JP3029918B2 - 複写装置の露光量決定方法及び装置 - Google Patents

複写装置の露光量決定方法及び装置

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JP3029918B2 JP4155277A JP15527792A JP3029918B2 JP 3029918 B2 JP3029918 B2 JP 3029918B2 JP 4155277 A JP4155277 A JP 4155277A JP 15527792 A JP15527792 A JP 15527792A JP 3029918 B2 JP3029918 B2 JP 3029918B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は複写装置の露光量決定方
法及びこの露光量決定方法が適用可能な複写装置の露光
量決定装置に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】一般
に、カラー原画から感光材料等の複写材料へカラー画像
を複写するときの露光量は、色素フィルタや蒸着フィル
タで構成された色分解フィルタを備えた測光装置を用い
て赤(R)、緑(G)、青(B)光の積算透過濃度を測
定し、R、G、B光各々について決定している。露光量
を正確に決定するには、測光装置の分光感度分布と複写
材料の分光感度分布とを正確に一致させる必要がある。
この複写材料の分光感度分布は、感光度が最大になる波
長に関して非対称になった複雑な分布になっている。そ
のため、色素フィルタや蒸着フィルタで作成するには多
くのフィルタを組み合わせる必要があり、量産すること
が困難であり、かつ精度が低いという問題がある。
【0003】そこで、フォトレジスト露光装置において
は、原画からの光をスペクトル光に分解し、分解光に重
みを付けて加算する処理を行うことにより測光装置の分
光感度分布を複写材料の分光感度分布に一致させること
が知られている。特開昭58-88624号公報には、このフォ
トレジスト露光装置として回折格子、収斂光学系及びフ
ォトディテクタを用いて上記の処理を行うことが開示さ
れているが、これらの相互配置により分光感度特性が変
化しないようにするため、複雑なメカニズムが必要にな
る。特開昭61-95525号公報には、上記回折格子に代えて
多数個の干渉フィルタを配置したフォトレジスト露光装
置が開示されている。しかしながら、分解光と同数の干
渉フィルタが必要となるため、測光波長の数が多い場合
には量産するのが困難である。
【0004】また、カラー写真用プリンタにおいては、
特開平1-134353号公報に、プリズム、回折格子またはス
ペクトルフィルタを用いて、フィルムに記録された画像
を透過した光をスペクトル分解し、光電センサのパネル
へコピー原稿の一部をスリット状に結像することが開示
されている。上記では、光電センサのパネルの行に沿っ
て異なる測光位置の光が入射され、パネルの列に沿って
入射された各測光位置のスペクトル光を電気信号に変換
し、フィルムを徐々に移動させることによって原画上の
スリット光透過部分を移動させて全画面について測光す
る。測光した各画素の各スペクトルに対し複写材料の分
光感度分布に対応する重み係数を乗じて複写材料の分光
感度分布に等しい分光感度分布をもつセンサで測光した
に等しい測光値を求めている。
【0005】しかし、回折格子やスペクトルフィルタを
用いる場合には前記と同様の問題があり、プリズムを使
用する場合には、屈折によって色分解しているので、投
影光を平行にする必要があり装置が大型化すると共に、
光電センサの持つ分光感度分布によりスペクトルを同一
光量で同一パネルで測光することが困難である等の欠点
がある。また、行を列に分解するため、特に画像の濃度
が高い場合に光量が大幅に低下する欠点があり、スペク
トル分解能を落して測光し、測光したスペクトル間を内
挿(補間)して求めるようにしている。
【0006】さらに、特開平1-142719号公報にもフィル
ムに記録された画像に投影したスリット光をプリズム、
回折格子等によって多数個のスペクトルに分解し、2次
元アレイセンサを用いて測光して平均濃度を求める第1
の測光部と、スキャニング測光により平均濃度を求め露
光量を求める第2の測光部と、を有し、第1の測光部で
求めた平均濃度と第2の測光部で求めた平均濃度とを比
較した結果に基づいて露光量を修正する。しかしなが
ら、プリズムや回折格子を用いているため前記と同様の
問題がある。また、2つの測光部を設ける必要があるた
め、さらに装置が大型化したり部品配置の制約が大きく
なるという欠点があった。
【0007】また、これに関連して本出願人は、フィル
ム画像を多数個のスペクトルに分解測光する第1のセン
サと、複写材料の3つの感度波長帯に対応する波長帯に
極大感度をもち画像を多数個に分割して測光する第2の
センサと、を有し、第1のセンサの測光値に複写材料の
分光感度分布に相当する重み係数を乗じて平均濃度を求
め、第2のセンサで補正量を求め、両者により露光量を
決定するようにした露光量制御装置(特開平3-230148公
報参照)を提案している。
【0008】上記露光量制御装置では、干渉膜の厚みを
連続的にまたは階段状に変化させて光の照射部位によっ
て分光する波長が変化するよう構成した干渉フィルタ
と、2次元イメージセンサと、で第1のセンサを構成し
ているので、拡散光を用いて測光することができるが、
2つの測光部を設ける必要があるので、装置を小型化す
ることが困難であった。また、フィルム画像を透過して
第1のセンサに入射する光を完全に拡散させて均一にし
ないとスペクトル誤差を生じ、適正な露光量を求めるこ
とができない。
【0009】これに関連して、本出願人が提案している
画像複写装置の露光量決定方法(特開平3-46648 号公
報)では、3色測光データを規格化条件に従って変換し
た3色規格化データとし、3色規格化データと基準値と
を比較して前記3色規格化データを分類し、前記分類に
従って選択した3色測光データの平均濃度に基づいて露
光量を決定している。これにより、画像が記録されたフ
ィルムの種類に拘わらず適正な露光量を得ているが、測
光手段の分光感度分布を複写材料の分光感度分布に一致
させる点については考慮されていない。
【0010】一方、測光に使用する光源のエネルギー分
布、測光装置の分光感度分布等を予め求めておき、マイ
クロコンピュータによる演算によって複写材料の分光感
度分布と等しい分光感度分布を有する測光装置で測光し
たときと同等の測光値を得た後露光量を決定する次のよ
うな方法も考えられている。
【0011】すなわち、測光に使用する光源の分光エネ
ルギー分布をP(λ)、測光装置の分光感度分布をS
(λ)、フィルム上の現像銀あるいは発色色素の分光透
過率分布をρ(λ)とすると、波長域s〜lの測光装置
で測光した濃度Dは次の(1)式で表される。
【0012】
【数1】
【0013】従って、複写材料の分光感度分布S
p (λ)と等しい分光感度分布の測定装置で測光した濃
度Dは、上記(1)式のS(λ)を複写材料の分光感度
分布Sp (λ)に置換えることによって得ることができ
る。
【0014】光源の分光エネルギー分布P(λ)、複写
材料の分光感度分布SP(λ)は予め測定することによ
って求められるから、フィルムによって異るフィルムの
分光透過率分布ρ(λ)を推定すれば、上記(1)式か
ら複写材料の分光感度分布と等しい分光感度分布の測光
装置で測光した濃度を求めることができる。そして、こ
の濃度に基づいて露光量を決定することができる。
【0015】この方法によれば、上記従来技術のように
回折格子や多数個の干渉フィルタを用いる必要がないた
め、測光装置を小型かつ低コストで製造できる。
【0016】しかしながら、上記マイクロコンピュータ
の演算による方法では、フィルムの分光透過率分布を正
確に推定する方法が確立されておらず、複写材料の分光
感度分布と等しい分光感度分布の測光装置で測光した測
光値を演算によって精度よく求めることができない、と
いう問題があった。
【0017】さらに、露光量を正確に決定するために
は、測光部の各センサにより画像を各画素毎に分割し分
割した各々の画素を多数色に分解して測光し、全画素の
分光分布を測定または推定した上で各画素の分光分布に
基づいて決定することが好ましいが、各画素毎に分光分
布を演算するため演算時間がかかるという問題があり、
さらに各センサにより画像を分割したときの各画素の位
置が実際の位置に正確に一致している必要があるが、こ
れを満足するためには各センサの位置合わせ(所謂レジ
ストレーション)を高い精度で行う必要があり、調整に
多大な時間がかかる。
【0018】本発明は上記事実を考慮して成されたもの
で、少ない測光データで最適な露光量を決定することが
でき、装置を小型化することができる複写装置の露光量
決定装置及び露光量決定方法を得ることが目的である。
【0019】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1記載の発明は、記録材料に記録された画像を
多数個の画素に分割し各画素を予め定められた4色以上
の多数色に分解して測光する測光手段と、前記測光手段
の測光により得られた多数色の測光データを記憶する記
憶手段と、前記記憶手段に記憶された多数色の測光デー
タのうちの少なくとも3色の測光データに基づいて測光
データを露光量決定に用いる画素を選択する画素選択手
段と、前記画素選択手段によって選択された画素の測光
データの平均値を各色毎に演算する平均値演算手段と、
前記選択された画素の測光データの各色毎の平均値に基
づいて前記選択された画素から成る領域の分光分布を推
定する推定手段を備え、推定した分光分布と複写材料の
分光感度分布から求めた第1の重み係数とを用いて、前
記選択された画素から成る領域について複写材料の分光
感度分布と等しい分光感度分布を有する測光手段で測光
して求めた平均濃度と同等の平均濃度を求める平均濃度
演算手段と、前記平均濃度に基づいて露光量を決定する
露光量決定手段と、を有している。
【0020】また、推定手段は、前記選択された画素の
測光データの各色毎の平均値と予め定められた複数の主
成分分光分布とに基づいて第2の重み係数を求め、該第
2の重み係数を用いて複数の主成分分光分布の線形和を
求めることによって選択された画素から成る領域の分光
分布を推定することが好ましい。
【0021】請求項記載の発明は、記録材料に記録さ
れた画像を多数個の画素に分割し各画素を予め定められ
た4色以上の多数色に分解して測光する測光手段と、前
記測光手段の測光により得られた多数色の測光データを
記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶された多数色
の測光データのうちの少なくとも3色の測光データに基
づいて測光データを露光量決定に用いる画素を選択する
画素選択手段と、前記画素選択手段によって選択された
画素の測光データに基づいて前記選択された各画素の分
光分布を推定する推定手段と、前記推定された各画素の
分光分布と複写材料の分光感度分布から求めた第1の重
み係数とを用いて前記選択された画素から成る領域につ
いて複写材料の分光感度分布と等しい分光感度分布を有
する測光手段で測光して求めた平均濃度と同等の平均濃
度を求める平均濃度演算手段と、前記平均濃度に基づい
て露光量を決定する露光量決定手段と、を有している。
【0022】また、測光手段は、前記画像を多数個に分
割し各々2色以上に分解して測光する2個以上のエリア
センサで構成することができる。
【0023】また、測光手段を2個以上のエリアセンサ
で構成した場合、エリアセンサの少なくとも1つは、
R、G、B3色の測光を行うように構成することができ
る。
【0024】また、R、G、B3色の測光を行うエリア
センサは、複写材料のR、G、B3色の感度波長帯に対
応する波長帯に極大感度を有するように構成することが
できる。
【0025】また、選択手段は、前記R、G、B3色の
測光を行うエリアセンサの測光により得られた測光デー
タに基づいて画素を選択することができる。
【0026】また、測光手段は複数のラインセンサから
成り、前記画像を多数個に分割し4色以上の多数色に分
解して測光することができる。
【0027】請求項記載の発明は、記録材料に記録さ
れた画像を多数個の画素に分割し各画素を予め定められ
た4色以上の多数色に分解して測光し、多数色の測光デ
ータのうちの少なくとも3色の測光データに基づいて測
光データを露光量決定に用いる画素を選択し、前記選択
した画素の多数色の測光データを用いて露光量を決定す
る。
【0028】また、前記露光量は、前記選択した画素の
多数色の測光データを用いて前記選択した画素から成る
領域の分光分布を推定し、推定した分光分布と複写材料
の分光感度分布を用いて前記選択した画素から成る領域
について複写材料の分光感度分布と等しい分光感度分布
を有する測光手段で測光して求めた平均濃度と同等の平
均濃度を求め、該平均濃度に基づいて決定することがで
きる。
【0029】また、前記露光量は、前記選択した画素の
多数色の測光データに基づいて選択した各画素の分光分
布を推定し、推定した各画素の分光分布と複写材料の分
光感度分布を用いて前記選択した画素から成る領域につ
いて複写材料の分光感度分布と等しい分光感度分布を有
する測光手段で測光して求めた平均濃度と同等の平均濃
度を求め、該平均濃度に基づいて決定することができ
る。
【0030】また、前記分光分布の推定は、予め定めら
れた複数の主成分分光分布を用いて行うことができる。
【0031】
【作用】請求項1記載の発明では、記録材料に記録され
た画像を多数個の画素に分割し各画素を予め定められた
4色以上の多数色に分解して測光し、多数色の測光デー
タのうちの少なくとも3色の測光データに基づいて測光
データを露光量決定に用いる画素を選択する。この画素
選択の方法としては、特開平2-93450 号公報、特開平2-
93450 号公報、特開昭61-198144 号公報等に記載された
方法を適用することができ、これにより、例えば露光量
の決定に悪影響を与える高彩度の画素等を除去すること
ができる。
【0032】次に、選択された画素の測光データの平均
値を各色毎に演算し、複写材料の分光感度分布から求め
た第1の重み係数と前記各色の平均値とを用いて前記選
択された画素から成る領域について複写材料の分光感度
分布と等しい分光感度分布を有する測光手段で測光して
求めた平均濃度と同等の平均濃度を求める。この平均濃
度の演算は、より詳しくは、選択された画素の測光デー
タの各色毎の平均値に基づいて、選択された画素から成
る領域の分光分布を推定し、推定した分光分布と第1の
重み係数とを用いることによって行うことができる。
【0033】以下、分光分布の推定方法の一例として、
主成分分光透過率分布を用いて記録材料としてのネガフ
ィルムに記録された画像の分光透過率分布を推定する方
法について説明する。
【0034】画像の分光透過率分布ρ(λ)が、第1〜
第NのN個の主成分分光透過率分布e1(λ)、e
2(λ)、e3(λ)・・・eN (λ)の全部を用いなくと
も、そのうちの第1〜第kのk個の主成分分光透過率分
布の線形和で推定できると仮定すると、この分光透過率
分布ρ(λ)は(2)式で表すことができる。
【0035】
【数2】
【0036】このN個の主成分分光透過率分布e
1(λ)、e2(λ)、e3(λ)・・・eN (λ)は1種ま
たは複数種(例えば、10種)のカラーネガフィルムに
対して各々多数色(例えば72色)のカラーサンプル画
像をM枚用意し、分光計の測定結果を分析することによ
り求めることができる。すなわち、各サンプル画像を、
例えば400nm 〜760nm まで5nm 〜10nm間隔で各波長毎に
測定した分光透過率を各々(3)式のようにρ1 〜ρM
とする。10nm間隔の場合N=36である。なお、(3)式
のρ11、ρ12、・・・、ρN1等は例えば10nm間隔で測定
された分光透過率を示す。
【0037】
【数3】
【0038】(3)式を主成分分析して主軸ベクトルe
i(ただし、i=1,2,・・・N)を求める。この求め方
は、まず(4)式の相関行列Σを求め、Σについて固有
値と固有ベクトルとを求める。
【0039】
【数4】
【0040】行列Σは対称行列であるから固有値は0以
上となり、固有値の大きなものからU1 2、U2 2、U3 2
・・・UN 2 とし、それぞれに対応する固有ベクトルを
正規化してe1 、e2 、e3 、・・・eN とする。
【0041】行列eをe=〔e1 、e2 、e3 、・・・
N 〕とすると、
【0042】
【数5】
【0043】となり、対称化される。ここで、ベクトル
eiをei(λ)と表記すれば、カラーサンプルの分光
透過率分布ρ(λ)は、
【0044】
【数6】
【0045】と表すことができる。(6)式において第
k項までの和をとったものが(2)式に対応する。従っ
て、本発明の第2の重み係数に相当する(2)式の重み
係数a1 、a2 、・・・ak を決定すればフィルムの分
光透過率分布ρ(λ)を推定できることになる。また、
濃度は透過率の対数であるから分光透過濃度分布も求め
ることができる。
【0046】次に重み係数a1 、a2 、・・・ak を決
定する方法について述べる。光源の分光エネルギ分布を
P(λ)、k個のセンサの分光感度分布をS1 (λ)、
2(λ)、・・・Sk (λ)として、フィルムに記録
された画像の分光透過率分布ρ(λ)を主成分分光透過
率分布e1 (λ)、e2 (λ)、・・・ek (λ)の線
形和で表すと各センサ出力、すなわち測光値は次のよう
になる。
【0047】
【数7】
【0048】ここで、測光値 を各々q1 、q2 ・・・qk とし、 を各々e11、e21、・・・ ekkとして行列で表す
と、
【0049】
【数8】
【0050】
【数9】
【0051】となり、測光値及び複数の主成分分光透過
率分布に基づいて重み係数a1、a2、・・・akが求め
られる。そしてこの値を(2)式に代入することにより
画像の分光透過率分布ρ(λ)が推定されることにな
る。また、この分光透過率分布から分光透過濃度分布や
分光透過度分布を推定することができる。従って、請求
にも記載したように、選択された画素の測光データ
の各色毎の平均値と予め定められた複数の主成分分光分
布とに基づいて重み係数a1、a2、・・・akを求め、
この重み係数を用いて複数の主成分分光分布の線形和を
求めれば、選択された画素から成る領域の分光分布を推
定できる。
【0052】上記では、所定幅の感度分布をもったセン
サで測光することを前提としているが、センサの感度分
布がナローバンドの場合には、各波長λ1 、λ2 、・・
・λ k 毎に測光することになる。この場合の(7)式に
対応する式は(10)式のようになり、また(9)式に
対応する式は(11)式のようになる。
【0053】
【数10】
【0054】
【数11】
【0055】上記では主成分分光透過率分布を用いた
が、1種または複数種(例えば、10種)のサンプル画
像の分光透過濃度分布を分析して求めた第1〜第kの主
成分分光透過濃度分布を用いて次のようにして分光透過
濃度分布を推定することもできる。
【0056】まず、分光透過濃度分布D(λ)を、主成
分分光透過濃度分布e´j (λ)(j=1,2,・・・k)
の線形和で表わすと次のようになる。
【0057】
【数12】
【0058】一方、測光値qi (i=1,2,・・・k)は
次のように表わされる。
【0059】
【数13】
【0060】透過率と透過濃度との間にはD(λ)=−
logρ(λ)の関係があるから、(13)式をD
(λ)を用いて表すと次のようになる。
【0061】
【数14】
【0062】(14)式を非線型最適化法(例えば、ニ
ュートン・ラフソン法)を利用して解くことにより係数
j を求めることができ、この係数aj と主成分分光透
過濃度分布e´j (λ)とを用いれば(12)式から分
光透過濃度分布を推定することができる。また、この分
光透過濃度分布から分光透過率分布等を推定することが
できる。
【0063】センサの感度分布がナローバンドの場合、
例えば特定波長λ0 の一点の場合には、(14)式は次
のようになるからaj の解を求め易くなる。
【0064】
【数15】
【0065】ところで、上記のように測光値と主成分分
光透過率分布または主成分分光透過濃度分布との個数を
同一にして上記(9)式や(14)式を用いてコンピュ
ータによって係数a1 、a2 、a3 、・・・ak の解を
求める場合に、解が求めにくい場合がある。この場合に
はセンサによる測光値の個数を1〜数個増加させて以下
に説明するように演算すればよい。測光値を増加させる
個数をあまり多くすると従来と同様に多数個の干渉フィ
ルタを用いる必要等が発生するため、増加させる個数は
1または2個が好ましい。以下では、主成分分光透過率
分布を用いて分光透過率分布を推定する例において測光
値を1個増加させた場合を例にとって説明するが、2以
上増加させる場合、主成分分光透過濃度分布を用いる場
合も同様である。増加させた測光値をqk 1 とする
と、(8)式は次のようになる。
【0066】
【数16】
【0067】(16)式を次のように表す。
【0068】
【数17】
【0069】(17)式の両辺に〔e〕の転置行列
〔e〕T を乗算すると、〔e〕T 〔e〕は正方行列にな
るので、これを〔E〕とおくと、(17)式から〔a〕
は次のように表すことができる。
【0070】
【数18】
【0071】本発明者が1種のネガフィルムの分光透過
濃度分布を分析して求めた主成分分光透過濃度分布の個
数と実測値に対する推定値のスペクトル残差との関係、
及び10種のネガフィルムの分光透過濃度分布を分析し
て求めた主成分分光透過濃度分布の個数とスペクトル残
差との関係を調べたところ、図1の結果が得られた。図
1から理解されるように第1主成分分光透過濃度分布か
ら第3主成分分光透過濃度分布の3つの主成分分光透過
濃度分布を用いる場合については、1種のネガフィルム
についてスペクトル残差が小さく良い結果が得られてい
る。
【0072】一方、10種類のサンプルから求めた主成
分分光透過濃度分布の第1〜第4の4個の主成分分光透
過濃度分布を用いれば、スペクトル残差が1種のネガフ
ィルムについて3個の主成分分光透過濃度分布を用いた
場合と略同一になる。従って、複数のネガフィルムに対
しては最低4個の主成分分光透過濃度分布を用いればフ
ィルム種を特定することなく分光透過濃度分布を求める
ことができる。
【0073】図2には、1種のネガフィルムの分光透過
率分布を分析して求めた主成分分光透過率分布の個数と
スペクトル残差との関係、及び10種のネガフィルムの
分光透過率分布を分析して求めた主成分分光透過率分布
の個数とスペクトル残差の関係が示されている。図2か
ら理解されるように、第1〜第4の4個の主成分分光透
過率分布を用いれば、比較的小さなスペクトル残差で分
光透過率分布を推定することができる。この場合には、
フィルム種を特定した方が推定精度がよいので、4また
は5個の主成分分光透過率分布を用いる場合にはフィル
ム種を特定した方が好ましい。
【0074】また、8項までの和 ρ(λ)=a1 ・e1(λ)+a2 ・e2(λ)+・・・+
8 ・e8(λ) を用いれば、すなわち第1〜第8の8個の主成分分光透
過率分布を用いれば、フィルムの種類を判別することな
く全ての種類のフィルムに対して濃度0.03程度の誤
差でフィルムの分光透過率分布を推定することができる
ことが確認されている。
【0075】なお、フィルムの種類を判別することなく
複数種類のフィルムの分光透過率分布を推定するときの
主成分分光透過率分布の最小値は4個である。これは、
主成分分光透過率分布を3個にすると、上記で説明した
ように推定精度が悪くなる。また、9個以上とすると推
定精度が向上するものの8個の場合と大きな差異がな
い。現在の全てのカラーフィルムと将来の未知のフィル
ムの出現を考慮したとしても最大で15程度である。
【0076】従って、多数のサンプル画像の分光分布
(分光透過率分布または分光濃度分布)を分析して4個
以上の主成分分光分布を予め求めておき、記録材料に記
録された画像を4色以上に分解して測光すれば、測光デ
ータと4個以上の主成分分光分布とに基づいて画像の分
光分布を高い精度で推定することができる。
【0077】請求項1及び請求項2記載の発明では、画
素の測光データの各色毎の平均値をを演算し、複写材料
の分光感度分布から求めた第1の重み係数と前記測光デ
ータの各色毎の平均値とを用い、複写材料の分光感度分
布と等しい分光感度分布を有する測光手段で測光して求
めた平均濃度と同等の平均濃度を、例えば前記(1)式
のS(λ)を複写材料の分光感度分布SP(λ)に置換
えた式によって求め、露光量を決定する。
【0078】このように、4色以上に分解して測光して
得た測光データから画像の分光分布を高い精度で推定す
ることができ、この分光分布から適正な露光量を得るこ
とができるので、プリズム、回折格子、スペクトルフィ
ルタ等の光学系要素を用いて多数個のスペクトルに分解
する必要がなくなり、測光時の分解色数を大幅に減少さ
せることができ、少ない測光データで最適な露光量を決
定することができる。また平行光で測光する必要がなく
なり、拡散光を用いて測光することができるので、測光
手段を複写装置の露光部に取付けることができ、複写装
置を小型化することが可能となる。
【0079】また、露光量決定に用いる画素の選択を、
多数色の測光データのうちの少なくとも3色の測光デー
タに基づいて行うので、3色の測光データを得るために
別に測光手段を設ける必要がない。従って、単一の測光
手段の測光により得られたデータに基づいて複写露光量
が決定されるので、複写装置をさらに小型化することが
できると共に、記録材料として例えば長尺状のフィルム
を用いる複写装置では、フィルムの搬送の切替え(縦送
り、横送り等)や短尺フィルムの搬送等のフィルムの取
扱いが容易になり、複写装置の操作性が向上する。さら
に、フィルムを透過した光を拡散させて色分解する場合
と比較して光むらの影響を除去することができる。
【0080】請求項記載の発明では、記録材料に記録
された画像を多数個の画素に分割し各画素を予め定めら
れた4色以上の多数色に分解して測光し、多数色の測光
データのうちの少なくとも3色の測光データに基づいて
露光量決定に用いる画素を選択し、選択した画素の測光
データに基づいて前記選択した各画素の分光分布を推定
する。また、各画素の分光分布と複写材料の分光感度分
布から求めた第1の重み係数とを用い、選択された画素
から成る領域について複写材料の分光感度分布と等しい
分光感度分布を有する測光手段で測光して求めた平均濃
度と同等の平均濃度を前記と同様にして求め、露光量を
決定する。
【0081】このように、各画素を4色以上に分解して
得た測光データに基づいて各画素の分光分布を推定する
ので、プリズム、回折格子、スペクトルフィルタ等の光
学系要素を用いて多数個のスペクトルに分解する必要が
なくなり、測光時の分解色数を大幅に減少させることが
でき、少ない測光データで最適な露光量を決定すること
ができる。また、選択した画素の分光分布を推定するの
で、画像の全画素の分光分布を推定する場合と比較して
演算時間を短くすることができる。
【0082】測光手段を2個以上のエリアセンサで構成
する場合には、エリアセンサの1つがR、G、B3色の
測光を行うことが好ましい。画素を選択するためには画
像の色解析を正確に行う必要があるので、前記R、G、
B3色の測光を行うエリアセンサの位置合わせ(レジス
トレーション)を高い精度で行う必要があるが、他のエ
リアセンサの測光により得られた測光データは平均濃度
を求めるためにのみ使用されるので、比較的位置合わせ
の精度が低くてもよく(1/2画素分乃至1画素程度ず
れていても大きな影響を受けない)、測光手段としての
エリアセンサの位置調整を短時間で行うことができる。
【0083】請求項記載の発明では、記録材料に記録
された画像を多数個の画素に分割し各画素を予め定めら
れた4色以上の多数色に分解して測光し、多数色の測光
データのうちの少なくとも3色の測光データに基づいて
測光データを露光量決定に用いる画素を選択する。そし
て、選択した画素の多数色の測光データを用いて露光量
を決定する。
【0084】例えば露光量の決定は、請求項10に記載
したように、選択した画素の多数色の測光データを用い
て選択した画素から成る領域の分光分布を推定し、推定
した分光分布と複写材料の分光感度分布を用い、選択し
た画素から成る領域について複写材料の分光感度分布と
等しい分光感度分布を有する測光手段で測光して求めた
平均濃度と同等の平均濃度を求め、該平均濃度に基づい
て決定することができる。また請求項11に記載したよ
うに、選択した画素の多数色の測光データに基づいて選
択した各画素の分光分布を推定し、推定した各画素の分
光分布と複写材料の分光感度分布を用いて選択した画素
から成る領域について複写材料の分光感度分布と等しい
分光感度分布を有する測光手段で測光して求めた平均濃
度と同等の平均濃度を求め、該平均濃度に基づいて決定
することもできる。
【0085】従って、前述の請求項1乃至請求項記載
の発明と同様に、プリズム、回折格子、スペクトルフィ
ルタ等の光学系要素を用いて多数個のスペクトルに分解
する必要がなくなり、測光時の分解色数を大幅に減少さ
せることができるので、少ない測光データで最適な露光
量を決定することができる。
【0086】
【実施例】
〔第1実施例〕以下、図面を参照して本発明の第1実施
例を詳細に説明する。なお、本発明は以下に記載した数
値に限定されるものではない。図3には本発明の複写装
置として、カラーネガフィルムに記録された画像をカラ
ーペーパに露光する自動プリンタ10が示されている。
【0087】ネガキャリア12にセットされたカラーネ
ガフィルム14は、ネガキャリア12によって露光位置
へ搬送される。露光位置の下方にはミラーボックス16
及びハロゲンランプを備えたランプハウス18が配列さ
れている。ミラーボックス16とランプハウス18との
間には、調光フィルタ部20が配置されている。調光フ
ィルタ部20は、Y(イエロー)フィルタ、M(マゼン
ダ)フィルタ及びC(シアン)フィルタの3つのCCフ
ィルタと、後述する基準フィルタとしてのNDフィルタ
と、を備えている。
【0088】ネガフィルム14の側縁部には、ネガフィ
ルム14の種類を表すDXコードが記録されると共に、
露光する画像に対応する部位にノッチが穿設されてい
る。露光位置にはネガフィルム14の側縁を挟むように
発光素子と受光素子とで構成された検出器22が配置さ
れており、この検出器22によって前記ノッチが検出さ
れる。
【0089】露光位置の上方には、プリズム24、レン
ズ26、ブラックシャッタ28およびカラーペーパ30
が順に配置されている。プリズム24は、ランプハウス
18から照射されて調光フィルタ部20、ミラーボック
ス16及びネガフィルム14を透過して入射した光線の
一部を、測光部32へ向けて略直角に反射させる。一
方、プリズム24を透過した光線はレンズ26によって
カラーペーパ30上に結像される。
【0090】測光部32は3個のエリアセンサ34、3
6、38及び2個のプリズム40、42を備えている。
プリズム40は、プリズム24で反射された光線のうち
1/3の光量の光線を側方へ反射してエリアセンサ34
へ入射させ、残りの光線を透過させる。プリズム40を
透過した光線はプリズム42に入射される。プリズム4
2では入射された光線のうち1/2の光量の光線を側方
へ反射してエリアセンサ36へ入射させ、残りの光線を
透過させてエリアセンサ38へ入射させる。従って、エ
リアセンサ34、36、38には、測光部32に入射さ
れた光線のうちの1/3の光量の光線が各々入射され
る。
【0091】なお、前記プリズム24に代えてハーフミ
ラーを用いてもよい。また、プリズム40に代えて入射
された光線のうち1/3の光量の光線を反射させるミラ
ーを用いてもよく、プリズム42に代えて入射された光
線の1/2の光量の光線を反射させるハーフミラーを用
いてもよい。さらに、測光部32のエリアセンサ34、
36、38及びプリズム40、42の配置は図3に示し
た例に限定されるものではなく、各エリアセンサに略等
しい光量の光が入射されるような配置であればよい。ま
た、上記では測光部32を光源からの光線の射出方向に
対して直交する方向に沿って測光部32が配置されてい
るが、前記光線に対し90°以外の角度、すなわち斜めに
配置してもよい。
【0092】エリアセンサ38はフィルタと2次元イメ
ージセンサとで構成されている。図4は特開昭62-18066
0 号公報に開示されているエリアセンサを示し、前記フ
ィルタは1枚の基板上に、略正方形のブロック3個をL
字状に並べた形状のフィルタが多数形成されて構成され
ている。前記基板上に形成された多数のフィルタは透過
波長帯によって3種類に分類され、各々の透過波長帯は
カラーペーパ30のR、G、B3色の感度波長帯に対応
する中心波長約430nm (B:ブルー)、約510nm (G:
グリーン)、約590nm (R:レッド)とされ、かつ半値
幅が各々約20nmとされている。エリアセンサ38に入射
された光はこのフィルタに照射され、照射された部位の
フィルタに応じて異なる波長帯に色分解され、2次元イ
メージセンサに入射される。2次元イメージセンサは多
数の受光素子を備え、各々の受光素子が前記フィルタを
形成する略正方形のブロックと1対1で対応するように
配列されており、前記単一のL字状フィルタを通過した
光は3個の受光素子で受光されることになる。
【0093】図4に示すように、前記フィルタへはネガ
フィルム14に記録された画像の1画素(1画素のサイ
ズはフィルム上で縦横とも約1mm)を透過した光が略L
字状フィルタ3個分の面積に照射される。従って、前記
1画素を透過した光は2次元イメージセンサの9個の受
光素子に受光されることになり、図4より明らかなよう
に、9個の受光素子のうち各々3個の受光素子が同一種
類のフィルタを通過した光を受光することになる。従っ
て、エリアセンサ38ではネガフィルム14に記録され
た画像が画素毎に分解され各画素を透過した光が各々
B、G、Rの各色に分解されて測光される。このよう
に、分散して配置した各色の3個の受光素子からの出力
の和を1画素の出力値とすることによって、エリアセン
サによる色分解の問題である1画素内の3色の位置依存
性を少なくしている。
【0094】また、エリアセンサ34、36もフィルタ
と2次元イメージセンサとから成り、エリアセンサ34
のフィルタはエリアセンサ38と同様に、1枚の基板上
に中心波長が約430nm 、約510nm 、約590nm で半値幅が
各々約20nmの3種類のフィルタが多数形成されて構成さ
れており、各画素を透過した光を3種類の波長帯に色分
解して測光することが可能とされている。また、エリア
センサ36のフィルタも同様に、1枚の基板上に中心波
長が約630nm 、約670nm 、約750nm で半値幅が各々約20
nmの3種類のフィルタが多数形成されて構成され、各画
素を透過した光を3種類の波長帯に色分解して測光でき
るようになっている。従って、測光部32ではエリアセ
ンサ34、36、38により、図5に示すように入射さ
れた光を画素毎に分解し9色に分解して測光する。
【0095】測光部32の各エリアセンサ34、36、
38は、測光部32の測光により得られた測光データを
記憶する測光データメモリ44を介し、マイクロコンピ
ュータで構成された制御装置46に接続されている。な
お、測光部32、測光データメモリ44及び制御装置4
6は本発明の露光量決定装置を構成している。制御装置
46は、入出力ポート48、中央処理装置(CPU)5
0、リードオンリメモリ(ROM)52、ランダムアク
セスメモリ(RAM)54及びこれらを接続するデータ
バスやコントロールバス等で構成されたバス56を備え
ている。
【0096】このROM52には、以下で説明する露光
量制御ルーチンのプログラムや図6〜図8に示す波長に
対する透過率で表した8個の主成分分光透過率分布(透
過率100%で規格化)e1 (λ)、e2 (λ)、e3
(λ)、・・・e8 (λ)が記憶されている。なお、図
6乃至図8の主成分分光透過率分布は10種のフィルム
の分光透過率分布を分析して求めたものである。また、
このROM52にはランプハウス18内のハロゲンラン
プの分光エネルギー分布、使用するカラーペーパ30の
分光感度分布Si(λ)、エリアセンサ34、36、3
8の分光感度分布が予め記憶されている。
【0097】なお、上記主成分透過率分布に代えて、図
16乃至図18に示すように、波長に対する透過濃度で
表した8個の主成分透過濃度分布(濃度1.0で規格
化)を記憶するようにしてもよい。
【0098】制御装置46は入出力ポート48を介して
測光データメモリ44に接続されており、画像データメ
モリ44の書込み及び読取りタイミングを制御すると共
に、測光データメモリ44に記憶された測光データを取
り込む。また、制御回路46の入出力ポート48には、
検出器22、ネガキャリア12を駆動する駆動回路5
8、調光フィルタ部20の各CCフィルタを駆動する駆
動回路60、ブラックシャッタ28を駆動する駆動回路
62が接続されており、制御回路46はノッチ検出の有
無に応じてネガキャリア12の作動を制御すると共に、
露光時には調光フィルタ部20、ブラックシャッタ28
の駆動を制御する。また、入出力ポート48にはデータ
を入力するためのキーボード64、処理結果を表示する
ためのCRT66が接続されている。
【0099】次に図9及び図10のフローチャートを参
照して本第1実施例の作用を説明する。最初に図9のフ
ローチャートを参照して測光部32のエリアセンサ3
4、36、38のキャリブレーション処理を説明する。
このキャリブレーション処理は、光源ランプの光量の変
動、測光部32に入射される光の光量むらや色むら、各
エリアセンサの感度のばらつき等を補正するためのもの
であり、例えば自動プリンタ10の電源投入時、光源ラ
ンプ交換時等に実行される。
【0100】ステップ100では、ランプハウス18か
ら射出される光の光路上に調光フィルタ部20の基準フ
ィルタを挿入する。これにより、エリアセンサ34、3
6、38に入射される光の光量が小さくされ、入射光量
に対して各エリアセンサの出力信号が飽和することが防
止される。ステップ102ではランンプハウス18内の
光源ランプを点灯する。これに伴って、測光部32の各
エリアセンサに前記基準フィルタを透過した光が入射さ
れる。
【0101】測光部32に入射された光はエリアセンサ
34、36、38の各フィルタによって9種類の波長帯
に色分解され、次のステップ104においてエリアセン
サ34、36、38によって前記各波長帯における光量
を測定する。ステップ108では、ステップ104で測
定したデータとROM52に予め記憶されている光源ラ
ンプの分光エネルギー分布とを比較し、各エリアセンサ
に設定するキャリブレーションデータとして前記9種類
の波長帯における差分を各々算出する。算出したサブに
基づいて光量変動、光量むら、色むら、センサの感度の
ばらつき等を補正するためのキャリブレーションデータ
を演算してRAM54に記憶し、本キャリブレーション
処理を終了する。
【0102】次に図10のフローチャートを参照し、本
第1実施例の露光制御処理を説明する。ステップ120
では駆動回路58を介してネガキャリア12を駆動し、
ネガフィルム14を搬送する。この間、検出器22によ
ってネガフィルム14に穿設されたノッチの有無が検出
される。ステップ122では検出器22によってノッチ
の有が検出されたか否かを判断する。ステップ122の
判定が否定されている間はステップ120、122を繰
り返し、ネガフィルム14の搬送が継続される。
【0103】ノッチの有が検出されステップ122の判
定が肯定されるとネガフィルム14の搬送が停止され、
ネガフィルム14に記録された画像が露光位置に停止し
た状態でステップ124へ移行する。ステップ124で
は、画像を透過し測光部32に入射された光を各波長帯
に色分解し測光する。この測光は、各エリアセンサの多
数の受光素子をスキャニングし各受光素子から出力され
る測光データを取込むことにより行う。ステップ126
では前記キャリブレーション処理で求めたキャリブレー
ションデータを取込み、前記測光データをキャリブレー
ションデータによって較正し、測光データメモリ44に
記憶する。これにより、測光データから光量変動、光量
むら、色むら、センサの感度のばらつきの影響による誤
差が排除される。
【0104】ステップ128では、測光データメモリ4
4に記憶されている測光データのうち、エリアセンサ3
8の測光によって得られ較正された3色の測光データを
RAM54上に取込む。ステップ130ではROM52
に予め記憶されている値、例えば平均マスク濃度から3
色の低濃度部測光データMIN(R)、MIN(G)、
MIN(B)を演算してRAMに記憶する。なお、この
平均マスク濃度は各種フィルムのマスク濃度又は平均最
低濃度を平均して求めたものである。平均マスク濃度よ
り所定値α(例えば、0〜0.6の値)大きい値と3色
測光データの最も低い濃度値または3色測光データの平
均値とを比較し、(平均マスク濃度+α)>(3色測光
データの最も低い濃度値または3色測光データの平均
値)のときは3色測光データの最も低い濃度値または3
色測光データの平均値を低濃度部測光データとする。一
方、(平均マスク濃度+α)<(3色測光データの最も
低い濃度値または3色測光データの平均値)のときは、
平均マスク濃度より所定値α大きい値を低濃度部測光デ
ータとする。
【0105】次のステップ132では、3色測光データ
の各々から低濃度部測光データMIN(R)、MIN
(G)、MIN(B)を減算することにより3色修正測
光データR、G、Bを演算する。この修正測光データ
は、特開平3-230148号公報にも説明されているようにフ
ィルム種に拘らず近似した特性になる。次のステップ1
34では、修正測光データR、Bを図12に示す規格化
カーブを用いてGの濃度に変換して規格化(正規化)す
ることによって3色規格化測光データを演算する。
【0106】この規格化は、露光レベルやフィルム種に
よってフィルム濃度や階調バランスが異なり、このため
同一被写体を撮影した場合に露光レベルやフィルム種に
よって画像濃度や色が異なることになるが、これを補正
して同一被写体については露光レベルやフィルム種によ
らずネガフィルム上で一定の濃度や色とするための処理
である。また、RAMに記憶された測光データGの平均
値と測光データRの平均値との関係を示す曲線および測
光データGの平均値と測光データBの平均値との関係を
示す曲線(図12)に基づいて規格化テーブルが作成さ
れる。
【0107】上記規格化テーブルを使用して上記修正測
光データR、BはGの濃度に変換されるが、図12に示
すように、例えばR2 〜R3 の修正測光データの平均値
3'はG2 とG3 との平均値G3'に変換され、B2 〜B
3 の修正測光データの平均値B3 (記載せず)も同様に
平均値G3'に変換される。このとき修正測光データGは
変換することなくそのまま使用する。この規格化方法と
しては上記の他特開昭56-1039 号公報、特開昭62-14415
8 号公報に記載された方法を使用することができる。
【0108】このような修正測光データの規格化により
フィルム濃度やフィルム種が異なっても同一の色座標を
使用することができる。また座標の原点を任意の色に定
めることもできる。多数のフィルムの測光データの平均
値がグレイになると仮定するとグレイの被写体の規格化
データは上記の規格化によって3色同一濃度をもつこと
になる。実際には、多数のフィルムの測光データの平均
値はグレイとは若干異なるのでその差分に相当する量修
正するようにする。
【0109】次のステップ136では、図13に示すよ
うに、規格化データR、Gの差R−Gを横軸とし、規格
化データG、Bの差G−Bを縦軸とする色座標上に定め
られた、原点を含む色領域Aa 、色領域Aa 以外の色領
域Ab のいずれの色領域に3色規格化データが属するか
を判断することによって3色規格化データを分類する。
3色規格化データは色領域Aa と色領域Ab との境界を
境にして分類されることになり、従って3色規格化デー
タは基準値(原点)からの色差の小さい領域に属するデ
ータと基準値からの色差の大きい領域に属するデータと
に分類されることになる。
【0110】次の表1に、色領域、この色領域毎に分類
された3色規格化データおよび3色規格化データに対応
する3色測光データの一例を示す。
【0111】
【表1】
【0112】ステップ138では基準値からの色差の小
さい色領域Aa に属する3色規格化データに対応した3
色測光データ及び画素を選択し、RAM54に記憶す
る。なお、色比を軸とする座標によって3色規格化デー
タを分類したときには、基準値からの色比の小さい色領
域に属する3色規格化データに対応した3色測光データ
を選択するようにしてもよい。ステップ140では上記
で選択された画素の多数色の測光データを取込み、前記
画素から成る領域の測光データの各色の平均値を演算す
る。
【0113】ここで、各画素を区別するため各画素に便
宜的に付す番号をj、選択されたn個の画素の番号を
(s1 、s2 、・・・、sn )、波長λにおける所定画
素の測光データをejλとすると、波長λにおける測光
データの平均値Eλは、以下の(19)式によって求め
られる。
【0114】
【数19】
【0115】次のステップ142では、8個の主成分分
光透過率分布をROM52から取込み、ステップ144
において、前述のように演算した各色毎の平均濃度、R
OM52から取込んだ主成分分光透過率分布、各エリア
センサの分光感度分布を用い、前記選択した画素から成
る領域の分光透過率分布T(λ)(または分光透過濃度
分布)を推定する。このようにして推定した分光透過率
分布または分光透過濃度分布は、一例として図11に示
すように実測値と高い精度で一致する。図11は、A、
B、C、D4種の画像について分光透過濃度分布の実測
値と推定値とをプロットしたものであり、440nm 付近、
620nm 付近、720 nm付近の波長域で許容範囲内の誤差が
発生しているが、他の帯域ではほとんど一致している。
【0116】次のステップ146ではROM52からカ
ラーペーパ30の分光感度分布Si(λ)を取り込む。
ステップ148では露光制御量Xiとして、カラーペー
パ30の分光感度分布Si(λ)と同一の分光感度分布
を有する測光部32で測光して求めた平均濃度と同等の
平均濃度を求める。この露光制御量Xiは、ステップ1
46で推定された画像の分光透過率分布T(λ)、カラ
ーペーパ30の分光感度分布Si(λ)を用いて次の
(20)式によって演算する。
【0117】
【数20】
【0118】ただし、iはR、G、Bのいずれか1つを
表し、λmin は加算区間(R、G、Bいずれかの波長帯
に対応)の最小値、λmax は前記加算区間の最大値であ
る。前述のようにSi(λ)はカラーペーパの分光感度
分布であるが、上記(20)式では、画像の分光透過率
分布をカラーペーパ30の分光感度分布に応じて重み付
けする第1の重み係数として作用し、カラーペーパ30
の分光感度分布に一致する分光感度分布を有する測光手
段で測光して求めた平均濃度と同等の平均濃度、すなわ
ち露光制御量Xiが得られる。
【0119】なお、カラーペーパ30の種類を変更する
場合には、予めROM52に複数種類のカラーペーパ3
0の分光感度分布Si(λ)を記憶しておき、キーボー
ド64によって使用するカラーペーパ30の分光感度分
布Si(λ)を選択してもよく、またフロッピーディス
ク等の外部記憶手段に記憶した複数種のカラーペーパ3
0の分光感度分布を必要に応じてRAM54に取込むよ
うにしてもよい。
【0120】ステップ150では、ステップ148で決
定された露光制御量Xiに基づいて露光量を決定する。
露光量は次の(21)式に基づいて決定される。
【0121】 logEi=Si・Ai(Xi−Dφi)+Ki …(21) 但し、i :R、G、Bのうちのいずれか1つ logE:露光量の対数 Dφi :基準ネガフィルムの濃度 Ki :カラーペーパ及びプリンタによって定まる定
数 Si :スロープコントロール係数(=0.5 〜2.0 ) Ai :カラーコレクション係数(≒1.0 ) ステップ152では、露光位置に位置決めされた画像が
上記で求めた露光量でカラーペーパ30へ露光されるよ
うに調光フィルタ部20及びブラックシャッタ28の駆
動を制御する。次のステップ146では、自動プリンタ
10にセットされたネガフィルム20の全ての画像の露
光が終了したか否か判定する。ステップ146の判定が
否定された場合にはステップ120へ戻り、次の画像を
露光位置に位置決めし、測光、露光量決定、露光の各処
理を行う。
【0122】このように、本第1実施例では各画素を9
色に分解して測光し、選択した画素の測光データの各色
毎の平均値に基づいて選択した画素から成る領域の分光
分布を推定するので、分解色数が少なくて済み、プリズ
ム、回折格子、スペクトルフィルタ等の光学系要素を用
いて多数個のスペクトルに分解する必要がなくなる。従
って、少ない測光データで最適な露光量を決定すること
ができる。また平行光で測光する必要がなくなり、拡散
光を用いて測光することができるので、自動プリンタ1
0を小型化できる。
【0123】また、9色に分光測光するための3個のエ
リアセンサのうちの1個のエリアセンサ38の3色の測
光データに基づいて画素を選択するので、3色の測光デ
ータを得るために別に測光手段を設ける必要がなく、自
動プリンタ10をさらに小型化することができると共
に、ネガフィルム14の搬送の切替え(縦送り、横送り
等)やピースネガの搬送等の取扱いが容易になる。
【0124】〔第2実施例〕次に本発明の第2実施例を
説明する。なお、第1実施例と同一の部分には同一の符
号を付し、説明を省略する。本第2実施例は前記第1実
施例と同一の構成であり、以下、図14のフローチャー
トを参照して本第2実施例の作用を説明する。
【0125】図14のフローチャートのステップ160
乃至ステップ178では、図14のステップ120乃至
ステップ138と同様に処理が行われる。すなわち、ネ
ガフィルム14に記録された画像を露光位置に位置決め
し、画像を画素毎に分割し各画素を多数色に分解して測
光する。測光データはキャリブレーションを行った後に
測光データメモリ44に記憶させる。次にエリアセンサ
38の測光により得られた3色の測光データに基づいて
基準値からの色差の小さい色領域に属する3色3色測光
データ及び画素を選択する。
【0126】次のステップ180では主成分分光分布
(主成分分光透過率分布、主成分分光透過濃度分布のい
ずれでもよい)を取り込む。ステップ182では、選択
した画素について分光分布Tj(λ)を各々推定する。
ステップ184ではカラーペーパ30の分光感度分布S
i(λ)を取込み、ステップ186では、各画素毎に求
めた分光分布Tj(λ)と、取り込んだカラーペーパ3
0の分光感度分布Si(λ)と、に基づいて各画素の3
色の濃度dijを算出する。なお、前記推定した分光分
布が分光透過率分布の場合には、次の(22)式によっ
て各画素の3色の濃度dijを求めることができる。
【0127】
【数21】
【0128】次のステップ188では、露光制御量Xi
として各画素の3色の濃度値の平均値を演算する。この
露光制御量Xiは、選択されたn個の画素の番号を(s
1 、s2 、・・・、sn )とすると、次の(23)式に
よって求められる。
【0129】
【数22】
【0130】以下、第1実施例に示した(21)式に従
って露光量が演算され、第1実施例と同様に露光制御処
理が行われる。
【0131】このように、本第2実施例では各画素を9
色に分解して測光し、3色の測光データに基づいて画素
を選択し、選択した画素の分光分布を推定するので、画
像の全画素の分光分布を推定する場合と比較して露光量
の演算時間を短くすることができ、さらに、分解色数が
少なくて済むのでプリズム、回折格子、スペクトルフィ
ルタ等の光学系要素を用いて多数個のスペクトルに分解
する必要がなくなり、少ない測光データで最適な露光量
を決定することができる。
【0132】なお、上記実施例において、測光部32は
図5に示すように色分解して測光していたが、これに限
定されるものではなく、例えば図15(A)に示すよう
に各センサで分光するスペクトルが重なっていてもよ
い。また図15(B)に示すように、エリアセンサ3
4、36を各々2色に分解して測光するよう構成しても
よい。この場合、測光部32は7色に分解して測光する
ことになるので、最大7個の主成分分光分布から、選択
された画素から成る領域の分光分布または選択された各
画素毎の分光分布を求めることになる。
【0133】また、測光するセンサはエリアセンサに限
定されるものではなく、ラインセンサ等を用いてもよ
い。この場合、画像にスリット光を照射し、画像を透過
したスリット光がラインセンサに入射するように構成
し、ネガフィルム14を徐々に移動させて前記スリット
光によって画像をスキャニングさせればよい。
【0134】また、上記実施例では3色の補正量を求め
るためにエリアセンサ38によって3色に分解して測光
して得た各色測光データを用いたが、各色の補正量を複
数色の測光データの重み付き平均値から求めてもよい。
例えば図15(A)において710nm のRの測光値の代わ
りに、670nm 、710nm 、750nm の測光値の重み付き平均
値を用いる。同様にG、Bの測光値も2つ以上の測光値
から求めた値を用いてもよい。この場合の3色は複写材
料の分光感度分布により近い特性を得ることができる。
【0135】また、上記では本発明の露光量決定装置を
複写装置としての自動プリンタ10に一体的に取付けて
いるが、複写装置と別体としてもよい。
【0136】また、上記では複写装置としてネガフィル
ム14に記録された画像をカラーペーパ30に複写する
自動プリンタ10を例に説明したが、本発明はこれに限
定されるものではない。例えばリバーサルフィルムに記
録されたポジ画像をカラー複写材料に複写する複写装置
や、カラー反射原稿を複写する複写装置に適用すること
ができる。また、面露光によって画像を複写する複写装
置以外に、レーザ光、CRT光等ディジタル的手段によ
って画像を複写する複写装置の露光量決定に適用するこ
ともできる。
【0137】
【発明の効果】請求項1記載の発明では、画像を多数個
の画素に分割し各画素を予め定められた4色以上の多数
色に分解して測光し、多数色の測光データのうちの少な
くとも3色の測光データに基づいて測光データを露光量
決定に用いる画素を選択し、選択された画素の測光デー
タの平均値を各色毎に演算し、複写材料の分光感度分布
から求めた第1の重み係数と各色毎の平均値とを用いて
前記選択された画素から成る領域について複写材料の分
光感度分布と等しい分光感度分布を有する測光手段で測
光して求めた平均濃度と同等の平均濃度を求め、露光量
を決定するようにしたので、少ない測光データで最適な
露光量を決定することができ、装置を小型化することが
できる、という優れた効果が得られる。
【0138】請求項記載の発明では、画像を多数個の
画素に分割し各画素を予め定められた4色以上の多数色
に分解して測光し、多数色の測光データのうちの少なく
とも3色の測光データに基づいて測光データを露光量決
定に用いる画素を選択し、選択された画素の測光データ
に基づいて前記選択された各画素の分光分布を推定し、
各画素の分光分布と複写材料の分光感度分布から求めた
第1の重み係数とを用いて選択された画素から成る領域
について複写材料の分光感度分布と等しい分光感度分布
を有する測光手段で測光して求めた平均濃度と同等の平
均濃度を求め、露光量を決定するようにしたので、少な
い測光データで最適な露光量を決定することができ、装
置を小型化することができる、という優れた効果が得ら
れる。
【0139】請求項記載の発明では、画像を多数個の
画素に分割し各画素を予め定められた4色以上の多数色
に分解して測光し、多数色の測光データのうちの少なく
とも3色の測光データに基づいて測光データを露光量決
定に用いる画素を選択し、選択した画素の多数色の測光
データを用いて露光量を決定するようにしたので、少な
い測光データで最適な露光量を決定することができ、装
置を小型化することができる、という優れた効果が得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の作用を説明するための、固有ベクトル
の個数とスペクトル残差との関係を示す線図である。
【図2】固有ベクトルの個数とスペクトル残差との関係
を示す線図である。
【図3】本実施例に係る自動プリンタの概略構成図であ
る。
【図4】2次元イメージセンサと共にエリアセンサを構
成するフィルタの基板上に形成されたパターンを示す平
面図である。
【図5】測光部としての分光感度特性を示す線図であ
る。
【図6】複数ネガフィルムの第1〜第3主成分分光透過
率分布を示す線図である。
【図7】複数ネガフィルムの第4〜第6主成分分光透過
率分布を示す線図である。
【図8】複数ネガフィルムの第7、第8主成分分光透過
率分布を示す線図である。
【図9】エリアセンサのキャリブレーション処理を説明
するフローチャートである。
【図10】第1実施例の露光制御処理を説明するフロー
チャートである。
【図11】推定された分光透過濃度分布と実測された分
光透過濃度分布とを比較して示す線図である。
【図12】規格化曲線を示す線図である。
【図13】3色規格化データを分類する色座標を示す線
図である。
【図14】第2実施例の露光制御処理を説明するフロー
チャートである。
【図15】(A)及び(B)は測光部の測光スペクトル
の他の例を示す線図である。
【図16】複数ネガフィルムの第1〜第3主成分分光透
過濃度分布を示す線図である。
【図17】複数ネガフィルムの第4〜第6主成分分光透
過濃度分布を示す線図である。
【図18】複数ネガフィルムの第7、第8主成分分光透
過濃度分布を示す線図である。
【符号の説明】
10 自動プリンタ(複写装置) 14 ネガフィルム(記録材料) 24 プリズム 30 カラーペーパ 34 エリアセンサ 36 エリアセンサ 38 エリアセンサ 44 測光データメモリ 46 制御装置

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録材料に記録された画像を多数個の画
    素に分割し各画素を予め定められた4色以上の多数色に
    分解して測光する測光手段と、 前記測光手段の測光により得られた多数色の測光データ
    を記憶する記憶手段と、 前記記憶手段に記憶された多数色の測光データのうちの
    少なくとも3色の測光データに基づいて測光データを露
    光量決定に用いる画素を選択する画素選択手段と、 前記画素選択手段によって選択された画素の測光データ
    の平均値を各色毎に演算する平均値演算手段と、前記選択された画素の測光データの各色毎の平均値に基
    づいて前記選択された画素から成る領域の分光分布を推
    定する推定手段を備え、推定した分光分布と複写材料の
    分光感度分布から求めた第1の重み係数とを用いて、前
    記選択された画素から成る領域について複写材料の分光
    感度分布と等しい分光感度分布を有する測光手段で測光
    して求めた平均濃度と同等の平均濃度を求める平均濃度
    演算手段と、 前記平均濃度に基づいて露光量を決定する露光量決定手
    段と、 を有する複写装置の露光量決定装置。
  2. 【請求項2】 前記推定手段は、前記選択された画素の
    測光データの各色毎の平均値と予め定められた複数の主
    成分分光分布とに基づいて第2の重み係数を求め、該第
    2の重み係数を用いて前記複数の主成分分光分布の線形
    和を求めることによって前記選択された画素から成る領
    域の分光分布を推定することを特徴とする請求項記載
    の複写装置の露光量決定装置。
  3. 【請求項3】 記録材料に記録された画像を多数個の画
    素に分割し各画素を予め定められた4色以上の多数色に
    分解して測光する測光手段と、 前記測光手段の測光により得られた多数色の測光データ
    を記憶する記憶手段と、 前記記憶手段に記憶された多数色の測光データのうちの
    少なくとも3色の測光データに基づいて測光データを露
    光量決定に用いる画素を選択する画素選択手段と、 前記画素選択手段によって選択された画素の測光データ
    に基づいて前記選択された各画素の分光分布を推定する
    推定手段と、 前記推定された各画素の分光分布と複写材料の分光感度
    分布から求めた第1の重み係数とを用いて前記選択され
    た画素から成る領域について複写材料の分光感度分布と
    等しい分光感度分布を有する測光手段で測光して求めた
    平均濃度と同等の平均濃度を求める平均濃度演算手段
    と、 前記平均濃度に基づいて露光量を決定する露光量決定手
    段と、 を有する複写装置の露光量決定装置。
  4. 【請求項4】 前記測光手段は、前記画像を多数個に分
    割し各々2色以上に分解して測光する2個以上のエリア
    センサから成ることを特徴とする請求項1乃至請求項
    のいずれか1項記載の複写装置の露光量決定装置。
  5. 【請求項5】 前記エリアセンサの少なくとも1つは、
    R、G、B3色の測光を行うことを特徴とする請求項
    記載の複写装置の露光量決定装置。
  6. 【請求項6】 前記R、G、B3色の測光を行うエリア
    センサは、複写材料のR、G、B3色の感度波長帯に対
    応する波長帯に極大感度を有していることを特徴とする
    請求項記載の複写装置の露光量決定装置。
  7. 【請求項7】 前記選択手段は、前記R、G、B3色の
    測光を行うエリアセンサの測光により得られた測光デー
    タに基づいて画素を選択することを特徴とする請求項
    記載の複写装置の露光量決定装置。
  8. 【請求項8】 前記測光手段は複数のラインセンサから
    成り、前記画像を多数個に分割し4色以上の多数色に分
    解して測光することを特徴とする請求項1乃至請求項
    のいずれか1項記載の複写装置の露光量決定装置。
  9. 【請求項9】 記録材料に記録された画像を多数個の画
    素に分割し各画素を予め定められた4色以上の多数色に
    分解して測光し、多数色の測光データのうちの少なくと
    も3色の測光データに基づいて測光データを露光量決定
    に用いる画素を選択し、前記選択した画素の多数色の測
    光データを用いて露光量を決定する複写装置の露光量決
    定方法。
  10. 【請求項10】 前記露光量は、前記選択した画素の前
    記多数色の測光データを用いて前記選択した画素から成
    る領域の分光分布を推定し、推定した分光分布と複写材
    料の分光感度分布を用いて前記選択した画素から成る領
    域について複写材料の分光感度分布と等しい分光感度分
    布を有する測光手段で測光して求めた平均濃度と同等の
    平均濃度を求め、該平均濃度に基づいて決定することを
    特徴とする請求項記載の複写装置の露光量決定方法。
  11. 【請求項11】 前記露光量は、前記選択した画素の多
    数色の測光データに基づいて選択した各画素の分光分布
    を推定し、推定した各画素の分光分布と複写材料の分光
    感度分布を用いて前記選択した画素から成る領域につい
    て複写材料の分光感度分布と等しい分光感度分布を有す
    る測光手段で測光して求めた平均濃度と同等の平均濃度
    を求め、該平均濃度に基づいて決定することを特徴とす
    る請求項記載の複写装置の露光量決定方法。
  12. 【請求項12】 前記分光分布の推定は、予め定められ
    た複数の主成分分光分布を用いて行うことを特徴とする
    請求項10または請求項11記載の複写装置の露光量決
    定方法。
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