JP4134827B2 - Aliphatic polyester polyether copolymer - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高分子量の脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体及びその製造方法に関する。詳しくは、生分解性を有し、実用上十分な高分子量であり機械的物性に優れた脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、生分解性高分子としてはポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート、ポリエチレンサクシネート、ポリカプロラクトン及びポリヒドロキブチレート等の種々の樹脂が提案されている。
これら生分解性高分子は生分解性を有するという特徴を有するが、ポリオレフィン、芳香族ポリエステル樹脂及びエンジニアリングプラスチックス等の樹脂と比較すると、物性面、特に機械的強度が実用に耐え得るほど十分なものでないという問題があった。そして、これの問題を解決するために、生分解性ポリエステル樹脂にポリエチレングリコールのようなポリエーテルを共重合させた樹脂が提案されている(特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、ここで提案されている共重合体では、十分な分子量が得られず、機械的物性が実用上十分なものではなかった。そのため、生分解性を有し、十分な機械的物性を有する重合体が要望されていた。
一方、2種以上の脂肪族ポリエステルをブレンドすることにより、機械的物性を改良する方法も試みられている。例えば、ポリブチレンサクシネートは、十分な伸びを有するものの、用途によっては弾性率などの強度がやや低く、柔らかすぎるものであったり、一方、ポリ乳酸は、剛性率は高いものの、伸びに欠け、硬くて脆い性質であるため、その用途に限界があった。そこで、これらを溶融ブレンドした組成物が提案されている(特許文献2参照)。
【0004】
しかしながら、ここで開示されている組成物は、フィルム等の成形に好適な組成物であるが、より高い衝撃強度と剛性の要求される射出成形品、具体的には車内装部品、家電部品及び筐体等の用途分野には、物性面で不十分なものであり、より高い衝撃強度と剛性とを兼ね備えた組成物が要望されていた。
【0005】
【特許文献1】
特開平8−59808号公報
【特許文献2】
特開平9−272789号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、生分解性を有し、十分な機械的物性を有する脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体及びその製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の要旨は、請求項1に記載の、脂肪族ジオール単位35〜50モル%、脂肪族ジカルボン酸単位35〜50モル%及び脂肪族オキシカルボン酸単位0〜30モル%からなる脂肪族ポリエステル部分と下記式(1)で表されるポリエーテル部分とを有し、ηsp/Cが1.40以上、ポリエーテル部分の脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体に対する重量割合が0.1〜90重量%であって、ヒドロキシル基および/またはカルボキシル基を少なくとも3個以上有する単量体単位を、脂肪族ジカルボン酸単位に対して0.001モル%以上5モル%以下の範囲で含有する脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体に関する。
【0008】
【化2】
R
|
−((CH2)m−CH−O−)n− (1)
(式(1)中、Rは水素またはアルキル基、mは1〜10の整数、そしてnは4〜1000の整数を示す。)
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
(1)脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体
<脂肪族ジオール単位>
本発明の脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体を構成する脂肪族ジオール単位をなす脂肪族ジオール成分としては、脂肪族及び脂環族の化合物であって、水酸基を2個持つ化合物であるが、その好ましい具体例は下記の式(3)で表されるものである。
【0011】
【化5】
HO−R4−OH (3)
式中、R4は2価の脂肪族炭化水素基であり、その炭素数は下限が通常2以上、上限が通常11以下、好ましくは6以下である。R4はシクロアルキレン基を包含するものであり、また分岐鎖を有するものであってもよい。好ましいR4は−(CH2)p−、であり、pは下限が通常2以上、上限が通常11以下、好ましくは6以下の整数を示す。
【0012】
本発明に用いることができる脂肪族ジオールは特に限定されないが、その具体例としては、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール及び1,4−シクロヘキサンジメタノールが挙げられる。
これらの中で、得られる共重合体の物性の面から、1,4−ブタンジオール及びエチレングリコールが好ましく、特に1,4−ブタンジオールが好ましい。これらは単独でも、二種以上の混合物として使用することもできる。
共重合体を構成する全構成成分中、脂肪族ジオール単位の量は、下限が35モル%以上、好ましくは、45モル%以上であり、上限が、50モル%以下、好ましくは49.95モル%以下である。
【0013】
<脂肪族ジカルボン酸単位>
脂肪族ジカルボン酸単位を成す脂肪族ジカルボン成分は、脂肪族ジカルボン酸及びその誘導体であり、下記の式(4)で表されるジカルボン酸、及び、それらの炭素数1〜4の低級アルキルエステルまたはそれらの無水物などを言う。
【0014】
【化6】
HOOC−R5−COOH (4)
式中、R5は直接結合、または2価の脂肪族炭化水素基であり、その炭素数は下限が通常2以上であり、上限が11以下、好ましくは6以下である。R5はシクロアルキレン基を包含するものであり、また分岐鎖を有するものであってもよい。好ましいR5は、−(CH2)q−、である。ただし、qは下限が0以上、上限が11以下、好ましくは6以下の整数を示す。
【0015】
脂肪族ジカルボン酸及びその誘導体の好ましい具体例としては、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバシン酸、スベリン酸及びドデカン二酸等、が挙げられる。
これらの中で、得られる共重合体の物性の面から、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸及びドデカン二酸が好ましく、更にコハク酸、アジピン酸が好ましく、特にはコハク酸が好ましい。これらは単独でも2種以上混合して使用することもできる。
共重合体を構成する全構成成分中、脂肪族ジカルボン酸単位の量は、下限が35モル%以上、好ましくは、45モル%以上であり、上限が、50モル%以下、好ましくは49.95モル%以下である。
【0016】
<脂肪族オキシカルボン酸単位>
脂肪族オキシカルボン酸単位をなす脂肪族オキシカルボン酸成分としては、分子中に1個の水酸基と1個のカルボン酸基を有する化合物であれば、特に限定されるものではないが、下記の式(5)の脂肪族オキシカルボン酸、又はそれらの炭素数1〜4の低級アルキルエステル、またはそれらの分子内エステルが好適である。
【0017】
【化7】
HO−R6−COOH (5)
式中、R6は2価の脂肪族炭化水素基である。その炭素数は1以上であり上限が通常11以下、好ましくは6以下である。R6はシクロアルキレン基を包含してもよいが、好ましくは鎖状炭化水素である。「鎖状」は分岐鎖を包含するものとする。
さらに好ましくは、1つの炭素原子に水酸基とカルボキシル基を持つα−ヒドロキシカルボン酸、特には式(6)で表されるものが重合活性の点で最も好ましい。
【0018】
【化8】
式中、aは0または1以上の整数、好ましくは0または1〜10、さらに好ましくは0または1〜5、である。
【0019】
脂肪族オキシカルボン酸の具体例としては、乳酸、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシ−n−酪酸、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、2−メチル乳酸、2−ヒドロキシカプロン酸、2−ヒドロキシイソカプロン酸及びカプロラクトン等のラクトン類を開環させたもの、更にはこれらの混合物などが挙げられる。これらに光学異性体が存在する場合には、D体、L体、またはラセミ体のいずれでもよく、形状としては固体、液体、あるいは水溶液であってもよい。
【0020】
これらの中で、特に好ましいのは、使用時の重合速度の増大が顕著で、かつ入手の容易な乳酸及び/又はグリコール酸であり、最も好ましくは乳酸である。これらの形態は、30〜95%の水溶液のものが容易に入手することができるので好ましい。
共重合体を構成する全構成成分中、脂肪族オキシカルボン酸単位の量は、下限が0モル%以上、好ましくは、0.1モル%以上であり、上限が、30モル%以下、好ましくは10モル%以下である。
【0021】
本発明の脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体は、高分子量化を達成することができるという点で、脂肪族オキシカルボン酸を含有することが好ましい。更に、得られる脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体の結晶性が低下し、可撓性が増すという効果、またポリ乳酸とブレンドした場合の相溶性の点からみても脂肪族オキシカルボン酸を含有することが好ましい。
【0022】
<ヒドロキシル基及び/又はカルボキシル基を少なくとも3個以上有する単量体単位>
本発明のポリエステルポリエーテル共重合体は、さらに、ヒドロキシル基及び/又はカルボキシル基を少なくとも3個以上有する単量体単位を含有するものであると、反応の面では高分子量化を達成しやすく、重合反応時間を短縮できる点で好ましい。また物性の面では溶融張力が増加しブロー成型等の成型を行う際に成型しやすいという点で好ましい。この成分としては、具体的には、リンゴ酸、クエン酸、1,2,3−プロパントリオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、グリセリン、酒石酸、1,2,4−ブタントリオール等が挙げられる。中でも、リンゴ酸、クエン酸が高分子量化し易い点で好ましい。
これらの含有量は、共重合体を構成する全構成成分中、下限が0モル%以上、好ましくは、0.001モル%以上であり、上限が、通常5モル%以下、好ましくは1モル%以下である。
【0023】
<ポリエーテル部分>
本発明のポリエーテル部分は上記式(1)で表され、式中Rの具体例としては、水素、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基及びイソブチル基等の炭素数1〜5のアルキル基が挙げられる。この内、水素及びメチル基が好まく、最も好ましくは水素である。式中mは整数を表し、下限が1以上であり、上限が通常10以下、好ましくは6以下、より好ましくは4以下、更に好ましくは、3以下であり、2が最も好ましい。また、式中のnは整数を表し、下限が通常4以上、好ましくは10以上、より好ましくは20以上であり、上限が通常1000以下、好ましくは500以下、より好ましくは200以下、最も好ましくは50以下の整数である。
【0024】
ポリエーテル部分を構成するポリエーテル成分としては、前記した式(2)のポリエーテルが挙げられる。式(2)中、R1の具体例及び好ましい例は、式(1)のRと同じである。またR2及びR3は、それぞれ独立に水素又は有機基を示し、少なくとも一つは水素である。有機基の例としては、アルキル基、グリシジル基、エポキシ基及びアシル基が挙げられる。好ましいR2及びR3としては、水素、メチル基、エチル基及びグリシジル基が、反応性及び入手のし易さから水素及びメチル基が最も好ましい。これらは、単独でも、2種以上を混合して使用することができる。式(2)中のm及びnの好ましい範囲は式(1)と同様である。
【0025】
好ましいポリエーテル部分としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ1,3−プロパンジオール及びポリテトラメチレングリコールから選択されるものであり、これらを複数併用してもよい。この中でも特にポリテトラメチレングリコール及びポリ1,3−プロパンジオールが好ましく、ポリ1,3−プロパンジオールが最も好ましい。
【0026】
ポリエーテル部分の脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体における重量割合は、下限が0.1重量%以上、好ましくは1重量%以上、より好ましくは5重量%以上であり、上限が90重量%以下、好ましくは70重量%以下、より好ましくは50重量%以下、最も好ましくは30重量%以下である。ポリエーテル部分の脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体に対する重量割合が小さすぎると機械物性改良効果が小さく、また大きすぎると耐熱性が低下し、成形性が低下する傾向にある。
【0027】
<脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体の製造方法>
本発明の脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体の製造方法は、公知の溶融重縮合、溶液重縮合などが採用できる。本発明においては、溶媒を使用しない溶融重縮合を採用することが、重合後触媒除去工程を省略できる為、製造コストを低減できる点で好ましい。
【0028】
重縮合における脂肪族ジオールの使用量は、脂肪族ジカルボン酸100モルに対し、実質的に等モルであるが、一般には、エステル化中の留出があることから、通常1〜20モル%過剰に用いられる。
脂肪族オキシカルボン酸を添加する場合は、脂肪族ジカルボン酸100重量部に対し下限が通常、0.1重量部以上、好ましくは1.0重量部以上、より好ましくは2.0重量部以上であり、上限が、通常、100重量部以下、好ましくは、50重量部以下、より好ましくは20重量部以下の割合で添加して重縮合反応を行う。この使用量が少なすぎると添加効果が現れず、多すぎると結晶性が失われ成形性が低下し、また耐熱性及び機械的特性などが不十分となる傾向がある。
【0029】
脂肪族オキシカルボン酸を添加する場合、脂肪族オキシカルボン酸の添加時期及び方法は、重縮合反応以前であれば特に限定されず、例えば、▲1▼ あらかじめ触媒を脂肪族オキシカルボン酸溶液に溶解させた状態で添加する方法、▲2▼ 原料仕込み時触媒を添加すると同時に添加する方法、などが挙げられる。
ポリエーテル成分の導入時期は、重合の初期の他のモノマーと同時に仕込むまたはエステル交換反応後、減圧を開始するの前でもどちらでもよいが、他のモノマーと同時に仕込む方が工程の簡略化の点で好ましい。
【0030】
本発明の脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体を製造する際の重合温度は、下限が通常、150℃以上、好ましくは180℃以上であり、上限が通常260℃以下、好ましくは230℃以下の範囲で選ぶのがよい。重合時間は下限が通常、2時間以上、好ましくは4時間以上であり、上限が通常、15時間以下である。減圧度は通常、1.33×103Pa以下、より好ましくは0.27×103Pa以下である。
【0031】
本発明の脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体の組成比は、脂肪族ジオールのヒドロキシル基とポリエーテル末端ヒドロキシル基との合計量と脂肪族ジカルボン酸のカルボキシル基量のモル比が、実質的に等しいことが必要である。
本発明の脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体は、重合触媒の存在下で製造される。触媒としては、チタン化合物、アンチモン化合物、スズ化合物、亜鉛化合物等が挙げられ、中でもゲルマニウム化合物が好適である。ゲルマニウム化合物としては、特に制限されるものではなく、酸化ゲルマニウム及びテトラアルコキシゲルマニウムなどの有機ゲルマニウム化合物、塩化ゲルマニウムなどの無機ゲルマニウム化合物が挙げられる。価格や入手の容易さなどから、酸化ゲルマニウム、テトラエトキシゲルマニウム及びテトラブトキシゲルマニウムなどが好ましく、特には、酸化ゲルマニウムが好適である。また、本発明の目的を損なわない限り、他の触媒の併用を妨げない。
【0032】
触媒の使用量は、得られる共重合体の理論収量に対して下限が通常、10PPM以上、好ましくは20PPM以上、さらに好ましくは50PPM以上であり、上限が通常、30,000PPM以下、好ましくは1,000PPM以下、さらに好ましくは500PPM以下である。
触媒の添加時期は、重縮合以前であれば特に限定されないが、原料仕込み時に添加しておいてもよく、減圧開始時に添加してもよい。原料仕込み時に乳酸及び/又はグリコール酸等の脂肪族オキシカルボン酸と同時に添加するか、または脂肪族オキシカルボン酸水溶液に触媒を溶解して添加する方法が好ましく、特には、重合速度が大きくなるという点で脂肪族オキシカルボン酸水溶液に触媒を溶解して添加する方法が好ましい。
【0033】
<脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体>
本発明において、脂肪族ポリエステル部分の各成分のモル%は、脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体を、1H−NMRにより測定して求めることができる。また、ポリエーテル部分の脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体に対する重量割合は、ポリエーテル部分のモル分率よりポリエーテルの重量を求め、共重合体中の重量割合を算出することにより求めることができる。
【0034】
本発明の脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体の還元粘度ηsp/Cは、1.4以上であるが、さらに好ましくは1.5以上、最も好ましくは1.8以上である。上限は、通常4.0以下であるが、好ましくは3.5以下、さらに好ましくは3.2以下である。
本発明の脂肪族ポリエステルポリエステルポリエーテル共重合体には、実質的に芳香族ジカルボン酸等の芳香族化合物は含まれないものであり、本発明の脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体中の芳香族化合物の含有量は通常5モル%以下、好ましくは3モル%以下、更に好ましくは1モル%以下、最も好ましくは全く含まないものである。
【0035】
芳香族化合物が構造中に存在すると生分解性が低下し、また生分解した後の残留物に芳香族化合物が残存するため環境保全の点で好ましくない場合がある。
本発明の脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体を成形して得られたサンプルの引っ張り試験における破断伸度は、400%以上が好ましく、より好ましくは600%以上、さらに好ましくは900%以上、最も好ましくは1000%以上であり、上限は、通常、3000%以下である。
【0036】
引っ張り試験における破断点強度は、15MPa以上が好ましく、より好ましくは、20 MPa以上、さらに好ましくは、30MPa以上であり、上限は、通常60MPa以下である。
また、本発明の脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体を成形して得られたサンプルの動的粘弾性試験におけるtanδ及び損失弾性率G”のピーク温度は、それぞれ−30℃以下であることが好ましく、より好ましくは−40℃以下である。tanδ及びG”のピーク温度が、実使用温度又は保存する温度内にあると、使用中又は保存中に物性が変化する傾向がある。
【0037】
また、ポリエーテルのようなソフトセグメントの含有量が多いと、tanδ及びG”のピーク温度が低下するが、結晶化度の低下、結晶化速度の低下及び耐熱性の低下等がみられるので、好ましい下限値は−60℃、より好ましくは−50℃である。
また、−50〜60℃の測定温度領域での貯蔵弾性率G’は、下限値が通常、1×105Pa以上、好ましくは1×106Pa以上、より好ましくは1×107Pa以上であり、上限値は通常、1×1010Pa以下である。
【0038】
また、−50〜60℃の測定温度領域での損失弾性率G”は、下限値が通常、1×104Pa以上、好ましくは1×105Pa以上、より好ましくは1×106Pa以上であり、上限値は通常、1×108Pa以下である。
−50〜60℃の測定温度領域での貯蔵弾性率G’及び損失弾性率G”の変化が大きいと機械物性が温度変化によって低下するので、測定温度領域での最大値と最小値の変化は小さい方が好ましい。貯蔵弾性率G’や損失弾性率G”が小さすぎると、応力に対する変化が大きく機械物性の点及び形状保持等の点で劣る場合がある。また、貯蔵弾性率G’や損失弾性率G”が大きすぎると一般に脆くなり、耐衝撃性が低下する傾向にある。
【0039】
また、本発明の脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体は、好気性閉鎖式生分解性試験における消費酸の濃度が、ポリブチレンサクシネーとの通常、6倍以下、好ましくは3倍以下である。本発明において好気性閉鎖式生分解性試験とは、JIS K6950の生分解性試験において試料プラスチックの添加量を100mg/lに変えて500mg/lで行う方法を意味する。また、ここで用いるポリブチレンサクシネートは、コハク酸/1,4−ブタンジオール/ヘキサメチレンジイソシアネート=49.5/49.5/1の組成で数平均分子量が3.4万、重量平均分子量が21.7万のものである。
【0040】
本発明の脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体は、射出成形法、中空成形法および押出成形法などの汎用プラスチック成形法などにより、フィルム、ラミネートフィルム、シート、板、延伸シート、モノフィラメント、マルチフィラメント、不織布、フラットヤーン、ステープル、捲縮繊維、筋付きテープ、スプリットヤーン、複合繊維、ブローボトル及び発泡体などの成形品に利用可能である。その際、結晶核剤、酸化防止剤、滑剤、着色剤、離型剤、フィラー、他のポリマーなど、必要に応じ添加することができる。
【0041】
また、本発明の脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体は、生分解性を有しており、土中のバクテリアによって、完全に分解する特性があり、環境衛生上極めて有用な重合体である。そのため、ショッピングバッグ、ゴミ袋、農業用フィルム、合成紙、化粧品容器、洗剤容器、漂白剤容器、釣り糸、漁網、ロープ、結束材、手術糸、衛生用カバーストック材、保冷箱及びクッション材などの各種の用途に使用可能である。
【0042】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これら実施例に限定されるものではない。
(1)還元粘度(ηsp/C):実施例及び比較例で得られた共重合体をフェノール/テトラクロロエタン(1:1重量比)中、30℃で溶液濃度C=0.5g/dlで測定した溶液粘度からもとめた。
【0043】
(2)共重合体のモル%及びポリエーテルの重量割合:得られた共重合体中の各成分のモル分率は、1H−NMRにより測定した。また、ポリエーテル部分のモル分率よりポリエーテルの重量を求め、共重合体中の重量割合を算出した。、1H−NMRの測定は、日本電子(株)製,製品名:JEOL EX270を用いた。
【0044】
(3)引張り試験:実施例及び比較例で得られた共重合体を150℃で熱プレスし、100μmのフィルムを作成した。このフィルムからサンプルをダンベル形状に打ち抜き、引っ張り速度200mm/min、標線間距離10mm、チャック間距離60mmの条件で引っ張り試験を行った。
(4)動的粘弾性試験:実施例及び比較例で得られた共重合体を200℃にて熱プレスし2mmのシートを成形した。このシートから幅12mmの試験片を打ち抜いて粘弾性試験を行った。測定機器はレオメトリックサイエンティフィックFE社製,製品名:RMS800を使用し、チャック間距離45mm、測定周波数1Hz、印加歪みは線形の範囲内で測定温度到達60秒間保持後測定を行った。
【0045】
(5)数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw):ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)法によって測定した。サンプルをクロロホルムに溶解し、GPC装置(東ソー製,製品名:HLC−8020型)を用いてポリスチレン換算により測定した。カラムはPLgel−10μ−MIXを使用した。
【0046】
実施例1
攪拌装置、窒素導入口、加熱装置、温度計及び減圧口を備えた反応容器に、原料としてコハク酸106.3g、1,4−ブタンジオールを87.6g、数平均分子量1,000のポリエチレングリコール(PEG)17.65g、及び酸化ゲルマニウムをあらかじめ1重量%溶解させた90%乳酸水溶液5.46gを仕込んだ。容器内容物を攪拌下、窒素ガスを導入し、減圧置換によって系内を窒素雰囲気下にした。次に、系内を撹拌しながら220℃に昇温し、この温度で1時間反応させた。次に、30分かけて230℃まで昇温し、同時に1時間30分かけて0.07×103Paになるように減圧し、0.07×103Paで4.5時間反応を行い重合を終了し、白色の脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体(以下、「共重合体」という。)を得た。得られた共重合体の還元粘度(ηsp/C)は2.05であった。共重合体中の脂肪族ポリエステル部分のモル%は、コハク酸単位49.2%モル、1,4−ブタンジオール単位49.0モル%、乳酸単位1.8モル%であった。ポリエーテル部分の重量割合は、9.6重量%であった。また、得られた共重合体のストランドは非常に強靱であった。厚さ100μmのフィルムの引っ張り試験の結果、破断伸びは410%、破断点強度℃は27MPaであった。サンプル量150mgを用いて好気性閉鎖式生分解性試験を行った結果、28日間の消費酸素量は230mg、分解率は100%であった。
【0047】
実施例2
実施例1において、コハク酸94.5g、1,4−ブタンジオールを76.1g、数平均分子量1,000のPEGを35.31g、及び酸化ゲルマニウムをあらかじめ1重量%溶解させた90%乳酸水溶液4.85gに代えた他は実施例1と同様な方法で反応を行い、0.07×103Paで4.5時間反応を行い重合を終了し、白色の共重合体を得た。得られた共重合体の還元粘度(ηsp/C)は2.18であった。共重合体中の脂肪族ポリエステル部分のモル%は、コハク酸単位49.5モル%、1,4−ブタンジオール単位48.5モル%、乳酸単位2.0モル%であった。ポリエーテル部分の重量割合は、19.3重量%であった。得られた共重合体のストランドは非常に強靱であった。厚さ100μmのフィルムの引っ張り試験の結果、破断伸びは650%、破断点強度は38MPaであった。サンプル量150mgを用いて好気性閉鎖式生分解性試験を行った結果、28日間の消費酸素量は165mg、分解率は75%であった。
【0048】
実施例3
実施例1において、数平均分子量1,000のPEGを数平均分子量1000のポリプロピレングリコール(PPG)17.65gに代えた他は実施例1と同様な方法で反応を行い、0.07×103Paで6.5時間反応を行い重合を終了し、白色の共重合体を得た。得られた共重合体の還元粘度(ηsp/C)は1.85であった。共重合体中の脂肪族ポリエステル部分のモル%は、コハク酸単位49.4モル%、1,4−ブタンジオール単位48.8モル%、乳酸単位1.8モル%であった。ポリエーテル部分の重量割合は、9.1重量%であった。得られた共重合体のストランドは非常に強靱であった。厚さ100μmのフィルムの引っ張り試験の結果、破断伸びは500%、破断点強度は34MPaであった。
【0049】
実施例4
ポリ1,3−プロパンジオール(P1,3PDの合成)
攪拌装置、窒素導入口、加熱装置、温度計及び減圧口を備えた反応容器に、原料として1,3−プロパンジオール152.6gを加え、容器内容物を攪拌下、窒素ガスを導入し、減圧置換によって系内を窒素雰囲気下にした。続いて濃硫酸1.52gを加え、系内を撹拌しながら130℃に加温し、この温度で30分間反応させた。次に、15分かけて180℃まで昇温した。このとき系内は茶褐色であり、脱水量はおよそ20gであった。その後1時間かけて、0.07×103Paになるように減圧し、0.07×103Paで4.5時間反応を行い、重合を終了した。系内の温度を室温まで冷却し100mlのイオン交換水を加え、攪拌し反応系を水洗した。上層の水層を取り出しpHが5〜6になるまで水洗を繰り返した。次に、ポリマー層に水酸化カルシウムを10g加えて中和し、100℃で3時間減圧乾燥を行い、熱時においてセライトろ過した。得られたP1,3−PDは黄淡色の粘性液体で33g(収率、28%)、1H−NMRによる数平均分子量は1050であった。
【0050】
(P1,3PDの共重合)
実施例1において、数平均分子量1,000のPEGを上記合成した数平均分子量1,050のP1,3PD17.65gに代えた他は、実施例1と同様な方法で反応を行い、0.07×103Paで4.7時間反応を行い重合を終了し、白色の共重合体を得た。得られた共重合体の還元粘度(ηsp/C)は1.83であった。共重合体中の脂肪族ポリエステル部分のモル%は、コハク酸単位49.0モル%、1,4−ブタンジオール単位48.8モル%、乳酸単位2.2モル%であった。ポリエーテル部分の重量割合は、9.6重量%であった。得られた共重合体のストランドは非常に強靱であった。厚さ100μmのフィルムの引っ張り試験の結果、破断伸びは500%、破断点強度は34MPaであった。サンプル量150mgを用いて好気性閉鎖式生分解性試験を行った結果、28日間の消費酸素量は5mg、分解率は2%であった。
【0051】
実施例5
実施例1において、数平均分子量1,000のPEGを数平均分子量2,000のポリテトラメチレングリコール(PTMG)17.65gに代えた他は、実施例1と同様な方法で反応を行い、0.07×103Paで6時間反応を行い重合を終了し、白色の共重合体を得た。得られた共重合体の還元粘度(ηsp/C)は1.88であった。共重合体中の脂肪族ポリエステル部分のモル%は、コハク酸単位49.4モル%、1,4−ブタンジオール単位48.8モル%、乳酸単位1.8モル%であった。ポリエーテル部分の重量割合は、9.4重量%であった。得られた共重合体のストランドは非常に強靱であった。厚さ100μmのフィルムの引っ張り試験の結果、破断伸びは520%、破断点強度は40MPaであった。サンプル量150mgを用いて好気性閉鎖式生分解性試験を行った結果、28日間の消費酸素量は44mg、分解率は20%であった。
【0052】
実施例6
実施例2において、数平均分子量1,000のPEGを数平均分子量2,000のPTMG35.2gに代えた他は、実施例1と同様な方法で反応を行い、0.07×103Paで6時間反応を行い重合を終了し、白色の共重合体を得た。得られた共重合体の還元粘度(ηsp/C)は1.91であった。得られた共重合体のストランドは非常に強靱であった。共重合体中の脂肪族ポリエステル部分のモル%は、コハク酸単位49.4モル%、1,4−ブタンジオール単位48.8モル%、乳酸単位1.8モル%であった。ポリエーテル部分の重量割合は、20.0重量%であった。得られた共重合体の引張り試験及び動的粘弾性試験の結果を表−1に示す。
【0053】
実施例7
実施例1において、コハク酸59.1g、1,4−ブタンジオール45.5g、数平均分子量2,000のPTMG88.0g、及び酸化ゲルマニウムをあらかじめ2重量%溶解させた90%乳酸水溶液3.63gに代えた他は、実施例1と同様な方法で反応を行い、0.07×103Paで4.5時間反応させて重合を終了し、白色半透明の共重合体を得た。得られた共重合体の還元粘度(ηsp/C)は2.34であった。共重合体中の脂肪族ポリエステル部分のモル%は、コハク酸単位49.0モル%、1,4−ブタンジオール単位48.7モル%、乳酸単位2.3モル%であった。ポリエーテル部分の重量割合は、49.1重量%であった。得られた共重合体のストランドは非常に強靱かつゴム弾性を示した。得られた共重合体の引張り試験及び動的粘弾性試験の結果を表−1に示す。サンプル量150mgを用いて好気性閉鎖式生分解性試験を行った結果、28日間の消費酸素量は30mg、分解率は10%であった。
【0054】
実施例8
実施例1において、コハク酸35.3g、1,4−ブタンジオールを24.0g、数平均分子量2,000のPTMGを123.2g、及び酸化ゲルマニウムをあらかじめ6重量%溶解させた90%乳酸水溶液1.91gに代えた他は、実施例1と同様な方法で反応を行い、0.07×103Paで5時間反応させて重合を終了し、白色半透明の共重合体を得た。得られた共重合体の還元粘度(ηsp/C)は3.04であった。共重合体中の脂肪族ポリエステル部分のモル%は、コハク酸単位49.0モル%、1,4−ブタンジオール単位48.5モル%、乳酸単位2.5モル%であった。ポリエーテル部分の重量割合は、69.0重量%であった。得られた共重合体のストランドは非常に強靱かつゴム弾性を示した。得られた共重合体の引張り試験及び動的粘弾性試験の結果を表−1に示す。
【0055】
実施例9
実施例5において、1,4−ブタンジオール87.6gを83.6gに変え、酸化ゲルマニウムを1重量%溶解させた90%乳酸水溶液の代わりに酸化ゲルマニウムを4重量%溶解させた27.7重量%リンゴ酸水溶液0.39gを用いた他は実施例5と同様な方法で反応を行い、0.07×103Paで5時間反応させて重合を終了し、白色半透明の共重合体を得た。得られた共重合体の還元粘度(ηsp/C)は1.89であった。共重合体中の脂肪族ポリエステル部分のモル%は、コハク酸単位49.1モル%、1,4−ブタンジオール単位48.4モル%、リンゴ酸単位0.32モル%であった。ポリエーテル部分の重量割合は、9.6重量%であった。得られた共重合体のストランドは非常に強靱であった。得られた共重合体の引張り試験の結果伸びは510破断強さは38MPaであった。サンプル量150mgを用いて好気性閉鎖式生分解性試験を行った結果、28日間の消費酸素量は42mg、分解率は19%であった。
【0057】
比較例2
ポリブチレンサクシネート(コハク酸/1,4−ブタンジオール/ヘキサメチレンジイソシアネート=49.5/49.5/1の組成で数平均分子量が3.4万、重量平均分子量21.7万のサンプル)150mgを用いて好気性閉鎖式生分解性試験を行った結果、28日間の消費酸素量は15mg、分解率は7%であった。
【0058】
【表1】
【0059】
【発明の効果】
本発明の脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体は、引っ張り試験において良好な物性値を示し、十分な機械的強度を有し、また生分解性を有し、これらの物性が要求される用途に好適に使用できる。また、本発明の製造方法によれば、高分子量の脂肪族ポリエステルポリエーテル共重合体を製造することができる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a high molecular weight aliphatic polyester polyether copolymer and a method for producing the same. Specifically, the present invention relates to an aliphatic polyester polyether copolymer having biodegradability, a practically sufficient high molecular weight, and excellent mechanical properties, and a method for producing the same.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, various resins such as polylactic acid, polybutylene succinate, polyethylene succinate, polycaprolactone, and polyhydroxybutyrate have been proposed as biodegradable polymers.
These biodegradable polymers have the characteristic of being biodegradable. However, when compared with resins such as polyolefins, aromatic polyester resins and engineering plastics, their physical properties, particularly mechanical strength, are sufficient to withstand practical use. There was a problem that it was not. In order to solve this problem, a resin obtained by copolymerizing a biodegradable polyester resin with a polyether such as polyethylene glycol has been proposed (see Patent Document 1).
[0003]
However, the copolymer proposed here cannot obtain a sufficient molecular weight, and the mechanical properties are not practically sufficient. Therefore, a polymer having biodegradability and sufficient mechanical properties has been demanded.
On the other hand, a method for improving mechanical properties by blending two or more aliphatic polyesters has been attempted. For example, although polybutylene succinate has sufficient elongation, depending on the application, the strength such as elastic modulus is slightly low and too soft, whereas polylactic acid has high rigidity but lacks elongation. Due to its hard and brittle nature, its use has been limited. Then, the composition which melt-blended these is proposed (refer patent document 2).
[0004]
However, although the composition disclosed here is a composition suitable for molding of a film or the like, it is an injection-molded product requiring higher impact strength and rigidity, specifically, an automobile interior part, a home appliance part, and the like. In the field of application such as a housing, there has been a demand for a composition that is insufficient in physical properties and has both higher impact strength and rigidity.
[0005]
[Patent Document 1]
JP-A-8-59808
[Patent Document 2]
JP-A-9-272789
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide an aliphatic polyester polyether copolymer having biodegradability and sufficient mechanical properties, and a method for producing the same.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
The present inventionofThe gist of the present invention is the aliphatic polyester part according to claim 1, comprising 35 to 50 mol% of aliphatic diol units, 35 to 50 mol% of aliphatic dicarboxylic acid units, and 0 to 30 mol% of aliphatic oxycarboxylic acid units; A polyether moiety represented by formula (1), and ηsp/ C is 1.40 or more,The weight ratio of the polyether part to the aliphatic polyester polyether copolymer is 0.1 to 90% by weight.Thus, the monomer unit having at least three hydroxyl groups and / or carboxyl groups is contained in the range of 0.001 mol% to 5 mol% with respect to the aliphatic dicarboxylic acid unit.The present invention relates to an aliphatic polyester polyether copolymer.
[0008]
[Chemical 2]
R
|
-((CH2) M-CH-O-) n- (1)
(In the formula (1), R represents hydrogen or an alkyl group, m represents an integer of 1 to 10, and n represents an integer of 4 to 1000.)
[0010]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
(1) Aliphatic polyester polyether copolymer
<Aliphatic diol unit>
The aliphatic diol component constituting the aliphatic diol unit constituting the aliphatic polyester polyether copolymer of the present invention is an aliphatic and alicyclic compound having two hydroxyl groups. A preferred specific example is represented by the following formula (3).
[0011]
[Chemical formula 5]
HO-RFour-OH (3)
Where RFourIs a divalent aliphatic hydrocarbon group having a lower limit of usually 2 or more and an upper limit of usually 11 or less, preferably 6 or less. RFourIncludes a cycloalkylene group and may have a branched chain. Preferred RFourIs-(CH2)p-, And p is an integer whose lower limit is usually 2 or more and whose upper limit is usually 11 or less, preferably 6 or less.
[0012]
The aliphatic diol that can be used in the present invention is not particularly limited, and specific examples thereof include ethylene glycol, 1,3-propanediol, 1,4-butanediol, 1,5-pentanediol, 1,6- Examples include hexanediol, 1,4-cyclohexanediol and 1,4-cyclohexanedimethanol.
Among these, 1,4-butanediol and ethylene glycol are preferable, and 1,4-butanediol is particularly preferable from the viewpoint of physical properties of the obtained copolymer. These may be used alone or as a mixture of two or more.
The total amount of the aliphatic diol units in all the components constituting the copolymer is 35 mol% or more, preferably 45 mol% or more, and the upper limit is 50 mol% or less, preferably 49.95 mol. % Or less.
[0013]
<Aliphatic dicarboxylic acid unit>
The aliphatic dicarboxylic component constituting the aliphatic dicarboxylic acid unit is an aliphatic dicarboxylic acid and a derivative thereof, a dicarboxylic acid represented by the following formula (4), and a lower alkyl ester having 1 to 4 carbon atoms thereof, or Say those anhydrides.
[0014]
[Chemical 6]
HOOC-RFive-COOH (4)
Where RFiveIs a direct bond or a divalent aliphatic hydrocarbon group, and the lower limit of the number of carbon atoms is usually 2 or more, and the upper limit is 11 or less, preferably 6 or less. RFiveIncludes a cycloalkylene group and may have a branched chain. Preferred RFiveIs-(CH2)q-. However, q represents an integer having a lower limit of 0 or more and an upper limit of 11 or less, preferably 6 or less.
[0015]
Preferable specific examples of the aliphatic dicarboxylic acid and derivatives thereof include oxalic acid, succinic acid, glutaric acid, adipic acid, sebacic acid, suberic acid and dodecanedioic acid.
Of these, succinic acid, adipic acid, sebacic acid and dodecanedioic acid are preferred, succinic acid and adipic acid are preferred, and succinic acid is particularly preferred from the viewpoint of the physical properties of the resulting copolymer. These may be used alone or in combination of two or more.
The total amount of the aliphatic dicarboxylic acid units in all the constituent components constituting the copolymer is 35 mol% or more, preferably 45 mol% or more, and the upper limit is 50 mol% or less, preferably 49.95. It is less than mol%.
[0016]
<Aliphatic oxycarboxylic acid unit>
The aliphatic oxycarboxylic acid component forming the aliphatic oxycarboxylic acid unit is not particularly limited as long as it is a compound having one hydroxyl group and one carboxylic acid group in the molecule. The aliphatic oxycarboxylic acids of (5) or their lower alkyl esters having 1 to 4 carbon atoms or their intramolecular esters are preferred.
[0017]
[Chemical 7]
HO-R6-COOH (5)
Where R6Is a divalent aliphatic hydrocarbon group. The carbon number is 1 or more, and the upper limit is usually 11 or less, preferably 6 or less. R6May include a cycloalkylene group, but is preferably a chain hydrocarbon. “Chain” is intended to include branched chains.
More preferably, an α-hydroxycarboxylic acid having a hydroxyl group and a carboxyl group at one carbon atom, particularly one represented by the formula (6) is most preferable in view of polymerization activity.
[0018]
[Chemical 8]
In the formula, a is 0 or an integer of 1 or more, preferably 0 or 1 to 10, more preferably 0 or 1 to 5.
[0019]
Specific examples of the aliphatic oxycarboxylic acid include lactic acid, glycolic acid, 3-hydroxybutyric acid, 4-hydroxybutyric acid, 2-hydroxy-n-butyric acid, 2-hydroxy-3,3-dimethylbutyric acid, and 2-hydroxy-3. Examples thereof include those obtained by ring-opening lactones such as methylbutyric acid, 2-methyllactic acid, 2-hydroxycaproic acid, 2-hydroxyisocaproic acid and caprolactone, and mixtures thereof. When optical isomers exist in these, any of D-form, L-form, and racemic form may be sufficient, and the shape may be solid, liquid, or aqueous solution.
[0020]
Among these, particularly preferred is lactic acid and / or glycolic acid, which is remarkably increased in polymerization rate during use and easily available, and most preferred is lactic acid. These forms are preferred because 30-95% aqueous solutions are readily available.
The total amount of the aliphatic oxycarboxylic acid units in all the constituent components constituting the copolymer is 0 mol% or more, preferably 0.1 mol% or more, and the upper limit is 30 mol% or less, preferably It is 10 mol% or less.
[0021]
The aliphatic polyester polyether copolymer of the present invention preferably contains an aliphatic oxycarboxylic acid from the viewpoint that high molecular weight can be achieved. Furthermore, the aliphatic polyester polyether copolymer obtained contains aliphatic oxycarboxylic acid from the viewpoint of the effect that the crystallinity is lowered and the flexibility is increased, and the compatibility when blended with polylactic acid. It is preferable.
[0022]
<Monomer unit having at least three hydroxyl groups and / or carboxyl groups>
When the polyester polyether copolymer of the present invention further contains a monomer unit having at least three hydroxyl groups and / or carboxyl groups, it is easy to achieve high molecular weight in terms of reaction, This is preferable in that the polymerization reaction time can be shortened. From the viewpoint of physical properties, the melt tension is increased, and this is preferable in terms of easy molding when performing molding such as blow molding. Specific examples of this component include malic acid, citric acid, 1,2,3-propanetriol, trimethylolpropane, pentaerythritol, glycerin, tartaric acid, 1,2,4-butanetriol, and the like. Of these, malic acid and citric acid are preferable in terms of easy molecular weight.
Among these constituents, the lower limit is 0 mol% or more, preferably 0.001 mol% or more, and the upper limit is usually 5 mol% or less, preferably 1 mol%, in all the components constituting the copolymer. It is as follows.
[0023]
<Polyether part>
The polyether part of the present invention is represented by the above formula (1), and specific examples of R in the formula include hydrogen, methyl group, ethyl group, n-propyl group, isopropyl group, n-butyl group and isobutyl group. Examples thereof include an alkyl group having 1 to 5 carbon atoms. Of these, hydrogen and methyl groups are preferred, and hydrogen is most preferred. In the formula, m represents an integer, the lower limit is 1 or more, the upper limit is usually 10 or less, preferably 6 or less, more preferably 4 or less, still more preferably 3 or less, and 2 is most preferable. N in the formula represents an integer, the lower limit is usually 4 or more, preferably 10 or more, more preferably 20 or more, and the upper limit is usually 1000 or less, preferably 500 or less, more preferably 200 or less, most preferably. It is an integer of 50 or less.
[0024]
Examples of the polyether component constituting the polyether portion include the polyether of the above formula (2). In formula (2), R1Specific examples and preferred examples of are the same as R in formula (1). Also R2And RThreeEach independently represents hydrogen or an organic group, at least one of which is hydrogen. Examples of the organic group include an alkyl group, a glycidyl group, an epoxy group, and an acyl group. Preferred R2And RThreeAs hydrogen, a methyl group, an ethyl group, and a glycidyl group are most preferable because of reactivity and availability. These can be used alone or in admixture of two or more. The preferable ranges of m and n in the formula (2) are the same as those in the formula (1).
[0025]
Preferred polyether moieties are those selected from polyethylene glycol, polypropylene glycol, poly 1,3-propanediol and polytetramethylene glycol, and a plurality of these may be used in combination. Among these, polytetramethylene glycol and poly 1,3-propanediol are particularly preferable, and poly 1,3-propanediol is most preferable.
[0026]
The weight ratio of the polyether portion in the aliphatic polyester polyether copolymer is such that the lower limit is 0.1% by weight or more, preferably 1% by weight or more, more preferably 5% by weight or more, and the upper limit is 90% by weight or less. Preferably it is 70 weight% or less, More preferably, it is 50 weight% or less, Most preferably, it is 30 weight% or less. If the weight ratio of the polyether part to the aliphatic polyester polyether copolymer is too small, the effect of improving the mechanical properties is small, and if it is too large, the heat resistance is lowered and the moldability tends to be lowered.
[0027]
<Method for producing aliphatic polyester polyether copolymer>
Known melt polycondensation, solution polycondensation, and the like can be employed as the method for producing the aliphatic polyester polyether copolymer of the present invention. In the present invention, it is preferable to employ melt polycondensation without using a solvent because the post-polymerization catalyst removal step can be omitted, and the production cost can be reduced.
[0028]
The amount of the aliphatic diol used in the polycondensation is substantially equimolar with respect to 100 moles of the aliphatic dicarboxylic acid, but generally there is a distillation during the esterification, and usually an excess of 1 to 20 mole%. Used for.
When the aliphatic oxycarboxylic acid is added, the lower limit is usually 0.1 parts by weight or more, preferably 1.0 parts by weight or more, more preferably 2.0 parts by weight or more with respect to 100 parts by weight of the aliphatic dicarboxylic acid. The upper limit is usually 100 parts by weight or less, preferably 50 parts by weight or less, more preferably 20 parts by weight or less, and the polycondensation reaction is performed. If the amount used is too small, the effect of addition does not appear. If the amount is too large, the crystallinity is lost, the moldability is lowered, and the heat resistance and mechanical properties tend to be insufficient.
[0029]
When the aliphatic oxycarboxylic acid is added, the timing and method of adding the aliphatic oxycarboxylic acid are not particularly limited as long as it is before the polycondensation reaction. For example, (1) the catalyst is previously dissolved in the aliphatic oxycarboxylic acid solution. And (2) a method of adding the catalyst at the same time as adding the raw material when charging the raw materials.
The polyether component may be introduced at the same time as other monomers at the initial stage of polymerization, or after the ester exchange reaction and before the start of pressure reduction, but it is easier to prepare the process simultaneously with other monomers. Is preferable.
[0030]
The polymerization temperature at the time of producing the aliphatic polyester polyether copolymer of the present invention is such that the lower limit is usually 150 ° C. or higher, preferably 180 ° C. or higher, and the upper limit is usually 260 ° C. or lower, preferably 230 ° C. or lower. It is good to choose in. The lower limit of the polymerization time is usually 2 hours or longer, preferably 4 hours or longer, and the upper limit is usually 15 hours or shorter. Degree of vacuum is usually 1.33 × 10ThreePa or less, more preferably 0.27 × 10ThreePa or less.
[0031]
The composition ratio of the aliphatic polyester polyether copolymer of the present invention is such that the molar ratio of the total amount of hydroxyl groups of the aliphatic diol and polyether-terminated hydroxyl groups to the amount of carboxyl groups of the aliphatic dicarboxylic acid is substantially equal. It is necessary.
The aliphatic polyester polyether copolymer of the present invention is produced in the presence of a polymerization catalyst. Examples of the catalyst include a titanium compound, an antimony compound, a tin compound, a zinc compound, and the like. Among these, a germanium compound is preferable. The germanium compound is not particularly limited, and examples thereof include organic germanium compounds such as germanium oxide and tetraalkoxygermanium, and inorganic germanium compounds such as germanium chloride. Germanium oxide, tetraethoxygermanium, tetrabutoxygermanium, and the like are preferable from the viewpoint of price and availability, and germanium oxide is particularly preferable. Moreover, unless the objective of this invention is impaired, combined use of another catalyst is not prevented.
[0032]
The lower limit of the amount of the catalyst used is usually 10 PPM or more, preferably 20 PPM or more, more preferably 50 PPM or more, and the upper limit is usually 30,000 PPM or less, preferably 1, 000 PPM or less, more preferably 500 PPM or less.
The catalyst addition time is not particularly limited as long as it is before polycondensation, but it may be added when the raw materials are charged, or may be added at the start of pressure reduction. A method of adding the oxycarboxylic acid such as lactic acid and / or glycolic acid at the same time as charging the raw material or dissolving the catalyst in the aqueous solution of the aliphatic oxycarboxylic acid is preferable. In particular, the polymerization rate is increased. In this respect, a method in which the catalyst is dissolved and added to the aliphatic oxycarboxylic acid aqueous solution is preferable.
[0033]
<Aliphatic polyester polyether copolymer>
In the present invention, mol% of each component of the aliphatic polyester portion is an aliphatic polyester polyether copolymer,1It can be determined by measuring with H-NMR. Further, the weight ratio of the polyether part to the aliphatic polyester polyether copolymer can be obtained by calculating the weight of the polyether from the molar fraction of the polyether part and calculating the weight ratio in the copolymer. .
[0034]
Reduced viscosity η of the aliphatic polyester polyether copolymer of the present inventionsp/ C is 1.4 or more, more preferably 1.5 or more, and most preferably 1.8 or more. Although an upper limit is 4.0 or less normally, Preferably it is 3.5 or less, More preferably, it is 3.2 or less.
The aliphatic polyester polyester polyether copolymer of the present invention is substantially free of aromatic compounds such as aromatic dicarboxylic acids, and the aromatic polyester in the aliphatic polyester polyether copolymer of the present invention. The content of the compound is usually 5 mol% or less, preferably 3 mol% or less, more preferably 1 mol% or less, and most preferably none.
[0035]
If an aromatic compound is present in the structure, the biodegradability is lowered, and the aromatic compound remains in the residue after biodegradation, which may be undesirable from the viewpoint of environmental protection.
The elongation at break in a tensile test of a sample obtained by molding the aliphatic polyester polyether copolymer of the present invention is preferably 400% or more, more preferably 600% or more, still more preferably 900% or more, and most preferably. Is 1000% or more, and the upper limit is usually 3000% or less.
[0036]
The strength at break in the tensile test is preferably 15 MPa or more, more preferably 20 MPa or more, still more preferably 30 MPa or more, and the upper limit is usually 60 MPa or less.
Further, the peak temperatures of tan δ and loss elastic modulus G ″ in the dynamic viscoelasticity test of the sample obtained by molding the aliphatic polyester polyether copolymer of the present invention are preferably −30 ° C. or less, respectively. More preferably, it is −40 ° C. or less. When the peak temperatures of tan δ and G ″ are within the actual use temperature or the storage temperature, the physical properties tend to change during use or storage.
[0037]
In addition, when the content of the soft segment such as polyether is large, the peak temperature of tan δ and G ″ is decreased. However, since the crystallinity is decreased, the crystallization speed is decreased, and the heat resistance is decreased. A preferred lower limit is −60 ° C., more preferably −50 ° C.
In addition, the storage elastic modulus G ′ in the measurement temperature range of −50 to 60 ° C. has a lower limit of usually 1 × 10 6.FivePa or more, preferably 1 × 106Pa or more, more preferably 1 × 107Pa or more, the upper limit is usually 1 × 10TenPa or less.
[0038]
The lower limit of the loss elastic modulus G ″ in the measurement temperature range of −50 to 60 ° C. is usually 1 × 10.FourPa or more, preferably 1 × 10FivePa or more, more preferably 1 × 106Pa or more, the upper limit is usually 1 × 108Pa or less.
If the change in storage elastic modulus G ′ and loss elastic modulus G ″ in the measurement temperature range of −50 to 60 ° C. is large, the mechanical properties decrease due to the temperature change. Therefore, the change between the maximum value and the minimum value in the measurement temperature range is Smaller is preferable. If the storage elastic modulus G ′ and the loss elastic modulus G ″ are too small, the change with respect to the stress is large, and the mechanical properties and shape retention may be inferior. On the other hand, if the storage elastic modulus G ′ and the loss elastic modulus G ″ are too large, they are generally brittle and the impact resistance tends to decrease.
[0039]
In the aliphatic polyester polyether copolymer of the present invention, the concentration of the acid consumed in the aerobic closed biodegradability test is usually 6 times or less, preferably 3 times or less that of polybutylene succinate. In the present invention, the aerobic closed biodegradability test means a method in which the amount of sample plastic added is changed to 100 mg / l at 500 mg / l in the biodegradability test of JIS K6950. The polybutylene succinate used here has a composition of succinic acid / 1,4-butanediol / hexamethylene diisocyanate = 49.5 / 49.5 / 1 and a number average molecular weight of 34,000 and a weight average molecular weight. It is 27,000.
[0040]
The aliphatic polyester polyether copolymer of the present invention is a film, a laminate film, a sheet, a plate, a stretched sheet, a monofilament, a multifilament, a general-purpose plastic molding method such as an injection molding method, a hollow molding method and an extrusion molding method. It can be used for molded articles such as nonwoven fabrics, flat yarns, staples, crimped fibers, striped tapes, split yarns, composite fibers, blow bottles and foams. At that time, a crystal nucleating agent, an antioxidant, a lubricant, a colorant, a release agent, a filler, other polymers, and the like can be added as necessary.
[0041]
Moreover, the aliphatic polyester polyether copolymer of the present invention is biodegradable, has a property of being completely decomposed by bacteria in the soil, and is an extremely useful polymer for environmental hygiene. Therefore, shopping bags, garbage bags, agricultural films, synthetic paper, cosmetic containers, detergent containers, bleach containers, fishing lines, fishing nets, ropes, binding materials, surgical threads, sanitary cover stock materials, cold storage boxes, cushion materials, etc. It can be used for various purposes.
[0042]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although an Example demonstrates this invention concretely, this invention is not limited to these Examples, unless the summary is exceeded.
(1) Reduced viscosity (ηsp / C): The copolymer obtained in the examples and comparative examples in phenol / tetrachloroethane (1: 1 weight ratio) at 30 ° C. with a solution concentration C = 0.5 g / dl It was determined from the measured solution viscosity.
[0043]
(2) Mole% of copolymer and weight ratio of polyether: The mole fraction of each component in the obtained copolymer is:1Measured by 1 H-NMR. Further, the weight of the polyether was determined from the molar fraction of the polyether portion, and the weight ratio in the copolymer was calculated. ,1For measurement of H-NMR, JEOL EX270 manufactured by JEOL Ltd. was used.
[0044]
(3) Tensile test: The copolymers obtained in Examples and Comparative Examples were hot-pressed at 150 ° C. to prepare a 100 μm film. A sample was punched from this film into a dumbbell shape, and a tensile test was performed under the conditions of a pulling speed of 200 mm / min, a distance between marked lines of 10 mm, and a distance between chucks of 60 mm.
(4) Dynamic viscoelasticity test: The copolymers obtained in Examples and Comparative Examples were hot pressed at 200 ° C. to form a 2 mm sheet. A test piece having a width of 12 mm was punched from this sheet and a viscoelasticity test was performed. The measuring instrument used was a product manufactured by Rheometric Scientific FE, product name: RMS800, the distance between chucks was 45 mm, the measurement frequency was 1 Hz, the applied strain was within the linear range, and the measurement was performed after holding the measurement temperature for 60 seconds.
[0045]
(5) Number average molecular weight (Mn), weight average molecular weight (Mw): Measured by gel permeation chromatography (GPC) method. The sample was dissolved in chloroform and measured by polystyrene conversion using a GPC apparatus (manufactured by Tosoh Corporation, product name: HLC-8020 type). As the column, PLgel-10μ-MIX was used.
[0046]
Example 1
In a reaction vessel equipped with a stirrer, a nitrogen inlet, a heating device, a thermometer, and a vacuum port, 106.3 g of succinic acid as a raw material, 87.6 g of 1,4-butanediol, polyethylene glycol having a number average molecular weight of 1,000 17.65 g of (PEG) and 5.46 g of 90% lactic acid aqueous solution in which 1% by weight of germanium oxide was dissolved in advance were charged. Nitrogen gas was introduced while stirring the contents of the container, and the inside of the system was put into a nitrogen atmosphere by vacuum replacement. Next, the temperature in the system was increased to 220 ° C. while stirring, and the reaction was performed at this temperature for 1 hour. Next, the temperature was raised to 230 ° C. over 30 minutes and at the same time 0.07 × 10 over 1 hour 30 minutes.ThreeDepressurize to Pa, 0.07 × 10ThreeThe reaction was terminated at Pa for 4.5 hours to complete the polymerization, and a white aliphatic polyester polyether copolymer (hereinafter referred to as “copolymer”) was obtained. The reduced viscosity (ηsp / C) of the obtained copolymer was 2.05. The mol% of the aliphatic polyester portion in the copolymer was 49.2% mol of succinic acid units, 49.0 mol% of 1,4-butanediol units, and 1.8 mol% of lactic acid units. The weight ratio of the polyether portion was 9.6% by weight. The resulting copolymer strands were very tough. As a result of a tensile test of a film having a thickness of 100 μm, the elongation at break was 410% and the strength at break was at 27 MPa. As a result of an aerobic closed biodegradability test using a sample amount of 150 mg, the amount of oxygen consumed for 28 days was 230 mg, and the degradation rate was 100%.
[0047]
Example 2
In Example 1, 90% lactic acid aqueous solution in which 94.5 g of succinic acid, 76.1 g of 1,4-butanediol, 35.31 g of PEG having a number average molecular weight of 1,000, and 1% by weight of germanium oxide were dissolved in advance. The reaction was conducted in the same manner as in Example 1 except that 4.85 g was used.ThreeThe reaction was performed at Pa for 4.5 hours to complete the polymerization, and a white copolymer was obtained. The reduced viscosity (ηsp / C) of the obtained copolymer was 2.18. The mol% of the aliphatic polyester portion in the copolymer was 49.5 mol% of succinic acid units, 48.5 mol% of 1,4-butanediol units, and 2.0 mol% of lactic acid units. The weight proportion of the polyether portion was 19.3% by weight. The resulting copolymer strands were very tough. As a result of a tensile test of a film having a thickness of 100 μm, the elongation at break was 650% and the strength at break was 38 MPa. As a result of an aerobic closed biodegradability test using a sample amount of 150 mg, the amount of oxygen consumed for 28 days was 165 mg, and the degradation rate was 75%.
[0048]
Example 3
In Example 1, the reaction was carried out in the same manner as in Example 1 except that PEG having a number average molecular weight of 1,000 was replaced with 17.65 g of polypropylene glycol (PPG) having a number average molecular weight of 1000, and 0.07 × 10ThreeThe reaction was carried out at Pa for 6.5 hours to complete the polymerization, and a white copolymer was obtained. The reduced viscosity (ηsp / C) of the obtained copolymer was 1.85. The mol% of the aliphatic polyester portion in the copolymer was 49.4 mol% of succinic acid units, 48.8 mol% of 1,4-butanediol units, and 1.8 mol% of lactic acid units. The weight ratio of the polyether part was 9.1% by weight. The resulting copolymer strands were very tough. As a result of a tensile test of a film having a thickness of 100 μm, the elongation at break was 500% and the strength at break was 34 MPa.
[0049]
Example 4
Poly 1,3-propanediol (synthesis of P1,3PD)
To a reaction vessel equipped with a stirrer, a nitrogen inlet, a heating device, a thermometer and a pressure reducing port, 152.6 g of 1,3-propanediol is added as a raw material, and nitrogen gas is introduced into the vessel while stirring the vessel contents, and the pressure is reduced. The system was put under a nitrogen atmosphere by replacement. Subsequently, 1.52 g of concentrated sulfuric acid was added, and the system was heated to 130 ° C. with stirring, and reacted at this temperature for 30 minutes. Next, the temperature was raised to 180 ° C. over 15 minutes. At this time, the inside of the system was brown and the amount of dehydration was about 20 g. Then, over the next hour, 0.07 × 10ThreeDepressurize to Pa, 0.07 × 10ThreeThe reaction was performed at Pa for 4.5 hours to complete the polymerization. The temperature in the system was cooled to room temperature, 100 ml of ion exchange water was added, and the mixture was stirred and the reaction system was washed with water. The upper aqueous layer was taken out and washed with water until the pH reached 5-6. Next, 10 g of calcium hydroxide was added to the polymer layer to neutralize it, dried under reduced pressure at 100 ° C. for 3 hours, and filtered through celite when heated. The obtained P1,3-PD is a pale yellow viscous liquid, 33 g (yield, 28%),1The number average molecular weight by H-NMR was 1050.
[0050]
(P1, 3PD copolymerization)
In Example 1, except that PEG having a number average molecular weight of 1,000 was replaced with 17.65 g of P1,3PD having a number average molecular weight of 1,050 as synthesized above, the reaction was carried out in the same manner as in Example 1, and 0.07 × 10ThreeThe reaction was performed at Pa for 4.7 hours to complete the polymerization, and a white copolymer was obtained. The resulting copolymer had a reduced viscosity (ηsp / C) of 1.83. The mol% of the aliphatic polyester portion in the copolymer was 49.0 mol% of succinic acid units, 48.8 mol% of 1,4-butanediol units, and 2.2 mol% of lactic acid units. The weight ratio of the polyether portion was 9.6% by weight. The resulting copolymer strands were very tough. As a result of a tensile test of a film having a thickness of 100 μm, the elongation at break was 500% and the strength at break was 34 MPa. As a result of an aerobic closed biodegradability test using a sample amount of 150 mg, the amount of oxygen consumed for 28 days was 5 mg, and the degradation rate was 2%.
[0051]
Example 5
In Example 1, the reaction was carried out in the same manner as in Example 1, except that PEG having a number average molecular weight of 1,000 was replaced with 17.65 g of polytetramethylene glycol (PTMG) having a number average molecular weight of 2,000. .07x10ThreeThe reaction was performed at Pa for 6 hours to complete the polymerization, and a white copolymer was obtained. The reduced viscosity (ηsp / C) of the obtained copolymer was 1.88. The mol% of the aliphatic polyester portion in the copolymer was 49.4 mol% of succinic acid units, 48.8 mol% of 1,4-butanediol units, and 1.8 mol% of lactic acid units. The weight ratio of the polyether part was 9.4% by weight. The resulting copolymer strands were very tough. As a result of a tensile test of a film having a thickness of 100 μm, the elongation at break was 520% and the strength at break was 40 MPa. As a result of an aerobic closed biodegradability test using a sample amount of 150 mg, the amount of oxygen consumed for 28 days was 44 mg and the degradation rate was 20%.
[0052]
Example 6
In Example 2, the reaction was carried out in the same manner as in Example 1 except that PEG having a number average molecular weight of 1,000 was replaced with 35.2 g of PTMG having a number average molecular weight of 2,000, and 0.07 × 10ThreeThe reaction was performed at Pa for 6 hours to complete the polymerization, and a white copolymer was obtained. The reduced viscosity (ηsp / C) of the obtained copolymer was 1.91. The resulting copolymer strands were very tough. The mol% of the aliphatic polyester portion in the copolymer was 49.4 mol% of succinic acid units, 48.8 mol% of 1,4-butanediol units, and 1.8 mol% of lactic acid units. The weight ratio of the polyether part was 20.0% by weight. Table 1 shows the results of the tensile test and dynamic viscoelasticity test of the obtained copolymer.
[0053]
Example 7
In Example 1, 59.1 g of succinic acid, 45.5 g of 1,4-butanediol, 88.0 g of PTMG having a number average molecular weight of 2,000, and 3.63 g of 90% lactic acid aqueous solution in which 2% by weight of germanium oxide was previously dissolved. The reaction was conducted in the same manner as in Example 1 except that 0.07 × 10ThreeThe reaction was completed at Pa for 4.5 hours to complete the polymerization, and a white translucent copolymer was obtained. The reduced viscosity (ηsp / C) of the obtained copolymer was 2.34. The mol% of the aliphatic polyester portion in the copolymer was 49.0 mol% of succinic acid units, 48.7 mol% of 1,4-butanediol units, and 2.3 mol% of lactic acid units. The weight proportion of the polyether part was 49.1% by weight. The resulting copolymer strands were very tough and rubbery. Table 1 shows the results of the tensile test and dynamic viscoelasticity test of the obtained copolymer. As a result of an aerobic closed biodegradability test using a sample amount of 150 mg, the amount of oxygen consumed for 28 days was 30 mg, and the degradation rate was 10%.
[0054]
Example 8
In Example 1, 90% lactic acid aqueous solution in which 35.3 g of succinic acid, 24.0 g of 1,4-butanediol, 123.2 g of PTMG having a number average molecular weight of 2,000, and 6% by weight of germanium oxide were dissolved in advance. The reaction was conducted in the same manner as in Example 1 except for replacing with 1.91 g, and 0.07 × 10ThreeThe reaction was completed at Pa for 5 hours to complete the polymerization, and a white translucent copolymer was obtained. The reduced viscosity (ηsp / C) of the obtained copolymer was 3.04. The mol% of the aliphatic polyester portion in the copolymer was 49.0 mol% of succinic acid units, 48.5 mol% of 1,4-butanediol units, and 2.5 mol% of lactic acid units. The weight ratio of the polyether portion was 69.0% by weight. The resulting copolymer strands were very tough and rubbery. Table 1 shows the results of the tensile test and dynamic viscoelasticity test of the obtained copolymer.
[0055]
Example 9
In Example 5, 87.6 g of 1,4-butanediol was changed to 83.6 g, and 27.7 wt% of germanium oxide dissolved in 4 wt% was used instead of the 90% lactic acid aqueous solution in which 1 wt% germanium oxide was dissolved. A reaction was carried out in the same manner as in Example 5 except that 0.39 g of a 0.1% aqueous malic acid solution was used, and 0.07 × 10ThreeThe reaction was completed at Pa for 5 hours to complete the polymerization, and a white translucent copolymer was obtained. The reduced viscosity (ηsp / C) of the obtained copolymer was 1.89. The mol% of the aliphatic polyester portion in the copolymer was 49.1 mol% succinic acid units, 48.4 mol% 1,4-butanediol units, and 0.32 mol% malic acid units. The weight ratio of the polyether portion was 9.6% by weight. The resulting copolymer strands were very tough. As a result of a tensile test of the obtained copolymer, the elongation was 510 and the breaking strength was 38 MPa. As a result of an aerobic closed biodegradability test using a sample amount of 150 mg, the amount of oxygen consumed for 28 days was 42 mg and the degradation rate was 19%.
[0057]
Comparative Example 2
Polybutylene succinate (succinic acid / 1,4-butanediol / hexamethylene diisocyanate = 49.5 / 49.5 / 1 composition with a number average molecular weight of 34,000 and a weight average molecular weight of 27,000) As a result of an aerobic closed biodegradability test using 150 mg, the amount of oxygen consumed for 28 days was 15 mg, and the degradation rate was 7%.
[0058]
[Table 1]
[0059]
【The invention's effect】
The aliphatic polyester polyether copolymer of the present invention exhibits good physical property values in a tensile test, has sufficient mechanical strength, has biodegradability, and is suitable for applications requiring these physical properties. Can be used for Moreover, according to the manufacturing method of this invention, a high molecular weight aliphatic polyester polyether copolymer can be manufactured.
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