JP4138734B2 - 貯湯式給湯装置 - Google Patents

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この発明は、貯湯タンクの貯湯温水を用いて浴槽の湯張りや給湯を行う貯湯式給湯装置に関するものである。
従来よりこの種のものでは、貯湯タンク内の高温水と給水とを混合弁でミキシングして設定温度の給湯を行い、給湯停止後の貯湯タンク内の湯水境界層が混合弁より低く、且つ混合弁がお湯側と水側を連通状態としておくと、貯湯タンク内の高温水は釣り合おうとして直下対流を起こし、給水バイパス管まで流入してしまうことで、再給湯時に給湯温度が大きく変動するので、これを給水バイパス管に混合タンクを設けることにより防止しようとするものであった。(例えば、特許文献1参照。)
特開2003−4303号公報
ところでこの従来のものでは、給水バイパス管に高温水が混入してどれ位の温水温度に成っているか、或いはすでに時間がたって冷えているとか、まだ高温水の混入は開始されていないとかが、全く分からず正確で良好な混合制御は出来ないものであった。
又給湯の他に貯湯タンク内の高温水と給水とを風呂用の混合弁でミキシングして、風呂に設定温度の湯張りを行うようにしたものでは、湯張りによって給水側の圧力バランスが崩れ、給水バイパス管に溜められた温水が風呂用の混合弁より流出してしまうと言う問題点を有するものであった。
この発明はこの点に着目し上記欠点を解決する為、特にその構成を、加熱手段で加熱された温水を貯湯する貯湯タンクと、該貯湯タンクに給水を補給する給水管と、貯湯タンク上部に連通し高温水を出湯する出湯管と、この出湯管の途中で高温水と、給水管から分岐した給湯用給水バイパス管からの給水とを、ミキシングして設定温度の給湯を行う給湯用混合弁と、同じく出湯管の高温水と、給湯用給水バイパス管から分岐した風呂用給水バイパス管からの給水とを、ミキシングして設定温度の湯張りを行う風呂用混合弁とから構成されたものに於いて、前記風呂用混合弁による湯張り中は、給湯用混合弁を湯側を閉止状態とし、湯張り終了後は、所定時間給湯用混合弁を湯側と水側が連通の開度状態とした後、湯側閉止状態とするものである。
又請求項2では、加熱手段で加熱された温水を貯湯する貯湯タンクと、該貯湯タンクに給水を補給する給水管と、貯湯タンク上部に連通し高温水を出湯する出湯管と、この出湯管の途中で高温水と、給水管から分岐した給湯用給水バイパス管からの給水とを、ミキシングして設定温度の給湯を行う給湯用混合弁と、同じく出湯管の高温水と、給湯用給水バイパス管から分岐した風呂用給水バイパス管からの給水とを、ミキシングして設定温度の湯張りを行う風呂用混合弁とから構成されたものに於いて、前記風呂用混合弁による湯張り中は、給湯用混合弁を湯側を閉止状態とし、湯張り終了後は、給湯用給水バイパス管に備えた温度センサが所定温度を検知するまで、給湯用混合弁を湯側と水側が連通の開度状態とした後、湯側閉止状態とするものである。
又請求項3では、前記温度センサは、給水サーミスタを兼ねるようにしたものである。
この発明によれば、設定温度の湯張りによって、給湯用給水バイパス管内の温水が流出したとしても、湯張り終了後に再び直下対流を利用した温水の貯湯が行えるので、給湯時には火傷の心配及び、オーバーシュートやアンダーシュートもなく、貯湯タンク内の湯水境界層に関係なく常に良好な給湯が行えるようにしたものである。
請求項2では、湯張り終了後に貯湯タンクからの給湯用給水バイパス管への高温水の混入による湯温を、温度センサで検知して給湯用混合弁の湯側を閉止するので、常に所定温度の温水を貯湯出来、確実に再給湯時の火傷及び、オーバーシュートやアンダーシュートを防止出来、貯湯タンク内の湯水境界層に関係なく常に良好な給湯が行えるようにしたものである。
又温度センサを、元もと使用されている給水サーミスタを兼ねるようにすれば、部品点数も増えることなく構造簡単に形成出来、極めて安価に提供出来るものである。
次にこの発明の一実施形態を図示した図1、図2に基づいて説明する。
1は円筒状の貯湯タンクで、ヒーポン室外機から成る加熱手段2を利用し、時間帯別契約電力の電力単価が安価な深夜時間帯に湯水を沸き上げて貯湯するものであり、底部には給水を補給する給水管3が接続し、上部には貯湯した高温水を給湯栓(図示せず)等に出湯する出湯管4が接続されている。
5は一方に出湯管4を、他方には給水管3から分岐した給湯用給水バイパス管6を、中央には給湯管7が接続した電動三方弁から成る給湯用混合弁で、出湯管4からの高温水と給湯用給水バイパス管6からの給水とを混合して、設定された給湯温度となるようにして供給するものであり、出湯温度と給水温度と設定温度から、出湯管4の湯側開度と給湯用給水バイパス管6の水側開度をフィードフォワード制御で調整するものである。
8は前記給湯用混合弁5と同じく一方には出湯管4を、他方には給湯用給水バイパス管6から分岐した風呂用給水バイパス管9を、中央には風呂循環回路(図示せず)に接続した電動三方弁から成る風呂用混合弁で、出湯管4からの高温水と風呂用給水バイパス管9からの給水とを混合して、設定された風呂温度となるようにして湯張りするものであり、出湯温度と給水温度と風呂設定温度とから、出湯管4の湯側開度と風呂用給水バイパス管9の水側開度をフィードフォワード制御で調整するものである。
10は給水管3に備えられ給水温度を検知する給水サーミスタで、給湯時には給水温度を検知して給湯用混合弁5の開度を調整するものであり、又貯湯タンク1内の湯水境界層が、給湯用混合弁5より下方に位置する状態で、給湯停止して給湯用混合弁5を出湯管4と給湯用給水バイパス管6が連通する開度とした時に、貯湯タンク1内の高温水が釣り合おうとして直下対流を起こし、給湯用給水バイパス管6まで流入してしまう時には、所定時間ここでは1〜10分で水側である給湯用給水バイパス管6側を100%開口状態、即ち湯側である出湯管4側を閉止するように給湯用混合弁5を駆動させ、後は上記のフィードフォワード制御で給湯用混合弁5を制御するようにしたものである。
前記給水サーミスタ10は給湯停止状態で湯張りを行う時には、給水温度を検知して風呂用混合弁8の開度を調整するものであり、又給湯用混合弁5が給湯停止直後で上記の温水貯湯運転を行っている状態もあるので、先ず給湯用混合弁5を湯側閉止で水側100%の開度とした後に湯張りを行うものであり、更に湯張り停止後には、給湯用混合弁5に上記の直下対流を利用した温水貯湯動作を行わせて、再給湯に備えるようにしたものである。
11は貯湯タンク1と加熱手段2とを湯水が循環可能に接続する往き管12と戻り管13と循環ポンプ14とで構成された加熱循環回路である。
15、16、17、18は貯湯タンク1外周面の上下に備えられた貯湯温度センサであり、19は給水管3途中に設けられた減圧弁であり、20は出湯管4に備えられた圧力逃がし弁である。
21はマイコンから成る制御回路で、入力側には、リモコン(図示せず)の温度設定部22と、給水サーミスタ10と、各貯湯温度センサ15、16、17、18と、湯張りスイッチ23と、湯張り終了の信号を出力するスイッチ或いは流量センサ、風呂水位センサ、風呂温度センサ等の湯張り終了検知手段24と、最上位置の貯湯温度センサ15が出湯温度センサとして接続すると共に、給湯管7に備えられ湯水の流れを検知することにより給湯の開始/停止を検知するフローセンサ25が接続され、出力側には、循環ボンプ14と、給湯用混合弁5及び風呂用混合弁8のステップモータ駆動量を制御することで、該各混合弁5、8の開度を調整するようにしたものであり、又制御回路21には前記フローセンサ25による給湯停止信号と、前記湯張り終了検知手段24からの湯張り終了信号との両信号で、給湯用混合弁5出湯管4と給湯用給水バイパス管6が連通する開度として、所定時間ここでは1〜10分のカウントを開始するタイマー手段26が組み込まれており、カウントアップで水側である給湯用給水バイパス管6側を100%開口状態、即ち湯側である出湯管4側を閉止するものである。
次にこの図1、図2に示す一実施形態の作動について説明する。
今給湯栓を開けて給湯を開始すれば、これをフローセンサ25が検知し、制御回路21に温度設定部22による設定温度を読み込ませ、給水サーミスタ10による給水温度と、貯湯温度センサ15による出湯温度とによって制御回路21が演算して給湯用混合弁5の開度を決定し、この開度に成るように給湯用混合弁5を駆動させ、設定温度の給湯を行うものである。
又貯湯タンク1内の湯水境界層が給湯用混合弁5より下方にある時には、給湯停止時にフローセンサ25がこれを検知しての信号で、タイマー手段26が所定時間のカウントを開始すると共に、給湯用混合弁5を出湯管4と給湯用給水バイパス管6が連通する開度とし、貯湯タンク1内の高温水が釣り合おうとする直下対流を利用して、給湯用給水バイパス管6に給水と高温水との混合した適温の温水を貯湯した後、タイマー手段26のカウントアップで給湯用混合弁5の水側である給湯用給水バイパス管6側を100%開口状態、即ち湯側である出湯管4側を閉止するものである。
これにより、短い待ち時間の後の再給湯時に、水側100%の位置からスタートする給湯用混合弁5が決定された開度に時間がかかっても、給湯初期には給湯用給水バイパス管6に貯湯された温水が一時的に給湯され、その後給水と高温水との混合水が給湯されることとなり、火傷の心配やオーバーシュートやアンダーシュートを防止出来、貯湯タンク内の湯水境界層に関係なく常に良好な給湯が行えるようにしたものである。
次に湯張りスイッチ23の押圧による浴槽(図示せず)への湯張り時には、先ず給湯用混合弁5を湯側閉止の水側100%の位置にした後、風呂用混合弁8を給水サーミスタ10による給水温度と、貯湯温度センサ15による出湯温度とによって制御回路21が演算した開度に駆動し、風呂設定温度の湯張りを行うものである。
そしてこの湯張り動作で、給湯用給水バイパス管6に万一温水が貯湯されていた場合には、給水の圧力バランスの崩れで風呂用混合弁8へ流れる給水に混入して流出してしまうので、この発明では、湯張り終了時の湯張り終了検知手段24からの信号でも上記の給湯用給水バイパス管6への温水貯湯動作を行うもので、即ちタイマー手段26が所定時間のカウントを開始すると共に、給湯用混合弁5を出湯管4と給湯用給水バイパス管6が連通する開度とし、貯湯タンク1内の高温水が釣り合おうとする直下対流を利用して、給湯用給水バイパス管6に給水と高温水との混合した適温の温水を貯湯した後、タイマー手段26のカウントアップで給湯用混合弁5の水側である給湯用給水バイパス管6側を100%開口、湯側である出湯管4側を閉止するものである。
これによって、本来湯張り動作でなくなってしまう給湯用給水バイパス管6内の貯湯温水を、湯張り終了で再度貯湯し直すことが出来、湯張り機能があるものに於いても、給湯時の火傷の心配やオーバーシュートやアンダーシュートを防止出来、貯湯タンク内の湯水境界層に関係なく常に良好な給湯が行えるようにしたものである。
次に図3に示す他の実施形態について説明するが、上記実施形態と同一部分には同一符号を付し、相違点のみを説明する。
27はタイマー手段26の替わり給湯用給水バイパス管6に備えられた温度センサで、給水管3に備えられていた給水サーミスタ10も兼ねるものである。
この他の実施形態の作動は、給湯停止後及び湯張り終了後に、給湯用混合弁5を出湯管4と給湯用給水バイパス管6が連通する開度とし、貯湯タンク1内の高温水が釣り合おうとする直下対流を利用して、給湯用給水バイパス管6に給水と高温水との混合し、温度センサ27が所定温度ここでは30〜43℃に達したことを検知することで、給湯用混合弁5の水側である給湯用給水バイパス管6側を100%開口、湯側である出湯管4側を閉止するものである。
これにより、直接温水温度を検知して給湯用混合弁5の湯側を閉止するので、タイマー手段26では得ることの出来ない確実で的確な温水の貯湯を行うことが出来、安心して再給湯を待つことが出来るものである。
又温度センサを、元もと使用されている給水サーミスタを兼ねるようにすれば、部品点数も増えることなく構造簡単に形成出来、極めて安価に提供出来るものである。
この発明の一実施形態を示す貯湯式給湯装置の概略説明図。 同要部電気回路のブロック図。 他の実施形態を示す貯湯式給湯装置の概略説明図。
符号の説明
1 貯湯タンク
2 加熱手段
3 給水管
4 出湯管
5 給湯用混合弁
6 給湯用給水バイパス管
8 風呂用混合弁
9 風呂用給水バイパス管
21 制御回路
26 タイマー手段
27 温度センサ

Claims (3)

  1. 加熱手段で加熱された温水を貯湯する貯湯タンクと、該貯湯タンクに給水を補給する給水管と、貯湯タンク上部に連通し高温水を出湯する出湯管と、この出湯管の途中で高温水と、給水管から分岐した給湯用給水バイパス管からの給水とを、ミキシングして設定温度の給湯を行う給湯用混合弁と、同じく出湯管の高温水と、給湯用給水バイパス管から分岐した風呂用給水バイパス管からの給水とを、ミキシングして設定温度の湯張りを行う風呂用混合弁とから構成されたものに於いて、前記風呂用混合弁による湯張り中は、給湯用混合弁を湯側を閉止状態とし、湯張り終了後は、所定時間給湯用混合弁を湯側と水側が連通の開度状態とした後、湯側閉止状態とする事を特徴とする貯湯式給湯装置。
  2. 加熱手段で加熱された温水を貯湯する貯湯タンクと、該貯湯タンクに給水を補給する給水管と、貯湯タンク上部に連通し高温水を出湯する出湯管と、この出湯管の途中で高温水と、給水管から分岐した給湯用給水バイパス管からの給水とを、ミキシングして設定温度の給湯を行う給湯用混合弁と、同じく出湯管の高温水と、給湯用給水バイパス管から分岐した風呂用給水バイパス管からの給水とを、ミキシングして設定温度の湯張りを行う風呂用混合弁とから構成されたものに於いて、前記風呂用混合弁による湯張り中は、給湯用混合弁を湯側を閉止状態とし、湯張り終了後は、給湯用給水バイパス管に備えた温度センサが所定温度を検知するまで、給湯用混合弁を湯側と水側が連通の開度状態とした後、湯側閉止状態とする事を特徴とする貯湯式給湯装置。
  3. 前記温度センサは、給水サーミスタを兼ねる事を特徴とする請求項2記載の貯湯式給湯装置。
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