JP4140826B2 - 観測目標の類識別装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、レーダで観測した画像データに基づいて、3次元の目標の種類を決定する類識別問題を解決対象とした装置に関し、さらに詳しくは、3次元の目標の種類を解として求めることのできる観測目標の類識別装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
まず、この種の類識別装置として、船舶または航空機などの目標の類識別問題について考える。
従来より、レーダで観測した画像データから3次元の目標の類識別を行う装置は、よく知られている(たとえば、特許文献1参照)。
特許文献1に参照される観測目標の類識別装置の場合、辞書画像生成器、強度指定データ圧縮器、相関算出器、3D形状データファイル、観測データファイル、強度パラメータファイルおよび種別判別結果ファイルを備えている。
【0003】
次に、上記特許文献1の従来装置による動作について説明する。
まず、辞書画像生成器は、観測データファイルからの追尾情報を含む観測データを第1の入力情報とし、3D形状データファイルからの候補目標の3D形状データを第2の入力情報として、観測データから、各候補目標の進行方向/姿勢/回転運動などのパラメータである姿勢/運動パラメータ値を推定または決定し、それぞれの候補目標の3D形状データおよび姿勢/運動パラメータ値から辞書画像データを生成する。
上記従来装置においては、種類判別対象のデータと比較する辞書画像を生成する際に、観測データから目標の進行方向/姿勢/回転運動などの多くのパラメータを推定する必要があり、推定精度に識別精度が依存することになる。
【0004】
次に、強度指定データ圧縮器は、強度パラメータファイルからの強度を示す強度パラメータを第1の入力情報とし、辞書画像生成器からの辞書画像データを第2の入力情報とし、観測データファイルからの観測データを第3の入力情報として、観測データおよび辞書画像データに対し、強度パラメータとして指定された強度値以下の画素の強度を「0」に変換してデータ圧縮を行い、圧縮画像データを出力する。
【0005】
このように、従来の圧縮方法では、ユーザが圧縮の基準となる強度値を指定する必要があり、そのためには、全観測データおよび辞書画像データの強度分布状況を把握することが必要となる。
また、個々の観測データおよび辞書画像データ毎に観測条件が異なるので、基準となる強度値を個別に設定することが望ましいが、一度に多くのデータを対象とする場合、個別の設定には多くの労力を要することから、個々のデータに適したデータ圧縮を行うことは困難である。
【0006】
次に、相関算出器は、強度指定データ圧縮器からの圧縮画像データを入力情報として、辞書画像データの圧縮画像データと観測データの圧縮画像データとの相関を算出し、相関が最大となる画像を検出して出力する。この相関算出器の出力情報は、類識別装置の出力情報となり、種類判別結果ファイルに入力される。
上記従来装置においては、個々の目標毎に、進行方向/姿勢/回転運動などに関する複数のパラメータを推定し、それらの推定値に基づいて、候補目標毎に限られた個数の辞書画像データを生成し、全候補目標の辞書画像データと観測データとの相関を算出して、種類判別を実行している。したがって、前述と同様に、推定精度に識別精度が依存することになる。
【0007】
また、データ量削減用のデータ圧縮の際に、ユーザが圧縮の基準となる強度値を指定するためには、全観測データおよび辞書画像データの強度分布状況を把握しなければならず、さらに、一度に多くのデータを対象とする場合には、画像データ毎に基準となる強度値を設定することが困難になるので、結果として個々の画像データに適したデータ圧縮が困難になってしまう。
【0008】
以上の従来装置は、レーダ観測画像を判別対象としたが、対象範囲を広げて、一般的な3次元画像を対象とした他の従来装置も提案されている(たとえば、非特許文献1参照)。
非特許文献1の従来装置においては、部分データ平均化器、種類学習器、種類判別器、種類判別結果ファイル、学習パラメータファイル、学習用画像データファイルおよび判別対象画像データファイルを備えている。
この場合、一般的な画像を判別対象としているので、学習用画像データは既に存在するものとする。
【0009】
次に、上記非特許文献1の従来装置による動作について説明する。
まず、部分データ平均化器は、学習用画像データファイルからの学習用画像データを第1の入力情報として取り込み、判別対象画像データファイルからの判別対象画像データを第2の入力情報として取り込み、3次元の物体を表す多方面からの学習用画像データおよび判別対象画像データに対し、画像を複数の部分画素集合に分割後、個々の部分画素集合の強度を、部分画素集合に属する全画素の強度の平均値に置き換えて、部分画素集合の強度の平均化を行い、画像全体の平均化結果である平均化画像データを出力する。
たとえば、部分データ平均化が行われた画像において、1つの部分画素集合は複数画素により構成され、各画素強度は、各々の属する全画素強度の平均値に置き換えられる。
【0010】
このように、一般的な画像データを対象とした従来装置の場合、比較的強度が低めの画素であっても、識別の際に重要な特徴となり得るので、画素強度にかかわらず、全ての画素を残して、局所的な平均値に置き換えることでデータ量削減を実現している。
一方、上記部分平均化によるデータ量削減方法をレーダ観測画像データに適用した場合には、レーダ観測画像データにおいて、強度の高い画素部分以外はあまり意味を持たないにもかかわらず、全画素を同等に扱ってしまうので、類識別装置に不要な計算負荷がかかってしまうことになる。
【0011】
次に、上記部分画素集合の強度の平均化処理に続いて、種類学習器は、学習パラメータファイルからの学習パラメータを第1の入力情報として取り込み、部分データ平均化器からの学習用の平均化画像データ(学習用平均化画像データ)を第2の入力情報として取り込み、学習用平均化画像データに基づいて種類学習を行い、種類学習結果を出力する。
このときの種類学習手法としては、サポートベクターマシンが知られており、サポートベクターマシンは、全教師データからの距離および方向に基づいて、境界となる直線を求めるために、距離を最大にし且つそれぞれの種類毎に、教師データからみた直線の方向が同じになるような直線を決定する手法である。
【0012】
最後に、種類判別器は、種類学習器からの種類学習結果を第1の入力情報として取り込み、部分データ平均化器からの種類判別対象となる平均化画像データを第2の入力情報として取り込み、種類学習結果に基づいて種類判別対象の平均化画像データの種類判別を行い、種類判別結果を出力する。この種類判別結果は、類識別装置の出力情報となり、種類判別結果ファイルに入力される。
【0013】
【特許文献1】
特開平6−174838号公報(図1)
【非特許文献1】
3D目標認識用のサポートベクターマシン(Support Vector Machines for 3D Object Recognition)
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
従来の観測目標の類識別装置は以上のように、特許文献1のようにレーダ画像に対して圧縮方法を用いた場合には、全観測データおよび辞書画像データの強度分布状況を把握することが必要となるうえ、一度に多くのデータを対象とする場合に、個々のデータに適したデータ圧縮を行うことが困難になるという問題点があった。
また、目標毎に進行方向/姿勢/回転運動などに関する複数のパラメータを推定し、それらの推定値に基づいて辞書画像データを生成し、辞書画像データと観測データとの相関から類判別を実行しているので、推定精度に識別精度が依存するという問題点があった。
さらに、非特許文献1のように一般的な画像データを対象とした類識別装置は、レーダ観測画像データを対象とした場合に、あまり意味を持たない強度の低い画素部分に対しても全画素を同等に扱ってしまうので、不要な計算負荷がかかるという問題点があった。
また、強度の低い画素部分にノイズなどが重畳された場合には、ノイズの影響を受けて、目標の種類を誤判別する可能性があるという問題点があった。
【0015】
この発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、レーダ観測画像データを対象にした場合に、姿勢および運動に関するパラメータの推定を最小限にした識別を実現するとともに、ユーザによる強度分布などのデータ解析の負荷を削減しつつ、レーダ観測画像データの性質に即した計算負荷の削減を実現し、且つノイズに強い識別を実現した観測目標の類識別装置を得ることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る類識別装置は、種類が不明の3次元の目標をレーダで観測した画像からなる観測データと、目標の種類の候補となる候補目標の学習用画像データを生成するための3次元の形状を表す3D形状データと、観測データを学習するための学習パラメータと、観測データおよび学習用画像データを圧縮するためのデータ圧縮基準となる画素を示す圧縮パラメータとを入力情報として、観測データの種類判別結果を出力する観測目標の類識別装置であって、観測データおよび3D形状データを入力情報として、観測データに基づいて目標の進行方向および回転に関する運動パラメータ値を決定するとともに、候補目標の3D形状データおよび運動パラメータ値に基づいて、目標の種類の学習に用いられる学習用画像データを生成する学習用画像生成器と、観測データ、圧縮パラメータおよび学習用画像データを入力情報として、圧縮パラメータに基づいて観測データおよび学習用画像データを圧縮し、学習用圧縮画像データおよび判別対象圧縮画像データを生成する画素指定データ圧縮器と、学習パラメータおよび学習用圧縮画像データを入力情報として、学習パラメータを用いて学習用圧縮画像データに基づく種類学習を行い、種類学習結果を生成する種類学習器と、判別対象圧縮画像データおよび種類学習結果を入力情報として、種類学習結果に基づいて判別対象圧縮画像データの種類判別を行い、種類判別結果を出力する種類判別器とを備えたものである。
【0017】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、図面を参照しながら、この発明の実施の形態1について詳細に説明する。
図1はこの発明の実施の形態1を示すブロック構成図である。
図1において、観測された3次元目標の種類を識別するための類識別装置12は、学習用画像生成器1、画素指定データ圧縮器2、種類学習器3および種類判別器4を備えている。
類識別装置12には、3D形状データファイル13、観測データファイル14、種類判別結果ファイル15、圧縮パラメータファイル16および学習パラメータファイル17が接続されている。
【0018】
3D形状データファイル13は、判別対象目標の種類の候補となる候補目標の学習用画像データを生成するための3次元の形状を表す3D形状データD13を、類識別装置12に対する入力情報として出力する。
観測データファイル14は、種類が不明の3次元の目標をレーダで観測した画像からなる観測データD0を、類識別装置12に対する入力情報として出力する。
【0019】
種類判別結果ファイル15は、観測データD0に基づいて類識別装置12により識別された種類判別結果D4を格納する。
圧縮パラメータファイル16は、観測データD0と類識別装置12内で生成される学習用画像データD1とを圧縮するためのデータ圧縮基準となる画素を示す圧縮パラメータP16を、類識別装置12に対する入力情報として出力する。
圧縮パラメータP16には、データ圧縮基準となる画素を示すパラメータとして、後述するように、画素ID、強度基準画素番号Nn、降順番号を示す強度基準画素順位Ns、強度圧縮率Rsおよび強度平均算出画素数Nriなどが含まれる。
学習パラメータファイル17は、観測データD0を学習するための学習パラメータP17を、類識別装置12に対する入力情報として出力する。
【0020】
類識別装置12内において、学習用画像生成器1は、観測データD0および3D形状データD13を入力情報として、目標の種類の学習に用いられる学習用画像データD1を生成する。
画素指定データ圧縮器2は、観測データD0、圧縮パラメータP16および学習用画像データD1を入力情報として、学習用圧縮画像データD2aおよび判別対象圧縮画像データD2bを、圧縮画像データとして生成する。
種類学習器3は、学習パラメータP17および学習用圧縮画像データD2aを入力情報として、種類学習結果D3を生成する。
種類判別器4は、判別対象圧縮画像データD2bおよび種類学習結果D3を入力情報として、種類判別結果D4を出力する。
【0021】
さらに具体的には、学習用画像生成器1は、観測データD0に基づいて、目標の進行方向および回転に関する運動パラメータ値を決定するとともに、候補目標の3D形状データおよび運動パラメータ値に基づいて、学習用画像データD1を生成する。
また、画素指定データ圧縮器2は、圧縮パラメータP16に基づいて、観測データD0および学習用画像データD1を圧縮するとともに、観測データD0および学習用画像データD1に基づいて、学習用圧縮画像データD2aおよび判別対象圧縮画像データD2bを出力する。
種類学習器3は、学習パラメータP17を用いて学習用圧縮画像データD2aに基づく種類学習を行い、種類学習結果D3を出力する。
種類判別器4は、種類学習結果D3に基づいて判別対象圧縮画像データD2bの種類判別を行い、種類判別結果D4を出力する。
【0022】
次に、図2および図3を参照しながら、図1に示したこの発明の実施の形態1による類識別動作について説明する。
図2は画素指定データ圧縮器2による圧縮処理を示す説明図、図3は種類学習器3および種類判別器4による学習処理および判別処理を示す説明図である。図3において、横軸は属性1、縦軸は属性2に対応している。
まず、図1において、類識別装置12内の学習用画像生成器1は、観測データファイル14からの観測データD0(目標の追尾情報を含む)を第1の入力情報とし、3D形状データファイル13からの候補目標の3D形状データD13を第2の入力情報として、学習用画像データD1を生成する。
【0023】
このとき、学習用画像データD1の生成に必要なパラメータとしては、各候補目標の進行方向/回転運動などのパラメータである運動パラメータ値と、候補目標の姿勢に関するパラメータである姿勢パラメータ値とがある。
このうち、運動パラメータ値は、観測データD0から推定演算などにより決定される。
【0024】
また、姿勢パラメータ値は、学習用画像データD1を生成するために与えられた姿勢パラメータ生成基準に基づいて、複数のパラメータ値として生成される。具体例として、角度のパラメータθ[°]の場合、姿勢パラメータ生成基準として、パラメータ間隔が「30」として与えられたとすると、30度間隔のパラメータ値となり、θ=0,30,60,90,120,150,180が生成される。
【0025】
こうして決定された運動パラメータ値および姿勢パラメータ値に基づいて、学習用画像生成器1は、それぞれの候補目標の3D形状データD13および運動パラメータ値から学習用画像データD1を生成する。
なお、学習に必要なパラメータのうち、択一的に推定または決定されるものと、複数の値として生成されるものとの区別は、予想される推定精度や候補目標の性質または観測条件などに応じて、ユーザが決定してもよい。
【0026】
次に、画素指定データ圧縮器2は、圧縮パラメータファイル16からの圧縮パラメータP16を第1の入力情報とし、学習用画像生成器1からの学習用画像データD1を第2の入力情報とし、観測データファイル14からの観測データD0を第3の入力情報として、各圧縮画像データD2a、D2bを生成する。
このとき、具体的には、観測データD0および学習用画像データD1に対し、圧縮パラメータP16として指定された画素IDに基づいて、画素IDが示す画素の画素強度以下または画素強度未満の画素の強度を「0」に変換してデータ圧縮を行い、このデータ圧縮結果を学習用圧縮画像データD2aおよび判別対象圧縮画像データD2bとして出力する。
【0027】
図2はこの発明の実施の形態1によりデータ圧縮された画像データの一例を示す説明図であり、図2内の左図は圧縮前の画素強度分布、図2内の右図は圧縮後の画素強度分布を示している。
図2内の左図において、小さな正方形が個々の画素を示し、個々の画素の塗りつぶしパターン、格子状パターン、ドット状パターン、または白抜きパターンがそれぞれの画素強度を示しており、ここでは、パターンの塗りつぶし量が密なほど画素強度が強いものとする。
図2内の右図においては、左図内の1つの特定画素I1を圧縮基準となる画素IDとして指定した場合の、データ圧縮後の画素の強度分布を示しており、特定画素I1の強度未満の全ての画素(格子状、ドット状および白抜きパターン)は、強度が「0」(白抜きパターン)に変換されている。
【0028】
このようなデータ圧縮方法によれば、ユーザが強度値を事前に把握しなくても、各画素強度の相対的な分布状況の情報のみに基づいて、ある程度の強度以下の画素を切り捨てることが可能になる。
この結果、観測データD0(レーダで観測された目標の画像データ)の性質に即した、高効率のデータ圧縮を実現することができる。
【0029】
次に、種類学習器3は、学習パラメータファイル17からの学習パラメータP17を第1の入力情報とし、画素指定データ圧縮器2からの学習用圧縮画像データD2aを第2の入力情報として、学習用圧縮画像データD2aに基づいて種類学習を行い、種類学習結果D3を出力する。
このとき、種類学習手法として、境界線を決定する手法である線形判別法を適用する。なお、線形判別法には、いくつかの手法があるが、ここでは、共分散行列に基づく線形判別法が用いられる。
【0030】
共分散行列に基づく線形判別法とは、異なる種類のデータ同士は、できるだけ離れ、同一種類のデータ同士は、なるべく近くに分布するように、全データの中心を表す「クラスタ中心」を通る「ベクトルw」にデータを射影して、判別分析を行う方法である。
具体的には、各データの「射影結果y」と、各種類の平均ベクトルの「射影結果yk」とを比較し、最も近い「射影結果yk」を持つ種類にデータが属するものと決定する。このとき、境界線は、「ベクトルw」に垂直で、且つ「クラスタ中心」を通る直線として定義される。
【0031】
図3はこの発明の実施の形態1による種類学習処理および種類判別処理の一例を示す説明図であり、図3内の左図は線形判別法により学習された種類および境界線の例、図3内の右図は線形判別法により判別された種類および境界線の例を示している。
図3内の左図において、白三角マークは「種類1」の教師データ、黒四角マークは「種類2」の教師データであり、種類学習により左図内の直線ように境界線が決定される。
同様に、種類判別器4(後述する)においては、図3内の右図のように境界線が決定される。
【0032】
なお、ここでは、種類学習器3において、共分散行列に基づく線形判別を適用する例を示したが、その他にも、周知の「ニューラルネットワーク」や「サポートベクターマシン」などの教師付き学習手法を適用してもよい。
ニューラルネットワークとは、生命の神経回路網を模倣した学習手法であり、教師データに基づいて、最終的に最適な種類間の境界を決定するものである。この場合の学習パラメータとしては、ニューロンが発火する際の閾値や、ニューロンの数などを手法に特化したものがある。
【0033】
ニューラルネットワークと上記共分散行列に基づく線形判別法との大きな違いは、共分散行列に基づく線形判別法では、種類間の境界を線形に決定する(すなわち、直線で定義する)のに対し、ニューラルネットワークでは、曲線などの非線形な境界の定義が可能な点にある。
したがって、境界が非線形になることが予測されるような場合には、たとえばニューラルネットワークを適用するなどにより、観測データの分布状況に適した境界線決定が可能となる。
【0034】
一方、サポートベクターマシンは、全教師データからの距離および方向に基づいて、境界となる直線を求める方法であり、距離を最大にし、且つそれぞれの種類毎に、教師データからみた直線の方向が同じになるような直線を決定するものであり、線形判別法の変形手法の1つとして考えられている。
サポートベクターマシンにおいて、前述の共分散行列に基づく線形判別法などの一般的な線形判別法との大きな違いは、カーネル関数とよばれる関数の線形和で学習に必要な関数を表すことにより、非線形な境界定義が可能な点にある。
カーネル関数は、複数種類存在し、学習パラメータにおいて、いずれのカーネルを選択するかが指定されるものである。
【0035】
また、同様に非線形な境界が定義可能なニューラルネットワークとサポートベクターマシンとの違いは、サポートベクターマシンでは、決定的に厳密解が求まるのに対し、ニューラルネットワークのような最適化手法と呼ばれる手法では、できるだけ最適に近い境界を、実使用に耐えうる時間内で求めるのに適した手法と考えられていることから、必ずしも厳密解は求まらない点にある。
したがって、厳密解が必要とされる問題においては、サポートベクターマシンのような手法が有用といえる。
【0036】
しかし、サポートベクターマシンは、カーネル関数を用いることにより非線形な境界を定義可能であるという長所を有する反面、カーネルの選択を行う際に、仮に不適切なカーネルを選択してしまうと、観測データの分布状況に不適切な境界しか定義できなくなってしまうおそれがある。
これに対し、ニューラルネットワークによる学習においては、学習パラメータとして設定されるのは、細かな学習に特化したパラメータのみで、境界の形状は常にある程度、観測データの分布状況を踏まえた形となる。
【0037】
したがって、厳密解が必ずしも必要ではなく、適当な初期設定である程度の解が必要な場合には、サポートベクターマシンよりもニューラルネットワークの方が有用といえる。
このように、観測データの性質/分布状況などに応じて、適する種類学習手法は異なるので、それぞれの学習手法の特徴を踏まえた上で、適用すべき手法を選択すればよい。
【0038】
最後に、種類判別器4は、種類学習器3からの種類学習結果D3を第1の入力情報とし、画素指定データ圧縮器2からの判別対象圧縮画像データD2b(種類判別対象の圧縮画像データ)を第2の入力情報として、種類学習結果D3に基づいて判別対象圧縮画像データD2bの種類判別を行い、種類判別結果D4を出力する。
この種類判別結果D4は、類識別装置12の出力情報となり、種類判別結果ファイル15に入力される。
【0039】
たとえば、種類判別器4は、図3内の右図において、種類学習結果D4として求められた境界線に基づいて、目標の種類を判別する。
すなわち、図3内の右図において、白三角マークが多く属する境界線の上側の領域を「種類1」の境界領域とし、逆に、黒四角マークが多く属する境界線の下側の領域を「種類2」の境界領域とし、候補目標がいずれの領域に属するかによって、種類判別対象の観測データD0の種類を判別する。
図3内の右図において、黒逆三角マークおよび白菱形マークは、種類が未定の観測データであるが、それぞれ、境界線によって、「種類1」、「種類2」と判別される。
【0040】
このように、種類学習結果D3に基づく種類判別方法によれば、従来装置による辞書画像データ生成時のように、全ての姿勢/運動パラメータ値(姿勢および運動に関するパラメータ)を推定または決定する必要はなく、推定が比較的困難と考えられているパラメータ(具体的には、姿勢パラメータ値)を複数の値に設定して、それぞれに対応した学習データを生成し、それらの複数の学習データに基づく学習を実行すればよい。
したがって、推定また決定を行うパラメータは、比較的推定精度が高いと考えられるパラメータ(具体的には、運動パラメータ値)に限定され、これにより、識別精度のパラメータ推定精度への依存を極力少なくすることができる。
【0041】
なお、上記種類学習および種類判別の手法は、基本的には、種類が2つ(種類1、2)の場合の境界線を決定する方法であり、3種類以上の多数の種類を対象として種類判別を行う場合には、たとえば、トーナメント方式と呼ばれる方式が適用される。
トーナメント方式においては、まず、2種類ずつで、全ての種類の組み合わせで種類学習を行い、それぞれの境界線(判別平面)を決定する。
続いて、判別対象データがどちらの種類に近いかの種類判別を、勝ち残り方式で、複数の種類の組み合わせに対して行い、最終的に勝ち残った種類を目標の種類とする。
【0042】
以上のように、この発明の実施の形態1によれば、レーダ観測された目標の画像データ(観測データD0)を対象に、姿勢や運動に関するパラメータの推定を最小限にした識別が可能となる。
また、観測データD0の性質に即した、高効率のデータ圧縮を実現することができ、ノイズに強い類識別を実現することができる。
【0043】
実施の形態2.
なお、上記実施の形態1では、画素指定データ圧縮器2において、圧縮の基準となる画素を1つ指定してデータ圧縮したが、複数指定された基準画素番号に基づいて、圧縮の基準となる強度基準値を決定した後にデータ圧縮するように構成してもよい。
以下、図4を参照しながら、強度基準値Vsの決定後にデータ圧縮するように構成したこの発明の実施の形態2による類識別装置12Aについて説明する。
図4において、前述(図1参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して、または、符号の後に「A」を付して詳述を省略する。
【0044】
この場合、類識別装置12A内の画素指定データ圧縮器2Aは、画素指定強度平均算出器20、強度基準値決定器21およびデータ強度変換器22により構成されており、複数指定された基準画素番号に基づいて、圧縮の基準となる強度基準値Vsを決定した後にデータ圧縮を実行するようになっている。
【0045】
画素指定強度平均算出器20は、観測データD0、圧縮パラメータP16および学習用画像データD1を入力情報として、強度平均値D20を算出する。
強度基準値決定器21は、強度平均値D20を入力情報として、強度基準値Vsを決定して出力する。
データ強度変換器22は、観測データD0、学習用画像データD1および強度基準値Vsを入力情報として、学習用圧縮画像データD2aおよび判別対象圧縮画像データD2bを生成する。
【0046】
具体的には、画素指定強度平均算出器20は、観測データD0および学習用画像データD1に対して、圧縮パラメータP16に含まれる強度基準画素番号Nnから強度平均値D20を求める。
データ強度変換器22は、強度基準値決定器21からの強度基準値Vsに基づいて、強度を変換して学習用圧縮画像データD2aおよび判別対象圧縮画像データD2bを生成する。
【0047】
次に、図4に示したこの発明の実施の形態2による具体的な処理動作について説明する。
まず、画素指定強度平均算出器20は、圧縮パラメータファイル16からの圧縮パラメータP16を第1の入力情報とし、学習用画像生成器1からの学習用画像データD1を第2の入力情報とし、観測データファイル14から観測データD0を第3の入力情報として、観測データD0および学習用画像データD1に対し、圧縮パラメータP16として指定された複数の強度基準画素番号Nnに基づく演算を行い、強度基準画素番号Nnが示す画素の強度の平均値を強度平均値D20として出力する。
【0048】
続いて、強度基準値決定器21は、画素指定強度平均算出器20からの強度平均値D20を、強度の基準となる強度基準値Vsとして決定して出力する。
また、データ強度変換器22は、強度基準値決定器21からの強度基準値Vsと、学習用画像データD1および観測データD0とを入力情報として、強度基準値Vs以下の画素の強度を「0」に変換してデータ圧縮を行い、このデータ圧縮結果を圧縮画像データD2a、D2bとして出力する。
【0049】
以上のように、この発明の実施の形態2によれば、ユーザが強度値を事前に把握しなくても、強度の相対的な分布状況の情報のみを把握していればよく、さらに、基準となる画素を複数指定可能としたことにより、観測状況に応じた柔軟なデータ圧縮基準の設定が可能となる。
この結果、観測状況に適したデータ圧縮を実現することができ、ノイズに強い類識別を実現することができる。
【0050】
実施の形態3.
なお、上記実施の形態2では、画素指定データ圧縮器2A内に画素指定強度平均算出器20を設けたが、これに代えて降順番号算出器を設けてもよい。
以下、図5を参照しながら、画素指定データ圧縮器2B内に降順番号算出器を設けたこの発明の実施の形態3による類識別装置12Bについて説明する。
図5において、前述(図4参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して、または、符号の後に「B」を付して詳述を省略する。
【0051】
この場合、類識別装置12B内の画素指定データ圧縮器2Bは、降順番号算出器23、強度基準値決定器21Bおよびデータ強度変換器22により構成されており、降順番号算出器23および強度基準値決定器21Bにおいて、画素を強度で降順にソートした後で、ソート結果に基づいて、圧縮の基準となる強度基準値Vsを決定するようになっている。
【0052】
画素指定データ圧縮器2Bにおいて、降順番号算出器23は、観測データD0および学習用画像データD1を入力情報として降順番号データD23を算出し、強度基準値決定器21Bは、観測データD0、圧縮パラメータP16、学習用画像データD1および降順番号データD23を入力情報として、強度基準値Vsを決定する。
具体的には、降順番号算出器23は、観測データD0および学習用画像データD1に基づく画素を、強度に基づいて降順に並び替えしたときの順位を、降順番号データD23として出力する。
また、強度基準値決定器21Bは、観測データD0および学習用画像データD1に対して、圧縮パラメータP16に含まれる降順番号を示す強度基準画素順位Nsに基づいて強度基準値Vsを求める。
【0053】
次に、図5に示したこの発明の実施の形態3による具体的な処理動作について説明する。
まず、降順番号算出器23は、学習用画像生成器1からの学習用画像データD1を第1の入力情報とし、観測データファイル14からの観測データD0を第2の入力情報として、観測データD0および学習用画像データD1に対し、各画像を構成する画素を比較しながら、強度の降順にソートし、ソート後の順位である降順番号を降順番号データD23とする
【0054】
続いて、強度基準値決定器21Bは、圧縮パラメータP16に含まれる強度基準画素順位Ns(降順番号を示す)を第1の入力情報とし、学習用画像生成器1からの学習用画像データを第2の入力情報とし、観測データD0を第3の入力情報とし、降順番号算出器23からの降順番号データD23を第4の入力情報として、降順番号データD23に基づいて、ソート後の画素のNs番目の画素を決定し、Ns番目の画素の強度を強度基準値Vsとして出力する。
【0055】
以上のように、この発明の実施の形態3によれば、ユーザが強度分布状況を事前に把握することなく、圧縮基準となる画素の順位を指定するのみで、ある程度の強度以下の画素を切り捨てることが可能になる。
この結果、観測データD0(レーダ観測画像データ)の性質に即した、高効率のデータ圧縮を実現することができ、ノイズに強い類識別を実現することができる。
【0056】
実施の形態4.
なお、上記実施の形態3では、画素指定データ圧縮器2Bにおいて、圧縮パラメータP16として指定された強度基準画素順位Nsに基づいてデータ圧縮したが、学習用画像生成器1の出力側に強度基準画素順位決定器を挿入して、強度基準画素順位Nsを自動的に決定した後に、画素指定データ圧縮器の入力情報としてデータ圧縮してもよい。
【0057】
以下、図6を参照しながら、画素指定データ圧縮器2Cの入力側に強度基準画素順位決定器24を挿入したこの発明の実施の形態4による類識別装置12Cについて説明する。
図6において、前述(図1、図4、図5参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して、または、符号の後に「C」を付して詳述を省略する。
【0058】
この場合、類識別装置12Cにおいて、学習用画像生成器1と画素指定データ圧縮器2Cとの間には、強度基準画素順位決定器24が挿入されており、強度基準画素順位決定器24により強度基準画素順位Nsを自動的に決定した後に、画素指定データ圧縮器2Cの入力情報としてデータ圧縮を行うようになっている。
【0059】
強度基準画素順位決定器24は、観測データD0、圧縮パラメータP16および学習用画像データD1を入力情報として、観測データD0および学習用画像データD1に対して、圧縮パラメータP16に含まれる強度圧縮率Rsに基づいて強度基準画素順位Nsを決定する。
また、画素指定データ圧縮器2Cは、観測データD0、圧縮パラメータP16、学習用画像データD1および強度基準画素順位Nsを入力情報として、学習用圧縮画像データD2aおよび判別対象圧縮画像データD2bを生成する。
【0060】
次に、図6に示したこの発明の実施の形態4による具体的な処理動作について説明する。
まず、強度基準画素順位決定器24は、圧縮パラメータP16に含まれる強度圧縮率Rsを第1の入力情報とし、学習用画像データD1の一部として出力されるか、または、同様に観測データD0の一部として出力される総画素数Nを第2の入力情報として、強度圧縮率Rsおよび総画素数Nから、以下の式(1)に基づいて、強度基準画素順位Nsを決定して出力する。
【0061】
Ns=N×Rs ・・・(1)
【0062】
なお、式(1)において、強度圧縮率Rsは、0<Rs≦1.0の範囲内の値とする。
また、総画素数Nは、学習用画像データD1または観測データD0の一部であり、通常は両者が同一数であるが、互いに異なる場合には、小さい方の値が総画素数N(第2の入力情報)として用いられる。
【0063】
以上のように、この発明の実施の形態4によれば、前述と同様に、ユーザが画素数などの個々の画像の情報を事前に把握することなく、圧縮の基準となる比率を与えるだけで、ある程度の強度以下の画素を切り捨てることが可能になる。
この結果、レーダ観測画像データの性質に即した、高効率のデータ圧縮を実現することができ、ノイズに強い類識別を実現することができる。
【0064】
実施の形態5.
なお、上記実施の形態4では、強度基準画素順位決定器24を挿入して強度基準画素を自動的に決定したが、種類判別結果D4の識別精度が要求水準よりも低い場合などにおける識別精度の向上を目的として、強度基準画素順位決定器24に代えて強度基準画素順位変更器を挿入し、強度基準画素順位を自動的に変更してもよい。
以下、図7を参照しながら、強度基準画素順位変更器25を用いたこの発明の実施の形態5による類識別装置12Dについて説明する。
図7において、前述(図6参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して、または、符号の後に「D」を付して詳述を省略する。
【0065】
この場合、類識別装置12Dにおいて、学習用画像生成器1と画素指定データ圧縮器2Dとの間には、強度基準画素順位変更器25が挿入されており、強度基準画素順位変更器25により、強度基準画素順位を自動的に変更して強度基準画素順位変更値Ns’を生成するようになっている。
【0066】
強度基準画素順位変更器25は、観測データD0、圧縮パラメータP16および学習用画像データD1を入力情報として、観測データD0および学習用画像データD1に対して、圧縮パラメータP16に含まれる強度基準画素順位Nsを変更するための強度圧縮変更率Rsを決定するとともに、強度圧縮変更率Rsに基づいて変更された強度基準画素順位変更値Ns’を出力する。
また、画素指定データ圧縮器2Dは、観測データD0、圧縮パラメータP16、学習用画像データD1および強度基準画素順位変更値Ns’を入力情報として、圧縮画像データD2a、D2bを生成する。
【0067】
次に、図7に示したこの発明の実施の形態5による具体的な処理動作について説明する。
まず、強度基準画素順位変更器25は、圧縮パラメータP16に含まれる強度基準画素順位Nsを第1の入力情報とし、学習用画像データD1または観測データD0の一部として出力される総画素数Nを第2の入力情報として、強度基準画素順位Nsおよび総画素数Nから、以下の式(2)に基づいて強度圧縮率Rsを算出する。
【0068】
【数1】
Figure 0004140826
【0069】
続いて、強度基準画素順位変更器25は、強度基準画素順位Nsを変更するためのパラメータである強度圧縮変更率Usを、乱数などを用いて決定した後、強度圧縮率Rs、強度圧縮変更率Usおよび総画素数Nを用いて、以下の式(3)に基づいて、強度基準画素順位変更値Ns’を決定して出力する。
【0070】
【数2】
Figure 0004140826
【0071】
なお、式(3)において、強度圧縮変更率Usは、
【数3】
Figure 0004140826
の範囲内の値とする。
【0072】
以上のように、この発明の実施の形態5によれば、強度基準となる圧縮パラメータP16(強度基準画素順位Ns)を、事前に与えた指標に基づいて自動的に算出し直した強度基準画素順位変更値Ns’に変更することにより、観測データD0の画像の質(観測条件)に見合った強度基準でのデータ圧縮が可能となり、ノイズに強い類識別を実現することができる。
【0073】
実施の形態6.
なお、上記実施の形態3(図5参照)では、強度基準画素順位Nsに基づいて強度基準値Vsを求めたが、指定された画素の強度平均値に基づいて強度基準値Vsを求めてもよい。
以下、図8を参照しながら、強度平均値Miに基づいて強度基準値Vsを求めたこの発明の実施の形態6による類識別装置12Eについて説明する。
図8において、前述(図5参照)と同様のものについては、前述と同一符号を付して、または、符号の後に「E」を付して詳述を省略する。
【0074】
この場合、類識別装置12E内の画素指定データ圧縮器2Eは、降順番号算出器23と、順位指定強度平均算出器26、強度基準値決定器21Eおよびデータ強度変換器22により構成されており、強度基準値決定器21Eは、順位指定強度平均算出器26により指定された強度平均値Mi(画素の強度の平均値)から、強度基準値Vsを求めるようになっている。
【0075】
画素指定データ圧縮器2Eにおいて、降順番号算出器23は、観測データD0および学習用画像データD1を入力情報として、観測データD0および学習用画像データD1に基づく画素を、強度に基づいて降順に並び替えしたときの順位を降順番号データD23として算出する。
順位指定強度平均算出器26は、観測データD0、圧縮パラメータP16、学習用画像データD1および降順番号データ23を入力情報として、強度平均値Miを算出する。
強度基準値決定器21Eは、圧縮パラメータP16および強度平均値Miを入力情報として、強度基準値Vsを決定して出力する。
【0076】
具体的には、順位指定強度平均算出器26は、観測データD0および学習用画像データD1に対し、降順番号データD23と圧縮パラメータP16に含まれる強度平均算出画素数Nriとに基づいて強度平均値Miを算出して出力する。
また、強度基準値決定器21Eは、強度平均値Miと、圧縮パラメータP16に含まれる強度基準値算出変数Rvisとに基づいて強度基準値Vsを求める。
【0077】
次に、図8に示したこの発明の実施の形態6による具体的な処理動作について説明する。
まず、強度平均算出器26は、強度平均値Miを決定するために、圧縮パラメータP16に含まれる強度平均算出画素数Nriを第1の入力情報とし、学習用画像データD1を第2の入力情報とし、観測データD0を第3の入力情報とし、降順番号算出器23からの降順番号データD23を第4の入力情報として、降順番号データD23の1番目からNri番目までの画素の強度平均値Miを算出して出力する。
【0078】
強度基準値決定器21Eは、強度平均算出器26からの強度平均値Miを第1の入力情報とし、強度平均値Miから強度基準値Vsを算出するための圧縮パラメータP16に含まれる強度基準値算出変数Rvisを第2の入力情報として、以下の式(4)に基づいて、強度基準値Vsを決定して出力する。
【0079】
【数4】
Figure 0004140826
【0080】
ただし、式(4)において、Vmaxは全画素における強度最大値である。
以上のように、この発明の実施の形態6によれば、強度平均値Miに基づいて強度基準値Vsを決定することにより、各画素強度の全体的な分布状況に適したデータ圧縮が可能となり、ノイズに強い類識別を実現することができる。
なお、上記各実施の形態1〜6では、船舶や航空機などの移動目標の類識別を行う場合を例にとって説明したが、それ以外の目標であっても、レーダから得られた大量の電波画像データを利用した類識別問題に対して同様に適用可能なことは、言うまでもないことである。
【0081】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、種類が不明の3次元の目標をレーダで観測した画像からなる観測データと、目標の種類の候補となる候補目標の学習用画像データを生成するための3次元の形状を表す3D形状データと、観測データを学習するための学習パラメータと、観測データおよび学習用画像データを圧縮するためのデータ圧縮基準となる画素を示す圧縮パラメータとを入力情報として、観測データの種類判別結果を出力する観測目標の類識別装置であって、観測データおよび3D形状データを入力情報として、観測データに基づいて目標の進行方向および回転に関する運動パラメータ値を決定するとともに、候補目標の3D形状データおよび運動パラメータ値に基づいて、目標の種類の学習に用いられる学習用画像データを生成する学習用画像生成器と、観測データ、圧縮パラメータおよび学習用画像データを入力情報として、圧縮パラメータに基づいて観測データおよび学習用画像データを圧縮し、学習用圧縮画像データおよび判別対象圧縮画像データを生成する画素指定データ圧縮器と、学習パラメータおよび学習用圧縮画像データを入力情報として、学習パラメータを用いて学習用圧縮画像データに基づく種類学習を行い、種類学習結果を生成する種類学習器と、判別対象圧縮画像データおよび種類学習結果を入力情報として、種類学習結果に基づいて判別対象圧縮画像データの種類判別を行い、種類判別結果を出力する種類判別器とを備えたので、レーダ観測画像データを対象にした場合に、姿勢および運動に関するパラメータの推定を最小限にした識別を実現するとともに、ユーザによる強度分布などのデータ解析の負荷を削減しつつ、レーダ観測画像データの性質に即した計算負荷の削減を実現し、且つノイズに強い識別を実現した観測目標の類識別装置が得られる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1を示すブロック構成図である。
【図2】 この発明の実施の形態1による圧縮処理を示す説明図である。
【図3】 この発明の実施の形態1による学習処理および判別処理を示す説明図である。
【図4】 この発明の実施の形態2を示すブロック構成図である。
【図5】 この発明の実施の形態3を示すブロック構成図である。
【図6】 この発明の実施の形態4を示すブロック構成図である。
【図7】 この発明の実施の形態5を示すブロック構成図である。
【図8】 この発明の実施の形態6を示すブロック構成図である。
【符号の説明】
1 学習用画像生成器、2、2A〜2E 画素指定データ圧縮器、3 種類学習器、4 種類判別器、12、12A〜12E 類識別装置、13 3D形状データファイル、14 観測データファイル、15 種類判別結果ファイル、16圧縮パラメータファイル、17 学習パラメータファイル、20 画素指定強度平均算出器、21、21B、21E 強度基準値算出器、22 データ強度変換器、23 降順番号算出器、24 強度基準画素順位決定器、25 強度基準画素順位変更器、26 順位指定強度平均算出器、D0 観測データ、D1 学習用画像データ、D2a 学習用圧縮画像データ、D2b 判別対象圧縮画像データ、D3 種類学習結果、D4 種類判別結果、D13 3D形状データ、D20、Mi 強度平均値、D23 降順番号データ、Nn 強度基準画素番号、Ns 強度基準画素順位、Ns’ 強度基準画素順位変更値、Nri 強度平均算出画素数、P16 圧縮パラメータ、P17 学習パラメータ、Rs 強度圧縮率、Rvis 強度基準値算出変数、Vs 強度基準値。

Claims (6)

  1. 種類が不明の3次元の目標をレーダで観測した画像からなる観測データと、前記目標の種類の候補となる候補目標の学習用画像データを生成するための3次元の形状を表す3D形状データと、前記観測データを学習するための学習パラメータと、前記観測データおよび前記学習用画像データを圧縮するためのデータ圧縮基準となる画素を示す圧縮パラメータとを入力情報として、前記観測データの種類判別結果を出力する観測目標の類識別装置であって、
    前記観測データおよび前記3D形状データを入力情報として、前記観測データに基づいて前記目標の進行方向および回転に関する運動パラメータ値を決定するとともに、前記候補目標の3D形状データおよび前記運動パラメータ値に基づいて、前記目標の種類の学習に用いられる前記学習用画像データを生成する学習用画像生成器と、
    前記観測データ、前記圧縮パラメータおよび前記学習用画像データを入力情報として、前記圧縮パラメータに基づいて前記観測データおよび前記学習用画像データを圧縮し、学習用圧縮画像データおよび判別対象圧縮画像データを生成する画素指定データ圧縮器と、
    前記学習パラメータおよび前記学習用圧縮画像データを入力情報として、前記学習パラメータを用いて前記学習用圧縮画像データに基づく種類学習を行い、種類学習結果を生成する種類学習器と、
    前記判別対象圧縮画像データおよび前記種類学習結果を入力情報として、前記種類学習結果に基づいて前記判別対象圧縮画像データの種類判別を行い、前記種類判別結果を出力する種類判別器と
    備えたことを特徴とする観測目標の類識別装置。
  2. 前記画素指定データ圧縮器は、
    前記観測データ、前記圧縮パラメータおよび前記学習用画像データを入力情報として、強度平均値を算出する画素指定強度平均算出器と、
    前記強度平均値を入力情報として、強度の基準となる強度基準値を決定して出力する強度基準値決定器と、
    前記観測データ、前記学習用画像データおよび前記強度基準値を入力情報として、前記学習用圧縮画像データおよび前記判別対象圧縮画像データを生成するデータ強度変換器とを含み、
    前記画素指定強度平均算出器は、前記観測データおよび前記学習用画像データに対して、前記圧縮パラメータに含まれる強度基準画素番号に基づく演算を行い、前記強度基準画素番号が示す画素の強度の平均値を前記強度平均値として出力し、
    前記データ強度変換器は、前記強度基準値に基づいて、強度を変換して前記学習用圧縮画像データおよび前記判別対象圧縮画像データを生成することを特徴とする請求項1に記載の観測目標の類識別装置。
  3. 前記画素指定データ圧縮器は、
    前記観測データおよび前記学習用画像データを入力情報として、降順番号データを算出する降順番号算出器と、
    前記観測データ、前記圧縮パラメータ、前記学習用画像データおよび前記降順番号データを入力情報として、強度基準値を決定して出力する強度基準値決定器と、
    前記観測データ、前記学習用画像データおよび前記強度基準値を入力情報として、前記学習用圧縮画像データおよび前記判別対象圧縮画像データを生成するデータ強度変換器とを含み、
    前記降順番号算出器は、前記観測データおよび前記学習用画像データに基づく画素を、強度に基づいて降順に並び替えしたときの順位を前記降順番号データとして出力し、
    前記強度基準値決定器は、前記観測データおよび前記学習用画像データに対して、前記圧縮パラメータに含まれる降順番号を示す強度基準画素順位に基づいて前記強度基準値を求め、
    前記データ強度変換器は、前記強度基準値に基づいて、強度を変換して前記学習用圧縮画像データおよび前記判別対象圧縮画像データを生成することを特徴とする請求項1に記載の観測目標の類識別装置。
  4. 前記学習用画像生成器と前記画素指定データ圧縮器との間に挿入された強度基準画素順位決定器を備え、
    前記強度基準画素順位決定器は、前記観測データ、前記圧縮パラメータおよび前記学習用画像データを入力情報として、前記観測データおよび前記学習用画像データに対して、前記圧縮パラメータに含まれる強度圧縮率に基づいて強度基準画素順位を決定して出力し、
    前記画素指定データ圧縮器は、前記観測データ、前記圧縮パラメータ、前記学習用画像データおよび前記強度基準画素順位を入力情報として、前記学習用圧縮画像データおよび前記判別対象圧縮画像データを生成することを特徴とする請求項1に記載の観測目標の類識別装置。
  5. 前記学習用画像生成器と前記画素指定データ圧縮器との間に挿入された強度基準画素順位変更器を備え、
    前記強度基準画素順位変更器は、前記観測データ、前記圧縮パラメータおよび前記学習用画像データを入力情報として、前記観測データおよび前記学習用画像データに対して、前記圧縮パラメータに含まれる強度基準画素順位を変更するための強度圧縮変更率を決定するとともに、前記強度圧縮変更率に基づいて前記強度基準画素順位を変更した強度基準画素順位変更値を出力し、
    前記画素指定データ圧縮器は、前記観測データ、前記圧縮パラメータ、前記学習用画像データおよび前記強度基準画素順位変更値を入力情報として、前記学習用圧縮画像データおよび前記判別対象圧縮画像データを生成することを特徴とする請求項1に記載の観測目標の類識別装置。
  6. 前記画素指定データ圧縮器は、
    前記観測データおよび前記学習用画像データを入力情報として、降順番号データを算出する降順番号算出器と、
    前記観測データ、前記圧縮パラメータ、前記学習用画像データおよび前記降順番号データを入力情報として、強度平均値を算出する順位指定強度平均算出器と、
    前記圧縮パラメータおよび前記強度平均値を入力情報として、強度基準値を決定して出力する強度基準値決定器と、
    前記観測データ、前記学習用画像データおよび前記強度基準値を入力情報として、前記学習用圧縮画像データおよび前記判別対象圧縮画像データを生成するデータ強度変換器とを含み、
    前記降順番号算出器は、前記観測データおよび前記学習用画像データに基づく画素を、強度に基づいて降順に並び替えしたときの順位を前記降順番号データとして出力し、
    前記順位指定強度平均算出器は、前記観測データおよび前記学習用画像データに対して、前記降順番号データと前記圧縮パラメータに含まれる強度平均算出画素数とに基づいて、前記強度平均値を算出して出力し、
    前記強度基準値決定器は、前記強度平均値と前記圧縮パラメータに含まれる強度基準値算出変数とに基づいて前記強度基準値を求め、
    前記データ強度変換器は、前記強度基準値に基づいて、強度を変換して前記学習用圧縮画像データおよび前記判別対象圧縮画像データを生成することを特徴とする請求項1に記載の観測目標の類識別装置。
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