JP4138290B2 - ズームマイクロホン装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ズームマイクロホン装置に関し、より特定的には、ズーム位置に応じて目的音を効果的に強調し収音するための音声ズーム機能を有するズームマイクロホン装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、ビデオカメラや動画撮影が可能なデジタルカメラなどにおいて、レンズのズームアップ動作に連動して目的音をズームアップして高いSNRで収音することのできるズームマイクロホン装置が利用されている。ズーム収音を実現するための方式としては、簡単な周波数補正を行う方式やデジタル信号処理によりマイクロホンの指向特性を変化させる方式が採用されている。以下、これらの方式を採用した従来のズームマイクロホン装置について、それぞれ図面を参照して簡単に説明する。
【0003】
図21に、第1の従来例として、簡単な周波数補正によりズーム収音を実現しているズームマイクロホン装置の構成を示す。ズームマイクロホン装置は、収音部900と、ズーム制御部901と、ハイパスフィルタ902とを備える。収音部900は、音波を音声信号に変換する。ズーム制御部901は、ズーム位置を決定するためのズーム位置信号を出力する。ハイパスフィルタ902は、ズーム位置信号に応じた周波数特性により、収音部900からの音声信号の高域を強調する。具体的には、ズーム位置が望遠側になるほど音声信号の高域部分を強調する。
【0004】
収音部900に入力される音波には目的音と背景雑音とが含まれている。通常、望遠時には目的音はズームマイクロホン装置から離れたところより発せられる。ところで、周囲雑音は、一般的に低域に偏ったスペクトルを有する。そこで、望遠時に、収音部900から出力された音声信号の低域部分をハイパスフィルタ902によって遮断すれば、音声信号に含まれる背景雑音の割合が相対的に低減する。これにより、望遠時のSNRが向上し、ズーム効果が得られる。
【0005】
図22に、第2の従来例として、デジタル信号処理によって指向特性を変化させることによりズーム収音を実現するズームマイクロホン装置の構成を示す。ズームマイクロホン装置は、収音部903と、ズーム制御部904と、指向性制御部905と、音量制御部906とを備える。収音部903は、マイクロホンユニット907a、907bを含む。指向性制御部905は、加算器908と、増幅器909、910a、910b、910cと、加算器911a、911bとを含む。
【0006】
マイクロホンユニット907a、907bは、ともに正面方向に対して一定の角度をつけて設置される。加算器908は、マイクロホンユニット907a、907bからの音声信号を加算する。増幅器909は、この音声信号の振幅を0.5倍する。増幅器910a、910b、910cは、それぞれ、マイクロホンユニット907a、907b、増幅器909からの音声信号の振幅を、ズーム制御部904からのズーム位置信号に応じて変化させる。具体的には、広角時には、増幅器910a、910bの増幅度を1とし、増幅器910cの増幅度を0とする。一方、望遠時には、増幅器910a、910bの増幅度を0とし、増幅器910cの増幅度を1とする。加算器911aは、増幅器910aの出力に増幅器910cの出力を加算してRチャンネル音声信号を出力する。加算器911bは、増幅器910bの出力に増幅器910cの出力を加算してLチャンネル音声信号を出力する。
【0007】
収音部903に入力される音波には、目的音と背景雑音とが含まれている。通常、望遠時には目的音はズームマイクロホン装置の正面方向から発せられ、一方、背景雑音はさまざまな方向から発せられる。そこで、望遠時に、RチャンネルおよびLチャンネルの指向性を正面方向に変化させれば、各チャンネル音声信号に含まれる背景雑音の割合が相対的に低減する。これにより、望遠時のSNRが向上し、ズーム効果が得られる。
【0008】
なお、この第2の従来例に係るズームマイクロホン装置には音量制御部906が設けられている。一般に、望遠時は広角時に比べて目的音の発生源が遠方にあるため、ズームマイクロホン装置に到来する目的音の音量は比較的小さい。そこで、望遠時に音量制御部906によって各チャンネル音声信号の音量を上げてやることにより、より高いズーム効果が得られる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、図21に示した第1の従来例では、望遠時に周囲雑音の低域部分のみならず目的音の低域部分もハイパスフィルタ902によって遮断されてしまうため、ズーム位置が変化するたびに目的音の音質、すなわち周波数特性が変化してしまうという問題がある。
【0010】
また、図22に示した第2の従来例では、望遠時に正面方向から到来する音波であれば目的音のみならず定常的な背景雑音も収音してしまうため、SNRを向上させる効果が不十分であるという問題がある。
【0011】
また、音量制御によって望遠時の音量を増大させる場合には、目的音のみならず背景雑音も増大されるため、SNRの向上の効果は得られず、目的音を十分に強調することができないという問題がある。
【0012】
それゆえに、本発明の目的は、望遠時に、目的音の音質を変化させることなく背景雑音を抑圧し、目的音を十分に強調して収音することのできるズームマイクロホン装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
第1の発明は、ズーム位置に応じて目的音を効果的に収音するための音声ズーム機能を有するズームマイクロホン装置であって、
音波を音声信号に変換する収音手段と、
ズーム位置に対応するズーム位置信号を出力するズーム制御手段と、
ズーム位置信号に基づいてズームマイクロホン装置自体の指向特性を変化させる指向性制御手段と、
収音手段によって変換された音声信号に含まれる背景雑音の周波数成分を推定する推定手段と、
推定手段による背景雑音の周波数成分の推定結果に基づいて、ズーム位置信号に応じて抑圧量を調整しつつ、背景雑音を抑圧する雑音抑圧手段とを備え、
望遠時に、指向性制御手段は目的音を強調するように指向特性を変化させるとともに、音声信号に含まれる背景雑音は最終的に広角時よりも大きな度合で抑圧されることを特徴とする。
【0014】
上記のように、第1の発明によれば、望遠時に目的音の到来方向からの音波を主に収音することにより、目的音と一緒に収音される不要音を低減し、さらに望遠時に収音した音波に含まれる、目的音と同一方向から到来する背景雑音を広角時よりも大きな度合で抑圧することにより、ズーム位置が広角から望遠に変化したときに、目的音を効果的に強調して収音することができる。なお「音声」とは、人の声のみをさすものではなく、いわゆる音全般をさす。
【0015】
第2の発明は、第1の発明において、望遠時に音声信号のパワレベルを広角時よりも大きくする音量制御手段をさらに備える。
【0016】
上記のように、第2の発明によれば、望遠時に収音される音声信号の音量を広角時よりも大きくすることにより、あたかも目的音の音源の近くで収音しているかのように目的音を効果的に強調して収音することができる。また、望遠時の雑音抑圧の度合を広角時よりも大きくすることにより、望遠時に音量を大きくしたときに背景雑音の音量が一緒に増大してしまうという問題を防止することができる。これにより、一層効果的に目的音を強調して収音することができる。
【0017】
第3の発明は、第1の発明において、指向性制御手段は、収音手段によって変換された音声信号に基づいて複数のチャンネル音声信号を生成し、
雑音抑圧手段は、複数の雑音抑圧ユニットを含み、
複数の雑音抑圧ユニットは、ズーム位置信号に基づいて、望遠時に、複数のチャンネル音声信号に含まれる背景雑音を広角時よりも大きな度合でそれぞれ抑圧することを特徴とする。
【0018】
上記のように、第3の発明によれば、各チャンネル音声信号に対してそれぞれズーム位置に応じた雑音抑圧を行うことにより、望遠時に、各チャンネル音声信号に含まれる背景雑音を広角時に比べて大きな度合で抑圧することができる。
【0019】
第4の発明は、第1の発明において、指向性制御手段は、収音手段によって変換された音声信号に基づいて複数のチャンネル音声信号を生成し、
雑音抑圧手段は、
複数のチャンネル音声信号に基づいて複数のチャンネル音声信号に含まれる背景雑音の周波数成分を推定する推定手段と、
推定手段による背景雑音の周波数成分の推定結果に基づいて各チャンネル音声信号に含まれる背景雑音を抑圧する複数の抑圧手段とを含む。
【0020】
上記のように、第4の発明によれば、少なくとも1つの音声信号に基づいて背景雑音量を推定し、推定結果に基づいて各チャンネル音声信号に含まれる背景雑音を抑圧するので、複数のチャンネル音声信号のそれぞれに対して個別に背景雑音量を求めて背景雑音を抑圧する場合に比べ、装置の構成を簡素化し、処理負荷を低減することができる。
【0021】
第5の発明は、第4の発明において、推定手段は、複数のチャンネル音声信号を平均化して1つの音声信号を生成する平均化手段を有し、この平均化手段によって生成された音声信号に基づいて複数のチャンネル音声信号に含まれる背景雑音の周波数成分を推定することを特徴とする。
【0022】
上記のように、第5の発明によれば、抑圧すべき背景雑音の量がより適切に設定されるため、各チャンネル音声信号に含まれる背景雑音の量が大きく異なっている場合であっても平均化する効果により推定量を大きく誤ることなく、各チャンネル音声信号から抑圧すべき背景雑音の量を適切な値に保つことができる。
【0023】
第6の発明は、ズーム位置に応じて目的音を効果的に強調するための音声ズーム機能を有するズームマイクロホン装置であって、
音波を音声信号に変換する収音手段と、
ズーム位置に対応するズーム位置信号を出力するズーム制御手段と、
ズーム位置信号に基づいてズームマイクロホン装置自体の指向特性を変化させる指向性制御手段と、
収音手段によって変換された音声信号に含まれる背景雑音の周波数成分を推定する推定手段と、
推定手段による背景雑音の周波数成分の推定結果に基づいて、背景雑音を抑圧する雑音抑圧手段とを備え、
指向性制御手段は、目的音の到来方向からの音波を強調する目的音信号と他の音声信号とをズーム位置信号に応じた比率で混合する混合手段を含み、
雑音抑圧手段は、目的音信号のみに適用され、この目的音信号に含まれる背景雑音を一定の度合で抑圧することを特徴とする。
【0024】
上記のように、第6の発明によれば、目的音信号に対して一定の度合で雑音抑圧を行うだけで、結果的に、望遠時に、広角時に比べて大きな度合で音声信号の背景雑音を抑圧することができる。よって、音声信号のそれぞれに対してズーム位置信号に応じて雑音抑圧の度合を制御する必要がなく、装置の構成を簡素化することができる。
【0025】
第7の発明は、第1の発明または第6の発明において、雑音抑圧手段はウィーナーフィルタを含む。
【0026】
上記のように、第7の発明によれば、一般的なウィーナーフィルタを用いることにより、雑音抑圧手段を実現することができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の種々の実施形態について図面を参照しながら説明する。これら種々の実施形態では、ズーム位置に応じてマイクロホン装置の指向特性の制御および背景雑音の抑圧処理がなされる。具体的には、望遠時に、目的音だけを収音するように指向特性を変化させるとともに、背景雑音の抑圧度合を広角時よりも大きくする。
【0028】
(第1の実施形態)
図1に、本発明の第1の実施形態に係るズームマイクロホン装置の構成を示す。図1において、ズームマイクロホン装置は、収音部11と、ズーム制御部12と、指向性制御部13と、雑音抑圧部14と、音量制御部15とを備える。収音部11は、マイクロホンユニット16a、16bを含む。指向性制御部13は、加算器17と、増幅器18、19a、19b、19cと、加算器20a、20bとを含む。雑音抑圧部14は、雑音抑圧ユニット21a、21bを含む。以下、第1の実施形態の動作について説明する。
【0029】
マイクロホンユニット16a、16bは、単一指向性であり、音波を電気信号に変換して音声信号として出力する。ただし「音声」とは、人の声のみを差すものではなく、いわゆる音全般を差すものとする。マイクロホンユニット16a、16bの向きは、それぞれ左右方向に開いており、これにより、臨場感のある収音が可能となる。マイクロホンユニット16aから出力された音声信号は、加算器17および増幅器19aに供給される。一方、マイクロホンユニット16bから出力された音声信号は、加算器17および増幅器19bに供給される。加算器17は、マイクロホンユニット16a、16bからそれぞれ出力された音声信号を加算する。これにより、主に正面方向から到来する音波が強調された音声信号が生成される。加算器17によって生成された音声信号は、増幅器18に供給される。増幅器18は、この音声信号の振幅を0.5倍する。これは、加算器17によって生成された音声信号の振幅が、増幅器19aまたは増幅器19bに供給される音声信号の振幅に対して大きくなりすぎるのを防ぐためである。増幅器18から出力された音声信号は、増幅器19cに供給される。
【0030】
ズーム制御部12は、ズーム位置に対応するズーム位置信号を出力する。増幅器19a、19b、19cは、ズーム制御部12からのズーム位置信号に基づいて、それぞれ、マイクロホンユニット16a、マイクロホンユニット16b、増幅器18から出力された音声信号の振幅を調整する。具体的には、広角時には、増幅器19a、19bの増幅度がともに1となり、増幅器19cの増幅度が0となる。一方、望遠時には、増幅器19a、19bの増幅度がともに0となり、増幅器19cの増幅度が1となる。また、広角と望遠の間の区間では、増幅器19a、19b、19cの増幅度がズーム位置に応じて0〜1の間で変化する。
【0031】
加算器20aは、増幅器19a、19cからそれぞれ出力された音声信号を加算し、Rチャンネル音声信号として出力する。加算器20bは、増幅器19b、19cからそれぞれ出力された音声信号を加算し、Lチャンネル音声信号として出力する。増幅器19a、19b、19cの増幅度は、ズーム位置に応じて上述のようにそれぞれ調整されるので、これらRチャンネル音声信号およびLチャンネル音声信号は、広角時には、それぞれマイクロホンユニット16a、16bから出力される音声信号と同一となり、一方、望遠時には、いずれも増幅器18から出力される音声信号と同一となる。広角と望遠の間の区間では、各音声信号がズーム位置に応じた比率で混合される。したがって、RチャンネルおよびLチャンネルの指向特性は、広角時には、それぞれマイクロホンユニット16a、16bの指向特性と同一であるが、ズーム位置が望遠側に変化するにしたがって各チャンネルの指向性は徐々に正面方向に変化し、最終的にはいずれのチャンネルの指向性も正面方向となる。
【0032】
加算器20a、20bから出力されるRチャンネル音声信号およびLチャンネル音声信号は、雑音抑圧ユニット21a、21bにそれぞれ供給される。雑音抑圧ユニット21a、21bは、それぞれ、ズーム制御部12から出力されるズーム位置信号に応じた度合でRチャンネル音声信号およびLチャンネル音声信号に含まれる背景雑音を抑圧する。具体的には、雑音抑圧ユニット21a、21bは、図2に示すように、望遠時に、各チャンネル音声信号に含まれている背景雑音を広角時よりも大きな度合で抑圧する。図3に、雑音抑圧ユニット21aの一構成例を示す。図3に示す構成は、雑音抑圧ユニット21aにウィーナーフィルタを用いた例である。以下、図3を参照して、雑音抑圧ユニット21aの構成および動作について説明する。なお、雑音抑圧ユニット21bについては雑音抑圧ユニット21aと同様の構成であるため説明を省略する。
【0033】
雑音抑圧ユニット21aは、FFT22と、パワスペクトル変換部23と、ノイズスペクトル学習部24と、抑圧量推定部25と、ウィーナーフィルタ推定部26と、フィルタ係数導出部27と、フィルタリング演算部28とを含む。指向性制御部13から出力されたRチャンネル音声信号はFFT22およびフィルタリング演算部28に供給される。FFT22は音声波形を周波数分析する。パワスペクトル変換部23は、FFT22によって周波数分析された後のデータのパワスペクトルを算出する。パワスペクトル変換部23から出力されたパワスペクトルはノイズスペクトル学習部24およびウィーナーフィルタ推定部26に供給される。ノイズスペクトル学習部24は、パワスペクトル変換部23から出力されたパワスペクトルのノイズ区間を検出してノイズスペクトルを学習する。抑圧量推定部25は、ノイズスペクトル学習部24から出力されるノイズスペクトルに基づいて、抑圧すべきノイズスペクトル量を決定する。ウィーナーフィルタ推定部26は、パワスペクトル変換部23および抑圧量推定部25からの出力に基づいて雑音抑圧前のパワスペクトルと雑音抑圧後のパワスペクトルの比を算出する。フィルタ係数導出部27は、上記の比つまり伝達関数を逆高速フーリエ変換(IFFT)して時間軸上の波形に戻し、インパルス応答化する。フィルタリング演算部28は、フィルタ係数導出部27によって得られたインパルス応答に基づいてRチャンネル音声信号の音声波形をフィルタリングする。このような雑音抑圧ユニット21aにおいて、ズーム制御部12からのズーム位置信号に応じて背景雑音の抑圧度合を変化させる方法としては種々の方法が考えられる。以下に代表的な方法について説明する。
【0034】
1つ目の例として、図4に示すようにズーム制御部12から出力されるズーム位置信号に基づいて抑圧量推定部25を制御する方法が考えられる。具体的にはズーム位置信号に応じて下記の数式の変数αを制御する。
【数1】
Figure 0004138290
この場合、例えば広角時にはα=0として雑音抑圧をしないか若しくはα=0.1などとして雑音抑圧の度合を小さくし、望遠時にはα=0.8などとして雑音抑圧の度合を大きくする。
【0035】
2つ目の例として、図5に示すようにズーム制御部12から出力されるズーム位置信号に基づいてウィーナーフィルタ推定部26を制御する方法が考えられる。図6は、ウィーナーフィルタ推定部26の構成の一例を示すブロック図である。図6において変数βはフロアリング変数と呼ばれるものであり、雑音信号の引き過ぎを抑える役目を果たす。このフロアリング変数βをズーム位置信号に応じて制御する。この場合、例えば広角時にはβ=1として雑音抑圧をしないか若しくはβ=0.9などとして雑音抑圧の度合を小さくし、望遠時にはβ=0.2などとして雑音抑圧の度合を大きくする。
【0036】
3つ目の例として、図7に示すようにズーム制御部12から出力されるズーム位置信号に基づいてフィルタ係数導出部27を制御する方法が考えられる。具体的には図8に示すような、時変フィルタのフィルタ係数の変化率を表す変数γをズーム位置信号に応じて制御する。この場合、例えば広角時にはγ=0としてフィルタ係数を固定にするか若しくはγ=0.1などとしてフィルタ係数の変化率を小さくし、望遠時にはγ=0.8などとしてフィルタ係数の変化率を大きくする。
【0037】
ズーム位置信号に応じて図2に示すように背景雑音の抑圧度合を変化させることができさえすれば、雑音抑圧ユニット21a、21bはどのようなものでも構わない。例えば上述したウィーナーフィルタによる雑音抑圧法の代わりにスペクトルサブトラクション法やフィルタバンクによる周波数サブバンドの雑音抑圧法を用いても構わない。
【0038】
雑音抑圧ユニット21a、21bからそれぞれ出力されたRチャンネル音声信号およびLチャンネル音声信号は音量制御部15に供給される。音量制御部15は、これら2つのチャンネル音声信号のパワレベルを、ズーム制御部12から出力されるズーム位置信号に応じて変化させる。具体的には、望遠時の各チャンネルの音量が広角時よりも大きくなるように各チャンネル音声信号のパワレベルを変化させる。一般に望遠時は目的音が遠方から到来するため、収音部11によって収音される目的音の音量は広角時に比べて小さい。そこで音量制御部15によって望遠時の音量を広角時よりも大きくする。これにより望遠時に目的音が強調され、ユーザは音声ズームの効果を実感することができる。なお本発明において音量制御部15は必須の構成ではないが、ズーム効果向上の点から音量制御部15を備えるのが好ましい。
【0039】
なお図9に示すように、雑音抑圧部14の後段等に周波数特性補正部29を備える構成も考えられる。なお図9において図1と同一の構成には同一の参照符号を付す。指向性制御部13における信号処理の過程で収音部11からの音声信号の周波数特性が変化してしまうという問題が生じることが知られている。この周波数特性の変化を補正するために設けられるのが周波数特性補正部29である。なお本実施形態では指向性制御部13の信号処理動作はズーム位置信号に依存するため、周波数特性の変化もズーム位置信号に依存する。よって音声信号の周波数特性を常に正常な状態に保つために周波数特性補正部29は、ズーム位置信号に応じて常に最適な補正を行う。なお本発明において周波数特性補正部29は必須の構成ではないが、音質変化防止の点から周波数特性補正部29を備えるのが好ましい。
【0040】
以上のように、第1の実施形態によれば、ズーム位置が広角から望遠に変化したときに、遠方の目的音を強調して収音するように指向特性を変化させると同時に収音した音波に含まれる背景雑音の抑圧度合を増大させる。これにより、ズーム位置が広角から望遠に変化したときにも、目的音の音質が不自然に変化することなく背景雑音を抑圧して目的音を強調して収音することができる。また、このズーム位置の変化に合わせて音声信号の音量を増加させることにより、あたかも目的音の音源の近くで収音しているかのように目的音を効果的に強調して収音することができる。またその際、音量の増大に伴って雑音抑圧の度合も増大するため、音量の増大に伴って背景雑音も増大してしまうという問題も生じない。
【0041】
なお本実施形態では、望遠時に正面方向から到来する音波を強調して収音するように指向特性を変化させるとしたが、収音すべき方向は正面方向に限らない。なぜなら望遠時に「正面方向からから到来する音声」を強調して収音することは本質ではなく、望遠時に「目的音」を強調して収音することが本質だからである。つまり目的音が到来する方向は必ずしも正面方向とは限らないので、ズームマイクロホン装置の利用形態によっては正面方向以外の方向から到来する目的音を強調して収音するように指向特性を変化させることもあり得る。さらには目的音の到来方向が刻々と変化し、これを追いかけるように動的に指向特性を変化させることもあり得る。
【0042】
第1の実施形態において、収音部11および指向性制御部13の構成は単なる一例であり、種々の変形例が考えられる。例えば収音部に含まれるマイクロホンユニットの個数は2個に限らない。また指向性制御部から出力されるチャンネル音声信号の数も2つに限らない。以下、この変形例について説明する。
【0043】
第1の変形例として、図1に示す第1の実施形態の収音部11および指向性制御部13を、図10に示す収音部30および指向性制御部31で置き換えたズームマイクロホン装置について説明する。
【0044】
図10において、収音部30は、マイクロホンユニット32a、32b、32cを含む。指向性制御部31は、加算器33a、33b、34と、遅延器35、36と、加算器37と、エコライザ38a、38b、38cと、増幅器39a、39b、39cと、加算器40a、40bとを含む。
【0045】
マイクロホンユニット32a、32b、33cはいずれも無指向性である。マイクロホンユニット32a、32b、33cは音波を音声信号に変換して指向性制御部31へ供給する。遅延器35は、マイクロホンユニット32a、32c間を音波が伝わる時間分だけマイクロホンユニット32cからの音声信号を遅延する。加算器33aは、マイクロホンユニット32aから出力される音声信号から遅延器35から出力される音声信号を減算して、マイクロホンユニット32cからマイクロホンユニット32aの方向への指向性を構成する。同様に加算器33bは、マイクロホンユニット32bから出力される音声信号から遅延器35から出力される音声信号を減算して、マイクロホンユニット32cからマイクロホンユニット32bの方向への指向性を構成する。加算器34は、マイクロホンユニット32a、32bからの音声信号を加算する。遅延器36は、マイクロホンユニット32a、32bの中間地点とマイクロホンユニット32cとの間を音波が伝わる時間分だけマイクロホンユニット32cからの音声信号を遅延する。加算器37は、加算器34から出力される音声信号から遅延器36から出力される音声信号を減算して、マイクロホンユニット32cからマイクロホンユニット32a、32bの中間地点の方向への指向性を構成する。エコライザ38a、38b、38cは、それぞれ加算器33a、33b、37から出力される音声信号に対して、音声信号の加減算を行ったときに生じる振幅周波数特性の歪み・音質の変化を補正する。
【0046】
増幅器39a、39b、39cは、ズーム制御部12からのズーム位置信号に基づいて、それぞれ、エコライザ38a、38b、38cから出力された音声信号の振幅を調整する。具体的には、広角時には、増幅器39a、39bの増幅度がともに1となり、増幅器39cの増幅度が0となる。一方、望遠時には、増幅器39a、39bの増幅度がともに0となり、増幅器39cの増幅度が1となる。また、広角と望遠の間の区間では、増幅器39a、39b、39cの増幅度がズーム位置に応じて0〜1の間で変化する。加算器40aは、増幅器39a、39cからそれぞれ出力された音声信号を加算し、Rチャンネル音声信号として出力する。加算器40bは、増幅器39b、39cからそれぞれ出力された音声信号を加算し、Lチャンネル音声信号として出力する。LチャンネルおよびRチャンネルの指向性はズーム位置が望遠側に変化するにしたがって徐々に正面方向に変化し、最終的にはいずれのチャンネルの指向性も正面方向となる。なお、図1に示すように2つのマイクロホンユニットを用いる場合には望遠時に図11に示すような指向特性が得られ、一方、本変形例のように3つのマイクロホンユニットを用いる場合には望遠時に図12に示すような指向特性が得られる。つまり本変形例では、図1に示す第1の実施形態に比べて正面方向に対して指向性をより鋭くすることができる。これにより本変形例では、望遠時において正面方向から到来する音波をより強調して収音することができる。このように収音部および指向性制御部の構成によってズーム収音の性能が異なるが、これらの構成については、コスト等の他の条件も鑑みて、設計者が最適に選択すべきである。
【0047】
この後、加算器40a、40bから出力されるRチャンネル音声信号およびLチャンネル音声信号は、それぞれ雑音抑圧ユニット21a、21bにおいてズーム位置信号に応じた度合で雑音抑圧される。
【0048】
次に第2の変形例として、図1に示す第1の実施形態の収音部11、指向性制御部13および雑音抑圧部14を、それぞれ図13に示す収音部41、指向性制御部42および図14に示す雑音抑圧部43で置き換えたズームマイクロホン装置について説明する。
【0049】
図13において、収音部41は、マイクロホンユニット44a、44b、44c、44dを含む。指向性制御部42は、遅延器45c、45dと、加算器46d、46dと、遅延器47c、47dと、加算器48a、48bと、エコライザ49a、49b、49c、49dと、加算器50と、増幅器51a、51b、51c、51dと、増幅器52と、加算器53a、53bとを含み、図14において、雑音抑圧部43は、雑音抑圧ユニット54a、54b、54eとを含む。
【0050】
マイクロホンユニット44a、44b、44c、44dはいずれも無指向性である。マイクロホンユニット44a、44b、44c、44dは音波を音声信号に変換して指向性制御部42へ供給する。遅延器45cは、マイクロホンユニット44a、44c間を音波が伝わる時間分だけマイクロホンユニット44cからの音声信号を遅延し、加算器46cは、マイクロホンユニット44aから出力される音声信号から遅延器45cから出力される音声信号を減算して、マイクロホンユニット44cからマイクロホンユニット44aの方向への指向性を構成する。遅延器45dは、マイクロホンユニット44b、44d間を音波が伝わる時間分だけマイクロホンユニット44dからの音声信号を遅延し、加算器46dは、マイクロホンユニット44bから出力される音声信号から遅延器45dから出力される音声信号を減算して、マイクロホンユニット44dからマイクロホンユニット44bの方向への指向性を構成する。遅延器47cは、マイクロホンユニット44b、44c間を音波が伝わる時間分だけマイクロホンユニット44cからの音声信号を遅延し、加算器48dは、マイクロホンユニット44bから出力される音声信号から遅延器47cから出力される音声信号を減算して、マイクロホンユニット44cからマイクロホンユニット44bの方向への指向性を構成する。遅延器47dは、マイクロホンユニット44a、44d間を音波が伝わる時間分だけマイクロホンユニット44dからの音声信号を遅延し、加算器48aは、マイクロホンユニット44aから出力される音声信号から遅延器47dから出力される音声信号を減算して、マイクロホンユニット44dからマイクロホンユニット44aの方向への指向性を構成する。エコライザ49a、49b、49c、49dは、それぞれ加算器48a、48b、46c、46dから出力される音声信号に対して、音声信号の加減算を行ったときに生じる振幅周波数特性の歪み・音質の変化を補正する。
【0051】
加算器50は、エコライザ49c、49dから出力される音声信号を加算する。増幅器51a、51b、51c、51dは、それぞれエコライザ49a、49b、49c、49dから出力される音声信号の振幅をズーム制御部12から出力されるズーム位置信号に応じて調整する。具体的には、広角時には、増幅器51a、51bの増幅度がともに1となり、増幅器51c、51dの増幅度がともに0となる。一方、望遠時には、増幅器51a、51bの増幅度がともに0となり、増幅器51c、51dの増幅度がともに1となる。また、広角と望遠の間の区間では、増幅器51a、51b、51c、51dの増幅度がズーム位置に応じて0〜1の間で変化する。増幅器52は加算器50から出力される音声信号の振幅を0.5倍し、Cチャンネル音声信号として出力する。加算器53aは、増幅器51a、51cからそれぞれ出力された音声信号を加算し、Rチャンネル音声信号として出力する。加算器53bは、増幅器51b、51dからそれぞれ出力された音声信号を加算し、Lチャンネル音声信号として出力する。LチャンネルおよびRチャンネルの指向性はズーム位置が望遠側に変化するにしたがって徐々に正面方向に変化し、最終的にはいずれのチャンネルの指向性も正面方向となる。
【0052】
この後、加算器53a、53bおよび増幅器52から出力されるRチャンネル音声信号、Lチャンネル音声信号、Cチャンネル音声信号は、それぞれ図14に示す雑音抑圧ユニット54a、54b、54eにおいてズーム位置信号に応じた度合で雑音抑圧される。
【0053】
このように、第1の実施形態では、収音部に含まれるマイクロホンユニットの個数は2個に限らず、指向性制御部から出力されるチャンネル音声信号の数も2つに限らない。図15に、第1の実施形態に係るより一般的な構成を示す。図15に示すズームマイクロホン装置は、音波を音声信号に変換してM個の音声信号を出力する収音部55と、ズーム位置信号を出力するズーム制御部12と、ズーム位置信号に応じてズームマイクロホン装置の指向特性を変化させてN個のチャンネル音声信号を出力する指向性制御部56と、N個のチャンネル音声信号のそれぞれに対して設けられたN個の雑音抑圧ユニット58a、58b、・・・、58nを含む雑音抑圧部57とを備える。第1の実施形態の特徴は、各チャンネル音声信号に対してズーム位置に応じた雑音抑圧を行うことであり、図15に示すように、収音部55から出力される音声信号の数Mや、指向性制御部56から出力されるチャンネル音声信号の数Nは任意である。
【0054】
また、本実施形態では、指向性制御部56から出力される各チャンネル音声信号に対してそれぞれ雑音抑圧ユニットを設けるとしたが、雑音抑圧ユニットを設ける場所はこれに限らない。例えば、収音部から出力される音声信号に対して設けてもよいし、さらには指向性制御部の内部の各構成間でやりとりされる音声信号に対して設けてもよい。また、本実施形態では、各雑音抑圧ユニットは1チャンネルに対応した雑音抑圧ユニットであるとしたが、これに限らず、複数のチャンネルに対応した雑音抑圧ユニットを用いてもよい。
【0055】
以上のように、第1の実施形態によれば、望遠時に目的音の到来方向からの音波を収音するように指向特性を変化させ、さらに収音した音波に含まれる背景雑音を広角時よりも大きな度合で抑圧することで、ズーム位置が広角から望遠に変化したときに、音質が変化することなく、目的音を強調して収音することができる。また、特に望遠時に音量を上げてやることにより、あたかも目的音のそばで収音しているかのように目的音を収音することができる。しかも、望遠時には背景雑音を広角時よりも大きな度合で抑圧するので、ズームアップに伴う背景雑音の音量の増加を防止することができる。
【0056】
(第2の実施形態)
上述のように第1の実施形態では各音声チャンネルに対してそれぞれ個々に雑音抑圧を行うが、これから説明する第2の実施形態では、第1の実施形態において音声チャンネル毎に設けられた雑音抑圧ユニットの一部の構成を各チャンネルで共有することにより、構成および処理の簡素化を図っている。以下、この第2の実施形態について説明する。
【0057】
図16に、本発明の第2の実施形態に係るズームマイクロホン装置の構成を示す。ズームマイクロホン装置は、収音部11と、ズーム制御部12と、指向性制御部13と、雑音抑圧部59とを備える。雑音抑圧部59は、推定部60と、抑圧部61a、61bとを含む。なお、図16において、図1に示す構成と同一の構成については同一の参照符号を付し、説明を省略する。
【0058】
指向性制御部13は、ズーム制御部12からのズーム位置信号に応じてズームマイクロホン装置の指向特性を変化させ、Rチャンネル音声信号およびLチャンネル音声信号を出力する。指向性制御部13から出力されたRチャンネル音声信号は推定部60および抑圧部61aに供給され、同じく指向性制御部13から出力されたLチャンネル音声信号は推定部60および抑圧部61bに供給される。
【0059】
図17に、推定部60の構成例を示す。推定部60は、平均化部62と、FFT22と、パワスペクトル変換部23と、ノイズスペクトル学習部24と、抑圧量推定部25と、ウィーナーフィルタ推定部26と、フィルタ係数導出部27とを有する。なお図17において図4と同一の構成には同一の参照符号を付し、説明を省略する。平均化部62は、指向性制御部13から出力されたRチャンネル音声信号およびLチャンネル音声信号を平均化して1つの音声信号を生成する。この後、推定部60の各構成部において、この音声信号に基づく処理が実行され、最終的にフィルタ係数導出部27において、ズーム位置信号に応じた度合で背景雑音を抑圧するためのインパルス応答が得られる。
【0060】
図16において抑圧部61a、61bは、一例として図4に示すフィルタリング演算部28と同一の構成を有し、前述のフィルタ係数導出部27において得られたインパルス応答に基づいてRチャンネル音声信号およびLチャンネル音声信号に含まれる背景雑音をそれぞれ抑圧する。
【0061】
以上のように、第2の実施形態によれば、チャンネル音声信号毎に個々に雑音抑圧を行うのではなく、複数のチャンネル音声信号を平均した1つのチャンネル音声信号に基づいてそれぞれのチャンネル音声信号に対する雑音の抑圧量を決定するので、装置の構成を簡素化できるとともに、雑音抑圧にかかる処理負荷を低減することができる。
【0062】
なお本実施形態では、推定部60は、Rチャンネル音声信号およびLチャンネル音声信号の2つのチャンネル音声信号を平均化した音声信号に基づいて雑音の抑圧量を決定するとしたが、これに限らない。例えば、これら2つのチャンネル音声信号を適当な比で混合した音声信号に基づいて雑音の抑圧量を決定してもよいし、2つのチャンネル音声信号のうちのいずれか一方のみに基づいて雑音の抑圧量を決定してもよい。ただし、Rチャンネル音声信号およびLチャンネル音声信号からそれぞれ決定される雑音の抑圧量が大きく異なるような場合を考慮すると、各チャンネル音声信号を平均化した音声信号に基づいて雑音を抑圧する方がより最適に雑音を抑圧できるので好ましい。
【0063】
また本実施形態では、第1の実施形態において音声チャンネル毎に設けられた雑音抑圧ユニットの一部の構成を各チャンネルで共有することにより、構成および処理の簡素化を図っているが、いずれの構成を共有するかによって推定部60および抑圧部61a、62aの構成が変わる。例えば、図17におけるフィルタ係数導出部27を抑圧部61a、61bがそれぞれ有していてもよい。また本実施形態では、ズーム制御部12からのズーム位置信号は抑圧量推定部25の制御に利用されるが、これに限らない。つまり、ズーム位置信号に基づいて、望遠時における雑音抑圧の度合が広角時に比べて大きくなるように制御されさえすればよい。よって、推定部および抑圧部の構成によっては、ズーム制御部12からのズーム位置信号が各抑圧部にそれぞれ供給される構成もあり得る。
【0064】
また第1の実施形態と同様に、ズーム位置信号に応じて図2に示すように背景雑音の抑圧度合を変化させることができさえすれば、推定部60および抑圧部61a、61bはどのようなものでも構わない。例えば上述したウィーナーフィルタによる雑音抑圧法の代わりにスペクトルサブトラクション法やフィルタバンクによる周波数サブバンドの雑音抑圧法を用いても構わない。
【0065】
また第1の実施形態と同様に、収音部11および指向性制御部13の構成については種々の変形例が考えれる。図18に、第2の実施形態に係るより一般的な構成を示す。図18に示すズームマイクロホン装置は、音波を音声信号に変換してM個の音声信号を出力する収音部55と、ズーム位置信号を出力するズーム制御部12と、ズーム位置信号に応じてズームマイクロホン装置の指向特性を変化させてN個のチャンネル音声信号を出力する指向性制御部56と、N個のチャンネル音声信号のうちの少なくとも1つのチャンネル音声信号に基づいて雑音のスペクトルを推定する推定部64と、推定部64の出力に基づいて各チャンネル音声信号に含まれる背景雑音をそれぞれ抑圧するN個の抑圧部とを備える。第2の実施形態の特徴は、雑音抑圧ユニットの一部の構成を各チャンネルで共有することであり、図18に示すように、収音部55から出力される音声信号の数Mや、指向性制御部56から出力されるチャンネル音声信号の数Nは任意である。
【0066】
(第3の実施形態)
上述のように第1および第2の実施形態では、雑音抑圧ユニットや推定部や抑圧部によって、ズーム位置信号に応じた度合でチャンネル音声信号の背景雑音を抑圧するが、これから説明する第3の実施形態では、後述する目的音信号に含まれる背景雑音を一定の度合で抑圧し、この背景雑音を抑圧した後の目的音信号と他の音声信号とをズーム位置信号に応じて混合することにより、結果的にズーム位置信号に応じた度合でチャンネル音声信号の背景雑音を抑圧する。第3の実施形態は、これにより構成および処理のさらなる簡素化を図っている。以下、この第3の実施形態について説明する。
【0067】
図19に、本発明の第3の実施形態に係るズームマイクロホン装置の構成を示す。ズームマイクロホン装置は、収音部11と、ズーム制御部12と、指向性制御部66とを備える。指向性制御部66は、加算器17と、増幅器18と、雑音抑圧ユニット67と、混合部68とを含む。混合部68は、増幅器19a、19b、19cと、加算器20a、20bとを有する。なお、図19において、図1に示す構成と同一の構成については同一の参照符号を付し、説明を省略する。
【0068】
収音部11は、音波を音声信号に変換して2つの音声信号を出力する。これら2つの音声信号のうちの一方は加算器17および増幅器19aに供給され、他方は加算器17および増幅器19bに供給される。加算器17は、収音部11からの2つの音声信号を加算し、望遠時における目的音の到来方向からの音波を主に含む音声信号(以下、目的音信号と称す)を出力する。増幅器18は、目的音信号の振幅を0.5倍する。増幅器18から出力された目的音信号は、雑音抑圧ユニット67に供給される。雑音抑圧ユニット67は、目的音信号に含まれる背景雑音を一定の度合で抑圧する。収音部11からの2つの音声信号および雑音抑圧ユニット67から出力される目的音信号は、ともに混合部68に供給される。混合部68は、これら3つの信号をズーム制御部12からのズーム位置信号に応じた比率で混合してRチャンネル音声信号およびLチャンネル音声信号を生成して出力する。
【0069】
以上の動作により結果的にズーム位置信号に応じた度合でチャンネル音声信号の背景雑音が抑圧されることについて説明する。広角時には、増幅器19a、19b、19cの各増幅度は例えばそれぞれ1、1、0である。つまり広角時に指向性制御部66から出力されるRチャンネル音声信号およびLチャンネル音声信号は、それぞれ収音部11から出力される2つの音声信号であって、これら2つの音声信号に対しては雑音抑圧が行われていない。一方、望遠時には、増幅器19a、19b、19cの各増幅度は例えばそれぞれ0、0、1である。つまり望遠時に指向性制御部66から出力されるRチャンネル音声信号およびLチャンネル音声信号は、いずれも雑音抑圧ユニット67から出力される目的音信号であって、この目的音信号に対しては雑音抑圧ユニット67により一定の度合で雑音抑圧がなされている。また、ズーム位置が広角と望遠の間のときは、指向性制御部66から出力されるRチャンネル音声信号およびLチャンネル音声信号は、収音部11から出力される2つの音声信号と雑音抑圧ユニット67から出力される目的音信号とをそれぞれ所定の比率で混合したものである。したがって、指向性制御部66から出力される2つのチャンネル音声信号におけるズーム位置と雑音抑圧度合との関係は、結果的に図2に示す関係となる。
【0070】
以上のように、第3の実施形態によれば、雑音抑圧ユニット67を複数設けることなくかつ雑音抑圧ユニット67における雑音抑圧度合をズーム位置信号によって直接に制御することなしに、望遠時における背景雑音の抑圧度合を広角時に比べて大きくすることができる。したがって装置の構成をより簡素化できるとともに、雑音抑圧にかかる処理負荷をより低減することができる。
【0071】
なお雑音抑圧ユニット67として、例えば上述したウィーナーフィルタによる雑音抑圧法やスペクトルサブトラクション法やフィルタバンクによる周波数サブバンドの雑音抑圧法を用いることができる。
【0072】
なお第1の実施形態と同様に、収音部11および指向性制御部66の構成については種々の変形例が考えれる。図20に、第3の実施形態に係るより一般的な構成を示す。図20に示すズームマイクロホン装置は、音波を音声信号に変換してM個の音声信号を出力する収音部55と、ズーム位置信号を出力するズーム制御部12と、ズーム位置信号に応じてズームマイクロホン装置の指向特性を変化させてN個のチャンネル音声信号を出力する指向性制御部69とを備える。指向性制御部69は、目的音信号に含まれる背景雑音を一定の度合で抑圧する雑音抑圧ユニット67と、ズーム位置信号に応じた比率で目的音信号と他の(L−1)個の音声信号とを混合して各チャンネル音声信号を出力する混合部70とを含む。第3の実施形態の特徴は、望遠時における目的音の到来方向からの音波を主に含む目的音信号の背景雑音を一定の度合で抑圧し、この目的音信号を、ズーム位置信号に応じた比率で他の音声信号と混合することであり、図20に示すように、収音部55から出力される音声信号の数Mや、混合部70において混合される音声信号の数Lや、指向性制御部56から出力されるチャンネル音声信号の数Nは任意である。なお、図20に示す指向性制御部69において、混合部70に供給される目的音信号を含むL個の音声信号は、収音部55から出力された音声信号自体を含んでもよいし、収音部55から出力された音声信号に基づいて合成された音声信号を含んでもよい。
【0073】
なお第2の実施形態または第3の実施形態において、図1に示す音量制御部15および/または図9に示す周波数特性補正部29をさらに設けることにより、望遠時に目的音をより強調することができ、また音声信号の減算処理に起因する音声信号の周波数特性の変化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態に係るズームマイクロホン装置の構成を示すブロック図である。
【図2】図2は、雑音抑圧ユニットの動作について説明するための図である。
【図3】図3は、雑音抑圧ユニットの一構成例を示すブロック図である。
【図4】図4は、雑音抑圧ユニットの一構成例を示すブロック図である。
【図5】図5は、雑音抑圧ユニットの一構成例を示すブロック図である。
【図6】図6は、ウィーナーフィルタ推定部の動作について説明するための図である。
【図7】図7は、雑音抑圧ユニットの一構成例を示すブロック図である。
【図8】図8は、フィルタ係数の変化率を表す変数γについて説明するための図である。
【図9】図9は、第1の実施形態の一変形例の構成を示すブロック図である。
【図10】図10は、第1の変形例に係るズームマイクロホン装置の構成の一部を示すブロック図である。
【図11】図11は、第1の実施形態に係るズームマイクロホン装置の望遠時における指向特性を示す図である。
【図12】図12は、第1の変形例に係るズームマイクロホン装置の望遠時における指向特性を示す図である。
【図13】図13は、第2の変形例に係るズームマイクロホン装置の構成の一部を示すブロック図である。
【図14】図14は、第2の変形例に係るズームマイクロホン装置の構成の一部を示すブロック図である。
【図15】図15は、第1の実施形態に係るズームマイクロホン装置のより一般的な構成を示すブロック図である。
【図16】図16は、本発明の第2の実施形態に係るズームマイクロホン装置の構成を示すブロック図である。
【図17】図17は、推定部の構成を示すブロック図である。
【図18】図18は、第2の実施形態に係るズームマイクロホン装置のより一般的な構成を示すブロック図である。
【図19】図19は、本発明の第3の実施形態に係るズームマイクロホン装置の構成を示すブロック図である。
【図20】図20は、第3の実施形態に係るズームマイクロホン装置のより一般的な構成を示すブロック図である。
【図21】第1の従来例に係るズームマイクロホン装置の構成を示すブロック図である。
【図22】第2の従来例に係るズームマイクロホン装置の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
11 収音部
12 ズーム制御部
13 指向性制御部
14 雑音抑圧部
15 音量制御部
16a、16b マイクロホンユニット
17 加算器
18 増幅器
19a、19b、19c 増幅器
20a、20b 加算器
21a、21b 雑音抑圧ユニット
22 FFT
23 パワスペクトル変換部
24 ノイズスペクトル学習部
25 抑圧量推定部
26 ウィーナーフィルタ推定部
27 フィルタ係数導出部
28 フィルタリング演算部
29 周波数特性補正部
30 収音部
31 指向性制御部
32a、32b、32c マイクロホンユニット
33a、33b 加算器
34 加算器
35 遅延器
36 遅延器
37 加算器
38a、38b、38c エコライザ
39a、39b、39c 増幅器
40a、40b 加算器
41 収音部
42 指向性制御部
43 雑音抑圧部
44a、44b、44c、44d マイクロホンユニット
45c、45d 遅延器
46c、46d 加算器
47c、47d 遅延器
48a、48b 加算器
49a、49b、49c、49d エコライザ
50 加算器
51a、51b、51c、51d 増幅器
52 増幅器
53a、53b 加算器
54a、54b、54c、54d 雑音抑圧ユニット
55 収音部
56 指向性制御部
57 雑音抑圧部
58a、58b、58n 雑音抑圧ユニット
59 雑音抑圧部
60 推定部
61a、61b 抑圧部
62 平均化部
63 雑音抑圧部
64 推定部
65a、65b、65n 抑圧部
66 指向性制御部
67 雑音抑圧ユニット
68 混合部
69 指向性制御部
70 混合部

Claims (7)

  1. ズーム位置に応じて目的音を効果的に強調するための音声ズーム機能を有するズームマイクロホン装置であって、
    音波を音声信号に変換する収音手段と、
    ズーム位置に対応するズーム位置信号を出力するズーム制御手段と、
    前記ズーム位置信号に基づいてズームマイクロホン装置自体の指向特性を変化させる指向性制御手段と、
    前記収音手段によって変換された音声信号に含まれる背景雑音の周波数成分を推定する推定手段と、
    前記推定手段による前記背景雑音の周波数成分の推定結果に基づいて、前記ズーム位置信号に応じて抑圧量を調整しつつ、前記背景雑音を抑圧する雑音抑圧手段とを備え、
    望遠時に、前記指向性制御手段は前記目的音を強調するように指向特性を変化させるとともに、前記音声信号に含まれる背景雑音は最終的に広角時よりも大きな度合で抑圧されることを特徴とするズームマイクロホン装置。
  2. 望遠時に前記音声信号のパワレベルを広角時よりも大きくする音量制御手段をさらに備える、請求項1記載のズームマイクロホン装置。
  3. 前記指向性制御手段は、前記収音手段によって変換された音声信号に基づいて複数のチャンネル音声信号を生成し、
    前記雑音抑圧手段は、複数の雑音抑圧ユニットを含み、
    前記複数の雑音抑圧ユニットは、前記ズーム位置信号に基づいて、望遠時に、前記複数のチャンネル音声信号に含まれる背景雑音を広角時よりも大きな度合でそれぞれ抑圧することを特徴とする、請求項1記載のズームマイクロホン装置。
  4. 前記指向性制御手段は、前記収音手段によって変換された音声信号に基づいて複数のチャンネル音声信号を生成し、
    前記雑音抑圧手段は、
    前記複数のチャンネル音声信号に基づいて前記複数のチャンネル音声信号に含まれる背景雑音の周波数成分を推定する推定手段と、
    前記推定手段による背景雑音の周波数成分の推定結果に基づいて各音声信号に含まれる背景雑音を抑圧する複数の抑圧手段とを含む、請求項1記載のズームマイクロホン装置。
  5. 前記推定手段は、前記複数のチャンネル音声信号を平均化して1つの音声信号を生成する平均化手段を有し、当該平均化手段によって生成された音声信号に基づいて前記複数のチャンネル音声信号に含まれる背景雑音の周波数成分を推定することを特徴とする、請求項4記載のズームマイクロホン装置。
  6. ズーム位置に応じて目的音を効果的に強調するための音声ズーム機能を有するズームマイクロホン装置であって、
    音波を音声信号に変換する収音手段と、
    ズーム位置に対応するズーム位置信号を出力するズーム制御手段と、
    前記ズーム位置信号に基づいてズームマイクロホン装置自体の指向特性を変化させる指向性制御手段と、
    前記収音手段によって変換された音声信号に含まれる背景雑音の周波数成分を推定する推定手段と、
    前記推定手段による前記背景雑音の周波数成分の推定結果に基づいて、前記背景雑音を抑圧する雑音抑圧手段とを備え、
    前記指向性制御手段は、前記収音手段によって変換された音声信号に基づいて目的音の到来方向からの音波を強調する目的音信号と複数のチャンネル信号とを生成し、
    前記指向性制御手段は、目的音の到来方向からの音波を強調する目的音信号と他の音声信号とを前記ズーム位置信号に応じた比率で混合する混合手段を含み、
    前記雑音抑圧手段は、前記目的音信号のみに適用され、当該目的音信号に含まれる背景雑音を一定の度合で抑圧することを特徴とするズームマイクロホン装置。
  7. 前記雑音抑圧手段はウィーナーフィルタを含む、請求項1または請求項6記載のズームマイクロホン装置。
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