JP4138884B2 - 新規なサポニン組成物及びその使用 - Google Patents

新規なサポニン組成物及びその使用 Download PDF

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Description

発明の背景
発明の分野
本発明は、医療化学の分野におけるものである。特に、本発明は、サポニンアジュバントの新規な組合せを含んでなるワクチン、これら新規な組合せを含んでなる医薬組成物及びワクチン、これら新規な組合せを使用して抗原に対する個体の免疫応答を高める方法、及びワクチンの免疫原性を向上させるためのこの新規な組合せの使用に関する。
背景技術の簡単な説明
Quillajaサポニンは、Quillaja saponariaの樹皮から抽出されるトリテルペングリコシド類の混合物である。それらは、ワクチンアジュバントとして用いることができる免疫刺激物質として認識され(Campbell,J.B.とPeerbaye,Y.A.,Res.Immunol.143(5):526-530(1992))、多くの商業的に入手可能な複雑なサポニン抽出物がアジュバントとして使用されてきた。粗製サポニンは、口蹄疫に対するワクチンのアジュバントとして、及びトリパノソーマ・クルーズ・プラスモジウムのような原生寄生虫に対して実験的ワクチンにより授けられる防御免疫及びヒツジ赤血球(SRBC)に対する体液性応答を増幅するのに広く使用されてきた(Bomford,Int.Arch.Allerg.Appl.Immun.67:127(1982))。
最初の商業的に入手可能なQuillajaサポニンアジュバントは、粗製抽出物であったので、それらの可変性の故に、獣医学的に実用化したり、ヒトのための医薬組成物に使用するには望ましいものではなかった。Quillajaサポニンアジュバントを精製しようとする初期の試みは、Dalsgaard,Archivfuer die gesamte Virusforschung 44:243(1974)によりなされた。Dalsgaardは、Quillaja saponaria Molinaからのサポニンアジュバント物質の水性抽出物を部分的に精製した。しかしながら、Dalsgaardの調製物である“Quil−A”は、それまでに入手可能であった商業的サポニンよりも明らかに改善されていたが、依然としてかなりの不均質性を示した。
高速液体クロマトグラフィーによるその後の分析で、Quil−Aは、実際は構造的に関連する化合物群の不均質混合物であることが分かった(米国特許第5,057,540号;Kersten,G.F.A.ら,Infect.Immun.56:432-438(1988);Kensil,C.R.ら,J.Immunol.146:431-437(1991);Kensil,C.R.ら,J.Am.Vet.Med.Assoc.199:1423-1427(1991))。しかしながら、これらサポニンの全てがアジュバントとして活性であるという訳ではなかった。
4つの最も主要な精製Quillajaサポニンは、QS−7、QS−17、QS−18及びQS−21である(別の表記方法では、QA−7、QA−17、QA−18及びQA−21として定義される)。これらサポニンは、HPLC及び低圧シリカクロマトグラフィーにより精製され、アジュバント活性があることが分かったが、マウスにおける溶血及び毒性のような生物活性の点で相違するものであった。特に、QS−21とQS−7は、マウスにおいて最も毒性が少ないことが分かった(Kensil,C.R.ら,J.Immunol.146:431-437(1991))。
その強いアジュバント活性と低い毒性のために、QS−21(“Stimulon▲R▼”アジュバントとして商業的に入手可能)は、有用な免疫学的アジュバントとして確認されている(Kensil,C.R.ら,“Structural and Immunological Characterization of the Vaccine Adjuvant QS-21,”in Vaccine Design:The Subunit and Adjuvant Approach,Powell,M.F.and Newman,M.J.編,Plenum Press,New York(1995))。QS−21は、キラヤ酸の複雑なトリテルペングリコシドである。QS−21は、トリテルペン炭素3、トリテルペン炭素28、及び脂肪酸ドメイン中の第2脂肪アシル単位の炭素5においてグリコシレート化されている。
より最近には、QS−21は、親水性相互作用クロマトグラフィー(HILIC)を用いて更に精製されて、2つのピーク、つまりQS−21−V1とQS−21−V2に分割され、それらは、化学的に異なる化合物であることが分かった。オバルブミンと、QS−21、QS−21−V1又はQS−21−V2とからなるワクチンで免疫感作されたC57b1/6マウスにおいて、個々の成分QS−21−V1及びQS−21−V2の両方は、IgGサブクラスのIgG1、IgG2b及びIgG2、並びに全IgG力価を後押しするアジュバント効果において、もとのQS−21ピーク(QS−21−V1とQS−21−V2の3:2混合物を含有する)に匹敵するものである(同時係属の米国特許出願第07/906,880号,米国特許第5,583,112号として発行された;なお、その全内容は、参照により本明細書中に組み入れられるものとする)。
Quillajaサポニンは、他の植物種から誘導されるサポニンとは構造的に異なる。Quillaja saponariaサポニン類を他の植物種のサポニンから区別する2つの構造的特徴は、脂肪酸ドメインとトリテルペンの炭素4におけるトリテルペンアルデヒドである(Kensil,C.R.ら,“Structural and Immunological Characterization of the Vaccine Adjuvant QS-21,”in Vaccine Design:The Subunit and Adjuvant Approach,Powell,M.F.and Newman,M.J.編,Plenum Press,New York(1995))。トリテルペン上のこのアルデヒドを修飾したところ、この官能基がアジュバントメカニズムに関与しているらしいことが示された(Soltysik,S.ら,Vaccine 13(15):1403-1410(1995))。
Quillajaサポニン類、特に、QS−7、QS−17、QS−18及びQS−21は、免疫原性が乏しいので免疫応答を最大にするために強いアジュバントを必要とする可溶性T依存性タンパク質抗原、つまり“サブユニット抗原”への抗体応答の優れた刺激物質であることが見出されている。マウスにおいてサポニンアジュバントがそれについてのIgG応答を増大させるであろう精製されたサブユニット抗原の例には、キーホールリンペットヘモシアニン(KLH)、HIV−1gp120(Bomford,R.ら,AIDS Res.Hum.Retroviruses 8:1765(1992))、及びインフルエンザ核タンパク質(Brett,S.ら,Immunology 80:306(1993))が含まれる。QS−7、QS−17、QS−18及びQS−21は、抗原であるウシ血清アルブミン及びシトクロムb5に対するマウスにおける強い抗体応答を刺激することも示された(Kensil,C.R.ら,J.Immunol.146:431(1991))。これら精製サポニンにより誘発された抗体応答のレベルは、他の広く使用されているアジュバント、例えば、完全フロイントアジュバントに匹敵し、水酸化アルミニウムより優った。
QS−21は、未結合の細菌性多糖類を包含するT非依存性抗原に対する抗体応答を高めることも示された(White,A.C.ら,“A purified saponin acts as an adjuvant for a T-independent antigen,in:Immunobiology of Proteins and Peptides,Vol.VI(M.Z.Atassi編),Plenum Press,New York,pp.207-210(1991))。このワクチンの免疫原性は、ジフテリアトキソイドを多糖類に結合させることによって更に高められた。QS−21は、IgG2a、IgG2b、及びIgG3応答を包含する、この多糖類並びに担体に対する抗体応答を高めた(Coughlin,R.T.ら,Vaccine 13(1):17-21(1995))。
Igサブクラススィッチングの促進を通して抗原に対する抗体応答のアイソタイプ分布及びIgGサブクラス分布を変調するアジュバントの能力は、多くの細菌性及びウイルス性ワクチンへの免疫性にとって重要な意味を有する。QS−7、QS−17、QS−18及びQS−21は、20μgの用量のサポニンを投与した後にシトクロムb5に対するIgG2a応答を刺激する(Kensil,C.R.ら,J.Immunol.146:431(1991))。この点で、QS−21は、主要なIgG1応答を、有意なIgG2b及びIgG2a応答を包含するプロフィールにシフトさせる。例えば、QS−21は、Barrelia burgdorferi外表面タンパク質OspA及びOspB(Ma,J.ら,Vaccine 12(10):925(1994))、ネコ白血病ウイルス(FeLV)、エンベロープgp70(Kensil,C.R.ら,J.Am.Vet.Med.Assoc.10:1423(1991))、ヒトサイトメガロウイルス(HCMV)エンベロープタンパク質gB(Britt,W.ら,J.Infect.Dis.171:18(1995))、呼吸多核性ウイルス(RSV)精製融合タンパク質(Hancock,G.E.ら,Vaccine 13(4):391(1995))、及び破傷風トキソイド(Coughlin,R.T.ら,Vaccine 13(1):17(1995))を包含する多くの抗原に対する抗原特異的IgG2aを刺激することが示された。QS−21は、ブースター性(boostable)抗体応答を誘発することも示された(Brittら,J.Infect.Dis.171:18-25(1995);Hellingら,Cancer Res.55:2783-2788(1995))。
可溶性タンパク質での免疫感作後のクラスI主要組織適合性複合体(MHC)抗原制限細胞障害性Tリンパ球(CTL)応答を誘発するQS−21の能力は、サポニンアジュバントの特徴である。多くの研究で、オバルブミン(Wu,J.-Y.ら,Cell.Immunol.154:394-406(1994);Newman,M.J.ら,J.Immunol.148(8):2357-2362(1992))、組換えHIV−1gp160タンパク質(Wu,J.-Y.ら,J.Immunol.148:1519(1992))、及びサブユニットSIVmac251gag及びenv(Newman,M.J.ら,AIDS Res.Hum.Retroviruses 10(7):853(1994))を含む種々の抗原に対して強い細胞障害性Tリンパ球(CTL)応答を誘発するQS−21の能力が示された。
殆どのサポニンアジュバントの研究はマウスで行われてきた。しかしながら、サポニンのアジュバント活性はマウスに限られず、モルモット、ウサギ、ブタ、ヒツジ、ウシ、及び非ヒト霊長類でも証明されている。QS−21からのアジュバント効果は、ネコ、モルモット、イヌ、非ヒト霊長類、及びヒトで認められている(Kensil,C.R.ら,“Structural and Immunological Characterization of the Vaccine Adjuvant QS-21,”in Vaccine Design:The Subunit and Adjuvant Approach,Powell,M.F.and Newman,M.J.編,Plenum Press,New York(1995))。
QS−21とGM2ガングリオシド−キーホールリンペットヘモシアニン結合体ワクチンとのフェーズ1ヒト試験が、悪性黒色腫の患者で行われた(Livingston,P.O.ら,Vaccine 12:1275-1280(1994))。QS−21アジュバントを投与した後、免疫原性の増加が認められた(Helling,F.ら,Cancer Res.55:2783-2788(1995))。別の臨床試験では、QS−21は、マウス抗イディオタイプ抗体MELIMMUNE−1に対する黒色腫患者の血清学的応答を有意に高める強い免疫学的アジュバントであることが見出されている(Livingston,P.O.ら,Vaccine Res.4(2):87(1995))。
多くの研究で、Quillajaサポニン、特にQS−21を、他のアジュバントと一緒に使用することが議論されている。例えば、QS−21が、水酸化アルミニウム(alum)吸収抗原との効果的な協働アジュバントであることが示されている(Ma,J.Y.ら,Vaccine 12(10):925-933(1994);Newman,M.J.ら,J.Immunol.148(8):2357-2362(1992);Kensil,C.R.ら,“Structural and Immunological Characterization of the Vaccine Adjuvant QS-21,”in Vaccine Design:The Subunit and Adjuvant Approach,Powell,M.F.and Newman,M.J.編,Plenum Press,New York(1995);Kensilら,J.Am.Vet.Med.Assoc.199:1423-1427(1991);Wu,J.-Y.ら,J.Immunol.148:1519-1525(1992);Kensilら,Vaccine Res.2:273-281(1993))。更には、2又はそれを越えるサポニンアジュバントの混合物の使用が、米国特許第5,057,540号及び現時点で係属中の米国特許出願第07/906,880号(米国特許第5,583,112号として発行された)で議論されている(これら全内容は、参照により本明細書中に組み入れられるものとする)。
サポニンの免疫アジュバント効果は用量に依存する。抗原及び種に依存して、最適応答についてのQS−21の最小用量レベルが要求される(Kensil,C.R.ら,J.Immunol.(1991);Kensil,C.R.ら,Vaccine Res.(1993);Newmanら,J.Immunol.(1992);Livingstonら,Vaccine(1994))。この最小用量以下では、その免疫アジュバント効果は準最適である(低レベルか又は無いか)。QS−7も、用量−応答曲線を有する(Kensil,C.R.ら,J.Immunol.(1991))。
しかしながら、これまで、相乗的なアジュバント効果をもたらすための、準最適用量での2又はそれを越えるQuillajaサポニンの組合せの確認は、当該技術分野で知られていなかった。
【図面の簡単な説明】
図1は、本発明に使用されるサポニン類の精製に適する典型的なQuillaja saponaria樹皮抽出物の逆相HPLC分析を示す。このクロマトグラムにおいて、主要なサポニンアジュバントQS−7、QS−17、QS−18及びQS−21には、それぞれa、b、c、及びdが付されている。
図2Aは、ネガティブモードでの高速原子衝撃法質量分析によるQS−21の分析を示す。主要な擬分子イオンは1988であり、M=C9246148であるm/z=[M−H]-に相当する。図2Bは、高速原子衝撃法質量分析によるQS−7ピークのスペクトルを示す。主要な擬分子イオンは1862であり、[M−H]-に相当する。この構造に一致する1つの式は、C8346130である。
図3Aは、QS−7の推定構造を示す。図3Bは、2−D 1H及び13C−NMRにより決定されたQS−21についての構造を示す。個々の成分QS−21−V1とQS−21−V2間の違いは、択一的な末端β−D−アピオース(QS−21−V1)又はβ−D−キシロース(QS−21−V2)残基により示される(図3B)。
図4は、QS−21(0.625μg)及びQS−7(10μg)の準最適用量の組合せにより誘発されたE.G7−OVA標的細胞の細胞障害性Tリンパ球媒介細胞溶解を、同一用量のこれらサポニンを個別に投与したことにより誘発されたCTL応答と比較して示す。比較のために、20μgのQS−21により誘発された最適応答も示す。
図5は、QS−21(1.25μg)及びQS−7(10μg)の準最適用量の組合せにより誘発されたE.G7−OVA標的細胞の細胞障害性Tリンパ球媒介細胞溶解を、同一用量のこれらサポニンを個別に投与したことにより誘発されたCTL応答と比較して示す。比較のために、20μgのQS−21により誘発された最適応答も示す。
図6は、QS−21(0.625μg)及びQS−7(20μg)の準最適用量の組合せにより誘発されたE.G7−OVA標的細胞の細胞障害性Tリンパ球媒介細胞溶解を、同一用量のこれらサポニンを個別に投与したことにより誘発されたCTL応答と比較して示す。比較のために、20μgのQS−21により誘発された最適応答も示す。
図7は、QS−21(1.25μg)及びQS−7(20μg)の準最適用量の組合せにより誘発されたE.G7−OVA標的細胞の細胞障害性Tリンパ球媒介細胞溶解を、同一用量のこれらサポニンを個別に投与したことにより誘発されたCTL応答と比較して示す。比較のために、20μgのQS−21により誘発された最適応答も示す。
図8は、これら混合物の投与を受けた5匹のマウスの平均値からの平均log10力価を、準最適個別用量と比較して示す。
図9は、QS−21(1.25μg)及びQS−7(18.8μg)の準最適用量の組合せに対する細胞障害性Tリンパ球応答を、それぞれ1.25μg及び20μg用量の同じサポニンを個別に投与した場合と、及びQS−21(1.25μg)及びQS−7(20μg)の組合せの予測追加効果と比較して示す。
図10は、QS−21(1.25μg)及びQS−7(18.8μg)の準最適用量の組合せの血清における抗体応答を、それぞれ1.25μg及び20μg用量の同じサポニンを個別に投与した場合と比較して示す。比較のために、20μgのQS−21により誘発された最適応答も示す。
発明の要旨
本発明者らは、今回、意外にも、実質的に精製された準最適用量のQS−7とQS−21の組合せが、期待される追加的効果よりも相乗的なアジュバント効果をもたらすことを発見した。
従って、本発明は、2又はそれを越える実質的に純粋なサポニンを含んでなる、免疫アジュバント活性を有するサポニン組成物に向けられている。
本発明は、Quillaja saponariaからの2又はそれを越える実質的に純粋なサポニンを個々のサポニンについては準最適である量で含んでなる免疫アジュバント活性を有するサポニン組成物にも向けられている。
好ましい態様においては、この新規なサポニン組成物は、実質的に純粋なサポニンQS−7とQS−21から本質的になる。
本発明は、実質的に純粋なサポニンQS−7とQS−21−V1から本質的になる、免疫アジュバント活性を有するサポニン組成物にも向けられている。
本発明は、実質的に純粋なサポニンQS−7とQS−21−V2から本質的になる、免疫アジュバント活性を有するサポニン組成物にも向けられている。
本発明は、更に、個体中で抗原に対する免疫応答を誘発するのに有用な医薬組成物であって、これらサポニン組成物及び免疫原的に有効量の抗原を含んでなる医薬組成物に向けられている。一つの態様においては、その抗原は、少なくとも1の実質的に純粋なサポニンと直接に又はリンカー基を介して結合している。
本発明は、更に、そのような医薬組成物及び医薬的に許容できる担体を含んでなるワクチンに向けられている。
本発明は、更に、個体中で抗原に対する免疫応答を高める方法であって、Quillaja saponariaからの2又はそれを越える実質的に純粋なサポニンを個々のサポニンについては準最適である量で同時投与することを含んでなる方法に向けられている。
本発明は、更に、個体中で抗原に対する免疫応答を高める方法であって、実質的に純粋な有効量のサポニンQS−7とQS−21を同時投与することを含んでなる方法に向けられている。
本発明は、更に、個体中で抗原に対する免疫応答を高める方法であって、実質的に純粋な有効量のサポニンQS−7とQS−21−V1を同時投与することを含んでなる方法に向けられている。
本発明は、更に、個体中で抗原に対する免疫応答を高める方法であって、実質的に純粋な有効量のサポニンQS−7とQS−21−V2を同時投与することを含んでなる方法に向けられている。
好ましい態様においては、免疫原的に有効量の抗原を、QS−7とQS−21、QS−21−V1又はQS−21−V2のいずれかと、又はQS−7とQS−21、QS−21−V1及び/又はQS−21−V2の混合物と、同時投与する。
好ましい態様の説明
本発明のサポニンは、Quillaja saponaria Molinaの木から得ることができる。
本明細書で使用する“サポニン”という用語には、水溶液中で泡を作るグリコシド性トリテルペノイド化合物が含まれ、殆どの場合に溶血活性を有し、そして免疫アジュバント活性を有する。本発明は、サポニン自体だけでなく、天然の及び医薬的に許容できるサポニンの塩及び医薬的に許容できる誘導体も包含する。“サポニン”という用語は、その生物活性断片も包含する。
今回、互いを独立に投与したときに抗原作用を達成するには準最適である用量のQS−7及びQS−21(及び/又はQS−21−V1及び/又はQS−21−V2)を抗原と同時投与すると、その組合せが、そのような組合せに期待される追加の効果よりもかなり高い相乗的アジュバント効果をもたらすことが発見された。
本発明は、Quillaja saponariaからの2又はそれを越える実質的に精製されたサポニンの組合せであって、これらサポニンを別々に使用すると準最適である用量で一緒に使用される組合せを含んでなる組成物に関する。本発明は、免疫学的組成物のような組成物であって、実質的に純粋なサポニンQS−7と、QS−21、QS−21−V1又はQS−21−V2のいずれか、それらの部分又はそれらの加水分解生成物との組合せであって、抗原と連結していてもよいサポニンの組合せを含んでなる組成物、及びこれら組成物をワクチン及び免疫アジュバントとして使用する方法に関する。QS−21、QS−21−V1、及びQS−21−V2の混合物も、個々のサポニンと対立するものとして、QS−7との組合せに使用することができる。
本明細書で使用される“免疫アジュバント”という用語は、個体に投与されるか又はin vitroで試験されるときに、抗原が投与されたその個体又は試験系においてその抗原に対する免疫応答を増強する化合物を意味する。幾つかの抗原は、単独で投与されたときに免疫原性が弱いか又はその個体における免疫応答を喚起する濃度ではその個体に対して有毒である。免疫アジュバントは、抗原をより強く免疫原性にすることによって、その抗原に対する個体の免疫応答を高めることができる。そのアジュバント効果は、その個体における免疫応答を達成するのに必要な抗原の用量を低下させもする。
“同時投与する”又は“同時投与”という用語により、少なくとも2の成分の各々が、それぞれの生物活性時間が重複している時間枠内に投与されることが意図される。かくして、この用語は、本発明のサポニン及びサポニン組成物の連続投与だけでなく同時間帯投与をも包含する。
本発明のサポニン組成物の免疫原活性は、当業者に知られている多くの方法のいずれによっても測定することができる。本発明のワクチン及び/又はアジュバントの投与での特定抗原に対する抗体の力価の増加は、免疫原活性の規準として使用できる(Dalsgaard,K.,Acta Veterinia Scandinavica 69:1-40(1978);Scottら,Int.Archs.Allergy Appl.Immun.77:409-412(1985))。簡単に説明すると、そのような試験の1つは、種々の量の潜在的アジュバントと混合されることができるサポニン組成物/抗原結合体をCD−1マウスに皮内注射することを包含する。2週間後にそれらマウスから血清を採取して、抗免疫原抗体についてELISAにより試験する。
“実質的に純粋”という用語は、通常その天然状態でサポニンに随伴する化合物が実質的に含まれておらず、そして一定で再現性あるクロマトグラフィー応答、溶離プロフィール、及び生物活性を示すことを意味する。“実質的に純粋”という用語は、サポニンと他の化合物との人工又は合成混合物を排除することを意図していない。
“Q−21”は、Vydac C4カラム(5μm粒度,300Å気孔,4.6mmID×25cm)でのメタノール/水(58/42,v/v)中の40mM酢酸での逆相HPLCで単一ピークとして出現する成分QS−21−V1とQS−21−V2の混合物を指す。これら成分画分は、更に精製された成分で行われる実験又は結果を記載するときに、QS−21−V1及びQS−21−V2として特定的に言及される。
Quillaja saponaria Molinaの樹皮からのサポニンの抽出及び単離について多数の許容できる技術が存在する。Quillaja saponaria Molinaの樹皮からの本発明のサポニンを精製するための、免疫アジュバント活性についてサポニンを測定するための、及び実質的に純粋なサポニンを特性決定するための許容できる操作は、米国特許第5,057,540号及び米国特許出願第07/906,880号(米国特許第5,583,112号として発行された)に開示されており、これら全内容は、参照により本明細書中に組み入れられるものとする。
Quillaja saponariaの樹皮の水性抽出物は、商業的に入手することもできる。これらは、逆相HPLCのような方法により分析することができる多くの成分(タンニン類、ポリフェノール類、サポニン類)を含有する暗褐色の泡状抽出物である。
サポニンを精製するのに適する典型的な樹皮抽出物の逆相HPLC分析の例を図1に示す。サポニンアジュバントQS−7、QS−17、QS−18及びQS−21が、それぞれa、b、c、及びdとして示されている。アジュバント活性を有する他のあまり重要でないサポニンも示されている。
サポニン画分を豊富化するための及び大部分のタンニンとポリフェノールを除去するための部分精製は、抽出物を10,000分子量メンブランで水に対して透析することにより達成することができる。サポニン画分は残る。
また、水性サポニン抽出物をポリビニルピロリドンで前処理して高分子量のタンニンとポリフェノールをこれら化合物の吸収により除去することができる。
次いで、残存するタンニンとポリフェノールを水に対するダイア濾過(diafiltration)によりサポニン画分から除くことができる。ミセルを形成するサポニン画分を、10,000〜30,000分子量カットオフ粒度の超濾過メンブランにより残す。これで、主として多様なサポニンからなる部分精製抽出物ができる。
サポニンの分離は、有機溶媒又は有機溶媒/水混合液でのクロマトグラフィーにより達成することができる。シリカでのサポニンの分離が、米国特許第5,057,540号に記載された。これで、中間純度のサポニンができる(個々のサポニンは豊富化しているが実質的に純粋とはいえない)。
また、シリカゲルでの他の溶媒系や逆相クロマトグラフィーの使用で、サポニンの初期分離を達成することができる。次いで、この初期精製工程後に、典型的には、逆相クロマトグラフィー又は類似のHPLC工程を行って、それらサポニンをほぼ均質なまでに精製することができる。
本発明において有用な実質的に純粋なサポニンは、WO95/09179に開示されている実質的に生きている細胞からなる新鮮な植物材料から単離することもできる。なお、その全内容は、参照により本明細書中に組み入れられるものとする。例えば、約15年齢のQuillaja樹から抽出したばかりの植物細胞材料からサポニン抽出物を回収することができる。次いで、透析した抽出物をイオン交換カラム、例えば、DE−52タイプ、で精製した後、セファデックスG50ゲル濾過を行う。ゲル濾過の代わりに超濾過を用いてもよい。次いで、その精製したサポニン組成物を、VYDAC C4カラムでRP−HPLC分析に付して、0.15%水性TFA溶液中の30〜45%アセトニトリルで溶出する。
組織培養又は懸濁細胞培養によって得られた植物細胞材料で同じ操作を行うことができる。
本発明のサポニン組成物は、個体中で抗原に対して活性な免疫を誘発するワクチンとして有用である。好ましくは、そのような個体はヒトであるが、本発明は、そのように限定することを意図していない。本発明のワクチンの恩恵的作用を経験できるあらゆる動物が、特許請求される本発明に従って処置され得る動物の範囲内に属する。
本発明のサポニン組成物は、広い範囲の用量及び投与される抗原の広い範囲の比率で投与したときに、アジュバント効果を示す。一つの態様においては、本サポニン組成物は、3.0又はそれ未満、好ましくは1.0又はそれ未満のアジュバントの免疫原に対する比率(w/w)で投与される。
本発明のサポニン組成物は、個別的に投与されても、他の実質的に純粋なアジュバントと混合して投与されてもよい。抗原に対する免疫応答の促進を達成することができる。
本発明においては、同時投与したときに相乗効果をもたらすのに効果的な2種の実質的に純粋なサポニンは、QS−7とQS−21である。QS−7とQS−21との組合せを、非サポニンアジュバントと一緒に投与してもよい。本発明に有用なそのような非サポニンアジュバントは、オイルアジュバント(例えば、フロイント完全及び不完全アジュバント)、リポソーム、コレステロール、無機塩(例えば、AlK(SO42、AlNa(SO42、AlNH4(SO4)、シリカ、alum、Al(OH)3、Ca3(PO42、カオリン、及び炭素)、ポリヌクレオチド(例えば、ポリIC及びポリAU酸)、及び一定の天然物質又は誘導体(例えば、Mycobacterium tuberculosis由来のワックスD、モノホスホリルリピッドA(Salmonella minnesota)並びにCorynebacterium parvum、Bordetella pertussis、及びBrucella属のメンバー中に見出される物質)、ウシ血清アルブミン、ジフテリアトキソイド、破傷風トキソイド、エデスチン、キーホールリンペットヘモシアニン、プソイドモナルトキシンA(Pseudomonal Toxin A)、コレラゲノイド、コレラトキシン、百日咳トキシン、ウイルス性タンパク質、及びインターフェロン、インターロイキン、又は腫瘍壊死因子のような真核性タンパク質である。そのようなタンパク質又は活性断片は、当業者に知られている方法に従い、天然又は組換え供給源から得ることができる。本発明を実施するのに使用することができる他の公知の免疫強化性高分子には、多糖類;DNA/RNAヌクレオチド;tRNA;ポリビニルアミン、ポリメタクリル酸、ポリビニルピロリドン、4’,4’−ジアミノジフェニルメタン−3,3’−ジカルボン酸と4−ニトロ−2−アミノ安息香酸の(比較的高分子量を有する)混合重縮合物(Sela,M.,Science 166:1365-1374(1969)を参照のこと);又は糖脂質類;脂質類又は炭水化物が含まれるが、これらに限定されない。
本発明のサポニン組成物は、抗原に直接連結されても、米国特許第5,057,540号及び米国特許出願第07/906,880号(米国特許第5,583,112号として発行された)に開示された連結基を介して連結されてもよい。なお、これら特許の全内容は、参照により本明細書中に組み入れられるものとする。
本発明のサポニン組成物は、あらゆる抗原に対する免疫応答を高めるのに利用することができる。免疫応答を惹起する本発明の組成物に適する典型的な抗原には、次のあらゆるもの並びに他の供給源から誘導される抗原が含まれる:インフルエンザウイルス、単純ヘルペスウイルス、ネコ白血病ウイルス、ネコ免疫不全ウイルス、HIV−1、HIV−2、狂犬病ウイルス、麻疹ウイルス、B型肝炎ウイルス、又は口蹄疫ウイルスのようなウイルス;Streptococcus pneumoniae、Staphylococcus aureus、Esherishia coli、Bacillus anthracis、Corynebacterium diphtheriae、Borrelia burgdorferi、Mycobacterium tuberculosis、又は顆粒球性及び単球性Ehrlichiaのような細菌;Babeosis bovis又はPlasmodiumのような原生動物;癌、例えば、黒色腫;寄生虫;プリオン(例えば、マッド−コウ病(Mad-cow disease)、及び自己免疫疾患。抗原は、タンパク質、ペプチド、単糖類、多糖類、リポ多糖類、リポタンパク質、及びDNA又はRNAヌクレオチドであってもよい。それらタンパク質、ペプチド及び核酸は、天然供給源から精製されても、固相合成法によって合成されても、組換え遺伝子法によって得られてもよい。
本発明の方法に有用なサポニン組成物の投与は、非経口、静脈内、筋肉内、皮下、鼻腔内、経口、又は他のあらゆる適する手段によってもよい。投与される用量は、種、年齢、体重、もしあれば併行治療の種類、及び投与される抗原の性質に依存し得る。本発明のサポニン組成物は、どのような治療有効量で投与されてもよい。治療有効量とは、抗原への免疫応答を刺激する傾向にあるあらゆる用量のことである。好ましくは、本発明の新規なサポニン組成物は、ヒトの患者に、5〜25μgのQS−21と100〜400μgのQS−7の用量で投与される。この範囲外となる他の治療用組成物(例えば、異なる精製サポニン、抗原又は種の使用に起因するもの)は、所与の種における所与の抗原での用量範囲検討において単独で使用されるこれら2種の精製サポニンの各々の準最適又は最適用量を決定することによって規定されてもよい。本治療用組成物は、2又はそれを越えるサポニンの用量であって、各々を個別に使用したときに準最適範囲の量で組み合わされるが、組成物中の混合物の同じ用量が所望の活性を提供する用量からなるだろう。
QS−21、QS−7又は他の精製サポニンのようなアジュバントについての最大可能アジュバント効果は、所与の抗原又は種についての用量−応答曲線の使用により決めることができる。この曲線で、典型的には、免疫応答の最大可能増大をもたらす用量が決まるであろう。この最大免疫応答と未アジュバント添加配合物に対する免疫応答の間の差は、x値として定義される得る。このx値は、抗原特異的抗体力価(対数変換されていない)として及び/又は所与のエフェクター:標的比率での細胞障害性Tリンパ球に起因する細胞障害活性の%として測定することができる。準最適アジュバント応答は、典型的には、20%又はそれ未満のxとなろう。所望のアジュバント応答は、典型的には、少なくとも50%又はそれを越えるxとなろう。
本発明の方法に有用なサポニン組成物は、経口投与のためのカプセル剤、溶液剤、懸濁剤又はエリキシル剤のような剤形で、又は溶液剤又は懸濁剤のような滅菌液の剤形で使用することができる。好ましくは、生理食塩水又は食塩加リン酸緩衝液のようなあらゆる不活性担体、又は本発明の方法に使用される化合物が本発明の方法に使用するための適する溶解特性を有するようなあらゆる担体が使用される。
本発明のサポニン組成物は、ビヒクルアジュバントとうまく混合することができる。例えば、本サポニン組成物を、Morein,B.ら,Nature 308:457(1984)に開示された、抗原/サポニン/ステロール(好ましくはコレステロール)免疫刺激性複合体(ISCOM)及びISCOMマトリックス中に混合してもよい。なお、この文献の全内容は、参照により本明細書中に組み入れられるものとする。ISCOMの調製に許容できる操作は、好ましくは非イオン性界面活性剤中に両親媒性抗原を溶解させてから、Quillajaサポニン、例えば、QS−21及びQS−7;ステロール、例えば、コレステロール;及びホスファチジルコリンを添加することを含んでなる。両親媒性抗原の存在下では、界面活性剤を除去するとISCOM粒子が形成される。その混合液中に抗原が存在しないと、ISCOMマトリックスが形成される。ISCOM担持抗原は、高い細胞媒介免疫応答、遅延型高感度反応、及びI型MHC制限下で細胞障害性Tリンパ球(CTR)応答を誘発する。
本発明のサポニン組成物は、ポリマー性微小球内に包み込まれてもよい。例えば、ポリ(乳酸−co−グリコール酸)(PLGA)のようなポリマー性微小球がQS−21との適合性組合せであることが示されている(Cleland,J.L.ら,AIDS Res.Hum.Retroviruses 10(S2):S21(1994))。
サポニンは、Fullertonへの米国特許第4,235,877号に従って天然及び合成の脂質から調製されたリポソームとも組み合わされている。また、介在QuilAを含有するリポソームが、親水性抗原のビヒクルとして使用されている(Lipford,G.B.ら,Vaccine 12(1):73(1994))。
本発明のサポニン組成物は、個体の免疫感作のためのキットであって、1又はそれを越える容器手段をその中に密閉して受け入れるための区分けされたキャリヤを含んでなり、第1容器が本発明のサポニン組成物を含有するキットに使用することもできる。そのキットは、サポニンアジュバント又は本明細書に記載した他のアジュバントを含有する少なくとも1の他の容器を含んでもよい。
ここまで本発明を一般的に説明してきたが、以下の実施例を参照することによって、本発明を更に理解することができる。なお、これら実施例は、特に断らない限り、限定を意図したものではない。
実施例1
シリカクロマトグラフィーによるQS−21及びQS−7中間品の精製
20gの凍結乾燥されかつ透析されたQuillaja saponaria抽出物を、62%のクロロホルム、32%のメタノール、6%の水及び0.23%の酢酸(v/v/v/v)の150mlの混合液中に溶解させた。全部で100mlとなる量を、同じ溶媒混合液で450gのシリカ(EM Lichroprep,Si 60,40〜63ミクロン)で充填された10cm径のカラムに充填した。分離したQS−21及びQS−7画分を逆相HPLC分析により同定し、プールし、そしてロータリーエバポレーターで乾燥した後、凍結乾燥した。QS−21中間品の総収量は3.2gで、逆相HPLCによる純度は約51%であった。QS−7はその後の画分に溶出した(0.66gで17%純度)。
実施例2
C18クロマトグラフィーによる実質的に純粋なQS−21の精製
実施例1で調製したQS−21中間品を分取逆相HPLCによりVydacC18カラム(10ミクロン粒度,300Å気孔サイズ、25cm長、2.2cm径)で精製した。QS−21中間品の100mg/ml溶液を38%アセトニトリル/62%水/0.15%トリフルオロ酢酸(v/v/v)で調製した。次いで、20mgのアリコートを上記のVydacカラムで38%アセトニトリル/62%水/0.15%トリフルオロ酢酸の非勾配クロマトグラフィー条件下で分離した。同一の非勾配クロマトグラフィー条件下で16回のクロマトグラフィー実験を行った。実質的に純粋なQS−21(工程内逆相HPLC分析から)を集めて全量で930mlをプールした。これをHPLCグレードの水を添加することによって1860mlに希釈した。この希釈したプールを水で平衡にされたVydacC18カラム(20〜30ミクロン,15cm長×2.5cm内径)に充填した。この希釈したプールを10ml/分でそのカラムに充填し、100%水で10ml/分で更に30分間流し、次いでそのQS−21を100%水から100%メタノールへの一次勾配で60分間かけて溶出させた。QS−21が単一ピークとして溶出した。そのQS−21/メタノール/水混合液を凍結乾燥フラスコに移し、安定した窒素気流下でメタノールを留去し、そして凍結乾燥した。最終収量は59mgで、約98%純度のQS−21であった。
実施例3
C18クロマトグラフィーによる実質的に純粋なQS−7の精製
実施例1に記載した通りに調製したQS−7中間品をウォーターズC18カラムで更に精製した。QS−7中間品の100mg/ml溶液を水に溶解させた。20mgのこの溶液をC18(0.78cmID×30cm長、10ミクロン)で80%水/20%アセトニトリル/0.15%トリフルオロ酢酸から40%水/60%アセトニトリル/0.15%トリフルオロ酢酸への一次勾配で2ml/分の流速で75分間かけて溶出させた。全部で4回行って、QS−7画分を合わせて約54%純度の全量19mgのものを得た。この調製物を水に4mg/mlになるように溶解させ、そして67%水/33%アセトニトリル/0.15%トリフルオロ酢酸で平衡にされた同じカラムで非勾配HPLCにより更に精製した。集めた画分を等容量の水で希釈して、ブフナー漏斗中でC18樹脂(20〜30ミクロン)に吸着させ、そして90mlの水で洗浄した。次いで、このQS−7を40mlのメタノールで溶出させた。安定した窒素気流下でメタノールを留去し、QS−7を水に再溶解させ、凍結乾燥し、全部で8mgの精製QS−7を得た。
他の逆相樹脂、溶媒、及び分離勾配が、QS−7及びQS−21並びにQuillaja saponariaからの他のサポニンの精製に適することが示されている(Kensil,J.Immunol.146:431-437(1991))。
実施例4
質量分析によるQS−7及びQS−21の特性決定
質量分析により明確に異なるサポニン類を同定することができる。図2Aは、ネガティブモードでの高速原子衝撃法質量分析によるQS−21の分析を示す。主要な擬分子イオンは1988であり、M=C9246148であるm/z=[M−H]-に相当する。図2Bは、高速原子衝撃法質量分析によるQS−7ピークのスペクトルを示す。主要な擬分子イオンは1862であり、[M−H]-に相当する。この構造に一致する1つの式は、C8346130である。
Q.saponariaからのこれらサポニンは、アシル化された二連結性(bisdesmodic)テルペングリコシドである。QS−21の構造は、2−D 1H及び13C−NMRにより決定されている(Jacobsen,N.E.ら,Carbohydride Research,Volume 280:1-14(1996))。この構造を図3Bに示す。QS−7についての推定構造を図3Aに示す。
実施例5
QS−7及びQS−21の同時投与の相乗的アジュバント効果
1又はそれを越える実質的に純粋なQuillaja saponariaサポニン画分を含んでなる免疫学的組成物及びそのような組成物を免疫アジュバントとして使用する方法は、以前に、Kensilら,米国特許第5,057,540号及び同時係属の米国特許出願第07/906,880号(米国特許第5,583,112号として発行された)に開示された。なお、その全内容は、参照により本明細書に組み入れられるものとする。Kensil,C.R.ら,Vaccine 2:273-281(1993)は、2.5μgを下回るQS−21の用量では、マウスにおけるオバルブミン抗原に対する抗体応答を上昇させるにはアジュバントとして効果がないことを教示している。同じく、Newman,M.ら,J.Immunol.148:2357-2362(1992)は、オバルブミンに対する細胞障害性Tリンパ球(CTL)応答についての対応するQS−21用量−応答曲線を示している。やはり、2.5μg又はそれ未満では、マウスにおける応答は最小限のものである。
本発明は、今回、意外にも、2種の実質的に純粋なサポニンが、準最適用量で組み合わされたときに、相乗的なアジュバント効果をもたらすことを発見したのである。
準最適用量で組み合わされたときに相乗的応答をもたらす2種のサポニンは、QS−21とQS−7である。簡単に説明すると、QS−7とQS−21の準最適用量の5つの混合物を、相乗的応答をもたらすそれらの能力について試験した。その効果は、追加的アジュバント効果であろうと予測された。
全ての実験は、C57BL/6マウス(メス、8〜12週齢)で行った。QS−21/QS−7混合物の相乗的アジュバント効果を、2つのパラメーター:(1)マウスにおいてサブユニット抗原、つまりオバルブミンへの抗体力価を向上させるこれら混合物の能力;及び(2)マウスにおいてオバルブミン特異的細胞障害Tリンパ球(キラー細胞)応答を向上させるこれら混合物の能力により評価した。
実験法は次の通りであった。食塩加リン酸緩衝液中の示した配合物0.2mlでマウスを週に1、3及び5回皮下で免疫感作した。5匹ずつのグループでマウスを免疫感作した。第7週及び第9週に血清と脾臓を採取した。血清をオバルブミン抗体応答について酵素イムノアッセイにより分析した。簡単に説明すると、96ウェルImmulonプレートを食塩加リン酸緩衝液(PBS)中の10μg/mlのオバルブミンで4℃で一晩コートした。これらプレートをPBS(希釈剤)中の10%正常ヤギ血清で室温で1時間ブロックした。希釈剤で血清の1:10連続希釈液を作って、それらプレート上で、室温で1時間又は4℃で一晩インキュベートした。抗マウスIgG(又は抗マウスIgGサブクラス)の酵素結合体を希釈剤で希釈してそのプレート上でインキュベートした。比色用酵素基質、つまりテトラメチルベンジジンを用いて抗オバルブミン抗体の結合についてアッセイした。免疫感作マウスからの脾臓は、細胞障害性Tリンパ球(CTL)応答についてアッセイするために使用した。この(CTL)アッセイのためのエフェクター細胞は、採取した脾臓からの脾臓単核細胞であった。このアッセイのための抗原陽性標的細胞は、オバルブミン遺伝子で形質移入されたII型MHC抗原陰性EL4マウス細胞株であるE.G7−OVAであった。この細胞株は、I型MHC抗原でオバルブミンペプチドを発現することから、オバルブミン特異的細胞障害Tリンパ球についての標的である(Moore,M.ら,Cell 54:777(1988))。EL4細胞を、オバルブミン陰性標的細胞株として使用した。アッセイに先立って、脾臓単核細胞を抗原で刺激して、それらエフェクター細胞集団中の前駆体CTLの成熟を誘発した。刺激に使用した抗原は、マイトマイシンC処理E.G7−OVA細胞(20:1の脾臓細胞:E.G7−OVA細胞の比率で脾臓細胞とインキュベートしたもの)又は変性オバルブミン(25μg/ml)であった。バルク細胞培養をRPMI1640補足培地を用いて2ml容量で106/mlで37℃で行った。6日間培養後に細胞を回収し、新しい培地中に再分散させ、そしてCTLアッセイに使用した。0.3Mスクロースを含むRPMI1640培地中で37℃で1時間インキュベートすることによりNa2CrO451Cr)で標識することによって、標的細胞(E.G7−OVA又はEL4)をCTLアッセイ用に調製した。ウェル当たり104標的細胞及び25:1、12:1、6:1、及び3:1のエフェクター:標的の比率の滴定で、標準的細胞障害アッセイ法を用いた。その実験データを細胞溶解%に変換した。EL4細胞の細胞溶解%をE.G7−OVA細胞の細胞溶解から差し引いて、抗原特異的細胞溶解%を出した。
まず、サポニンアジュバントQS−7及びQS−21の準最適用量を特定した。図4及び5は、0.625μg及び1.25μgのQS−21がCTL応答を刺激するには有効ではないことを示している。対照的に、20μgのQS−21用量は、CTL応答を刺激するのに非常に有効である。図4及び5は、10μg及び20μgのQS−7が強いCTL応答を刺激するには有効ではないことを示している。
次いで、QS−21及びQS−7のこれら準最適用量を次のように混合した。
Figure 0004138884
意外にも、これら混合物は、QS−21及びQS−7の用量に対する単純な応答の追加により予測されるよりも、かなり高い細胞障害性Tリンパ球応答をもたらした。その応答は、より低いQS−7の用量(10μg)で最も劇的である。これら4混合物についての応答を図4〜7に示す。
これら混合物は、特にIgG2bサブクラスにおいて、オバルブミンに対する意外に高い抗体力価ももたらした。これら混合物の投与を受けた5匹のマウスの平均値からの平均log10力価を準最適個別用量と比較して図8に示す。例えば、10μgのQS−7又は0.625μgのQS−21のいずれも、個別では、アジュバントなしの場合よりも高い力価をもたらさない。これは、これら用量が準最適であることを示している。しかしながら、0.625μgのQS−21を10μgのQS−7と組み合わせると、1log10単位の力価の増加(力価の10倍増加)をもたらす。これは、これら2つの組合せが、QS−21の既知の最適用量(20μg)に匹敵する応答をもたらす効果的なアジュバント混合物であることを示すものである。
この相乗効果は、同じ実験様式を用いた別の実験でも認められた。その実験では、1.25μgのQS−21と18.8μgのQS−7との混合物を1.25μgのQS−21と20μgのQS−7のそれぞれと比較した。その混合物は、これらサポニン単独から予測されるよりも高い細胞障害性Tリンパ球応答と血清抗体応答をもたらした(図9〜10)。

Claims (25)

  1. 実質的に純粋なQS−7サポニンと、
    (a)QS−21、
    (b)QS−21V1、及び
    (c)QS−21V2
    からなる群から選択される実質的に純粋なサポニンとの組合せを含んでなる、生物における免疫応答を高めるためのQuillaja saponariaサポニン組成物であって抗原の存在下で該免疫応答を引き出すための組成物。
  2. 請求項1記載のサポニン組成物であって、実質的に純粋なQS−7サポニンと実質的に純粋なQS−21サポニンとの組合せを含んでなる組成物。
  3. 請求項1記載のサポニン組成物であって、実質的に純粋なQS−7サポニンと実質的に純粋なQS−21V1サポニンとの組合せを含んでなる組成物。
  4. 請求項1記載のサポニン組成物であって、実質的に純粋なQS−7サポニンと実質的に純粋なQS−21V2サポニンとの組合せを含んでなる組成物。
  5. 実質的に純粋なQS−7サポニンと、
    (a)QS−21、
    (b)QS−21V1、及び
    (c)QS−21V2
    からなる群から選択される実質的に純粋なサポニンとの組合せを含んでなる、個体における抗原への免疫応答を高めるためのサポニン組成物であって、前記実質的に純粋なサポニンが免疫学的に有効量の前記抗原の存在下で免疫アジュバント活性を有する組成物。
  6. 請求項5記載のサポニン組成物であって、実質的に純粋なQS−7サポニンと実質的に純粋なQS−21サポニンとの組合せを含んでなる組成物。
  7. 請求項5記載のサポニン組成物であって、実質的に純粋なQS−7サポニンと実質的に純粋なQS−21V1サポニンとの組合せを含んでなる組成物。
  8. 請求項5記載のサポニン組成物であって、実質的に純粋なQS−7サポニンと実質的に純粋なQS−21V2サポニンとの組合せを含んでなる組成物。
  9. 請求項1〜8記載のいずれか1項に記載のサポニン組成物であって、前記抗原が、タンパク質、ペプチド、単糖類、多糖類、リポ多糖類、リポタンパク質、又はヌクレオチドである組成物。
  10. 請求項1〜8記載のいずれか1項に記載のサポニン組成物であって、前記抗原が、ウイルス、細菌、寄生虫、プリオン、又は癌から誘導される組成物。
  11. 請求項1〜8記載のいずれか1項に記載のサポニン組成物及び医薬的に許容できる担体を含んでなる医薬組成物。
  12. 請求項9記載のサポニン組成物及び医薬的に許容できる担体を含んでなる医薬組成物。
  13. 請求項10記載のサポニン組成物及び医薬的に許容できる担体を含んでなる医薬組成物。
  14. 請求項1〜8記載のいずれか1項に記載のサポニン組成物及び免疫学的に有効量の抗原を含んでなる、医薬品として使用するための組成物であって、前記サポニン組成物が前記抗原への前記個体の免疫応答を高めるのに十分な量で存在する組成物。
  15. 請求項14記載の組成物であって、前記抗原が、タンパク質、ペプチド、単糖類、多糖類、リポ多糖類、リポタンパク質、又はヌクレオチドである組成物。
  16. 請求項14記載の組成物であって、前記抗原が、ウイルス、細菌、寄生虫、プリオン又は癌から誘導される組成物。
  17. 請求項11記載の医薬組成物の使用であって、前記抗原への免疫応答を高めるための医薬品の製造のための使用。
  18. 請求項12記載の医薬組成物の使用であって、前記抗原への免疫応答を高めるための医薬品の製造のための使用。
  19. 請求項13記載の医薬組成物の使用であって、前記抗原への免疫応答を高めるための医薬品の製造のための使用。
  20. 請求項1〜8記載のサポニン組成物及び免疫学的に有効量の抗原を含んでなる医薬組成物であって、前記サポニン組成物が前記抗原への前記個体の免疫応答を高めるのに十分な量で存在する医薬組成物、の使用であって、前記抗原への免疫応答を高めるための医薬品の製造のための使用。
  21. 請求項20記載の組成物の使用であって、前記抗原が、タンパク質、ペプチド、単糖類、多糖類、リポ多糖類、リポタンパク質、又はヌクレオチドである使用。
  22. 請求項20記載の組成物の使用であって、前記抗原が、ウイルス、細菌、原生動物、プリオン、又は癌から誘導される使用。
  23. 請求項1〜8記載のいずれか1項に記載のサポニン組成物の使用であって、前記抗原への免疫応答を高めるための医薬品の製造のための使用。
  24. 請求項9記載のサポニン組成物の使用であって、前記抗原への免疫応答を高めるための医薬品の製造のための使用。
  25. 請求項10記載のサポニン組成物の使用であって、前記抗原への免疫応答を高めるための医薬品の製造のための使用。
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