JP4139705B2 - 光源種の識別方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、光源種の識別方法に関し、より具体的には、対象光源の色温度を推定するのみならず、事前に登録した蛍光灯の種類を推定することを可能とした光源種の識別方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
フイルム画像を印画紙等の複写感材へ焼付けるときの焼付露光量は、フイルムが撮影時に被写体から受けた光量によって決定され、1コマ毎に異っている。色再現性の良好なプリントを得るためには、撮影条件に応じた焼付露光量の補正が必要となる。このため、一般に、カラー原画から複写感材へカラー画像を再現するときの露光量は、色素フィルタや蒸着フィルタで構成された色分解フィルタを備えた測光装置を用いて赤(R),緑(G),青(B)光の積算透過濃度を測定し、R,G,B光各々について決定することによって、グレイバランスを定めている。
【0003】
しかしながら、背景等のカラーフェリアや現像条件等によって撮影光質情報が変化することがあるため、光質を正確に推定することができず、被写体照明光の光質の変化によって色再現性が悪化することがある。これは、写真フィルム上の何れの位置がグレイであるかの判断ができないためである。
この写真フィルム上にあるグレイを検出するのに最も有効な方法は、撮影光源の色温度を推定することである。
【0004】
ここで問題になるのは、室内撮影の場合には、蛍光灯下での撮影が多いことであり、周知のように、蛍光灯はそれ以外の一般的な光源とは異なり、上述のような色温度検出によっては、光源種を適正に推定できないということである。
この問題を解消しようとして、従来から種々の提案がなされているが、未だに完全な(少なくとも、実用上、十分な精度を持つの意)対応方法は見出されてはいない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、蛍光灯を含めた撮影光源の種類、すなわち光源種を識別可能とする光源種の識別方法を提供することにある。
【0006】
なお、本発明は、特願平6−253656号(特開平8−122157号公報参照、以下、先願という)により提案された、「色温度推定方法,色温度推定装置及び露光量決定方法」を改良して、光源の色温度を推定するのみならず、先願の方法では高精度な推定結果を得ることが困難であった黒体放射で表現できない光源、すなわち人工光源についても、現在、CIEで規定している12種類の蛍光灯の種類の少なくとも1部について、その種類を含めて識別可能としたものということができるものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る光源種の識別方法は、撮像系を構成するセンサとして、一般的なカラー画像の解析に用いられるR,G,B3色に対応する分光感度を有するセンサに加えて、前記R,G,B3色に対応する分光感度と少なくともピーク値が重複しない分光感度を有する第4のセンサを配して、この4つのセンサから得た情報を用いて撮影光源の光源種を識別する光源種の識別方法であって、前記第4のセンサとして、基準光源(i)の各センサ信号と他光源(j)の各センサ信号との差分を基に、下記式(1)により、識別対象の各光源間の光源類似度を示す平均最小距離Lminを求め、この平均最小距離Lminの値が予め定めた第1の基準値以上になるものを用い、色温度が既知の黒体放射に基づく光源および分光エネルギー分布が規定されている蛍光灯の分光エネルギー分布と、測光系の分光感度分布と、各々加重係数が付与された予め定めた3つの固有ベクトルの1次結合で表わした被写体の分光反射率分布の積の積和または積分値で定められる第2の基準値を求め、色温度が既知の黒体放射に基づく光源もしくは蛍光灯種別推定対象光源からの被写体で反射した反射光の少なくとも一部を前記各センサにより信号として測定し、前記加重係数の値を変更することによって、前記第2の基準値と、前記各センサによる測定値との差が最小となる被写体の分光反射率分布を色温度が既知の黒体放射に基づく光源毎並びに蛍光灯種別毎に求め、さらに、ここで求めた被写体の分光反射率の最大値が1.0を越えた異常成分の和を評価値として前記色温度が既知の黒体放射に基づく光源毎並びに蛍光灯種別毎に求め、この評価値の最小値に対応する色温度が既知の黒体放射に基づく光源もしくは蛍光灯種別を前記光源種の識別結果とすることを特徴とするものである。
【数1】
Figure 0004139705
ここで、前記第1の基準値は、1.2であることが好ましい。
【0009】
ここで、前記第4のセンサとしては、前記Rセンサの有する吸収のピークよりも30nm以上長波側で、かつ、700nm以下の領域に吸収のピークを有するもの、または、前記GセンサとBセンサの中間に吸収のピークを有し、かつ、このピーク値が500nm〜520nmの領域にあるものを用いることが可能である。
【0010】
なお、前記4つのセンサから得た情報を用いての光源種の識別は、色温度が既知の黒体放射に基づく光源および分光エネルギー分布が規定されている蛍光灯の分光エネルギー分布,測光系の分光感度分布並びに予め定めた前記4つのセンサ出力信号関数の1次結合で表わした分光反射率分布の積の積和または積分値で定められる基準値を求め、色温度が既知の黒体放射に基づく光源もしくは蛍光灯種別推定対象光源からの反射光の少なくとも一部を前記各センサにより信号として測定し、前記基準値とこの各センサによる測定値との差が最小となる分光反射率分布を色温度が既知の黒体放射に基づく光源毎並びに蛍光灯種別毎に求め、さらにここで求めた分光反射率の最大値が1. 0を越えた異常成分の和を評価値として求め、この評価値の最小値に対応する色温度が既知の黒体放射に基づく光源もしくは蛍光灯種別を前記光源種の識別結果とするものである。
【0011】
本発明に係る光源種の識別方法は、これを具体化した光源種の識別装置、もしくは、この光源種の識別装置を組み込んだ写真プリンタとして構成することが可能である。
【0012】
具体的には、本発明に係る光源種の識別方法を適用した光源種の識別装置は、撮影光源の光源種を識別可能な光源種の識別装置であって、撮像系を構成するセンサとして、一般的なカラー画像の解析に用いられるR,G,B3色に対応する分光感度を有するセンサに加えて、前述のような特性を有する第4のセンサを配して、この4つのセンサから得た情報を用いることを特徴とするものである。
【0013】
また、この光源種の識別装置を組み込んだ写真プリンタは、前記光源種の識別装置により識別した光源種に応じて、例えば予め用意された露光補正アルゴリズムを選択し、これに基づいて補正した露光量による露光を行って写真プリントを得るものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を用いて詳細に説明する。
以下に説明する実施形態は、光源類似度の指標を基準とする方法であり、ここでは、R,G,Bの3原色に対応させて設けた3個のセンサに加えて、適宜の波長域に吸収のピークを有する第4のセンサ(以下、これを、Xセンサともいう)を配して、このR,G,BおよびXの4つのセンサを用いて、光源および被写体に関する先見情報なしに、撮像手段(カラーネガフィルム,DSC:デジタルスチルカメラ等)からのセンサ信号だけから、撮影光源を識別しようとするものである。
【0015】
本実施形態においては、色温度T=5500Kの黒体放射の光源に対して、反射率1. 0の白色の信号値がSb =Sg =Sr =1. 0となるようにセンサ出力を調整し、また、任意の光源に対して白色信号のG信号が一定(Sg =1. 0)となるようにセンサの露光量調整を行う。
以上の条件の下で、マクベスチャートNo.19の白色の信号値を、CIE蛍光灯12種(F1〜F12),黒体放射光源4種(T=3000K,5000K,7000K,9000K)について求めた。
【0016】
本実施形態においては、この信号値を基に光源の色温度を推定するとともに、上述の12種類の蛍光灯(現状では、上記F1〜F12)をも含めて識別可能としようとするものである。図1に、上述の、CIEにより規定されている12種類の蛍光灯(F1〜F12)の概略の特性を、また、図2に、色温度Tの黒体放射光源の特性を示した。なお、被写体の分光反射率は、下記の式(2)に示すように固有ベクトル(例を、図3に示す)の加重和で近似できると仮定する。
【0017】
【数3】
Figure 0004139705
【0018】
この仮定により、被写体の分光反射率には奇想天外なもの(例えば、ギザギザな反射率)は論外にして、現実にありそうな分光反射率の変化のスムーズなものだけを対象にすることができる。なお、図3に示した固有ベクトルは、マクベスチャート24色を主成分分析して求めたものである。
【0019】
光源類似度の指標についてであるが、ある光源のセンサ信号値を基準として、他の光源のセンサ信号値がこれに近いか否かの指標として、下記の式(3)で定義されるΔb ,Δr ,Δx を用いることとする。
【0020】
【数4】
Figure 0004139705
【0021】
上述の式(3)中において、Δb ,Δr ,Δx は基準光源のセンサ信号(Δb 0 ,Δr 0 ,Δx 0 )と他光源のセンサ信号(Δb ,Δr ,Δx )との対数信号差を示している。一例として、CIE蛍光灯F8を基準光源とした場合について、Δb とΔr をプロットしたもの(3信号系)を、図4に示す。
【0022】
図4において、原点は基準のCIE蛍光灯F8であり、原点からの距離が大きいほど、基準光源(F8)と他光源との類似度は小さいことになる。
4信号系では、図4の紙面に垂直な方向の成分Δx が加わる。三次元空間における原点との距離Lにより、4信号系における基準光源(F8)と他光源との類似度(下記の式(4)参照)が評価できる。
【0023】
【数5】
Figure 0004139705
【0024】
式(4)中のLに添字を付けてL(i)jと表記し、基準光源がiのときの他光源jとの距離を示すことにする。例えば、基準光源と他光源がともにCIE蛍光灯(12種)とすれば、L(i)jは各基準光源ごとに11個存在することになる。そこで、その11個の中の最小値をL(i)min とし、下記の式(5)によりLmin を計算する。
【0025】
【数6】
Figure 0004139705
【0026】
ここで、Lmin はCIE蛍光灯12種間の平均最小距離であり、この値が小さいほど、蛍光灯同士の類似度が大きいことを意味し、誤認を起こしやすいことになる。
【0027】
図5は、前述のXセンサ(第4のセンサ)の分光感度のピーク位置(波長)を変化させた場合の、上記CIE蛍光灯12種間の平均最小距離Lmin の動きを示す。図5に示したように、Xセンサのピーク波長675nm付近でLmin が最大になることが判る。すなわち、CIE蛍光灯(12種)同士をなるべく誤認しないようにするためには、第4のセンサのピーク波長は、675nm付近に設定するのがよいことになる。
【0028】
また、蛍光灯と黒体放射光源との類似度についても、同様の方法で調べた結果を、図6に示す。図6に示す結果では、第4のセンサの分光感度のピーク位置が長波長になるほど、平均最小距離Lmin が大きくなり、蛍光灯と黒体放射光源との誤認は起こし難くなることがわかる。
【0029】
以上の結果から、第4のセンサの分光感度のピーク位置は680nm付近に設定するのが最適と言える。
図7に、この場合の各センサの分光感度特性をまとめた。
【0030】
〔実施例〕:画像シミュレーションによる光源種の推定
条件:
・センサ分光感度:図7に示す通りとする。
・分光反射率データ:マルチスペクトル画像(1024×1024画素)
・光源データ:CIE蛍光灯12種,黒体放射4種(いずれも,前述)
・画像作成:一組のセンサ分光感度対に対して、光源16種の画像を作成した。また、センサ分光感度対は、3信号系,4信号系(Xセンサのピーク波長645nm:X1),4信号系(同675nm:X2)の三つとした。
・光源推定方法(プログラム):前述の先願に示したものを用いた。
【0031】
上述の光源推定方法は、簡単にいえば、入力画像に対し、その画像がある光源(仮想光源)下で作成されたものと仮定して、各画素の分光反射率を再生した場合、仮想光源が実際に撮影に用いられた光源(実写光源)と違っていると、分光反射率に異常(反射率が1. 0を越える)が観測されることを利用して、反射率異常が最小となる光源を実写光源と推定するものである。
【0032】
以下、より具体的に説明する。
前述の通り、ここでは、R,G,Bの3原色に対応させて設けた3個のセンサ(3信号系の場合)に加えて、第4のセンサとして645nm(4信号系の場合の▲1▼),680nm(4信号系の場合の▲2▼)に吸収のピークを有するセンサを配して、これらのセンサを用いるものとする。
【0033】
一般的に、ある色温度の黒体放射光源またはある種類の蛍光灯で照明された被写体を撮影した場合のセンサ出力信号Eij Z は、下記の式(6)で表わすことができる。なお、ここで、Zは色温度Tの黒体放射光源またはある種類の蛍光灯を示す。
【0034】
【数7】
Figure 0004139705
【0035】
ここで、上記センサ信号Eij Z は、二つの未知な変量PZ (λ)とρi (λ)を含む積分値であり、センサ信号Eij Z を与えるPZ (λ)とρi (λ)の可能な組み合わせは、多数考えられる。従って、一般には、光源PZ (λ)を特定することは不可能であるが、可能な組み合わせの中には、数学的には矛盾しないが物理的に矛盾するものも多数含まれると考えられ、それらを除くと光源の推定が、ある精度内で可能になる。
【0036】
なお、上記式(6)中の被写体の分光反射率分布ρi (λ)は、データを得るための情報形態によってiが定まる。すなわち、被写体を撮影したときの撮影画像を想定すると、その撮影画像を多数に分割した各々の画素から情報を得ることができるので、i番目の画素に対応する被写体の分光反射率分布がρi (λ)となる。
【0037】
前記式(2)を式(6)に代入し、PZ (λ)をP(T;λ)と表記し直すと、センサ信号Eij Z は、下記の式(7)となる。
【0038】
【数8】
Figure 0004139705
【0039】
ここでは、この条件で、光源と被写体の可能な組み合わせを求めるために、未知数の一つである色温度Tを固定して被写体の分光反射率を復元する。このため、加重係数αikに初期値を与え、式(7)の右辺の積分値がセンサ信号Eij Z に一致するまで、加重係数αikの最適化計算を繰り返した。収束した加重係数αikを用いることにより、式(2)から被写体の分光反射率を復元することができる。
【0040】
この一例を、図8に示す。この例では、センサ信号Eij Z をEB =EG =ER =EX =0. 6とし、色温度を、T=3000K,5000K,7000K,9000Kと変化させている。ここで、T=3000Kと9000K(長波長側)では、分光反射率の一部が反射率1. 0を超えており、前述の物理的に矛盾したデータ(反射率異常)になっている。これから、撮影光源の色温度が、3000Kまたは9000Kである可能性は低いということができる。
【0041】
上述のように、分光反射率の復元データは、色温度の推定に利用することができると考えられる。また、この際に用いる推定に寄与する評価値も、幾つか考えられる。ここでは、その一つとして、分光反射率ρi (λ)は0≦ρi (λ)≦1. 0であるという事実を重視して、分光反射率ρi (λ)が1. 0を越える程度が強いほど「真の色温度」からのずれが大きいと考えて、下記の式(8)に示すような評価値vを導入した。
【0042】
【数9】
Figure 0004139705
【0043】
この評価値vは、色温度Tの関数となるが、それを多くの画素(i=1,……,u)について集計したものをVとする。ここで、Vは下記の式(9)で表わされる。なお、ここで、ρi (λ)max はρi (λ)の最大値を示すものとする。
【0044】
【数10】
Figure 0004139705
【0045】
図9に、上述の色温度の変化に対応する評価値Vの変化の模式的な一例を示した。図9は光源種が色温度5000Kの黒体放射光源の場合を示すものであり、図中のU字状曲線の底に対応する部分は、前述の、被写体の分光反射率が反射率1. 0を超える確率が最も小さい部分と言えるので、これに対応する色温度を、撮影光源の色温度と推定(識別)することができる。
【0046】
図10には、光源種が蛍光灯F1である場合を例示している。蛍光灯を含めた光源種識別を行う場合には、前述の式(9)の評価値Vを黒体放射光源の色温度および蛍光灯光源種の種別(12種)に対して計算し、U字状ないしV字状の曲線の最小値に対応する色温度が既知の黒体放射に基づく光源もしくは蛍光灯の種類を、撮影光源の光源種と推定する。図10では、最小値に対応する光源種は、蛍光灯F1と読み取れる。
【0047】
図11は、本実施例における光源種の識別動作の流れを示すフローチャートである。なお、ここでは、カラーネガフィルムを測光して、その結果に基づいて撮影光源の種類を識別する場合を例に挙げる。
【0048】
ステップ12:事前準備として、ここでは、種々の光源種(前述のように、蛍光灯種別を含む)を仮定し、測定対象カラーネガフィルムについて、加重係数αikに任意の4つの数値対を与えることにより分光反射率を復元し(式(2))、式(6)によってEij Z を計算してメモリに蓄積しておく。これを繰り返すことにより、(αik対Eij Z )のデータ対を構成できる。この計算結果は、テーブル化しておいてもよい。
【0049】
ステップ14:実際の動作では、未知の光源種におけるカラーネガフィルムの測光データ(Eij 0 )を得て、次の式(10)に示すように、データEij 0 とセンサ出力値Eij Z との差ΔEを最小にする分光反射率(すなわちαik)を求める。これは、前述の、蓄積されている多数のEij Z を用いることによって実行できる。
【0050】
【数11】
Figure 0004139705
【0051】
ステップ16:ΔEを最小にする分光反射率に対して評価値Vを計算し、評価値Vの最小値に対応する光源種を撮影光源と推定する。
【0052】
表1に、3信号系,4信号系の▲1▼(X1センサを用いた場合),4信号系の▲2▼(X2センサを用いた場合)とにおける、各種の光源種に対応して評価値Vが最小値となった点を示した。
【0053】
【表1】
Figure 0004139705
【0054】
この表1は、ある光源種が、本実施形態に係る光源種の識別方法によってどのように識別されたかを、従来の方法、すなわちR,G,Bの3センサのみを用いた3信号系の場合との対比の形で示しているものである。光源種が蛍光灯F1〜F12である場合における識別結果の欄を見れば判るように、殆どの光源種が正しく識別されているということを示している。
【0055】
また、例えば、黒体放射5000Kという色温度が、3信号系の場合(表1中では、3ch入力と示されている)では4419であるのに対して、X1センサを用いた場合(表1中では、4ch入力(645nm)と示されている)では4510Kとなっており、さらにX2センサを用いた場合(表1中では、4ch入力(675nm)と示されている)では4541Kとなっている点からも判るように、色温度の推定においても精度が向上する効果が得られている。
【0056】
上記実施例によれば、第4のセンサを導入したことにより、未知の光源種におけるカラーネガフィルムの測光データ(Eij 0 )を得た場合に、そのカラーネガフィルムの撮影に用いられた光源の種別を、蛍光灯の種別までを含めて、的確に識別することが可能になるという極めて顕著な効果が得られる。
【0057】
なお、上述の、光源類似度の指標の項で示した図5,図6はカラーネガフィルム(富士写真フイルム(株)製:Superia 400)の分光感度に対応するものであったので、次に、他の実施例として、デジタルスチルカメラ(同じく富士写真フイルム(株)製:S1pro)の分光感度についての場合を説明する。
【0058】
詳細は省略するが、図12,図13に示すように、第4のセンサ(Xセンサ)の最適ピーク波長は、685nmであった。また、この最適ピーク波長は、第1〜第3センサの分光感度(R,G,B)には殆ど依存しないことが認められた。以上の結果から、第4のセンサ(Xセンサ)の最適ピーク波長は、前記Rセンサの有する吸収のピークよりも30nm以上長波側で、かつ、700nm以下の領域に吸収のピークを有するもの、より具体的には、680nm付近であるということができる。
【0059】
さらに別の実施例として、センサの分光感度の形状を変えた場合を説明する。用いたセンサは、吸収のピークが680nmおよび515nmであり、これに、分光感度の形状を変更する(バンド幅を、1. 0(そのまま)から0. 33(1/3)に変更する)という条件を組み合わせた。また、分光感度は、前述のカラーネガフィルム(Superia 400)と、デジタルカメラ(S1pro)の分光感度の2水準とした。
【0060】
なお、ここで追加した、ピーク波長が515nmのXセンサは、図5に示した実施例から、Xセンサとして使用できる可能性が高いと思われたものを、採用したものである。
【0061】
詳細は省略するが、図14,図15に示すように、ピーク波長が515nmである第4のセンサ(Xセンサ)のバンド幅を0. 33(1/3)とした場合に、ピーク波長が515nmでバンド幅が1. 0(そのまま)の場合に比較して、光源間の類似度の検出能(前述の、平均最小距離)が向上することが認められる。そこで、これに基づいて、第4のセンサ(Xセンサ)のピーク波長515nm,バンド幅0. 33(1/3)で、光源種推定実験を行った。
結果を、表2に示す。
【0062】
【表2】
Figure 0004139705
【0063】
表2中では、ピーク波長515nmのXセンサを用い、バンド幅を1. 0(そのまま)および0. 33(1/3)に変更した場合における、CIE蛍光灯の識別能を比較している。なお、バンド幅0. 33の場合については、分光感度の変更例として、前述のデジタルカメラ(S1pro)の分光感度についての実験も行っている。
【0064】
表2から判るように、バンド幅を狭くすることにより、部分的ではあるが、光源種の識別能に明確な差が認められる。なお、ここでは、前述のカラーネガフィルム(Superia 400)と、デジタルカメラ(S1pro)の分光感度の差異による影響は認められなかった。
【0065】
上記実施例によれば、第4のセンサとして、先ほどとは異なるピーク波長を有するもの(515nm)を導入することによっても、未知の光源種におけるカラーネガフィルムの測光データ(Eij 0 )を得た場合に、そのカラーネガフィルムの撮影に用いられた光源の種別(特に、蛍光灯の種別)を、かなり適確に識別可能になるという効果が得られる。
【0066】
また、図14,図15においては、第4のセンサ(Xセンサ)として採用すべきピーク波長を決定する際に、平均最小距離の大きなものから順に選択しているが、これについては、目的とする光源種の範囲に応じて、以下のように考えればよい。
【0067】
例えば、前述のように、黒体放射4種に加えて、CIE蛍光灯12種をも高精度に識別しようとする場合には、平均最小距離を1. 2以上程度とすることが好ましいが、予め、識別しようとする光源種がこれより限られている場合には、平均最小距離を1. 0以上、さらには、0. 8以上とすることでも、本発明に係る識別方法の効果を部分的に利用することが可能である。
【0068】
すなわち、CIE蛍光灯12種のうちでも、実際には使用されていないものもあるわけで、上記蛍光灯12種のそれぞれについて、その使用頻度などのデータを作成または入手できれば、それに基づいて前述の平均最小距離の値を決定することができ、その値に基づいて、使用できる第4のセンサ(Xセンサ)を選択することができるということである。
【0069】
すなわち、本発明に係る光源種の識別方法における一連の実験結果からいえることは、一般的なカラー画像の解析に用いられるR,G,B3色に対応する分光感度を有するセンサに加えて、さらに別の領域に、上述のような狭い吸収ピーク帯を有するセンサを、既存のセンサ間のいわば空白の領域に配することが、本発明の目的を達成する本質であるということである。
【0070】
なお、上記各実施例は本発明の一例を示したものであり、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、適宜の変更・改良を行ってもよいことはいうまでもないことである。
【0071】
なお、本発明に係る光源種の識別方法を、写真プリンタにける露光制御装置に適用した場合、すなわち、写真フィルムの焼付対象画像を、複写感材としてのプリント感材に焼付ける際に、この識別した色温度に基づいてプリントの露光時間を制御するという応用を想定した場合には、前述の各センサの分光感度分布Sj (λ)を、写真フィルムの感度分布に置き換えればよい。
【0072】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明に係る光源種の識別方法によれば、第4のセンサを導入したことにより、蛍光灯を含む撮影光源種の識別を高精度に行うことができる、という顕著な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)〜(d)は、CIEに規定される12種類の蛍光灯(F1〜F12)の概略特性を示す図である。
【図2】 色温度Tの黒体放射の概念を説明する図である。
【図3】 被写体の固有ベクトルの分光分布を例示する図である。
【図4】 本発明の原理である光源類似度の指標についての説明図である。
【図5】 実施形態に係るXセンサの分光感度のピーク位置(波長)を変化させた場合の蛍光灯間の平均最小距離の動きを示す説明図である。
【図6】 同、蛍光灯と黒体放射光源とを含めた場合の類似度の変化を示す説明図である。
【図7】 実施形態において用いたR,G,BおよびX(X1,X2)の各センサの分光感度を例示した図である。
【図8】 被写体の分光反射率を復元した状況を例示する図である。
【図9】 一実施形態における、色温度Tと評価値Vとの関係を例示する図である。
【図10】 実施形態における色温度Tおよび12種類の蛍光灯と評価値Vとの関係を例示する図である。
【図11】 実施形態における光源種の識別動作の流れを示すフローチャートである。
【図12】 分光分布を変更した場合における、Xセンサの分光感度のピーク位置(波長)を変化させた場合の蛍光灯間の平均最小距離の動きを示す説明図である。
【図13】 同、蛍光灯と黒体放射光源とを含めた場合の類似度の変化を示す説明図である。
【図14】 ピーク波長が515nmである第4のセンサ(Xセンサ)のバンド幅を変更した場合における、Xセンサの分光感度のピーク位置(波長)を変化させた場合の蛍光灯間の平均最小距離の動きを示す説明図である。
【図15】 同、蛍光灯と黒体放射光源とを含めた場合の類似度の変化を示す説明図である。
【符号の説明】
12,14,16 処理ステップ

Claims (4)

  1. 撮像系を構成するセンサとして、一般的なカラー画像の解析に用いられるR,G,B3色に対応する分光感度を有するセンサに加えて、前記R,G,B3色に対応する分光感度と少なくともピーク値が重複しない分光感度を有する第4のセンサを配して、この4つのセンサから得た情報を用いて撮影光源の光源種を識別する光源種の識別方法であって、
    前記第4のセンサとして、基準光源(i)の各センサ信号と他光源(j)の各センサ信号との差分を基に、下記式(1)により、識別対象の各光源間の光源類似度を示す平均最小距離Lminを求め、この平均最小距離Lminの値が予め定めた第1の基準値以上になるものを用い、
    色温度が既知の黒体放射に基づく光源および分光エネルギー分布が規定されている蛍光灯の分光エネルギー分布と、測光系の分光感度分布と、各々加重係数が付与された予め定めた3つの固有ベクトルの1次結合で表わした被写体の分光反射率分布の積の積和または積分値で定められる第2の基準値を求め、
    色温度が既知の黒体放射に基づく光源もしくは蛍光灯種別推定対象光源からの被写体で反射した反射光の少なくとも一部を前記各センサにより信号として測定し、
    前記加重係数の値を変更することによって、前記第2の基準値と、前記各センサによる測定値との差が最小となる被写体の分光反射率分布を色温度が既知の黒体放射に基づく光源毎並びに蛍光灯種別毎に求め、
    さらに、ここで求めた被写体の分光反射率の最大値が1.0を越えた異常成分の和を評価値として前記色温度が既知の黒体放射に基づく光源毎並びに蛍光灯種別毎に求め、
    この評価値の最小値に対応する色温度が既知の黒体放射に基づく光源もしくは蛍光灯種別を前記光源種の識別結果とすることを特徴とする光源種の識別方法。
    Figure 0004139705
  2. 前記第1の基準値が、1.2であることを特徴とする請求項1に記載の光源種の識別方法。
  3. 前記第4のセンサとして、前記Rセンサの有する吸収のピークよりも30nm以上長波側で、かつ、700nm以下の領域に吸収のピークを有するものを用いることを特徴とする請求項1または2に記載の光源種の識別方法。
  4. 前記第4のセンサとして、前記GセンサとBセンサの中間に吸収のピークを有し、かつ、このピーク値が500nm〜520nmの領域にあるものを用いることを特徴とする請求項1または2に記載の光源種の識別方法。
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