JP4136837B2 - トロリーコンベヤハンガー及びトロリーコンベヤ - Google Patents
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更に詳しくは、ローラがローラ軸によってハンガー基体に取り付けられるよう構成されているトロリーコンベヤハンガーにおいて、メンテナンス等におけるローラの着脱がごく短時間で簡単かつ確実にでき、作業性を向上させたものに関する。また、ローラの回転部分の耐久性を向上させたものに関する。
ブロイラーの処理工場で使用されている上記したようなトロリーコンベヤを構成するハンガーのローラ回転部分の構造としては、従来より図8に示したものが広く採用されている。
また、ローラ軸56はネジ部560を基体50の装着孔57に貫通させ、ネジ部560にナット58を螺合し、締め付けて固定されている。なお、ローラ軸56には、基体50先部とローラ本体51との間を必要な間隔に設定するためのスペーサ59が設けてある。
すなわち、例えばメンテナンスの際にローラを交換する場合には、ローラ軸を装着孔に抜き差ししなければならないが、その作業方向が装着孔の挿通方向となるため、交換作業時におけるローラ軸の移動量が大きくなってしまう。また、更にローラ軸とナットを締め付けたり緩めたりする作業においても、締め付ける時にはナットが外れた状態から行い、緩める時ではナットが外れるまで行わなければならない。このため、特に交換作業を手作業だけで行う場合、作業性が極めて悪かった。
金属球が収容してある空間部は、金属球の回転が円滑に行われるようにやや余裕を持って広く形成してあり、外部との間の隙間も大きい。
一方、ブロイラーの処理工場では、トロリーコンベヤでブロイラーを搬送しながら血抜き、脱毛、解体等を行うので、ハンガーには血等の体液や加熱蒸気、熱湯、水等が大量にかかり、工場内には羽根毛等を含む塵埃も浮遊する。
また、搬送経路はアップダウンや急カーブ等も多くあり、このような箇所は水平な箇所と比較してローラ部に対してより大きく急激な偏荷重がかかるので、合成樹脂製の外輪の破損及びこれによる金属球の脱落が起こりやすかった。
このような理由から、上記したようなブロイラーの処理工場等のやや特殊な条件下においては、従来のハンガーは数ヶ月程度で使用できなくなることが多く、耐久性に難点があった。
第1の発明にあっては、
トロリーコンベヤに使用するトロリーコンベヤハンガーを構成するハンガー基体であって、
アタッチメント装着部にアタッチメントが装着されており、アタッチメントはローラ軸を装着する軸装着部を有し、ハンガー基体の外側部から軸装着部へ通じる案内部が形成してあり、
アタッチメントは、軸装着部に挿通されるローラ軸の軸周方向の回転を防止する手段を有していることを特徴とする、
ハンガー基体である。
第1の発明に係るハンガー基体の軸装着部に、ローラ軸を装着してローラが取り付けてあることを特徴とする、
トロリーコンベヤハンガーである。
ローラは、ローラ本体とローラ本体の回転軸支部に埋設されている転がり軸受または滑り軸受を有しており、転がり軸受または滑り軸受は少なくともローラ本体によって密封若しくは掩蔽または本質的に密封若しくは掩蔽されていることを特徴とする、
第2の発明に係るトロリーコンベヤハンガーである。
転がり軸受または滑り軸受は、止め輪によってローラ本体から外れないようにしてあることを特徴とする、
第3の発明に係るトロリーコンベヤハンガーである。
搬送レールと、
搬送レールに掛けられる第2、第3または第4のいずれかの発明に係る所要数のトロリーコンベヤハンガーと、
を備えていることを特徴とする、
トロリーコンベヤである。
案内部の幅は、少なくともローラ軸を通すことができれば特に限定するものではなく、全長にわたり同じ幅であってもよいし、一部または全部が他と異なる幅であってもよい。また、案内部が複数ある場合は、それぞれ同じ形状でもよいし、異なる形状であってもよい。
転がり軸受または滑り軸受は、ゴムシールや金属シール等を設けた防水、防塵型のものを使用するのが望ましいが、限定はしない。転がり軸受は、グリースレスのものでもよいし、グリースの漏れが防止できればグリースを使用したものでもよい。
本発明に係るトロリーコンベヤハンガーの作用は次のとおりである。
ハンガー基体にローラを取り付ける場合は、あらかじめローラ軸にナットを螺合しておき(ローラ軸がボルト状で、ナットと組み合わせたものである場合)、ある程度まで締めておく。次に、ローラを備えたローラ軸をその軸線方向と交差する方向へ案内部で移動させて、ハンガー基体の外側部から軸装着部へ入れる。このとき、ローラとナットは、軸装着部を挟んで両側に位置するようにする。そして、ローラ軸またはナットを回して締め付け、ローラ軸を軸装着部に固着する。なお、ナットはあらかじめある程度まで締めてあるので、締め付け時にはそれ程回す必要はない。
ハンガー基体からローラを取り外す場合は、ローラ軸またはナットを僅かに緩めて、締付による固定が解除されたところで、ローラ軸をその軸線方向と交差する方向へ案内部で移動させて、軸装着部からハンガー基体の外側部へ取り外すようにする。
転がり軸受または滑り軸受が、止め輪によってローラ本体から外れないようにしてあるものは、軸受の脱落方向への耐荷重性能が優れているので、例えばトロリーコンベヤハンガーに想定外の過大な荷重が作用したような場合でも軸受の脱落を防止できる。
実際には、従来の構造のハンガーでは、ローラの交換作業は1箇所当たり1分程度かかっていたが、本発明に係るハンガーでは、数秒で交換可能であった。
これにより、必ずしもコンベヤを停止させないでも運転状態で並行してローラの交換作業を行うことも可能になる。
これにより、例えば一方の手でハンガー自体を固定しても、ローラ軸が空回りしないようにした状態で、もう一方の手でナットを締め付けることができ、作業が不安定にならず作業性がよくなり、必ずしもコンベヤを停止させないでも運転状態で並行して作業を行うことも可能になる。
また、ローラ軸が軸周方向に回転することを防止できるようにしたことによる効果は、上記(b)と同様である。
また、転がり軸受または滑り軸受が少なくともローラ本体によって密封若しくは掩蔽または本質的に密封若しくは掩蔽されていることによって、軸受の回転部分に、血や水や塵埃等が侵入しにくく、それに起因するローラ部の破損や汚損を防止することができ、十分な耐久性を付与できる。
図2はハンガーのローラ取付部分の断面説明図、
図3はハンガーのローラ軸の取付部分の分解斜視図、
図4は図2におけるI−I部分に対応する断面説明図、
図5は本発明に係るアタッチメントの一実施例を示し、(a)は正面図、(b)はII−II断面図である。
なお、図3においては、図示の便宜上、ローラを省略している。これについては、後述する図7も同様である。
ハンガーAは、後述する搬送レール3と組み合わさってトロリーコンベヤCを構成するものである。ハンガーの構造は本実施例のものに限定されるものではなく、ハンガー基体の形状やローラの位置、個数等は適宜設定できる。
ハンガーAは、金属製で正面視ほぼY字状のハンガー基体1と、ハンガー基体1の上部両端部側の二箇所に設けてあるローラ2、2aを備えている。
また、傾斜部12に、アタッチメント装着部13から斜め下方へやや離れた外側部からアタッチメント装着部13へかけて、切欠して形成された案内部14が設けてある。案内部14は、外側部からアタッチメント装着部13へ上り傾斜するよう直線的に設けてある。案内部14は、ローラ軸20をその軸線方向と交差する方向へ移動させて、アタッチメント装着部13に取り付けられるアタッチメント6の軸装着部63へ案内できる。
アタッチメント6は、金属製(本実施例では、耐蝕性にすぐれたステンレススチール製)である。アタッチメント6は、ハンガー基体1のアタッチメント装着部13に嵌め入れて固着できる嵌合部60と、嵌合部60より径大に形成された突出部61を有している。
なお、アタッチメント6は、本実施例のように外径が異なる部分を有し、段部がアタッチメント装着部13縁部に当接することによって打ち込み位置が自然に決まるようにしたものに限定されず、例えば外径が同じ筒状のものや一方側がやや窄まった形状のものでもよい。
また、アタッチメント6は、案内部64が設けてあることにより、嵌合部60が径小となるよう変形しやすい。これによれば、ハンガー基体1のアタッチメント装着部13に嵌合する嵌合部60の直径は、精度がそれほど要求されないので、製造しやすい。また、若干の違いであれば、アタッチメント装着部13の直径が異なるものにも取り付けることができ、種類の違うハンガー基体1に対する兼用型としての使用も可能である。
ローラ2は、ステンレススチール製のローラ軸20、転がり軸受であるボールベアリング21、ローラ本体22、封鎖部材23及び戻り止めナット24を備えている。
ベアリング装着孔224と封鎖部材収容孔223の間には、ベアリング装着孔224にボールベアリング21を装着したときに脱落を防止するための止め輪25が取り付けてある。
ローラ軸20は、径大軸部200の一端側にやや径大のヘッド部209を設け、径小軸部202の他端側にはネジ部201を設けた構造である。また、径大軸部200と径小軸部202の境界部には、係合段部205が設けてある。
封鎖部材23は、上記封鎖部材収容孔223の内部に位置するようになっており、外周面は封鎖部材収容孔223の内周面に密着しており、表面はローラ本体22の内面229と面一になるようにしてある。
また、ハンガー基体1の反対側に突出したネジ部201には戻り止めナット24(一般にUナットと称される)が螺合され締め付けられる。これにより、ローラ軸20は緩みにくく、締め付けによる固定が確実にできる。このようにして図2に示す構造となり、ローラ本体22は回転可能である。
図6は本発明に係るトロリーコンベヤの一実施例を示す斜視説明図である。
図1ないし図6を参照して、本実施例に係る、ハンガーA、アタッチメント6及びトロリーコンベヤCの作用を、ブロイラーを処理する場合を例に採り説明する。
ハンガーAは、搬送レール3に、チェーン等(図6では図示省略)でつなぐ等して所要の間隔で多数掛けられ、これによりトロリーコンベヤCが構成される。ハンガー基体1の掛止孔15には、フック4が掛けられ、このフック4に、処理されるブロイラー(図示省略)が吊り下げられる。
また、ボールベアリング21が回転軸支部となるので、回転が安定しており、例えば搬送経路にアップダウンや急カーブ等が多くあって、ローラ2、2aに対して大きく急激な偏荷重がかかったりしても、十分に耐えることができる。
ハンガー基体1にローラ2、2aを取り付ける場合は、あらかじめローラ軸20に戻り止めナット24を螺合し、ある程度まで締めておく。次に、ローラ本体22を備えたローラ軸20をその軸線方向と交差する方向へ案内部14、64に沿って移動させて、ハンガー基体1の外側部からアタッチメント6の軸装着部63へ入れる。
すなわち、アタッチメント6に挿通されるローラ軸20に設けてある係合ピン207をアタッチメント6の係合溝62に係合させることにより、ローラ軸20が軸周方向に回転することを防止できるようになる。
すなわち、ハンガーAは、ローラ軸20を固着する前に、ローラ軸20が空回りしないように固定した状態で戻り止めナット24を締め付けることができる。これにより、ローラ2、2aの取り付けや交換を行う作業が容易かつ確実にでき、作業性が向上するので、必ずしもコンベヤを停止させないでも運転状態での作業も可能になる。
なお、図7において、上記ハンガーAと同等箇所には同一の符号を付して示し、構造について重複する説明は省略する。
本実施例においては、上記ハンガーAと相違して、アタッチメント6が使用されていない。すなわち、ハンガー基体1aの両傾斜部12に貫通して設けられた軸装着部13aの周囲には突出部130が設けてある。突出部130の端縁部二箇所に、上記係合溝62と同様の係合溝131が設けてある。
このように形成したハンガー基体1aを有するハンガーは、本質的に上記ハンガーAと同様の作用効果を有するので、説明は省略する。
C トロリーコンベヤ
1 ハンガー基体
10、11 構成体
12 傾斜部
13 アタッチメント装着部
13a 軸装着部
130 突出部
131 係合溝
14 案内部
15 掛止孔
1a ハンガー基体
2、2a ローラ
20 ローラ軸
200 径大軸部
201 ネジ部
202 径小軸部
205 係合段部
206 ピン孔
207 係合ピン
209 ヘッド部
21 ボールベアリング
210 中心孔
22 ローラ本体
221 外面
222 外周面
223 封鎖部材収容孔
224 ベアリング装着孔
226 空間部
227 輪溝
228 スペーサ
229 内面
23 封鎖部材
230 挿通孔
24 ナット
25 止め輪
3 搬送レール
4 フック
6 アタッチメント
60 嵌合部
61 突出部
62 係合溝
63 軸装着部
64 案内部
Claims (5)
- トロリーコンベヤに使用するトロリーコンベヤハンガーを構成するハンガー基体であって、
アタッチメント装着部(13)にアタッチメント(6)が装着されており、アタッチメント(6)はローラ軸(20)を装着する軸装着部(63)を有し、ハンガー基体(1)の外側部から軸装着部(13a,63)へ通じる案内部(14,64)が形成してあり、
アタッチメント(6)は、軸装着部(13a,63)に挿通されるローラ軸(20)の軸周方向の回転を防止する手段(62,131,207)を有していることを特徴とする、
ハンガー基体。 - 請求項1記載のハンガー基体(1)の軸装着部(63,13a)に、ローラ軸(20)を装着してローラ(2,2a)が取り付けてあることを特徴とする、
トロリーコンベヤハンガー。 - ローラ(2,2a)は、ローラ本体(22)とローラ本体(22)の回転軸支部に埋設されている転がり軸受(21)または滑り軸受を有しており、転がり軸受(21)または滑り軸受は少なくともローラ本体(22)によって密封若しくは掩蔽または本質的に密封若しくは掩蔽されていることを特徴とする、
請求項2記載のトロリーコンベヤハンガー。 - 転がり軸受(21)または滑り軸受は、止め輪(25)によってローラ本体(22)から外れないようにしてあることを特徴とする、
請求項3記載のトロリーコンベヤハンガー。 - 搬送レール(3)と、
搬送レール(3)に掛けられる請求項2、3または4のいずれかに記載の所要数のトロリーコンベヤハンガー(A)と、
を備えていることを特徴とする、
トロリーコンベヤ。
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