つの光学素子の透過波長帯がともに1の成分に対応する波長選択性を有し、前記少なくとも2つの光学素子のうちの第1の光学素子と第2の光学素子について、第1の光学素子が第2の光学素子よりも該1の成分に対応する短波長側の透過波長帯を有するとともに、少なくとも前記第1の光学素子と第2の光学素子の透過光を受光する第1の検出器と、
前記第1の光学素子からの反射光のうち、該第1の光学素子の透過光の透過波長帯よりも長波長側の光をカットする第3の光学素子からの透過光を受光する第2の検出器、
および/または前記第2の光学素子からの反射光のうち、該第2の光学素子の透過光の短波長側の光をカットする第4の光学素子の透過光を受光する第3の検出器を有することを特徴とする。
本発明者は、2以上の異なる傾斜面を有する光学素子を用いることで、1の光束の一部を透過光として1の検出器に入射するとともに、その他の光束を反射光として複数の方向に分配することによって、複数の測定成分の検出が可能となることを案出したものである。このとき、各傾斜面の光学特性を調整し、検出器に対する選択性を上げることによって、複数の測定対象に対し、汎用性が高く、高い測定精度を有する吸光式分析計を提供が可能となる。特に、第1の検出器は、各傾斜面からの透過光を全て受光することができることから、最も高感度の検出を必要とする成分の測定に利用することが好ましい。また、各傾斜面からの反射光のうち、各傾斜面に配された光学素子の透過帯よりも長波長側あるいは短波長側の光をカットする第3および/または第4の光学素子を設けることで、第3,第4の光学素子からの透過光を受光する第2および/または第3の検出器は、他成分の影響を受けずに各測定成分を検出することができる。つまり、2以上の傾斜面を有し、各傾斜面に異なる波長選択性を有する光学素子を配することで、2以上の測定成分個々に最適の固有波長域を設定することができる。従って、各成分の最適な検出感度を確保し、より他成分の影響を受けない高精度の測定を可能とすることができる。
本発明は、前記光学素子が配された2以上の傾斜面のうち、前記光源部からの光束に対する受光面積が、1の傾斜面と他の傾斜面で異なることが好適である。試料中に複数の測定成分が共存する場合、各成分の濃度が異なると同時に各成分の吸光度が異なるのが一般的であり、光学素子が配された各傾斜面の受光面積を異なるものとし、透過光および複数の反射光を最適の比率に分配することによって、複数の測定成分に対応した検出感度を確保し、汎用性が高く、高い測定精度を有する多成分の吸光式分析計を提供しようとするものである。
また、前記光学素子が配された2以上の傾斜面のうち、1の傾斜面と他の傾斜面で波長選択性が異なることが好適である。透過光および複数の反射光の各波長選択性を、試料中に共存する複数の各測定成分に最適の波長域となるように設定することによって、各成分の最適な検出感度を確保し、より高精度の多成分の吸光式分析計を提供しようとするものである。
さらに、前記光学素子が配された2以上の傾斜面のうち、1の傾斜面の波長選択性と他の傾斜面の波長選択性が、重複する透過波長領域を有することが好適である。特定成分に対する検出感度を高めるとともに、複数の測定成分に対応した検出感度を確保し、汎用性が高く、高い測定精度を有する多成分の吸光式分析計を提供しようとするものである。つまり、試料中に複数の測定成分が共存する場合、特定成分が非常に低濃度である場合や非常に吸光度が小さい場合がある。このとき、光学素子が配された2以上の傾斜面のうち、1の傾斜面の波長選択性と他の傾斜面の波長選択性が、重複する透過波長領域を有するようにし、光学素子の透過光量を多くすることによって、該透過光を受ける検出器については高い検出感度を確保することができる。また同時に、複数の反射光を最適の比率に分配することも可能である。
以上のように、2以上の異なる傾斜面を有する光学素子を配する吸光度分析計によって、複数の測定成分に対応した波長選択性を調整し、検出器に対する選択性を上げることができる。従って、複数の測定対象に対し、汎用性が高く、高い測定精度を有する多成分の吸光式分析計を提供することができる。
ここで、前記各傾斜面の受光面積が異なる光学素子を用いて、透過光および複数の反射光を最適の比率に分配することによって、複数の測定成分に対応した検出感度の確保を容易にすることができる。
また、前記各傾斜面の波長選択性を異なるものとし、透過光および複数の反射光の各波長選択性を、試料中に共存する複数の各測定成分に最適の波長域となるように設定することによって、各成分の最適な検出感度を確保するとともに、他成分の干渉影響の低減を図ることができる。
さらに、前記各傾斜面の波長選択性を重複する透過波長領域を有するものとすることによって、光学素子の透過光量を多くし特定成分に対する高い検出感度を確保すると同時に、複数の反射光を最適の比率に分配することも可能であり、複数の測定成分に対応した検出感度を確保することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1に、本発明にかかる吸光度分析計の基本的な光学系の第1の構成例を示す。
図1(A)において、光源用電源4からの電力を受けた光源部1、試料セル部2、検出器3a、3b、3c、モータ5によって駆動されるチョッパ6、異なる傾斜面を有する光学素子(「第1の光学素子」と「第2の光学素子」に相当、以下「傾斜面7aおよび傾斜面7b」という。)を配する光学素子部7n、信号処理部8および表示部9からなる構造となっている。光源部1から照射された光がチョッパ6によって断続光として試料セル部2を通過した後、光学素子によって分配され、透過光が検出器3cに入射され、傾斜面7aおよび傾斜面7bによって反射された光がそれぞれ検出器3aおよび3bに入射される。各検出器3a、3b、3cは、試料セル部2に導入された試料中の各測定成分による吸光分を検出器入射光量変化として検知し、各検出器の信号出力として信号処理部8および表示部9によって処理される。このとき、検出器3cは、各傾斜面からの透過光を全て受光することができることから、最も高感度の検出を必要とする成分の測定に利用することが好ましい。また、変調方法や、光源部1と検出器3との中間に設けられる試料セル2や光学素子部7nなどの要素の配列など光学系の構成については、図1に限定されることはないことはいうまでもない。
本発明は、光学素子が複数の傾斜面によって形成され、図1では、透過光が検出器3cに照射されるとともに、傾斜面7aによる反射光が検出器3aに照射され、傾斜面7bによる反射光が検出器3aに照射され、これらが1の光学素子部7nによって構成されている点に特徴がある。傾斜角度は特に限定されるものではないが、図1(B)では傾斜面7aを45°および傾斜面7bを135°とし、光束Inの中心に突部を配し左右に傾斜面を有する場合を例示している。検出器3aおよび3bに対する反射光を最大光量照射することができること、傾斜面が1の場合に比べ試料セル2と検出器3cとの距離が1/2とし光のロスを減少することができること、各検出器の光学素子部7nへの取付けが容易であることなどのメリットが挙げられる。また、図1(C)に他の構成を例示する。各傾斜面の傾斜角度は同様であるが、光束Inを二分し、上下(むろん左右でも可能)に異なる傾斜面を配した構造を形成している。位置合せ等が不要であること、加工あるいは保守作業が容易であることなどのメリットが挙げられる。いずれの場合も、傾斜面7aと7bは、同じ光学特性を有することが通常であるが、後述のように異なる特性を有する場合も可能である。
試料セルとしては、試料導入口および排出口を有するステンレス鋼やアルミニウムなどの金属製あるいは樹脂製の円筒管の両側に光学結晶を固定した構造をとることが多い。
検出器としては、NDIRでは、コンデンサマイクロフォンやフローセンサを内蔵したニューマティック検出器や、パイロ素子あるいはサーモパイル素子などを用いた固体検出器などが挙げられ、前者は検出感度や選択性に優れ、後者は量産性・小型化・汎用性に優れた検出器であり、用途に応じて使い分けが可能である。NDUVでは、光電子倍増管や、フォトセルやフォトダイオードなどの固体検出器などが挙げられ、前者は検出感度や選択性に優れ、後者は量産性・小型化・汎用性に優れた検出器である。
ここで、光学素子とは、基板に多層膜を形成した光学フィルタや特定の波長域を透過する基材一般をも含む広い概念をいう。前者としては、例えば特定波長域を透過するバンドパスフィルタ(BPF)、特定波長よりも長い波長域のみを透過するロングパスフィルタ(LPF)や特定波長よりも短い波長域のみを透過するショートパスフィルタ(SPF)などが挙げられる。また、後者としては、紫外線〜赤外線透過基材として、約3.5μmまでを透過する石英(SiO)約4μmまでを透過するサファイア(Al)、約6μmまでを透過するフッ化リチウム(LiF)、約8μmまでを透過するフッ化カルシウム(CaF)、約12μmまでを透過するフッ化バリウム(BaF)や約13μmまでを透過する塩化ナトリウム(NaCl)などが挙げられる。
図1では複数の傾斜面を有する光学素子部として、7aおよび7bという2つの傾斜面を有する場合を例示したが、図2(A)および(B)のような3つの傾斜面、図2(C)、(D)および(E)のような4つの傾斜面など、本発明の多種多様な適用が可能であり、面の数量や形状などに限定されるものではない。また、光学素子の作製は、(1)一体に形成された光学素子の表面に同一あるいは異なる特性を有する蒸着などの処理をする、(2)別個に同一あるいは異なる特性を有する蒸着などの処理をした複数の光学素子を組合せる、(3)前記(1)と(2)とを組合せる、ことが可能である。
上記の吸光度分析計において、前記光学素子の各傾斜面が異なる受光面積を有することが好適である。多成分の吸光度分析計においては、測定成分ごとに必要とされる検出感度が異なることが一般的であり、透過光および複数の反射光を最適の比率に分配することによって、測定成分に対応した検出感度の確保を容易にすることができることが好ましい。
図3に、本発明の第2の構成例として、光学素子の各傾斜面が異なる受光面積を有すること場合を例示する。図3(A)は2つの傾斜面を有する場合を例示するが、傾斜面7aは傾斜面7bよりも大きな面積を有しており、両者が同じ光学特性を有する光学素子であるとすると、傾斜面7aによって反射される光Aは傾斜面7bによって反射される光Bに比べ多くの光量を検出器3aに入射することができる。つまり、試料中最も低い濃度の測定成分を検出器cによって検出し、次に低濃度の測定成分を検出器aによって検出することにより、光量を有効に活用した光学系を形成することができる。
また、3つの傾斜面を有する場合を図3(B)に例示する。異なった面積を有する傾斜面7a、7b、7d(傾斜面7aおよび7bと異なる傾斜面に設けられた光学素子を以下「傾斜面7d」という。)に対応して、各々異なった光量の反射光A、B、Dを検出器に照射することができる。このように、各種の面の数量や形状などに適用することができることは、上述と同様である。
ここで、複数の傾斜面を有する光学素子の各傾斜面の受光面積は、(1)一体に作製された光学素子において予め定めておく、(2)別個に異なる面積を有する複数の傾斜面を組合せる、(3)いくつの細分化された角度変更可能な複数の傾斜面を配し任意に組合せる、(4)前記(1)〜(3)を組合せる、ことによって任意に設定が可能である。
なお、実際に光学系を構成する場合には、単純に光量だけでなく、図4(赤外領域を例示する)に示すような、光源部からのエネルギー分布A、光学素子の透過率Tや透過帯域幅Δλあるいは波長λによるエネルギー差、さらには、測定成分による吸光度の相違などから設定される。
上記の吸光度分析計において、前記光学素子が、波長選択性が異なる傾斜面を有することが好適である。多成分の吸光度分析計においては、測定成分ごとに利用される波長領域が異なるが、透過光および複数の反射光の各波長選択性を、試料中に共存する複数の各測定成分に最適の波長域となるように設定することによって、各成分の最適な検出感度を確保し、より他成分の影響を受けない高精度の測定を可能とすることが好ましい。
光学系の構成は上記図1〜3と同様であるが、光学素子の各傾斜面の波長選択性を異なるものとし、透過光および複数の反射光の各波長選択性を、試料中に共存する複数の各測定成分に最適の波長域となるように設定することに特徴がある。
図5に、本発明の第3の構成例として、光学素子の各傾斜面が異なる波長選択性を有する場合を例示する。
図5(A)は、A、B、Cの3つの成分を、2つの傾斜面を有する光学素子を用いて測定する場合の光学系を例示する。傾斜面7aおよび傾斜面7bに成分Cに対応する波長の透過波長帯の光学素子(ここでは、BPFを例示する)を形成し、さらに成分Aおよび成分Bに対応する光学フィルタ7a’および7a’(ここでは、各々SPFおよびLPFを例示する)を設けている。ここで、傾斜面7aが傾斜面7bよりも成分Cに対応する短波長側の透過波長帯を有する光学素子としている。
このときの各領域での波長特性を図5(B)に示す。3つの測定成分に対応する吸収スペクトルを波長順にA、C、Bとすると、傾斜面7aを透過した光Caおよび傾斜面7bを透過した光Cbが検出器3cに照射される。このとき、検出器3cには両方の光の加えた帯域幅の広い波長帯の光Cが照射される。一方、傾斜面7aによって反射される光A’は、入射光Inの傾斜面7aに入射した光の内で光Caを除いた光であるが、7aの透過帯よりも長波長側の光をカットするSPF7a’を設けることで、検出器3aは他成分BおよびCの影響を受けずに成分Aを検出することができる。特に、傾斜面7aによる立上波長λaをCの吸収帯域から短波長側にシフトすることで、成分Aと成分Cの間での相互干渉影響を大きく低減することができる。
また、傾斜面7bによって反射される光B’は、入射光Inの傾斜面7bに入射した光の内で光Cbを除いた光であり、7bの透過帯よりも短波長側の光をカットするLPF7b’を設けることで、検出器3bは他成分AおよびCの影響を受けずに成分Bを検出することができる。特に、傾斜面7bによる立上波長λbをCの吸収帯域から長波長側にシフトすることで、成分Bと成分Cの間での相互干渉影響を大きく低減することができる。
つまり、2つの傾斜面を有し各傾斜面が異なる波長選択性を有する光学素子を用いることで、3つの測定成分個々に最適の固有波長域を設定することができる。従って、各成分の最適な検出感度を確保し、より他成分の影響を受けない高精度の測定を可能とすることができる。
図6(A)は、A、B、CおよびDの4つの成分を、3つの傾斜面を有する光学素子を用いて測定する場合の光学系を例示する。傾斜面7aおよび傾斜面7bに設けられた光学素子は図5(A)と同じ構成とし、さらに傾斜面7dとして傾斜面7bと同じ光学素子を設けた場合を例にとって説明する。
このときの各領域での波長特性を図6(B)に示す。4つの測定成分に対応する吸収スペクトルを波長順にA、C、B、Dとすると、傾斜面7aを透過した光Caおよび傾斜面7bを透過した光Cbに加え傾斜面7dを透過した光Cdが検出器3cに照射される。このとき、検出器3cには3つの光の加えた帯域幅の広い波長帯の光Cが照射される。一方、傾斜面7aによって反射される光A’は、入射光Inの傾斜面7aに入射した光の内で光Caを除いた光であるが、7aの透過帯よりも長波長側の光をカットするSPF7a’を設けることで、検出器3aは他成分B、CおよびDの影響を受けずに成分Aを検出することができる。特に、傾斜面7aによる立上波長λaをCの吸収帯域から短波長側にシフトすることで、成分Aと成分Cの間での相互干渉影響を大きく低減することができる。
また、傾斜面7bによって反射される光B’は、入射光Inの傾斜面7bに入射した光の内で光Cbを除いた光であり、7bの透過帯よりも短波長側の光をカットしDの吸収帯域までを透過するBPF7b’を設けることで、検出器3bは他成分A、CおよびDの影響を受けずに成分Bを検出することができる。特に、傾斜面7bによる立上波長λbをCの吸収帯域から長波長側にシフトすることで、成分Bと成分Cの間での相互干渉影響を大きく低減することができる。
さらに、傾斜面7dによって反射される光D’は、入射光Inの傾斜面7dに入射した光の内で光Cd(図の例ではCbと同じ波長特性を有する)を除いた光であり、Bの吸収帯域を含む短波長側の光をカットするLPF7b’を設けることで、検出器3dは他成分A、BおよびCの影響を受けずに成分Dを検出することができる。
つまり、3つの傾斜面を有し各傾斜面が異なる波長選択性を有する光学素子を用いることで、4つの測定成分個々に最適の固有波長域を設定することができる。従って、各成分の最適な検出感度を確保し、より他成分の影響を受けない高精度の測定を可能とすることができる。なお、上記説明では、傾斜面7aと傾斜面7b・7dの波長選択性が異なる場合を例示したが、むろん異なる組合せあるいはそれぞれが異なる場合も可能である。
上記の吸光度分析計において、前記光学素子が、重複する透過波長領域を有する波長選択性の傾斜面を有することが好適である。多成分の吸光度分析計においては測定成分ごとに利用される波長領域が異なるが、重複する透過波長領域を有する光学素子を傾斜面に用い、該光学素子の透過光量を多くすることによって、該透過光を受ける検出器については高い検出感度を確保し、より他成分の影響を受けない高精度の測定を可能とすることが好ましい。また同時に、複数の反射光を最適の比率に分配することも可能である。
光学系の構成は上記図1〜3、5および6と同様であるが、光学素子の各傾斜面の波長選択性を異なるものとし、透過光および複数の反射光の各波長選択性を、試料中に共存する複数の各測定成分に最適の波長域となるように設定することに特徴がある。
図7に、本発明の第4の構成例として、光学素子の各傾斜面が重複する透過波長領域を有する場合を例示する。
図7(A)は、A、B、Cの3つの成分を、2つの傾斜面を有する光学素子を用いて測定する場合の光学系を例示する。図5(A)とは、傾斜面7aおよび傾斜面7bに成分Cに対応しかつ両者が重複する波長の透過波長帯を有する光学素子(ここでは、BPFを例示する)を形成する点において相違する。
このときの各領域での波長特性を図7(B)に示す。3つの測定成分に対応する吸収スペクトルを波長順にA、C、Bとすると、傾斜面7aを透過した光Caおよび傾斜面7bを透過した光Cbが検出器3cに照射される。このとき、検出器3cには両方の光の加えた帯域幅の広い波長帯の光Cが照射されるが、傾斜面7aおよび7bの透過波長帯が重複することから重複波長帯の透過光量が他の波長帯の透過光量よりも多いことから、検出器3cの検出感度をあげることができる。一方、傾斜面7aおよび7bによって反射される光A’およびB’は、各面の波長選択性の相違によって図5(B)と相違するが、さらに光学フィルタ7a’および7b’を透過した光AおよびBの波長特性については図5(B)と同様となる。
つまり、2つの傾斜面を有し各傾斜面が重複する透過波長領域を有する光学素子を用いることで、透過光量を多くし特定成分に対する高い検出感度を確保すると同時に、3つの測定成分個々に最適の固有波長域を設定することができる。従って、各成分の最適な検出感度を確保し、より他成分の影響を受けない高精度の測定を可能とすることができる。なお、上記説明では、傾斜面7aと傾斜面7b・7dの波長選択性が異なる場合を例示したが、むろん異なる組合せあるいはそれぞれが異なる場合も可能である。
図8に、本発明の第5の構成例として、光学素子の各傾斜面が異なる波長選択性を有する他の実施の形態を例示する。図8(A)に示すように、光学素子の各傾斜面が入射光Inに対し傾斜角度を逆にした点に特徴がある。傾斜面7aを成分AおよびCに対応する波長の透過波長帯の光学素子(ここでは、BPFを例示する)を形成し、傾斜面7bを成分Aおよび成分Cに対応する光学素子(BPF)を形成し、成分Cに対応する光学フィルタ7c(BPF)を設けている。
このときの各領域での波長特性を図8(B)に示す。3つの測定成分に対応する吸収スペクトルを波長順にA、C、Bとすると、傾斜面7aを透過した光Caおよび傾斜面7bを透過した光Cbが検出器3cに照射される。このとき、光学フィルタ7cには両方の光を加算したCの吸収波長にピークを有する帯域幅の広い波長帯の光C’が照射され、光学フィルタ7cを透過した検出器3cにはCの吸収波長帯の光Cが照射される。一方、傾斜面7aによって反射された光B’は傾斜面7bに照射され、そのまま傾斜面7bを透過した光Bが検出器3bに照射される。このとき、光B’は入射光Inの傾斜面7aに入射した光の内で光Caを除いた光であるが、透過光Bはさらに傾斜面7bとの重複領域のみの光つまり成分Bの吸収波長帯の光となっている。従って、検出器3bは他成分AおよびCの影響を受けずに成分Bを検出することができる。特に、傾斜面7aによる立上波長λaをCの吸収帯域から長波長側にシフトすることで、成分Bと成分Cの間での相互干渉影響を大きく低減することができる。
また、傾斜面7bによって反射された光A’は傾斜面7aに照射され、そのまま傾斜面7aを透過した光Aが検出器3aに照射される。このとき、光A’は入射光Inの傾斜面7bに入射した光の内で光Cbを除いた光であるが、透過光Aはさらに傾斜面7aとの重複領域のみの光つまり成分Aの吸収波長帯の光となっている。従って、検出器3aは他成分BおよびCの影響を受けずに成分Aを検出することができる。特に、傾斜面7bによる立上波長λbをCの吸収帯域から短波長側にシフトすることで、成分Aと成分Cの間での相互干渉影響を大きく低減することができる。
つまり、2つの傾斜面を有し各傾斜面が異なる波長選択性を有する光学素子を用い、その波長選択性を繰り返し利用することで、3つの測定成分個々に最適の固有波長域を設定することができる。従って、各成分の最適な検出感度を確保し、より他成分の影響を受けない高精度の測定を可能とすることができる。なお、本発明は、2つの傾斜面に限られるものではないことあるいは上記の構成例との組合せが可能であることはいうまでもない。
以上は、主として1つの試料セル部、3つ以上の検出器と1つの光学素子を用いた吸光度分析計を中心に説明したが、本発明は、光学素子の透過光と反射光を利用し、さらに多数の試料セル部、検出器および光学素子とを組合せた吸光度分析計に適用することが可能であり、複数の測定対象に対し、汎用性が高く、高い測定精度を有する吸光式分析計を提供することができる。具体的には、図9に例示するような構成などが挙げられる。
このように、本発明の技術は、従来技術で述べた各種のNDIRやNDUVなどの吸光式分析計に適用可能であり、複数の測定成分を含む試料に対して広い範囲において応用が可能であり、汎用性が高く、高い測定精度を有する吸光式分析計を提供することができる。
本発明に係る吸光式分析計の第1の構成例を示す説明図 本発明に係る光学素子部の構成例の詳細を例示する説明図 本発明に係る吸光式分析計の第2の構成例を示す説明図 光源から光および光学素子における波長特性を例示する説明図 本発明に係る吸光式分析計の第3の構成例の1つの形態を例示する説明図 本発明に係る吸光式分析計の第3の構成例を他の形態を例示する説明図 本発明に係る吸光式分析計の第4の構成例を示す説明図 本発明に係る吸光式分析計の第5の構成例を示す説明図 本発明に係る吸光式分析計の第6の構成例を示す説明図 従来技術に係る吸光式分析計の1の構成例を示す説明図 従来技術に係る吸光式分析計の他の構成例を示す説明図
符号の説明
1 光源
2 試料セル部
3 検出器
4 光源用電源
6 チョッパ
7 光学素子(光学フィルタ)

Claims (4)

  1. 光源部、光学素子部、試料セル部および複数の検出器を構成要素として含み、該光源部と検出器との中間に、該光源部からの光束に対する傾斜角が異なる2以上の傾斜面を有し、その傾斜面の一部または全部に光学素子を配する光学素子部を配設し、該光学素子によって前記光源部からの光束を透過光と反射光に分配する吸光式分析計であって、
    少なくとも1つの光学素子部において、少なくとも2つの光学素子の透過波長帯がともに1の成分に対応する波長選択性を有し、前記少なくとも2つの光学素子のうちの第1の光学素子と第2の光学素子について、第1の光学素子が第2の光学素子よりも該1の成分に対応する短波長側の透過波長帯を有するとともに、
    少なくとも前記第1の光学素子と第2の光学素子の透過光を受光する第1の検出器と、
    前記第1の光学素子からの反射光のうち、該第1の光学素子の透過光の透過波長帯よりも長波長側の光をカットする第3の光学素子からの透過光を受光する第2の検出器、
    および/または前記第2の光学素子からの反射光のうち、該第2の光学素子の透過光の短波長側の光をカットする第4の光学素子の透過光を受光する第3の検出器を有することを特徴とする吸光式分析計。
  2. 前記光学素子が配された2以上の傾斜面のうち、前記光源部からの光束に対する受光面積が、1の傾斜面と他の傾斜面で異なることを特徴とする請求項1に記載の吸光式分析計。
  3. 前記光学素子が配された2以上の傾斜面のうち、1の傾斜面と他の傾斜面で波長選択性が異なることを特徴とする請求項1または2に記載の吸光式分析計。
  4. 前記光学素子が配された2以上の傾斜面のうち、1の傾斜面の波長選択性と他の傾斜面の波長選択性が、重複する透過波長領域を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の吸光式分析計。
JP2003385453A 2003-11-14 2003-11-14 吸光式分析計 Expired - Fee Related JP4140965B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003385453A JP4140965B2 (ja) 2003-11-14 2003-11-14 吸光式分析計

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003385453A JP4140965B2 (ja) 2003-11-14 2003-11-14 吸光式分析計

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005147839A JP2005147839A (ja) 2005-06-09
JP4140965B2 true JP4140965B2 (ja) 2008-08-27

Family

ID=34693511

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003385453A Expired - Fee Related JP4140965B2 (ja) 2003-11-14 2003-11-14 吸光式分析計

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4140965B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7372039B2 (en) * 2005-12-20 2008-05-13 Ecolab Inc. Near UV absorption spectrometer and method for using the same
JP5443701B2 (ja) * 2008-04-03 2014-03-19 パナソニック株式会社 ガス濃度測定装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005147839A (ja) 2005-06-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN108351304B (zh) 水质分析仪
EP2693198B1 (en) Gas analyser and method for measuring the concentration of formaldehyde
US20080285032A1 (en) Light scattering detector
US9194794B2 (en) Optical absorption spectroscopy
US7787120B2 (en) Spectrophotometer and liquid chromatography system
JP4775798B2 (ja) 複数ガス濃度同時測定装置
US6118536A (en) Circular dichroism detector for HPLC
US4781456A (en) Absorption photometer
KR20110127122A (ko) 시료분석장치
US5572032A (en) Gas analyzer and gas-analyzing mechanism
US5500536A (en) Spectrofluorometer
EP0771417B1 (en) Determination of light absorption pathlength in a vertical-beam photometer
EP1120637A2 (en) Method and means for calibrating a grating monochromator
JP4140965B2 (ja) 吸光式分析計
JP6062837B2 (ja) 液体クロマトグラフ用検出器
JP2009257808A (ja) 赤外線ガス分析計
JP4524087B2 (ja) 吸光式分析計
JP4115896B2 (ja) 吸光式分析計
US5317379A (en) Chemical species optical analyzer with multiple fiber channels
US7227642B2 (en) Absorbance monitor
US20240019356A1 (en) An optical absorbance spectrometer, optical device and method of optical absorbance spectrometry
JPH07151685A (ja) 非分散形赤外線ガス分析計
US3669547A (en) Optical spectrometer with transparent refracting chopper
JP2004117322A (ja) 赤外線ガス分析計
US20150015878A1 (en) Raman spectroscopic analyzing apparatus

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060518

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071213

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071217

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080201

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20080201

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080411

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080515

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080606

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080609

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140620

Year of fee payment: 6

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140620

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees