JP4138960B2 - 給水装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、タンク等から吐水ノズル(バルブ)に水を給水する給水装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
水道栓や、タンク内の水を、例えば高圧ポンプを用いて高圧水にして噴射し、各種機械、自動車の足周り等の高圧洗浄を行う際、その高圧給水装置が使用される。また、高層ビルの建設現場において、仮設等の各階に給水するためにも同様な給水装置が使用される。これらの給水装置は、電動ポンプから吐水バルブ(ノズル)への管路に所定圧力以上で作動する圧力スイッチを設け、この圧力スイッチの検出信号により前記電動ポンプを駆動又は停止する。すなわち、吐水バルブが閉じられて管路内が所定圧力以上であると、電動ポンプを停止させ、一方、吐水バルブが開放されると、管路内の圧力低下により所定圧力以下となって電動ポンプを駆動させ、管路が所定圧力以下であるかぎり、その駆動状態を続けて吐水を維持する。
【0003】
この給水装置において、タンク内の水が空になったなどの渇水状態になっても、管路内は所定圧力以下のため、電動ポンプは駆動しつづけ、ポンプ内を流通する水がなくなり、過熱等によりポンプが損傷する恐れがある。
【0004】
このため、実開平6−11879号公報には、その対策技術が開示されている。すなわち、図3に示すように、電動モータ1により駆動されるプランジャ式高圧ポンプ2がタンク3からストレーナ4を介して導出される管路に介設され、その管路の下流にアンローダ弁5を介して吐水ノズル(バルブ)6が接続されている。アンローダ弁5の上下流にはそれぞれ所定圧力で作動する常開の圧力スイッチ7と常閉の圧力スイッチ8が設けられており、この検出信号が制御器9に入力されて、電動モータ1が制御される。アンローダ弁5の余水管10はタンク3に導かれている。
【0005】
この給水装置は、先ず、始動前には、図示しない手動電源スイッチは切られていて、アンローダ弁5が不作動、圧力スイッチ7が開、圧力スイッチ8が閉となっている。このような状態で前記手動電源スイッチを入れて電動モータ1を作動させると、ポンプ2が駆動され、タンク3内の水は、ストレーナ4→ポンプ2→アンローダ弁5→吐出ノズル6の経路で送り出される。時間の経過にともなって次第に、管路内の圧力が高まっていき、管路内が所定圧力、例えば20kgf/cm2 に達すると、まず圧力スイッチ7が閉じ、次に圧力スイッチ8が開く。このとき、吐出ノズル6が閉じられたままの状態では、管路内の圧力はさらに上昇し、やがて所定の作動圧力に達してアンローダ弁5が作動すると、ポンプ2の吐水は、余水管10からタンク3に戻される。このため、ポンプ2は無負荷となり、その結果、管路内の圧力が所定圧力以下となって圧力スイッチ7が開き、圧力スイッチ8も開いていることから、電動モータ1は停止し、ポンプ2も停止する。
【0006】
次に、洗浄作業(給水)を行うために吐水ノズル6を開くと、管路内は所定圧力以下となり、圧力スイッチ8は閉じて電動モータ1を作動させ、ポンプ2を駆動する。したがって、タンク3内の水は、ストレーナ4→ポンプ2→アンローダ弁5→吐出ノズル6の経路で送り出され、洗浄作業を行うことができる。ポンプ2が再び駆動されて間もなく、管路内の圧力が上昇していき、先ず圧力スイッチ7が閉じ、次に圧力スイッチ8が開き、ポンプ2は運転を続け、継続して高圧洗浄作業を行うことを可能とする。
【0007】
その後、吐水ノズル6を閉じると、管路内の圧力は次第に上昇していき、所定圧力に達するとアンローダ弁5が作動を始めて、余水管10からタンク3に戻される。このため、ポンプ2は無負荷となり、その結果、管路内が所定圧力以下となって圧力スイッチ7は開かれる。一方、前記ノズル側管路には高圧水が閉じ込められた状態を維持しているので、圧力スイッチ8は開いている。このように、双方の圧力スイッチ7、8が開いているので、電動モータ1は停止し、したがって前記ポンプ2も停止する。再び、吐水ノズル6を開けば、上述の作用によって洗浄作用を行い得る。
【0008】
この作用時、タンク3内の水がなくなる等の何等かの理由により渇水状態となると、圧力スイッチ7、8で検出される圧力は共にゼロとなり、モータ1が停止し、ポンプ2は停止する。すなわち、過熱等によるポンプ2の損傷が防止される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記図3で示す従来技術は、アンローダ弁5を使用しており、このアンローダ弁5は、通常、作動圧が14〜15kgf/m2 であり、0kgf/m2 に近い作動圧を設定し得ない。また、水道などの清水でないと、円滑な作動をし得ないため、河川水、池水などの固体粒子が入っている水に対しては使用し得ない。また、構造が複雑で、摩耗部分が多く、その部品交換が煩わしい。
【0010】
また、吐出ノズル6が複数個あって、その全てが開放されるなどの管路が大気開放状態になると、両圧力スイッチ7、8がゼロ圧を検出する可能性があり、すなわち、渇水状態でないのに、両圧力スイッチ7、8の検出圧力がゼロとなり、電動モータ1が停止する恐れがある。
【0011】
この発明は、アンローダ弁以外の構成で、渇水状態のポンプ停止を行うことを第1の課題、吐水(給水)管路が大気開放になっても、ポンプの停止が生じないようにすることを第2の課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記第1の課題を達成するために、この発明は、調圧弁によって吐水管路のリリーフを行い、そのリリーフ水(余水)の圧力を検出し、この余水圧力信号によっても、電動ポンプ(電動モータ)を制御するようにしたのである。
【0013】
調圧弁は、アンローダ弁に比べれば、安価であり、また、構造も簡単で摩耗部品の交換も容易である。さらに、リリーフ圧も0kgf/m2 近くを設定し得る。
【0014】
第2の課題を達成するために、この発明は、吐水管路にオリフィスを設けて、大気開放状態でも、必らず圧力が発生するようにしたのである。このようにすれば、流れがあれば必ず圧力が生じ、圧力があれば、圧力ゼロを検出する恐れは少ない。
【0015】
【発明の実施の形態】
上記第1の課題を達成する発明の一実施形態としては、電動ポンプから吐水バルブへの管路に所定圧力以上で作動する吐水圧力スイッチを設け、この吐水圧力スイッチの検出信号により、前記電動ポンプを駆動又は停止させる給水装置であって、前記管路の吐水圧力スイッチより上流側に所定圧力以上を余水として逃がす調圧弁を介設し、この調圧弁の余水管に圧力発生用オリフィスを介設してその上流側に所定圧力以上で作動する余水圧力スイッチを設け、この余水圧力スイッチと前記吐水圧力スイッチの両者が、作動したとき、及び圧力ゼロを検出したとき、上記電動ポンプを停止させ、それ以外は電動ポンプが駆動可能とした構成を採用し得る。
【0016】
この構成において、余水圧力スイッチと吐水圧力スイッチが作動しているときは、吐水バルブ(ノズル)が閉じられて管路が所定圧力以上の場合であり、また、両スイッチがゼロ圧を検出すれば、渇水状態となる。このため、電動ポンプは駆動しない。それ以外は、この装置の電源スイッチが入っている限り、電動ポンプは駆動可能であり、管路の状態に応じて、駆動・停止を繰り返して給水を行う。
【0017】
第2の課題を達成するための発明の一実施の形態は、上記第1の課題をなす実施形態において、上記管路の吐水圧力スイッチの下流に、圧力発生用オリフィスを設けた構成とすることができ、また、アンローダ弁を使用したものではつぎの構成を採用し得る。すなわち、電動ポンプから吐水バルブへの管路に所定圧力以上で作動する吐水圧力スイッチを設け、この吐水圧力スイッチの検出信号により前記電動ポンプを駆動又は停止させる給水装置であって、前記管路の吐水圧力スイッチより上流側に所定圧力以上で作動するアンローダ弁を介設するとともに、吐水圧力スイッチの下流に圧力発生用オリフィスを設け、アンローダ弁の上流には所定圧力以上で作動する圧力スイッチを設けて、この圧力スイッチが非作動で前記吐水圧力スイッチが作動しているとき、及び両圧力スイッチが圧力ゼロを検出したとき、前記電動ポンプを停止させ、それ以外は電動ポンプが駆動可能とした構成を採用し得る。
【0018】
【実施例】
一実施例を図1に示し、この実施例は、タンク3からストレーナ4を介し建設中の高層ビルの各階の仮設吐出バルブ16に給水するものであり、その管路13に、電動モータ1により駆動するプランジャ式ポンプ2、調圧弁12、逆止弁14及び吐水用オリフィス17が介設されている。その管路13のオリフィス17上流には、管路13内が所定圧力、例えば12kg/cm2 以上になったときに開く、常閉の吐水圧力スイッチ18が付設されている。また、調圧弁12の余水管20はタンク3に導かれて、途中にオリフィス21が介設されている。このオリフィス21の上流に余水圧力スイッチ19が付設され、このスイッチ19は、余水管20内が所定圧力、例えば2kg/cm2 以上になったとき閉じる、常開のものである。この両圧力スイッチ18、19は圧力ゼロの場合も信号を出力し、そのゼロ信号及び開閉信号は制御器9に入力し、この信号に基づき、制御器9が電動モータ1(ポンプ2)を駆動・停止する。
【0019】
この実施例は以上の構成であり、始動前は、図示しない手動電源スイッチが切られていて、圧力スイッチ19が開、圧力スイッチ18が閉となっている。このような状態で前記手動電源スイッチを入れて電動モータ1を作動させると、ポンプ2が駆動され、タンク3内の水は、ストレーナ4→ポンプ2→逆止弁14→吐出バルブ16の経路で送り出される。時間の経過にともなって次第に、管路13内の圧力が高まっていき、管路13内の圧力が所定圧力に達すると、圧力スイッチ18が開く。このとき、吐出バルブ16が閉じられたままの状態では、管路13内の圧力はさらに上昇し、やがて調圧弁12のリリーフ圧、例えば50kgf/cm2 に達して余水管20に大量の水が流れ出す。すると、圧力スイッチ19がその圧力を検出して、所定圧力以上になると、その検出信号(閉信号)が制御器9に入力され、モータ1が停止し、ポンプ2も停止する。
【0020】
この状態で、吐水ノズル16を開くと、管路13内の圧力は所定圧力以下となり、圧力スイッチ18が閉じて電動モータ1を作動させ、ポンプ2を駆動する。したがって、タンク3内の水は、ストレーナ4→ポンプ2→逆止弁14→吐出バルブ16の経路で送り出されて給水する。このとき、調圧弁12は作動せず、余水管20には殆んど水が流れず、圧力スイッチ19は開いた状態になる。
【0021】
つぎに、吐水バルブ16を閉じると、管路13内の圧力は次第に上昇していき、所定圧力に達すると調圧弁12が作動を始めて、余水管20から余水がタンク3に戻され、圧力スイッチ19が作動して上記作用により、ポンプ2は停止する。再び、吐水バルブ16を開けば、上述の作用によって給水をし得る。
【0022】
この作用時、タンク3内の水がなくなる等の何等かの理由により渇水状態となると、圧力スイッチ18、19で検出される圧力は共にゼロとなり、モータ1が停止し、ポンプ2は停止する。すなわち、過熱等によるポンプ2の損傷が防止される。
【0023】
また、多くの吐水バルブ16が開放されて、管路13が大気開放状態になっても、オリフィス17の存在により、その上流側には流れがあるかぎり圧力が生じて、圧力スイッチ18がゼロ圧を検出することはない。このため、ポンプ2の停止は生じない。
【0024】
図2に示す実施例は、図3の従来例において、圧力スイッチ8の下流にオリフィス17を設けて、大気開放状態になっても、そのオリフィス17の存在により、ゼロ圧検出を防止したものである。他の作用は図3と同様である。
【0025】
なお、両実施例において、渇水状態の検出時、及び管路13内の所定圧力以上の検出時におけるモータ1の停止において、その検出時点から一定時間経過後にその停止が行われるようにすることもできる。その作用は遅延タイマーなどによって行う。
【0026】
【発明の効果】
この発明は、以上のようにしたので、安価にして渇水状態の停止機能を持つ給水装置を得ることができる。また、大気開放状態でも不用意にポンプが停止して給水が停止することもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例の概略配管図
【図2】他の実施例の概略配管図
【図3】従来例の概略配管図
【符号の説明】
1 電動モータ
2 プランジャ式ポンプ
3 タンク
5 アンローダ弁
6 吐出バルブ(ノズル)
7 圧力スイッチ
8 圧力スイッチ
10、20 余水管
12 調圧弁
13 吐水管路
14 逆止弁
16 吐水バルブ
17、21 オリフィス
18 圧力スイッチ
19 圧力スイッチ

Claims (2)

  1. 電動ポンプ(2)から吐水バルブ(16)への管路(13)に所定圧力以上で作動する吐水圧力スイッチ(18)を設け、この吐水圧力スイッチ(18)の検出信号により、前記電動ポンプ(2)を駆動又は停止させる給水装置であって、
    上記管路(13)の吐水圧力スイッチ(18)より上流側に所定圧力以上を余水として逃がす調圧弁(12)を介設し、この調圧弁(12)の余水管(20)に圧力発生用オリフィス(21)を介設してその上流側に所定圧力以上で作動する余水圧力スイッチ(19)を設け、この余水圧力スイッチ(19)と上記吐水圧力スイッチ(18)の両者が、作動したとき、及び圧力ゼロを検出したとき、上記電動ポンプ(2)を停止させ、それ以外は電動ポンプ(2)が駆動可能としたことを特徴とする給水装置。
  2. 上記管路(13)の吐水圧力スイッチ(18)の下流に、圧力発生用オリフィス(17)を設けたことを特徴とする請求項1に記載の給水装置。
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